KINGDOM

製作者:kaoruさん




第一章 レアハンター

放課後。
B中学に通うこうじと親友の龍は一緒に帰っていた。
二人は放課後、帰り道にあるカードショップに寄ることが日課である。
目的は「デュエルモンスターズ」。
今、全世界でデュエルモンスターズは大人気で、理由の一つは「デュエルディスク」。
このデュエルディスクはカードをセットすると、そのカードに描かれた絵を実体化させる機械でデュエルディスクでデュエルすることもできる。
しかも値段もかなり安く、ほとんどのカードゲームに対応しているが、開発した小波はデュエルモンスターズの人気向上を目的に開発したので、デュエルモンスターズ以外のカードゲームは完全対応とは言えない。
そのためデュエルモンスターズが大人気となったと言える。
こうじも龍もデュエルディスクを所持していて、カードショップでパックを買った後、二人でデュエルするのも日課である。
今日も、こうじ達はカードショップに寄りパックを買った。
今日は新しいパック「KINGDOM」の発売日でいつもより長い行列ができていたが、常連客でこの店の店長、泉と仲の良いこうじ達は列に並ばずパックを購入することができるのだ。
二人とも1パックずつ買った。
龍は早々と開けてみた。
「うわっ!レリーフのブルーアイズ・リトル・ドラゴンだぜ!よっしゃあ!」
ブルーアイズを使いこなすことが夢の龍にとっては、とても嬉しいカードだったようだ。
「こうじは開けないのか?」
「オレは家に帰ってからの楽しみにするよ」
こうじはいつもパックは家で開けている。
龍は気にせずいつも通り言う。
「さあ、デュエルしようぜ!今日はオレが勝つぜ!」
だが、こうじは少し笑ってこう言った。
「悪いけど、今日は遅いしまた明日にしようぜ。レアハンターにでも狙われたら大変だし」
レアハンターとは道行くデュエリストに挑戦し、レアカードを奪うレアカード強奪団に所属する極悪集団だが、デュエリスト狩りは下っぱの仕事で幹部は社長の指名したデュエリストだけに挑戦している。
こうじがよく話を聞くのはレアカード強奪団「ツジギリ」。
その名の通り、挑戦したデュエリストを一瞬で葬る。
ツジギリのレアハンター達は、今まで無敗でツジギリ壊滅のために雇われたデュエリストまでいるという噂だ。
「レアハンターか…用心しなくちゃな」
こうじと龍は分かれ道で別れた。
既に夜の7時。
闇にまぎれてレアハンターが狙っているかもしれない。
しかし、こうじは全く恐怖しなかった。
なぜならこうじは自分の腕とデッキに絶対の信頼を寄せているからである。
こうじは龍のことを心配していた。
龍のデッキはバランスが悪い「ブルーアイズ力押しデッキ」。
ツジギリのレアハンターにかなうとは、とても思えない。
その時、誰かの叫び声が聞こえてきた。
こうじはすぐに気付いた。
「龍!?」
こうじは龍の元へ走った。
全速力で走った。
しかし数人の男が道をふさいだ。
「誰だ!?」
男達は黒いフードを着ていて、不気味に目を光らせこちらを見ている。
「我はツジギリレアハンター!!」



第二章 時間稼ぎ

お互い睨み合ったまま、何も言い出そうとしない。
しかし、こうじが沈黙を破った。
「レアハンター・・・何が目的なんだ」
ツジギリレアハンターと名乗る男は微笑して答えた。
「社長の命令でね。君の友達のブルーアイズは頂いたよ」
こうじは怒ってこう言う。
「何だと!?どうして龍のブルーアイズを!!」
男も言い返す。
「私に言わないでくれ。レアカードを持った彼が悪い」
「龍はどこにいるんだ」
男はこう言った。
「友達を助けたいのなら私にデュエルで勝つことだ。どうする?」
「いいだろう。でもオレはレアカードを持ってないぜ」
「構わないよ。どっちにしても君は邪魔な存在だしね」
こうじは不思議そうに聞く。
「どう言うことだ」
「今に分かる」
こうじはデュエルを引き受けた。
二人とも腕にデュエルディスクを装着した。
「デュエル!!」

レアハンターの先攻。
「私のターン。ドロー!モンスターを守備表示!ターンエンドだ」
モンスターを守備表示で出しただけの平凡な一手。
だがこうじは警戒した。
「(リバース効果モンスターの可能性が高い。でも放っておけばモンスターが増えるだけだ。
ここは攻めさせてもらう!)オレのターン!デーモン・ソルジャーを攻撃表示で召喚!
守備モンスターに攻撃!!」
守備モンスターはジャイアント・ウィルスだった。
ジャイアント・ウィルスの効果でこうじのライフは500ダウンする。
LP8000→7500
「さらにデッキからジャイアント・ウィルスを2体特殊召喚する!」
倒したはずのモンスターは2体に増えてしまった。
「く!ターンエンドだ」
「ふふふ・・・相手のモンスターを減らすつもりが、逆に増やしてしまったようだね。
私のターン!ジャイアント・ウィルス1体を生け贄に―キング・ウィルス召喚!!」
レアハンターの場に黄色の巨大ウィルスが現れた。
大きさはジャイアント・ウィルスの2倍はあるだろう。
「素晴らしい・・・さあ、キング・ウィルスよ!特殊能力を発動せよ!」
レアハンターがそう言った瞬間、レアハンターの場は小さなプチウィルスで埋め尽くされた。

キング・ウィルス ★5 闇 悪魔族
【効果】このカードの生け贄召喚に成功した時、「プチウィルス・トークン(星1 闇悪魔族 攻100/守0)」を自分の空きフィールド全てに特殊召喚する。
このトークンが戦闘によって破壊された時、相手プレイヤーに100ポイントのダメージを与える。エンドフェイズ時、相手の場のモンスター1体を選択する。選択したモンスターは次の自分のエンドフェイズまで攻撃できなくなる。
ATK1800 DEF1100

「リバースカードをセットしてターンエンド!」
その瞬間こうじのデーモン・ソルジャーはその場に倒れこんでしまった。
「デーモン・ソルジャーは次の私のエンドフェイズまで攻撃出来ない」
「たった2ターンで5体のウィルスモンスターが・・・」
レアハンターの場はウィルスモンスターで埋め尽くされていた。
しかしこうじは疑問に思っていた。
「(このレアハンターさっきから守ってばかりで、攻撃する気配がないが・・・まさか、ただの時間稼ぎなのか!?)」



第三章 奪われたブルーアイズ

既に夜の9時。
周りにビルが立ち並ぶ誰も通らない小さな道。
そこに龍は倒れていた。
「ここは・・・」
龍は立ちあがると思い出した。
「そうだ、レアハンターの野郎にブルーアイズを・・・」
龍のデッキに入ったブルーアイズ3枚全てを、レアハンターに奪われてしまったのだ。
ブルーアイズがなければ、龍のデッキはただの紙。
龍はその場に崩れこんでしまった。

一方こうじとレアハンターのデュエル。
「お前、オレに勝つ気はあるのか?」
こうじがレアハンターに聞いた。
レアハンターはあっさり答えた。
「ない」
龍は不思議そうに聞く。
「どう言うことだ」
「君も気付いているはずだ。私に攻撃する気がないということを。その通りだ。君がブルーアイズ強奪の邪魔をしないように、時間稼ぎをしろと社長の命令でね。私はこの場を死守するよう言われたのだ」
こうじはやっと謎が分かってすっきりしたような顔をした。
「そんな顔をしていられるのも今のうちだ。今まで我がツジギリレアハンターに関わってただで済んだ者はいない。君も例外ではない」
「薄々勘付いてはいたが、これで頭の中がすっきりしたぜ。デュエル続行だ!!」
こうじの宣言によりデュエルは続行された。
「オレのターン!デーモン・ソルジャーを生け贄にマスター・デーモンを召喚!」
「マスター・デーモン・・・攻撃力2400の上級モンスターか」
こうじのデッキはデーモンデッキというわけではないのだが、今回はデーモン系のモンスターが多く手札に揃うようだ。
「マスター・デーモンでジャイアント・ウィルスに攻撃!!」
こうじには何か策があったのかキング・ウィルスには攻撃せず、ジャイアント・ウィルスに攻撃した。
「無駄だ!リバースカードオープン!死のデッキ破壊ウイルス!!」
「そのカードは!」
こうじも知っているカードだった。
いや、知らない人はほとんどいないだろう。
死のデッキ破壊ウイルスはこうじのフィールド、手札さらに3ターン以内にドローした攻撃力1500以上のモンスターを破壊する。
「お前のマスター・デーモンと手札の魔導戦士 ブレイカーを破壊!完璧なるウィルスコンボの完成だ!!」
「しまった、さっきからウィルスモンスターばかり出されてこのカードに気付かないなんて・・・」
レアハンターは喜びの顔から少しがっかりしたような顔になった。
「これが世界大会準優勝者の実力なのか・・・解せん!
やはりあの大会はたいしたデュエリストは参加していなかったからな」
「お前あの大会のことを知っているのか!?」
こうじは興味あり気に聞いた。
「ああ、私もあの大会の参加者だったからな」
「レアハンターが大会に出場?」
こうじはまた不思議そうに聞いた。
「レアハンターも大会に出場して参加者のレアカードを奪うことがある。・ ・・少々喋り過ぎたな。社長にばれたら降格処分じゃ済まないだろうな」
その時、影で三人の男がレアハンターの話を聞いていた。
「あいつ、下っぱのくせにレアハンターのこと喋り過ぎだぜ。あいつはクビだ。お前ら二人は社長に報告して来い。オレはあいつを処分する」
「ああ」
そう言った男たちもレアハンターらしい。
しかし話している内容からして幹部のようだ。
そして男のうちの一人がこうじとレアハンターの前に現れた。
「レアハンターNO.38、お前はクビだ」
「な、なぜですか!?」
こうじはあっけにとられた。
実体化されていたモンスターたちは消え、デュエルは終了した。
幹部はこうじの方を向いて言った。
「大嶋こうじ・・・今回は見逃してやる。だが次会ったら貴様のレアカードは頂くぞ!」
こうじはレアハンターが消えるまで見送っていた。
いつの間にかさっきまでデュエルをしていたレアハンターの姿もなかった。



第四章 招待状

こうじとレアハンターが闘った翌日。
この日、龍はお腹が痛いと言って学校を休んだ。
きっと、昨晩ブルーアイズを奪われたショックの精だろう。
こうじは考えた。
(いくらカードゲームと言っても、警察もそろそろ動く頃だろう。
しかしそれでは何も解決しない。レアハンターに奪われたカードはデュエルで
レアハンターを倒さない限り戻ってこないんだ)
放課後。
家に帰ったこうじはポストを覗いてみた。
そこにはデュエル大会の招待状らしきものが入っていた。
こうじはそれを手にとって見てみた。
日時や場所もそこに書いてあった。
そして招待状の裏に手書きでこう書いてあった。

「大切なカードを取り戻したいのなら、大会に出場し優勝することだ ask」

こうじはすぐにこの文はレアハンターが書いたものだと分かった。
「ask・・・」
「ask」とは「尋ねる」という意味の英単語だが、こうじは人の名前だと考えた。
(しかし昨日のもう一人のレアハンターは一体何者なんだろう・・・仲間のはずのレアハンターのデュエルを中止させちゃうなんて・・・)

その日の夜。
レアハンターはこの夜もデュエリスト狩りを行っていた。
「オレのターン!昇霊術師 ジョウゲンを召喚!さらにリバースカードを2枚セット!
ターンエンドだ!」
「ボクのターン」
「おっと、リバースカードを発動させてもらうぞ!光の護封壁、そしてラストバトル!」
レアハンターは1ターンキルを完成させた。
「ふふふ・・・これがホントのツジギリだ・・・」

次の日も、その次の日も、龍は学校に来なかった。
こうじは龍のことだからきっとレアハンターに仕返ししてブルーアイズを取り返そうと
するのかと思った。
しかし龍はそれどころか学校にすらこない。
こうじは放課後、龍の家に行ってみることにした。
ピンポーン、ピンポーン。
龍の家のインターホンを鳴らすと龍が扉を開けた。
「こうじか・・・」
こうじは思ったより龍が元気そうな顔をしていて安心した。
「ブルーアイズを奪ったレアハンターは一体どんな奴なんだ?」
「もういいんだ。オレはデュエルで負けたんだから!」
龍の顔色は急に悪くなってしまった。
10分くらい、二人とも何も喋らなかったがついに龍がレアハンターのことを話し出した。
「レアハンターは1ターンキルデッキだった・・・聞いたことあるだろ?
1ターンでデュエルを終らす瞬殺コンボだ・・・」
龍はさらにレアハンターは三人いたことも話した。
こうじはもしかしたら昨日デュエルを中断させたあのレアハンターかもしれないと考えた。
「実はオレ奴らに仕返ししようと、デッキ改造してんだ。誰にも言うなよ」
こうじはそれを聞いて安心した。
復讐心で構築したデッキは強くない。
でも大切なカードを取り戻したいという気持ちは復讐心とは違う。
龍は明日は学校に来ると約束してくれた。



第五章 始まりはキラー・トマト

とうとうデュエル大会前夜となった。
こうじは自分の部屋で考え事をしていた。
(あの招待状・・・レアハンターが送ってきたものなら主催者もレアハンターなのか!?
なら龍のブルーアイズを取り戻すチャンスだ!)

その頃、龍は家のポストに入っていたあるものを見ていた。
龍はそれを見て思わず叫んでしまった。
「デュエル大会の招待状!?」
なんと龍のもとにもあの招待状が届いていた。
しかしブルーアイズは戻ってきていない。
だが龍には策があった。

一方ここはとあるデュエルセンター。
デュエルセンターとは無料で友達とデュエルが行えるスペースである。
夜ではあったが多くの人が利用していた。
そこに真っ黒な服を着た男が数人の男を連れやって来た。
そして黒い服を着た男が連れの男一人を指差し言った。
「まずはお前だ」
「はい」
指差された男は黒い服の男の前に立った。
これからデュエルが行われるようだ。

「デュエル!!」
黒い服の男の先攻。
「オレのターン!キラー・トマトを攻撃表示!ターンエンドだ!」
キラー・トマトは戦闘で破壊されると、攻撃力1500以下の闇属性モンスターをデッキから特殊召喚するモンスター。
「私のターン。キラー・トマト召喚!」
お互いの場にそれぞれ一体のキラー・トマトが召喚された。
「そしてキラー・トマトで攻撃!」
この場合お互いのトマトは破壊され効果が発動する。
お互いキラー・トマトを特殊召喚した。
「オレのターン!キラー・トマトで攻撃!」
またトマト同士の戦闘が行われた。
黒い服の男は巨大トマト、連れの男はレジェンド・デビルを特殊召喚した。
「ハハハ!!巨大トマトは相手の闇属性モンスター1体につき攻撃力が300ポイント
アップするぜ!」

巨大トマト ★5 闇 悪魔族
【効果】相手の場の闇属性モンスター1体につき、攻撃力が300ポイントアップする。
ATK1500 DEF1300


この効果で巨大トマトの攻撃力は1800ポイントになった。
「さらに巨大トマトに団結の力と魔導師の力を装備!!」
巨大トマトATK1800→3100
巨大トマトはレジェンド・デビルを攻撃し、連れの男のライフは大きく削られた。
LP8000→5400
「ぬぬぅ・・・さすがアスク様」
連れの男は黒い服の男のことをアスクと呼んだ。
どうやらそれが黒い服の男の名前らしい。
「私のターン。モンスターを守備表示!ターンエンド」
「オレのターン!魔法カード、キラー・キッチン発動!!」

キラー・キッチン 通常魔法
【効果】自分の場の「巨大トマト」1体を選択し、それと同じ能力の「トマト・トークン」を1体特殊召喚する。


アスクの場に攻撃力3900のモンスターが2体揃った。
「さらに、暴走化を発動!1ターンのみ攻撃力2000ポイントアップ!」

暴走化 通常魔法
【効果】装備モンスターの攻撃力をエンドフェイズまで2000ポイントアップする。
装備モンスターが相手プレイヤーに直接ダメージを与えた場合、そのダメージを自分も受ける。


2体の巨大トマトの攻撃力は5900ポイントとなった。
「これで終りだ・・・2体の巨大トマトで攻撃!」
1体目は守備モンスターを破壊した。
そして2体目がプレイヤーに直接ダメージを与えた。
LP5400→0
「ぐ・・・ぐはっ!」
「ハハハハハ!!オレに勝てるものなど誰一人としていない!」
夜はもう明けていた。



第六章 ファーストデュエル

デュエル大会当日。
こうじはいつもより早起きして、デッキの再確認を行っていた。
「よし!このデッキで優勝して見せるぜ!!」
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
こうじはドアを開けた。
「ホホホ、おはよう。こうじ君」
「泉さん!?」
ドアの向こうにいたのは泉という、こうじと龍が通っているカードショップの店長だった。
泉はニヤニヤしながらこうじにあるカードを渡した。
「これは!?」
「世界に3枚しかないという、幻のカードじゃ・・・」
「どうしてこんなカードを・・・」
「もちろん、大会に優勝したら返してもらうぞ。昔から孫のように可愛がっていた君達に優勝させてやりたいからのぉ」
こうじは、もしやと思い聞いた。
「じゃあ、龍にも・・・?」
「もちろんじゃ。まあ、君のとは違ったカードじゃがな」
(なんでそんなカードを2枚も泉さんが・・・)

「一回戦第一試合!ウォーラーVSレアハンターNO.11!!」
ついに一回戦が始まろうとしていた。
丁度その時、こうじと龍と泉が会場に到着した。
「でかいなー」
「泉さん・・・あいつレアハンターじゃ・・・」
「そのようじゃな、まさかこんな大会にまでデュエリスト狩りに来ているとは・・・」

両選手が位置に着いた。
「よりによってレアハンターが相手かよ・・・逆にやられちまうのがオチだぜ!」
「あまりいい気になるなよ。私はツジギリ幹部NO.11だぞ!!」
「知るか・・・」
審判によってデュエルが開始された。

レアハンターの先攻。
「私のターン。イレブン・マジック発動!」

イレブン・マジック 通常魔法
【効果】このターン、このカード以外の魔法・罠の発動・セット・モンスターの召喚ができない。
次の自分のスタンバイフェイズにデッキから魔法カードを11枚手札に加える。
この効果で手札に加えた魔法カードはデュエル中使用できない。


「ターンエンド」
「ハハハ!!そんなカード使っちまったら、フィールドががら空きだぜぇ。オレのターン!一軍兵を発動するぜ!!」

一軍兵 通常魔法
【効果】手札から戦士族モンスターを2体特殊召喚する。


ウォーラーはこの効果でゴブリン突撃部隊と空中攻撃部隊を特殊召喚した。

空中攻撃部隊 ★4 風 戦士族
【効果】地属性モンスターはこのカードを攻撃対象にできない。
ATK1600 DEF1200


「2体でダイレクトアタック!!」
レアハンターはゴブリンの攻撃に対して、クリボーを使った。
LP8000→6400
「リバースカードを1枚セットして、ターンエンド!!」
「私のターン。フフフ・・・イレブン・マジックの効果でデッキから11枚の魔法カードを手札に加える!!」
「だがその効果で手札に加えた魔法は発動できないぜ」
レアハンターは微笑して言った。
「フフ・・狙いはこれだ・・・手札破壊の呪文、発動!!」

手札破壊の呪文 速攻魔法
【効果】自分の手札のカードを1枚墓地へ送ることで、相手プレイヤーに500ポイントのダメージを与える。


「・・・何!?」
「私の手札は15枚!!私の勝ちだ!!」
しかし、ダメージを受けたのはレアハンターだった。
LP6400→0
「な、なぜだ・・・!?」
ウォーラーはあるカードを発動していた。
・ ・・地獄の扉越し銃。
「ハハハハハ!!このくらい警戒しとけよ!!オレの勝ちだ!!」

「一回戦第一試合、勝者ウォーラー!!」
かなり素早くデュエルが終ってしまった。
デュエルを観戦していた、こうじたちから少し離れたところにレアハンターが集まっていた。
「く・・・イレブン・・・何をやっている。アイツは降格決定だ」
「まあいい・・・今回はこのオレが直々に出場してんだ。かなりの収獲が期待できそうだぜ」

「まもなく第二試合を開始します。選手は位置に着いて下さい」
「おい、第二試合、龍じゃないのか・・・?」
「ああ、そうだったな・・・」
「がんばるんじゃぞ」

龍は位置に着いて相手を待った。
・ ・・しかし相手は・・・



第七章 闇からの攻撃

「一回戦第二試合、青葉龍VSアスク・ダム!!」
龍の相手が位置に着き、審判がデュエル開始の宣言をした。
龍の相手はアスクという男。
その男の格好からして、龍はレアハンターではないかと警戒した。

「デュエル!!」
アスクの先攻。
「オレのターン。ニュードリアを攻撃表示!!ターンエンドだ・・・」
「オレのターン!レッド・サイクロプス召喚!ニュードリアに攻撃!!」
ニュードリアはあっけなくやられた。
LP8000→7400

こうじと泉はやっちゃたぁと言いたそうな顔をした。
それもそのはず、ニュードリアは戦闘で破壊されるとフィールド上のモンスター1体を破壊する能力を持っている。
この効果で龍のレッド・サイクロプスは破壊されてしまう。
しかしこうじは泉が何か言いたそうなのを見て聞いてみた。
「どうしました?泉さん。やっぱり今の龍じゃ・・・」
「んーー、さっきからどうも気になっていたんじゃが、龍の相手・・・もしやツジギリ社長のあのアスクでは・・・!?」
こうじは驚いた。
レアハンターが多くこの大会に出場しているのは知っていたが、まさか社長まで出場しているとは思わなかったからだ。
するとアスクが言い出した。
「その通りだ。オレはツジギリ社長アスク・ダム。この大会に幻のカードを持った奴が出場していると聞いてなぁ・・・まさかお前らじゃないだろうなぁ・・・」
泉はアスクに聞こえないように言った。
「まさか君達が幻のカードを持っていることが、もうばれたというのか・・・!」
アスクには聞こえていた。
「さあ、デュエルを再開しようぜ・・・幻のカードを頂くのはそれからだ」

龍のターン。
「リバースカードを2枚セット!ターンエンドだ!!」
「オレのターン!闇を生み出す者、召喚!!」
このモンスターの召喚と同時にデュエルディスクのソリットビジョンがアスクと龍のフィールドを闇で包んだ。
「・・・ど、どういうことだ!?」
「これが闇を生み出す者の効果だ!」

闇を生み出す者 ★3  闇 魔法使い族
【効果】フィールド上の闇属性モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする。
ATK1300 DEF1300


「よって闇を生み出す者の攻撃力は1800にアップ!!闇を生み出す者でダイレクトアタック!!」
LP8000→6200
「く・・・!!」
「ターンエンドだ・・・」
「オレのターン!リバースカード・オープン!!白き龍の召喚!!」

白き龍の召喚 通常魔法
【効果】手札を2枚捨てる。手札またはデッキから「青眼の白龍」を特殊召喚する。
このターン、他のモンスターの特殊召喚は行えない。


「ばかな・・・貴様のデッキに青眼は入ってないはず・・・そんなカードを使っても意味はない!!」
「それはどうかな・・・ブルーアイズ・リトル・ドラゴン特殊召喚!!」

こうじと泉は気付いた。
「あれは、確かウチで買ったパックで当てていた・・・」
「ブルーアイズ・リトル・ドラゴン・・・」

ブルーアイズ・リトル・ドラゴン ★4 光 ドラゴン族
【効果】このカード名は「青眼の白龍」とする。
ATK1800 DEF1500


ブルーアイズは一瞬だが闇を光で照らした。
「だが闇を生み出す者と攻撃力は互角。それでも攻撃するというのか・・・?」
「ああ。ブルーアイズで闇を生み出す者に攻撃!!」
「ばかな・・・!」
互いのモンスターは消滅し、闇は消えた。
「ターンエンド!!」
(く・・・まだ奴の場にはリバースカードが残っている・・・攻撃を誘っているのか・・・?)
「ちぃ!オレのターン!サイクロンで貴様の場のリバースカードを破壊する!!」
「サイクロンにチェーンし、和睦の使者を発動!このターンオレへの戦闘ダメージは0になる!!」
アスクは龍を相手にここまで手こずるとは思っていなかった。
それは事前に龍のことを調べていたからだ。
「ブルーアイズがなければ、貴様のデッキはただの紙・・・だが幻のカードが入っている以上
本気で行かせてもらうぞ!!貴様に本当の闇を見せてやる・・・」
「本当の闇・・・?」



第八章 奇襲!!

(確かに闇は消し去ったはず・・・本当の闇・・・?)
龍はアスクの言った言葉を気にしていた。
アスクのターンは続いている。
「オレはモンスターとリバースカードを1枚セット!ターンエンドだ」
「オレのターン!サファイアドラゴンを召喚し守備モンスターに攻撃!!」
アスクは薄っすら笑みを浮かべた。
「フ・・・速攻魔法発動!!闇のダークフィールド!!」
お互いのフィールドは再び闇に包まれた。

闇のダークフィールド 速攻魔法
【効果】自分の裏側表示モンスターが攻撃宣言を受けた時、発動可能。
発動後、このカードはフィールド魔法となりフィールドカードゾーンに置かれる。
フィールド上の闇属性モンスターの攻撃力・守備力が500ポイントアップする。
このカードが存在する限り、表側守備表示モンスターは強制的に裏側守備表示になる。


サファイアドラゴンが攻撃した守備モンスターは、墓守の偵察者だったため龍は反射ダメージを受けた。
LP6200→6100
さらにアスクは墓守の偵察者の効果でもう一体の墓守の偵察者を特殊召喚した。
「そしてダークフィールドの効果で、2体の墓守の偵察者を裏側表示にする!」
「く・・・」
「どうだ、墓守の偵察者は守備力をあげ、再び闇に身を隠した・・・」
「ターンエンド・・・」
龍はどうしようもなくエンド宣言をした。
「オレのターン!2体の墓守の偵察者を反転召喚!その効果で墓守の亡霊を2体特殊召喚!!」
「・・・墓守の亡霊?」

墓守の亡霊 ★4 闇 魔法使い族
【効果】このカードは通常召喚出来ない。
特殊召喚に成功した時、攻撃力が500ポイントアップする。
ATK1500 DEF1000


墓守の亡霊は自身とダークフィールドの効果で、攻撃力を2500にまで上げた。
「墓守の偵察者、亡霊、4体で総攻撃!!」
墓守の亡霊がサファイアドラゴンを葬り、続いて偵察者2体が龍にダイレクトアタックした。
「ぐ・・・!」
LP6100→2100
「これで最後だ・・・幻のカードも出さぬまま、終っちまったなぁ。墓守の亡霊の攻
撃・・・!」
墓守の亡霊は龍にダイレクトアタックした・・・だがその攻撃は跳ね返された。
「ど、どういうことだ!?」
龍は微笑して手札のあるカードをアスクに見せた。
「そ、それは・・・!」
「そう。幻のカードの一つ・・・鉄壁の神−ゴッド・グリホーン!!」

鉄壁の神−ゴッド・グリホーン ★3 光 岩石族
【効果】このカードを手札から捨てることで、相手モンスター1体の攻撃を無効にし
自分はそのモンスターの攻撃力分のライフを得る。
相手はこのモンスターの守備力分のダメージを受ける。
ATK1300 DEF2200


「こ、これが、幻のカードの一つ・・・ゴッド・グリホーン・・・」
「ゴッド・グリホーンの効果で墓守の亡霊の攻撃を無効にし、オレはその攻撃力分のライフを得る!!」
LP2100→4600
「さらに貴様にゴッド・グリホーンの守備力分のダメージを与える!!」
LP7400→5200
アスクのライフが大きく削られた。
「ターンエンドだ・・・」
「オレのターン!モンスターを守備表示!ターンエンドだ!」
アスクは急に高笑いした。
「フハハハハハハ!!結局幻のカードも1ターン凌ぐのが精一杯の役にも立たないザコモンスターってわけだ!!」
龍の場には守備表示のモンスター1体のみ。
対するアスクの場には強力なモンスターが4体も揃っている。
どう考えても龍が圧倒的に不利。
だが龍はまだ諦めてはいなかった。
「オレのターン!墓守の亡霊で守備モンスターに攻撃・・・!!」
しかしまたも、墓守の亡霊の攻撃は跳ね返された。
「き、貴様・・・今度は何をした・・・」
「オレのモンスターはマシュマロン!マシュマロンは相手の攻撃を吸収し跳ね返す能力を持っている!!貴様に1000ポイントダメージを与えるぜ!!」
LP5200→4200
マシュマロンはダークフィールドの効果で裏側表示になった。
「ちぃ・・・ターンエンドだ」
龍はこのターンを持ちこたえた。
そしていつの間にかライフも逆転していた。
「反撃開始だぜ!!」
観客は皆、龍のことを応援していた。



第九章 レアハンター狩り

龍がアスクと接戦を繰り広げている中、ある男が会場に到着した。
「ここか・・・例のレアハンター主催の決闘大会は」

「オレのターン!マシュマロンを生け贄に――邪神ジェロイド召喚!!」
「邪神ジェロイドだと・・・」

邪神ジェロイド ★6 闇 悪魔族
【効果】このカードの生け贄召喚に成功した時、相手の場のモンスター1体を破壊しそのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。
ATK2200 DEF1400


邪神ジェロイドはダークフィールドの効果で攻撃力を2700に上げ、墓守の亡霊を破壊した。
さらに、墓守の亡霊を攻撃した。
LP4200→2550
「き、貴様ごときにここまでの・・・」
「リバースカードをセット!さあ、お前のターンだぜ!!」

その頃、さっき会場に到着した男は、龍のデュエルを観戦していた。
(アスク・・・貴様も落ちるとこまで落ちたか・・・だがまだこんなデュエリストに負けるまで落ちたわけじゃないようだな)
この男の隣に座っていたこうじは驚いた。
それはこの男が、今最もレアハンター達に恐れられているというレアハンター狩りを行っている男だったからだ。

「オレのターン!(少し手を抜きすぎていたようだな・・・だがこれで終りだ!!)
墓守の偵察者2体を生け贄に――墓守の猛獣−プロス召喚!!」

墓守の猛獣−プロス ★7 闇 獣族
【効果】このカードは「墓守の」と名の付くモンスター2体を生け贄に通常召喚される。
このカードの生け贄召喚に成功した時、自分の墓地から「墓守の」と名の付くモンスターを2体まで特殊召喚できる。
ATK2400 DEF2700


「こいつの効果で墓地から、墓守の亡霊2体を特殊召喚するぜ!!」
「く・・・!」
アスクの場に再び墓守の亡霊が現れた。
「行くぜぇ。墓守の猛獣−プロスで邪神ジェロイドに攻撃!!」
邪神ジェロイドは猛獣プロスに破れた。
LP4600→4400
「墓守の亡霊2体でダイレクトアッタク!今度こそ終りだぁ!!」
LP4400→1200
「ば、ばかな・・・どうして奴のライフが0にならない・・・!?」
龍は場に伏せていたリバースカードを発動させていた。

白き龍の嘆き 通常罠
【効果】自分のライフが0になる攻撃を受ける直前に発動可能。
自分の墓地から「青眼の白龍」を攻撃表示で特殊召喚し、攻撃を受けさせる。
その後、自分は決闘に敗北する。


このデュエルを観戦していたレアハンター狩りの男は、龍がなぜこんなカードを発動させたのか不思議に思った。
「最後に・・・ブルーアイズを戦わせたかった・・・」
LP1200→0
「一回戦第二戦勝者、アスク・ダム!!」
龍のもとにアスクが歩いてきた。
「幻のカードをよこしなぁ」
「く・・・」
龍はアスクにカードを渡し、その場に崩れこんだ。
こうじと泉も龍のもとへ歩いていた。
「龍・・・」
「悪い。泉さんの大切なカード、奴にとられちゃいました・・・」
泉は心配ないと言いたげな顔で言った。
「大丈夫。幻のカードは必ず戻ってくる」
「ああ。必ず取り返すぜ!!」

「第三戦出場選手、大嶋こうじ選手と大蛇真子選手は位置に着いて下さい」



第十章 パーフェクト・ロック!!

こうじはすぐにデュエルの位置に着きに行った。
そこにはすでに対戦相手が待っていた。
対戦相手は大柄な男だった。
「一回戦第三戦、大嶋こうじVS大蛇真子!デュエルスタート!!」

「行くぜぇ!!」
対戦相手の大蛇は先攻を取った。
(コイツはレアハンターじゃないようだな…)
「ボクのターン!おジャマ・グリーン召喚!」
大蛇の場に奇妙なモンスターが現れた。
「攻撃表示…?」
おジャマ・グリーンの攻撃力は0で、普通は守備で出すべきカードである。
「さらにリバースカードをセット!ターンエンドだ!」
「オレのターン!(攻撃すべきか…いや、レアハンターの時のようなこともある。ここは様子見だ)ビッグ・ソード・アタッカーを召喚!」

ビッグ・ソード・アタッカー ★4 地 戦士族
【効果】このカードが攻撃を行った時、攻撃力が600ポイントダウンする。
攻撃を行わなかった場合、そのターンのエンドフェイズ時に攻撃力が100ポイントアップする。
ATK2300 DEF100


「ターンエンドだ!」
大蛇のターン。
大蛇は急に笑い出した。
「ははははは!!たった1枚のリバースカードを警戒して攻撃のチャンスを失ったな!!」
「じゃあ、そのリバースカードは…」
「これだ!」
大蛇は場のリバースカードを発動させた。

おジャマ・ギャザリング 通常魔法
【効果】自分の場に「おジャマ」と名の付くモンスターがいる時、デッキから2体まで「おジャマ」と名の付くモンスターを特殊召喚できる。


「出でよ!!おジャマ・トリオ!!!」
大蛇がそう言うと場にまた奇妙なモンスターが2体現れた。
「おジャマ・イエローとおジャマ・ブラックだ!!」
「だがそんなザコモンスター、何体並べようと意味はないぜ」
「それはどうかな…?」
大蛇はリバースカードを1枚セットして、ターンを終了した。
「(く!またリバースカードか…!)オレのターン!怒れる類人猿を攻撃表示!ビッグ・ソード・アタッカーでおジャマ・グリーンに攻撃!!」
「バカめ!!リバースカードオープン!おジャマ・デルタバリア!!」

おジャマ・デルタバリア!! 通常罠
【効果】自分の「おジャマ」と名の付くモンスターが相手の攻撃宣言を受けた時、相手の場の表側表示モンスターを全て破壊する。


「何!?」
こうじのモンスターは全て破壊された。
「今度は攻撃しない方がよかったかもな!」
「ちっ!リバースカードを1枚セット!ターンエンドだ!」
こうじは少し切れ気味でターンを終了した。
「ボクのターン!融合を発動させ、場のおジャマモンスターを融合させる!!出番だ!!おジャマ・キング!!!」
おジャマ・キングは相手の場のモンスターゾーンを、3ヶ所まで破壊する効果を持っている。
この効果でこうじの場のモンスターゾーンは3ヶ所破壊された。
「だが3ヶ所程度なら、どうってことないぜ!!」
大蛇は微笑して言った。
「今から見せてあげるよ…パーフェクト・ロックを!!」



第十一章  炎帝

大蛇のターンはまだ続いている。
「ボクはおジャマ岩を発動する!」
こうじの場に奇妙なモンスターの形をした岩が、2つ現れた。

おジャマ岩 永続魔法
【効果】自分の「おジャマ・キング」が相手の場のモンスターカードゾーンを、3ヶ所以上使用不能にしている時、相手の場のモンスターカードゾーンを全て使用不能にする。


「おジャマ岩はお前のモンスターゾーンを全て埋め尽くす!しかもその岩は壁にはならないぜ」
こうじは舌打ちした。
(オレはモンスターを召喚できなくなった…)
「ターンエンドだ!」
「オレのターン!このターンは何もできない!ターンエンドだ」
こうじは魔法や罠で対抗するしか手はない。
だがこのターン相手のカードに対抗できるカードを引けなかった。
「ボクのターン…なら遠慮なく攻撃させてもらうよ…魔法カード発動!シールド変換装置!」

シールド変換装置 永続魔法
【効果】自分の場のレベル6以上の融合モンスター1体を選択する。
このカードがフィールド上に存在する限り、選択したモンスターの攻撃力と守備力が入れ替わる。


おジャマ・キングの攻撃力と守備力が入れ替わり、攻撃力3000となった。
「さらに魂を削る死霊を召喚!2体でダイレクトアタック!!」
LP8000→4700
魂を削る死霊はこうじの手札のキャノン・ソルジャーを墓地へ送った。
「ターンエンド!」
(く…このターン、あのカードを引けなかったらオレの負けだ…!だがオレはこの大会で必ず龍のブルーアイズを取り戻すぜ!引いて見せる…幻のカード…!!)
「オレのターン…ドロー!!」
「どんなカードを引こうが、ボクのパーフェクト・ロックを破ることなどできない!」
「出でよ!!炎帝ウィルオウィスプ!!!!」
こうじの場に巨大な火の玉が現れた。
その火の玉は大蛇のおジャマ・キングに攻撃し、その体を燃やし尽くした。
「…どういうことだ!?」
「これが炎帝ウィルオウィスプの効果だ!」

炎帝ウィルオウィスプ ★3 炎 炎族
【効果】このカードを手札から捨てる事で、相手モンスター1体を破壊しそのモンスターの攻撃力の半分の数値分、相手にダメージを与える。
その後、このカードを自分の場に攻撃表示で特殊召喚する。このカードは戦闘では破壊されない。
ATK1200 DEF600


LP8000→6500
「これでモンスターを召喚出来るぜ!」
「こんなのアリかよ…」
「行けえ!ウィルオウィスプ!魂を削る死霊に攻撃!」
LP6500→5600
魂を削る死霊は戦闘では破壊されない効果を持つ。
だがダメージ計算は適用されるのだ。
「まだ終らないぜ!リバースカードオープン!トランスフォーメーション!!」

トランスフォーメーション 通常罠
【効果】自分の場のモンスター1体を選択し、そのモンスターを手札に戻す。


この効果でウィルオウィスプは手札に戻った。
「そしてウィルオウィスプの効果発動!ウィルオウィスプを手札から捨てる事で、相手モンスター1体を破壊し、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える!!」
LP5600→5450
ウィルオウィスプは攻撃表示で特殊召喚された。
「ウィルオウィスプでプレイヤーへダイレクトアタック!!」
LP5450→4250
大蛇は既に負けを覚悟していた。
「ターンエンド!さあ、お前のターンだぜ!」
「ボクのパーフェクト・ロックを破ったのはキミが初めてだよ、大嶋クン…このコンボを破られたら、ボクに勝ち目はない…降参だ…」
「え…?」
大蛇はデッキの上に手を乗せていた。
サレンダー(降参)だった。

「一回戦第三戦―勝者大嶋こうじーー!!」
こうじと大蛇は握手をして、別れた。
その後も数時間に渡り、数々のデュエルが行われた。
そしてついに二回戦へ突入し、残り8名となった。
観戦席で座っていたこうじを、ある男がずっと見つめていた。
「こうじ君…今回もワタシが優勝させてもらうよ…」

泉はふと気付いた。
「そういえば、さっきから龍が見当たらないのぉ」



第十二章  四天王

泉はこうじを観戦席に残し、外へ龍を探しに行った。
「龍〜、どこにおるんじゃ〜?」
すると泉は地面にしゃがみ込んで暗い顔をしていた龍を見つけた。
「どうしたんじゃ、龍。元気ないのぉ」
龍はため息をついて言った。
「そりゃそうですよ。自分の手でブルーアイズを取り戻せなかったんだから……その上、泉さんの大切なカードも奪われて…」
「そのことなら心配ない…ブルーアイズも幻のカードも必ず戻って来る」
龍は急に立ちあがって言った。
「…でも、自分の手で取り戻したいんです!」
泉は少し考えて言った。
「そうか……ならいいことを教えてあげよう。ツジギリのアジトの場所じゃ…」
「!」
龍は驚いた。
(幻のカードはアスクのデッキの中…だけど、ブルーアイズは取り戻せるかもしれない…!)
龍は泉からツジギリのアジトらしい場所を教えてもらい、すぐに目的地へ向かった。

ツジギリのアジト…それは大きな洞だった。
洞の入り口にはレアハンターが2人立っていた。
(これじゃあ、中に入れない。どうすれば…)
その時、誰かが龍に声をかけてきた。
龍は慌てて振り向いた。
そこには髪の長い少女が立っていた。
「フフ…私達のアジトに入るつもり?」
「まさか君もレアハンターなのか?」
龍はそう少女に聞いた。
「ええ、私達は特別なレアハンターだけどね」
「特別?」
「今に分かるわ。それよりあなた私達のアジトに入りたいんでしょ?それなら私とデュエルで勝ったら、入れてあげてもいいわよ?」
龍は罠かもしれないと思いつつ、デュエルを受けることにした。

「デュエル!!」
少女の先攻。
「私のターン!プリンセス人魚召喚!」
プリンセス人魚はスタンバイフェイズ毎にライフを800ポイント回復させるモンスター。
龍はこの1枚で少女のデッキが回復デッキであると考えた。
「リバースカードを2枚セット!ターンエンド!」
「オレのターン!行くぜ!ブルーアイズ・リトル・ドラゴン!!」
龍はいきなり得意カードを召喚した。
すると、少女は言い出した。
「へえ。ブルーアイズを奪われても、こんなカードで補っていたんだ」
「オレのブルーアイズのこと知ってるのか!?」
少女は驚いた顔で言った。
「もちろんよ。あなたのブルーアイズは今、私の仲間が所持してるもの」
「誰なんだ!?その仲間って…」
「ツジギリ最高幹部の三人衆の一人よ。と言っても一番アスク様に信頼されているのは私達だけど」
少女はツジギリの秘密を次々とばらしていた。
しかし龍はそんなことを気にせずに、少女に聞いた。
「お前は一体何物なんだ?」
「私はツジギリ四天王の一人…芳よ」
「四天王…?」



第十三章 ダメージデッキ

少女はツジギリ四天王の芳と名乗った。
「さあ、デュエルを続行しましょ。アジトに入りたいんでしょ?」
「ああ、オレが勝ったら約束通りアジトに入れてもらうぜ」
龍のターンは続いていた。
「オレはリトル・ドラゴンでプリンセス人魚に攻撃するぜ!」
リトル・ドラゴンはプリンセス人魚を粉砕し、芳にダメージを与えた。
LP8000→7700
「ターンエンド!」
芳は龍のエンドフェイズにスケープ・ゴートを発動した。
「私のターン!キャノン・ソルジャー召喚!」
キャノン・ソルジャーは自分の場のモンスターを、射出する事で相手に500ダメージを与えるモンスター。
この効果で芳は羊トークン4体を全て射出した。
LP8000→6000
「くっ!」
「さらにエクトプラズマーを発動しターンエンド!」
「エクトプラズマー…」
エクトプラズマーはお互いエンドフェイズに自分の場のモンスター1体を生け贄にし、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与えるカード。
「そう。この効果で私はキャノン・ソルジャーを生け贄にするわ!」
龍はキャノン・ソルジャーの攻撃力の半分の700ダメージを受ける。
LP6000→5300
「(回復デッキかと思ったけど、ダメージデッキだったのか…)
オレのターン!サファイアドラゴン召喚!2体でダイレクトアタック!」
「リバースカードオープン!スケープ・ゴート!」
龍の攻撃は2体の羊トークンを倒すだけに終った。
「ターンエンド!」
龍はエンドフェイズにサファイアドラゴンを生け贄にした。
LP7700→6750
「私のターン!魂売り発動!」

魂売り 永続魔法
【効果】各プレイヤーは、自分のターンのスタンバイフェイズに1度だけ、自分の墓地のモンスター1体を除外する事で、元々の攻撃力の半分のダメージを相手プレイヤーに与える。


「さらにキャノン・ソルジャー召喚!この効果で2体の羊トークンを射出!」
LP5300→4300
「ターンエンド!」
芳はエンドフェイズにキャノン・ソルジャーを生け贄にした。
LP4300→3600
「オレのターン!スタンバイフェイズにサファイアドラゴンを除外する!」
LP6750→5800
「オレはイエティを召喚するぜ!」

イエティ ★4 地 獣族
ATK1800 DEF1600


「2体でダイレクトアタック!」
芳はリトル・ドラゴンの攻撃に対し、クリボーを使った。
LP5800→4000
「ターンエンド!」
龍はエンドフェイズにイエティを生け贄にした。
LP4000→3100
「私のターン!スタンバイフェイズにプリンセス人魚を除外するわ!」
LP3600→2850
「私は魂放出を発動するわ!」

魂放出 通常魔法
【効果】自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を指定し、そのモンスターの攻撃力の3倍分のダメージを相手に与える。


芳はクリボーを指定し龍にダメージを与えた。
LP2850→1950
「そろそろお終いね…」



続く...





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