城之内 「 |
オレのターン、ドロー!」 |
城之内 ( |
よし! ようやくモンスターカードを引き当てたぜ!) |
城之内 「 |
オレは、ギア・フリードを召喚するぜ!」 |
|
城之内 ( |
根津見はオレへのダイレクトアタックのため、攻撃力の低い骨ネズミを攻撃表示のままにしている…。 今が大ダメージを与えるチャンス!) |
城之内 「 |
オレは、ギア・フリードで骨ネズミ1体に攻撃だ! いけぇぇ、鋼鉄の手刀!」 |
根津見 「 |
くっ、…でも、このくらいは覚悟できてたよ。 どちらにせよ、城之内の不利は変わらないんだ!」 |
城之内 「 |
強がりも今のうちだぜ! オレはリバースカードを1枚伏せ、ターン終了だ!」 |
根津見 「 |
オレのターン! ドロー!」 |
根津見 「 |
フフフ、城之内。 お前は気付かなかっただろうが、オレが骨ネズミを分裂させた理由は、ダイレクトアタックのためだけじゃない…」 |
城之内 「 |
何! ……… ま、まさか、生け贄…!」 |
根津見 「 |
――そう、最強のネズミモンスターを見せてやる。 骨ネズミ2体を生け贄に――『ネズミキング−ネコフンジャッタ』召喚!」 |
城之内 「 |
ネ、ネコフンジャッタぁぁ!?」 |
本田 「 |
な、なんか、見た目はあまり強くなさそうだけどな…」 |
遊戯 「 |
でも、生け贄2体で召喚された7ツ星モンスターだ。きっと油断はできないよ!」 |
根津見 「 |
ネコフンジャッタは、日頃恨みを抱いている猫への復讐モンスター! ネコフンジャッタ自身の攻撃力は1100しかないが、自分の墓地に眠るネズミモンスターの復讐の念を受け継ぎ、攻撃力を上げる! しかも、ネズミ1匹につき攻撃力を500ポイントもアップさせることができる…。 オレの墓地にはネズミモンスター3体が眠っている。 つまり――」 |
|
城之内 「 |
攻撃力2600だと!」 |
杏子 「 |
城之内のライフは600…。 ここで攻撃表示のギア・フリードがやられたら、城之内のライフは0になっちゃうじゃない!」 |
城之内 「 |
くっ、ここまでか…」 |
根津見 「 |
オレのネズミデッキに貴様ごときが勝てるはずがない! 自分の弱さを呪うがいいさ! 喰らえぇ! ネコフンジャッタの攻撃! 怨霊のネズミスパーク!」 |
城之内 「 |
ヘッ。なーんてな。」 |
根津見 「 |
何!」 |
城之内 「 |
ずいぶんと、態度がデカくなってるなぁ、根津見ちゃん! こうでなくちゃ面白くないぜ! トラップカード発動! マジックアーム・シールド!」 |
根津見 「 |
オレの骨ネズミが、ギア・フリードの盾になっただとぉぉ!」 |
城之内 「 |
オレのギア・フリードは無事だぜ! だが、お前の骨ネズミは跡形もなく消えちまったようだな! ネズミの怨念でネズミがやられちまうとは、滑稽な話だぜ!!」 |
根津見 「 |
く、くそぉぉ。」 |
城之内 「 |
しかも、お前はオレに勝てると油断して、他の弱小モンスターも攻撃表示のままにしちまってる! それがお前のライフに大きく響くぜ!」 |
根津見 「 |
チッ。オレは、他のモンスターをすべて守備表示にし、リバースカードを1枚伏せ、ターンエンドだ。」 |
城之内 「 |
オレのターン!」 |
城之内 ( |
たしかに、奴のターンの攻撃はしのいだが、その代償にネズミモンスター1体を墓地送りにしちまった…。 つまり、ネコフンジャッタの攻撃力は3100ポイント!) |
城之内 「 |
ドロー!」 |
城之内 「 |
へへ…、根津見ぃ! お前はギャンブル、好きかぁ? ルーレットゲームを楽しませてやるぜ! 魔法カード発動! ルーレット・スパイダー!」 |
根津見 「 |
ギャ、ギャンブルカード…だとぉ!!」 |
城之内 「 |
このカードを発動するとライフを半分失うが、今となってはたいしたリスクじゃない。」 |
城之内 「 |
さて、このカードはお前も知ってるよなぁ!? お前のネコフンジャッタを、目隠しをした状態で回転させる! そして矢印の止まった先に攻撃するんだ! それが、オレのモンスターになるか、お前のモンスターになるかは、お前の腕次第だぜ…! さぁ、ルーレットを止めてみな、根津見! ルーレットスタート!!」 |
根津見 「 |
く、くそぉぉぉ。」 |
根津見 ( |
運が悪いと、オレのモンスターに攻撃するだけでなく、プレイヤーのオレ自身を攻撃することもある…。 しかし、それは城之内も同じこと。 しかも、奴はギア・フリードを攻撃表示にしたままだ。 50%の確率で、オレは、勝てるんだ…。 それに対して、オレが負ける確率は20%弱…) |
根津見 ( |
…なのに、城之内は笑ってやがる! 勝ち誇ったように笑ってやがる! 何で城之内は、笑ってやがるんだ!!) |
城之内 「 |
どうしたぁぁ? 根津見ぃ! オレがルーレット止めちまうぜ!」 |
根津見 「 |
くそおぉぉ! ストップだ!」 |
城之内 「 |
フッ、残念だったな。 ネコフンジャッタは、お前の巨大ネズミを指しているぜ!」 |
城之内 「 |
よっしゃあ! 巨大ネズミ粉砕だぜ!」 |
根津見 「 |
くっ。しかし巨大ネズミは守備表示、ライフには影響しない。 しかも、ネコフンジャッタの攻撃力はさらにアップするぜ。」 |
根津見 「 |
フフフ。それに…よくフィールドを見てみろよ、城之内。」 |
|
城之内 「 |
ラージマウス!? ネズミモンスターが場に残っているだと!」 |
根津見 「 |
巨大ネズミの腹の中では次なるネズミモンスターが今か今かと待ち構えていたのさ。 お前にトドメを刺すためになぁ!」 |
杏子 「 |
でも、あのラージマウスってモンスター、攻撃力300しかないじゃない。 状況はほとんど変わらないと思うけど。」 |
遊戯 「 |
ラージマウスは攻撃力こそ低いけど、相手モンスターを無視して、プレイヤーにダイレクトアタックできる能力を持っている…」 |
杏子 「 |
城之内のライフは300…。次のターン確実に負けちゃうじゃない!」 |
城之内 「 |
…フフ、甘いぜ根津見! まだオレのターンのバトルフェイズは終わっていないぜ! ギア・フリード、攻撃表示のラージマウスに攻撃だ!」 |
遊戯 「 |
!! ダメだ! 根津見くんの場にはリバースカードが…!」 |
根津見 「 |
リバースマジック発動! 攻撃の無力化!」 |
城之内 「 |
く… 攻撃が届かねぇ!」 |
根津見 「 |
フフフ。お前の攻撃は無効に終わったぜ!」 |
城之内 「 |
タ、ターンエンドだ。」 |
根津見 ( |
城之内のターンは終了した! 直接攻撃能力を持つラージマウスで攻撃すれば、オレが勝つ!) |
根津見 「 |
オレのターン、ドロー!」 |
根津見 「 |
オレのバトルフェ… !!」 |
城之内 「 |
フ…」 |
根津見 ( |
わ、笑ってやがる! 城之内が笑ってやがる!! 勝ち誇ったように、笑ってやがる!!) |
根津見 ( |
そ、そうか、城之内の場にはリバースカードが残されている… おそらく、これは攻撃と同時に効果を発動する罠…!) |
城之内 「 |
あれぇぇ? どうしたのかなー、根津見ちゃん!」 |
根津見 「 |
そ、その手には…乗らないぞ…城之内…!! フフ…」 |
根津見 ( |
しかし、奴の場には攻撃表示のままのギア・フリードがいる。 こいつをネコフンジャッタで葬っても、城之内のライフは0。 この方法なら、罠にかからずに済むかもしれないぜ。) |
根津見 「 |
オ、オレは、ネコフンジャッタでギア・フリードを… !!」 |
城之内 「 |
フフ。」 |
根津見 ( |
まだ笑ってやがる! くそぉ! ネコフンジャッタで攻撃しても奴は罠カードを使う気なんだ! このまま、何もせずにターンを終わるか…。 いや、それも危険だ…!) |
審判 「 |
根津見! このターンの思考時間はあと10秒! 早々に行動をしないと、このまま城之内のターンになるぞ!」 |
根津見 「 |
く、くそぉ! ラージマウスを守備表示にしてターン終了だ!」 |
城之内 「 |
オレの伏せカードにビビっちまうようじゃぁ、お前もまだまだ勇気が足りないぜ!」 |
根津見 「 |
何ぃ!」 |
城之内 「 |
そんなに気になるなら、オレの伏せカードを見せてやるぜ。 …ホラよ。」 |
城之内 「 |
このカードは装備罠カードだが、ギア・フリードには扱えねぇ代物なのさ。 だから、お前があの時点で攻撃すれば、お前の勝ちだったっつうワケだ。」 |
根津見 「 |
くっ。」 |
城之内 「 |
さーてと、オレのターンだ! ドローカード!」 |
城之内 「 |
ヘ! ネズミの怨念も守備力には影響しないみてぇだな。 ならば、このカードで攻守を逆転するぜ! 魔法カード『右手に盾を左手に剣を』発動!」 |
|
城之内 「 |
さぁて、ネズミの怨霊を払ってやるぜ! ギア・フリード! ネコフンジャッタに攻撃だ!」 |
根津見 「 |
オレのネコフンジャッタがぁぁ!」 |
審判 「 |
第1回戦第1試合、勝者…城之内克也!」 |
根津見 「 |
くそぉぉぉ!! オレの完璧な戦術が、こんな奴に破られるなんて…! 許されてなるものか! こんなヘボデュエリストに負けただなんて…!」 |
城之内 「 |
…まぁ、確かにお前の戦術はたいしたモンなのかもしれねえし、オレもトチってばかりいるかもしれねぇ。 だけどな、オレは度胸っつうか、勇気っつうか、そういう所じゃあ、誰にも負けない自信があるぜ! それがオレとお前の大きな差っつうワケだ、根津見!」 |