遊☆戯☆王カード原作ＨＰ

７章・天使ｖｓ鳥獣

（孔雀舞視点）

「私のターンね！」

　杏子は声高らかにターン開始を宣言する。

　ハーピィは攻撃力を下げられ、デッキリーダーも不用意に相手に近づきすぎている。

　奇襲戦法は反撃が怖いのよね…。

　あたしは思わず唾を飲み込んだ。

　それに追い討ちをかけるかのように、杏子がカードを１枚場に出してくる。

「私はこのモンスターを場に出すわ！　――守護天使ジャンヌ！」

「ジャンヌ…！」

　杏子の声と共に、光に包まれた神々しい天使が降臨する。

「攻撃力２８００の最上級天使！　いつの間に…！」

　しかも、ジャンヌはデッキリーダーの特殊能力により攻撃力・守備力ともに４００ポイントアップしている…！

　つまり、今の攻撃力は…３２００！

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■■■■	■■■■	？？？？攻撃表示	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【舞】 LP 4000	■■■■	■■■■	■■■■
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■■■■	■■■■	ジャンヌ攻撃表示 ATK 3200 DEF 2400	ハーピィ攻撃表示 ATK 1200 DEF 1900	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？守備表示	【杏子】 LP 4000	■■■■	■■■■	■■■■

「ハーピィに攻撃よ、ジャンヌ！」

　杏子の攻撃宣言と同時に、ジャンヌは両手を構え、聖なる力をその手に溜め込む…。

――キュイィィン！

　甲高い音と共に、辺りは真っ白な光に包まれる。

　瞬く間に視界は白一色で覆われていく。

　私は思わず目を瞑ってしまう。

　…光が消えた後、場にハーピィの面影は残っていなかった。

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■■■■	■■■■	？？？？攻撃表示	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【舞】 LP 2000	■■■■	■■■■	■■■■
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■■■■	■■■■	■■■■	ジャンヌ攻撃表示 ATK 3200 DEF 2400	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？守備表示	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■

「あ、あたしのターンよ！」

　ジャンヌ…。少し見ない間に杏子は最上級天使モンスターを従えていた…。

　油断ならないわ！

「あたしは、カードを１枚進撃――そして守備表示でカードを出し、ターン終了よ…」

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■■■■	■■■■	？？？？攻撃表示	【舞】 LP 2000	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	？？？？守備表示	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	ジャンヌ攻撃表示 ATK 3200 DEF 2400	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？守備表示	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■

「私のターンね…！」

「私はジャンヌで、前のターンに伏せたその伏せカードに攻撃！」

　伏せカードがオープンになる。

　伏せカードはただの魔法カード。無抵抗で消滅する。

「――さらに、デッキリーダーを進撃させるわ！」

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■■■■	■■■■	？？？？攻撃表示	【舞】 LP 2000	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	ジャンヌ攻撃表示 ATK 3200 DEF 2400	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？守備表示	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■

　ジャンヌはあたしのデッキリーダーの目の前まで進撃していた。

「ふふ…これで追い詰めたわね…！」

　杏子は勝利を確信したかのように笑みを浮かべる。

　――追い詰めた…ですって。

「杏子…１ターンに２マス移動できるあたしのデッキリーダーの前で、よくそんなことが言えるものね…！」

「フフ…逃げ回るつもり？　たとえ逃げ回ったところで、あなたにはジャンヌに勝つ術はないわ！」

「言ってくれるじゃないの！」

「あたしのターン！」

　あたしの戦術を思い知らせてあげるわ…！

「あたしはカードを１枚場に出し――そして、デッキリーダーとカードを移動！　ターン終了よ！」

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■■■■	■■■■	【舞】 LP 2000	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？攻撃表示	ジャンヌ攻撃表示 ATK 3200 DEF 2400	？？？？攻撃表示	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？守備表示	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■

「私のターンね…」

「……」

　ターン開始と共に、杏子は考え込んだ。

　おそらくあたしの伏せカードを警戒しているのだろう。

　ジャンヌを囲むようにあたしの伏せカードが配置されている。これを見れば、罠だと警戒する可能性が高い…。

　でも、実際はどちらも罠カードではない。

　だから、伏せカードに攻撃を仕掛けず移動してくれれば…勝利は見えてくるわ！

「私は――ジャンヌを１マス前に進め、カードを１枚伏せてターンエンドよ！」

　よし！　フフフ…上手くいった…！

　あとはあのカードが上手く動いてくれれば…。

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■■■■	■■■■	【舞】 LP 2000	ジャンヌ攻撃表示 ATK 2800 DEF 2000	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？攻撃表示	？？？？守備表示	？？？？攻撃表示	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	？？？？守備表示	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■

「あたしのターン…！　カードを１枚移動し、このカードを表にして発動する！」

　あたしは１枚のカードを表にした。

　そのカードは――

「ハーピィの羽根帚――発動！」

「ハーピィの羽根帚…」

　杏子は驚いた顔で呟く…。

「そう――あなたの伏せカードが魔法・罠カードなら、それは無条件で破壊されるわ！」

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■■■■	■■■■	【舞】 LP 2000	ジャンヌ攻撃表示 ATK 2800 DEF 2000	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	ハーピィの羽根帚発動！	破壊！	？？？？攻撃表示	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	破壊！	■■■■	■■■■	■■■■	■■■■

　よし！　杏子の伏せカードは全て破壊した！

　これで、杏子の場にはジャンヌとデッキリーダーだけ。

　あとは、あのコンボを決めれば…勝てる！

「フフッ…守護天使ジャンヌ…しっかりご主人様を守らないとね…！」

「え？」

「伏せカードオープン――ハーピィ・レディ！」

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■■■■	■■■■	【舞】 LP 2000	ジャンヌ攻撃表示 ATK 2800 DEF 2000	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	■■■■	ハーピィ攻撃表示 ATK 1800 DEF 1900	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【杏子】 LP 5300	■■■■	■■■■	■■■■
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「ハーピィは山の地形では２マス移動できるわ！　デッキリーダーに直接攻撃よ！」

　ハーピィは高く飛び上がり、デッキリーダーに攻撃を仕掛ける。

　直接攻撃が炸裂する！

　杏子のライフは５３００から３５００になる。

「うっ…でも、この１発だけじゃ私は倒せないわ！　次のターンにジャンヌが反撃するまでよ！」

　杏子は強がる。強がってはいるが、危機的な状況にあることはそれとなく感じているようだ。

「フフ…残念ね…次のターンはないわ！」

「…！」

「手札から、華麗なる分身－万華鏡を発動！　ハーピィは３体に分身する！」

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■■■■	■■■■	【舞】 LP 2000	ジャンヌ攻撃表示 ATK 2800 DEF 2000	■■■■	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	ハーピィ攻撃表示 ATK 1800 DEF 1900	ハーピィ攻撃表示 ATK 1800 DEF 1900	ハーピィ攻撃表示 ATK 1800 DEF 1900	■■■■	■■■■
■■■■	■■■■	■■■■	【杏子】 LP 3500	■■■■	■■■■	■■■■
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　杏子のデッキリーダーの前にはハーピィ・レディが３体。

「パーフェクトルールでは、分身したハーピィもすぐに攻撃が可能…。残りの２体のハーピィで攻撃よ！」

　デッキリーダーに襲い掛かるハーピィ達。

　杏子のデッキリーダーのいる地形は山…。ハーピィの攻撃力は１８００となる。

　攻撃が終わった時には、杏子のライフ表示は３５００から０になっていた。

「ふぅ…」

　あたしは思わず安堵のため息をついていた。

「杏子、強くなったじゃん！」

「そ、そうかな…」

　あたし達はデュエルフィールドから少し離れたベンチで一休みしていた。

「ホラ！」

　あたしは自販機で買ってきた片方のコーラを杏子に手渡す。

「あ、ありがとう…」

　杏子は多少遠慮しながらもコーラを受け取った。

　受け取った杏子の手は少し黒かった。…どうやら、手の甲に何か書かれているようだった。

「何それ？」

「え？」

「その手の落書きみたいなヤツ…」

「ああ、これはね…『ピースの輪』って言うの。舞さんも手…出して！」

　あたしは怪訝そうにしながらも手を出した。

　杏子はあたしの手に触れるように右手を添えてくる。

　そしていつの間に取り出したマジックで、あたしの手に１本の曲線を描いた。

「…？」

「…８人のピースを合わせると輪ができるの。」

「輪…？」

「うん、その輪は友情の証。辛いことがあったらいつでもこの輪を思い出して…。例えみんなバラバラになっても、心はいつも一つだから…」

「…そういう意味があるの。これで舞さんも一緒だね！」

　そういって杏子はこちらを向いた。心からの笑顔を浮かべて…。

　だからあたしは――

「うん…」

　素直に頷いていた。

　気がつくと、あたしのコーラの気はだいぶ抜けてしまっていた。

　いつも飲んでいるはずなのに、今日のコーラはやけに甘く感じたのだった。

■微妙な後書き■

何か真ＤＭ２と暗黒の侵略者パックの宣伝みたいになっていますが、まあ気にしないでください。
守護天使が守るべきものを守れなかったという何とも皮肉な終わり方をしています。実戦でもやってみたいですね。ジャンヌを使うデュエリストを捜さなくてはいけませんが…。
ちなみにジャンヌは戦闘で破壊したモンスターの元々の攻撃力分だけ回復する効果を持っています。密かに杏子のライフが増えていますね。

それと…
次回、作者取材の為　休載させて頂きます。
いや、ホントに取材は…しませんが、とにかく休みます。