遊闘15 処刑ゲーム開始!


城之内 「 大丈夫かぁぁ、御伽ぃ!!」

遊戯 「 御伽くん!!」

蛭谷 「 クク… 仲間思いだな…城之内よ。
安心しろ。気絶はしているが、死んではいない。」

城之内 「 …なら、そこをどきやがれ!」

蛭谷 「 駄目だ。御伽は、オレに負けた…。
ゲームに負けた奴は罰ゲームを受けるのが、世の常だろう。」

城之内 「 罰ゲームだと!」

蛭谷 「 フフフ…安心しな、城之内!
お前がうまく勝ちさえすれば、何も起こらないぜぇぇ。」

城之内 「 !? どういうことだよ!」

蛭谷 「 決勝戦は10分後だったな…。
それまで、こいつは預かっておく。」

蛭谷 「 そして…お前の後ろにいる本田とやらもだ!」

城之内 「 何ぃぃ!」

バキ

本田 「 うぐっ!」

蛭谷の子分 「 へへへ…隙だらけだったぜ…」

城之内 「 ほ、本田ぁぁ!」

蛭谷 「 安心しろ城之内。
少しの間預かるだけだ。」

城之内 「 て、てめぇ…許せねぇ!
今ここでぶっ飛ばす!」

蛭谷 「 …それは賢明な判断ではないな。
パズルのことを忘れたのではないだろう。」

城之内 「 く!」

蛭谷 「 まあ、決勝戦を楽しみにしているんだな、城之内。
最高の舞台を用意しているぜ!」



城之内 「 ちくしょう! 蛭谷の奴…何考えてやがる!」

杏子 「 ……。
でも、うまく勝ちさえすれば何も起こらない…って言ってたのが気になるわ…」

城之内 「 ケッ、そんなのデタラメに決まってらあ!
だいたい、すでに本田ブン殴ってんじゃあねぇか!」

杏子 「 でも、蛭谷にとって、本田を殴ったことが、何もしてないうちに入るんなら……
この後もっと酷いことが……」

遊戯 「 ……」

城之内 「 くそっ! 奴ならやりかねねぇ!
そういや奴は以前オレ達にも……」

遊戯 「 みんな! 今は決勝で勝つことを考えようよ!
勝ちさえすれば…きっと…!」

城之内 「 だがなぁ遊戯、奴は……」

城之内 「 ……」

城之内 「 …そうだな。ウダウダ言ってもしょうがねぇよな!
よーし、気合入れて神をぶっ飛ばすぜ!」

杏子 「 …ぶっ飛ばすって言ったって、そう簡単にはいかないわよ!」

城之内 「 ンなこと分かってるぜ! でもな、オレにだって勝てる見込みはあるぜ!」

城之内 ( …お前のおかげなんだけどな……杏子!)

城之内 「 さーて、そろそろ時間だな!
デュエルフィールドに行くとするか…!」

遊戯 「 あ、待って! 城之内くん!」

城之内 「 遊戯?」

遊戯 「 実は…ボクがこの大会で、城之内くんと闘うことになっていたら…
これを返したいと思ってたんだ…!」

城之内 「 え? こ、これは…『真紅眼の黒竜』!
だが、デッキは奴に取られたはずじゃあ…」

遊戯 「 うん、デッキとは別に持っていたから…」

城之内 「 で、でも、これを受け取って…いいのか?
オレはまだ……」

杏子 「 城之内! 背負ったものが大きいほど強くなれるんでしょ!」

遊戯 「 うん、絶対に…城之内くんには勝って欲しいんだ!」

城之内 「 …へ、そうだったな!
ありがとよ遊戯…! オレは絶対勝つぜ!」

遊戯 「 うん! 応援してるよ!」

城之内 「 じゃあ、行ってくるぜ!」



蛭谷 「 処刑準備は完了したか?」

子分 「 へい、蛭谷さん。
完璧ですぜ…」

蛭谷 「 じゃあ、そろそろ決勝戦に行くとするか…。
今度こそオレが上だという事を思い知らせてやる!」



審判 「 それでは、只今から決勝戦を開始する!」

城之内 「 てめえのお望みどおり決勝戦まで来たやったぜ…。
だが、本田と御伽はどうしたぁ!」

蛭谷 「 フフ。奴らはこの決勝戦を盛り上げるために使わせてもらう。
あれを見な!」

城之内 「 !!」

蛭谷 「 奴らには決勝戦の間、『はりつけ』になってもらう。
お前がオレに『無傷』で勝てば何も起こらない。」

城之内 「 無傷で勝てば…だと!」

蛭谷 「 そう…。お前のライフポイントが減るたびにこいつらには、罰を受けてもらう。
スタンガンの電流地獄をな!」

蛭谷 「 お前のライフが3000以下になれば本田が…
2000以下になれば花咲が…
1000以下になれば御伽が…
電流を浴びることになるぜぇぇ。」

城之内 「 何! 花咲だと!」

蛭谷 「 おっと! オレの手下が陰になって見えなかったようだな。
ほら、どいてやれ!」

城之内 「 花咲!」

花咲 「 城之内くん…すみません、ボク捕まっちゃいまし…」

蛭谷の子分 「 ぐだぐだうっせえよ!」

ドガッ

花咲 「 ぐぅぅ!」

城之内 「 花咲!」

城之内 「 ――蛭谷ぃぃ! お前だけは絶対に許さねぇ!」

蛭谷 「 そうだ。その威嚇するような目がいいぜぇ、城之内!
ククク… 処刑ゲーム開始だ!」



城之内&蛭谷 「 デュエル!」



蛭谷 「 オレの先攻だ。ドロー!」

蛭谷 「 オレはこいつを召喚する!
クィーンズ・ナイト守備表示!」

蛭谷 「 さらに、カードを1枚伏せてターンエンドだ。」



城之内 「 オレのターン! ドロー!」

城之内 ( クィーンズ・ナイトの守備力は1600。
ならば…)

城之内 「 このカードで勝負だ!
漆黒の豹戦士パンサーウォリアー召喚!」

城之内 「 攻撃力2000、こいつがてめえのモンスターを葬るぜ!」

蛭谷 「 ……」

城之内 「 パンサーウォリアー、クィーンズ・ナイトに攻撃だ!」

城之内のパンサーウォリアー(攻2000)が、蛭谷のクィーンズ・ナイト(守1600)に攻撃!



蛭谷 「 フフフ、罠カード発動! 六芒星の呪縛!」

ガシーン

城之内 「 く! パンサーウォリアーが呪縛を受けちまった!」

蛭谷 「 攻撃は無効になり、さらに攻撃力も下がるぜぇ。」

パンサーウォリアー 攻撃力 2000 → 1300

城之内 「 く、くそ!
カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」



蛭谷 「 オレのターン、ドロー!」

ドローカード:オシリスの天空竜

蛭谷 「 来た来た来たぁぁ!
神が来たぜぇぇ!」

城之内 「 へっ…! そんなこと言ったって神には生け贄3体必要なはずだぜ!
そう簡単に場に出させてたまるかよ!」

蛭谷 「 ククク。城之内。だが、お前はこのターン地獄を見る。」

城之内 「 ……!!
まさか、あのカードもすでに…!」

蛭谷 「 そう。勘がいいな城之内。
オレは手札より『ビッグバン・バトル・フィールド』を発動!」

蛭谷 「 さっきの闘いを見ていたから分かるハズだ、城之内。
このカードによって、神への生け贄は1体で済むことをな。」

城之内 「 2ターン目にして…神を召喚するだと!」

蛭谷 「 お前は、オレと対等…いやそれ以上の気でいるだろうが、
今日こそオレの方が格上であることを思い知らせてやる!」

蛭谷 「 クィーンズ・ナイトを生け贄に捧げ――
オシリスの天空竜召喚!」

ズドドドドドド



杏子 「 そ、そんな! こんな早く神が召喚されるなんて!」

遊戯 「 それに今、城之内くんのフィールドは…!」

蛭谷
LP 4000
ビッグバン・バトル・フィールド
【フィールドカード】
モンスターのレベルが半減
オシリスの天空竜
攻撃表示
攻3000

守3000
六芒星の呪縛
【罠カード】
攻撃モンスターは
六芒星の呪縛を受ける!


パンサーウォリアー
攻撃表示
攻1300

守1600
伏せカード
城之内
LP 4000

蛭谷 「 フフフ。死ね、城之内のモンスター!
オシリスの天空竜の攻撃――サンダー・フォース!」

ゴオオォォォォオオオオ

蛭谷のオシリスの天空竜(攻3000)が、城之内のパンサーウォリアー(攻1300)に攻撃!

城之内 ( くそ! 今のオレの伏せカードでは対抗できない!)

ズドオオォォォン

城之内 「 ぐあああ!!」

城之内ライフポイント 4000 → 2300



城之内 「 …はぁ、はぁ。いきなり神が出てくるとは…!」

蛭谷 「 フフフ。城之内。お前、特別ルールを忘れてないかぁ!?
お前のライフは3000を切った。
1人目の処刑のスイッチが入るぜ!」

城之内 「 しまった!」

蛭谷 「 本田にスタンガン攻撃を仕掛けろ!」

城之内 「 本田ぁぁ!!」

本田 「 城之内…オレのことは気にす…」

ジバババババ

本田 「 ぐわああぁぁ!」

蛭谷 「 ――本田の処刑が開始された。
オレに勝たない限り、本田はこのままずっと電流地獄だ。
ホラ、親友が殺られちゃ困るだろぉ?
…なら、早くオレを倒してみろ! 出来るモンならなぁぁ!!」

城之内 「 くそおおぉぉぉ!!」



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