花咲 ( |
遊戯くん、君とは2年生で、別々のクラスになってしまったけど、君はボクに友達と勇気をくれた…! 今、遊戯くんは大切にしていたパズルを奪われてしまっている…。 キミのピンチはボクが救い出します!) |
審判 「 |
2回戦第4試合の対戦者2名は、デュエルフィールドに集まるように!」 |
子分 「 |
蛭谷さん…そろそろ出番ですぜ。」 |
蛭谷 「 |
フフ… 次の対戦相手は花咲とかいうガキだったな…」 |
蛭谷 ( |
…今のオレは無敵だ。 なんて言ったってオレのデッキは、世界最強のデュエリストのものだからな!) |
蛭谷 「 |
ククク… さて、軽くいたぶってやるか…」 |
城之内 「 |
お、花咲が来たぜ!」 |
遊戯 「 |
花咲くん!」 |
花咲 「 |
みんな!」 |
本田 「 |
よぉ、花咲、久しぶりだな! それにしても――今日の花咲はやる気が充填してるように見えるぜ!」 |
花咲 「 |
はい! ボクは困っている遊戯くんを助けるためにも、この勝負、絶対に勝ちます!」 |
本田 「 |
へへ…。 やっぱ、花咲――お前変わったよな!」 |
花咲 「 |
そう…ですか!?」 |
本田 「 |
1年ン時に比べたら、なんてゆーか、ずいぶんたくましく見えるぜ!」 |
遊戯 「 |
ボクも、そう思うよ…!」 |
城之内 「 |
最初ン頃なんて、そん時の遊戯と同じっくらい根性なしに見えたんだけどな。」 |
花咲 「 |
……。 それは多分……遊戯くん、城之内くん、本田くん…、 ボクは…みんなが友達でいてくれたから、強くなれた…と思うんです。 だから、だからこそ今日は遊戯くんのために闘いたいんだ!」 |
本田 「 |
花咲…お前、男だな!」 |
審判 「 |
対戦者は、速やかにデュエルフィールドに集合せよ!」 |
花咲 「 |
――あ、それじゃそろそろボクは、デュエルフィールドへ行くよ…」 |
遊戯 「 |
うん!」 |
城之内 「 |
…花咲! このデュエル、勝てよ!」 |
審判 「 |
2回戦第4試合――花咲vs蛭谷!」 |
蛭谷 「 |
さぁてと、お前のようなガキは速攻で片付けてやるぜ!」 |
花咲 「 |
ボクは負けません! 遊戯くんのためにも必ず勝ちます!」 |
蛭谷 「 |
フフ… せいぜい強がってるがいい。」 |
花咲&蛭谷 「 |
デュエル!」 |
花咲 「 |
ボクの先攻です!」 |
花咲 「 |
ボクは、格闘戦士アルティメーターを守備表示で召喚! ターン終了です!」 |
蛭谷 「 |
オレのターン…ドロー!」 |
蛭谷 ( |
花咲の場のモンスターの守備力は1000。 こんなザコ、簡単に殺れる!) |
蛭谷 「 |
オレは幻獣王ガゼルを攻撃表示で召喚、 てめぇのアルティメーターに攻撃するぜ!」 |
花咲 「 |
うっ…」 |
蛭谷 「 |
所詮ガキ…この程度か…!」 |
城之内 「 |
蛭谷のヤロー、偉そーに挑発しやがって! 誰のデッキだっつーの!」 |
本田 「 |
だが花咲も、出だしからこの調子じゃあ、ちょっと厳しいかもしれねぇな…」 |
遊戯 「 |
…ううん、花咲くんには何か考えがあると思うんだ。」 |
花咲 「 |
ボクのターン、ドロー!」 |
蛭谷 「 |
いいカードでも引けたか、花咲よ! アルティメーター程度のカードでは、『オレ』のデッキには遠く及ばないぜ!」 |
花咲 「 |
そのデッキは『遊戯』くんのデッキです! お前なんかが使っても、ボクにさえも勝てませんよ!」 |
蛭谷 「 |
じゃあ、オレに勝って見せろ、ガキが!」 |
花咲 「 |
もちろん勝ちますとも!」 |
蛭谷 ( |
口だけのガキが!) |
花咲 「 |
さっきのお前のターンで、アルティメーターは倒されてしまった…。 でもそれもボクの狙い通りなんです!」 |
蛭谷 「 |
何!」 |
花咲 「 |
ボクの手札には、墓地のしもべの魂を生け贄にすることで、特殊召喚出来るモンスターがいる! ――アルティメーターの魂を受け継ぎ、岩の精霊 タイタンを特殊召喚する!」 |
蛭谷 「 |
特殊召喚モンスターだと!」 |
城之内 「 |
花咲のヤツ、やるじゃねぇか! タイタンの攻撃力は1700。 あのモンスターで蛭谷のモンスターをぶっ倒せるぜ!」 |
遊戯 「 |
ううん。それだけじゃない! 『特殊召喚』したターンは、他にモンスターを出すことも許される!」 |
花咲 「 |
ボクはさらに手札からモンスターを召喚する! ――元・死神、人間の愛に目覚め、人間のために悪と闘うヒーロー! 『ダーク・ヒーロー ゾンバイア』召喚!!」 |
蛭谷 「 |
ゾンバイア…!!」 |
|
花咲 「 |
闇夜をきりさき、ビルの谷間を抜け――悪を倒せ、ゾンバイア! ボクはダーク・ヒーロー ゾンバイアで幻獣王ガゼルを攻撃です!」 |
蛭谷 「 |
ガゼルがやられた!」 |
花咲 「 |
まだ、ボクのバトルフェイズは終わってません! 岩の精霊 タイタン、蛭谷に直接攻撃です!」 |
蛭谷 「 |
ぐっ…!」 |
蛭谷 「 |
くそ! このガキぃぃ!!」 |
城之内 「 |
花咲、すげーぜ!」 |
本田 「 |
この調子なら……勝てる! 行けー! 花咲!!」 |
蛭谷 「 |
オレのターンだ! ドロー!」 |
蛭谷 「 |
ククク… ガキぃ! てめえにも、『いいもの』を見せてやる!」 |
花咲 「 |
…!?」 |
蛭谷 「 |
前のターン伏せておいた『ソウルテイカー』と、 魔法カード『洗脳−ブレイン・コントロール』を同時発動!」 |
遊戯 「 |
魔法カード同時発動! 花咲くんのモンスターは2体とも奪われてしまう!」 |
城之内 「 |
2体とも奪われただとぉ! それじゃあ…蛭谷の目的は…!」 |
蛭谷 「 |
ククク、お前の2体のモンスターを生け贄に――」 |
蛭谷 「 |
このモンスターを召喚!!」 |
|
遊戯 「 |
ブラック・マジシャン!!」 |
本田 「 |
オレの時に続いて、また出しやがった――!」 |
蛭谷 「 |
ククク…。 ブラック・マジシャンは最強クラスの魔術師…! 貴様に勝てる相手ではない!」 |
花咲 ( |
…これが遊戯くんの切り札、ブラック・マジシャン! でも…何かおかしい……。 …ブラック・マジシャンの目は悲しみに満ちている…!) |
蛭谷 「 |
奴の場にはモンスターはいない…… ブラック・マジシャン、ガキに直接攻撃!」 |
花咲 ( |
ブラック・マジシャンのことをほとんど知らないボクにだって分かる! ブラック・マジシャンは真の主人――遊戯くんと一心同体なんだ! こんなヤツの言うことなんて、ホントは聞きたくないんだ!) |
蛭谷 ( |
……!? ブラック・マジシャンが杖を構えていない!?) |
蛭谷 「 |
ブラック・マジシャン、…攻撃だ! 早く攻撃を仕掛けろ!!」 |
蛭谷 「 |
やっと攻撃を仕掛けたか…! そのガキを殺れ!」 |
花咲 「 |
うっ!」 |
蛭谷 「 |
ククク… さて、ガキ! てめぇのターンだ!」 |
花咲 「 |
ボクのターンです…! ドロー!」 |
花咲 「 |
ボクは…お前なんかには負けない! ボクは『戦士の生還』を発動! 墓地のダーク・ヒーロー ゾンバイアを再び召喚します!」 |
蛭谷 「 |
今さらそのカードを戻しても、ブラック・マジシャンには敵わない!」 |
花咲 「 |
ゾンバイアは、人間の愛に目覚めた元・死神! 彼は正義のために素手で悪にたちむかう! しかし彼には、真なる邪悪を消し去る武器もあったのです!」 |
花咲 「 |
装備カード『破邪の大剣−バオウ』発動! このカードで、ゾンバイアの攻撃力は2600ポイントまで上昇します!」 |
蛭谷 「 |
何! ブラック・マジシャンの攻撃力を超えただと!」 |
花咲 「 |
破邪の大剣で、悲しみに満ちたブラック・マジシャンを救います!」 |
花咲 「 |
ダーク・ヒーロー ゾンバイアの攻撃!」 |
蛭谷 「 |
くそっ!」 |
花咲 「 |
しかし、ゾンバイアは正義になればなるほど、その仮面に隠された素顔はゾンビのように醜くなって、命まで削られていくのです! 彼はモンスターを破壊する度に、攻撃力が200ポイント下がってしまいます…!」 |
花咲 「 |
ターン終了です!」 |
城之内 「 |
ゾンバイアの攻撃力は落ちちまったが、この調子ならいける!」 |
本田 「 |
よっしゃあ、押し切れ! 花咲!」 |
遊戯 「 |
花咲くん! あと少しだ!」 |
蛭谷 「 |
オレのターンだ! ドロー!」 |
蛭谷 ( |
さすが、百戦錬磨のデッキ… 都合のいいカードが手札に揃う…!) |
蛭谷 ( |
死者蘇生でブラック・マジシャンを蘇生して、ゾンバイアを葬るのもいいが、 ここは罠を張るか…!) |
蛭谷 「 |
オレはクリボーを攻撃表示で召喚し、 リバースカードを1枚伏せてターンを終了する!」 |
|
花咲 「 |
クリボーを攻撃表示…!」 |
城之内 「 |
あからさまに罠だぜ…!」 |
遊戯 「 |
だからと言って、ただ引くだけでもだめだ! …ここで引くか、攻めるかは花咲くん次第だよ!」 |
花咲 「 |
ボクのターン、ドローです!」 |
花咲 「 |
ボクの憧れるゾンバイアは、どんな時でも逃げたりはしない! だから、罠が張ってあろうとも悪に立ち向かいます!」 |
花咲 「 |
ダーク・ヒーロー ゾンバイア! クリボーに攻撃!」 |
蛭谷 「 |
フフフ…甘い! リバースカード・死者蘇生発動! オレの墓地に眠るブラック・マジシャンを蘇生する!」 |
|
花咲 「 |
ブラック・マジシャン!」 |
蛭谷 「 |
クリボーの盾になったブラック・マジシャンが反撃を仕掛ける! 今度こそは…ブラック・マジシャンの勝ちだ…!」 |
花咲 ( |
あれ? さっきの悲しみに満ちたブラック・マジシャンとは…表情が違う!?) |
蛭谷 「 |
ゾンバイア、死ねぇぇぇ! ブラック・マジシャン、反撃のブラック・マジックを放て!」 |
花咲 ( |
ブラック・マジシャンが…笑った!?) |
遊戯 「 |
ブラック・マジシャン…!?」 |
蛭谷 「 |
…!? …早く反撃を放て!!」 |
花咲 ( |
そうか―― ゾンバイアの破邪の大剣で、完全に迷いが消えたブラック・マジシャンは もう、『蛭谷』のしもべじゃないんだ!) |
蛭谷 「 |
ブ、ブラックマジシャンが……き、消えた…!!」 |
城之内 「 |
か、勝手に消えちまった…!?」 |
遊戯 「 |
ブラック・マジシャン…!」 |
花咲 「 |
ブラック・マジシャンは、本当の主人のためにその身を消したのです! ブラック・マジシャンは遊戯くんの大切なカード! お前なんかには従わないのです!」 |
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城之内 「 |
これでゾンバイアが再びクリボーに攻撃すれば、花咲の勝ちだ!」 |
本田 「 |
花咲! ゾンバイア! 蛭谷を倒せぇぇ!」 |
花咲 「 |
ゾンバイア、悪を倒して遊戯くんを救い出すのです! ゾンバイア、クリボーに攻撃です!」 |
蛭谷 「 |
そ、そんなフザけたことが許されて…!」 |
花咲 「 |
行けぇぇ、ゾンバイア!!」 |