遊闘10 束縛のデュエル!


遊戯 「 次は、御伽くんの試合だね。」

御伽 「 ああ。城之内もあんなに頑張ってるしな、
オレも城之内に負けていられないぜ!」

遊戯 「 うん…!」

御伽 「 オレは蛭谷の奴を決勝には行かせない!
そのためにまず、ここで確実に勝利を収める!」



審判 「 2回戦第3試合――御伽vs名蜘蛛!」



名蜘蛛 「 へ…てめえが相手か!」

御伽 「 …」

名蜘蛛 「 ゲームの実力もかなりのモンだと聞いたぜ。
せいぜい楽しませてくれよ!」

名蜘蛛 ( オレの必殺コンボの前には成す術もないだろうけどな!)

御伽&名蜘蛛 「 デュエル!」



名蜘蛛 「 オレの先攻ドロー!」

名蜘蛛 「 オレはトラップマスターを守備表示で召喚し――
ターンエンドだ!」



御伽 「 オレのターンだ! ドロー!」

御伽 「 オレはルーレットボマーを攻撃表示で召喚する!」

名蜘蛛 「 攻撃力1000、守備力2000のモンスターを攻撃表示だと!」

御伽 「 ――ルーレットボマーには特殊能力がある…!
ルーレットが止まった数のレベルのモンスターを破壊するのさ!」

名蜘蛛
LP 4000
トラップマスター
★★★
守備表示
攻500
守1100


ルーレットボマー
★★★★
攻撃表示
攻1000
守2000
御伽
LP 4000

名蜘蛛 「 オレのモンスターのレベルは3…。
3が出たら破壊される…!」

御伽 「 そうことさ、名蜘蛛!
さあ、ルーレットスタート!」

シュルルルルル

御伽 「 ……ストップ!」

ピタ



ルーレットの指す数字:3



御伽 「 ルーレットの数字は3!
お前のトラップマスターは破壊される!」

ボオオォォォン

名蜘蛛 「 く、くそっ!」

御伽 「 ――さらにオレのバトルフェイズ!
お前の場にはモンスターがいなくなった!
ルーレットボマーで直接攻撃を仕掛けるぜ!」

御伽のルーレットボマー(攻1000)が、名蜘蛛にダイレクトアタック!

名蜘蛛 「 く…」

名蜘蛛ライフポイント 4000 → 3000

御伽 「 ――さらにリバースカードを伏せて、ターン終了。」



名蜘蛛 「 く…、オレのターン!」

名蜘蛛 ( 序盤からダメージを喰らっちまったが、
御伽のルーレットボマーの攻撃力は1000…。
こいつを攻撃してダメージを狙うぜ!)

名蜘蛛 「 オレはこのカードを召喚――人食い宝石箱!
こいつの攻撃力は1600。
てめえのルーレットボマーに攻撃を仕掛けるぜ!」

名蜘蛛 「 オラオラ、ガードが甘いぜ!」

名蜘蛛の人食い宝石箱(攻1600)が、御伽のルーレットボマー(攻1000)に攻撃!

御伽 「 ――こうなることも計算済みだよ!」

名蜘蛛 「 何!」

御伽 「 リバーストラップ発動! 万能地雷グレイモヤ!」

名蜘蛛 「 攻撃モンスターは破壊される…!」

ドオォォォン

御伽 「 これで人食い宝石箱は、木っ端微塵に吹き飛んだぜ!」

名蜘蛛 「 くそ!」



御伽 「 オレのターン!」

御伽 ( 今、名蜘蛛の場にはモンスターはいない…。
一気に攻めるチャンス!)

御伽 「 オレはマハー・ヴァイロを召喚!
ルーレットボマーとマハー・ヴァイロで名蜘蛛に直接攻撃だ!」

御伽のモンスター2体が、名蜘蛛にダイレクト・アタック!

名蜘蛛 「 ぐあ…」

名蜘蛛ライフポイント 3000 → 450

御伽 「 ターンエンドだ!」



本田 「 御伽、なんだか楽勝って感じだな!」

杏子 「 うん。名蜘蛛くんもゲーマーとしては結構有名だったんだけど、御伽くんには歯が立たないようね。」



名蜘蛛 「 オレのターン!」

名蜘蛛 「 このカードで勝負だ、御伽!
オレはサファイアドラゴンを召喚する!」

御伽 ( サフィアドラゴン……攻撃力1900の宝石ドラゴン!)

名蜘蛛 「 へ…、オレの超レアな宝石カードに言葉も出ねぇかぁ?
オレはこいつでてめえのマハー・ヴァイロを攻撃するぜ!」

名蜘蛛のサファイアドラゴン(攻1900)が、御伽のマハー・ヴァイロ(攻1550)に攻撃!

御伽 「 うぐっ!」

御伽ライフポイント 4000 → 3650



本田 「 御伽のモンスターがやられた!」

城之内 「 だが、これくらいなら御伽の優勢は変わらないぜ!」

遊戯 「 …でも、こういったところから流れが変わることもあるんだ。
油断は出来ないよ!」



御伽 「 オレのターン…」

御伽 「 オレはルーレットボマーを守備表示に変更し、
ターンエンドだ。」



名蜘蛛 「 オレのターン、ドロー!」

ドローカード:マジカルフィールド

名蜘蛛 「 ハハハ――
ついにオレの最強コンボカードが手札に揃ったぜ!」

御伽 「 最強コンボ…!?」

名蜘蛛 「 オレは手札からこのカードを発動――『マジカルフィールド』!」

マジカルフィールド 【フィールド魔法カード】
お互いのプレイヤーは、
1ターンに使える魔法カードの数に制限がなくなる。

御伽 「 そのカードは、1ターンに1回しか使えないハズの魔法カードを、何度でも使えるようにするフィールド魔法!」

名蜘蛛 「 さすが御伽! よく知ってるぜ!
それじゃあ、手札に溜まったドロー強化カードを使わせてもらうとするか…!
天よりの宝札!」

名蜘蛛 「 さらに、天使の施し発動! さらにもう1枚天使の施しを発動!」

御伽 「 名蜘蛛の手札が強化されていく…!」

名蜘蛛 「 さて、手札が強化されたところでこのカードを使わせてもらうぜ!
『洗脳−ブレインコントロール』発動!」

御伽 「 ルーレットボマーが奪われた…!」

名蜘蛛 「 クク…。
奪ったモンスターと、もう1体のモンスターを生け贄に、生命供給体を召喚!」

生命供給体  ★★★★★★★
このカードの持ち主は
ライフコストを払う必要がなくなる。
攻撃力0 守備力3500



本田 「 何だ? あの丸っこい物体は…!」

城之内 「 モンスターを2体も生け贄したっつうのに、あんなのが出てくるとは、名蜘蛛のヤツ何考えてんだ?」

遊戯 「 生命供給体はその名の通り生命を供給する…。
でも、他のカードとコンボで使わないければ意味がないんだ。
名蜘蛛くんは他に切り札を隠し持っている!」



名蜘蛛 「 フフ… いよいよメインカードの登場だ…。
魔法カード『魔力の枷』!」

御伽 「 魔力の枷!」

名蜘蛛 「 てめえなら知ってると思うけどな、一応説明するぜ!
このカードは手札から場にカードを出す度に、500ライフ払わなければならない永続魔法さ!
モンスターを出そうが、魔法・罠を出そうが、500ライフ失うぜ!」

名蜘蛛 「 まぁ、その効果はオレにも及ぶが――
オレはこの生命供給体によってライフを払う必要はないのさ!」

御伽 「 オレにだけ枷をハメたというわけか…!」

名蜘蛛 「 ハハハ――!
これがオレの束縛コンボだ!」

名蜘蛛
LP 450
生命供給体
守備表示
攻0
守3500
マジカルフィールド
【フィールド魔法】
1ターンに使える魔法カードの数に
制限がなくなる。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。





御伽
LP 3650

御伽 ( しかし、名蜘蛛のライフは450しか残っていない!
何とか少しでもダメージを与えることができれば…!)

名蜘蛛 ( どうあがいたって守備力3500のモンスターには勝てないぜ!
てめえはここで絶望するのさ!
それにオレのデッキには第2、第3の枷も眠っているしな!)



御伽 「 く…オレのターン、ドロー!」

ドローカード:ダイス・ポット

御伽 ( このカードは、相手とダイスを振って勝負するカード……。
ダイス勝負で負けたプレイヤーは、相手の目の数×500ダメージを受ける。
名蜘蛛のライフは450……
ダイス勝負でオレが勝てば、名蜘蛛を倒せる!)

御伽 「 オレは、ダイス・ポットを守備表示で召喚!
特殊能力を発動する!」

名蜘蛛 「 な、ダイス・ポットだと!」

御伽 「 ダイス勝負だ、名蜘蛛!
お互いにダイスを投げるんだ!」

名蜘蛛 ( ここでオレが負けたら、オレのライフは0!
なんて凶悪なカードを使ってくるんだ!)

御伽 「 オレから行くぜ!
ダイスロール!!」

御伽 ( 頼む! 大きい目が出てくれ!)



ダイスの目:1



御伽 「 1……!」



名蜘蛛 「 ククク、勝手に自滅しやがった…!
さて、オレが振るぜ!」



ダイスの目:4



名蜘蛛 「 つまり、これでてめえは2000ダメージを受けたことになるワケだ!
さらに、魔力の枷の効果も合わせれば、2500ライフ失ったことになるぜ!」

御伽ライフポイント 3650 → 1150

御伽 「 ……。
ターン、エンド…」



名蜘蛛 「 ヒャハハハハハーー!
愉快だぜ、勝手に自爆してくれるとはな!」

名蜘蛛 「 さてオレのターンだな、ドロー!」

ドローカード:強欲な壺

名蜘蛛 「 ククク、強欲な壺を発動!
――その効力で、デッキからカードを2枚ドローする!」

ドローカード1枚目:魔力の枷

ドローカード2枚目:魔力の枷

名蜘蛛 「 ハハハ――!
今日はツイてるぜ!
オレは手札から魔力の枷を2枚発動!」

御伽 「 魔力の枷2枚同時発動!」

名蜘蛛
LP 450
生命供給体
守備表示
攻0
守3500
マジカルフィールド
【フィールド魔法】
1ターンに使える魔法カードの数に
制限がなくなる。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。


ダイス・ポット
守備表示
攻200
守300
御伽
LP 1150



名蜘蛛 「 分かるよな、御伽!
これでてめえは場にカードを出す度にライフを1500払わなければならない。」

名蜘蛛 「 だが、お前のライフは1150。
もはや場にカードを出すことすら許されないのさ!」

名蜘蛛 「 さらには、場に残っているダイス・ポットも、効果は1度しか使えないただのザコモンスター!
お前の場のカードも何の役にも立たない!」

名蜘蛛 「 完全にお前の負けだ!
ハハハ――!」



本田 「 御伽は完全に枷をかけられちまった!
手札も役に立たない、場のカードも役に立たない!
もはや積んじまったも同然だぜ!」

城之内 「 御伽のヤツ、油断しすぎたかもな!」

杏子 「 ……御伽くんはここで負けちゃうの、遊戯?
『城之内には負けていられない』って言ってたのに……」

城之内 「 まぁ、それが勝負の世界の厳しさっつうモンだ!
御伽の分までオレが……」

杏子 「 もう! あんたには聞いてないわよ!
城之内ったらすぐに調子に乗るんだから…」

遊戯 「 ………。
もう、勝負は着いたよ……」

杏子 「 え? じゃあやっぱり…!」



審判 「 第2回戦第3試合――
勝者、御伽龍児!!」



杏子 「 え?」

本田 「 !」

城之内 「 な、何でだ…!」



名蜘蛛 「 く、くそ…!
まさか、こんな……こんなことになるとは……!!」

御伽 「 オレを束縛したつもりだったが、
束縛されたのは…お前の方だったな。」

御伽 「 そのコンボに3枚目の魔力の枷は自滅行為。
ライフの少なくなったオレに、枷をかけようと焦り過ぎたな…!」

名蜘蛛 「 くそっ!」



御伽 「 遊戯ー! 城之内ー! 勝ったぜ!」

城之内 「 お、おう。
にしてもよぉ、どうやって勝ったんだ…?
ちょっと見逃しちまってよ。」

御伽 「 勝ったって言うか、名蜘蛛が勝手に自滅しただけさ。
名蜘蛛のデュエルディスクを思い出してみてくれよ!」

生命供給体
守備表示
攻0
守3500
マジカルフィールド
【フィールド魔法】
1ターンに使える魔法カードの数に
制限がなくなる。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。
魔力の枷
【永続魔法】
カードを出す度に
500ライフ払う。

城之内 「 ん? 何かおかしいところでもアンのか…?」

杏子 「 あ、デュエルディスクのスペース全部がカードで埋まってる!」

御伽 「 そうゆうことさ。
名蜘蛛は永続系の魔法カードとモンスターだけで、デュエルディスクを埋めてしまったんだ。」

城之内 「 そうか、御伽は何もできなくなっちまったが、
名蜘蛛も何もできなくなった――っつうワケか!」

杏子 「 だったら、後はドローの繰り返し。
名蜘蛛はドロー強化のカードを乱用していた…。
それで、先にデッキがなくなって負けたのね!」

御伽 「 そう。束縛されたのはオレだけじゃなかった…っていうこと。」



御伽 「 ――遊戯!
オレも…キミのパズルを取り戻したい!
昔、キミのパズルをムリヤリ奪った借りも返したいしな…」

遊戯 「 御伽くん…!」

御伽 「 蛭谷を準決勝で負かして、
決勝ではオレと城之内で闘いたいところだぜ!」

遊戯 「 ありがとう、御伽くん!
――でも、ボクは…準決勝より前に…彼に勝って欲しいんだ!」

御伽 「 彼…!?」

遊戯 「 うん、花咲くんさ!」



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