MIMIC
後編

製作者:ASさん




【Phase  11】VSゲーム四天王!! パート2−愚かな悪運−

「ほぅ…まさか理鳥が倒されるとわな…」

「り、理鳥君大丈夫!?」


愛稟は慌てて理鳥のそばに行く…

しかし、彼はこのデュエルに負けたのことにショックを受けたのか…白目を向けたまま気を失っていた…


場には理鳥のカードが散らばり、中にはガジェット・ソルジャーや、ダークネクロフィア…そして生け贄があった…

どうやら彼のデッキは人形を主体にしたデッキみたいである…



そして彼のポケットから何やらフィギュアのような物が見えた…


「安心しろ…ただ気を失っているだけだ…だが……こいつはただ運が悪いだけだ…もう二度と四天王と呼べないさ…」


付和はにやにやと笑いながら理鳥をあざげり笑っていた…



「な、何よこいつ!…仲間が負けちゃったって言うのになんていいかたなのよ!?」

ミモザは付和のやり方に嫌な感じがした…


「ふん!なんとでも言え!!我が黒薔薇高校の方針に沿って我らはやっているのだからな!!」

「が、学校の方針って……」

時雨はおろおろしか感じで疑問を感じた…


「そうだ…わが学校はデュエルモンスターズは名誉を得るため−」

「そんなことはどうだっていいわよ!!」


ミモザは起こりながら決闘盤をセットし、構えていた…

「ほぉ…貴様……この俺…悪運の付和こと―付和 竜次と知って勝負を挑むのか…面白い!!受けて立とう……!!」

「だったらかかってきなさいよ!シュワ!!」

「シュワじゃない…付和だ!!」




―――――デュエル!!―――――


ミモザ:LP4000

付和:LP4000


「俺のターンドロー!!」


付和は早速自分の手札を確認する…


ドロー・カード:ギャンブル

手札:ニードル・ウォール、ダイス・ポット、不吉な占い、ギャンブル、ギャンブル



(くくく……最高の手札じゃないか…)

手札を見て彼は笑みを浮かべた…


「俺はリバースカードを5枚セットする…」


「い、いきなりカードを5枚セットするだと!?」


倉野の反応を見てニヤリと付和は笑う


(ふふふ…俺がセットしたカードはニードル・ウォール、不吉な占い、そして、ギャンブルのカード3枚……



まず、奴のターンのドローフェイズに1枚目のギャンブルを発動する…

このカードは俺の手札が2枚以下の場合と、奴の手札が6枚の時に発動できるカード…

しかし、相手の手札が6枚以上になることは最初のドローフェイズを除けば、滅多にその数にならない…

しかも…俺の手札が2枚以下という条件をもクリアしなければ発動事態難しい罠カードだ…


つまり、このカードを発動する機会は相手ターンの後攻Tターン目のドローフェイズになる…

そして俺の手札にはそのカードが3枚あった…



どう言うことかわかるかな……?


そう―



これこそ俺の運の強さを証明する最高の手札なのだよ……


ギャンブルは成功すれば、最高で5枚ドローできるものの失敗すれば自分のターンが弾きとぶリスクがある…

しかし、1度失敗した後、スタンバイもう1度チャンスがある…たとえ失敗してもターンスキップは重ならず、1ターンのみというリスクに変換するのだ!!


しかも、ギャンブルは3枚よって最大で3回のチャンスが存在する…

失敗しても1ターンのみのスキップだ……

しかし、そんな計算をしなくてもこの俺には神に匹敵する強運がある。つまりいかなる計算があろうが、俺の前では無力…

デュエル大統一理論を完成させた者がいるみたいだが、俺から言わせれば、時間を無駄にした愚かで、そしてかつてない哀れな男に過ぎん…

せいぜいそのために時間を無駄にしたことを後悔するがいい……


仮にドローに成功したとしても、私は更なるカード、ニードル・ウォールと不吉な占いが瞬時に発動する……


前者は20%の確率で相手もモンスターを破壊し、後者はピーピングとバーンを持ち合わせるカードだ……

このカードで貴様の手札を見ながらダメージを与えていき、貴様のカードを破壊させてもらうわ!!


…そう言えば…ボーイというギャンブルデッキを使うデュエリストがいたようだが…まぁ、俺に言わせればあいつなど何度もチャンスを貰い、ようやく目を出す似非ギャンブラーだがな…


そう…この俺こそが真のギャンブルデュエリストだ!!

城ノ内とかという凡骨などとはケタが違うことを教えてやる!!!)

「さて、俺はモンスターをセットし、ターン終了だ!!」

(さぁ、貴様の不運の始まりだ!!)


「私のターン!ドロー!!」

「ハハハハハ!!……この瞬間!罠カード、ギャンブルを発動!!」


「えぇ…!?ギャンブル!!?」


ミモザは思わぬカードに驚きを隠せなかった…

「ハハハハハ!やはり驚いてみたいだな!!」


「お、驚くわ!!私はダスト・シュートやはたき落としが来ると思ってたし…」

「は?」


「俺なんて死のデッキ破壊ウィルスが発動すると思ってたぜ…」

と、時雨。

「私は非常食とのコンボで大量のライフゲインと大量ドローしてくると思ってたけど…」

と、長澤。

「まぁ、今はやりの強烈なはたき落としが来ると思ってたんだけどな〜」

と、倉野。


「お、おいおい!俺が発動したからってそんなこと言うんじゃね〜!!……てかこのカードの効果を発動させるぜ!!」

ギャンブル
通常罠カード
相手の手札が6枚以上、自分の手札が2枚以下の時に発動可能。コイントスで裏表を当てる。当たりは自分の手札が5枚になるようにドローする。ハズレは次の自分のターンをスキップする。


付和は早速自分のポケットからコインを取り出し、ウジャド眼が描かれている方のコインを表といって早速コインを投げる…

「俺が選択するのは―表だ!!」

コイン:表

「「「「「な、なにぃぃぃ〜!!?」」」」」


「ハハハハハ!!!俺は一気にカードを5枚ドロォォォ!!!そして更なるリバース罠!―不吉な占い!!そしてニードル・ウォールを発動ぅぅ!!!」


不吉な占い
永続罠カード
自分のスタンバイフェイズ時、相手の手札からカードを1枚ランダムに選択する。そのカードの種類(モンスター・魔法・罠)を当てた場合、相手プレイヤーに700ポイントダメージを与える。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

ニードル・ウォール
永続罠カード
自分のスタンバイフェイズ時にサイコロを1回振る。相手のモンスターカードゾーンを、このカードのコントローラーから見て右から1〜5とし、出た目にいるモンスターを破壊する。6の目が出た場合はもう一度サイコロを振る。


「これで次の俺のターンから貴様の手札を予言し、的中すれば一気に700ダメージを与え!サイコロの目にいるモンスターを破壊させてくれるわ!!」

「……私は憑依装着−エリアを攻撃表示で召喚!!」

ミモザの場に青い髪をした可愛い霊使いが姿を現す…。

憑依装着−エリア
水属性 魔法使い族 ☆4 ATK1850 DEF1500
自分フィールド上の「水霊使いエリア」1体と水属性モンスター1体を墓地に送る事で、手札またはデッキから特殊召喚する事ができる。この方法で特殊召喚に成功した場合、以下の効果を得る。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。


「バトル!!憑依装着―エリアでそのセットされたモンスターを攻撃!!」

エリアは水の激流を作り出し、一気にセットされたモンスターを付和ごと吹き飛ばした

「ぐぬぅぅうぅ―!!!」


「……ふふふ…かかったな……この瞬間!―ダイス・ポッドの効果を発動ォォォ!!!」


お互いの場に、それぞれ巨大なサイコロが出現する…


ダイス・ポット
光属性 岩石族 ☆3 ATK 200 DEF 300
リバース:お互いサイコロを一回ずつ振る。相手より小さい目が出たプレイヤーは、相手の出た目×500ポイントダメージを受ける。ただし、6の目に負けたプレイヤーは6000ポイントダメージを受ける。引き分けの場合はやり直す。

「このカードはお互いにサイコロを振り、出た目が小さい物が相手の出た目×500ダメージを受ける!さらに6で負けた奴は一気に6000ものダメージを受けるんだぜぇ!!……さぁ行くぞ!ダイス・ロール!!」

付和は巨大なサイコロ一気に振る…そして勢いよく転がった後、ゆっくりと止まった…

出た目:5


「ハハハハハ!!!これで貴様は4以下の目を出した場合一気にお前は2500ものダメージを受けることになる!!」

(しかもトリ○アの泉で5以上が出る確率が一番高い…つまりあいつが簡単に5を出すなんてそう簡単に―)


「よいしょっと……エイ!!」

ミモザも思いっきりサイコロを振った


出た目:6




「え………?」




ドッカ―ン!!!




「う、うわわわわ……な、なんだぁ!?!?!!!?」


林檎は慌てながら音のした方を見た…

そこにあったのは……





          ,,-'  _,,-''"      "''- ,,_   ̄"''-,,__  ''--,,__
           ,,-''"  ,, --''"ニ_―- _  ''-,,_    ゞ    "-
           て   / ,,-",-''i|   ̄|i''-、  ヾ   {
        ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
    ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
          ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄    |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
       ,,-''::::二-''"     .--i|     . |i          "- ;;:::`、
      ._,-"::::/    ̄"''---  i|      |i            ヽ::::i
  .(:::::{:(i(____         i|      .|i          _,,-':/:::}
    `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|        .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
        "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|       .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
              ̄ ̄"..i|         .|i
               .i|          |i
               i|          |i
               .i|            .|i
               .i|           |i




次の瞬間―ミモザのサイコロが大爆発を起こし、付和だけが爆発に巻き込まれたのであった……


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」


付和の悲鳴が聞こえたのは爆発から数秒後だった…

付和:LP   0





【Phase  12】VSゲーム四天王!! パート3−稲妻の暴走−

付和は自ら発動したリバース効果モンスターの効果によって自爆してしまい、体から煙を出しながら地面に倒れた…


「な、なんだか知らないけど…と、とりあえず勝っちゃったわね…」

ミモザもあまりの勝敗に少し驚いていた…


「ま、ま、ままままだです…まだ私がい、いいいいます……」

愛稟は慌てながらデュエルの構えをした…


「いや…もう、これ以上のデュエルは止めてくれないだろうか……」

時雨は愛凛にこれ以上のデュエルの強要を止めてもらうよう説得したが…


「まぁ、いいんじゃね時雨…このまま引かせると最後の四天王が学校に来てえらいことになるかも知れねぇぜ……ここはひとつこの俺がデュエルの相手でもして怪我した奴らの救助をしてくれねーか…」

「う……まぁそれもそうだ…じゃぁ皆で救助―ってアレ?」


時雨が救助に行こうとしたがあることに気づいた

「林檎は?」


「え?林檎!?…あれ?そう言えばいないわね……」

「ホントだ…誰もいない……」


「ま、まさか…俺が来る途中にはぐれたんじゃ……」


「あ、ああああの〜……」

愛稟がもじもじしながら何かを話そうとしていた…

「な、なんだ!?」


「じ、じじ実は私達のマネージャーの子で迷っている子もいるんですけど…」

「えぇ?まだ一人いたの!?」

「いったいどんなやつだよ!?」

ミモザと時雨は彼女の言うマネージャーのことを聞きだす…



「そ、そその子のな、名は…チョップマンって名前の子なんだけれど…」


その瞬間―時雨達の体がピキィと背筋にかつてない悪寒が走った…

「あ、あのー…ひょ、ひょっとしてそいつって…あの……」

時雨は恐る恐る彼女に聞いてみたところ…

「はい…一応そうですけど……」




「「「「エエエエエエエエエエエ!!!?????」」」」


「や、やべぇぞ、時雨!!このままじゃ林檎どころかほかのみんなの命が―!!」

「そ、そうだな!…てか彼女はそいつの知れないから一応付いてきてもらおうぜ!!」

「お、おおお言葉ですがか、彼は私に好意をも、も持っているようで…下手すれば…お、襲ってくるかも……」


「な、なんですってぇ〜!?」

「じゃ、じゃぁどうすりゃいいんだ!?」


しばらく考え込む時雨達…

「よ、よし…やむ負えない……倉野!あの子と一緒にデュエルをしといてくれ!!」

「えぇ?お、俺が!!??」

「だってあなたあの子とデュエルしようとしてたじゃない!!」

「と!言うことで幸運を祈るぜ!!」

「あ!おい…ちょっと!!」


時雨、長澤、ミモザ達は倉野と愛稟をおいて林檎を探しに走り去っていった…


「……たく…しゃーねーぜ…というわけで早速デュエルするぞ!!」

「え…えええええ…ハイ…




―――――デュエル―――――


倉野:LP4000

愛稟:LP4000

「よし!俺のターンだ!ドロー!!…俺は永続魔法、未来融合―フューチャー・フュージョンを発動!!このカードでデッキから2体のヘルカイザー・ドラゴンを墓地に送り、2ターン後にその融合モンスターを融合召喚する!!」


未来融合―フューチャー・フュージョン
永続魔法カード
自分のデッキから融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地へ送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択する。発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に選択した融合モンスターを自分フィールド上に特殊召喚する(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

「さらに俺はマジック・スライムを攻撃表示で召喚、カードを1枚セットし、ターンエンドだ!!」


彼の場に不気味に輝くスライムが出現し、このターンが終了した…

マジック・スライム
水属性 水族 ☆3 ATK 700 DEF1200
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。●このカードが戦闘を行う事によって受けるコントローラーへの戦闘ダメージは相手が受ける。


「わ、わ私のターンです…ドロー……私はこのカード…神鳴りを発動します…このカードでこのターンの召喚を行わない代わりにデッキから雷族モンスター1体を手札に加えます……」


神鳴り
通常魔法カード
デッキから雷族モンスター1体を手札に加える。その後デッキをシャッフルする。このターン、手札に加えたモンスターを召喚することはできない。

「わ、わわ私はデッキからサンダー・ドラゴンを手札に加え…このカードを捨ててデッキから同名カードを2枚手札に加えます…」

サンダー・ドラゴン
光属性 雷族 ☆5 ATK1600 DEF1500
手札からこのカードを捨てる事で、デッキから別の「サンダー・ドラゴン」を2枚まで手札に加える事ができる。その後デッキをシャッフルする。この効果は自分のメインフェイズ中のみ使用する事ができる。

彼女は神鳴りで加えたカードを墓地に送りデッキから別のカードを手札に加えた…

「そ、そそそして魔法カード…ゆ、ゆゆ融合を発動しします…手札のサンダー・ドラゴン2体をゆ、融合し…い、出でよ―そ、双頭の雷龍!!」

融合
通常魔法カード
手札またはフィールド上から、融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。


「な?先に融合モンスターを融合召喚だと!?」

彼女の雷龍が融合し、代わりに真っ赤に染まった雷龍が姿を現した…


双頭の雷龍
光属性 雷族 ☆7 ATK2800 DEF2100
「サンダー・ドラゴン」+「サンダー・ドラゴン」

「い、いきなり攻撃力2800かよ…」


「ば、バトルです!双頭の雷龍でマジック・スライムに攻撃します!!」

雷龍の口から雷を帯びたエネルギー弾がマジック・スライム目掛けて発射された…


「かかったな!リバースカードオープン!!速攻魔法!スペシャル・デュアル・サモン!!このカードでマジック・スライムを再度召喚する!!」

「!?」


スペシャル・デュアル・サモン
速効魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在するデュアルモンスター1体を選択し、再度召喚した状態にする。このターンのエンドフェイズ時、選択したデュアルモンスターを手札に戻す。

マジック・スライムが再度召喚した瞬間に雷龍の攻撃がヒットし、マジック・スライムは破壊されるも……


「ヘヘ!この瞬間マジック・スライムの効果発動!!このカードの戦闘で俺が受ける戦闘ダメージを代わりにあんたに与えるぜ!!」

雷龍の攻撃が愛凛に直撃した…

「い、いやぁぁぁぁぁ―」


愛稟:LP4000→1900


「お、おい大丈夫かぁ〜!?…ワリィが俺は急いでるんでそのままデュエルを終わらせてくれねぇか…?」

倉野は彼女にこのデュエルを止めてくれるよう頼んだがその彼女はしばらく沈黙したままだった…


そして―

「ムキィィィィィィィィィィィィ!!!」

「!!?」


突然彼女が怒り始めた…

「愛稟は許さない…あんたを絶対に許しはしない……速効魔法、融合解除を発動ォォォ!!!このカードで私の双頭の雷龍を2体のサンダー・ドラゴンに戻す!!」

彼女の真っ赤な雷龍が姿を消し―代わりに2体のサンダー・ドラゴンが特殊召喚された……


融合解除
速効魔法カード
フィールド上の融合モンスター1体を融合デッキに戻す。さらに、融合デッキに戻したこのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、この一組を自分のフィールド上に特殊召喚する事ができる。

「げげ!!」

「覚悟なさい!2体のサンダー・ドラゴンのダイレクトアタック!!エヴォリューション・スパーク・バースト2連打ァァァァァ!!!!!」


2体のサンダー・ドラゴンの攻撃が見事彼に直撃した…


「んがあぁあぁあぁぁぁぁあぁ―」


倉野:LP4000→ 800

(く…今のは効いたぜ……前の二回の戦いを見てナメテいたのが悪かったみたいだな……)

「リバースカードをセットし、ターンエンドォォォォォ……!!!」

「(ヒィ…こ、こいつ怖ぇぇぇ……)お、俺のターン、ドロー!…魔法カード、闇の量産工場発動!!このカードで墓地にいる通常モンスター扱いのヘルカイザー・ドラゴンを2枚手札に加える!!」


闇の量産工場
通常魔法カード
自分の墓地から通常モンスター2体を選択し手札に加える。

「さらに融合発動!手札のヘルカイザー・ドラゴンを融合し―超合魔獣ラプテノスを融合召喚!!」

「な、あんたも融合だと!?」


倉野の場様々なモンスターの部分が繋ぎあわされ、継ぎ接ぎになった巨大なモンスターが出現した…

超合魔獣ラプテノス
光属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2200 DEF2200
デュアルモンスター×2
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、フィールド上に表側表示で存在する通常モンスター扱いのデュアルモンスターは再度召喚された状態になる。

「行くぜ!バトル!!ラプテノスでサンダー・ドラゴンに攻撃!!!」

ラプテノスが口から巨大なブレスを一気に放ち、そのままサンダー・ドラゴンを粉砕した…

「きゃぁぁぁ―」


愛稟:LP1900→1300

「ぐ…だが、私のライフはまだあるぞ!!」

「だったらこれでとどめだ!!!速攻魔法!融合解除発動!」

「な!?……また私と同じカードを…ま、まさか…」


「そう…この後どうするかわかってるよな〜!……ラプテノスをデッキに戻し、2体のヘルカイザー・ドラゴンを一気に特殊召喚!!」


ラプテノスがデッキに戻り、一気にヘルカイザー・ドラゴンが2体も特殊召喚された…

「ひ、ひえぇぇぇぇ〜」


「行くぜ!ヘルカイザー・ドラゴンで残ったサンダー・ドラゴンを攻撃ぃぃ!!」

ヘルカイザー・ドラゴンが口から火炎の炎を吐き、一気に焼き尽くした…

「うにゃぁぁぁぁ―」

愛稟:LP1300→ 500


「このまま決着をつけるぜ!残りのヘルカイザー・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!!」


「く…させるか!!罠カード!体力増強剤スーパーZ!!このカードは私が2000ものダメージを受ける場合、ダメージ計算前に私のライフを4000回復する!!」

体力増強剤スーパーZ
通常罠カード
このターンのダメージステップ時に相手から2000ポイント以上の戦闘ダメージを受ける場合、その戦闘ダメージがライフポイントから引かれる前に、一度だけ4000ライフポイント回復する。


「ぐ、ごォォォォォォォォ―」

愛稟:LP 500→4500→2100


「ハ、ハハハハ!!残念だったなぁ!!このまま次のターンに残りの手札全てでもう1度双頭の雷龍を特殊召喚してやる!!!」

「ほぉ〜…まだ…闘う気あんのね……このまま女の子を押し倒すのは嫌だが…覚悟しろよ〜……手札より速効魔法!フォース・リリースを発動!!」


彼のヘルカイザー・ドラゴンが輝きだし、一気に咆哮を上げる…

「な、なんだ…これは……?」

「このカードはさっき俺が使ったスペシャル・デュアル・サモンの全デュアルモンスター対応番さ!エンドフェイズに受けた奴らは全て裏守備表示になるけどな……」


フォース・リリース
速効魔法カード
このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する全てのデュアルモンスターは再度召喚した状態になる。この効果を適用したモンスターはエンドフェイズ時に裏側守備表示になる。


「え…え……?」


「つまり…ヘルカイザー・ドラゴンは自身の効果でもう1度攻撃できるようになったのさ……」

「あ…なるほど……」


「行くぜ!ヘルカイザー・ドラゴンの2回目のダイレクトアターック!!!」


ヘルカイザー・ドラゴンの攻撃が一気に愛稟を直撃した…


「ホデュア――――――――――――!!!!!」



愛稟:LP2100→    0

「ホントは次のターンでこのカードと融合解除のコンボをやりたかったんだけどね…んじゃ急ぐか…」

倉野は愛稟を含む3人と除き、けが人を救助してから走り去っていった…





【Phase  13】VSゲーム四天王!! パート4−最後の魔神!!−

「はぁ、はぁ…また道に迷った……」

梨音は先ほどの爆発音と大きな煙を頼りに時雨達を探していた…


しかし、その煙も姿を消し、再び林檎はまた迷子になってしまったのである…



「時雨さん達はたしか僕同様に決闘盤を持っていったからデュエルであの爆発が起きたと思うけど…!まさか……皆が誰かに襲われているんじゃ…」


林檎は急いでキャンプ場に急いで戻って行こうとした…


「グルルルル……」

背後から不気味な化け物が来ていることを気づかずに………














その頃時雨達は…


「う〜ん…いったいどこに行ったんだろうか……」

「確かこのあたりでチョッパーのことを話していたのよね…」


「そうよね…もしかしたら林檎君キャンプ場に戻っていると思うから私達も戻ってみましょうよ…」



「お〜い!!」

時雨達が話していた時、後ろから倉野がやってきた…

「あぁ、倉野か…どう?林檎は見つかったか!?」


「一応確認したんだがここには来なかった…というか最後の奴も一応倒したんだが……」



「ククク…ソイツハ本当カ……」


!!

森の奥から誰かが叫んでいるのを感じた…


「ま、まさか最後の四天王か!?」

「いや…もしかしたらそのチョッパーかも…」


「いつまでも隠れてないで出て来いよ!!」


時雨達はどんなやつか想像しながらその中にいる人物を呼ぶ…

「イイダロウ…」

そしてその人物は姿を現した…


だが、それは時雨達が想像していたのとは遙かに凌駕した姿であった…



体は不安定な体で、下半身は比較的一般人と同じなものの、体は異常なほどの筋肉でできており、首はものすごく膨らんでいて、顔からは無数の血管が出ており、左腕についている決闘盤が今でもはずれそうなほど馬鹿太い…もう化け物当然であった…


「う…うわわわわぁぁあ〜!!?」

「あ、あんた誰よ!?」

時雨達はもう驚きしか表情を出せなかった…


「ワハハハハ…我ガ名ハ四天王最強ヲ司ルモノ―門大様ダ!!」

「えぇ?こ、こいつが…最後の四天王!!?」


大パニックである時雨達…その時、時雨は彼の右手にあるものに気が付く

「ん?…あの鍋どこかで見たことあるような……」



彼が持っていた鍋をじっと見つめる…その中には青色の汁の中に肉やら野菜やらが入っていた…


ミモザはふと、その鍋に入っているのを見て叫びだす…

「あぁ〜!あれって…私の作った料理じゃない!!」

「何!?あ!ホントだ!!」


「ソウカ…貴様ガ作ッタンダナ!……サッキオレがアノキャンプ場ニ行ッタ時、偶然ニモイイ匂がシテ食ベテミタ瞬間…服ガ弾ケ筋肉ガ付イテオカゲデオレノ美シイ肉体ガ醜クナッタジャネーカ!ドウシテクレルンダ!!!」


「ひ、ひどい!私の料理が原因だからってそう言うのはどうなのよ!!あなたの体質が異常なだけじゃない!!」

「いや、それ以前にあんな料理を作るミモザの腕前が異常だよ!!」


「まぁいい!…とにかくまずこいつを倒していこう!!…問題と言ったな!さっさとこのデュエル終わらすぜ!!」

「イイダロウ…受ケテヤル!!……てか問題じゃない!門大だ!!」

「あんた平常だったら初めっからそうしゃべれよ!!」



―――――デュエル!!―――――


時雨:LP4000

門大:LP4000


「行くぜ!俺のターンドロー!!俺はモンスターを1枚セットし、カードを1枚伏せてターンエンドだ!!」

「では、俺のターンだ!…ドロー……魔法カード、ミイラの呼び声を発動!!」


ミイラの呼び声
永続魔法カード
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

「このカードは俺の場にモンスターがいないとき、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚することができる…俺は闇より出でし絶望を攻撃表示で召喚!!」


門大の背後から不気味な影が現れ非常に巨大なモンスターが姿を現した…

闇より出でし絶望
闇属性 アンデット族 ☆8 ATK2800 DEF3000
このカードが相手のカードの効果によって手札またはデッキから墓地に送られた時、このカードをフィールド上に特殊召喚する。

「徐、序盤から攻撃力2800のモンスターだとぉ!?」


「さらに俺はダブルコストンを通常召喚する!!」

ダブルコストン
闇属性 アンデット族 ☆4 ATK1700 DEF1650
闇属性モンスターを生け贄召喚する場合、 このモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。


「行くぞ!バトルフェイズだ!!闇より出でし絶望でその守備モンスターを攻撃ぃぃ!!」

絶望はそのギザギザした両腕から激しい攻撃を繰り出した…


「お前が破壊したモンスターはクリッターのカード…このカードのモンスター効果でデッキからAD−ガイアを手札に加える!」


クリッター
闇属性 悪魔族 ☆3 ATK1000 DEF 600
このカードがフィールド上から墓地に送られた時、自分のデッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を選択し、お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。

「さらにダブルコストンで相手にダイレクトアタック!!」


ダブルコストンが攻撃しようとした瞬間…時雨の場に、非常に大きなスライムが姿を現した…

「!!…なんだと!?」


「永続罠!メタル・リフレクト・スライムを発動したのさ!このカードは発動した瞬間に守備力3000の守備モンスターに返還されるのさ!!」

メタル・リフレクト・スライム
永続罠カード
このカードは発動後モンスターカード(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。このカードは攻撃をする事ができない。(このカードは罠カードとしても扱う)


「チィ!…俺はカードを2枚セットし、ターン終了だ…!!」

「俺のターン、ドロー!!…俺は永続魔法!リチュアール・ライフを発動する!このカードは儀式召喚時に生け贄に捧げるモンスターに儀式召喚するモンスターのレベルの数になるよう、代わりにレベル・カウンターを置くことで、そのモンスターの生け贄を防ぐことができるのさ!!」


リチュアール・ライフ
永続魔法カード
このカードのコントローラーが自分フィールド上に表側表示モンスターを儀式召喚によって生け贄に捧げる場合、その儀式モンスターのレベルの数になるように自分のモンスターにレベル・カウンターを置くことで、生け贄を捧げずに儀式召喚できる。レベル・カウンターの乗ったモンスターにそのモンスターと同じ数のレベル・カウンターが置かれた場合、そのモンスターを墓地に送る。このときそのモンスターの効果は発動しない。

「だからどうした…」


「そして俺はフィールド魔法!リチュアール・ゲートを発動!!」

時雨がフィールド魔法を発動した瞬間、天空から紫の渦が現れる……

「リチュアール・ゲート…このカードは儀式魔法なしで儀式召喚できフィールド魔法さ!ただ、生け贄にするモンスターはゲームから除外されるけどな…」


「な、なんだと!?」

リチュアール・ゲート
フィールド魔法カード
このカードがフィールド上に存在する限り、儀式魔法カードを使用せずに儀式召喚をする事ができる。ただし、このカードを使用するプレイヤーは自分のフィールドか手札から、儀式召喚するモンスターのレベル以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。この際生け贄に捧げたモンスターは墓地へは行かず、ゲームから除外される。


「リチュアール・ゲートの効果発動!俺は場のリフレクト・スライムにレベル・カウンターを4つ乗せ、手札のAD−ガイアを攻撃表示で特殊召喚!!」


メタル・リフレクト・スライムに星のような形が4つ浮く…そして彼の場に水色と緑のADモンスターが姿を現した…

AD−ガイア
地属性 ドラゴン族 ☆4 ATK 800 DEF1800
このカードがフィールド上に表側存在する限り、エンドフェイズに自分フィールド上に表側表示で存在する「AD」と名のついたモンスター1体の表示形式を変更することができる。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の守備力は2300になる。自分のバトルフェイズにこのカードが攻撃する場合、このカードの攻撃力と守備力をエンドフェイズまで入れ替える。


「儀式召喚時、このカードの元々の守備力は2300になる!そしてもう1度リチュアール・ゲートの効果でメタル・リフレクト・スライムにレベル・カウンターを4つ乗せてAD−ウラノスを攻撃表示で特殊召喚!!」

彼の場に今度は両腕に鋭い槍のついたADが出現する


AD−ウラノス
光属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1800 DEF 900
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の攻撃力は2400になる。このカードが儀式召喚に成功した場合、相手フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。

「このカードも儀式召喚時に元々の攻撃力が2400になる!!そして儀式召喚時に相手フィールド上のカード1枚を破壊する!対象は―闇より出でし絶望のカードだ!!」

「よっしゃぁ!あのカードであのデカブツを倒しちゃえば一気に大ダメージを与えられるわ!!」

「このままいっけ〜!瀬智〜!!」


ウラノスは両腕に装着された槍からレーザーを放出し一気に闇より出でし絶望を破壊した…

「…それはどうかな……絶望は…これからだ!!」

「…!!」

「リバースカード発動!デーモンとの駆け引き!!このカードは俺の場のレベル8以上のモンスターが破壊された瞬間に発動できるカード…このカードで俺はバーザーク・デッド・ドラゴンを特殊召喚する!!」

「な、なんだとぉ!?」


デーモンとの駆け引き
速効魔法カード
レベル8以上の自分フィールド上のモンスターが墓地へ送られたターンに発動する事ができる。自分の手札またはデッキから「バーサーク・デッド・ドラゴン」1体を特殊召喚する。

門大はデッキからバーザーク・デッド・ドラゴンのカードを取り出し、決闘盤にセットした…


ところで彼はミモザの料理(危険物)によって上半身が筋肉質の塊になってしまったのだが、力のコントロールはうまくできているのだろうか…?

「出でよ!バーザーク・デッド・ドラゴン!!」

彼の場にとても大きい骸骨竜が姿を現した…


バーザーク・デッド・ドラゴン
闇属性 アンデット族 ☆8 ATK3500 DEF   0
このカードは「デーモンとの駆け引き」の効果でのみ特殊召喚が可能。相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃が可能。自分のターンのエンドフェイズ毎にこのカードの攻撃力は500ポイントダウンする。


「げぇ〜!あいつ一気に攻撃力3500のモンスターを出しやがった!!」

突然のバーザーク・デッド・ドラゴンの出現に慌てるミモザ達

時雨もさすがに不利な状況を感じていた…

「く…だがバトルは行う!!AD−ウラノスでダブルコストンを攻撃!ガイゼル・ランサー!!」

ウラノスは両腕の槍を起動させそのままダブルコストンに突っ込む

ダブルコストンは逃げるものの、両方とも槍に刺され破壊された。


「ぐおおぉぉ…うぅ……」

門大:LP4000→3300


「ガイアの効果発動!このカードの効果で自信を守備表示に変更し、ターンエンドだ!!」


「け!所詮この程度か…俺のターン、ドロー!!バトルだ!バーザーク・デッド・ドラゴンでAD−ウラノスに攻撃ぃぃぃ!!」

バーザーク・デッド・ドラゴンは口から強大なブレスを放ち、一気にウラノスを破壊した。

「ぐ、ぐわぁぁぁぁ―!!」


「「「瀬智!!」」」

「ク…うぅ……」


時雨:LP4000→2900

「まだだぁ!バーザーク・デッド・ドラゴンはバトルフェイズに相手モンスターに1回ずつ連続攻撃が可能!!続いてガイアとメタル・リフレクト・スライムを攻撃ぃぃ!!!」

バーザーク・デッド・ドラゴンが残りの2体を攻撃したことにより一瞬にして時雨の場のモンスターが破壊された…


「ハハハハハ!…あっという間に貴様のモンスターががら空きになったな…俺はカードを1枚セットしターン終了だ…」

彼のターンが終了したことにより、バーザーク・デッド・ドラゴンの肉体が崩れ始めた…


「バーザーク・デッド・ドラゴンはエンドフェイズ毎に攻撃力を500ダウンしていくデメリットを持っている…」

「チィ!…」

バーザーク・デッド・ドラゴン:ATK3500→3000


「俺のターン、ドロー!!」





【Phase  14】VSゲーム四天王!! パート5−心の月、心の太陽…!!−

「俺はリチュアール・ゲートの効果を発動!手札のAD−メルクリウスを生け贄に捧げ―AD−ウェヌスを守備表示で特殊召喚する!!」

彼の場に非常に美しいADモンスターが姿を現した…


AD−ウェルス
光属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1100 DEF1700
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「AD」と名のついたモンスターが特殊召喚する度に自分のライフを500ポイント回復する。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の攻撃力は2100になる。ライフを500払うことで、手札、またはデッキから「AD−ドラゴンスター」1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは2ターン後の自分のターンまで攻撃宣言することができない。


「AD−ウェルスは儀式召喚によって攻撃力が2100となる!そしてこの儀式召喚によって生け贄にしたメルクリウスの効果発動!!俺のデッキから2枚のカードをドローする!!」

「ほう…手札増強モンスターが存在していたのか…だからどうした……」


AD−メルクリウス
水属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1000 DEF1200
このカードを儀式召喚のための生け贄にする場合、自分のデッキからカードを2枚ドローすることができる。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の守備力は2500となる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「AD」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚に成功する度に、デッキまたは墓地から儀式魔法カードを2枚まで手札に加える。

「そしてウェヌスの効果発動!ライフを500払うごとに俺はデッキからAD−ドラゴンスター1体を特殊召喚できる!!…俺はこの効果で3体のドラゴンスターを特殊召喚する!!」

時雨:LP2900→1400


ウェヌスは両方の羽から星の雫を流す…そしてその雫はやがて星の形になり、龍の姿をしたドラゴンへと変貌した……

AD−ドラゴンスター
光属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1500 DEF1500
通常モンスター


「そしてADモンスターが特殊召喚に成功する度に、ウェヌスの効果で俺のライフを500回復する!!」

時雨:LP1400→2900


「ハハハだからどうしたって言ってるんだよ!俺のバーザーク・デッド・ドラゴンはフィールド上のモンスターを全て破壊しつくすモンスターだ!いくらその雑魚を並べても意味はねぇぜ…!!」

「俺はさらにこの魔法カードを発動する!!魔法カード、シューティング・アストラル!このカードは俺のドラゴンスターを生け贄に捧げることで発動するカードだ!」


シューティング・アストラル
通常魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在する「AD−ドラゴンスター」をすべて生け贄に捧げることで発動できる。生け贄に捧げた枚数分だけ、デッキからカードをドローする。

「俺はこのカードでデッキから3枚ドローする!!」

また手札増強か…よほど手札が悪いみたいだなぁ……グハハハハ!!」

「勝手に言っていろ!!」


このカードにより、梨音の手札は一気に5枚にまで増幅した。

「そして俺は場のウェヌスと手札のマルスを生け贄に捧げ―AD−ディアナを攻撃表示で特殊召喚する!!」

彼のウェヌスとマルスが光の粒子になり、彼のフィールドに白く輝く月の龍が女神の如く降臨した…


AD−ディアナ
闇属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2400 DEF2600
「グランド・メテオ」により降臨。フィールドか手札から、レベルの合計が8以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。自分のメインフェイズに1度だけ、相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択し、裏側守備表示にする。このカードが相手守備モンスターと戦闘を戦闘で破壊した場合、このカードの元々の守備力の数値分だけ相手にダメージを与える。

「レベル8のADモンスターだと!?」

「行くぜ!このモンスターの効果発動!!このカードは1ターンに1度相手モンスターの1体を裏守備表示に変更する…ムーンフェイス・シャドウ!!」

ディアナの白い体が少しずつ影になって消えていく…そしてバーザーク・デッド・ドラゴンも同じように少しずつ影となっていく…そしてディアナが1度影になってまた元の姿になった後、元の姿に戻るが、バーザーク・デッド・ドラゴンは完全にセットされたモンスターになっていた…


「な、なんだと!?」

「行くぜ!ディアナでバーザーク・デッドを攻撃!ムーンライト・レーザー!!」

ディアナの羽から吹雪のように光の雨が沢山降り落ちていき、バーザーク・デッドを木っ端みじんに粉砕した…

「ぐ、ぐはぁぁぁぁぁ!!!」

「そしてディアナが相手モンスターを戦闘破壊した場合、相手にこのカードの元々の守備力分のダメージを相手に与える!!」


「なんだと!?が!ぎゃぁぁぁぁあ―」

門大:LP3300→ 900


「おっしゃー!一気に大逆転〜!!」

「このままいけば一気に倒せるわね!」

「どんどん行ったれ!時雨!!」


「あぁ!…俺はカードを1枚セットしてターンを終了するぜ!!」

「ぐ…あまり調子に乗るなよ……俺のターン、ドロォォォ!!…リバース罠!リビングデッドの呼び声!!このカードで墓地の闇より出でし絶望を特殊召喚する!!」

彼の場に、また闇より出でし絶望が姿を現した…


「ぐ…また攻撃力2800の闇より出でし絶望が…」

「行くぞ!闇より出でし絶望でAD−ディアナを攻撃ぃ!!」

「く…!リバース罠!砂塵の大竜巻!このカードで相手の魔法・罠カード1枚を破壊する!!」

フィールド上に嵐が起こり、リビングデッドが破壊され、闇より出でし絶望も消滅した…


「これでお前のモンスターはなくな―」

次の瞬間、


「バーザーク・デッドの攻撃ぃぃ!!!」

なんと、バーザーク・デッドが姿を現し、そのままディアナを戦闘によって撃破したのだ…


「うわぁぁぁ―な、なんでバーザーク・デッドが!?」

「ハハハ…俺はこの瞬間に2枚目のデーモンとの駆け引きを発動したのさ!これによってデッキから2枚目のバーザーク・デッドを特殊召喚したのさ……!!」

「く…まさか2枚目まで持っていたのか…」

時雨:LP2900→1500


「そして速効魔法!サイクロン発動!!このカードで貴様のリチュアール・ゲートを破壊する!!」


小さな竜巻が起こり、彼の場にあったリチュアール・ゲートが崩れ落ちた……

サイクロン
速効魔法カード
フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。


「あぁ…リチュアール・ゲートが……」


「く…そんなのありかよ……」

「ハハハ!これで儀式モンスター一式と生け贄を捧げない限り、俺には勝てねーぜぇぇぇぇ!!!さらにリバースカード1枚セットし、ターンエンドだ!!」


くくくく……俺がセットしたカードは3枚目のデーモンとの駆け引き…

たとえ貴様がこのバーサーク・デッドを破壊できたとしてもこのカードで3体目のバーザーク・デッドを召喚すれば、もう奴も勝てる可能性も失せるだろう…


まぁ、あいつがそのままデッキをシャッフルさせずにデュエルに挑んだお前が悪いのさ……

最初っからこのデッキは積みこんでいたのさ……



門大のターンが終了したことにより、バーザーク・デッドの攻撃力が500ダウンする…


バーザーク・デッド・ドラゴン:ATK3500→3000

しかし、時雨の闘争心はもう折れ欠けていた…


「……」

く…あいつの場には攻撃力3000のバーザーク・デッド…このモンスターを倒さない限り、俺はあいつに勝てない…

しかも林檎はまだ見つかってもいない…

もし、林檎が俺と闘っている途中にあいつが襲われたら…


俺はいったいどうすれば…














僕…の・・・・・・・・大・・・・・切な……使ってよ…



!!






時雨の記憶から一人の少年の記憶が蘇る…






またデュエルしようね〜


あぁ!!












だ、駄目だ!このカードは…このカード達は…俺は、俺は………







「俺のターン!ドロー!!!」



時雨は無我夢中で思いっきりカードをドローした


この状況を見ているミモザ達には彼のトラウマの影響とは思いもしなかった……



「リバース罠発動!スターダスト・ミラージュ!!このカードは俺の場にモンスターが1体も存在しない場合のみ発動可能!俺の墓地に存在するADモンスターの数だけ、相手モンスターの攻撃力を300ダウンさせる!!今、俺の墓地にはウラノス、ガイア、ドラゴンスター3体、そしてディアナの合計6体よって攻撃力は1800ポイントダウンする!!」

「な、なんだと!?」

バーザーク・デッドに光の粒子が纏わりつく…そしてバーザーク・デッドの攻撃力は一気にダウンした。


バーザーク・デッド・ドラゴン:ATK3000→1200

「そしてAD−スターライトを攻撃表示で召喚!!」


彼の場に光輝く聖なるADが姿を現す…

AD−スターライト
光属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1800 DEF1000
このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、以下の効果から1つを選択して発動する。
●自分のデッキから「AD」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える。
●自分のデッキ、または墓地から「AD」と名のついたモンスターの降臨に必要な儀式魔法カード1枚を選択して手札に加える。

「このカードが召喚に成功した場合、このカードに記されている効果を1つ選択して発動することができる…俺は1つ目の効果によりデッキからAD−アポロを手札に加える!!」


「ほう……儀式サポートモンスターか……だがそのモンスターでは−」

「手札より儀式魔法カード!グランド・メテオを発動!!このカードで俺の場のスターライトを生け贄に捧げ、AD−アポロを降臨する!!」

「馬鹿な……!?そのAD−アポロのレベルは8!!レベル4のAD−スターライトでは生け贄にできるわけが……」

「スターダスト・ミラージュは自分の場のモンスターを儀式召喚の生け贄にする場合、そのモンスターのレベルを倍にすることができる!!」

「な、なんだとぉぉ!!?」



スターダスト・ミラージュ
永続罠カード
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合のみ発動することができる。発動ターンに存在する相手フィールド上のモンスターの攻撃力は、自分の墓地に存在する「AD」と名のついたモンスターの数×300ポイントダウンする。また、自分フィールド上に表側表示で存在する「AD」と名のついたレベル4以下モンスターを儀式召喚の生け贄に捧げる場合、そのモンスターのレベルを倍にして扱う。


スターライトが光の粒子になる瞬間、そのモンスターに聖なる星屑の衣が包みこむ…そしてそのドラゴンに真っ赤に輝く隕石が衝突する。

そしてその中から、マルスよりもさらに真紅で燃え盛る大きな翼を持った最上級のADモンスターが降臨した…

「降臨せよ!AD−アポロ!!」

AD−アポロ
炎属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2900 DEF2100
「グランド・メテオ」により降臨。フィールドか手札から、レベルの合計が8以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。自分のメインフェイズに1度だけ、相手フィールド上の表側表示モンスター1体を選択し、表側攻撃表示にする。(この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。)このカードが相手攻撃表示モンスターと戦闘を戦闘で破壊した場合、このカードの元々の攻撃力の数値分だけ相手にダメージを与える。


「ば、馬鹿…な……!?…………………………こんな…ことが……」

「これで最後だ!バトルフェイズ!!AD−アポロでバーザーク・デッドを攻撃!!」


灼熱の翼を持ったADは一気に上昇し、口から膨大な温度を誇る太陽のごとき火炎弾を口から放出した



−プロミネンス・メテオ・キャノン!!

そしてその火炎弾はバーザーク・デッド・ドラゴンに直撃し、一気に焼き尽くした……


「うぉぇ!!?ぐ、ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―」

彼が負けた瞬間彼の筋肉はあっという間に縮み、ガリガリに痩せて行って倒れた…

門大:LP 900→   0


そして時雨はデュエルの影響か…バランスを崩し、ひさまづいた……

「「「時雨!!」」」


慌てて彼のそばに行くミモザ達…

彼はボソボソと言いながらこう呟いた…



勝ったよ………

稟……





【Phase  15】VSゲーム四天王!! パート6−狂気の従者VS蘇る騎士……‐

時雨達が門大に出くわしてデュエルを行っている頃、林檎はまだ別の道にさ迷っていた…


そして……







「……」

またさっきの光る洞穴に来てしまいましたとさ…




「う…ちゃんと道さえわかっていれば…」


そろそろキャンプ・ファイヤーが始まる頃かもしれない…

皆心配してるんだろうな…


…それにしてはなんかおかしい……




「さっきの爆発はここにいた僕にさえ見えた…だからみんなあそこに行って集まっているはず…それにしてはなんだか騒がしくないような……」


ひょっとしたらあの爆発音を聞いて駆け付けた生徒や先生らがあれがデュエルと知ってそのまま観戦しているかもしれない…

だったら何か道導となる物を探さないと…



「っていうか!そんな物もないじゃないかぁぁぁ〜!!!」






はぁ…

「何を考えても思いつかないや……どうしよう…」


とりあえず、ここに入って助けを待つしかないか…



ギュルルルルルルルルル……


「ん?な、なんだか声が…ま、まさか狼じゃないよね…」


それにしては…なんだかとても尋常じゃないような気がするけど…




グルルルルルゥゥゥゥ……


や、やっぱり変だ!…やっぱりこれは狼!いや、もはや動物の声じゃない!!

その生物の鳴き声は次第に大きく聞こえ、その者の足音がこちらに近づいてくる


林檎は急いで洞穴に入って行った…

洞穴としては随分と明るかったものの、林檎にとっては十分な明るさであった。

ここにいとけば大丈夫…かもしれない……


「ギュルルルル………見―っつけた!」


「!!」

林檎は洞穴の入口に目を向けた…

しかし、そこには一人いなかった…

「ふぅ…」


そしてそのまま振り返った時だった…

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ―」

なんとその背後に不気味な仮面をかぶった大きな男が姿を現したのだ!

しかも、その姿はさっきまで話していたチョッパーマンと非常に酷使していたのである。


「わ、わわわわわ……な、何なんだ君は!?」

「グフフフフ…俺か……俺の名は都丹 芝(トニ シバ)!…あだ名ではチョッパーマンって呼んでもらっている黒薔薇高校ゲーム部のマネージャー…あ!間違えた、ゲーム四天王のマネージャーだ…」

「そんな君が僕に何を……?」


「ゲヘヘヘ…さっき俺達の練習場を覗いたらよぉ…お前らの奴らが勝手に使用してたからよぉ〜お前達をボコボコニしろとうちのマスターの命令がきたんでなぁ…」


そう言うと彼は決闘盤を起動させ、デュエルの構えを見せた…

「そ、そんな…急なことを言われても……」


林檎は慌てながらそう言った…

しかし、芝はにやにや笑いながら

「おっとぉ〜!そううまくはいかないぜぇぇ………なぜならよぉ…俺のたくさんの同志達があそこにいる貴様の生徒達を襲ってるところさ…」

「な?なんだってぇ!?」

思わず驚く林檎…そしてそこに林檎は1つ質問した…


「何で?なんで…そんなことを……」

「あ〜ん……なんでって…いいだろう…貴様に教え込んでやる…」

芝はそう言うとゆっくりとあることを語り始めた…


「俺達が通っている黒薔薇学園は昔よぉ……デュエル界では童実野高校、と同等の実力を誇るトップクラスのデュエリストの育成で勢力を伸ばしていった…その頃デュエルモンスターズでは影山3姉妹という誇り高い英雄もいたものさ…」


そして芝何かを噛みちぎるような声でこう叫んだ…

「しかし!デュエル・アカデミアができ始めてから俺達の学園でデュエリストを目指す奴らはどんどんなくなって行った!!男女校合にしても目指す奴はいなくなるばかり!しかも追い討ちをかけるように学校の授業にあったデュエル学が削除され、もはや少人数の部活と変貌しちまったんだ!!」

「……!!」


「そしてこの国にI2社がオーナーになったインダストリアル・アカデミアができ、とうとう来年からこの学園のデュエル部も廃止寸前にまで落ち込んでいった!!」

「だから…僕たちを襲うのか……」


林檎の頭の中に…思ったこともない怒りがこみ上げていく…

だからってなんでそんなことを……


「ハハハ…優しそうなテメェでも…怒るよなぁ…まぁ、貴様らの学校は優しいクズばっかだ!…デュエルってものは所詮、弱肉強食!!相手を至らしめるための道具でいいんだよ!」

芝は下を巻きながら笑いしゃべった時だった……


!!



相手を至らしめる……




−このゲームは相手を至らしめるための兵器だ!!




相手を…至らしめるだと……!!






林檎の深い闇に封じ込められた記憶が一気に蘇り始める…







1つは、ゲームという歴史に刻まれた記憶…

1つは、自分の一族の記憶……

そしてもう1つは…






「ん?どうした?…やっぱ怖気ついたか…!?」


「……ゲームは…人を至らしめるものじゃない…」

林檎は怒りをあらわにしながら声を出す…

「はぁ…貴様…何をいっ−」

「ゲームは人を苦しめるものじゃない!お前にそのことを教えてやる!!」


林檎は持っていた決闘盤を構え、デュエルの態勢に入った…


そして林檎の眼は…

とても鋭い眼をした…騎士の眼になっていた…

「ハハハ!おもしれぇ!!」





―――――デュエル!!―――――

林檎:LP4000

芝:LP4000


「先行は貴様に譲ってやる!!かかってこい!!!」

「ほう…さっきより傲慢な性格になったな…いいだろう……その本性つぶしてやるぜ!!…俺のターン、ドロー!!…ククク…俺はスロット・ガードナーを召喚するぜ!」

芝の場にスロット・マシーンより小さい機械族モンスターがフィールドに出現した…


スロット・ホールド
闇属性 機械族 ☆4 ATK1500 DEF1800
このカードが召喚に成功した場合、このカードは守備表示になる。このカードの攻撃力は自分フィールド上または、墓地に存在する「7」のカードの数×300ポイントアップする。また、このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、「7」が発動に成功した場合、自分のデッキまたは、墓地から「7」のカードを手札に加える。この効果は自分のメインフェイズに1度しか発動できない。

「スロット・ホールドの効果発動!このカードは召喚時、守備表示になる!さ〜らに、永続魔法カード7!!このカードは3枚揃うことによって発動するカードだ!!」


永続魔法カード
「7」が自分のフィールド上に表側表示で3枚揃った時、自分はデッキからカードを3枚ドローする。その後全ての「7」を破壊する。このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、自分は700ライフポイント回復する。


芝が7のカードを発動した瞬間、林檎はあることを言う…

「ほぉ……このターンでお前は7のカードを3つ揃え一気にカードドローとライフ回復を行い、次のターン攻撃力2100以上になるスロット・ガードナーと他のモンスターで一気に攻撃するのか…」

「!?…ほぉ……俺の戦術を読んだのか…だからどうしたってんだ?…スロット・ガードナーの効果発動!7のカードが発動した場合、俺のデッキ、墓地から7のカードを1枚手札に加え―発動!!」

芝の場に2枚目の7のカードが発動される…


「ついでにわかってるだろうが…俺の場、墓地に存在する7のカードの枚数分、だけ、スロット・ホールドの攻撃力はアップするぜぇ…」

スロット・ホールド:ATK1500→2100


「……」

さて…俺は3枚目の7を発動させる……だが、俺の手札には3枚目の7はない……

そこでだ…


俺ら師範から伝授してもらったカードサーチをさせてもらうぜ…

ククク…俺は念のため、この決闘盤の手に装着する部分に3枚目の7を隠してたのさ…しかも決闘盤も不正で万全だぜぇ…


そして芝は、自分の袖から、自分の手札からカードを出すようなしぐさをしながら3枚目の7を出そうとした

瞬間だった―

「ぐわぁ…!?」

突然小石が決闘盤近くにヒットし、その決闘盤が外れる…

装着部分から3枚目の7が出てきたのであった…

小石を当てた人物は―林檎本人である…

「ぐ…てめぇ……」

「やはり、そうだと思ったさ……」


「!!?どう言うこった!?」

林檎はこの行動について説明を始めた…

「お前は2枚目の7を発動したとき…お前はスロット・ホールドの攻撃力アップ効果を説明した…普通は1枚目に言うか、3枚揃った時に言うか説明するハズ…つまりお前の手札には3枚目の7はなかった…」

「!!」

「それなのにお前は3枚目を発動する自信を見せていたし、手札を触るには不自然な光景を見て、すぐに小細工だとわかったさ…」

「く…!!」


「だが、まだデュエルは始まったばかり…今回は特別に見逃すが……次の不正は許さない!!」

「そうか…」

そう言うと芝は再び決闘盤を装着し、手札にその7のカードを手札に加えた…


「それじゃぁ遠慮なく発動させてもらうぜ!魔法カード3枚目の7発動!そしてこの3枚の7を破壊し、3枚ドローし、俺は2100ポイント回復する!!」

芝:LP4000→6100

「ゲハハハハ…!ターンエンドだ……!さぁ…小僧…貴様のターンだ…」
「あぁ…教えてやる…!真のゲームというものを……!!」





【Phase  16】VSゲーム四天王!! パート7−本当のゲーム!!‐

林檎:LP4000

手札5枚

場なし


芝:LP6100

手札6枚

場スロット・ホールド、リバースカード1枚



「僕のターンだ…ドロー……」

林檎のターンが静かに始まる……ただ…いつもの林檎ではなく…全く違う人物が行っているみたいであった。


「僕はモンスターを1枚セット、さらにカードを1枚セットして、ターン終了だ…」

「フハハハハ…さっきの堂々とした発言にしては逃げ腰だな……そんなので俺に勝てると思うな!!俺のターン、ドロー!俺はスロット・ホールドを攻撃表示に変更!……そしてこのカード、メカ・ハンターを召喚する!」


メカ・ハンター
闇属性 機械族 ☆4 ATK1850 DEF 800
通常モンスター

「バトルだ!スロット・ホールドでその逃げ腰モンスターを攻撃ぃぃぃ!スパーク砲!!」


右手の大砲から一気にレーザー砲が発射され、一気に裏守備モンスターに直撃した…

「僕がセットしたのは仮面竜のカード!よってそのカードの効果によって、デッキから2枚目の仮面竜を特殊召喚する!!」

仮面竜
炎属性 ドラゴン族 ☆3 ATK1400 DEF1100
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。その後デッキをシャッフルする。


「単純な戦術だな!メカ・ハンターで2体目の仮面竜を攻撃ぃぃ!!」

「…僕は仮面竜の効果でデッキから神竜 ラグナログを召喚する!」


「へ!ターンエンドだ!!」

「僕のターン、ドロー!…ここから一気に行くよ!!」

「はぁ?何いってやがる…」


「僕は手札の火山竜を墓地に送り、デッキからドラゴン・マウンテンを発動!!さらに、墓地にいる火山竜の効果によって相手に1000ポイントのダメージを与える!!」

「なにぃ…ぐわぁあぁあぁ―」


芝:LP6100→5100

「…そしてドラゴン・マウンテンの効果によって、ドラゴン族モンスターの攻撃力を500ポイントアップする!」

神竜 ラグナログ:ATK1500→2000


「ぐ…だが、そのカードでもこの攻撃力2400のスロット・ホールドには勝てないぞ!!」

「ふふ…攻撃力で勝てなくても、守備力ならどうかな?」


「何をたわごとにぃ?俺の場のモンスターは全て攻撃表―」

「リバースカードオープン!バーストブレス!!このカードは僕のドラゴン族1体を生け贄に捧げることで、そのモンスターの攻撃力以下の―守備力を持つモンスター全てを破壊する!!」


「な?ないぃ!?」

バーストブレス
通常罠カード
自分フィールド上のドラゴン族モンスター1体を生け贄に捧げる。生け贄に捧げたモンスターの攻撃力以下の守備力を持つ表側表示モンスターを全て破壊する。

「僕は攻撃力2000のドラゴン族モンスター―神竜 ラグナログを生け贄に捧げ―フィールド上に存在する守備力2000以下のモンスターを全て破壊する!!」


ラグナログは口から強烈なブレスを一気にフィールドにぶつけ、自身のモンスターを含め、一瞬にして全てのモンスターが一掃された…

「馬鹿な?俺のモンスターが…全滅……だ、だがこのコンボで貴様のモンスターもない!そう簡単に―」

「僕の場には、ドラゴン・マウンテンがある!このカードの効果は、僕の場にドラゴンがいない場合、墓地の竜達を生け贄の数だけ除外することで、手札の上級ドラゴン族を召喚できる!!」

「なんだと?……!!ま、まさかさっきのバトルは…」

「そのとーり…僕はこのカードを最大限に発揮させるために、仮面竜を大量に召喚し、次のターンでセットしていたバーストブレストのコンボでワザと僕の場もがら空きにしていたのさ!…僕の墓地から仮面竜と火山竜を生け贄に捧げ―出でよ!黄金竜−ゴールデン・ドラゴン!!」


いつの火山が噴火し―その中から黄金の竜が姿を現した…

黄金竜−ゴールデン・ドラゴン:ATK2500→3000

「こ、攻撃力3000だと!?」


しかし…芝はあまり驚いてはいなかった……

林檎はそれを―



見逃さなかった…


「魔法カード発動!スタンピング・クラッシュ!!このカードは僕の場にドラゴンがいる場合、場の魔法・罠カードを1枚破壊してそのコントローラーに500ダメージを与える!!対象はもちろん…お前のセットされたカードだ!」


「く…」

ゴールデン・ドラゴンは一気に飛翔しそのまま足で芝のセットされていたカードを一気に押しつぶした…

「てぃぃ…」


セットされていたのは炸裂装甲の罠カード……彼がにやけるのも当然である…

芝:LP5100→4600

「これで場のカードはなくなった!ゴールデン・ドラゴンのダイレクトアタック!!ゴールデン・ブレス!!」

「ぐ、ぐわあぁぁぁ―」


芝:LP4600→1600

「ば、馬鹿な…6100もあったライフが………一気に1600まで削られただとぉ!?」


「よく聞くんだ芝!このゲームはただパワーで押し当てるのが全てじゃない!…このカードではモンスターと魔法・罠のコンビネーションによって絶大なる力を秘めたコンボも重要になるんだ!!…カードを1枚セットし、ターン終了だ!!」

「く……たかが1ターンを制したぐらいで…」


芝の体から何やら不気味な光が輝き始める……そしてその光は、モンスターを形成し始めた…

「(!………なんだ…あれは……)」





!!






彼の目の前に僅かながら血しぶきが映る…


その血はいつか見た少女から出た血であった……

そして彼女の前には……



かつてないほど強大で邪悪なるモンスターが君臨していたのだ……



それは彼の記憶から呼び覚まされたものであった…



「(まさか…あの物体は僕の記憶と何か関係があるものかもしれない……)」


「俺のターン…ドロー……俺は手札よりモンスターを1体セットし…魔法カード生け贄人形を発動ぉ!!…俺のモンスター1体を生け贄に捧げ―手札のレベル7モンスター1体を特殊召喚する!!」

生け贄人形
通常魔法カード
自分フィールド上モンスター1体を生け贄に捧げて発動する。手札から通常召喚可能なレベル7のモンスター1体を特殊召喚する。そのモンスターはこのターン攻撃できない。


「いでよ!リボルバー・ドラゴン!!」

「り、リボルバー・ドラゴン!?」


リボルバー・ドラゴン
闇属性 ドラゴン族 ☆7 ATK2600 DEF2200
コインを3回投げる。その内2回以上が表だった場合、相手のフィールド上モンスター1体を破壊する。この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。


「あのカードは確か…デュエリストキングダム準決勝で元全米チャンピオン―盗賊キースこと、キース・ハワードが使用した効果モンスター…!」

「はぁ…お前……そんなお古な戦いを知ってたのか…?じゃぁこいつの恐ろしさを知っているよな…行くぞ!ロシアン・ルーレット!!」

リボルバー・ドラゴンの銃が一気に回転し…ゆっくりと回転が止まる…


右手:○

頭部:×

左手:○

「ハハハハハ!効果的中!!消えろ!ゴールデン・ドラゴン!!」

3つある内から2つの弾丸が撃たれ、ゴールデン・ドラゴンが粉砕された…

「くぅ…だけど、この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターンの攻撃宣言は行われない…」

「召喚されたモンスターがだろ!俺はさらにリボルバー・ドラゴンを生け贄に捧げ―レール・キャノン・ドラゴンを特殊召喚する!!」


リボルバー・ドラゴンの体が銀色になり、各3つの大砲が電磁銃に変化した。


レール・キャノン・ドラゴン
光属性 機械族 ☆8 ATK2800 DEF2400
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する「リボルバー・ドラゴン」1体を生け贄に捧げて特殊召喚する。コイントスを3回行う。表が出た数だけ、フィールド上のカードを破壊する。この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。

「リボルバー・ドラゴンの進化形態!?」

「俺はカードを1枚セットし…行くぞ!レール・キャノン・ドラゴンの効果発動!!チャージ・ルーレット!!」


レール・キャノン・ドラゴンの腹部から10の数字が現れ、カウントダウンが開始される。

そして3つの銃から電気が溜まり始め、バチバチとなり始める…


そしてカウントが0になった…


右手:×

頭部:○

左手:×



「クソ!たった一発か…だが!俺はこいつでドラゴン・マウンテンを粉砕する!!」

レール・キャノン・ドラゴンの頭部からバチバチと膨大なエネルギー弾が発射され、大きな爆風が起こった…


「ガハハハハ!これでもう上級モンスターは呼べま…なにぃ!?」

噴煙が消え、そこから破壊されたはずの―ドラゴン・マウンテンが残っていた…


「なぜだ!?なぜそのカードが!!?」

「僕はお前がレール・キャノン・ドラゴンを発動するときにこのフィールドバリアを発動していたのさ…」


フィールドバリア
永続魔法カード
フィールド魔法カードを破壊する事はできない。また、フィールド魔法カードを発動する事はできない。このカードは自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

「このカードの効果で、フィールド魔法に破壊耐性を備えさせたんだ…」

「!?なんだと!???そいつは永続魔法カードだぞ!何で俺のターンに発動できるんだよ!?」

「確かに永続魔法は相手ターンに発動できない魔法カード…だから僕はこのカード、上級魔術師の詠唱呪文を発動したのさ…!!」


上級魔術師の詠唱呪文
速効魔法カード
自分の手札または自分フィールド上にセットされた魔法カード1枚を速攻魔法カードとしても扱い、このターン中に発動することができる。

「このカードで手札にあったフィールドバリアを発動して、ドラゴン・マウンテンの破壊を防いだのさ…」

「く…小癪なマネを…!だがこれでレール・キャノン・ドラゴンの攻撃を回避できなくなったな!!レール・キャノン・ドラゴンでダイレクトアタックだ!レールガン・アーティレリー・ショット!!」

3つの銃口から巨大な破壊光線が高速で発射された…


「ダーハハハアァァ…一気に吹っ飛んだなこりゃぁ!まぁこのまま0にしなくても、あいつは気を失ったも当然だなぁ……」














「何を勘違いしている…」


煙の中から林檎は何事もなかったかのようにそのまま立っていた…

「ほぉ…ダメージを受けても立ち上がれたか…これでお互いにライフはほぼ互角になったな…」


「それはどうかな?」




林檎:LP4000


「な?なんでやねん……」

芝は彼のライフを見て…何でダメージを受けてなかったかさっぱりわからなかった…

しかも関西弁口調になっていた…


「僕は手札からこのカード、クリボーの効果を発動していたのさ…このカードを手札に捨てて、この戦闘ダメージを0にしたのさ…!!」

「くそぉ!オノレオノレェェェ!!ターンエンドだぁぁぁぁ!!!」


芝がエンド宣言すると、再び彼の体から不気味なオーラが現れ、モンスターの形を形成する…

その姿はフィールドに出ているレール・キャノン・ドラゴンにほぼ酷使していた。



「(はやりというべきか…こいつ…モンスターのような物に取りつかれている…そしておそらくこいつは…僕の記憶と関係がある!!)」

林檎は自分のデッキからカードをドローする…

そしてまだ気づいていなかった…この戦いによって、彼の記憶とデュエルモンスターズによって―


伝説の竜が蘇ることを!!





【Phase  17】蹴散らせ時雨達!頑張れ林檎!MIMICスペシャル!? VSゲーム四天王!! パートファイナル−名も無き竜の眼‐

「林檎〜!どこいったの〜!!」

「林檎ー!!どこだー!!」


森の中必死に叫びながら時雨、ミモザ、倉野は林檎を探していたが…

「ダメだぁ〜、見つからな〜い……」

ミモザはガッカリするミモザ達…

「う〜ん…俺の推測だと…どうやらチョッパーマンの話をした後から林檎の声を聞いていないと思うぜ…」

「クソ…俺がちゃんと見ておけば………」

時雨は林檎の失踪に重い責任感を抱いていた…


「いいえ、あんただけのせいじゃないよ…」

「そうだぜ!いつまでもグズグズしてねーで早く林檎を見つけてから誤ったっていいんじゃねーか?」

「し、しかし…」


「まぁ、どうやら林檎が見つかってねーみたいだが…大丈夫かお前ら…」

森の中から白衣を着た銀一先生が姿を現す…そしてその横に長澤もいた……


「あれ?銀一先生!?」

「長澤?そう言えばお前どこに行ってたんだ?つーかお前の決闘盤そんなに真っ赤だったけ!?」

ミモザと時雨もつられて彼女の決闘盤を見る…

暗くてあまり見えないが、確かに決闘盤の99%が真っ赤に染まっていた。いや赤い決闘盤だったというべきか…

さらによくよく見てみると、彼女の服や顔の1部にも返り血らしき後がたくさん見える。


「ゴメン…実は林檎が見つからないから先生に話して手伝ってもらうと思って戻って行ってみたら…そしたら偶然黒薔薇高校の生徒らしき人が数人で急に襲ってきて……それでパニックになって……」

彼女は怯えながら言うが、ミモザ達はもっと怯えていた…


第3話をもう1度読んでほしいのだが、彼女の決闘盤は通常のとは違う…

決闘盤になんと木刀をつけているのだ!

彼女は襲われたときにとっさに決闘盤から木刀を取り出し、一気に相手をぶっ叩いたあとそのまま全員一気に滅多打ちにしたのだ。しかも彼女は剣道の達人で伝説のデュエリスト武藤遊戯や遊城十代がキレて怒りの如く連続攻撃したように数分間も滅多打ちにし続けたのである。

先生が駆けつけて止めたときには、もう既に彼らのライフはほぼ0に等しかった。


なぜ彼女がそんなのを付けているのかというと、彼女のデッキコンセプトが『和風』だからであることと、デュエル・アカデミアサウス校で1人の生徒が銃型の決闘盤を所持している噂を聞いたためである。

というわけで彼女は海馬コーポレーションに特注で注文(会社の弱味を握りながら)して手に入れたたった一つの決闘盤である…


まぁそうしなくても決闘盤は充分武器になりますし、社長さんもジェラルミンケースで人をぶっ叩いていますから…

注)これを読んでいるよい子は絶対に決闘盤やカードを武器に相手を傷つけてはダメだよ。(これは作者からのお願い。)



「(いやいやあんた笑いながら『KYA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA』と滅多打ちにしてたじゃねーか…おかげで俺も死にそうだったんだぞ…まぁ、こいつに会うまで俺もあいつら半殺しにしたけど……)長澤の言うとおりここら辺に不審な人物がたくさんうろついてやがる…だから気をつけた方がいい…」

「でも先生!林檎君はどうするんですか…!」

「安心しろ…俺ら先生が必ず探すか―」

「先生!俺にも探させて下さい!!」

「…時雨………」


「俺が…キャンプ・ファイヤーが始まる前に先に行こうと言ったから…俺があんなことを言わなければ……こんなことにはならなかった…」

時雨はそう言うものの…どうすればいいかわからなかったのだ…

ただ…項垂れるしか……


「待って!私も手伝わせて下さい!!」

「ミモザ………」

「あんたさっきから自分ばっかりのせいだと思ってるじゃない!確かにあんたは班長だけど、自虐的になったって林檎は戻ってこないのよ!!」

「ミモザ…」

「確かに今回はミモザの言うとおりだな…俺達も見逃しちまったから俺らにも責任があるわ。」

「だから私達も探すよ。だって仲間じゃない…」


「倉野…長澤……お前らまで…」

時雨の目に涙がこぼれ落ちそうになる…


「仕方がねーな…ただし、お前ら俺のところから離れるなよ!」

「「「「ハイ!」」」」



ドーン!!!


突然大きな爆撃音が鳴り、時雨達は驚く

「先生!」

「あぁ…皆離れるなよ!」





「僕のターン、ドロー!」

「ケケケ…無駄無駄無駄!このターンでお前は敗北するんだよ!!」


芝の体から再び不気味なオーラが現れる…

さっきから何なんだあの光…


まるで自分の体から精気が出ているようだ…

いや…さっきからおかしいかもしれない…


とにかく…このデュエルに勝つしかない…

「僕は魔法カード、未来の書物を発動!このカードでカードを2枚ドローした後、デッキの上のカードを1枚ゲームから除外する!!」

未来の書物
通常魔法カード
自分の手札が2枚以下の場合発動できる。自分のデッキからカードを2枚ドローする。その後、デッキの一番上からカードを1枚ゲームから除外する。


彼はデッキからカードをドローし、デッキの上からドラゴンの宝珠がゲームから除外される…

「僕はカードを1枚セットして、ターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!…この瞬間、レール・キャノン・ドラゴンの効果を発−」


−ガギィィン!!

「な、なに!?」


レール・キャノン・ドラゴンにウジャド眼のついた魔法陣が装着された

「な、何だ…これは!?」

「僕は永続罠、幻想の呪縛を発動した…このカードによって相手は攻撃・表示形式・効果を無効にされ、攻撃力も500ダウンする!」


幻想の呪縛
永続罠カード
相手フィールド上の表側表示効果モンスター1体を選択する。そのモンスターは攻撃力が500ポイントダウンし、攻撃と表示形式の変更ができなくなる。さらに、このカードがフィールド上に存在する限り、選択されたモンスターの効果は無効化される。選択したモンスターがフィールド上から存在しなくなった時、このカードを破壊する。

「小癪なマネを…カードを1枚セットしターンエンドだ!」

「僕のターン、ドロー!…よし!モンスターを1枚セットして、ターンエンド!!」

「俺のターン、ドロー…全く……俺のレール・キャノンが木偶の坊になるとは…だが、こんな邪魔になるカードはさっさと捨てるのがいいもんだ!」

「何を言ってるんだ!お前はカードを大切にしていないのか!?」


林檎の問いに、芝はにやりと笑う…

「カードを大切に…バカかお前は……デュエルにおいて必要なのは『非情』さなんだよ!ゲームに大切など不要!俺はレール・キャノンを生け贄に―ブローバック・ドラゴンを召喚!!」

彼がブローバック・ドラゴンを生け贄にした瞬間―彼の体から不気味なオーラが一気に放出された…

そして林檎はついにあることに気づいた…


「こいつ…狂ってる!…いや、何かに支配されている!!」



ブローバック・ドラゴン
闇属性 機械族 ☆6 ATK2300 DEF1200
コイントスを3回行う。その内2回以上が表だった場合、相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。

「ブローバック・ドラゴンの効果発動ぉ!ブローバック・ルーレット!!」


コイン:○ × ×

「効果失敗か…だがバトルだ!ブローバックでセットされたモンスターを攻撃ぃ!!」

「僕がセットしていたモンスターは仮面竜!このモンスターの効果でデッキから宝竜の壺を攻撃表示で特殊召喚する!!」

ドラゴン族封印の壺と貪欲な壺が融合したようなモンスターが特殊召喚される。


宝竜の壺
地属性 ドラゴン族 ☆1 ATK 100 DEF 200
このカードが表側攻撃表示で召喚・特殊召喚に成功した場合、自分の墓地から攻撃力1500以下のドラゴン族モンスターを3体デッキに戻してシャッフルし、その後デッキから2枚ドローする。また、このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する場合、自分のスタンバイフェイズにこのカードと手札のドラゴン族1体を生け贄に捧げることでデッキから2枚ドローする。

「このカードの効果発動!召喚時に僕は墓地にいる攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター、仮面竜2体と神竜 ラグナログをデッキに戻し、その後カードを2枚ドローする!」


「フン!ターンエンドだ!!」

「僕のターン、ドロー!この瞬間!宝竜の壺と手札のスピア・ドラゴンを生け贄に捧げ、宝竜の壺の効果によってデッキから2枚ドロー!!そしてロード・オブ・ドラゴンを攻撃表示で召喚!手札のサファイアドラゴンを墓地に送り―ドラゴン・目覚めの旋律を発動!!」


ドラゴン・旋律の目覚め
通常魔法カード
「ロード・オブ・ドラゴン−ドラゴンの支配者−」がフィールド上に表側表示で存在する時、手札からモンスターカードを1枚捨てることで発動できる。自分のデッキからドラゴン族モンスター2体をお互いに確認し、自分の手札に加える。その後デッキをシャッフルする。

「このカードで僕は光と闇の竜と、タイラント・ドラゴンを手札に加え―ドラゴン・マウンテンの効果発動!墓地のサファイアドラゴンと、宝竜の壺をゲームから除外し、タイラント・ドラゴンを特殊召喚!!」

林檎の場に彼にふさわしいとは思えない、真っ赤に染まった暴君龍が召喚される。


タイラント・ドラゴン
炎属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2900 DEF2500
相手フィールド上にモンスターが存在する場合のみ、バトルフェイズ中にもう一度だけ攻撃をする事ができる。また、このカードを対象にする罠カードの効果を無効にし破壊する。他のカードの効果によってこのカードが墓地から特殊召喚される場合、自分フィールド上のドラゴン族モンスター1体を生け贄に捧げなければならない。

「当然!このモンスターの攻撃力を500アップする!!」


タイラント・ドラゴン:ATK2900→3400

「なに?攻撃力3400のモンスターを召喚しただと!?」

「行くよ!タイラント・ドラゴンでブローバック・ドラゴンを攻撃!!」

「クソ!リバース罠!レアメタル化を発動!!対象の機械族モンスターの攻撃力を500アップさせる!!」


レアメタル化・魔法反射装甲
永続罠カード
フィールド上の機械族モンスター1体の攻撃力は500ポイントアップする。そのモンスターを対象にする魔法の効果を1度だけ無効にする。指定したモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

ブローバック・ドラゴン:ATK2300→2800

「ぐ!ぐはぁぁぁ―」


芝:LP1600→1500

「もし、君がブローバックを召喚せずにエンド宣言していれば…僕はタイラント・ドラゴンを召喚できなかった……これはお前の傲慢のミスだ!!ターンエンド!!」

「傲慢?…それはお前もだろ!俺のターン、ドロー!!ククク!ハハハハハハハハハハハハ!!!」


芝は下を巻きながら突然笑い始めた…

「な?何がおかしい!!」

「無駄無駄!やっぱり貴様の方が傲慢だったんだよ!!俺は機械王‐プロトタイプを召喚!!」

彼の場に機械王の前の姿のモンスターが召喚される…


機械王‐プロトタイプ
地属性 機械族 ☆3 ATK1600 DEF1500
フィールド上に存在するこのカード以外の機械族モンスター1体につき、このカードの攻撃力・守備力は100ポイントアップする。

「そして魔法カード発動!オーバーロード・フュージョン!!このカードで俺は機械王と名のつくモンスター1体と、闇属性・機械族1体を融合する!!」

「場と墓地の機械族を融合!?」


オーバーロード・フュージョン
通常魔法カード
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

機械王に邪悪なる機械族達が集結する…

そして場に漆黒のパーフェクト機械王が姿を現した。

「ジェノサイド・キングマシーンを融合召喚!!」


ジェノサイド・キングマシーン
闇属性 機械族 ☆8 ATK2700 DEF2000
「機械王」と名のついたモンスター+闇属性・機械族モンスター
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの攻撃力は、フィールド上及び、墓地に存在する機械族モンスター×700ポイントアップする。このカードが墓地に送られた場合、墓地の機械族モンスターを2体除外することにより、このカードを同じ表示形式で特殊召喚する。

「こいつの攻撃力は場と墓地にいる機械族モンスターの数だけ攻撃力をアップする!今、俺の墓地に存在するモンスターはこいつを含め5体!よって攻撃力は―」


ジェノサイド・キングマシーン:ATK2700→6200

「攻撃力6200だと!?」

「覚悟しな!ジェノサイド・キングマシーンでタイラント・ドラゴンを攻撃ぃぃ!!ウォー・デストロイ・END!!」


ジェノサイド・キングマシーンは全身からミサイルを発射し、タイラント・ドラゴンを一瞬にして破壊した…

「う…ぎ……うわぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁ―」


林檎:LP4000→1200





「!…また……大きな爆音が…」

ミモザは黒薔薇高校の生徒を踏みつぶしながら爆音に気づく…


「って貴様らちゃんとデュエルする気あるのかー!!」


黒薔薇高校の1人がそう言う…


というのも途中で時雨達は彼らに会い、デュエルを強要されるが先生らはデュエルしている場合じゃないと判断し、暴力で強行突破しているところであった…

「先生…ホントにこうやっていいんですか?」

「バーロー!デュエルモンスターズでも戦闘するより除去カードでてっとり早くモンスターを破壊したほうが早いに決まってんだろ!!」





「クハハハハハ!これで形成は逆転したな!ターンエンドだ!!」

「ク…けど…もし、ロード・オブ・ドラゴンに攻撃されてたらお前は勝っていたのに……僕の…ターン!」


(今、僕の手札には光と闇の竜がいる…けど、召喚したところで攻撃力は3300…しかもドラゴン・マウンテンで召喚すれば墓地のモンスターは消滅する…いったい…どうすれば…)

林檎はカードをドローしようとし、カードに触れた…

その時だ……



!!

デッキの上が光り始め……









林檎は気づいた時、彼の目の前は変貌していた…

そこは芝のいた洞窟ではなく、白い城のような場所にいた…


「ここは…いったい?」

そして林檎は周りを振り向き、ある結晶の像に気づいた…


そこには3つの像に2つの竜の像が立ち並びそれぞれ剣が1つ突き刺さっていたのである…


グオォォォ…

彼の背後で聞き覚えのある咆哮が聞こえ振り向くと、そこには光と闇の竜が立っていた…


「光と…闇の竜……」

光と闇の竜は林檎を見つめる…


「そうか…君が……僕をここに呼んでくれたんだね…ありがとう…」

林檎は光と闇の竜の額をなでる…すると光と闇の竜は後ろを見ろと言わんばかりに尻尾を像に向けた…

「…?」



林檎は目に突き刺さった竜に何かを感じた…

「なんだろう…この像がこの剣を抜いてくれと言っているみたいだ…」


彼は竜に刺さった剣を取り引き抜こうとする、

だが、そう簡単に剣は外れない…


「くぅぅ…」

しかし、抜け始めるにつれ、像に罅が入り、ついに剣を抜くことができた

そして、像全体に罅が入り、そこから隻眼の竜が姿を現し大きな咆哮をあげる。


それを見た林檎はその竜に対し、あることを思い出す…

「何でだろう……僕は君の名前を知っている…君の名は………



−      !!」


「………!!(今のは…いったい……)」

林檎はとりあえずデッキからカードをドローする…だが、ドローしたカードを見て驚愕した



ドロー・カード:?????




「(なんで僕のデッキにこんなカードが……でも…感じる…このカードの力が……)」


「僕はドラゴン・マウンテンの効果発動!墓地のタイラント・ドラゴンとゴールデン・ドラゴンを取り除いて―光と闇の竜を攻撃表示で召喚!!」


光と闇の竜:ATK2800→3300

「やっと切り札のお出ましか…だが、俺の場のジェノサイド・キングマシーンの攻撃力は6200!どうあがいても勝てまい!!」

「(確かにそうだ…でも僕はこのカードの未知なる力を信じ―このカードを発動する!!)手札より魔法カード発動!!」



その瞬間!洞窟が光りだし、そこからあの隻眼の竜が姿を現す



「な、なんだ!何を発動したんだぁぁぁ!!?」






「僕が発動したカード…それは―














      ティマイオスの眼!」




「ティマイ…オス……だとぉ!?…フ!馬鹿め!!貴様自身の光と闇の竜の効果によってそいつは無効だ!!」

だが、光と闇の竜は効果を発動しようともしなかった…


「ば、馬鹿な!?無効にされないカードだと!!?」


「僕も初めて使うけど…このカードの効果を発動!!このカードと、光と闇の竜を融合!!」

「なぁ?融合だとぉ!?!?!?」





ティマイオスの眼
通常魔法カード




ティマイオスと光と闇の竜は口から火炎放射を放ち、一気に天井を粉砕し、一気に飛翔する!そして2体は融合し、未知なるモンスターへと生まれ変わる…


「お、おいあれ!!」

倉野は黒薔薇高校の生徒をぼこりながら2体のドラゴンを見た…


「あれは…光と闇の竜!……林檎だ!!林檎のカードだ!!」

「おーし!行くぞテメェら!!」







「融合召喚!カオス・ハーツ・ドラゴン!!」



林檎の場に灰色に輝くドラゴンが現れた…



カオス・ハーツ・ドラゴン
光属性 ドラゴン族 ☆10 ATK3800 DEF2600
このカードの属性は「闇」としても扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手の効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動と効果を無効化される。このカードが破壊された時、自分フィールド上のカードを全て破壊し、墓地から「光と闇の竜」1体を「光と闇の竜」の効果を無視して自分フィールド上に特殊召喚する。

「このカードの効果は相手のカードの発動と効果を無効にする!」

「はぁぁぁぁぁ!!?」


ジェノサイド・キングマシーン:ATK6200→2700

「そしてカオス・ハーツ・ドラゴンも…ドラゴン族!よってドラゴン・マウンテンの効果を受ける!!」

カオス・ハーツ・ドラゴン:ATK3800→4300


「こ、攻撃力4300だとぉ!?」

「行くよ!カオス・ハーツ・ドラゴンの攻撃!!」


カオス・ハーツ・ドラゴンは口から混沌の炎を溜め始めそれを勢いよく発射し、一瞬でジェノサイド・キングマシーンを粉砕した…


カオス・ブレイズ・バースト!!


「くぎぃ!ぎゃぁぁあぁぁぁぁぁぁ―」


芝:LP1500→   0


「僕の…いや!僕たちの勝ちだ!!」





【Phase  18】思い出…

「あ…あぁぁ…あぁぁぁああああああああ―」


芝はあの攻撃を受け…体から白い光のような物…いや……灰色の闇のような物が現れ…消滅した…

「な…なんだったんだ……あれは…?」

林檎は今見た光景を考える…


だが、林檎は考えるのを止め、セメタリースペースに置いてあったティマイオスの眼のカードを見つめる…

「ティマイオスの眼…」

……間違いない…


あの時…皆からもらったカードの中にあった何も書かれてなかったカードの1枚だ…


そして、僕は……


「林檎〜!!」


洞窟の入口からミモザ達の声が聞こえた…

「あ…皆……」


「うわ〜ん…いた…よかった…よかったよ林檎〜!」

ミモザは泣きながら林檎に抱きつく…よほど心配していたみたいであった…

「あいだだだだ!…ミモザさん力強すぎます!!」


ミモザは泣きながら抱いていたため力加減に気づかず思いっきりだきしめていた…

「タク!どこいってたんだよ…林檎…心配してたんだぜ……」

「そうよ!…いったいなぜはぐれたの?」


「あ…いや実は……この祠が光っているのを見て…それで振り返ったらもういなかったもので…」

「そ、そうか……確かにこの祠は光ってるが…まぁ、無事だからよかった……」

時雨は理由を聞いて一安心した後、倒れている芝を見つめる…


「…こいつ……あの黒薔薇学園の奴らか…?」

「え…やっぱり皆襲われたのですか!?」


「あぁ…俺達のキャンプ・ファイヤーにゲーム四天王が襲ってきたんだが、一応俺達が倒した…それでもこの森にウジャウジャ生徒達がいたんだけど……」

「え!?…それじゃぁ……まだ、その森には……」

「たぶん大丈夫だ…俺達がここに来る間にボコボコに倒しといた…さて、キャンプ場に戻るぞ!」

銀一はほっとしながら全員に帰ることを言う

「わ、わかりまし―」

「ただし…学校に帰ったら反省文書いてもらうから覚悟しとけコノヤロー」

「は、はーい……」


トホホ…僕だけこうなるんですね…

「ハハハ…こりゃ残念だったな林檎…」

「おいおい倉野…いつ俺が林檎だけって言ったんだ?」

「え…と言うと……?」

「お前らも反省文を書くということだ…」


「「「「ええええええ!!?」」」」

「『俺達も見逃しちまったから俺らにも責任があるわ』って言ったのお前らだろ…ってことで連帯責任な…」

「「「そんなぁ〜…」」」




そして数十分後…


「あ〜あ…せっかくの思い出が台無しになっちゃったね…」

ミモザはがっかりしながら木の下に座っていた…

「ごめんなさい…僕のせいでこんなことになっちゃって……」

「いいの、いいの…もとはと言えばあいつらもひどいことしたし…そんなに気にしてないから…それにしても大変だったわ…あいつらとデュエルしたときは…」


「そう言えばミモザさん達はどうやって勝ったんですか?」

「あぁ…ほとんどは自滅だったわ…私の場合は敵が出したリバースモンスターの効果で爆発したけど…」

「爆発って…あの噴煙はミモタン…じゃなくてミモザさんのデュエルの時だったの?」

「ミモタンって……多分そうじゃないのかな…そう言えば君を探している時、光と闇の竜と何か分からないけど深緑の竜を見かけたんだけど…」

「あ…あのカード……か…」

林檎はデッキケースからその深緑の竜、ティマイオスの眼のカードを見せる…


「あ!これさっき私が見たの…けど…名前やテキストは……」

「うん…気づいたらデッキに入ってたんだ…僕がカードを持っていない時にミモザさん達がくれたパックの中に入ってたカードの1枚なんだ…」

「え?そのカードと同じようなカードが複数も?」

「う、うん…このカードを含めたら3枚。最初は絵柄も真っ白だったけどね…」

そして残りの白紙のカードをミモザに見せる…


「ふ〜ん…I2社も面白いことするわね…」

「そ、そうかなぁ……」


けどあの時…

このカードをドローした時に映った城…そして2体の像…

1体はティマイオスだったけど他の像もこの2枚だと思うけど…


確か記憶ではティマイオスを含んで2体だけだった…

もしかしたらすでに1体のモンスターを誰かが持ってるのかな……


「そう言えばさぁ…気になっていることがあるんだけど…」

「ん?なんなの?」

「あぁ…いや……特に理由はないけど…黒薔薇学園の人々ってどうなったの?」

「えぇ…確かあいつらは私達の学校の教師達がほぼ全員で保護しているって、あとそいつらの指導者は行方不明らしいけど…」


「ふ〜ん……」



「お〜い林檎、ミモザ!キャンプ・ファイヤーの準備ができたって言うから集合だってよ!!」

倉野がキャンプ場近くでミモザ達に叫ぶ…


ちなみに時雨はすごく疲れたとの理由により保健室で休んでいるらしい…

「はぁい!林檎キャンプ・ファイヤーができるって!!一緒に行こう!」

「え?あぁ…う……」

林檎は断ろうとしていた…


自分のせいで彼らに迷惑をかけた…

だからキャンプ・ファイヤーなんか行けるはずじゃないと思っていた…。


「全く…行くまでもいじけてないで行こう!!楽しいから!!」


ミモザはいじけている林檎に対し思いっきり手を引く…

「あ…」








『楽しいじゃない…』




また…記憶が…



「う…うん……行こう…」

「もちろん!!」





僕には記憶がない…


僕に起こる事毎……

戻っていく僅かな思いで…


そして名もないカード、光と闇の竜……




けど…今日のことは忘れておこう…


苦しいことばっかりじゃない…



時に楽しいこともあるから……









林檎達は戦いを忘れ…キャンプ・ファイヤーを楽しむことにした……
















「クソ!使えない餓鬼どもめ!!」


一人の若い教師が林檎達のキャンプ場から程遠いところで木を蹴り上げていた…



「せっかく全滅させれるチャンスだったのに…これでは私に莫大な責任が……」



「おやおや…どうやら失敗したようだな……」

彼女の後ろからインダストリアル・アカデミアの制服を着た少年が現れた…


「貴様…これはどう言うことよ!!あんたがくれた情報通りにやったらこのありさまじゃない!」

「あはははは…俺も最初はあんたらの生徒に期待してたけど……まさかこんなに弱いとはな…」


その少年はけらけらと侮辱しながら笑った…

「なんですってぇ…!!」

その彼女は顔の化粧がひび割れるほど恐ろしい顔をした…


「貴様も理由はわからんがこの学校をぶっ潰したいと言ってたじゃない!!」

「あははのは!俺は確かにそう言ったが……お前ももっと指導しとけばこんなことにならなかったのにな…ん?不満か?それじゃぁ俺で試してみます!?」


「生意気な野郎め!!受けて立とうじゃないの!!」

「面白い…」




デュエル!!










数分後…


「ぐ…ああああああ…………」



その女は緑に輝く結界の中で倒され…気を失った…


いや…正確には魂を抜き取られたというべきか……













そしてその少年は笑いながら独り言を呟いた…

「くくく…これで俺に関する情報はなくなった……だが、まさか俺達の前に名も無き竜が敵になるとは…さて……いつになったら悲劇を思い出すのかな…林檎君……」





【フェイズ 19】終焉の加速!!

林間学校からもう2カ月がたつある日……


しばらくはただ平凡な日々が続いていて何事もなかったが……この日、林檎達にとって事態は急展開した。

インダストリアル・アカデミア1−A

誰もいないうっすらな教室で、林檎は1人で考えていた……


それは自分が記憶を失くす前、何をしようとしたかである…

今まで思い出してきた記憶には、光と闇の竜、そして一人の少女がいた。

僕は最初、友達だと思ってた…

けど、

あの血まみれの姿を見たとき…もっと大切で、身近な人だと思った…


そしてあの晩で見た夢…

デュエルモンスターズのようなたくさんの竜と得体のしれないモンスター達…

そこに僕と光と闇の竜、それにティマイオスもいた…




ティマイオス…正確にはティマイオスの眼……

確かこのカードは僕のモンスター1体を全く違うモンスターとして融合するモンスター…このカードの効果でシロクロはパワーアップして凶悪な効果に…


シロクロ……

そうだ…僕はこのカードのことをシロクロと言ってたんだ…!!

?…あれ……でも、どうして僕はシロクロってつけたんだろう…




そうだ…このカードを手に入れたとき……

****************************************

「わぁ〜!光と闇の竜だ!!かっこいいぜ〜!!」

カードショップで喜んでいる林檎…

「わぁ、すごいな〜…いいな〜……」

「体の半分が白と黒のドラゴンだ〜…」

近くにいた子供達はうらやましく思いながらそのカードを覗いていた。


「白と黒の竜…シロクロ……そうだ…俺はこれからこう読んでみよ〜っと!!」


****************************************


「そうだ…あの時だ……あの時から、そう呼ぶことにしたんだ…」



そう言うと席に立って叫ぶ…

そして窓際に歩きながら黙々と一人考えていた…

(しかし…もし仮に誰かに襲われたなら、このカードも盗んでいったはず…それだったら自分がデッキを持っていなくてもおかしくはない話だ………もし、仮に今日、シロクロを手に入れた日だったら………ん?)




林檎はこのとき、ある物を目にするのであった……









一方、ミモザ達は…


「私のターン、ドロー!!」

長澤はカードをドローする。

今日、デュエルモンスターズのルール改正が行われ、新パックも発売されたためミモザ達はそれを購入し、せっかくなのでということで長澤とミモザがデュエルすることになった。


ミモザ:LP 400
手札0枚
フィールド:ネフティスの鳳凰神(攻撃表示)、リバースカード1枚


長澤:LP1000
手札2枚
フィールド:カード無し。

「いくわよ〜!私は魔法カード、アームズ・ホールを発動!デッキの上のカードを墓地に送って墓地から早すぎた埋葬を手札に加え発動!!」


アームズ・ホール
通常魔法カード
自分のデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送って発動する。自分のデッキまたは墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。このカードを発動する場合、このターン自分はモンスターを通常召喚する事はできない。

長澤:LP1000→ 200


「出でよ!マイフェイバリットカード!ミスティック・ソードマン LV6!!」



彼女の代名詞とも言えるミスティック・ソードマンの最終形態が特殊召喚された。

「げげぇ〜…水霊術―「葵」の効果で捨てたモンスターが復活〜!?」

「そして装備魔法!融合武器―ムラサメブレードを装備!!攻撃力を800アップ!」

ミスティック・ソードマンLV6:ATK2300→3100


「それじゃぁ、行くわよ〜…バトル!ミスティック・ソードマンLV6でネフティスに攻撃!!」


−ミスティック・ブレード!!

「うわぁぁ〜…ト、罠カード魔法の筒を発動!!」

「な、なんだって〜!?」



魔法の筒
通常罠カード
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える。

ミスティック・ソードマンの放った斬撃が魔法の筒に吸い込まれ、もう一つの筒から斬撃が跳ね返って長澤に命中した。

「きゃあああ!」


長澤:LP 200→   0


「やった〜私の勝ちー!!」

「あ〜あ…あんたまた強くなったわね〜…中学の頃はかなり弱かったわよ…」

「そうかな?」

「だって小さい頃はいきなりハネクリボーを攻撃表示で召喚したり、究極完全体 グレート・モスを生け贄召喚しようとしてたわよ…」


「そ…そう言えば……そんな気が…けど…確かネフティスを手に入れてからスタイルが変わった気がするような気がする…」

「そうね…確かにあんたらしいモンスターかも」


ミモザ達は昔のことを思い出し、笑いあって話していた。


「あ!そうそうミモザ…確か昨日ね、時雨君にプロリーグから推薦状が来たの知ってる!?」

「えぇ〜!瀬智にプロリーグが〜!?」

「そう…プロリーグの関係者が彼の戦術を目にしてね…それで早速関係者が直接来たんだけど時雨君はどうしたと思う?」

「どうしたって…契約したんじゃないの?」

ミモザは恐る恐る長澤に聞こうとする…


「なんとキッパリ断っちゃったの」

「えぇ〜!?…な、なんで!?」

ミモザは仰天し慌てながらも

「なんでも時雨君は『まだ俺的にはそんな完全じゃないですし…まだしばらくはここにいたいのです』って断ったんだってさ……」

「そ、そうなんだ……」


「と・こ・ろ・で・さ〜ミモザ〜」

「な…なに雫?」


長澤はニヤリと笑い…

「あんたひょっとして時雨君のことが好きなのかな〜?」

「え…え……ええええええええええええええええええええええええええええええ〜!!?!?!???!?!???!??!?!?!?」


ミモザ、思わず大パニックになる…

「えいや…その……わわわdぃでゃwでゃwbdくぁ」

「フフ……その慌て顔じゃ少し気にしているようね。」


「う……」

やっと落ち着いたミモザだが…その顔は果物の林檎のように真っ赤になっていた。

「た…確かに私…瀬智のこと…す、すすすすすす…す…少し…き……気にして入るけど…あいつは…どうしてる……のかな……?」


「さぁわからないな…とりあえず聞いてみたら?…いや、今のミモザじゃうまく話せそうじゃないみたいだから…わ・た・し・が行こうかな〜」

と長澤は思いっきって時雨のいる部屋に行こうとする。

「うわあぁぁぁぁぁ〜!!ちょ、ちょっとぉ〜!!!!」


ミモザは慌てて長澤を追いかける。

しかし、時すでに遅し、長澤はもうドアのノブに手をかけるところに来てたのだ…

「さ〜って時雨君はどんな反応するのかな〜」

そしてドアノブに手をかけた瞬間だった…


「ブ!?」


急にドアが開き長澤は思いっきり顔をぶつけ倒れてしまう…


そこから現れたのは…時雨であった。

「ん?あぁ、悪い……」


「あれ…瀬智?」

「…?ミモザ……?どうしたんだ…熱でもあるのか?」

時雨は手のひらでミモザのおでこを触る…


「う…うひゃう!?」

ミモザは時雨の突然の行動に思いっきり飛びあがった

「うひゃあわわわわわわわわわ…わ〜あわわわわわわ―!!?」

「お、おいどうしたミモザ!?だ、大丈夫か!?!?」


時雨は燃え盛る炎の如く顔が真っ赤になったミモザの暴走にパニックに陥った。

一方、長澤はぶつかった時に床に頭をぶつけてしまい気絶していたのであった…









インダストリアル・アカデミア―校門

そこに林檎が一人ポツンと立っていた……


この場所は記憶を失くす前に、彼一人がそこに倒れていた場所である…

学校の帰りや、入学は違和感はなかったが…一人でいると不気味な感じがした。


彼は一人震え、吐きそうになる………



しかし、ここに手がかりがあるのなら…林檎は行かなくてはならない…


そして、林檎は少しずつ…その場所に手を…添え始める…



その時…

「………!」


デッキケースからカードが光り始め、林檎はカードを手に取る…


!?

光っていたカードは光と闇の竜、そしてティマイオスの眼であった。



不思議そうに見る林檎……




次の瞬間―


その2枚は強烈な閃光になって林檎を包んだ…





林檎の眼に、見たこともないはずの


風景

人々


事件

知識を………

あの敵の目の前で…彼は……





【フェイズ 20】試合途中と決選直前

「ねぇあなた…あの子たちは無事に帰ってくれるのかしら……」

「わからない…しかし信じよう…あの子たちはきっと無事だ…」


「う…ぅぅうぅうぅ……」

どこかの屋敷である夫婦が悲しげに話していた…



















「…も…ざ……ミモ…ザ……ミ・モ・ザ!しっかりしろって!!」


「ん…あ、あれ?……ら、瀬智?…」

ミモザは時雨に手を貸してもらい床から半分起き上がる…


「あれ……私どうしてたんだっけ…」

「それはこっちのセリフだ…!突然お前が暴れ出してそれで転がっていた缶に転がって気絶したんだよ…」

「そ、そうだったの…?」


「そうだよ…!!」

「ア、 ハハハハハ…ゴメンゴメン……ってし、雫!?」

「ん?あれ…あいつも倒れてたんだ…忘れてた……」


時雨とミモザは倒れていた長澤を引っ張ってソファーに横にして寝かした…

一応、しばらくすれば起き上がると二人は思った…


ミモザはそんな時雨を見て少し考えた…



わ、私は瀬智のことが…す…すす…




スキ…だ……



このこと、どうすれば…伝えられるかな……



そうだ…これなら…うまく……いく…かな……


「あ…あの……瀬智…」

「?…なんだ?」


「雫が起き上がるまで…私と……デュエルしない…」

「……い、いいけど…」




















校門が輝かしく輝いている……


そしてそれが少しずつ、人の形になっていき、ついに人の形になった…


そこに立っていたのは…黄金のブロンドの少年―林檎ではあったが…いつもの林檎ではなく、どこか強いと思わせる、気品ある少年だった…

その校門から離れたところから一人の少年がそれを覗いていた…

(!?なんだ…何をしやがった林檎の奴……まぁいい…しばらく様子を見るか……)


その少年は体育館の2階窓から彼を観察し、その身を隠すことにした…


彼はあるお方からその少年を2つの命令を言われ、一つは林檎という少年を監視するということ、もう1つはある力を復活させよということであった。

後者はほぼ完了してはあったが、前者の方は永遠という時間をかけ、もし、あることが発覚しそうになったら始末せよという命令も掛けられていた。


ついさっきまでは徐々に思い出してはいるものの、特に異常はなしと確認していた…

ついさっきまでは……





林檎は顔を上げ、歩き始める…方向は…

(!?……なんで俺の所に来てるんだ!?)

彼は慌てた…しかし冷静さはあった…


(ちぃっ!…もういい、不信感は残るだろうが奴を始末するか……)


彼は姿をくらまし、体育館の中に逃げ込んだ…






一方、ミモザ達は…

「ワ、私のターン…ドロー!!」


ミモザ:LP4000
手札3枚
フィールド:憑依装着―エリア(攻撃表示)裏守備モンスター1体
      リバースカード1枚


時雨:LP:2150
手札2枚
フィールド:裏守備モンスター1体、
リバースカード2枚



ミモザのドローフェイズ…序盤時雨はAD−ネプトゥヌスを儀式召喚し攻撃するも、ミモザの攻撃の無力化で弾かれ、返しのターンでセットされた水霊使いエリアのリバース効果でコントロール奪取に成功し、憑依装着―エリアの召喚に成功し、ダイレクトを決め、今の状態になった。

「よ、よ〜し…行くわよ〜!私は装備魔法カード魔導師の力発動!このカードで私のエリアの攻撃力を自分の場の魔法・罠カードの枚数×500アップ!!」


魔導師の力
装備魔法カード
自分のフィールド上の魔法・罠カード1枚につき、装備モンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップする。

憑依装着―エリア:ATK1850→2850


「攻撃力2850!?」

「行くわよ!憑依装着―エリアで裏守備モンスターに攻撃!!」


エリアは空中に水の塊を作り、それをセットされたモンスターに勢いよくぶつけた。

が、それは一瞬で交わされ…ウラノスが姿を現していた。


「え?何でウラノスが!?」

「ふふ…俺はインスタント・セレモニーを発動したのさ。このカードで自分の場のモンスターを2体まで生け贄に捧げることで、手札の儀式モンスターを1体特殊召喚できる罠カードさ。」

「儀式罠!?」


インスタント・セレモニー
通常罠カード
自分フィールド上のモンスターを2体まで生け贄に捧げる。自分の手札からそのモンスターの合計レベル以下の儀式モンスター1体を特殊召喚する。(この特殊召喚は儀式召喚として扱う。)


「そしてウラノスの効果で、憑依装着―エリアを破壊する!」

「きゃぁ!」

「そして生け贄にしたメルクリウスの効果でデッキからカードを2枚ドローする…」

「うぅぅ……モンスターをセットして、ターンエンド…」


「俺のターン、ドロー!…俺はAD−サトゥヌルスを攻撃表示で召喚する。」


フィールドに光る輪を持ったADが召喚された。

AD−サトゥヌルス
地属性 ドラゴン族 ☆4 ATK 900 DEF1600
このカードがフィールド上に存在する限り、相手は「AD」モンスターの召喚・特殊召喚を無効にすることができない。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の攻撃力は1800、元々の守備力は700になる。また、自分の墓地に存在する「AD」と名のついたモンスター1体につき攻撃力は300ポイントアップする。

「そしてフィールド魔法、ドラゴニック・スペースを発動!」

フィールドが突然暗くなり、周りが輝く星いっぱいになった。


「ドラゴニック・スペース…いつ見ても奇麗ね〜…」

「あぁ…そうだな……」


ドラゴニック・スペース
フィールド魔法カード
このカードは儀式魔法カードとしても扱う。「AD」と名のついたモンスターの攻撃力と守備力はそれぞれ300ポイントアップする。ライフを700払うことでフィールド上に表側表示で存在する「AD」モンスター1体をエンドフェイズまで儀式召喚扱いにする。このカードは「???」を降臨するのに必要。フィールドか手札から、レベルが12以上になるよう生け贄を捧げなければならない。この効果は自分のメインフェイズに1度しか発動できない。

「このカードの効果でライフを700払い、エンドフェイズまでサトゥヌルスを儀式召喚扱いにする。そして自身の効果とドラゴニック・スペースの効果で攻撃力がアップするぜ!!」


AD−ウラノス:ATK2400→2700

AD−サトゥヌルス:ATK 900→2700 DEF1600→ 800

「攻撃力2700のモンスターが2体!?」

時雨:LP2150→1450


「さらに永続罠カード竜の逆鱗!俺のドラゴン族は全て貫通能力が付加するぜ!!」

「えええええ!?」

竜の逆鱗
永続罠カード
自分フィールド上のドラゴン族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。


「行くぜミモザ!バトルフェイズだ!!俺はサトゥヌルスで1番右の守備モンスターを攻撃する!リング・デストラクション!!」


サトゥヌルスの周りにあった輪が小石と化し、大雨の如くセットされたモンスターを破壊した。

…だが、次の瞬間ウラノスが一瞬で姿を消したのである。

「な?何が起こったんだ!?」


「私がセットしたモンスターは深淵の暗殺者のカード…守備姦通で大ダメージは受けるけど、代わりにモンスター1体を破壊できるカードよ。」

深淵の暗殺者
闇属性 悪魔族 ☆3 ATK 200 DEF 500
リバース:相手フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。このカードが手札から墓地に送られた時、自分の墓地に存在するリバース効果モンスター1体を手札に戻す。


ミモザ:LP4000→1800

「ぐ…俺の発動したドラゴニック・スペースの効果はエンドフェイズまで…俺はターンエンドだ…」


AD−サトゥヌルス:ATK3000→1200

「ミモザ…お前、なかなかやるじゃないか……」

「あら、褒め言葉なんて珍しいわね…と、ところでさ…瀬智、一つ気になることがあるの…」

「?…なんだ………?」


ミモザは恐る恐る…気になっていることを話始める…

「雫から聞いたけど…何で…プロ……辞退しちゃったの?」

「……あぁ…それはな……」

時雨は物静かに…ゆっくりと話始めた……」









体育館の扉が開く…

外から溢れ出た光によって中にいた一人の少年が姿を現す…


その少年の名は月宮 夜だった…

「こんなところで何をしているんだ?夜…」


林檎は前髪をほとんど後ろにしてライオンのようにオールバックに整える…

「な、なんだ林檎じゃないか…君こそ…どうしたんだい……」


「俺か?…俺はただ…お前にあることを聞きに来ただけだ…」

林檎は鋭い目つきで夜を威嚇する…その様子はもはや『以前』の林檎じゃなかった。


「聞きたいことって?…俺がしていることかい…俺はただ…」



「俺の姉をどこにやった?」

「!!」



夜は思わず驚く…そして静かに……林檎を睨んだ…


「まさか……お前…記憶を…」

「お前じゃない……俺は―













六星(ロクセイ) 林檎だ!!」





林檎は轟く雷のように…自分の名前を叫んだ…





【フェイズ 21】オレイカルコスの結界発動!林檎VS月宮

「そうか…お前の名前、確かそんなのだったな…あの日会って以来だ…お久しぶりだね、林檎君…」


「気安く俺の名前を呼ぶな…お前は…俺の姉−六星 林祢(リンネ)を連れ去った犯人だろ…」

「ふふ…面白いこと言うね…俺は何のために君の姉さんを誘拐する理由があったかな…?」

「…ロイヤルナイトメア……」

「…」


笑っていた月宮はその言葉を聞いて笑うのを止めた…

そして林檎はゆっくりとその言葉の意味を話始める…

「ロイヤルナイトメア…秘密裏にデュエルモンスターズ等のゲームに関する貴重な物や素質のある者を奪い去り、密売や裏製造で収入を得て、拡大しているゲーム犯罪の裏組織達だ…」


「だから…それがなんだい…」

「貴様たちはある目的のために特別なカードを使用し、俺の姉を奪い、同時に俺の記憶を消し去った…貴様はその時の姉の対戦した相手だ!!」


「そう…それじゃぁ……俺のやることがわかっているのかな?」

そう言うと、月宮は持っていた決闘盤を装着し、デッキをセットした…


「わかってるさ…デュエルで決着をつけるんだろ。俺もそのためにここに来た!!」


林檎は持っていた決闘盤を装着し、一歩一歩…夜に近付いてデッキをセットして決闘盤を起動させた。

「行くぜ…!」

「来い!!」




―――――デュエル!―――――


林檎:LP4000

月宮:LP4000


「先行後攻は君が選んでいいよ、林檎君。」

「いいだろう…俺の先行から行くぜ!ドロー!!…俺はモンスターをセット、そしてカードを1枚セットして、ターンエンドだ!!」


「あらら…張り切っていると思ってら、序盤から身を守るとはね…」

「黙っていろ…」


林檎はデュエル開始時前から…すでにキレていた…

気のせいか…林檎の背が少し高くなったように月宮には見えた…

「俺は魔法カード抹殺の使徒発動!君のセットしたモンスターを1枚除外する!!」


抹殺の使徒
通常魔法カード
裏側表示のモンスター1体を破壊しゲームから除外する。もしそれがリバース効果モンスターだった場合お互いのデッキを確認し、破壊したモンスターと同名カードを全てゲームから除外する。その後デッキをシャッフルする。

抹殺の使徒が林檎のセットしていたドル・ドラを突き刺し、ゲームから除外した。

「ほう…どうやら君の思惑は外れたようだね。けど、そのセットされたカードが邪魔だから…俺は魔導戦士 ブレイカーを召喚!召喚時魔力カウンターを1個乗せて、魔力カウンターの数×300ポイントアップする。」


魔導戦士 ブレイカー
闇属性 魔法使い族 ☆4 ATK1600 DEF1000
このカードが召喚に成功した時、このカードに魔力カウンターを1個乗せる(最大1個まで)。このカードに乗っている魔力カウンター1個につき、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。また、魔力カウンターを1個取り除く事で、フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する。

「そして魔力カウンターを取り除いて…君のセットされたリバースカードを破壊する!!」

「おっと!それはいかないぜ…、俺はセットした炸裂装甲を墓地に送り、手札の竜の騎士の効果発動!!その俺の場のカードがカード破壊をする効果モンスターの効果対象になったとき、そのカードを墓地に送りこのカードを特殊召喚!出でよ!!竜の騎士!!」


林檎のセットしたカードが姿を消し、代わりに鎧をまとい、剣と楯を持った竜が姿を現した。



竜の騎士
炎属性 ドラゴン族 ☆7 ATK2800 DEF2300
自分フィールド上のカードを破壊する効果を相手モンスターが発動させた時、対象となったカードを墓地へ送る事で手札からこのカードを特殊召喚する事ができる。


「ほほう…さすが林檎君…俺の除去戦術を避け、一気に攻撃力2800のモンスターを特殊召喚するとは…でも…その特殊召喚がまずかったかもね…」

「!…まさか貴様…あの『忌々しいカード』を…!!」

林檎は自分の右手を強く握りしめる…


「手札より速攻魔法カード、終焉の地!相手がモンスターを特殊召喚したとき、俺はデッキからフィールド魔法カード1枚を発動する。


終焉の地
速効魔法カード
相手がモンスターの特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。自分のデッキからフィールド魔法カード1枚を選択して発動する。

月宮は自分のデッキからフィールド魔法カードを1枚選ぶ…そして彼の首元に何かが光り輝いた…



「いくよ林檎君。終焉の地で発動するにふさわしく、君にとって最後の悪夢ともいえるフィールド魔法を発動するよ…その名も……




         オレイカルコスの結界!!」

月宮のいる床から何か古代文字の書かれた魔法陣が現れ、それが拡大し、林檎をも包みこみ、やがて彼らをその結界が閉じ込めた。

「く・・くくく……オレイカルコスの結界はオリジナルより非常に性能が低く、人の魂を封印できないが…君を倒すには十分さ!!」

月宮の額から床に敷かれている結界と同じ紋章が光り輝き、目は赤く光っていた。

「オレイカルコスの結界…お前達が海馬コーポレーションから秘密裏に情報を得て、強引に作り上げた邪悪なるカード…」


「そうさ…そして俺達はこのカードを軸に世界を進出する…クドクド話すのもここまでにしてサッサとデュエルを続行しよう…オレイカルコスの結界の効果で俺の場のモンスターの攻撃力は500アップする…」

魔導戦士 ブレイカーに同じ紋章が現れ、攻撃力がアップする。


魔導戦士 ブレイカー:ATK1600→2100

「俺はカードを2枚セットしてターンターンを終了するよ。」

「俺のターン…ドロー!!」


「リバース罠発動!おジャマトリオ!!このカードでお前の場に3体の雑魚モンスターをプレゼントしよう。」

林檎の場に3体のおジャマが特殊召喚される。

おジャマトリオ
通常罠カード
相手フィールド上に「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)を3体守備表示で特殊召喚する(生け贄召喚のための生け贄にはできない)。「おジャマトークン」が破壊された時、このトークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。


「…俺は手札より魔法カード黄金時代を発動する。このカードは俺の手札が3枚以下のとき発動できるカード…このカードの効果によって先にお前はカードを1枚ドローし、お互いに自分の今の手札の数だけカードをドローする。」

黄金時代
通常魔法カード
自分の手札が3枚以下の場合のみ発動できる。相手はカードを1枚ドローする。その後、お互いに自分の手札の数だけカードをドローする。


このカードの発動により林檎の手札は6枚、月宮の手札は4枚となった…

「そして俺は魔法カード大嵐を発動!このカードで場の魔法・罠カード全てを破壊する!!」


大嵐
通常魔法カード
フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。

フィールドが強大な嵐に巻き込まれる…

その嵐は、オレイカルコスの結界をも吹き飛ばそうとしたが、突然ブレイカーの後ろに黒い塊が2体も出現し、結界は何事もなかったようにフィールドに存在していた…


「ク…発動条件のない速効魔法か…」

「ハハハ!残念だったな…俺は大嵐にチェーンして終焉の焔を発動し俺の場に黒焔トークン2体を後方に特殊召喚した!」


終焉の焔
速効魔法カード
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。自分のフィールド上に「黒焔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を2体守備表示で特殊召喚する。(このトークンは闇属性モンスター以外の生け贄召喚のための生け贄にはできない)

「オレイカルコスの結界は発動した者の魔法・罠ゾーンをモンスターゾーンとしても扱いその場に召喚できる…そしてオレイカルコスの結界は本来ならオレイカルコスの力以外でのあらゆる力によっては無効にされないが…今のオレイカルコスはオリジナルを失い、いかなることでも破壊されない効果にはなっているが…まぁ、それでもかなり十分だ…!」



オレイカルコスの結界
フィールド魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力を500ポイントアップする。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードのコントローラーの魔法・罠ゾーンカードゾーンをモンスターカードゾーンとしても扱う。このカードは魔法・罠・モンスター効果の発動及び効果によっては破壊されない。このカードがフィールドから離れた場合、自分の魔法・罠ゾーンに存在していたモンスターを全て破壊する。


林檎はフィールドに存在する結界を睨んだ…

オレイカルコスの結界…自分フィールド上の攻撃力をアップさせ、さらにモンスターゾーンを10体まで拡大させ、その上破壊耐性を備えた強力なフィールド魔法…

姉はこのカードを発動された結果、敗北した…


だが、奴らの恐ろしいのはこのカードだけじゃない…もっと恐ろしい『あの』カードを使ったことで姉は圧倒的不利な状況に持ち込まれあっと言う間に敗北した…

あのカードを出される前に何としても奴を倒さなければならない!

「俺はスピア・ドラゴンを攻撃表示で召喚!」


スピア・ドラゴン
風属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1900 DEF   0
守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。このカードは攻撃した場合、ダメージステップ終了時に守備表示になる。


「バトルだ!竜の騎士で、魔導戦士 ブレイカーに攻撃!!」

竜の騎士は持っていた剣でブレイカーを横真っ二つに切り裂く。

「ぐわぁ…」


月宮:LP4000→3300

「そしてスピア・ドラゴンで闇焔トークンを攻撃!貫通ダメージをくらえ!スピア・スクリュー!!」


スピア・ドラゴンは口から槍のようにブレスを放ち、黒焔トークンと貫き、そのまま月宮を突き刺した。

「ぐ……あ…」

月宮:LP3300→1400



「ターンエンドだ!」


こいつ…思ったよりやりやがる…

月宮は心からそう思った…


だが…すでにぶっ倒す切り札はあるがな…




その頃、ミモザと時雨のデュエルは…


「行くぜ!儀式魔法グランド・メテオ!手札のAD−プルートとマンジュ・ゴッドを生け贄に捧げ―AD−アポロを儀式召喚!!」

「え〜…そ、そんな…」


ミモザは霊使いとネフティスを駆使して時雨を50まで追い詰めたが……

「バトル!AD−アポロでネフティスの鳳凰神を攻撃!!プロミネンス・メテオ・キャノン!!」

「んぎゃあぁぁぁぁぁ〜」


ミモザ:LP  50→    0

「あ〜あ…負けちゃった……」

「ハハハ…でも……今日は久しぶりに楽しいデュエルができたよ…ありがとう…」


時雨はにっこりと笑い、ミモザは少し顔を赤くした。

「え……えぇ…でも…いいの……」


ミモザは首を傾げ、時雨を見る…

「あぁ…あのことか……別にいいさ…『あいつ』との大切な約束だモノ…」


「でも…その約束は瀬智を―」




その時…


バタン!

急に扉が開く


それに時雨、ミモザ、気絶してソファーで寝ていた長澤は気づいた。

現れたのは少し息を切らしながら慌てていた銀一先生だった。



「せ、先生どうしたんですか…眼鏡も掛けずに……」

「り、林檎君の…記憶の手がかりらしきことを見つけたんだ。」

「「「えぇ!?」」」

驚いたミモザ達に銀一はある物を見せる…


それは林檎と女の人の写真の載った行方不明者の情報をコピーしたものであった。





【フェイズ 22】邪悪なる『抹殺』の降臨

「俺のターン…ドロー」

月宮はカードを1枚ドローする。


彼の場には無敵のオレイカルコスの結界が貼られていたが、彼の場には黒焔トークン1体しかおらず、すでにライフも1400も切っていた…

一方、林檎の場は月宮自身が召喚したおジャマトークン3体に自身の効果で守備表示になったスピア・ドラゴンと攻撃力2800を誇る竜の騎士がフィールドに存在していた…


「だが、すでにそのモンスターを倒す手段は存在している…俺は手札より儀式魔法、オレイカルコス・ミラーを発動!手札のデビルズ・ミラーを生け贄に捧げ―ミラーナイト・コ―リングを守備表示で特殊召喚!!」


オレイカルコス・ミラー
儀式魔法カード
「ミラーナイト・コ―リング」の降臨に必要。フィールドか手札から、レベルが6以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。

月宮の場に、大きなクリスタルの結晶が現れ、そして場に4体の騎士が姿を現した。

「ミラーナイト・コ―リングが降臨した場合、俺の場に4体までミラーナイト・トークンを瞬時に生みだし、鏡の盾を精製する。」


ミラーナイト・コ―リング
闇属性 悪魔族 ☆6 ATK   0 DEF   0
「オレイカルコス・ミラー」により降臨。このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールド上に「ミラーナイト・トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守0)を4体まで特殊召喚する。このトークンが相手モンスターを攻撃する時、このトークンの攻撃力は相手モンスターの攻撃力と同じ数値になる。このカードがフィールド上に存在する限り、「ミラーナイト・トークンは破壊されない。

「そしてオレイカルコスの結界の効果で攻撃力がアップする!」

ミラーナイト・コ―リング:ATK   0→ 500

ミラーナイト・トークン×4:ATK   0→ 500


「そしてミラーナイト・トークンが相手モンスターと戦闘する場合、攻撃力は同じになる!バトル!ミラーナイト・トークンで竜の騎士に攻撃!!」

ミラーナイトが竜の騎士に向かって攻撃してくる…

竜の騎士の方が圧倒的に攻撃力は高いのだが、トークン自身の効果とオレイカルコスの効果により攻撃力は一気に同じ攻撃力まで昇りつめ、撃破された。


「ぐぅ…うぅ……」


「さらにスピア・ドラゴンにも攻撃…最も守備表示だからダメージは与えられないがな…」

「クソ!…」

「このカードもオリジナルよりも大幅に弱体化してるが…ターンエンドだ…」

「俺のターン、ドロー!…」


あのミラーナイトは戦闘では同じ攻撃力になり光と闇の竜は消滅する…

しかも戦闘では破壊されなくなる鏡の楯まで装着された状態では…


ミラーナイト・コ―リング…

それだ!!


「俺は魔法カード早すぎた埋葬発動!ライフを800払い、墓地のスピア・ドラゴンを特殊召喚する!!」

林檎:LP4000→3200


「?…ミラーライトを同志討ちで倒す気か…?」

「いや、ミラーナイトを攻撃しない…俺が倒すのはその中核のミラーナイト・コ―リングだ!!」

「!?」


「残念だが墓穴を掘ったな!スピア・ドラゴンの貫通攻撃によりこれで終わりだ!!」

スピア・ドラゴンはミラーナイト・コ―リングに全力で風のブレスを放ち、

コ―リングが砕け散ったと同時に奴も倒れた…


と思っていた……



「な…何……」



ライフが…減っていない!?


月宮:LP1400→1400

「惜しかったね…君が記憶をなくした頃よく使用した…クリボーを使用したのさ…けど、ミラーナイトはもう不死身じゃなくなったけどね…」


「お前もそのカードをデッキに入れていたとは…俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!!」

林檎は悔しがりながらも、冷静になり


考え始める…

(次のターン、あいつはスピア・ドラゴンを破壊してくる…だが、それより気になるのは俺の場に特殊召喚したおジャマトークン3体…

普通、おジャマトークンは生け贄にできず、相手の壁にしてしまうスタンダートよりもコンボ型にあったモンスターだ…恐らく奴は俺のモンスター展開を遮断させ、何らかの方法で俺に攻撃してくる…俺が今、奴で思いあがるのは…


あの…忌々しい………




怪物!!)




「俺のターン、ドロー!!クククク…」


月宮はドローしたカードを見て、笑う…

「思い出した…」

「なんだ…急に…−ま…まさか……」


「確かこのカードが君の姉さんを…倒したんだった…その勢いで君も吹き飛ばされ…記憶を失っちゃったんだよね〜…」

「はやり……あのカードを…引いたのか…」


林檎は強く歯ぎしりをした…

「ひょっとしたらこの後のことをうまく思い出せるかもしれないね!だったら場に出そうじゃないか!」


月宮はドローしたカードを使用することにした…

そのカードから邪悪なる不気味なオーラが芽生え始めてくる…

「行くよ!俺は黒焔トークンと2体のミラーナイトを生け贄に―」


月宮の後ろからドップリと非常に濃い闇が現れ、そこから竜のようなモンスターが現れる…


そのカードの名は……




「出でよ!闇が生んだ神!!邪神イレイザーァァ!!!!!」


オレイカルコスの結界から機械竜のような邪悪な邪神が姿を現した…

「邪神…イレイザー……」


そうだ…あのモンスターが姉を…姉を連れ去った邪悪なる神のカード……


The Wicked Eraser
闇属性 悪魔族 ☆10 ATK   ? DEF   ?
This card cannot summon you specially. When I gave existing monster three bodies to the sacrifice on a oneself field, it can usually summon you. Offensive ability / the defense of this card becomes the numerical value of *1,000 points number of sheets of the existing card on a partner field. When this card is destroyed, and I was seen to the graveyard, I destroy a card on the field entirely. I can destroy this existing card by face indication on a oneself field.

「邪神イレイザーの攻撃力と守備力は、君の場のカード1枚につき1000ポイントアップ!今、君の場にはカードが合計5枚…よって攻撃力は5000ポイント!さらにオレイカルコスの結界の効果で500アップだ!!」

ATK:   ?→5500

「攻撃力5500…攻撃力向上のためのおジャマトリオだったのか…」


「そのとーり、って言ってくよ。バトル!イレイザーでおジャマトークン1体を攻撃!!」

―ダイジェスティブ・ブレス!!

邪神イレイザーは頭部の口を開く、そしてそこから膨大な量のブレスをおジャマ・イエローに向けて放ち、一瞬で破壊した。

「ぐわあぁぁああ―!!」

「ハハハハハ…!おジャマトークンが破壊されたとき、そのトークンをコントロールしていたプレイヤーは300ポイントダメージを受ける!!」


林檎:LP3200→2900

「そしてミラーナイトでスピア・ドラゴンを攻撃!!」

「ぐわ!」


スピア・ドラゴンが撃破される…

守備表示でありダメージは受けなかったものの、林檎自身には本当に痛みを感じていた。


そして林檎は感じた…

これが自分の姉、林祢の受けた痛みだということを…



「っつう……」

「君の場のカードが2枚減ったことでイレイザーの攻撃力はダウンするが…それでも十分だ……」

邪神イレイザー:ATK5500→3500

「カードをセットして、ターンエンド!!」


林檎は自分のデッキをドローしようとする…


だが…林檎の眼には姉を奪った邪神イレイザーと、自身の怒りであった…

「俺のターン、ドロー!!」

「リバース罠!おジャマトリオ!!これで君の場に3体のオジャマトリオが―」

「チェーンだ!!」

「何!?」

「リバースカードオープン!速攻魔法クリボーを呼ぶ笛!デッキからハネクリボーを守備表示で特殊召喚する!!」


林檎の場にハネクリボーが出現する…

そしてフィールド上に合計3体のモンスターが出現したことにより、おジャマトリオの効果が不発となる。

「ク…セットされたカードがなくなり、代わりにモンスターが出現したため、イレイザーの攻撃力はそのままか…」

「…俺は手札より通常魔法カード手札抹殺を発動!お互いに自分の手札を全て捨て、その枚数分カードをドローする!」


手札抹殺
通常魔法カード
お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから捨てた枚数分のカードをドローする。

「俺は4枚の手札を捨て4枚ドロー!!」

「俺の手札は0枚…残念だが…ドローはできないな…さて林檎君…君は理想の手札を引けたかな?」


「うるさい…うるさい!うるさーい!!…俺は魔法カード魔法石の採掘発動!手札カードを2枚墓地に送り、墓地の黄金時代を手札に加える!!」

魔法石の採掘
通常魔法カード
自分の手札を2枚捨てて発動する。自分の墓地に存在する魔法カード1枚を手札に加える。


「そして貪欲な壺発動!俺の墓地からスピア・ドラゴン、サファイアドラゴン、ロード・オブ・ドラゴン、仮面竜、クリボーをデッキに戻してシャッフル!そしてさらに2枚ドロー!!」

貪欲な壺
通常魔法カード
自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、デッキに加えてシャッフルする。その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。


「そして黄金時代発動!相手はカードを1枚ドローし、その後、お互いに自分の手札の枚数分だけカードをドロー!!」

「連続ドローとは…すごいね……前に読んでたネット小説の主人公みたいだ…」


「速効魔法、超再生能力発動!このターン生け贄及び、手札から捨てたドラゴン族の枚数分だけ、エンドフェイズにカードをドローする!そして装備魔法カード多重人格の生け贄(デュアル・マインド・サクリファイス)をハネクリボーに装備!装備したモンスターは2体分の生け贄にすることができる。」

多重人格の生け贄
装備魔法カード
レベル8のモンスターを生け贄召喚する場合、 このカードを装備したモンスター1体で2体分の生け贄とする事ができる。また、魔法・罠・モンスター効果を発動するために装備モンスターを生け贄に捧げる場合、代わりにこのカードを墓地に送ることができる。

「そして俺はソウルテイカーを発動!ミラーナイト1体を破壊する!その代わり、相手は1000ポイント回復する…」


「ぐおぉ…」


月宮:LP1400→2400


ホントに惜しいが…構うものか!!

「多重人格の生け贄を装備したハネクリボーを生け贄に捧げ―出でよ!光と闇の竜!!」


ハネクリボーに膨大な量の光と闇が生まれ始める…

そしてハネクリボーは大きく、竜の姿に変わっていき…光と闇の竜に変化した…

「光と闇の竜…!そう言えばそれは君が持っていたデッキの1枚だった…一応彼女をさらった時にデュエルできないようデッキを消滅させたが、残っていたのか…」


「バトル!光と闇の竜でミラーナイトを攻撃!シャイニング・ブレス!!」

光のブレスがミラーナイトを包み込む。

ミラーナイトは持っていた鏡の盾で跳ね返そうと試みたが…

「光と闇の竜の効果発動!攻撃力と守備力を500下げ、魔法・罠・モンスター効果を無効にする!!」

光と闇の竜:ATK2800 DEF2400→ATK2300 DEF1900


鏡の盾が光と闇の竜の力によって消滅し、ミラーナイトは消滅した…

「ぐ……ぬぅぅぅ…まさかここまでやるとは…」


月宮:2400→ 600

「俺はエンドフェイズに超再生能力の効果を発動させる…このターン手札から捨てたカード及び、生け贄に捧げたカードの合計は5枚よって5枚ドローする…ターンエンド!」


次のターン奴は躊躇なく光と闇の竜を攻撃してくる…

だが、それが俺の狙い!!

光と闇の竜が破壊された場合、俺の場のカードをすべて破壊し、俺の墓地からモンスター1体を特殊召喚できる…この効果でおジャマトリオはもろとも破壊され、攻撃力2800のモンスターを蘇生できれば奴のモンスターの攻撃力は1500になり俺の勝ち…


「俺のターン、ドロー!光と闇の竜…いかなる効果を無効する能力、確かに強力かつ最上級の効果だ…だが……その効果を発動する度に…攻撃力が下がっちまうんだよな…」

く…手札のカードをすべて使用してシロクロの攻撃力を下げる気か…

「邪神イレイザーの効果発動!自らを破壊する!!」


「な?馬鹿な!?自らを破壊する能力だと!!」

林檎は思わぬ効果に驚く…

イレイザーは自らを破壊しようと攻撃を仕掛けようとしたが光と闇の竜の効果で阻止され、光と闇の竜は攻撃力を落とす。


光と闇の竜:ATK2300 DEF1900→ATK1800 DEF1400

「この効果を2回発動!!」


イレイザーは再び効果を使用する…が効果は光と闇の竜の効果で2度も外し、光と闇の竜は2回続けて攻撃力を落とす…


光と闇の竜:ATK1800 DEF1400→ATK 800 DEF 400

「もう下がらなくなったな…これで終わりだ!邪神イレイザー!光と闇の竜を抹殺しろぉ!!」


イレイザーは頭の口から膨大なブレスを溜め始める…


イレイザーの攻撃力は3500に対し、光と闇の竜は攻撃力は800…もはや圧倒的な大ダメージを受けると同時に、自滅効果によりおジャマトリオの効果ダメージと合わせて一気に2800ものダメージを受けてしまう…



林檎は絶体絶命の窮地に立たされた…




(負けるのか…俺はここで……終わってしまうのか…?)



しかし非情にもその攻撃は光と闇の竜に放たれた……





【フェイズ 23】本当の思い……インペリアル・カオス・ドラグーン!!

「林檎〜!!どこ〜!?」

「林檎く〜ん!いるなら返事してぇ〜!!」


時雨、ミモザ、長澤、そして銀一は林檎の捜索願いを発見し、急いで林檎の部屋に行きこの事実を伝えようとしたが…林檎は部屋にはなく、もしかしたら林檎はそのことを知り家に行ったか、またはこの学園にいるかと思い、急遽林檎を探すことにしたのだ。





だが…


「だ、だめ〜…全然見つからないよぉ〜……」

ミモザはため息をついてしまう…


「いったいどこに行ったんだろう…林檎君は…」

「そうだな…もう夕日も沈んだし、そろそろ帰ってきてもいいんじゃないかな…」


「…あぁ……そう言えば…」

時雨はボソッと何かを言おうとした…


「え!?ひょっとして林檎君を見たの!?!?!?」

長澤は時雨の胸倉を掴んで時雨を振り回す…

「おうわえええええええちょ、と、ちょと、ちょとちょとちょとちょと!?」

首をグラグラさせながら話す…


「ちょっと〜言わないなんてそんなことしないではなく言いなさいよ!!」


ミモザも長澤と一緒に時雨の胸倉を掴み思いっきり振りまわす…


「おうぃsどdふぉdbこぢんbdwlnwdんq;bbf」


しだいに振り回すスピードが加速し、時雨は1秒に数十回というぐらいに時雨を振り回す…

「jっじょsじょっじょあそdじょあじょおまおっまったんmdにゅうあぢあんdまtydhなんmだうydぶあkdふあdfたんsdないなまだああああああ―!!!」

ようやくミモザ達は手を離し、時雨はゼーゼーっと息をしながら話始めた。

「お、俺がミモザ達のいた場所に入る前に、林檎を教室で見かけたんだ…何か考えことをしていたようだけど…」

「それで!?」

「その後は…全く知らない……」

「「そ、そんな〜…」」

長澤、ミモザはガッカリする…


「けど…」

「「けど!?」」


「プロの推薦に来た人が林檎のお姉さんらしき人をプロに進出する予定だったみたいだぜ…」

「「マジで!!?」」

丁度その頃…

林檎は召喚した光と闇の竜が邪神イレイザーの攻撃を喰らったところであった…


「ぐあぁあぁぁぁぁぁぁー!!!」

「ハハハハハ光と闇の竜を粉砕!玉砕!!大喝采〜!!!」


林檎の光と闇の竜が消滅したことにより林檎の場が大爆発を起こす…

おジャマトリオも消滅し林檎はかなりの大ダメージを受けたかと思ったが…


林檎:LP2900→2300

「ってなにぃ〜!?ダメージを受けてないだと!?」

「…俺もあの攻撃の時、手札からクリボーを墓地に送ったのさ。」

そういって林檎は手札のクリボーを見せて、そのまま墓地に送った。


「そして光と闇の竜の効果により、墓地から竜の騎士を攻撃表示で特殊召喚する!!」

「クソ…惜しかったぜ……俺はハ・デスの使い魔を召喚し効果発動!!」

フィールドに悪魔が現れ一瞬で消滅する。

ハ・デスの使い魔
闇属性 悪魔族 ☆2 ATK 700 DEF 700
このカードを生け贄に捧げる。フィールド上に表側表示で存在する悪魔族モンスター1体を選択する。そのモンスターは表側表示でフィールド上に存在する限り、攻撃力と守備力が700ポイントアップする。


「このカードを生け贄に捧げることで対象の悪魔族モンスターはフィールドにいる限り、攻撃力と守備力が永続的に700ポイントアップする!」

邪神イレイザー:ATK1500 DEF1000→ATK2200 DEF1700

「さらに神の進化を発動!!自分フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力と守備力を1000アップ!!」


神の進化
通常魔法カード
このカードは魔法・罠・モンスター効果を受けず、発動と効果は無効にされない。自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力と守備力を、永続的に1000ポイントアップする。

邪神イレイザー:ATK2200 DEF1700→ATK3200 DEF2700


「カードを1枚セットしターンエンドだ!もうこれ以上手が出せまい…」


危ないところだった…クリボーがなければ俺は負けていた…


そう言えば俺は強いモンスターや強力なカードを入れてばっかりで、このカード達を雑魚呼ばわりしてたこともあったけど、いざとなったら頼もしいモンスター達だ…


「俺のターンドロー!!…手札より魔法カード、死者転生を発動!カードを1枚墓地に送り、墓地から光と闇の竜を手札に加える!!」

死者転生
通常魔法カード
手札を1枚捨てる。自分の墓地に存在するモンスターカード1枚を手札に加える。


「そして魔法カード、ドラゴン・ハート発動!このターン通常召喚ができない代わりに、デッキからドラゴン族3体を墓地に送り、ドラゴン族1体の攻撃力を1000ポイントアップする!!」

ドラゴン・ハート
通常魔法カード
自分のデッキからドラゴン族モンスターを3体選択して墓地に送り、デッキをシャッフルする。自分フィールド上に表側表示で存在するドラゴン族モンスター1体の攻撃力はこのターンのみ1000ポイントアップする。このターン、モンスターの召喚・特殊召喚を行うことはできない。


林檎はデッキからシルバー・ドラゴン、黄金竜‐ゴールデン・ドラゴン、霊魂竜(ドラゴン・ゴースト)を墓地に送り、竜の騎士はそのドラゴン達の魂を受け継いでパワーアップした。

竜の騎士:ATK2800→3800

「バトルだ!竜の騎士で邪神イレイザーに攻撃!!」

「馬鹿め!最後の最後、最後の邪魔してやるぜ!罠カードおジャマトリオ!!」


「なに!?」

竜の騎士の足をおジャマトリオ達が懸命に掴み、竜の騎士の攻撃を封じる。

その間に邪神イレイザーは頭の口からエネルギーを溜め始めた…


邪神イレイザー:ATK3200 DEF2700→6200 DEF5700

「攻撃力6200!?」

「ククク…ハハハハハハ!!そっくりだ!君の姉が攻撃するとき、君が攻撃をやめろと言ってその間に発動したときのようだ!!」


月宮は笑いながらそう叫ぶ。

林檎はそれを聞き、ゾクっと背筋が凍るのを感じた…


確かに…自分のせいで、姉は消えた……

自分の本当のデッキも…消え去った…


あの戦いで俺は……全てを



失った…




「だが!!」

イレイザーの反撃が放たれ、光と闇の竜が消滅した…


「ふぅ…やっと終わったよ……それにしても…彼は『だが!!』の後何を話そうとしたのかな…?」

月宮は腕を後ろに組み背伸びをした。




「『だが!!』の後…それでも、俺は負けるわけにはいかないだ!!」

「な…バカな!?」


林檎:LP2300→ 600

「なぜ、ライフが減っていない!?」

「俺はお前が反撃に回るとき、手札にあったこのカード、速効魔法突進で攻撃力を700ポイントアップさせたのさ。」


「ぐぅ…お互いにライフは600…し、しかしお前はこのターンモンスターを召喚、特殊召喚できずにどう乗り切るんだ!?」

「…俺は……ターンエンドだ!!」


林檎がエンド宣言をした瞬間―

月宮は大笑いを挙げた…


「ハハハハハ!!!ハーハッハハハハハハァ!!何もできないのか!いいだろう!!このターンで息の根を止めてやる!!俺のターン、ドロー!!俺は魔法カード、『守備』封じを発動!!モンスター1体の表示形式を攻撃表示にする!!」

『守備』封じ
通常魔法カード
相手フィールド上の守備表示モンスターを1体選択し、表側攻撃表示にする。

「俺はおジャマトークン1体を攻撃表示に変更バトル!攻撃表示のおジャマトークンを攻撃!!ダイジェスティブ・ブレス!!」


おジャマ・イエローのトークンにイレイザーの攻撃が撃たれ、破壊され―

「サクリファイス・エスケープ!!」

「ば、馬鹿な!?」


おジャマ・イエローが消え去り、場に白い幽霊のような龍が姿を現す。

「俺は墓地にいた霊魂竜の効果を発動した!このカードは俺のモンスター2体を生け贄に捧げることで、場にこのカードを特殊召喚できるカード…このカードがフィールド上に存在する限り、俺が受けるダメージを0にできる!!」


霊魂竜
光属性 ドラゴン族 ☆5 ATK 300 DEF2500
このカードは生け贄召喚することができない。このカードが墓地に存在する場合、相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上のモンスター2体を生け贄に捧げることでこのカードを墓地から特殊召喚できる。このカードの効果で特殊召喚に成功した場合、このターン、このカードのコントローラーが受けるダメージは0になる。このカードはエンドフェイズに破壊され、必ず墓地に送られる。

「く…だったら邪神イレイザー!残りのおジャマトークンを攻撃だ!!」


イレイザーは最後のおジャマトークンに攻撃を仕掛ける…が

「無駄だ!霊魂竜の効果で俺が受けるダメージは0だ!!」


「ク…ターンエンド……だが、これで霊魂竜は自身の効果で自滅する!!」

霊魂竜は自らの効果により、その魂を林檎のセメタリースペースに入った。

今、奴の場はオレイカルコスの結界と、攻撃力2200の邪神イレイザー…

だか、イレイザーは俺の場にカードがある限り、攻撃力を上げていく…


このターンで決着をつけてやる!!

「俺のターン…」



林檎はカードを引こうとしたとき、ふと、あるイメージが浮かぶ…


それは林檎が時雨、ミモザ、長澤、倉野に会い、光と闇の竜について教えてもらったこと…

そしてカードをもらい自分一人でこのデッキを組んだことを…

俺は…一人ぼっちじゃない………


皆がいたから…このデッキが組めたんだ……

だから―

「ドロー!!」



俺は…このデッキを信じる!!

「……手札より魔法カード、クリボックス発動!!自分の墓地に存在するクリボーと名のついたカードをすべてデッキに戻してシャッフルし、その後デッキから戻したクリボーと名のついたカード1種類につき1枚ドローできる!!」


クリボックス
通常魔法カード
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合発動できる。自分の墓地から「クリボー」と名のついたカードを全てデッキに戻してシャッフルする。その後、戻した「クリボー」と名のついたカード1種類につき1枚ドローする。

「俺は墓地からクリボー、ハネクリボー、クリボーを呼ぶ笛をデッキに戻してシャッフルし3枚ドロー!!…そして手札より龍の鏡を発動!俺の墓地にあるシルバー・ドラゴン1体と、黄金竜‐ゴールデン・ドラゴンを除外し―超鋼龍(ネオメタリック・ドラゴン)!!を特殊召喚!!」

「超鋼龍!?」

銀の竜と金の竜が融合する…

そこから白く輝く金色と、黒く輝く銀色を身にまとった山のごとき鋼の竜が姿を現した。


超鋼龍
地属性 ドラゴン族 ☆11 ATK2500 DEF4200
「シルバー・ドラゴン」+「黄金竜‐ゴールデン・ドラゴン」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、このカードのコントローラーはレベル5以上のドラゴン族モンスターを生け贄なしで召喚することができる。また、自分フィールド上のドラゴン族モンスターは相手の通常魔法カード及び、通常罠カードの効果を受けない。

「フン…しかし、これで邪神イレイザーの攻撃力は1000アップする!!」


邪神イレイザー:ATK2200→3200

「まだだ!俺の場に超鋼龍が存在する場合、俺は手札のドラゴン族モンスター1体を生け贄なしで召喚できる!俺は手札から光と闇の竜を召喚!!」


強大な超鋼竜の上から光と闇の竜が空高く姿を現した…

「何度言ったらわかる!イレイザーは君のカードの数だけ攻撃力を上昇するんだよ!!」


邪神イレイザー:ATK3200→4200

「そうだ!イレイザー自身の効果で光と闇の竜の攻撃力を一気に下げて止めを刺すってのもいいな!!光栄に思え林檎君!!本来なら存在しないはずのカードで止めを刺されるのだからな!!」


月宮は感情的に大声をあげる…

だが、林檎は冷静に手札を1枚選択した……


「そうだな…俺も……存在しないはずのカードで止めを刺すさ!」

「存在しないはずの…まさか……」


月宮はあるカードの存在に気づいたころには手遅れであった…

「手札より魔法カード、ティマイオスの眼発動!!俺はティマイオスの眼と光と闇の竜を融合させる!!」

「く…まさかいかなる魔法・罠・モンスター効果を封じるカオス・ハート・ドラゴンを降臨するのか……」

月宮は額に汗をかきながらその竜の名を言う…

だが…


「カオス・ハーツ・ドラゴン……確かにあの頃の俺は「本当の自分」を知らず、そんなカードを作り上げた…だが、俺にはそのカードはもう必要ない!本当の姿を現せ!!その名は―」


林檎が叫ぶ…

姿を現した龍はカオス・ハーツ・ドラゴン……ではない全く違うドラゴンであった…

「インペリアル・カオス・ドラグーン!!」

姿はティマイオスに似ていたものの…その体は白と黒の鎧をまといし、混沌帝龍に似た姿をしていた。


インペリアル・カオス・ドラグーン
光属性 ドラゴン族 ☆10 ATK3600 DEF3000
このカードの属性は「闇」としても扱う。1ターンに1度だけ相手の魔法・罠・モンスター効果を発動、または効果を無効にして破壊することができる。この効果は相手ターンにも使用できる。また、このカードが破壊された場合、自分フィールド上のカードをすべて破壊し、墓地からドラゴン族モンスター1体を、召喚条件を無視して特殊召喚する。

「ば、馬鹿な……全く別のモンスターが姿を現しただと!?」


「これが本当の姿だ!インペリアル・カオス・ドラグーンの効果!それは1ターンに1度相手の発動したカードの効果及び、存在するカードの効果を無効化して破壊できる!!カオス・ヒーリング・ヴェール!!」

インペリアル・カオス・ドラグーンは両方の羽を羽ばたかせて光と闇のオーラを作り、イレイザーを包みこむ…そしてイレイザーは強烈に爆発して…消滅した…


だが、そのオーラからドス黒い何かが流れ始め、林檎のモンスターがそれに乗り込まれ消滅した…

「ワハハハハ!残念だったな…イレイザーが破壊されたときフィールド上に存在するカードをすべて道連れにする!!このターン、俺に止めを刺せなくて残念だったな!!」


「いや、このターンで月宮!貴様を倒す!!」

「何を言って―…な、なんだとぉ!?」

フィールドを覆い尽くし始める闇から光が照らし始め、そこから光と闇の竜が姿を現した。

「インペリアル・カオス・ドラグーンが破壊されたとき、俺の場のカードをすべて破壊し、墓地からドラゴン族モンスター1体を、召喚条件を無視して召喚できる!!」


「あ…ぁぁ……バカな…」

「これでラストだ!バトル!光と闇の竜でダイレクトアタック!シャイニング・ブレス!!」

すさまじい光の衝撃波が月宮を包んだ…

「うわぁぁぁあぁぁぁ―!!!」


月宮:LP 600→    0





【End Phase】記憶(過去)から運命(未来)へ…

林檎は一人で体育館を出る…

そして寂しげに顔をうつむいていた…



****************************************

「ク…バカな……オレイカルコスを絡めたロイヤルナイトメアの戦術が破られるとは……」

月宮は光と闇の竜の攻撃の影響で跪く。


「さぁ、月宮!俺の姉をどこにやったか教えろ!!」

林檎は跪いた月宮の胸倉を掴み、姉の居場所を聞き出そうとする…


「フン!あのプロデュエリストの居場所か…簡単なことだ……」

月宮はボソボソと話始める…


「俺達が所属するロイヤルナイトメアにその姉はいる…ただそれだけだ……」

「じゃぁ、なんのためにそんなことをしたんだ!答えろ!!」


「そ、それは…我がリーダーの命令だ…リーダーはあるプロジェクトのために…後は、あまり知らんがな…」

月宮が話し終えると結界が月宮目掛けて収縮していく…


「な…なんだ!?」

「残念だが、俺が話せるのはここまでだ……まぁ、このままバイバイって言うのもあれだから、1つあることを教えよう…」

「!!?」


「いつか行われる巨大な世界大会でロイヤルナイトメアが現れる…その大会に出場しているかは…お前が探してみればいいさ……」

「な、なんだと!?…おい待て!!」



林檎は月宮を捕まえようとしたが、結界に弾かれ、月宮は姿を消した……


****************************************


ロイヤルナイトメア……

奴らはいったい何をしようとしているんだ…



「あ!いたいた!!林檎〜!!」


林檎は後ろを振り向く…

後ろからミモザ、時雨、長澤が来た…

「あれ?時雨、長澤、杉村?どうしてここに?」


「「「え!?」」」

時雨達はピタッと止まる…

林檎はその行動であることを気づき少し焦った…


(やべっ!俺がさっきの言葉で俺が記憶を思い出してること、すっかり言うの忘れてたぜ…あぁ、どうしよう…)


林檎は後ろに向き、両手で自分の髪をかきながらブツブツと何かを言い始める…

それを見た時雨達は彼らの知っている林檎の意外な一面に少しドン引きする。


(こんな時どうすりゃよかったんだっけ…………いや、待て!普通そんな状況をどう言い訳するか習ってるわけじゃないし、このままの方がいいみたいだな……)

林檎はそう考えながら時雨達の方に体を向けた…


「や…やぁ……み、皆どうしたの?」

「ふ、不自然だから…今のままでいいよ……林檎君…」


悩んでいる林檎に話しかける長澤…

ちなみに銀一は別のところで林檎を探していた。



その後、林檎達は体育館に移動し、林檎がここであった全てのことを話始める…



−自分の名前のこと…


−自分の姉がプロデュエリストになるはずだったこと…


−その姉がロイヤルナイトメアに拉致され、自分が記憶を失ったこと…


−記憶を失ったところで自分の「光と闇の竜」と「ティマイオスの眼」が記憶を思い出させてくれたこと…


−体育館で月宮 夜が本性を現したこと…


−そして…


彼らが既に存在しないカードを復活させ、あるところでの世界大会でそこに訪れるというのを…



「そんな…あの月宮がそんな奴らと手を組んで…」

時雨とミモザはガッカリする…


今まで、身近にいた人が実は敵であったということは…誰にだって辛いことだ……

「でも、もしそうだとしたら…過去のようにとんでもないことになるかもしれないわ…」

長澤は少しうなずく…


「でも俺は…どんなことがあろうと必ず姉を救って見せる……」



林檎は手を強く握り…自分にその誓いをたてた……






例えそれが…あり得ない現実に直面するにしても……



























「リーダー…申し訳ございません……」


月宮はとある場所…即ちロイヤルナイトメアの本拠地に戻り、首謀者に自分の失態を報告していた。

「いいじゃねーか…オレイカルコスの結界は元々地球の心の闇で作られたオレイカルコスという物質で作られたものだしよぉ。」


首謀者の横で一人の男が月宮に話しかける…

「し、しかし…こんな不完全なカードでは伝説の竜達や伝説のデュエリスト達に勝ち目はありません―」

「月宮……」


首謀者は静かに語りだす…

「ハ…ハイ!!」

「オレイカルコスのカードを私に渡しなさい……」

「ハ…ハァ……」


月宮は首謀者の言うとおりに、自分のデッキからオレイカルコスのカードを抜き取り、それを首謀者に渡す…

「……もう…過去の遺物はもう必要ない…」


首謀者はオレイカルコスの結界を破り捨てる…

「あぁ!何ということを!!」


「月宮よ…さっきのカード破り捨てたカードの代償に、このカードを託そう……受け取るがいい…」


首謀者は懐からカードを手に取り、それを月宮に渡す…

「こ…これは……?」


そのカードは先ほど処分されたオレイカルコスと同じカードではあったが、そのカードに描かれていたのは真っ赤な魔法陣であった。

「今…我らの部下達はこのカードを持ってデュエル・アカデミアに進行している……そしてアカデミアは一人欠けた6人で迎撃準備に取り掛かっているが…このカードはデュエルだけじゃなく…部下達の潜在能力を引き出すというのに……」



首謀者は少し笑みを浮かべる…

「エオス……」

「ハ……」


「ワクワクするな…」

「………」


首謀者は横にいた男―エオスに話をする…

月宮もそれを聞いてはいたが…何のことかさっぱりわからなかった…

「ヘルモスに続き、ティマイオスまで再び蘇った…過去に起こったことが蘇るのだよ……人間の可能性は素晴らしいものだ…」


「えぇ…おっしゃる通りです……」

「過去に起こったドーマの戦い…千年アイテムの力…3幻魔の事件やユベルの事件…そして最近起こったダークネスの事件も……全てデュエルモンスターズと関係している…輪が望みも…そのデュエルモンスターズで叶うのだからな…」


「はい…仰せのままに……」

「月宮…」

「ハ!」


「しばらくこのカードを使いこなすまでデュエルの練習をしなさい…それを使いこなせたら…彼と遊んでみるといい…」

「ハ…ハイ!」


「それとエオス…君はガノス達のサポートにつきなさい……君は信頼できる人だ…それに…最近入った焔井(ホムイ)を特にサポートすることができる…」

「ハ!おうせのままに……」



エオスは首謀者の名を受け、姿をくらました……










「さて……」

首謀者は椅子から立ち上がり…

椅子の後ろにあった扉に開き中に入る……






「ティマイオス……ヘルモス……そしていつの日か来るであろうクリティウスに選ばれし者とカードの精霊を所持する者達よ…どこまで私を楽しませてくれるかな…?」



彼は目の前でイスに座って眠っている少女を目にし…




クククと再び笑いだした………








MIMIC−第1章


      FIN








あとがき…

いくつかの誤字及び解りづらい言葉を書いてしまったことをここにお詫び申し上げます。


MIMICは第1章としてここで終わりますが、次回作品はデュエル・アカデミアでのストーリーであり、時差は【Phase  1】と同じ時期に始まります。

ちなみにストーリーはダークネスの事件が終わり、十代達が卒業した後の物語で主人公がヒロインを救う物語でルールはマスタールール、そして精霊との戦いがあるストーリーです。


最後まで読んで下さった方、掲示板やメールに感想を書いて下さった方、
そして掲載してくださった管理人様、どうもありがとうございました。





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