私は、リシドの仕事場に電話を掛けた。
 すぐに電話は繋がった。

「リシドなら、今日は来てませんが……」

 おかしい。勤勉のリシドが休むなんてありえない。
 しかし、今優先すべきはマリク。リシドのことは気になるものの、捜している暇はない。

 私は電話を切った。



 NEXT