階段を下りていき、建物3階分くらい降りたところで、広間に出た。
 懐中電灯の明かりでは弱いため、広間全体を見渡すことはできない。

 だが、その広間には何者かの気配がした。

「……誰?」
 私は暗闇に向かって尋ねた。あの墓泥棒がそこにいるのだろうか?

「我は、遺跡の守護者……」
 低い声が響き渡る。声の主は、墓泥棒ではないようだった。

「……お前が遺跡を探索するのにふさわしいかどうか、確かめさせてもらおう」
 男がそう言った瞬間、広間の視界が開けた。



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