「キャノン・ソルジャーを召喚！」
砲台を装備した機械族モンスターが召喚される。
男の表情が明らかに動揺のそれに変わった。
「ウソだ……！ ウソだッ！」
千年眼の男
ＬＰ １０００
魂を削る死霊
守備表示
攻３００
守２００
伏せカード
ボーガニアン
攻撃表示
攻１３００
守１０００
伏せカード
マジック・ドレイン
雷帝ザボルグ
攻撃表示
攻２４００
守１０００
キャノン・ソルジャー
攻撃表示
攻１４００
守１３００
イシズ
ＬＰ ５００
「キャノン・ソルジャーの効果発動！ 雷帝ザボルグ、そしてキャノン・ソルジャー自身を生け贄に捧げ、１０００ダメージを与える！」
この状況ではボーガニアンは倒せない。ならば、直接ダメージを与えてライフを０にしてしまえばいい。
「勝負は決まりましたね……」
私は呟いた。
「そんな！ オレ様は心を読めるんだぞ！ てめえの心を！」
男は動揺しっぱなしである。
キャノン・ソルジャーは、雷帝ザボルグを射出した。
雷帝ザボルグは弾となって、男の腹に命中する。
「ぐはっ……！」
そして、キャノン・ソルジャー自身も弾に変わる。
「おかしい！ おかしい！ てめえは強いカードを使っていたわけでもなければ、引きがよかったわけでもない！ なのに！ まるでオレ様の考えを見抜いたかのように行動していた！ 死と隣り合わせの選択を間違えなかった！ そんなのありえない！ ありえない、ありえない！！」
男は私を指差しながら、叫ぶ。
そうなのだ。私は、本来ならば負けていたのかもしれない。
私はポケットの中に入れてある千年タウクのカードを手に取った。
「あなたが、他人の心を読めるというのなら……」
「え？」
「私は、未来を見ることができるのかもしれません」
私の持っている千年タウクのカード。私はその恩恵を受けているのだろうか？
キャノン・ソルジャーの弾が男を襲う。
「未来を見るだと！ ……そんな！ それじゃあ、心を読んでも勝てるわけが……！」
キャノン・ソルジャーの弾が男に命中し、男のライフは０になった。
そして、それと同時に男の姿とデッキも消えていた。
部屋に静寂が戻る。
……私は勝利したのだ！
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