KISグランプリ開幕!

製作者:白雷さん






※※注意※※

この小説は作者・白雷が勝手に想像して作った二次創作物のようなものです。
また、内容は原作よりもアニメの展開を元にしていますので、原作オンリーの人は注意して下さい。
(例:ペガサスが普通に生きていたりします)

なお、全体的にデュエル中心の内容ですのであらかじめご了承下さい。
小説内の大会ルールは所々説明が入りますが、それ以外はご都合主義ということでお願いします。










――――これは遊戯たちがエジプトから戻ってから約1ヶ月後のことです―――





8月13日 午前6:00  童実野埠頭







まだ夜が明けきらぬ港に、一艘の大きな豪華客船が停泊していた。

そして、その船の周りに、大勢の若者達が集まっていた。

その中の多くは左腕にはデュエルディスクがセットされているようだ。



―――KISグランプリ〜最強決闘者決定トーナメント〜



その情報はインターネットやマスメディアを通じて、世界中の決闘者たちに伝えられた。

この大会に出場できるのは、大会本部から招待状が送られた32名。

前大会『KCグランプリ』の2倍の人数が参加することになったのだ。

この大会を主催するのは世界有数のゲームアミューズメント企業3社。

――海馬コーポレーション――インダーストリアルイリュージョン社――シュレイダー社――。

3社合同開催といすうだけあり、大会のスケールも巨大なものらしい。

なお、『KIS』とは主催3社のイニシャルである。



そして大会が開催される今日―――

『KISグランプリ』に参加するため、参加者達が集合場所であるここ、童実野埠頭に集まったのだ。





第1話  KISグランプリ開幕!








「お〜い!遊戯〜!」

埠頭の、少し人混みから離れた場所で城之内克也は手を振った。

目的の人物、親友の武藤遊戯も気づいたようで、こちらへ走ってくる。

城之内のそばには、杏子、本田、御伽、獏良、静香もいる。

「遊戯君、5分の遅刻だよ?」

「ごめんごめん、デッキ構築に時間かかっちゃって…。」

「いいのよ、城之内だってさっき来たばっかりなんだから。」

一同に笑いがあふれる中、一人本田だけがつまらなさそうな顔をしている。

「…なぁ、どうして俺だけ招待状こなかったんだろう…?」

実は遊戯、城之内以外にも、杏子、御伽、獏良、静香は招待状を貰っていたのだ。

…はっきり言って、本田の乗船券はKCが情けでくれたものらしい。

「さぁ…ね。海馬君かモクバ君にでも聞いたら?」








『これより乗船手続きを始めます!参加者の皆さんは、招待状に同封した乗船券を提示してご乗船ください!』

KCの黒服の一人、磯野がマイクを持って叫んだ。

その言葉と共に、人がぞろぞろと移動しはじめた。

「さぁ、俺たちも乗船しようぜ!」

「うん!」

一同は乗船券を片手に、船に向かって歩き出した。






船内は豪華な造りになっていて、参加者にはそれぞれ個別の部屋が与えられている。

(本田は城之内に頼み込んで同室を使わせてもらうことになった。)

乗船の際に貰ったカードに、それぞれの部屋番号が書かれていた。

「ねぇ遊戯、まずは中央ホールに集合だったわよね?」

「うん。対戦の組み合わせ抽選とかをするみたいだよ。」

荷物を部屋に置いた一同は、中央ホールに移動した。



『ではこれより、KISグランプリ〜最強決闘者決定トーナメント〜を開催します!』

同時に会場から拍手が沸き起こる。

『本大会のルールはKISエキスパートルールを採用します!』

「KISエキスパート…???」

訳が分からないという表情の城之内に遊戯が解説をする。

「KISエキスパートっていうのは、一般のスーパーエキスパートルールとほとんど同じなんだけど、いくつか違う点があるんだ。
 招待状に詳しく書いてあったから、後で読むといいよ。」

「…っていうか城之内、あんた招待状ちゃんと読んでないでしょ…。」

「ギクッ…!」

『デュエルはA〜Dの各ブロックごとに行われ、第1試合では同時に4試合ずつ行います。』

『次に今後の日程を説明いたします。まずはこの開会式から30分後から第1回戦第1試合を行います!
 場所はAブロック{後部甲板}、Bブロック{シアターホール}、Cブロック{屋内テニスコート}、Dブロック{銭湯}にて行います!』

「へぇ〜、みんな別々の場所でやるのね。」

「銭湯で決闘とか、ある意味面白そうだね。」



『ではこれより第1回戦第1試合の組み合わせを発表する!』

ホール中央のモニターに、対戦カードが表示される。





『Aブロック第1試合……ラフェールvs武藤双六』

『Bブロック第1試合……獏良了vsリチャード=ゴート』

『Cブロック第1試合……城之内克也vsヴィヴィアン=ウォン』

『Dブロック第1試合……奇術師パンドラvs孔雀舞』





「っしゃぁ〜〜〜!!いきなりオレの番だ〜〜〜!!」

「城之内の相手は…、ゲッ、あの忌々しい女!!」

KCグランプリの頃から杏子は、妙にヴィヴィアンに対抗的だ。

「…何で爺ちゃん、また参加してるんだろう…?」

「獏良さんと舞さんも第1回戦みたいですね。」

「しっかし元グールズの奴が参加してるなんて、少し気になるな・・・」

「気にすんな本田!マリクみてーに改心したかもしんねーしな!」


と、噂をすれば何とやら、マリクがイシズ、リシドを連れてやってきた。
イシズは遊戯たちを見つけると丁寧に挨拶した。

「お久しぶりですね皆さん。また皆さんとお会いできて嬉しく思います。」

「遊戯、また戦えるかと思うと楽しみで仕方ないよ。今度戦うときは正々堂々と勝負しよう!」

「うん、戦えたらいいね。」

遊戯とマリク、バトルシティ決勝では闇マリクの件もあり、サレンダーという中途半端な終わり方だった。
その決着をつけたいのは、どちらも同じだろう。

両方が会話を弾ませていると、船内放送が流れた。




『第1試合に出場する決闘者の皆さんは、各デュエルフェールドへ移動してください!』





第2話  熱血vs中華娘!


8月13日 午前8:53  船上テニスコート



「ここか?」

招待状に同封されていた船内地図を頼りに、城之内は客船上部にある屋内テニスコートへやってきた。
さすがは一流企業3社主催の大会だけはある。設備も完璧だ。
無論テニスする訳ではないため、ネットは外されていた。
既にそこでは審判を担当するらしい黒服の男と、対戦相手であるヴィヴィアンがいた。

「あ〜ら、あなたが相手なの?せいぜい頑張って欲しいわね!私にふさわしい」

オ〜ッホッホッ、と孔雀舞にも劣らないほど高飛車な高笑いをするヴィヴィアン。

「(ちくしょ〜、ムカつく奴だな・・・!今にみてやがれ・・・)」


そして午前10:00――

『Cグループ1回戦第1試合、決闘開始ィィ!!』

審判の開始宣言と共にデュエルが開始される。


「「決闘(デュエル)!」」


事前に先攻は決まっているため、城之内は勢いよく先攻ドローをする。

「いくぜ、オレのターン!ドロー!」


ドローカード:『鉄の騎士ギア・フリード』


「オレは『ワイバーンの戦士』を攻撃表示で召喚するぜ!」


【ワイバーンの戦士】   ☆4 地属性 獣族 ATK:1500 DEF:1200


「さらにカードを2枚伏せてターンエンドだ!」


「私のターン!ドロー!」


ドローカード:『達人キョンシー』


「私は『功夫娘々』を攻撃表示!」


【功夫娘々】   ☆4 地属性 戦士族 ATK:1700 DEF:1100
自分スタンバイフェイズに表側攻撃表示で存在しているこのカードで攻撃宣言を行わずにターンを終了した場合、
次の自分ターンのスタンバイフェイズにこのカードの攻撃力は300ポイントアップする。


「攻撃したいところだけど〜あなたの伏せカード…気になるわねぇ・・・。」

少々ギクッとする城之内。
彼が伏せたカードの1枚は『鎖付きブーメラン』。
現状で攻撃してくれれば返り討ちに出来るカードである。
しかし・・・

「私はカードを伏せてターン終了!」

さすがは<アジアの決闘女王>と異名をとるだけのことはある。
そしてヴィヴィアンのターン終了と同時に、次のターンにおける『功夫娘々』の攻撃力が300アップが決定した。

「オレのターン!ドロー!」


ドローカード:『伝説の剣』


「(そっちが攻めてこないならこっちからいくぜ・・・・!)
 オレは『ワイバーンの戦士』を生け贄に、『人造人間サイコショッカー』を召喚!」


【人造人間 サイコ・ショッカー】    ☆6 闇属性 機械族 ATK:2400 DEF:1500
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り罠カードは発動できず、全てのフィールド上罠カードの効果は無効になる。


残念ながら大会ルールでは効果が変更されているため罠破壊はできない。
それでも城之内が警戒した伏せカードを封じる分には問題ない。

「行くぜ!『サイコショッカー』で攻撃!≪電脳エナジー・ショック≫!」

「キャァァ!」

伏せカードは発動することなく、攻撃はモンスターを破壊しプレイヤーのライフを削った。
城之内の先制である。

ヴィヴィアン:LP4000⇒3300

「よっしゃぁ!ターンエンドだ!」

「キィ―――!よくも私に傷を負わせてくれたわね!私のターン、ドロー!」


ドローカード:『早すぎた埋葬』


「私は手札から魔法カード『早すぎた埋葬』を発動!墓地の『功夫娘々』を特殊召喚よ!」

ヴィヴィアン:LP3300⇒2500

「さらに手札から『達人キョンシー』を召喚し、伏せ魔法『五色の彩暮』を発動!この効果で『皇帝龍淑女』を特殊召喚!」


【五色の彩暮】   通常魔法
自分フィールド上の「達人キョンシー」と「功夫娘々」を生け贄にして発動する。
手札又はデッキから「皇帝龍淑女」1体を特殊召喚する。


【皇帝龍淑女(ドラゴン・レディー)】    ☆7 地属性 戦士族 ATK:2500 DEF:1800
このカードは通常召喚出来ない。「五色の彩暮」の効果でのみ特殊召喚できる。
1ターンに1度だけ、相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する事が出来る。この効果を発動したターン、バトルフェイズを行う事は出来ない。


・・・残念ながら城之内が警戒した伏せカードはブラフだったようだ。
そして何より・・・

「何ィ!?攻撃力2500だと!?(くっ・・・攻撃を防げねぇ!)」

「フッフッフ〜・・・まだまだよ!手札から装備魔法『風来剣』そして『雷鳴剣』を発動!」


【風来剣】    装備魔法
装備モンスターの攻撃力を300ポイントアップする。
装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地に送った時、このカードの元々の攻撃力を半分にする事で、もう1度攻撃する事ができる。


【雷鳴剣】    装備魔法
装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップする。
装備モンスターが戦闘で破壊したモンスターが水属性または機械族だった場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。


皇帝龍淑女:ATK 2500⇒2800⇒3300


かつてKCグランプリで遊戯との戦いを見た城之内には見たことのある戦術だった。

「(まさか・・・この女このターンでトドメさす気か!?)」

「そして『皇帝龍淑女』で機械族モンスター『人造人間サイコ・ショッカー』を攻撃!≪雷撃昇龍斬≫!」

「ぐっ・・・!」

城之内:LP4000⇒3100

「機械族モンスターを破壊したことで『雷鳴剣』の効果発動よ!2400ポイントのダメージを相手に与える!」

「ぐ、ぐぁぁぁぁ!!」

城之内:LP3100⇒700

「さぁトドメよ!『風来剣』の効果で『皇帝龍淑女』の連続攻撃!≪烈風龍氣双斬≫!」

「くっ・・・仕方ねぇ!罠カード発動『鎖付きブーメラン』!」

【鎖付きブーメラン】   通常罠
次の効果から1つ、または両方を選択して発動する事ができる。
●相手モンスターが攻撃した時に発動する事ができる。その攻撃モンスター1体を守備表示にする。
●このカードは攻撃力500ポイントアップの装備カードとなり、自分フィールド上のモンスター1体に装備する。

本来はモンスターがいることを前提とした罠だが、もちろんいなくても使う事はできる。
が、やや貧乏性の城之内は発動を少しためらってしまった。

「あなたが罠カードを使うことくらいお見通しよ!」

「な、何!?」

「速攻魔法『残雪剣』!これで罠の発動は無効よ!」

【残雪剣】   速攻魔法
バトルフェイズに相手が罠カードを発動した時に発動。相手の発動した罠カードを無効にし破壊する。

「(勝ったわね・・・)」

自らの勝利を確信するヴィヴィアン。
しかしデュエルはそう甘くは無い。

「へへっ・・・生憎オレはしぶとくてな・・・そう簡単にはやられねぇんだよ!」

「え!?」

「速攻魔法を発動したぜ!『スケープ・ゴート』!」

『スケープ・ゴート』   速攻魔法
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)を4体守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)

「へっへ〜罠無効にしただけでいい気になってんじゃねぇよ!」

「で、でもまだ私が圧倒的に優勢よ!」

「ふ〜ん・・・まぁそうかもな。だけどよぉ、お前はもう手札を使い切っちまったからな!もう何もできねーだろ!」

確かにヴィヴァンはこのターンで止めをさすつもりだったので、手札は既に0枚。
伏せカードも無い為、既に何も出来ない状態なのだ。

「う、うぅ〜〜!(く、悔しぃ〜〜!)」

「さぁ反撃だ!オレのターン、ドロー!」


ドローカード:『拘束解除』


「(よっしゃ!来たぜ〜!)オレは手札から『鉄の騎士ギア・フリード』を召喚!」


【鉄の騎士 ギア・フリード】   ☆4 地属性 戦士族 ATK:1800 DEF:1600
このカードに装備カードが装備された時、その装備カードを破壊する。


「ふん!そんなザコで何ができるっていうのよ!」

「まだまだ!そして魔法カード『拘束解除』発動だ!この効果で『ネイキッド・ギア・フリード』を特殊召喚するぜ!」


【剣聖−ネイキッド・ギア・フリード】   ☆7 光属性 戦士族 ATK:2600 DEF:2200
このカードは通常召喚できない。このカードは「拘束解除」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードが装備カードを装備した時、相手フィールド上モンスター1体を破壊する。


鋼鉄の鎧の呪縛が解かれ、城之内のデッキでは切り札クラスの上級戦士が場に召喚される。

「ネイキッドギアフリードの攻撃力じゃあドラゴンレディーには及ばねぇ!だがこいつの効果は強力だぜ!」
 手札から装備魔法『伝説の剣』を発動するぜ!そしてモンスター効果発動!」


【伝説の剣】   装備魔法
戦士族のみ装備可能。
装備モンスター1体の攻撃力と守備力は300ポイントアップする。


剣聖−ネイキッド・ギア・フリード:ATK 2600⇒2900


装備カード自体は大したカードではないが、ネイキッドギアフリードの効果はもちろん発動する。
(むしろこんなカード入れている城之内はなかなか・・・)
ネイキッドギアフリードの掲げた剣は激しく発光し、ヴィヴィアンの切り札『皇帝龍淑女』を消し去った。

「そ、そんな〜・・・私のドラゴンレディーが・・・」

「いくぜ!ネイキッドギアフリードの直接攻撃!≪レジェンド・オブ・スラッシュ≫!」


ヴィヴィアン:LP2500⇒0



「Cブロック1回戦第1試合―――勝者!城之内克也!」
――――これは遊戯たちがエジプトから戻ってから約1ヶ月後のことです―――





8月13日 午前6:00  童実野埠頭







まだ夜が明けきらぬ港に、一艘の大きな豪華客船が停泊していた。

そして、その船の周りに、大勢の若者達が集まっていた。

その中の多くは左腕にはデュエルディスクがセットされているようだ。



―――KISグランプリ〜最強決闘者決定トーナメント〜



その情報はインターネットやマスメディアを通じて、世界中の決闘者たちに伝えられた。

この大会に出場できるのは、大会本部から招待状が送られた32名。

前大会『KCグランプリ』の2倍の人数が参加することになったのだ。

この大会を主催するのは世界有数のゲームアミューズメント企業3社。

――海馬コーポレーション――インダーストリアルイリュージョン社――シュレイダー社――。

3社合同開催といすうだけあり、大会のスケールも巨大なものらしい。

なお、『KIS』とは主催3社のイニシャルである。



そして大会が開催される今日―――

『KISグランプリ』に参加するため、参加者達が集合場所であるここ、童実野埠頭に集まったのだ。






第1話  KISグランプリ開幕!








「お〜い!遊戯〜!」

埠頭の、少し人混みから離れた場所で城之内克也は手を振った。

目的の人物、親友の武藤遊戯も気づいたようで、こちらへ走ってくる。

城之内のそばには、杏子、本田、御伽、獏良、静香もいる。

「遊戯君、5分の遅刻だよ?」

「ごめんごめん、デッキ構築に時間かかっちゃって…。」

「いいのよ、城之内だってさっき来たばっかりなんだから。」

一同に笑いがあふれる中、一人本田だけがつまらなさそうな顔をしている。

「…なぁ、どうして俺だけ招待状こなかったんだろう…?」

実は遊戯、城之内以外にも、杏子、御伽、獏良、静香は招待状を貰っていたのだ。

…はっきり言って、本田の乗船券はKCが情けでくれたものらしい。

「さぁ…ね。海馬君かモクバ君にでも聞いたら?」








『これより乗船手続きを始めます!参加者の皆さんは、招待状に同封した乗船券を提示してご乗船ください!』

KCの黒服の一人、磯野がマイクを持って叫んだ。

その言葉と共に、人がぞろぞろと移動しはじめた。

「さぁ、俺たちも乗船しようぜ!」

「うん!」

一同は乗船券を片手に、船に向かって歩き出した。






船内は豪華な造りになっていて、参加者にはそれぞれ個別の部屋が与えられている。

(本田は城之内に頼み込んで同室を使わせてもらうことになった。)

乗船の際に貰ったカードに、それぞれの部屋番号が書かれていた。

「ねぇ遊戯、まずは中央ホールに集合だったわよね?」

「うん。対戦の組み合わせ抽選とかをするみたいだよ。」

荷物を部屋に置いた一同は、中央ホールに移動した。



『ではこれより、KISグランプリ〜最強決闘者決定トーナメント〜を開催します!』

同時に会場から拍手が沸き起こる。

『本大会のルールはKISエキスパートルールを採用します!』

「KISエキスパート…???」

訳が分からないという表情の城之内に遊戯が解説をする。

「KISエキスパートっていうのは、一般のスーパーエキスパートルールとほとんど同じなんだけど、いくつか違う点があるんだ。招待状に詳しく書いてあったから、後で読むといいよ。」

「…っていうか城之内、あんた招待状ちゃんと読んでないでしょ…。」

「ギクッ…!」

『デュエルはA〜Dの各ブロックごとに行われ、第1試合では同時に4試合ずつ行います。』

『次に今後の日程を説明いたします。まずはこの開会式から30分後から第1回戦第1試合を行います!場所はAブロック{後部甲板}、Bブロック{シアターホール}、Cブロック{テニスコート}、Dブロック{銭湯}にて行います!』

「へぇ~、みんな別々の場所でやるのね。」

「銭湯で決闘とか、ある意味面白そうだね。」



『ではこれより第1回戦第1試合の組み合わせを発表する!』

ホール中央のモニターに、対戦カードが表示される。





『Aブロック第1試合……ラフェールVS武藤双六』

『Bブロック第1試合……獏良了VSイシズ=イシュタール』

『Cブロック第1試合……城之内克也VSヴィヴィアン=ウォン』

『Dブロック第1試合……奇術師パンドラVS孔雀舞』





「っしゃぁ〜〜〜!!いきなりオレの番だ〜〜〜!!」

「城之内の相手は…、ゲッ、あの忌々しい女!!」

KCグランプリの頃から杏子は、妙にヴィヴィアンに対抗的だ。

「…何で爺ちゃん、また参加してるんだろう…?」

「獏良さんと舞さん、イシズさんも第1回戦みたいですね。」

噂をすれば何とやら、イシズがマリクとリシドを連れてやってきた。

「お久しぶりですね皆さん。また皆さんとお会いできて嬉しく思います。」

「遊戯、また戦えるかと思うと楽しみで仕方ないよ。今度戦うときは正々堂々と勝負しよう!」

「うん、戦えたらいいね。」

遊戯とマリク、バトルシティ決勝では闇マリクの件もあり、サレンダーという中途半端な終わり方だった。

その決着をつけたいのは、どちらも同じだろう。

両方が会話を弾ませていると、船内放送が流れた。





『第1試合に出場する決闘者の皆さんは、各デュエルフェールドへ移動してください!』






続く...



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