Heat the Duelst 〜熱き決闘者達〜

製作者:セルさん




設定は遊戯がデュエルキングになった後の世界です。

登場人物紹介

日比谷 翔太 <ひびや しょうた>高校1年生。15歳。とりあえず主人公。天然ボケ。

日野  茜 <ひの あかね>同じく高校一年生。15歳。渚の幼馴染。

三瀬 正和 <みせ まさかず>同じく高校一年生。15歳。翔太の親友。

相川 薫  <あいかわ かおる>同じく高校一年生。15歳。日比谷と日野の幼馴染。

                            etc、、、。

細かいところは小説の途中にて、、では、、、本題へとはいります。



第一話―ここから始まる、、、!!

それは雲一つない静かな朝だった、、、。
住宅街に鳥の声がさえずり、通勤者や通学者がそれぞれ行くべき場所へと歩いていた。
しかし、、それとは裏腹に、、騒がしい朝を迎えていた人がいた。
「こら!何モタモタしてんの翔太!!学校遅れるわよ!!」
甲高い女性の声が翔太と呼ばれた急いで服を着替えている少年の背中を突き刺す。
「言われなくてもわかってるよ!!俺は好きで寝坊したわけじゃねーんだよ!!」
翔太は急いで学生服のボタンを閉める。
「口答えしない!!さっさと準備する!!」
「け、、、。へ〜い、、わかったよおふくろ、、。」
少年は服を着替え終えると、カバンを持って玄関に向かって走り出す。
「待ちなさい翔太!!」
翔太はうるさそうな顔で母の方を振り向く。
「何だよ、、急いでるのに、、、、っ!!」
振り向いた瞬間四角い物体が翔太の顔めがけて飛んできた。
「わ、、、。」
翔太は思わずその物体を口にくわえる。くわえた瞬間サクッとした食感と香ばしい匂いが
翔太の鼻に漂う、、。
「朝ご飯よ!朝食抜きじゃ頭働かないよ!!」
翔太はそのトーストを加えて玄関を出る。
「ち、、全速力でギリギリってところか、、。」
翔太は風のように歩道を突っ走る。途中で通行人を突き飛ばしたり、何度か車のブレーキを踏ませた
ような、、、気がしたが、まあ、、それはそれでいいや、、。

そんなこんなで駅に辿り着く、、。
「遅い!!」
学生服を着た、短い黒髪の少女が、ヘトヘトになった翔太にむかって眉をつり上げて言った。
「わりい茜、、ちょっと寝坊しちまった、、;」
茜は大きくため息をついた。
「アンタねぇ、、、毎日それだ、、寝坊しちまったって、、、いいかげん寝坊癖なおしなよ、、。」
「へいへい、、、これから気をつけます、、、。」
翔太が息を整えてる間もなく列車が来るアナウンスが響く、、。
「あっ、、、これ遅れたら遅刻確実じゃない!!翔太!!急ぐわよ!!」
茜はそう言って改札口に向かって走っていった。
「ま、、待ってくれ〜!!さっき走ったばかりなんだ〜!!」
翔太はふらふらと茜の後を追った。
キーン コーン カーン コーン、、、。

学校のチャイムが鳴り響く、、。
公立国府高校。レベルはそれほど高くないが、自由な校風と綺麗な校舎で、様々なレベル
の高校生が通う高校だ。
「それじゃ、、ホームルームをはじめ、、」
「先生〜!!」
先生は生徒に呼ばれ、その生徒の方を見る。
「どうした?広岡。」
「日比谷君が調子悪そうで〜す。」
広岡の横の席には顔色を悪くした日々谷が机に顔を伏せている。
「だ、大丈夫か、、日比谷、保健室行くか?」
先生が心配そうな顔をして日比谷の机に近づく。
日比谷はこくんと一度頷いた。
着々と授業が進み、終礼のチャイムが鳴った。
「はぁ〜ぁ、、全然授業わかんねぇ〜死にてぇ〜うんこしてぇ〜、、。」
意味不明な事をつぶやきながら帰り道を歩いている翔太の後ろから、、
パチンっ!!
誰かが日比谷の頭を叩いた。
「ってぇ〜〜〜!!」
日比谷は頭をおさえ、後ろを振り向く。
「な〜にくだらないこと言ってんの!」
「痛、、、何すんだよ茜、、叩くことねえだろ、、。」
「それよりアンタ、部活は決まったの?」
「、、、部活なんてやらねえよ、、めんどくせえ、。」
「入らないってアンタ中学の時野球やってたじゃない?高校ではやらないの?」
「け、、野球なんかよりももっと楽しいことはあるさ、、。」
「まあ、、あんなことがあったしね、、。」
そう言って日野は突然考え込む。
「う〜ん、、、翔太から野球取ったら、、、何せ勉強ダメだし、、スポーツは野球以外
何故かヘタクソだし、、、、どうするの?」
「何だその俺が野球しかできないような言い方は?」
「だってホントじゃん。」
茜の言葉が日比谷の体にグサリと突き刺さった。
「、、、え〜い!見てやがれ!!この高校生活で野球以外の事に熱中してやる!!」
そう言って日比谷は全速力で走っていった。
「はぁ、、、無理しちゃって、、。」
日野は大きくため息をついた。
日野の言ったあんなこととは、入学してから3日目の授業後、日比谷は野球部を見に行った
のだが、、、。
「たしか野球部はグランドの方でやってたな、、。」
日比谷は急いで廊下を走っていると、、。
「痛ッ!!」
二種類の声が廊下に響く、、、どうやら互いにぶつかったみたいだ、、。
「いてて、、何だよ全く、、。」
日比谷はぶつかったところを手でおさえ、顔を上げる。
そこには、いかにも不良っぽい顔つきの生徒が三人立っていた。
「痛〜い、、あ〜、、脊髄が粉々に砕けちまったみたいだぜ、、。」
ぶつかった生徒がまるで本を棒読みで読んでるような口調で腰をさする。
「それは大変だ〜、おい!テメェどうしてくれんだよ!!」
生徒というより不良が日比谷のむなぐらを掴んだ。
「どうやらこの国府高の恐ろしさを知る必要があるみてえだな、、。」
「はい、、?」
日比谷がそう言ってる間にパンチが一発鳩尾にはいった。
「ぐは!!」
日比谷はそのまま倒れこんだ。
「さてと、、、治療費もらおうか〜!!」
3人の不良が日比谷に歩み寄る。周りの人は関わりたくないのか見てみぬふりをしている。
「、、、、。」
日比谷はその場で立ち上がると同時に、、、。
「!!」
不良は驚愕の表情を浮かべた。
ボコッ!!
「ぐわッ!!」
日比谷はその場で立ち上がると同時に、3人のうち1人にドロップキックをかました。
「痛てえ、、何しやがるこのヤロ!!」
「、、、それはこっちのセリフだー!!」
日比谷が逆ギレする。
廊下はとても騒がしくなった。
その結果、日比谷は不良をボッコボコにしたわけだが、ボッコボコにした不良が野球部の
レギュラーだったため、、野球部に入りづらくなってしまったのだった。
、、、、、にしても都合のいい設定だな、、(ボソッ)
日比谷はとぼとぼとした足並で、、電車から降りた。
「、、、、はあ〜あ、、。」
実についてない。なんであんな奴が野球部に入ってんだ。あんなやつをレギュラーにする
監督もどうかしてる。
日比谷がため息をつきながら歩いていると、、。
ボコッ!!←何かにぶつかった音
「痛ッ!!」
<あ〜、、、また不良じゃねえだろうな、、。>
日比谷は顔を上げた瞬間、ほっとした。
「ごめんなさい。」
子供は軽く謝って走っていった。
日比谷は軽く息をつくと足元に紙切れのようなものが落ちていた。
「何だこりゃ?」
日比谷はその紙切れを拾う。
「何かのカードみたいだな、、。なになに、、、?やねうらの、、なんて読むんだ?」
ちなみに日比谷の拾ったカードは、、、。

屋根裏の物の怪 闇属性 悪魔族 レベル2
ATK550 DEF400  効果なし通常モンスター

「もののけ」と読めなかったらしい。
「、、、、。そういや、、たしか最近こんなようなカードが流行っていたな、、。
たしか、、なんか、、その、、あの変なヒトデみたいな頭の奴が、、武藤遊戯だっけ?」
日比谷の頭の中ではあの変なヒトデみたいな頭の奴=遊戯だそうだ。
「こんなようなカードならたしか、、、三瀬がもってたな、、。」
日比谷は三瀬の家へ行き、玄関のベルを鳴らす。
ピンポーン、、。
しばらく何も起こらなかったが、やがてガチャリとドアが開いた。
「お、、、翔太じゃねえか、、。どうしたんだ?」
「三瀬、、、え〜とな、、、こいつに見覚えはないか?」
日比谷はポケットからさっきのカードを三瀬に見せた。
三瀬はそれを見た瞬間、顔色を変えた。
「お!!お前もM&W<マジックカードウィザーズ>始めたのか?」
「はあ?」
日比谷は困惑した。そもそもM&Wと言われても、カードも持っていなかったし、
そんなに詳しくは知らなかった。
「まあいい。ささッ、、まあ入れや翔太。」
三瀬に手を引かれるままに日比谷は家の中へ入った。
その後、日比谷は三瀬から散々M&Wの話を聞かされた。
「すげえんだぜ、、、神のカードがなんちゃらかんちゃらすっとこどっこい、、(以下略。」
「、、、、、まあ、、大体わかったぜ。」
2時間にわたる熱論だった。
(こいつ、、カードやってることは知ってたけど、ここまで凄いとはな、、。M&Wって
そんなに面白いのか?)
「そんで、、日比谷、、M&Wやるのか?」
三瀬の目が輝いている。断るわけにもいかないようだ。それに特にやることもないので、
やってみても損はない。
「ああ、、、やってみたいんだけど、、。」
「なら話は早いぜ!!ちょっと待ってろよ!!」
そう言って三瀬は部屋を出て行った。すると部屋の外から物音がした。
ゴソゴソガラガラドンガラガッシャーン!!ガガガガガッ!!ギリギリゴロゴロピッシャーン!!
「、、、、何やってんだ?」
しばらくすると三瀬は大きなダンボール箱を持ってきた。
「なんだこれは?」
日比谷はそのダンボールを見て眉をひそめる。
「お前はじめるってことはカード持ってないだろ?最低でもM&Wでは40枚のカードが必要だぜ。」
三瀬はそう言ってダンボールを開くと、そこにはたくさんのカードが詰め込まれていた。
「こ、、こんなにたくさん、、、すげえ、、、。」
日比谷はその膨大な量のカードに開いた口が塞がらなかった。
「これで一回デッキつくってみろ。」
「え?でも俺、、どのカードが何なのか全くわからんのだけど、、。」
「しょうがないな、、いいか、、、M&Wはな、、、相手ライフをチンプンカンプンドンブラ
コッコチュドーン!!ドドドドドガシャーンッ!ペラペラリンチョ(略」
ルールについての熱論がさらに1時間続いた。
「だ、、、大体、、わかった。」
日比谷はふと時計をみる。もう8時を指していた。
「げっ!!もうこんな時間か!!早く帰らねえと、、。」
「なんだもう帰るのか、、じゃあこのダンボールのカード全部やるわ。」
「えっ!?いいのか!?」
日比谷は驚いた。こんな大量のカードを集めるのにかなりのお金をかけたはずだ。
それを三瀬が自分にタダでくれると言うのだ。
「明日までにそのダンボールのカードを使ってデッキ作ってみろよ。明日デュエルしようぜ。」
「あ、、、ああ。」
日比谷はボーゼンとした表情でダンボールを抱えて家に向かう。
だがやがて日比谷の口元が緩んだ。
「M&Wか、、おもしろそうだな、、。こんだけカードがあれば、凄いデッキができそうだぜ。」
日比谷はわくわくした気持ちを胸に家へ帰った。



第2話 デッキはちゃんと構築しましょう。

夜遅く帰ってきた上、ゴミのようにつめこまれたダンボールいっぱいのカードを持ってき
たので、母にこっぴどくしかられたが、思わぬ量のカードをタダで手に入れたうれしさ
のほうが強かった。
日比谷はすぐにダンボール箱を自分の部屋で開く。
そしてひとつひとつカードを眺めてゆく。
ルールはある程度三瀬から教えてもらったので後はデッキを組むだけ。
「こうしたらいいのか、、、、く、、、どうデッキを作ればいいんだ?」
「こうか?、、、ダメだ、、あ〜もう寝ようかな、、いやいや、、まだだ、、。くそ〜
腹減ったなぁ〜、、、。」
チュン チュン。
デッキを構築している内に太陽が顔を出した。
日比谷はデッキを鞄に入れ、制服に着替える。
昨日の茜の忠告がうっすらと記憶に残っていたので早めに家を出る。
「うへぁぁぁぁ。」
「どうしたの?、、さっきから気味悪い声だして、、。」
電車の中で茜が心配そうな顔で日比谷の顔を見る。
「うへぁぁぁぁ。」
「うへぁぁぁぁ、、、って、、、今日の翔太変だよ、、何かあったの?」
すると翔太は急に頭を抱え出した。
「、、、来る、、。」
「来るって何が?」
「ヒィィィィィィィィ〜!ヒ…助けて…来る来る助けて…来るなあああ!来る…来るゥ…来る…来る………」
「、、、壊れた?」
こんな感じで学校に到着し、日比谷は1時限から3時限の間、体力の回復を行った。
「くかーくかー、、、。」
先生は首に青筋を立てて怒鳴った。
「こらァ!!日比谷!!起きんか!堂々と寝てんじゃねえ!!うらやましーぞこのヤロー!!」
最後の一言は本音。
結局、日比谷は五限目辺りまで睡眠学習をしていた。
「五時限目は数学、、か。」
「対面に定める色は5通りあるから残りのなんたらかんたらすっとこどっこい(略」
この日、日比谷はめずらしく考えながらノートにシャーペンを走らせていた。
日比谷は真剣な目つきでノートと睨み合う。
(古代の機械獣、、、こいつは特殊召喚できないけど戦闘中は魔法・罠を発動不可+戦闘で
相手の効果を無効にして、、て強ぇなこれ、、それとニードルワーム、カードを5枚も墓地
へ送れるのもすげえ、、。うおお、、、なんかものすごいデッキができそうだぜ!!)
日比谷は熱心に勉強〈デッキレシピの作成〉していた。
キーンコーンカーンコーン、、、、。
終礼のチャイムが鳴った瞬間、日比谷はまっしぐらに三瀬の家へ向かった。
「お、、、来たか。とりあえず上がってこい。」
日比谷は靴を放りなげるように脱ぎ捨て、階段を駆け上がる。
「そいじゃ早速デュエルといこうか。」
三瀬はデッキケースからデッキを取り出す。
「そのつもりで来たんだ、早くやろうぜ。」
お互いデッキをシャッフルするためにデッキを交換するが、、。
「、、、、、!!」
日比谷が鞄から取り出したデッキを見た瞬間、三瀬は顔ひきつらせた。
日比谷のデッキはまるでジェ●ガのように高く積まれていた。
「、、、いったい何枚いれてんだ?お前?」
「あ〜数えてないや。」
日比谷の言葉に三瀬はあきれてため息をついた。
「たくさん入れりゃいいってもんじゃねえぞ。せめて50枚くらいまで減らせ!!
これじゃシャッフルしづらいだろが!!」
もっと違う理由があるだろう。三瀬。
「いいか?デッキはなるべく40枚くらいにしておけ。でないと狙いのカードが引きにくくな
っちまうからな。」
日比谷はめんどくさそうな顔をして自分のデッキを手に取る。
「わかったよ。減らしゃいいんだろ減らしゃ、、、。」
渋々とデッキを減らすこと30分。
「よし、、とりあえず46枚になったぜ。」
日比谷のデッキはダイエットに成功した。
「まだ少し多いけど最初はそのくらいでいいだろう。よし、、じゃ始めるぞ!!」
「おう!!初心者だからって甘くみるなよ!!」
デュエル!!
日比谷LP8000 三瀬LP8000
ジャンケンをして先攻後攻が決まる。
「俺のターン、、ドロー!!」
日比谷は勢いよくカードを1枚引く。
何のためらいもなく1枚のカードをモンスターカードゾーンに置く。
ソリッドビジョンは部屋が狭いので使わない。
「俺はゴブリン突撃部隊を攻撃表示!!」

ゴブリン突撃部隊 地 ★★★★ 戦士族
ATK2300 DEF0
効果:このカードが攻撃したエンドフェイズ時、このカードは守備表示になる。
次の自分のスタンバイフェイズがくるまで、このカードの表示形式は変更できない。

「ゴブリン突撃部隊で三瀬にダイレクトアタック!!」
「待てやコラー!!なんでそーなるんだ!?」
「えっ!?モンスターは1ターンに一度攻撃できるんじゃないのか?」
「デュエルの一番最初のターンは攻撃できないの!!勝手にルールを変えるな!!」
「奥が深いぜ!!N&W!!」
「初歩だ初歩!!」
「まあいいや。ターン終了。」
「オレのターン。ドローカード!!」
三瀬は手馴れた手つきでカードを扱う。
「サイバードラゴンを手札から特殊召喚!!」

サイバードラゴン 光 ★★★★★ 機械族
ATK2100 DEF1600
相手フィールド上にモンスターがいて、自分フィールド上にモンスターがいない場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。

「フ、、たとえレベル5でもゴブリン突撃部隊の攻撃力には届かないぜ!!」
「そうあわてるな、、今にわかるぜ。
オレはまだ通常召喚をしていない。キラートマトを召喚!!」

キラートマト 闇 ★★★★ 植物族
ATK1400 DEF1100
このカードが戦闘によって墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下の
闇属性モンスター1体を特殊召喚できる。その後デッキをシャッフルする。

「な〜んだ結局2体とも攻撃力がとどかねえじゃねえか。」
「なあにデュエルは攻撃力が全てじゃない。見せてやろう。コンボってやつをな。」
そういって三瀬は1枚のカードを発動する。
「強制転移を発動!!」

強制転移 通常魔法
お互いが自分フィールド上のモンスターを1体ずつ選択し、
そのモンスターのコントロールを入れ替える。選択されたモンスターは
このターン表示形式の変更ができない。

「キラートマトとゴブリン突撃部隊が自動的に交換される!!」
「何ー!!そんなのありかよ!!」
「行くぜ!!ゴブリン突撃部隊でキラートマトを攻撃!!」
日比谷LP8000→7100
「くそ!!」
「まだだ!!キラートマトの効果発動!!戦闘によって墓地に送られた時、
デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスターを召喚するぜ。
オレはキラー・トマトを召喚!!」
「、、、、。」
トリッキーなコンボに日比谷は絶句する。
キラートマトとサイバードラゴンでダイレクトアタック!!
日比谷LP7100→5700→3600
「オレはカードを1枚伏せてターンエンドだ。この時ゴブリン突撃部隊は守備表示になる!!」
「俺のターン、、ドロー。」
日比谷はドローカードを見た瞬間顔がニヤついた。
「よっしゃー!!サンダーボルト発動!!」

サンダーボルト 通常魔法
相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。

「待てーい!!サンダーボルトは禁止カード<この物語は2006年3月1日の制限に対応。>だ〜!!」
「そ、、そうだっけ?」
「ったりめ〜だ!!昨日さんざん教えただろが!!」
日比谷は仕方なくサンダーボルトを鞄にしまう。
「じゃあかわりのカードをドローさせてくれ。」
「、、、ここは友にめんじてドローを許そう。」
「ドロー!!」
日比谷はドローカード見た瞬間顔がニヤついた。
「よっしゃー!!俺はブラック・ホールを発動するぜ!!」

ブラック・ホール 通常魔法
フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

「それも禁止カード!!ちょっとデュエル中止!!日比谷!!デッキを見せろ!!」
三瀬は日比谷の手札とデッキをぶんどり高速でデッキを見る。

日比谷のデッキ

モンスター20枚
ゴブリン突撃部隊×1
古代の機械獣×1
ニードルワーム×3
黒き森のウィッチ×1
ファイバーポッド×1
コイキング×1
ボルジャックドラゴン×1
キラーマシーン×1
ワイト×4
ペンギンソルジャー×3
同族感染ウィルス×3

魔法15枚
サンダーボルト×3
ブラックホール×3
死者蘇生×2
強欲な壺×2
ハーピィの羽根箒×1
ヒエログリフの石版×1
ブルーポーション×1
体温の上昇×1

罠7枚
王宮の勅命×1
はさみ撃ち×4
遺言の仮面×1
エネルギーカード1枚
水エネルギー×1
トレーナーカード2枚
マサキ×1
タケシ×1

プロ野球チップスのカード2枚
福留 孝介×1
川上 憲伸×1

いろんな意味でやっちまったデッキだった。
「禁止カードだらけじゃねえか!!しかも何だよこれ!!なんか違うカード混ざってるぞ!!」
「ま、、まあいいじゃねえかこれくらいは、、バラエティに富んでておもしろいし、、。」
「おもしろくねぇよ!!」
その後、日比谷は三瀬から延々とルールとデッキについて聞かされる羽目となった。

―今回のデッキ紹介―
日比谷「寄せ集めデッキ」
相手に予想外の展開を見せるデッキだ!!

―今回の最強カード―
「サンダーボルト」
これ1枚で相手モンスターを全て破壊できるぞ。
ぜひともデッキに入れたいカードだ。

―デュエリストクイズ―難易度★☆☆☆☆
日比谷のデッキにN&W以外のトレーディングカードは何種類入っていた?
答えは次回!!

次回予告―再戦!!初めての熱き戦い―
三瀬の助言によりデッキを大幅に改良した日比谷は、完成したデッキの
テストデュエルをするため三瀬と再デュエルを行うことに!!



第一回デュエリストクイズの答え
答えは、、、3種類だ!!
ボルジャックドラゴン→デュエル●スターズ
コイキング→ポ●モン
マサキ→同じ
タケシ→同じ
水エネルギー→同じ
福留孝介→プロ●球チップ●
川上憲伸→同じ
※問題の要点「俺は中日ファンだぜ!!」←それで?



第3話〜再戦!!初めての熱き戦い!!〜

日比谷はカードと睨み合い、慎重にデッキ構築をしていた。
時刻はすでに7時半をまわっていた。
「できた!!やっとできたぜ!!三瀬!!」
日比谷はほっと息をはいて言った。その頃三瀬は机の上で勉強していた。
「できたか、、ちゃんと制限守ってるか?他のカード入れてないか?」
「あたりまえだろ。今度はちゅんとしたデッキだぜ。」
三瀬はノートと参考書を閉じ、椅子から立ち上がる。
「では、試しにデュエルしてみるか。」
三瀬は机の引き出しからデッキを取り出した。
「おう。さっきのようには行かないぜ!!」
デュエル!!
日比谷LP8000 三瀬LP8000
お互いデッキを交換し、シャッフルする。
「先攻後攻はお前が決めていいぞ。」
三瀬はカットしたデッキを日比谷に返した。
「そんじゃ遠慮なく先攻を取るぜ!!」
日比谷もカットしたデッキを三瀬へ返した。
そして互いにカードを5枚引いた。
「俺のターン、ドロー!!俺はモンスターを守備表示!!カードを1枚伏せてターンエンド!!」
「オレのターン、ドローカード!!オレは手札からサイバードラゴンを特殊召喚!!」
三瀬はさらにモンスターを召喚する。
「そしてイグザリオン・ユニバースを攻撃表示で召喚!!」

イグザリオン・ユニバース 闇 ★★★★ 獣戦士族
ATK1800 DEF1900
自分ターンのバトルステップ時に発動する事ができる。
このカードの攻撃力を400ポイントダウンして守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
この効果は発動ターンのエンドフェイズまで続く。


<フフフ、、、まずは貫通ダメージでライフを削るぜ!!>
三瀬は高らかに攻撃宣言をした。
「イグザリオン・ユニバースの効果で攻撃力を400下げ、攻撃を貫通化!!
そして裏守備モンスターを攻撃!!」
日比谷はニヤリと表情を浮かべ、裏守備のモンスターを表側にする。

バトルフットボーラー 炎 ★★★★ 機械族
ATK1000 DEF2100
効果なしモンスター

「その攻撃力じゃこのモンスターは倒せないぜ!!」
貫通どころか反射ダメージを受けてしまった三瀬は苦い顔をした。
攻撃力ダウン効果が反射ダメージに滑車をかけているのも無様な感じだ。
こういう時に地味に活躍する高守備モンスター。デッキに1枚入れてみてはいかが?
絶対活躍するとは保証できないけど、、。
三瀬LP8000→7300
「く、、、、カードを1枚伏せ、ターンエンドだ。」
「俺のターン。ドロー!!俺はゴブリン突撃部隊を攻撃表示!!そして魔法カード
財宝への隠し通路を発動!!」
「何!!財宝への隠し通路だと!!」
予想外のカードに三瀬は少し同様する。

財宝への隠し通路 通常魔法
表側表示で自分フィールド上に存在する攻撃力1000以下のモンスター1体を選択する。
このターン、選択したモンスターは相手プレイヤーを直接攻撃する事ができる。

「このターン、バトルフットボーラーは直接攻撃できる!!行くぜ!!バトルフットボーラー
の攻撃!!デ●ルバ●トゴー●ト!!」
「く、、。」
三瀬LP7300→6300
これがソリッドビジョンだったらあの光景が想像できそうだ。
そもそもそれって隠し通路と関係あるのかよ、、。
てかパクリすれすれだ、、。というよりアウトかな、、。
ここは管理人さんの検閲にまかせま〜す!!
「ゴブリン突撃部隊でイグザリオン・ユニバースを攻撃!!」
三瀬LP6300→5800
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!!ゴブリン突撃部隊は守備表示になる!!」
「オレのターン、ドローカード!!魔法カード大嵐を発動!!」

大嵐 通常魔法
フィールド上の魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する。

「させるか!!1000ライフを払い罠カード、闇の取引を発動!!」
日比谷LP8000→7000
「何だと、、、。」
三瀬はまたしても作戦を阻まれ、苦い顔をした。

闇の取引 通常罠
相手の通常魔法発動時に発動する。1000ポイントライフを払うことで
その効果を相手の手札を1枚ランダムに捨てる。に変えることができる。

「この効果で大嵐の効果は手札をランダムに1枚捨てる効果に変えるぜ!!
さあ、、手札を選べよ。」
三瀬は日比谷の持つ三枚の手札を睨みつける。
<こいつ、、これがあるってことは手札に暗黒界モンスターを持ってるのか?>
暗黒界とは、他のカードの効果で手札から墓地へ捨てられた時に何らかの
効果を起こす強力なカードである。しかも、その効果は強力なものばかりだ。
くわしくは考察を見ることをおすすめします。

三瀬はババ抜きをするような手つきでおそるおそる宣言した。
「その真ん中のカードだ!!」
日比谷はその瞬間にやりと笑った。
<しまった!!まさか、、、そのまさかか!!シルバか?ゴルドか?銀なら5枚金なら1枚って
あれ、、、なんか違うような、、。>
三瀬は額の汗を拭った。
三瀬の頭にはシルバとゴルドの二語がクルクルと回転していた。
チョ●ボールのエンゼルが出ないからってエンゼルのかわりにゴルド1枚、または
シルバ5枚をはがきにつけて送らないように。あれって結構出にくいんだよな、、。
「フフフ、、、三瀬、ジョーカーを選んじまったな。」
日比谷はそのカードを三瀬に見せた。シャレにならんぜ。

災いの像 地 ★★★ 岩石族
ATK1500 DEF0
相手がコントロールするカードの効果によって、このカードが手札から墓地に送られた時、相手ライフに2000ポイントダメージを与える。

た、、、たしかにジョーカーだけど、、。違う意味で、、。

「く、、地味にキツい効果だ、、。」
三瀬LP5800→3800
地味なカードに地味にキツイ効果を受けてしまった地味な三沢。じゃない三瀬だ。
三瀬は地味じゃないよ。少なくとも三沢よりは、、。
「く、、。だがこの勝負、、オレの勝ちだ!!魔法カード、パワーボンド発動!!
手札のサイバードラゴン二枚とフィールド上のサイバードラゴン1体を融合!!」
三瀬はカイザー並の手札の都合の良さを日比谷に見せ付ける。
引きの強さじゃなくて都合のよさね。

パワー・ボンド 通常魔法
手札またはフィールド上から、融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地に送り、機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
このカードによって特殊召喚したモンスターは、元々の攻撃力分だけ攻撃力がアップする。
発動ターンのエンドフェイズ時、このカードを発動したプレイヤーは特殊召喚したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

「サイバーエンドドラゴンを特殊召喚!!」

サイバー・エンド・ドラゴン 光 ★★★★★★★★★★ 機械族
ATK4000 DEF4000
融合モンスター
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このモンスターの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

「パワーボンドで攻撃力アップ!!」
サイバー・エンド・ドラゴン
ATK4000→8000

「これで終わりだ!!サイバー・エンド・ドラゴンで守備表示になったゴブリン突撃部隊を攻撃!!
エターナル・エボリューションバースト!!」

「甘いぜ!!罠カード発動!!」
その時三瀬はニヤリと笑った。
<フフフ、、想定の範囲内だぜ。俺のフィールドに伏せられているカードはメガトンコロシアム。
これで罠を無効化すれば、、!!>

メガトンコロシアム 永続罠
発動時にライフを半分払う。このカードはバトルフェイズ中のみ発動可能。
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いの場取るフェイズの間、このカード以外
の魔法・罠カードの効果を無効にする。

<俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ
俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ僕の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだ俺の勝ちだワハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!
すごいぞ〜!かっこいいぞ〜!!サイバー・エンド・ドラゴン!!>
某会社の社長のように心の中で勝利を確信した。


「攻撃の無力化を発動!!」
「何ぃーーー!!カウンター罠だとォ!?」

攻撃の無力化 カウンター罠
相手モンスターが攻撃をした時、その攻撃を無効にしバトルフェイズを終了する。

地味にカウンター罠だった攻撃の無力化。これだけがせめてもの救いか?
永続罠ではカウンター罠にチェーンできないだよ。三瀬君。
「これでサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃は無効!!さらにバトルフェイズを終了させるぜ!!」
「タ、ターンエンド、、、。」
その瞬間、パワーボンドのツケが三瀬にふりかかってくる。
三瀬LP3800→0
「よっしゃ〜!!俺の勝ちだ!!」
日比谷は小学生のようにはしゃいで喜んだ。
「く、、だがこのデッキは所詮二軍デッキ、、。オレの一軍デッキはこうは行かないぞ!!」
「一軍だろうと二軍だろうと勝つときは勝つ。負けるときは負けるぜ、、のぞむところだ!!」
再び激しいテストデュエルが始まった。

今日のデッキ紹介
三瀬「サイバードラゴンデッキ」
皇帝級の引きで相手を圧倒しろ!!

―今日の最強カード―
「サイバー・エンド・ドラゴン」
リミッター解除又はパワーボンドとのコンボで攻撃力8000!!
場合によっては相手を一撃で倒す事ができる強力なカードだ!!


―第二回デュエリストクイズ―難易度★☆☆☆☆
三瀬の心境の「俺の勝ちだ」連発のところに一つだけ「僕の勝ちだ」があります。
それは何番目?

地味に神経使う問題だぜ!!答えは次回!!

―次回予告―這い上がる闘志―
まぐれっぽい勝利で調子に乗って三瀬の一軍デッキに挑む日比谷。
しかし、さんざんボロ負けしてしまいうんざりしてしまった日比谷の取った行動は?
次回へ続く!!



――――第4話――――――――
                           
             ――――Welcome to CHAOS―――――――――――

               
  誠に勝手ながらタイトルを変えさせていただきました。 Byセル


「、、、、、ツ!!」
日比谷は唇をかんで顔を歪ませていた。
「くそ、、、。」
三瀬の二軍デッキに快勝?した日比谷だったが、、。
   





















日比谷LP6.25   三瀬LP7800

フィールド

日比谷 手札1枚

フィールド  裏守備モンスター1枚 伏せカード1枚  

三瀬  手札2枚

フィールド ※サイバードラゴン1体  魂を削る死霊1枚  伏せカード1枚
※三瀬の場のモンスターは全て攻撃表示。




まさに極限のライフ。どうやったらこうなるのか教えてほしいくらいだ。

「なんかおかしい?なんだこのザマは?」
日比谷は露骨にムッっとした顔をしてターンを終了した。
「俺のターン!!ドローカード!!」
三瀬はカードをドローする。
「抹殺の使徒発動!!」

抹殺の使徒 通常魔法

裏側表示のモンスター一体を破壊しゲームから除外する。
もしそれがリバース効果モンスターだった場合お互いのデッキを確認し、破壊したモンスター
と同名カードを全てゲームから除外する。その後デッキをシャッフルする。

「その裏側表示モンスターを破壊しゲームから除外する!!」
「え〜!!ここでかよ!!」
日比谷はうんざりした顔をして、裏守備のニードルワームを除外し、さらにデッキにあるニードルワーム
二枚をゲームから除外される。
「これで終わりだ!!サイバードラゴンでダイレクトアタック!!」
「まだだ!!罠カード発動!!異次元からの帰還!!」
「何!!三枚目だと!?」

、、、、三枚目かよ!!


異次元からの帰還 通常罠カード

ライフポイントを半分払う。
ゲームから除外されている自分のモンスターを可能な限り自分フィールド上に特殊召喚する。
エンドフェイズ時、この効果によって特殊召喚されたモンスターを全てゲームから除外する。

「俺は除外されているペンギンソルジャー2体とニードルワーム3体を全て守備表示で特殊召喚!!」
ちなみにペンギンソルジャーは後攻1ターン目で抹殺の使徒を喰らいノックアウト。
日比谷は除外されたモンスターを特殊召喚する。
ペンギンソルジャーは三度目の特殊召喚となった。

ペンギンソルジャー 水 ★★ 水族
ATK750 DEF500
効果 リバース フィールド上のモンスターカードを二枚まで持ち主のデッキに戻す事ができる。

ニードルワーム  地 ★★ 昆虫族
ATK750 DEF600
効果 リバース 相手のデッキからカードを5枚墓地へ送る。


日比谷LP6.25→3.125

「く、、、だがエンドフェイズにそのモンスターは全て除外される!!魂を削る死霊を守備表示にして
ターンエンドだ!!」
日比谷はフィールド上のモンスターを全て除外ゾーンに置いた。
「オレのターン!ドロー!!、、、よし!!俺は魔法カード、天使の施しを発動!!」
「何!!三枚目だと!!」

っちょ、、ちょっと待て、、、これ三枚目はマズイんじゃないのか?、、気にしない気にしない。

「三枚引き、、、二枚捨てるぜ、、、、俺は地雷蜘蛛を攻撃表示で召喚!!」
「何!!三枚目だと!!」

これも三枚目か!!

地雷蜘蛛 地 ★★★★ 昆虫族
ATK2200 DEF100
効果 このカードの攻撃宣言時、コイントスで裏表を当てる。
当たりの場合はそのまま攻撃する。
ハズレの場合は自分のライフポイントを半分失い攻撃する。

「行くぜ!!地雷蜘蛛でサイバードラゴンを攻撃!!」
日比谷は攻撃とともに10円玉を宙へ投げる。
「俺が選ぶのは、、、平等院鳳凰堂の描かれた面だ!!」
チャリーン、、、。

お見事。コインの面は10とその下に平成××年と描かれている。←つまりハズレ。
「のわぁぁぁ〜〜!!ライフがぁ〜〜〜!!」

日比谷LP3.125→1.5625

くっそ〜〜!!これで三回連続ハズレだぜ!!」

、、、三回もこいつで攻撃したのか、、、。

「でも、、サイバードラゴンは倒せるぜ!!」
「く、、、!!」
三瀬LP7800→7700
「おのれ、、、俺のサイバードラゴン3体が地雷蜘蛛ごときに三回やられるだと!!おのれぇぇ!!」

、、、三回目、、、、もう言うの疲れた、、。
、、、、ちなみに今のところ三瀬のライフを削ったのは地雷蜘蛛だけです。

「カードを1枚伏せて、ターンエンド!!」

「俺のターン、、ドローカード!、よし、、こいつで終わりだ!!永続罠発動!!メタルリフレクトスライム!」

メタルリフレクトスライム 永続罠

このカードは発動後モンスターカード(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。
このカードは攻撃する事が出来ない。
(このカードは罠カードとしても扱う)

「そしてメタルリフレクトスライムを生け贄に魔法カード、突然変異!!」

突然変異 通常魔法
自分のフィールド上モンスター1体を生け贄に捧げる。
生け贄に捧げたモンスターのレベルと同じレベルの融合モンスターを融合デッキから特殊召喚する。

「行くぜ!!サイバーエンドドラゴン特殊召喚!!」
「え〜!!強すぎるぜ!!そのカード!!」
日比谷はいきなりの強力モンスターの出現に舌を巻いた。
「これで終わりだ!!エターナルエボリューションバーストォォ!!」

日比谷LP→1.5625→ -1798.4375=敗北

「くそー!!これで5連敗か!!」
「あたりまえだ!!使うカードが違うんだよ使うカードが。そんなショボカード軍団に何度もやられてたまるかよ!!ほらよ、、ダンボール箱だ。この中に入ってるカードでデッキを構築しなおしてきな!!ワッハッハ!!」

どんだけカードもってんだこいつ。ジュラルミンケースが脳裏に浮かぶ、、、、。

「、、、ッ、、いるかよ!!」
日比谷はそのまま部屋をでて階段を転がり落ちて流血して靴をはいて三瀬の家を後にした。

「、、、痛ぇ、、、、、。」
日比谷は鼻をティッシュで抑え、うなだれながら家まで歩いて帰った。
家に帰り、日比谷は部屋に入り愚痴をこぼしだした。
「ええい!!こんな細かいもんやってられるか!!チェーンだ?スペルスピードだ?プレイヤーの優先権?
わけわかんねーよ!!」
日比谷はデッキをゴミ箱へ放り投げた。
「こんな紙切れ何だっていうんだ!!」
日比谷はダンボール箱のカードを全てゴミ袋にぶちこみ、ゴミ捨て場にぶちこんで家までまっしぐらに走る。
「、、、、、さんざんな目に遭ったぜ、、、何がM&Wだ、、。所詮ただのカードゲームじゃねえか、、。」
日比谷は用意されていた夕飯をさっさと食べて布団を敷いて寝た。

 


夜中、突然目が覚めた。
「、、、まだ一時じゃないか、、、。」
明日も学校がある。しかもここ最近N&Wのデッキ構築でほとんど睡眠をとっていなかった。
日比谷が再び寝ようとすると、、、。
グサリッ
「、、、、、、、、ッ?」
足に何かが刺さり激痛が走った。
日比谷はあまりの痛さに布団から飛び上がった。
「な、、なななななななんだぁ!?」
はいはい、、「な」は一回言いやわかるよ。
日比谷はおそるおそる布団をめくってみる。
「!!」
そこには、大きないも虫のような生き物がいた。いも虫の先端には大きな針がついている。
「ニ、ニードルワーム!?」
日比谷はあり得ない現象に驚愕の表情を浮かべた。
「まっ、、、まさか、、幻覚だよな?幻覚に違いない!!そうだ!!まだ夢の中だ!!」
日比谷は必死に自分にそう言い聞かせた。目の前に見えるものは実際の物ではない。と。
「寝ぼけてんじゃねえよ!!このヤロメェ!!」
「、、二、ニードルワームが口聞きやがった!!」
「んなこと話してる場合じゃねんだよ!!人を、、いや、いも虫をゴミみたいに捨てやがって!!みんなー生き物は大切にしましょうねーわかったー?って先生に教えてもらわなかったのかおい!!」
ニードルワームはグサリと日比谷の足の小指を刺した。
「痛ってぇ〜!!テメー一番神経集まっててタンスの角にぶつけると死ぬほど痛いところを刺しやがったな!!
もうがまんできん!!ぶっ飛ばして外につまみ出してやる!!」
日比谷はニードルワームに思いっきりケリを入れた。
グサリッ!!
蹴った拍子に足に針が刺さる。
「ぎゃああああああ!!痛っっっってぇぇぇ〜〜〜!!」
日比谷は足をおさえ、その場でうずくまった。

そして数分後、、、、。


日比谷はニードルワームの前で正座をしていた。ニードルワームの下には座布団が敷かれている。
「茶はどうした?オレは客だぜ?」
「はっ!!持ってまいります!!」
日比谷が部屋を出ようとすると、、。
「紅茶な、砂糖は黒砂糖三個な。」
〈注文の多いいも虫め、、。いつかぶっ飛ばす、、!!あ、、、痛ぇ、、、足が、、痛ぇ、、。〉
日比谷は時々刺された足をさすりながら紅茶を入れ、角砂糖をたっぷりと入れ、二階へ上がる。
そして部屋のドアを開けると、、、。

「、、、、、、、。」


そこにはごつい顔つきの簡単な武装をしたゴブリンが3人ほど座っていた。その真ん中には先ほどの
ニードルワームが座布団に乗っている。
「ふ、、、、増えてる。」
「俺等にも一杯よこせや。」
「、、、、、は、、、、、はい。」
あ、、、、、悪夢だ、、、、。いや、、夢であってほしい、、、。
日比谷は再びお茶を一階から持って部屋へ戻ってきた。
「、、、、、、。」
日比谷とモンスター達は向かい合って座っている。
「あの〜、、、。」
日比谷は恐る恐るモンスター達に話し掛ける。
「何というか、、、あなたたち、、、もとはカードですよね?何でここにいるんですか?」
その瞬間辺りが妙にしーんとした空気が流れた。
「てめ〜がカード捨てるからだろコノヤロー!!」
ボコッ!!ボカッ!!ボカッ!!バキッ!!グサッ!!
「うわぁぁぁぁぁ!!」
日比谷はモンスター達にリンチをくらう。さすが攻撃力2300。
その戦闘力はこの間の不良とは比べものにならなかった。
「いや、、あの、、その、、なんというか、、、ついカッっとなって、、捨ててしまいました。いや、、、わるぎは
なかったんだけどね、、その、、つい手がすべってゴミ箱にいれちゃったというか、、うん、、、、一言でいえば
、、、、すみません。」
「一言で済ませるな!!今すぐ取ってこいや!!あの中にはオレ達の仲間が入ってるんだ!!」
ゴブリンズとニードルワームが怒鳴って日比谷に襲い掛かってきた。
「ヒィィィィィィィィ〜!ヒ…助けて…来る来る助けて…来るなあああ!ヒィィィィィィィィ〜!」

、、、デジャヴですかい?ダンナ。

「うわぁぁぁぁ〜!!モンスターに呪われたぁ〜〜!!」
日比谷はパジャマのまま飛ぶようにして家を出た。
日比谷は急いでゴミ捨て場へと向かう。
「あった!!良かった〜、、。」
日比谷はほっとして燃えるゴミ袋を手に持った。
念のため中を調べようとすると、、、。
「うわ、、、なななななな、、、、」
日比谷はセリフを言う間もなく、ゴミ袋に吸い込まれ、ゴミ袋はその後、何事もなかったかのように
ゴミ捨て場にたたずんでいた。
「うぎゃゃゃ〜〜〜ああ!!」
目の前は真っ暗で何も見えない。ただ、あてもなく下へ落ちていく感じだけはしていた。
何も見えない。わからない。この先は何があるんだろう?このまま底に到達して全身バラバラになって
死んでしまうのだろうか?怖い、、、何がなんだかわけがわからない。何でこんな目に遭わなければな
らないのだろうか?
日比谷はすでに叫びすぎて声が枯れてほとんど出なくなっていた。
相変わらず落ちていく感覚が未知への恐怖を日比谷に植え付ける。

するとその時、、、、。
グサリッ!!

足の小指に激痛が走る。
「いっ、、、痛ってえーーーーーッ!!」
日比谷の悲鳴が再び闇へと響く。
「うるっせぇーんだよ。ぎゃーぎゃーわめきやがって!!」
日比谷は足元を見る。少し下にニードルワームとゴブリン突撃部隊がいた。
「わっ、、、、てめぇ、、、これはいったい何なんだよ!!」
グサリッ!!
「痛ッ!!」
「口の利き方に気をつけな。それは置いといて、、、いいか?よく聞け。お前にはデュエルモンスターズ+α
の箱庭「※墓地」へ来てもらう。」

※注解※この場合の「墓地」の意味、、、、<使わないカードをしまっておくところ。>

「墓地じゃ名前がダブるな。様々なカードが入り混じる場所、<カオス>とでも呼んでおこうか。」
「何だよ!それ!!何で俺がそんなところに行かなきゃいけねぇんだよ!!」
グサリ!!
「、っ、、は、はい、、行きます。でも何で、、?」
「お前がダンボール箱のカードをゴミ袋に入れたせいで、カオスが保っていた世界の調和が崩れかけて
いるんだ。おかげでカオス深くに封印されていた魔王が復活してカオスを支配しようとしている。
カオスを滅亡においやったお前にはカオスを再び平和な世界に戻す義務があるのだ。」
日比谷はしばらくぽかーんと口を開けていた。
「って、、なんだそれ?設定むちゃくちゃすぎるよ!!作者の手抜きかこれは?何、、?てことは墓地の
カードの中で使いたいカードがある時にかき回す度に魔王が復活するってか?」
グサリッ!!

、、、ゴブリン突撃部隊の存在も忘れずに、、、。

「、、、セリフが来ないぜ、、、コードネーム1103。」
「、、、まあいい、、きっとそのうち出番が来る、、それまで待とうコードネーム1104。」
「そうだ、、今は俺達の出番はねえ、、、今のうちに軍備の増強だ。
本部システムに連絡し、援軍と武器弾薬CQC遠隔操作爆弾を送るよう伝令を送れ。コードネーム1105。」
「は!!ただいま通信バイパスにつなぎメッセージを送信中、、、。」
「ダメです、、コードネーム1104。カオスが乱れに乱れて本部もそんな余裕はないみたいです。
援軍送ることはできないそうです。」
「そうか、、、なら仕方がないな、、、この常備武器のヴァリアントバットで我慢しよう。」

ゴブリンっていったい、、、。

すると突然辺りが激しく光りだした。
「な、、、何だぁ!?」
日比谷はあまりのまぶしさに気を失った。
「、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、俺は死んじまったのか?」
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。」
「ははは、、、、、真っ暗で何も見えねえや。」
「、、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、。」
「何でだよ、、、、、、。」
「、、、、、、、、、。」
、、、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、。」
「何でだよ、、何でカードゲームなんかでこんな目に遭うんだよ!!」
「、、、、、、、。」
「、、、、、、、、。」
「、、、、、、、、、。」
「ただの遊びじゃねえか、、、、ただの、、、、、、。」
「、、、、、、、。」
「、、、、、、、。」
「、、、、、、、。」
<遊びなんかじゃないよ、、、、。>
どこからか優しい声が聞こえた。
<デュエル、、決闘者同士がカードというパートナーを信頼し、闘志、知性等によって魂をリンクさせる
、、、、、、いわば命のやりとり。>
「、、、、、、難しすぎて、、、、、わけわかんねーや、、。」

<じきにわかるよ。今、カオスは魔王に支配されつつあるの。
翔太、40のパートナーを得て、魔王を倒すのよ。>

「40、、、、デッキの事か?たしか、、三瀬がデッキはなるべく40枚にした方がいいって言ってたような、、。
てか何で俺の名前知ってんの?」

<ふふ、、、それは秘密。>

すると、、目の前に四角い光があふれだした。
その光は広がり、、、日比谷の視界を真っ白にした。
「、、、、、、。」
「、、、う〜ん、、ここは、、、。」
日比谷は気がつけばあおむけになって倒れていた。
左手に妙な物が付いている物に気がついた。
「これは、、、どこかで見たことがあるぞ、、、たしか、、、デュエルディスクってやつじゃなかったかな、、。」
まるで円盤のような形をした物にわずかなカードがデッキにセットされていた。
円盤のまわりには何かをはめ込めそうな小さなくぼみが5つ空いていた。
「、、、、、この雰囲気はどっかの映画、、本であったような気が、、、、。」
日比谷はしばらく考えていたが、めんどくさくなってきたので考えるのをやめた。
わずかなデッキを右手で取り外してみる。
セットされていたカードはニードルワームとゴブリン突撃部隊の二枚だった。
<じゃッ、、あたしも協力しちゃおっかな。>
どこからかまた優しい声が聞こえた。
日比谷はパジャマのポケットに何かが入っているのに気が付いた。
「、、、何だ?」
ポケットからでてきたのは1枚のカードだった。

天使の施し 通常魔法
デッキからカードを三枚引き、その後手札からカードを二枚捨てる。

すると天使の施しのカードがひかりだし、日比谷の手のひらから浮き上がった。
<まずはひたすら歩いて。どんなに辛くても歩くのよ。>
やがて天使の施しは光を消し、静かに日比谷の手のひらにおさまる。
「なんだかわけわかんないけどやってやるぜ!!」
日比谷は三枚のカードをディスクにおさめる。
「、、、、、、で?これからどうすりゃいいんだ?」
日比谷は辺りを見渡すと、どこまでも荒地が続いていることがわかり落胆した。
「どっちに行きゃいいんだコノヤロー!!」
果てしない荒地で1人の少年が叫んだ。

今日の最強カード
「天使の施し」
手札を入れ替えることができるうえに手札を捨てることで様々なコンボにつなげることができる。
是非デッキに入れたい強力魔法カードだ!!

デュエリストクイズ ★☆☆☆☆
次の文章を読み、作者の嫌いなカードをひとつあげよ。

作者の日記
○月×日
今日、相手に先攻一ターン目で押収されて、天使の施しを捨てられ、相手が天使の施しを発動してきた。
こんなことが許されていいのか?

△月×日
今日も押収をくらった。ついに俺は神の宣告を発動した。しかし相手も神の宣告を発動してきた。
そこまでしてプレイヤーの歪む顔が見たいのか。

□月×日
1デュエルで押収を三回もくらった。俺が何悪い事したって言うんだ!!

☆月×日
久々に均衡した熱いデュエルをした。次のドローカードで勝敗がほぼ決まる、、、。残りライフは300。
相手ライフは700。最後のドローカードが押収。俺の闘志はたちまち不完全燃焼をして煙を辺りに漂わせた。

χ月y日
今日も先攻1ターン目から押収をくらう。CGIを使っていた俺は「おのれぇぇぇ!!」というメッセージを
入れた。すると相手が「ごめんなさい」と言ってきた。
「、、、、、、、なら最初から使わないでくれ、、、、。たのむから、、、。」CGIをしてて押収を使った時に
「おのれぇぇぇ!!」等の発言があったならおそらく俺かもしれない、、、。てかもう日記じゃねえよこれ。

※日記の内容はノンフィクションです。

もはやクイズじゃないぜ!!答えは次回!!

次回予告―Over Energy―
あてもなく荒地を歩いていると、、、以下省略。
、、、、、、、一番肝心なとこ省略してすいません。  byセル



―――――第5話―――――


                       ――――――χOver Energyχ―――――――




前回のクイズの答え 「押収」。
先攻一ターン目にやられるとキビシイ!!


不毛な荒地をあてもなく歩き続ける。
しかしさっきから景色は全く変わらなかった。
「くそ、、、どこまで歩いても荒地じゃねえか。もう魔王にカオスは滅ぼされちまったんじゃねえのか?」
ぶつぶつと文句を言いながら歩くこと約2時間。



辺りが明るくなり地平線のかなたから日が昇る。

「、、、カオスにも太陽があるのか、、、。」

日が昇ることで気温は急激に上がり暑さが日比谷を襲う。

「み、、、、水ゥ、、、。」

日比谷はへなへなとよろけながら荒地を歩く。
その時、ディスク内のカードが光りだす。

「ん、、、、、なんだ?」

日比谷はディスク内のカードを取ると、ニードルワームのカードだけが光っていた。

「、、、、、、?」

日比谷は無意識にデュエルディスクのボタンを押し、フィールドゾーンにニードルワームを置く。
すると日比谷の目の前に光が溢れ出し、ニードルワームが現れた。
日比谷はさっきからあり得ない事ばかり起きていたので、あまり驚かなかった。
日比谷がぼんやりしている内にニードルワームが話し始める。

「ひとついい忘れていた。お前の持ってるカードはこのようにフィールドゾーンに出せば呼び出せるぜ。
必要な時が来たらいつでも使うといい。しかし、俺達はプレイヤー、、、つまり翔太。お前の魂のバー
と直結しているからその点だけ気をつけろよ。」

日比谷はしばらくポカーンと口を開けていた。

「、、、、、、、バーって何?」

「、、、簡単に言えばライフポイントだ。」

「、、、それより水くれよ、、、このままじゃひからびて死んじゃう。」

「、、、、じゃ、、死んで楽になりな。」

「そりゃないよ。」

日比谷はバタリとその場に倒れた。

「冗談だよ。、、、、ったく、、、世話のやけるプレイヤーだぜ。、、たしかこの辺りは地下水脈が通ってたはず
だ。」

ニードルワームは先端についたトゲをドリルのように回転させ、穴を掘り始める。

ウィィィィィ〜〜〜ンガガガガガガッ、、、、、ガキンッ!!

トゲの先端が何か固い物に当たった。

「何だ?こりゃ?」

日比谷は穴を覗き込む。

「おい!!倒れて死にそうじゃなかったのか!!」

ニードルワームが穴から日比谷を見上げる。

「ヘヘ、、、うそに決まってんだろ。でもすげえのどは渇いてるけどな。どれどれ、、、何が出て来たんだ?」

日比谷は固い物体を取り出し、砂をはらい落とした。

「、、、何かの壺のようだな、、。」

日比谷はその何の変哲ない壺のフタを開ける。その瞬間不思議な香りが漂ってきた。
「、、、、、なんだこの液体は?」
ニードルワームは壺の液体を見て後ずさりする。

「丁度喉かわいてたところだったんだ。」

ゴクッ、、、ゴクッ!!

日比谷はその液体を一気飲みした。

「よせ!!毒かもしれねえぞ!!」

ニードルワームが止めようとするがすでに遅し。

、、、、、、バタン!!

日比谷はそのまま倒れてしまった。壺がそのまま地面へ落ちて転がる。

「翔太!!」

ニードルワームは翔太に駆け寄るが、ぴくりとも動かない。その時ニードルワームはつぼの底に何かカード
のようなものがはりついているのに気づく。

「何だ?」

ニードルワームは器用にトゲを使ってカードを壺からはがした。

ドーピング 通常魔法
装備されたモンスターの攻撃力は700ポイントアップ!
次の自分のスタンバイフェイズごとに、このモンスターの攻撃力は200ポイントずつダウン!

「まさか、、、あの壺の中の液体は、、、、!!」

ニードルワームがそう言っている間に日比谷の体に異変が起きていた。

ドクンッ!!ドクンッ!!
日比谷の筋肉が盛り上がりだした。

「フフ、、、フフフハハハハハハッ!!」

日比谷はゆっくりと立ち上がり笑い出した。日比谷の手足の筋肉が尋常じゃない速さで盛り上がる。

「うおおおぉぉぉぉぉぉォォォォッ!!」
ビリビリビリビリビリビリッ!!

日比谷のパジャマの上の服がやぶれ出した。
まるで北●の拳のケ●シロウのような大胸筋と腹筋が姿を見せた。

「うへぁぁぁぁ、、クク、、、最高だ、、、最高の気分だあ!!」

日比谷の体からオーラのようなものが溢れ出し日比谷の髪の毛が激しく逆巻いた。
ニードルワームはあまりの恐ろしい光景に絶句していた。
日比谷はドーピングのカードを拾い、ディスクへおさめた。

「さてと、、、こんなところでもたついちゃいられねぇ!!行くぜニードルワーム!!」

日比谷はニードルワームを片手でわきにかかえ、高速で走り出した。

「ちょ、、、翔太、、待ッ、、、あ〜〜〜れぇ〜〜〜!!」
「ヒャハハハハハハ〜〜〜〜!!地の果てまで走ってやるぜェ!!」
ドドドドドドドドッ!!
激しい砂埃を巻き上げながら日比谷は狂ったように笑い、荒地を暴走した。
するとその時、激しい地響きと共に地面が割れ出した。
ドガガガガガガ!!

「むっ!!」

日比谷は素早く割れ目のないところへ移動した。
すると、、割れ目の中からスッと不気味なゾンビが顔を出した。

「へっへっへ、、、、貴様がうわさのプレイヤーか、、、。俺の名はリボーン・ゾンビだ。貴様には何の恨み
もないのだが魔王様の命令でねぇ、、、、悪いがここで死んでもらうぞ!!」

「くっ!!もう魔王に気づかれていたか!!翔太!!ゴブリンを召喚しろ!!ゴブリンの攻撃力ならヤツを
倒せる!!」

ニードルワームは翔太に召喚を勧めるが、、。

「じゃまだ、、、消えろ!!」
バコーンッ!!
日比谷はリボーン・ゾンビの顎に右アッパーをくらわし、そのまま真上に吹っ飛ばした。

「がはッ!!」

リボーン・ゾンビはそのまま吹っ飛ばされ、空中に浮き上がる。

「クックックッ!!楽になりな!!」

日比谷は大きくジャンプし、リボーン・ゾンビの鳩尾を右手で地面へ向けてぶん殴る。

「ごぼわぁッ!!」

リボーン・ゾンビの短い悲鳴が響き、地面に激しく衝突すると共に激しい砂埃が舞い上がる。
そして砂埃が消えたときにはぽっかりとクレーターのような大きな穴が空いていた。

「はっはっはっは〜〜!!これで邪魔者は消えたァ!!行くぞォォォ〜〜!!ニードルウァァァムゥゥッ!!」
ドドドドドドドドッ、、、、、、、、、、。
再び日比谷は暴走を始めた。
その後しばらくすると、大穴の中からリボーン・ゾンビが這い上がってきた。

「く、、、、なんて戦闘力だ、、、これは魔王様に報告する必要がありそうだな、、。」

リボーンゾンビは、懐から何やらカードを取り出した。

「砂塵の大竜巻発動!!」

砂塵の大竜巻 通常罠
相手フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。
破壊した後、自分の手札から魔法か罠カード1枚をセットする事ができる。

すると突然、リボーン・ゾンビの周りに激しい竜巻が発生し、竜巻がおさまったころにはすでにリボーン・
ゾンビの姿はなかった、、、。

そのころ日比谷は、、、、。

「ひゃはっははっははははっははははははははははははははははははっははははっは〜〜〜〜!!」

日比谷は走る。走り続ける。まだまだ走る。もっと走る。、、、、、、いつまで走るんだ?
やがて地平線のかなたに小さく建物が見えてきた。
「町だ!!」
ニードルワームがそう叫ぶと日比谷はさらに加速する、、、と思ったらどんどん減速する。

「うぐ、、、うわああああ!!」

日比谷はその場で倒れて苦しみだした。強化された筋肉は縮み、やがてもとの筋肉に戻った。
「薬が、、、薬がほしい、、、うぐゥ!!く、、薬が切れる、、、。」
ニードルワームは溜息をついた。

「あの薬は依存性があるのかよ、、。」

皆さん。道ばたに落ちてるわけわからない液体を見つけても飲まないように。

「ヒィィィィィィィィ〜!ヒ…助けて…来る来る助けて…来るなあああ!来る…来るゥ…来る…来る………」

「今度は幻覚症状かッ!!」

みんなは薬物を乱用したりしちゃダメだぞッ!!
、、、、、いかんいかん、、話がそれた、、。


「うぐぅ!!」

日比谷は白目をむき泡を吹き気を失い倒れた。

「やべぇな、、。プレイヤーが倒れちまったらだれがカオスを救うんだ!!」

ニードルワームは途方にくれた。
日比谷は目の前が真っ暗になった。


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。





「あぁ、、、今度は本当に死んだな、、、。ハハハ、、、、。」
「、、、、、、、、、。」











<くすッ、、、、、、。>












「、、、、?」


どこからか小さな笑い声が聞こえた。その声はカオスにたどりついたときに聞いたあの声と同じだった。
<かわいそうな翔太、、、。>
「、、、?」
<もう一度チャンスをあげるわ。頑張ってね、、、。>
「待て!!どういうことだ!?」
すると突然視界が真っ白になる。





グサリッ!!
「!!」









「い、、、、、、いっ、、痛てぇぇぇェェェェェッ!!!」



激しい痛みと共に意識が戻る。

「ニードルワーム!!てめェ!!」

日比谷は起き上がるが、そこは荒地ではなかった。
どこかの病室のような小部屋だった。冷房が効いてるのか涼しい。
しかも目の前にいたのはニードルワームではなかった。
そこには白衣を身にまとい、背中には翼が生えている小柄な女性が日比谷の寝ていたベッドの横にいた。

「あの〜。大丈夫でしょうか?」
「、、、、、、、、。」

あまりに予想外なことが起こりすぎて日比谷はしばらく混乱していた。

「、、、、、あ、、はい。とりあえず。」

頭を一生懸命整理し、やっと出てきた言葉だった。

「すいません。痛かったでしょうか?」

白衣の女性ってか天使が心配そうな顔で日比谷の顔ではなく右腕を見ていた。

「、、、、?」
日比谷はその視線をたどると、自分の右腕に巨大な注射器が刺さっているのに気がついた。




「なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」








ある病室の一室で1人の少年が叫んだ。




―今日の最強カード―
「ドーピング」
攻撃力を700もアップできる増強剤だ!!
ちょっとした副作用があるけど気にしない気にしない!!
さぁ!!みんなもこれを飲んでパワーアップだ!!!←やめましょう。


―デュエリストクイズ!!―難易度★★☆☆☆
リボーン・ゾンビは砂塵の大竜巻の他にもある魔法カードを発動しました。
それは何だと思われる?
   1地割れ
   2地砕き
   3地殻変動

ゾンビの登場する場面がヒントだぜ!!答えは次回!!


―次回予告―
運良く病院に運ばれ薬の副作用から回復した日比谷。だがその医療費は、、、、、。



―――第6話――――


               ―――――再起動!! 物語の時計の針が動き出すぜ!!――――――――――




セル「ふぅ、、、、久しぶりです。   夏休み以来の小説書き込みのセルです。
では、、、とりあえず早いとこ物語の続きを、、、、、、、、、ん!?」






???「待て―い!!」



セル「ん?、、、、なんだテメエは?」

???「なんだテメエは?じゃねえよ!!  あれから何ヶ月経ったと思ってやがんだ!?」

セル「う〜ん、、、、何ヶ月だったかな?」

???「、、、もういい、、。貴様のような小説をちゃんと定期的に書かねえヤローに、、、
小説を書く資格などない!!」

セル「、、、、そもそもお前は誰だ?」

???「フッフッフ、、オレ様の名は御手洗 真二だ。」

セル「、、、おてあらい?、、、何だ?そのトイレみたいな名前は?」

御手洗「トイレじゃねえ!!少なくとも俺はウィリアム キュロスではないぞ!!
みたらい しんじだ!!御手洗はれっきとした名字だ!!」

セル「何だよそもそもウィリアム キュロスって、、、何の関係あんだよ!!」

御手洗「イニシャルは W.C.だ!!」

セル「そんなくだらん事はどうでもいいんだよ。そこをどけ。俺は小説を進まねばならんのだ。」

御手洗「フ、、やれるもんならやってみな!!」

セル「力づくで行けってことか、、、このオレに勝負を仕掛けるとはいい度胸だ。
このオレに勝負を仕掛けた奴らはひとり残らず、、、。」

御手洗「、、、ひとりのこらず?」

セル「呆れて勝負せずに帰って行ったぜ。」

御手洗「、、、それって、、全然ダメ、、、てか問題外ってことじゃないのか?」

セル「るっせー!!いいかげんそこをどけ!ただでさえ全然出してねえってのに、、、
創作ページ欄に連載停滞って書かれていないこと自体が奇跡に近い状態なんだよ!!」

御手洗「そんな事オレ様の知ったこっちゃねえ、、、。だが、、このオレ様とデュエルして
勝ったら貴様に小説執筆を復帰させてやってもいいぜ?」

セル「フ、、、テメエのデッキなど俺のダークカオスデッキでぶっ飛ばしてやるぜ!!」

御手洗「それは無理だな、、、お前、、、現在の禁止・制限カードを見たのか?」

セル「え、、、、?」

● 禁止カード
混沌帝龍 −終焉の使者−
カオス・ソーサラー
カオス・ソルジャー −開闢の使者−
キラー・スネーク  
黒き森のウィッチ
サイバーポッド  
サウザンド・アイズ・サクリファイス
処刑人-マキュラ  
月読命
同族感染ウィルス
ファイバーポッド 
魔導サイエンティスト
八汰烏  
悪夢の蜃気楼  
いたずら好きな双子悪魔
王家の神殿
苦渋の選択  
強引な番兵
強奪
強欲な壺  
心変わり
サンダー・ボルト
死者蘇生
蝶の短剣−エルマ  
ハーピィの羽根帚  
ブラック・ホール
王宮の勅命 
現世と冥界の逆転  
第六感 −  
刻の封印
ラストバトル!

● 制限カード

異次元の女戦士  
ヴィクトリー・ドラゴン
お注射天使リリー
クリッター  
混沌の黒魔術師  
神殿を守る者
人造人間−サイコ・ショッカー
聖なる魔術師
魂を削る死霊
ダンディライオン  
D.D.アサイラント
ドル・ドラ  
深淵の暗殺者  
ネフティスの鳳凰神
封印されしエクゾディア  
封印されし者の右足
封印されし者の右腕
封印されし者の左足
封印されし者の左腕
マシュマロン
魔導戦士 ブレイカー
メタモルポット  
森の番人グリーン・バブーン
闇の仮面  
黄泉ガエル  
押収  
大嵐
サイクロン
スケープ・ゴート
団結の力
月の書
手札抹殺
天使の施し
貪欲な壺
早すぎた埋葬
光の護封剣  
抹殺の使徒
魔導師の力
魔法石の採掘 
未来融合−フューチャー・フュージョン
突然変異
遺言状
リミッター解除
レベル制限B地区
グラヴィティ・バインド−超重力の網−
激流葬
死のデッキ破壊ウイルス
聖なるバリア −ミラーフォース−
血の代償
停戦協定
破壊輪
魔法の筒
リビングデッドの呼び声

● 準制限カード


MANTICORE OF DARKNESS  
EXILED FORCE
APPRENTICE MAGICIAN  
CREATURE SWAP  
REINFORCEMENT OF THE ARMY  
UPSTART GOBLIN  
GIANT TRUNADE
GOOD GOBLIN HOUSEKEEPING  
WALL OF REVEALING LIGHT
DECK DEVASTATION VIRUS  
RECKLESS GREED


セル「UNOOOOOOOO〜〜ッ!!俺の主力のカオスソーサラーが禁止になってるじゃねえか!!
しかも途中から英語にしてなんかカッコつけてるし、、。」

御手洗「フフフハハハ!!これで勝負あったな!!」

セル「何故だ?前は三枚入れられたはずだぞ!?、、さては、、わかった!!
これは貴様が勝手に決めた制限だろ!?」

御手洗「悪いがこれが真実なのだよ、、、!!」

セル「く、、、ッ!!待ってろ! 新しくデッキを組みなおすからよ!!」

3秒後、、、。

セル「できたぜ!!」

御手洗「早!!」

セル「行くぜ!!  デュエル!!」

御手洗「へ!!かかってきやがれ!!」

セルLP8000
御手洗LP8000

セル「俺の先攻!ドロー!俺はモンスターを守備表示!!カードを1枚伏せてターン終了だ!」

御手洗「オレ様のターン!!」

御手洗「魔法カード 手札抹殺 を発動!!」

手札抹殺 通常魔法

お互い手札を全て捨て、捨てた枚数分カードを引く。

セル「いきなりかよ、、。」

御手洗「フ、、、言っておくが俺のデッキは暗黒界デッキ、、、ということはわかるな?」

セル「、、、ち、、、そういえばそんな部類のカードがあったな。」

御手洗「俺は暗黒界の武神 ゴルドと暗黒界の刺客 カーキと暗黒界の策士 グリンと強欲な瓶と
王宮の号令を捨てるぜ。」

暗黒界の武神 ゴルド 闇 悪魔族
★★★★★
ATK2300 DEF1400
このカードが他のカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、
このカードを墓地から自分のフィールドへ特殊召喚する。さらに、相手が
コントロールするカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、
相手フィールド上のカードを2枚選択して破壊する。

暗黒界の刺客 カーキ 闇 悪魔族
★★
ATK300 DEF500
このカードが他のカードによって手札から墓地へ送られた時、相手フィールド上
のモンスター1体を破壊できる。

暗黒界の策士 グリン 闇 悪魔族
★★
ATK300 DEF500
このカードが他のカードによって手札から墓地へ送られた時、相手フィールド上の魔法、罠
カードを1枚破壊できる。

強欲な瓶 通常罠
自分はデッキからカードを1枚ドローする。

王宮の号令 永続罠
リバース効果の発動及び効果を無効にする。

御手洗「暗黒界の刺客カーキの効果発動!!」

セル「なんだそのカードは?聞いたことねーぜ!!」

俺のフィールドの巨大ネズミはことごとく破壊された、、。

御手洗「さらに暗黒界の策士グリンの効果発動!!」

俺のフィールドの激流葬はことごとく破壊された、、。

御手洗「そして暗黒界の武神 ゴルドがフィールドへ現れるぜ!!」

セル「く、、、、!」

御手洗「ゴルドでダイレクトアタック!!」

セル「ぐは!!」

セルLP8000→5700

御手洗「さらに手札から速攻魔法 暗黒界からの援軍 を発動!!」

暗黒界からの援軍 速攻魔法

自分は「暗黒界」と名の付くモンスターカード1枚を選択して墓地へ捨てる。

御手洗「この効果で暗黒界の軍神 シルバを墓地へ送るぜ!!」

暗黒界の軍神 シルバ 闇 悪魔族
★★★★★
ATK2300 DEF1400
このカードが他のカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、
このカードを自分フィールド上に特殊召喚する。相手のカードの効果に
よって捨てられた場合、さらに相手は手札2枚を選択し、好きな順番で
デッキの一番下に戻す。

セル「何ぃー!!」

御手洗「シルバでダイレクトアタック!!」

セル「ぐほぁ!!」

セルLP5700→3400

御手洗「カードを1枚伏せてターンエンドだ。」

セル「く、、、最初から好き勝手やってくれたじゃねえか、、俺のターン!!」

セル「よし!魔法カード 天使の施しを発動!!」

天使の施し 通常魔法

自分はカードを3枚引き、その後手札を2枚捨てる。

御手洗「させるかよ!!罠カード発動!! 暗黒界の総攻撃!!」

暗黒界の総攻撃  通常罠

相手の通常魔法発動時に発動可能。
2000ポイントライフを払う。相手の通常魔法の効果を「相手は手札を全て捨てる
効果」に変える。この効果によって捨てられ特殊召喚された暗黒界と名の付くモンスター
1枚につき自分はカードを1枚ドローする。

御手洗LP8000→6000

セル「何ぃ〜!!、、ってことは手札に奴らが、、。」

御手洗「ご名答!!この効果でオレ様は暗黒界の魔神 レインと暗黒界の神官 バルトを
捨てるぜ、、、。」

暗黒界の魔神 レイン 闇 悪魔族
★★★★★★★

ATK2500 DEF1800

このカードが相手のカードの効果によって手札から墓地へ捨てられた時、
このカードを自分フィールド上へ特殊召喚する。この方法で特殊召喚
した場合、相手フィールド上のモンスター、または魔法・罠カードを
すべて破壊することができる。

暗黒界の神官 バルト 闇 悪魔族
★★★★★★

ATK2400 DEF1100

このカードが他のカードの効果によって手札から墓地へ送られた場合、
このカードを自分フィールド上へ特殊召喚する。
相手のカードの効果によって捨てられた場合、さらに相手ライフに1000
ポイントダメージを与える。

御手洗「バルトの効果発動!!」

セル「かはぁ!!」

セルLP3400→2400

御手洗「そしてこの2体を特殊召喚!!暗黒界の総攻撃の効果によってデッキからカードを2枚ドロー
するぜ!!」

セル「く、、、モンスターを守備表示、、ターンエンドだ!!」

御手洗「オレのターン!ドロー!、、これでトドメだ!暗黒界軍!!全軍突撃だ!!」

ぼよよ〜〜〜〜ん!!

御手洗「、、、なんだ?この間抜けな音は!?」

セル「フ、、、マシュマロンの効果発動!!」

マシュマロン 天使族 光
★★★
ATK300 DEF500

このカードは戦闘によって破壊されない。
裏守備のこのカードが相手モンスターの攻撃を受けたとき、
相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

暗黒界の軍勢はマシュマロンに弾かれて御手洗に激突した。

御手洗「痛ェーッ!!」

御手洗LP6000→5000

御手洗「く、、!!姑息なマネを!!ターンエンドだ!」

セル「オレのターン!ドロー!」

ドローカード 早すぎた埋葬

<く、、、今のオレの手札は、、、。>

早すぎた埋葬 リミッター解除

俺の墓地のカードは、、、

巨大ネズミ
激流葬
ガジェットソルジャー
天使の施し
抹殺の使徒

セル「がくぅ、、、、使えねえ、、、ターンエンドだ、、。」

御手洗「俺のターン!ターンエンド!」

御手洗<く、、、俺の手札は、、、。>

暗黒界の軍神 シルバ
暗黒界の武神 ゴルド
大嵐

御手洗<くそ、、あんなサンドバッグ野郎にこの俺がてこずるとは、、。>

セル「俺のターン!!ドロー!!」

ドローカード 地獄の暴走召喚

地獄の暴走召喚 速攻魔法

相手フィールド上に表側表示モンスターが存在し、自分フィールド上に攻撃力1500以下のモンスター1体の特殊召喚に成功した時に発動する事ができる。
その特殊召喚したモンスターと同名カードを自分の手札・デッキ・墓地からすべて攻撃表示で特殊召喚する。
相手は相手フィールド上のモンスター1体を選択し、そのモンスターと同名カードを相手自身の手札・デッキ・墓地からすべて特殊召喚する。

<早すぎた埋葬で巨大ネズミを出してもたかが知れてるな、、。>

セル「、、、ターンエンド!!」

御手洗「オレのターン!!ドロー!!」

ドローカード ファスティング・ブレイク

ファスティング・ブレイク 通常罠

相手のドローフェイズ時のみ発動可能。500ライフを払うことで
相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。

御手洗<こいつなら、、、!!>

御手洗「カードを1枚伏せ、ターンエンド!!」

セル「俺のターン!ドロー!」

御手洗「罠カード発動!!ファスティング・ブレイク!!」

御手洗LP5000→4500

マシュマロンが一瞬にして粉々に破壊された。

セル「何ぃ!?オレのマシュマロンが!!」

御手洗「ふはは、、このターンが貴様のラストターンだ!!」

セル「、、、、そうだな。」

御手洗「フ、、ならばいさぎよくサレンダーした方が、、」

セル「この勝負、俺の勝ちだ!!」

御手洗「何、、!?、、バカ言うな。俺のフィールド上には5体の暗黒界モンスターがいるんだぞ!」

セル「行くぜ!!俺は魔法カード 黙する死者 発動!!」

黙する死者 通常魔法
自分の墓地から通常モンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。
そのモンスターはフィールド上に存在する限り攻撃をすることができない。

セル「行け!!ガジェット!!」

ガジェット・ソルジャー 炎 機械族
★★★★★★
ATK1800    DEF2000


御手洗「はっはっは!!何かと思えばそんなモンスターをデッキに入れてる地点でお前はザコだ!!」

御手洗「せめて修正液で★二つ消して使えよな!!」

セル「フ、、こいつをなめてもらっちゃ困るぜ。こいつは一見通常モンスターだが、凄い特殊効果を持って
いるんだぜ!!」

御手洗「フ、、どうせそんな奴ができる事としたら全弾発射ぐらいだろ?そんな程度ではオレの暗黒界は
倒せないぞ!!」

セル「ふ、、だからこいつをバカにするなって言ってるだろ、、後悔するぜ、、、?
俺は装備魔法 早すぎた埋葬を発動!!」

早すぎた埋葬 装備魔法

800ライフポイントを払う。自分の墓地からモンスターカードを1体選択して攻撃表示でフィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時、装備モンスターを破壊する。

セルLP2400→1600

セル「俺は墓地の巨大ネズミを特殊召喚!!」

巨大ネズミ 地 獣族
ATK1400 DEF1450
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の地属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。

セル「巨大ネズミでシルバを攻撃!!」

御手洗「フ、、勝負を捨てたかセル!!シルバの攻撃力は2300。その差は圧倒的だ!!」

シルバはいとも簡単に巨大ネズミを返り討ちにした。

セル「ぐ、、、!!」

セルLP1600→700

セル「巨大ネズミの効果で攻撃力1500以下の地属性モンスターを特殊召喚するぜ!!」

セル「起動兵士デッドリボルバーを特殊召喚!!」

起動戦士デッドリボルバー  攻撃力 0

セル「特殊召喚時に地獄の暴走召喚発動!!デッドリボルバーをもう2体特殊召喚!!」

御手洗「く、、俺はすでにフィールドはモンスター5体で埋まっている、、、。同名カードは特殊召喚できない。」

御手洗「フン!!そんな攻撃力0のモンスターが3体いようと何になる!?」

セル「行くぜ、、ガジェットソルジャーの効果発動!!」

御手洗「何だと!?そいつは通常モンスター、、特殊効果を持っていないはず!!」

起動戦士デッドリボルバーA 攻撃力0→2000

起動戦士デッドリボルバーB 攻撃力0→2000

起動戦士デッドリボルバーC 攻撃力0→2000

御手洗「ば、、ばかな!?なぜデッドリボルバーの攻撃力がアップしてるんだ!?」

セル「フ、、こいつの効果を見てみな!!」

起動戦士デッドリボルバー 地 機械族
ATK0 DEF2000
自分フィールド上に「ガジェット」という名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、このカードの攻撃力は2000ポイントアップする。



御手洗「く、、たしかに、、<ガジェット>ソルジャーだ、、、。」

御手洗「だが、、それでも俺の暗黒界軍団の攻撃力には届かないぞ!!」

セル「デッドリボルバーで暗黒界の軍神シルバを攻撃!!」

御手洗「何!?血迷ったか貴様!!」












起動戦士デッドリボルバー VS 暗黒界の軍神シルバ
攻撃力2000             攻撃力2300











セル「攻守判定時に手札から速攻魔法 リミッター解除発動!!」

リミッター解除 速攻魔法

このカード発動時に自分フィールド上に存在する全ての表側表示機械族モンスターの攻撃力を倍にする。
エンドフェイズ時この効果を受けたモンスターカードを破壊する。

ガジェットソルジャー攻撃力1800→3600

起動戦士デッドリボルバーA攻撃力2000→4000

起動戦士デッドリボルバーB攻撃力2000→4000

起動戦士デッドリボルバーC攻撃力2000→4000




御手洗「うお!?、、、攻撃力4000だと!?」

御手洗「うわぁ!!」

御手洗LP4500→2800

セル「デッドリボルバーで暗黒界の武神ゴルドを攻撃!!」

御手洗「ぐわああ!!」

御手洗LP2800→1100

セル「トドメだ!!デッドリボルバーで暗黒界の魔神レインを攻撃!!全弾発射 LIMIT BREAK Ver!!」


御手洗「うわあああああああ!!!!ガジェットソルジャー如きにこの俺がああ!!」


御手洗LP1100→0

セル「よし!!俺の勝ちだ!!これで小説を執筆できるぜ!!、、にしても疲れたな、、、執筆はまた今度
だぜ!!!」



―第7話――――


――――唐突すぎる展開!!―〜空回りする時の邂逅〜「やはり約2ヶ月のブランクは大きすぎた!!」――




もう入院してから何日たっただろうか?
ドーピングの副作用はほぼ治ってきた。しかし、、、、。

俺には医療費を払う金がなかった、、、、。

今すぐ逃げ出したい、、これは夢だ、、夢なんだ、、、。
そうだ、、、。夢ということにしてしまえばいいんだ。












日比谷はそっと目を閉じた。




チュン、、、チュン、、、、。

鳥のさえずりが聞こえた。
俺は目を開けた。そこは、懐かしき我が家だった。
帰ってきたのだ。

「信じられねえ、、まさかホントに帰れるとはな、、、。」

俺<日比谷 翔太>は無事、家に生還したんだ。あんな意味不明なカオスとはおさらばなんだ。
ニードルワームにちょっかい出されずに済む、、、。
ドーピングして薬物に苦しまなくてもいいんだ、、。


だけど、、、なんだか少し寂しい気持ちが込み上げてきた。

俺は窓を開けて、朝の涼しい風を堪能した後、学校の支度をした。

玄関のドアに手を伸ばそうとしたが、俺はふとその手を止めた。

「、、、、、、。」
俺は階段を駆け上がり、自分の部屋に入ってゴミ箱を調べた。

ゴミ箱の中にはカードが散乱されていた。

「これからも、、、よろしくな、、、。」

俺はカードをかき集めて束にして鞄の中にブチ込んだ。



「翔太ー!!遅刻するわよー!!」

「わかってらぁ!!すぐ行くよおふくろ!!」


俺は学校に余裕シャクシャクの滑り込みセーフで登校し、授業の8割を睡眠学習で済ませて学校を後にした。

家につくと制服を脱ぎ捨て私服に着替えて家を飛び出す。

もちろん行き先は三瀬の家だ。

「おーい三瀬ー!!」

すると尋常じゃないほどの階段を駆け下りる音が家の中から聞こえてくる。

「おお!!日比谷!!丁度いいところに来たな。ささ、、、まあ入れよ。」

三瀬の言われるまま俺は家に入ると三瀬は1枚のチラシのような物をテーブルに叩きつけた。

「、、、なんだこれは?」

「みて見ろよ!!この上ないビッグチャンスだぜ!!」

俺は渋々チラシに目を通した。



 



今、、デュエルモンスターズは危機に陥ってイマース。
デュエルモンスターズをおびやかす常闇のデュエリストが世界を破滅へ追い込もうとしてイマース。
そこで、世界中のデュエリストで大会を開こうと思いマース。
上位デュエリストは常闇のデュエリストと戦いマース。
集合場所は○月△日午後8時にドミノセントラルタワーに集合デース。
禁止カードは入れていけマセ―ン。
N&Wを救えるのは世界中のデュエリストの皆さん!!あなたがただけデース!!











「、、、、世界規模にしては軽薄過ぎね?このチラシ、、。」

三瀬は目を血走らせて「今N&Wは危機なんだ!!俺達が行かなくてどうする!?」と俺に怒鳴った。

「、、、でも○月△日って今日じゃねえか。世界規模なら1日で終わるわけないだろ?
明日から学校どうすんだよ?」

すると三瀬はきっぱり、、、。
「いいぜ。俺は授業受けんでもテストの点は取れるからな。自分で勉強ぐらいできるぜ。」

三瀬は中学の頃から成績はトップクラスだった。高校になっても学年1位の座から降りていない
らしい、、、くそ、、、その脳みそ半分俺にくれよ、、、どうせ、、人の脳はほとんど使わずに人生
終わるんだからよ、、。

「お前はいいけど俺は行けねえんだよ!俺は今授業はやっとの思いでついてきてるんだ!!」

「とか言ってどーせ中学ん時みたいにほとんど寝てるんだろ。」

三瀬の鋭い目が俺の心臓を貫いた。

ぎくう!!

痛ェ、、、スケープゴートの羊トークンをスピアドラゴンで攻撃されたぐらい痛い視線だった。

ところでスピアドラゴンの効果って何だっけ?
、、、、たしか恐竜族だよな?プテラノドンみたいな格好してるし、、、。

初心者丸出しの思考回路だ、、、。byセル

「、、、、わかったよ。行くよ。行けばいいんだろ!、、で旅費はどうすんだ?俺今500円しかないぜ。」

すると三瀬はいきなりジュラルミンケースを机に叩きつけた。

「、、、開けてみな、、。」

俺はおそるおそるジュラルミンケースを開けた。

パカリッ、、、











「、、、、、!!、、これは!?」






















ジュラルミンケースにはぽつんと札束が一つ入っていた。

「、、、、、迫力ねぇ、、、、。」

三瀬はニヤリと笑った。

「甘く見るなよ、、、これでも100万円あるんだぜ、、、。」

「ひゃ、、、ひゃくまん!?」

俺はついつい驚愕の表情を浮かべた。

「で、、、これどうしたんだよ!!こんな大金。」

すると三瀬は唇をゆるませた。

「フッフッフ、、、、日比谷よォ、、、、世の中便利な時代なんだぜぇ、、、、、。」


俺はごくりと息を飲んだ、、、、、まさか、、、、。














「へへ、、、、どうやって手に入れたかだって?  、、、簡単な話だぜ、、、。」


「※親の通帳と印鑑とやらをうまいこと使ったら銀行の人にこんな大金渡されちまってよォ、、、。」

注※マネしないで下さい。

「それってダメじゃないのか!?明らかにヤバいじゃねえか!!」



「いいんだよ。出世払いだ。偉い人になって100万でも200万でも返済してやらぁ!!」

「、、、、、、いいのかな、、これで、、、。」

「いいんだよ!!さあ!!もう三時間しかねえ!!急いでドミノ町に向かうぞ!!」

「、、、ちょいと待て、、、うわぁぁぁああ!!」

「遠慮するな!!旅費は全額俺がたてかえるからよ!!善は急げだ!!」

俺は三瀬に腕を引っ張られてドミノ町へ行く羽目になってしまった。





――第8話――――


                      ―――――――いざ!!童実町へ!―――――――――――――――




「おい!!三瀬!!落ち着け!!」

俺は目いっぱい怒鳴るが三瀬は何も聞きもせず俺の手を引っ張った。

くっそ〜、、、そんなに急ぐ事なのかよ、、まだ3時間あるのによ、、、。
ドミノ町まではこっから電車でせいぜい2時間だろ?

するとその時、前方に見慣れた顔が現れた。

「茜、、、、、?」

「翔太、、、?」

しかしそれを確認する間もなく、猛スピードで通りすぎた。

、、、今たしかに翔太って聞こえたような、、、。

俺は後ろを振り向く、後ろから一人の少女が走ってくる。

「三瀬!!ちょっと休憩!!止まってくれ〜〜!!」

俺は三瀬に向かって叫んだ。

「止まれるかよ!!死んでも止まれるか!!」

おいおい、、そこまでやるか、、、。なら仕方ない、、許せ、、、三瀬。

俺は三瀬の足を軽くこづいた。

「うぉッ!!」

俺達二人はバイク事故のようにもつれ合ってずっこけた。

「痛ってぇな、、、なにしやがる!!」

三瀬は立ち上がって怒り出した。

「しゃあねぇだろ、、お前が止まんねーからよ、、。」

俺は軽くズボンについた砂を手ではらい落とした。

「一生にあるかないかのチャンスが目の前にあるんだぜ!!止まる方がどうかしてるぜ!」

三瀬が反論する。どうかしてるのはテメエだろ。

「、、、はいはい。」

俺は溜息を付いて三瀬の反論を受け流した。

「はぁ、、、はぁ、、、。」

いつの間にか茜が追いついていた。かなり息切らしてるけど、、。

「なんだ日野じゃねえか。久しぶり。お前随分疲れてんな、、どしたの?」

三瀬、、、、空気読みやがれ、、、。

「、、、そんなに急いでどこへ行くのよ、、?」

茜が不意に話し掛けてきた。

「どこって、、、そんなの俺の勝手だろ、、。」

「、、勝手じゃないわよ、、、最近なんか冷たいじゃない、、、。学校でもほとんど喋らないし、、。」

「冷たい?俺が?、、俺はいたって正常だぜ?」

すると茜は息を整えて鋭い言葉を投げつけてきた。

「どこが正常なのよ?、、、電車の中ではうわのそら、、学校でもうわのそら、、、帰りのチャイムになれば
ささっと帰っちゃうし、、、なんか最近翔太、、、変だよ?、まるで別の世界にいる見たい、、。」

別の世界と聞いて俺は顔を引き攣らせた。
カオスの出来事が頭をよぎる、、、いいや、、あれは夢だったんだ。大丈夫。

、、、、大丈夫、、、だよな?

「、、それで、、お前は何がいいたいんだよ?」

「さっき言ったじゃない、、そんなに急いでどこへ行くの?って、、。」

「、、、地球のどこか。」
「、、、地球のどこ?」
「、、、大陸。」
「、、、大陸のどこ?」
「、、、日本。」
「、、、日本のどこ?」
「、、、町。」
「、、、何町?」
「、、、ドミノ町。」
「、、、ドミノ町のどこ?」
「、、、ドミノタワー。」
「、、、何しに?」
「、、、、、、、、、。」

「、、、、だぁー!!なんで俺がお前に誘導尋問されなきゃなんねぇんだ〜!!」

「、、、だから何しに行くの?」

「、、、、大会だよ大会に出るんだ。」

「へぇ〜、、何の大会に出るの?」

「、、、、、N&W。」

「え〜〜!!N&W!?」

茜がいきなり驚きだした、

「、、そこまで驚く事かよ、、。」

「だってさ、、あの翔太だよ?、、天然野球バカの翔太がだよ?、、野球以外何もない翔太がだよ?
野球以外何もできない翔太が?、、信じられないよ、、。」

ひでぇ、、、。その言い方ひでぇよ、、、。

「、、、、だからどうしたって言うんだ!、、言っただろ!?この高校生活で野球以外の事
に熱中してやる!!って。」

「日比谷〜〜〜!!こんなとこで油売ってらんねぇええぞォ!!!!」

三瀬は再び俺の腕を掴み走り出した。

「うわ、、、ちょっ、、、、ってことでじゃあな茜〜〜〜!!、、、、うわぁぁぁぁぁ!!」

ガタンゴトンガタンゴトン、、、、。

俺はしけたツラで電車の窓を眺めていた。

「へえ〜〜世界中から集まる大会なの?凄いね〜。」

茜が先ほど三瀬が俺に見せたチラシを見て言った。

「フ、、人生に一度あるかないかのチャンスなんだよ。」

三瀬はそう言いながらデッキをチマチマと構築している。

「、、、、ってなんでお前が付いてきてんだよ!!」

俺は茜に指差して言った。

「何でって、、そんなの私の勝手でしょ?」

それを言われちゃおしまいだ。

「、、、そうだ。お前学校はどうすんだよ!?」

「、、、アンタはどうすんの?」

「、、俺は別にいいけどよ、、、学校休むと勉強とか大変になるんじゃないか?」

この言葉は今の俺に半分言い聞かせた。

「、、別にいいもん。すぐ追いつけるから。」

「、、、、、、ッ!!」

そういや茜も成績は三瀬に次いでトップクラスだったな、、。
くぅ〜〜〜〜!!なんでこうも俺の周りの奴らは優等生揃いなんだ?

すると後ろからぽんぽんと肩を叩かれた。

「、、、ん?」

俺は振り向くとそこには一人のサングラスをかけた20代くらいの青年が立っていた。

「アンタらは、、、ひょっとして、、例の大会に参加するんとちゃうかな?」

なんか言葉に違和感のあるなまりが入った口調だった。

「そうです!!ひょっとしてあなた達もですか?」

三瀬の目が輝いてる。異様に輝いている、、、てかなんだこのテンションの高さは?

「ワイは大阪から来た土屋 武 <つちや たけし>ってゆうもんや。 ワイは大会に
向けての最終調整をしたいんやが、、、、。相手してくれへんかな?」

「いいですよ!!大歓迎ですよ!!」

三瀬のテンションがさらに上がった。

「あぁ〜すげえよ、、全国区並だぜ、、、。近所の小さな大会とワケが違う緊張感だ〜!!」
こいつ、、、ホントの大会になったらどれだけテンション上げるつもりだ?所詮お遊びだろ?

「ほな、、三号車のデュエルスペースでやろうやないか。」

俺達は土屋について行き、三号車のデュエルスペースへ辿りついた。

武藤遊戯がデュエルキングになってから、、童実野町の地名度は一気に上がり、
電車では童実野線ができるほどになった。童実野線の電車には所々の車両に
デュエルスペースが設けられているのだ。

、、、、ひとごとに電車って言っても新幹線ぐらい場合によっては以上のスケールはありますぜ。
日比谷達のいつも乗ってる私鉄とはケタ違いなのでご了承を、、。

「調整相手見つけてきたで〜。」

武がデュエルスペースにいた二人の男女に手を振った。

「お。武、、連れてきたか、、、なんや、、随分弱そうなガキやないか。」

その言葉が俺達3人の頭にカチンと来た。

すると女性の方がタバコを吹かしながら喋った。

「ええやないか、、、かわいいし、、、ウチの名は椎名 理恵 <しいな りえ>や。よろしくたのんます
な〜。」

タバコの臭いがつ〜んと俺達の鼻に突き刺さる。

「理恵。ここは禁煙やぞ。吹かすんなら喫煙コーナーでせいな。」

土屋が手でタバコの煙をはらいながら言った。

「そうやったな、、、気ィつけるわ、、。」

その後、俺達は3人に自己紹介をした。

「おっと、、紹介がまだやったな、、俺の名は東出 弘之<ひがしで ひろゆき>や。
こんな事言いたくないんやけど、、この大会はアンタらには荷が重すぎんとちゃうか?」

、、、ホントムカツクなこいつ。

「東出、口の聞き方に気い付けぃ。人は見かけによらんもんや、、、おっと、、
やな思いさせてすんません。ほな、、、はじめましょか。ルールは大会と同じ3ONデュエルで、、。」

3ONデュエル!?

聞いた事無い言葉に俺はとまどった。俺はふと三瀬の方を見た。

「、、、、、、、。」

三瀬の顔が引き攣っている。

「その顔やと知らへんようやな、、3ONデュエルは、、簡単ゆうと3人チーム同士で一人ずつ戦って
先に二勝した方の勝ちや、、。」

「、、、、、3人って、、、、。」

俺達3人は沈黙した。大会に出るのは俺達二人なのに、、、これじゃ大会すら出れないという事
に気が付いてしまった。

もう一度チラシを見たが微妙に小さな文字でそのような事が書いてあるのに気づいたがもう遅い。

「アンタらも大会出るんやから3人おるんとちゃうか?」

「、、、、、、ちょいと待っててください。」

俺達はささっとデュエルスペースを出た。

「どうするんだよ!!これじゃ大会でれねーぞ!!」

「仕方ない、、、苦肉の策だ!!、、日野!!大会に出てくれ!!」

「え〜!!私ルール全く知らないし、、。」

「大丈夫だ!!俺と日比谷二人が二勝すれば大丈夫!!」

、、、、もう、めちゃくちゃなプランだ、、。


俺達3人はデュエルスペースへ戻った。
「、、すいません。お待たせしました。」
三瀬がペコリと頭を下げた。

「、、ほな始めようやないか、、ワイらの一人目は東出で行く。」

「、、、くれぐれもワンサイドだけはやめぇよ。弱すぎちゃ調整にならへんからな。」

、、、、カチン!!

「よし、、三瀬!!こいつとは俺がデュエルするぜ!!」

「いいや、、だめだ日比野。最初が大事って言うだろ。ここは俺がこいつを殺、、、いやデュ
エルするぜ。」

仕方なくジャンケンで決めたところ。三瀬が勝利した。

「よしッ!!行くぜ!!」

「ほな始めます!!デュエル開始ー!!」
土屋が勢いよくデュエルスペースのテーブルにあるスイッチを押すと、、テーブルが広がりだした。

そして三瀬と東出はデュエルディスクを装着し、スイッチを入れた。

ウィィ―ン、、ガチャ、、ガチャ、、ピピ、、、。

「デュエル!!」

三瀬LP8000    東出LP8000

「アンタが先攻後攻を決めい。ちょっとしたハンデや。」

「、、ッ!!では遠慮なく、、後攻で!!」

「俺のターン。カードをドローするで。俺はモンスターを守備表示。ターンエンドや。」

東出の場に1枚の横向きのカードが裏側で浮き上がる。

東出はニヤリと笑う。

「俺のターン!!ドローカード!!」

三瀬は手札を見た瞬間、よしと呟いてカードを出す。

「俺は手札からサイバードラゴンを攻撃表示で特殊召喚!!」

するとソリッドビジョンの光がテーブルに溢れ出し、機械竜が姿を見せた。

「そして死霊騎士デスカリバー・ナイトを攻撃表示で召喚!!」

三瀬はもう1枚のカードをモンスターゾーンに置くと馬に乗った死人の騎士が現れた。

死霊騎士デスカリバー・ナイト
攻撃力1900

「行くぜ!バトルフェイズ!!デスカリバー・ナイトで裏守備モンスターを攻撃!!クリムゾンシェイブ!!」

デスカリバー・ナイトは馬に乗って裏守備モンスターを通りすぎざまに剣で切り裂いた。

「フ、、、見習い魔術師の効果発動!!」

東出が高らかに言うと、、、デスカリバー・ナイトが煙のように消えただけで何も起こらなかった。

「何、、、何故だ!?何故効果が発動しない!!」

その光景を見た俺はおかしく思った。デスカリバー・ナイトが消えたってことは見習い魔術師の効果は
おそらく相手モンスターを道連れにする効果。ならなぜあいつはあんなにあわててんだ?
効果は発動したんだろ?


「こいつの効果をよく見てみな、、。」

三瀬はデュエルディスクのボタンを押すとデスカリバー・ナイトのカード自体がソリッドビジョンになって写し出された。

「ディテールってやつだ。」

死霊騎士デスカリバー・ナイト 悪魔族   闇
★★★★
ATK1900 DEF1800
このカードは特殊召喚できない。
効果モンスターの効果が発動した時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを生け贄に捧げなければならない。
その効果モンスターの効果と発動を無効にし、そのモンスターを破壊する。
、。

「ち、、、簡単に言えばカード地自身と引き換えに効果を吸い取っちまう効果か、、、。」

東出は唇を噛んだ。

見習い魔術師 魔法使い族 闇
★★
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、フィールド上で表側表示の魔力カウンターを乗せる事ができるカード1枚に魔力カウンターを1個乗せる。
このカードが戦闘で破壊された場合、デッキからレベル2以下の魔法使い族モンスター1体を選択して自分のフィールド上にセットすることができる。


、、、わかったよ、、道連れにする効果じゃないってことだろ、、、。
俺は初心者だからモンスター効果はよくわかんねえんだよ、、、、。

「サイバードラゴンでダイレクトアタック!!エボリュ―ション・バースト!!」

「ぐわああ!!」

東出LP8000→5900

「ターン終了だぜ!!」

「よっしゃー!!今のところ三瀬が押してるぜ!!」

「ち、、、俺のターン、、、カードをドローするで。魔法カード デビルズ・サンクチュアリを発動や。」

デビルズ・サンクチュアリ 通常魔法

「メタルデビル・トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を自分のフィールド上に1体特殊召喚する。
このトークンは攻撃をする事が出来ない。
「メタルデビル・トークン」の戦闘によるコントローラーへの超過ダメージは、かわりに相手プレイヤーが受ける。
自分のスタンバイフェイズ毎に1000ライフポイントを払う。
払わなければ、「メタルデビル・トークン」を破壊する。

フィールドに何やら不気味に光を反射する銀の人形が現れた。

「このメタルデビル・トークンを生け贄に、、魔法の操り人形を召喚!!」

魔法の操り人形
攻撃力2000


「、、、こ、、、これは、、、。」

三瀬は眉をひそめた。

「さらに俺は魔法カード テラ・フォーミングを発動するで。」

テラ・フォーミング 通常魔法
自分のデッキからフィールド魔法カードを1枚手札に加える。

すると魔法の操り人形の片方の目が光りだした。

「な、、、何だ?」

三瀬は身構えた。

「まあ楽しみにしときぃ、、、、俺はテラ・フォーミングの効果でフィールド魔法ダーク・ゾーンを手札に加えるで。」


「そしてダークゾーンを発動や。」

東出がデュエルディスクのスイッチを押すと、側面からカードを置くスペースが現れた。
東出はそこにカードを置いた瞬間、テーブルのまわりが怪しげな霧で包まれた。

ダークゾーン フィールド魔法
全ての闇属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンする。

すると、魔法の操り人形のもう片方の目が光りだした。


「ダークゾーンの効果で魔法の操り人形の攻撃力は500ポイントアップや!」

魔法の操り人形
攻撃力2900


「何!?攻撃力2900?ダークゾーンは攻撃力500アップじゃないのか?」

三瀬は驚愕の表情を浮かべた。

すると東出がニヤリと不敵に笑った。
「何でって、、、見りゃわかるやろ、、。」
魔法の操り人形の両目は無気味に光っていた。

<そうか、、、!!あの人形の効果はおそらく魔法カードを使うたびに魔力カウンター
を乗せてパワーアップする効果、、フィールド魔法サーチは魔力カウンターを乗せる為にも使っていたのか、、、。>

「潮時や、、魔法の操り人形の効果発動!!」

「何!!まだ効果があるのか!!」

すると魔法の操り人形の眼光が両手でワイヤーで吊っていた小さな人形に集まりだした。

「く、、何が起こるんだ?」

異変はすぐに起きた。
サイバードラゴンが苦しみはじめ、サイバードラゴンのソリッドビジョンは粉々に砕けて消滅した。

「これが魔法の操り人形の効果や!!」

東出は得意げにディテールボタンを押す。

魔法の操り人形 魔法使い族 闇
★★★★★
ATK2000 DEF1000
自分または相手が魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1個乗せる。
このカードに乗っている魔力カウンター1個につき、このカードの攻撃力は200ポイントアップする。
また、魔力カウンターを2個取り除く事で、フィールド上のモンスター1体を破壊する。

魔法の操り人形
ATK2900→2500


「く、、、魔法を使えば攻撃力が上がり、たまった魔力を消費してモンスター1体を問答無用で破壊する効果か、、
厄介な相手だな、、、。」


「さあ、、さっきの仕返しや、、、魔法の操り人形でダイレクトアタック!!ダークエンブレム!!」

「うわぁ!!」

三瀬LP8000→5500

「俺はカードを1枚伏せて、、ターンエンド。さぁ、、、アンタのターンや。」

「お〜い!!三瀬!!何やってんだ!!逆転されちまったじゃねえか!!」
俺は三瀬に向かって叫んだ。

「っるせーな!!わかってるよそんな事!!」

<く、、、口だけじゃないって事か、、、おもしれえ、、、。>


三瀬LP5500  
東出LP5900



フィールド  ダークゾーン


三瀬 手札4枚   場 なし


東出 手札3枚   場 魔法の操り人形  伏せカード1枚



〜第9話〜     三瀬VS東出

「さっさとカードをドローせや、、、。」

東出が三瀬を指差して言った。

「まぁそうせかすな、、俺のターン!!ドローカード!!」


三瀬はカードをドローし、すかさず2枚のモンスターカードをディスクに置いた。

「行くぜ!!サイバードラゴン特殊召喚!!そして死霊騎士デスカリバーナイト召喚!!」

都合のよい引きで相手を圧倒。一気にフィールドにモンスターを2体並べる。

「アホかいな、、アンタの目は節目かいな。両方ともこの魔法の操り人形の攻撃力に届かへんがな。」

「おーい!!三瀬!!なにやけくそにモンスター出してやがる!?」

日比谷がフィールドの外から口をはさむ。

「まぁ、、見てろって、、魔法の操り人形、、たしかに強力な効果を持っているが、、、、
俺にとってみりゃそれが弱点だ!!  俺は速攻魔法「サイクロン」を発動する!!」



サイクロン 速攻魔法

相手の魔法&罠カードゾーンのカード1枚を破壊する。


「ち、、、ワイの魔法の筒が、、、。」

魔法の筒  通常罠

相手モンスター1体の攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える。

竜巻が魔法の筒を吹き飛ばして粉砕した。

「だが、、魔法の操り人形に魔力カウンターが、、、、な、、なんや?」

東出は驚愕の表情を浮かべた。魔法の操り人形がフィールドから消えていた。

「、、、、これは何の冗談や?ソリッドビジョンのバグかいな?」

三瀬はパチンッ!と右手を鳴らした。

「お前の目は節目か?まさか死霊騎士デスカリバーナイトの効果を忘れてないだろうな?」

「、、、、ッ!!たしかそいつの効果は!!」

東出はくやしそうに歯をぎりぎりと鳴らした。

<意外にこいつの効果の存在忘れやすいんだよな、、、こいつがいる状態でブレイカー召喚したり
ならず者の効果発動したりと、、、よく使われてはいるんだけど効果は三沢級に忘れやすい、、。>

三瀬の頭にデスカリバーナイトのプレイミスの数々がよぎる。

「よし、、サイバードラゴンでダイレクトアタック! エボリューションバースト!!」

「うぐぁ!!」

東出LP5900→3800

「よっしゃ!!さすが三瀬!!」

「、、、、よか。」
土屋がニヤリと三瀬を見た。

「カードを2枚伏せて、、ターンエンド!!」

「ち、、ワイのターン!!」

東出はカードを引いた瞬間、東出の表情が急に変わった。

「、、どうやらアンタ、、ワイを本気にさせてもうたみたいやな。」

東出は1枚のカードをフィールドに置いた。


「魔法の操り人形を除外し、、、行くで、、ワイの切り札、、闇道化の化身ダークマター召喚!!」

「、、、!!聞いたことないぞ!そんなカード!!」

ディテールがフィールドに浮き上がった。

闇道化の化身 ダークマター   闇  
★★★★★
ATK1500  DEF1500

魔法使い族 効果 条件召喚
このカードは特殊召喚できない。自分の墓地にいるレベル5以上の「人形」と名の付くモンスター
1体を除外して召喚する。相手フィールド上のモンスター1体を破壊しこの効果で
破壊したモンスターを攻撃力守備力500アップの装備カードとしてこのカードに装備することができる。
この効果は自分のターンのみ1ターンに一度しか発動できない。このカードが相手のカードの効果によって破壊される時、かわりにこのカードに装備されているモンスター1体を除外することで破壊から免れることができる。


「ダークゾーンの効果でパワーアップや、、。」


闇道化の化身 ダークマター 
ATK1500→2000



不気味な人形をたくさんぶら下げ、体中が糸に吊られていて、黒いローブで身をまとった人形が
現れた。

「ターンプレイヤーの優先権を行使し、ダークマターの効果発動や!!」

「ち、、、、。」
三瀬は優先権と聞いたとたん伏せカードの発動をやめた。

ダークマターは鋭い眼光をサイバードラゴンに向けた。

「う!!、、眩し!!」

三瀬を含む部屋中の人は目をつむった。

光がおさまり、三瀬は目をあけた。

「あ、、、、。」

三瀬は呆然とフィールドを見ていた。

サイバードラゴンは跡形もなく消え去り、ダークマターのぶら下げている人形の中に、サイバードラゴン
の人形がぶら下げられていた。

「コイツの眼光はモンスターを人形へと変え、自らのパワーにする能力や、、。サイバードラゴンの
人形を装備したことにより、、攻撃力アップや、、。」

闇道化の化身ダークマター
ATK2000→2500

「ダークマターでダイレクトアタックや!!エボリューションバースト Side dark
!!」

ダークマターの口からサイバードラゴンと全く同じ光線が三瀬にめがけて発射される。

「永続罠発動!!メタルリフレクトスライム!!いでよ!神スライム!!」

メタルリフレクトスライム
守備力3000


銀色に輝く巨大なスライムはダークマターの形に変わり、光線の前に立ちはだかった。

「ち、、、攻撃中止や、、、。」

東出はバトルフェイズを終了した。

<ダークマターの弱点は高攻撃力モンスター
の前では普通に倒される事や、、生け贄モンスターは揃えさせへんで。>

「魔法カード「ポルターガイスト」を発動や。」


ポルターガイスト 通常魔法

相手フィールド上の罠・魔法カード1枚を持ち主の手札に戻す。
このカードの発動と効果は無効化されない。

「く、、、、、!!」

三瀬の手札にメタルリフレクトスライムが強制送還された。

「ターンエンドや。」

<くそ、、俺の手札には突然変異が、、!!メタルリフレクトスライムを生け贄にしようと
思ったのに、、、。>

三瀬は場の状況を読み取る。

<あのダークマターはたしか装備した人形を除外することでカードの効果で破壊されない厄介な効果
があったな、、、、俺が優先権を行使される前に発動しようと思った破壊輪は効かねぇ、、、。>


優先権についてはルールブック読んで下さい。

<ポルターガイストさえなけりゃメタルリフレクトスライムを突然変異させてサイバーエンドドラゴン
出して破壊輪でケリをつけようと思ったんだけどな、、、。>

<次のドローに賭けるしかない!!>

「俺のターン!!ドローカード!!」

ドローカード おとり人形




「、、、、、、は?」

三瀬はぽかーんと口を開けていた。

「な、、、なんだこのカードは、、俺はこんなカード入れた覚えはないぞ!?」

三瀬はしばらく混乱していたが、落ち着いて考えてみた、、。

「そういえばあの時、、、。」

、、、、、、、、、、、。

「っということで、、日野!!もしもの為にこのダンボール一杯のカードでデッキを構築してくれ!!」

「おい、、、お前いつの間にそんな物、、。」

日比谷が驚愕の表情を浮かべている。

その時そういや、、置いた拍子にポケットからデッキがダンボールの中に入った、、、。

ダンボールの中に、、、、そうか!!

「がび〜〜〜〜〜ん、、、、。」

三瀬はがくっと肩を落とした。

<せっかく、、せっかくデッキ構築したのに、、あんなちょっとしたミスが勝負に影響するとは、、、
神様!!アンタはどこまでいじわるなヤツなんだ!!よりによってこんなカードを、、。>

「おーい!!三瀬!!何さっきからぼーっとつっ立ってんだ!!早くしろよ!!」

日比谷が俺をせかす、、、うるせー野郎だな、、、初心者のくせに、、。

<そんなこと言われたってこんなカードじゃ、、、、あ。>

三瀬は目を見開いた。おとり人形のテキストを何度も黙読しなおした。














おとり人形 通常魔法

裏側表示の罠カード1枚を強制発動させる。
発動タイミングが正しくない罠カードだった場合その効果を無効にしてそのカードを破壊する。
効果発動後このカードは墓地へ行かず、デッキに入れシャッフルする。



「フフフ、、、いいカードを引いた!!」

三瀬は自信に満ちた顔で東出を指差した。

「これで俺の勝利が決定した!!はーっはっは!!俺はカードを1枚伏せ、魔法カード おとり人形 を
発動!!」

すると、不気味な人形の力により、伏せていた罠カードが強制的に作動する。

「いでよ!!神スライム!!」

三瀬の伏せたメタルリフレクトスライムがカードから飛び出した。

東出は予想外の展開に驚愕の表情を浮かべた。

「ん、、んなアホな〜〜〜!!」

「フ、、強制発動させるってことは自分の伏せたカードを強制発動してもいいってことだよな?
メタルリフレクトスライムは発動タイミングを問わない罠カード、、普通は1ターン待たないと
発動できない罠カードも、このカードを使えば発動できるぜ!!」

<神様ありがとう〜〜〜〜!!>

「行くぜ!!突然変異発動!!メタルリフレクトスライムを生け贄にサイバーエンドドラゴン
特殊召喚!!俺の魂のカードだ!!」

ソリッドビジョンの光が溢れ出し、三つの頭を持つ巨大な機械竜が姿を現した。

「く、、!!だが俺のライフは3800!!サイバーエンドで攻撃されてもライフは2300残るぞ!!」

東出が歯軋りしながら三瀬に叫ぶ。

「はーっはっは!!すごいぞ〜〜!!かっこいいぞ〜〜!!サイバーエンドドラゴン!!
俺は罠カード破壊輪を発動!!行くぞ!!必殺エターナル・エボリューション・ダイナマーイツッ!!」

「待て、、すごいぞ〜!!かっこいいぞ〜!!って言ってた末にそれかよ!!」

日比谷がツッコミを入れるが三瀬はそんな事を聞いちゃいない。

魂のカードを平気で破壊輪でぶっ壊す男、、、見た目は子供!! 頭脳は海馬以下!!
その名は三瀬 正和!!所詮はカードは捨て駒か!!

「だ〜〜〜れが子供だ!!俺はもう16歳だ〜〜!!ってことで吹っ飛べェェェ!!」

サイバーエンドドラゴンの首が爆発し、三本の首がさらに空中分解を起こして大爆発を起こした。

ドンガラガッシャ〜〜〜ンッ!!

「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!」

東出が大げさに吹っ飛んだ、、ソリッドビジョンなのによ、、。

三瀬LP5500→1500

東出LP3800→0

「そこまでや、、一戦目の勝者はアンタらや。」

「よっしゃ〜〜〜!!さすが三瀬だぜ!!」

東出は驚きすぎて気を失っていた。

「もう次は負けられへんな、、、ワイが行こうか、、。」

土屋が立ち上がり、デュエルディスクを左手にはめた。

「二戦目の相手は誰や?」

日比谷が勢いよく前に出る。

「ようやく俺の出番か、、、!!」

「日比谷。俺の頭の中ではお前と俺の勝ち点2が勝利の基準になってる。負けるなよ。」

三瀬はデュエルディスクを日比谷に渡した。

「そういえば日野は?、、さっきからいないけど?」

三瀬が辺りを見まわす。

「あぁ、、茜ならあっちでデッキ構築してる。」

「え〜っと、、これはこれでこうだから、、、、こうね、、、。」

「、、、フ、、なんだかんだ言ってやる気満々じゃねえか。もしかしたらお前より強いんじゃねェ?」

「何?バカにするなよ。これでも俺はデュエリスト歴4日だからな!!」

、、、、初心者ってことか。

「ところでさ三瀬。」

「なんだ?」

「これどうやって操作するの?」

日比谷は適当にデュエルディスクのボタンを押す。

ウィィ〜〜〜〜ン ガチャ 、、、ボコッ!!

、、、、ボコッ!!

デュエルディスクから飛び出したモンスターカードゾーンが日比谷の顎に直撃した。

「痛ッてェーーー!!なんだこりゃ?こういう武器だったのか!!」

「武器じゃねえ!!そこがカードを置く場所だ!!」

「どうやら初心者のようやな、、、。」

土屋は手慣れた手つきでデュエルディスクを起動する。

「行くぜ!!デュエル!!」




日比谷 LP2000
土屋 LP8000













「何ィィィ〜〜!!俺のライフがもう2000に!!」
日比谷は驚愕の表情を浮かべた。

「く、、、これが世界の実力か、、、。」

「、、、まだ何もやっておらへんけど、、。」

土屋は目を点にして言った。

三瀬があきれて溜息をついた。

「お前、、ライフ設定ボタンいじったな、、それはジュニアルールのライフや。」

「あっ、、、そうか、、じゃあ、、、。」

「その小さいボタンを二回押してみろ。」

日比谷はデュエルディスクの側面にある小さなボタンを押した。

日比谷LP2000→4000→8000


「よし!!気を取り直してデュエル!!」

















日比谷LP1800
土屋 LP8000










「何ィィィ〜〜!!俺のライフがもう1800に!!」
日比谷は驚愕の表情を浮かべた。

「く、、、これが世界の実力か、、、。」

「、、、まだ何も攻撃とかしておらへんけど、、。」

土屋は目を点にして言った。

三瀬があきれて溜息をついた。

「まだそんなカードを入れてるのか、、、いいかげん抜けよ、、。」






日比谷

手札3枚



フィールド上

地雷蜘蛛2体攻撃表示  早すぎた埋葬




土屋

手札4枚

フィールド上  羊トークン2体守備表示







続く!!



〜第10話〜  約11ヶ月の時を超えた決闘者達

日比谷と土屋は睨みあったまま動かない。

日比谷LP1800
土屋LP8000

日比谷

手札3枚



フィールド上

地雷蜘蛛2体攻撃表示  早すぎた埋葬




土屋

手札4枚

フィールド上  羊トークン2体守備表示




日比谷はこの場の打開策を考えていた。
いままでにないほど考えていた。

睨みあったまま、、秋から冬になり、、春が来て、、夏が過ぎ、、、、。
また秋がくるぐらいに、、、。

そしてその答えが出た。




















「異次元の生還者でダイレクトアタックや。」

土屋はあきれたような、疲れたような口調で攻撃宣言をした。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜ッ!」




日比谷LP0



「ま、、、負けた、、、。何もできなかった、、。」

日比谷はしばらく呆然としていた。
敗北の二文字が脳裏から離れない。次の日野と椎名のデュエルを見る余裕すらなかった。
勿論初心者が玄人のデュエリストに勝てるほどデュエルの世界は甘くない。
日野もあっけなくLPを0にされてしまった。

「話にならへん。ワイらは帰るで。」

土屋ら三人はその場を去った。東出は一人だけ負けたのがくやしいのか苦虫を食ったような顔をしていた。

日比谷はまだボーっとしていた。

「日比谷。帰るぞ。」
三瀬が促すが反応しない。

「仕方ないわよ。あの人達、相当強いデュエリストみたいだし、、。」
日野が慰めようとするがその言葉は日比谷の右耳から左耳へと抜けていった。




「、、、、、、ェんだよ、、。」


日比谷は呟く。

「えッ?」
三瀬と日野は顔を見合わせる。










「作者の更新が停滞しすぎなんだよーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッ!!!!」



約11ヶ月長らく待たせました。ホント申し訳ないッス;byセル


「先に戻っててくれ。」
日比谷はぼそりと弱い口調で言った。

「でも、、、。」

「先に戻ってろって言ってんだろ!」

日比谷の強い口調に日野はびくりとした。

三瀬は頭を掻いた。
「だめだ。こいつは重症だ。しばらくそっとしておこうぜ。」

三瀬と日野はデュエルスペースから出た。

日比谷は黙り込んでいた。





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



1ポイントもライフを減らせなかった、、、。

あれほど三瀬がむやみに使うなと言っていた地雷蜘蛛を使って自滅して、、。







カッコ悪いじゃん俺。

デュエルスペースでは他の人達がデュエルをしていた。
とてもハイレベルすぎて日比谷には全くわけがわからなかった。


今すぐにここから逃げたい、、、絶対俺は足手まといになっちまう。
無様な敗北をする羽目になるにきまってる。
三瀬には悪いが、俺にはN&Wはやっぱ無理だ。
勝てるわけがねェ。相手は何年ちかくもやってきたデュエリストばかりだぜ?

トイレの鏡をみて、自分の冴えない顔と対面した。


まだはじめて一週間たらずの俺が勝てるわけねぇよ。


帰ろう。無理だ。勝てる気がしねぇ。


日比谷があきらめかけたその時。




グサッ!!



懐かしい痛みが左足から伝わってくる。



「いってぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!」


日比谷は悲痛の声を上げた。足元を見ればいつぞやかのニードルワームがいた。

「てめぇ!!いてぇじゃねえかこのヤロウ!」
日比谷が罵声をあげるとまたグサリと腿を刺される。

「、、、、、、ッ〜〜〜〜!!」

声にならない悲鳴を上げて日比谷は悶絶する。

「この大バカが。なに勝手にこっちの世界を夢にして終わらせてんだよ!?」

痛い、、、くそ、、。だけどこいつとは縁が切れた。もう俺はデュエリストじゃないんだ。
このまま帰ってその後は、、、、その後は、、、。


「おい。聞いてんのか!?」

ニードルワームが叫ぶ。

「うるせぇな。消えろよ。俺はもうN&Wはやめたんだ。」

その言葉を聞いてニードルワームは驚愕の表情を浮かべた。

「テメ、、、何言ってやがる?」

「聞こえなかったか?やめるっつってんだよ。テメーにはもうウンザリだ。
N&W?所詮カードゲームだろ?いつか飽きる時がくる。
パック買ったりデッキ構築したり、カード交換とかデュエルして何になる?
結局飽きて気が付いたときゃ何にも残らねぇんだよっ!!」

グサッ!!

「ッ〜〜〜!!」

今までとの比にならないほどの痛みが全身を駆け巡る。

「ぐああッ!!」
日比谷は呻き声を上げた。

「てめえはまたそうして逃げるのか?」


「、、、、、、、。」











「てめえはまたそうやってなにかに行き詰まったら逃げるのかって言ってんだよ!!」

グサ!

右腕に痛みが走る。

「人生楽ばかりじゃねえ。苦だってある。ましてや考えてみろ。テメエは初心者。
ポ●モンカードかN&Wのカードかさえわからねえヒヨッコ中のヒヨッコだ!
何年もやってきた中級、上級者にすんなり勝てるわけねぇだろッ!身の程を知れ!
だけどな。勝つだけ強くなる手段じゃねぇんだ。負けることだって大事なんだよ。
勉強だってスポーツだって、、やってれば必ず行き詰まることは誰でもある。
デュエルに勝てない?ボロ負けしたからやめるだ?
調子こいてんじゃねェ。
今回負けてわかったことがあるはずだろ?」



「地雷蜘蛛をむやみに使いすぎた、、。」

日比谷はぼそッと呟くとグサリと左腕に痛みが走る。

「それだけわかりゃ十分だ。テメエはさっきの惨敗でもレベルアップしてんだよ。
野球やってたテメエならわかるだろ?アウトは言い換えれば失敗した数だ。
たった一試合で最低27回も失敗するスポーツなんだぜ?
プロだって凄い打者でも3割成功で残り約7割は失敗してる。
投手だって0点に抑えることもあるし、一気にたくさん点を取られてノックアウトすることもある。

だからやつらは試合後に何が悪かったかを考える。
次の試合どうするかを考える。
失敗を少しでも減らそうと努力する。」

グサリっ!

左腕に痛みが走る。

「そこで負けたテメエはどうした?
デッキ構築しなおそうと考えたか?
ここはこうすべきだったと考えたか?
これをバネに次は絶対勝ってやろうと思ったか?
デュエルに勝てないからって何もしないでふて腐れて、、それで勝てないからやめるだって?
俺からしてみりゃそんなのくそガキの甘えにしか見えねえな。」

グサリっ!
右足に痛みが走る。

「俺にはテメエが必要なんだよ。カオスだって前よりもやばくなってきている。
それをなんとかできるのはテメエだけなんだよ。
テメエが投げ出したらカオスはどうなる?
てめえはそんなに簡単に切り捨てる奴なのか?
夜遅くまでデッキ構築の思索にふけっていた時の情熱はどうした?」

胸の辺りが押しつぶされたように痛い。
ニードルワームに刺されたわけではない。
何か、、ふつふつといろんなものが込み上げてくるような感じだった。




日比谷はうなだれていた顔を上げた。

「じゃあ、、、俺はどうすりゃいい?」

ニードルワームは頷くと、日比谷の足元にぽっかりと穴が空いた。

「ヘっ?」


日比谷はそのまままっさかさまになって穴の中へ落ちていった。

「またこのパターンか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」



日比谷は叫んだ。もうN&Wをやめたいという気持ちはいつの間にか無くなっていた。
「今度は逃げないぜ!」

〜第10話〜  約11ヶ月の時を超えた決闘者達   終



第11話−再びカオスへ、、。−

気が付けばそこはいつぞやかの病院の病室だった。
腕にはデュエルディスク、デッキには4枚のカードがセットされている。

自分が一度投げ出して見捨てた世界。
日比谷は自分がこの世界は夢だと逃避したベッドに目を見やる。

日比谷は自分がそんな力があるのかどうかも疑わしいが、
今度こそ、最後まであきらめないでこの世界を救おう。と拳を握り締めた。

大きく深呼吸をして扉を開けた。



扉の向こうの光景を目の当たりにした日比谷は目を疑った。
壁は所々焦げ、廊下には瓦礫が散乱していて、天井や床には穴が空いている。

「、、爆弾でも落ちたのか?」

「あぁ。お前がこの世界から逃避していた間に町が何者かによって襲われたのさ。」

「く、、そうか。、、、、、ってえぇっ!?」
日比谷は辺りをキョロキョロと見渡して先程の声の主を探す。
「どこを見ている?ここだ。俺はここにいる。」
また同じ声が聞こえた。
「え、、?どこ?」

「ここだ。ここ。」

声は聞こえるが姿は見えない。声からしてかなり近くにいるみたいだ。
天井をみてもいないし先程の部屋の扉越しにしゃべっているかと扉を開けて部屋をみても誰もいない。

するとさっきの声が少しいらだった声で聞こえた。

「お前の目は節目か?ここにいるっての。」

「いやいやいや、、、いるって言われてもどこにもいないじゃん。いい加減姿をあらわせよ。」

すると気のせいだろうか?近くで殺気を感じる。







「ここだっつってんだろボケェ!頭くりぬいて脳みそ掻き出すぞ!?」

グサッ

右の太股に痛みが走る。
「ぐぁぁぁ〜っ!」
日比谷は断末魔の叫びをあげた。
足元をみればニードルワームがいた。
「何も刺すことないだろ!」
「さっきのボケは無性にムカついたんだよ。」
「ったく、、小さくて見えなかっただけなのによ。」






プチンッ
「プチンッ?」








「誰がチビじゃコラァ!」


グサグサグサッ!





「UNOOOOOOOOO〜ッ!」






先生〜ここに空気の読めないヤツがいます。
ちなみにニードルワームの体長は20センチ。全長50センチ程。
「こ、、殺す気か!めちゃめちゃ痛ェんだぞっ!」
「シっ!待て、、誰かくるぞ。」
ニードルワームは臨戦態勢に切り替え警戒する。
階段を上がる音が聞こえる。音からしてかなりの人数。



コツ、、コツ、、。



「まだ人がいたのかよ、、もう誰もいないかと思ったぜ。」
兵士のなりをした男が数十人階段から上がってきた。
しかし、、格好は兵士でもとてもガラの悪い男ばかりだった。
下品な笑いを浮かべているヤツもいれば、唾を吐いて睨みつけてくるヤツもいる。
人相は全員見事な犯罪者顔。 兵士のなりをしたチンピラと言ったところか。
「おい小僧。金目の物を置いていきな。置いていかねぇと、、わかってるな?」
日比谷は別に驚かなかった。

そもそもしょっぱなから上級生の不良達をドロップキック等で叩きのめす男がすんなり金を渡すわけがない。
日比谷はデッキからカードを一枚ドローしてモンスターカードゾーンにおいた。


すると、目の前の床から光があふれだし、ゴブリン突撃部隊が現れた。
突撃部隊って言っても三人だけど;

「喧嘩上等ォ!」

日比谷はパキポキと指を鳴らした。

「よせっ!将太!頭数からして明らかにこっちの方が不利だっ!」
ニードルワームはあわてた様子で日比谷をおちつかせようとする。

するとチンピラ兵士達はどっと笑いだした。

「ガハハハ、、馬鹿か?こっちは24人いんだぞおい。たった5人でやろってか?
寝呆けるのは布団の中だけにしろよ小僧。
まぁこれから連れてってやるのは布団の中じゃなくてあの世だがな、、。
ぐっすりどころかずっと永眠できるぜぇ、、寝呆ける以前に起きずに済む、、悪くない話だろォ、、。」

すると日比谷はフッと鼻で笑う。
「へらず口は今のうちに叩いとけ、今の俺はすっげぇムカついてんだ。
俺に殴られるバッドトリップを毎晩見るくらいに叩きのめしてやるぜ。」
日比谷はチンピラ兵士に向けて中指を立てた。

「おい、、将太、、。勝つ見込みはあるのか?」
ニードルワームが日比谷に聞く。

すると日比谷は自信に満ちた顔で













「カオスで死んだら生命保険っておりるのかな?」








しばらく辺りがしーんとした。





「、、、、。」








「何死んだ後の心配してんだ!そんなたのもしい顔で半ばあきらめてるようなこと言ってんじゃねー!」

「こんのガキ、、ふざけやがってっ!」
チンピラの一人が日比谷に殴りかかる。

「っ!?」

チンピラは足に何かが当たった感覚がした。

いつのまにか日比谷が足払いをかけていた。
殴りかかる勢いが空回りし、チンピラはバランスを崩し床にずっこける。
チンピラは何が起こったのかさっぱりわからなかった。

顔を上げるとそこには日比谷の靴底が。
「がはぁ!」

顔を踏み付けられたチンピラは顔を抑えて悶絶する。


「てめっ!生きてかえ、ぶっ!」
二人目のチンピラの台詞が言い終える前にハイキックをこめかみにくらい倒れる。

ニードルワームやゴブリン突撃部隊もほかのチンピラと激突する。

「く、、強ぇぇ!、、このガキ人間か?」


バキッ!ボコッ!



「あわてんじゃねぇ!相手はたった5人だ!一度に3人ずつかかれぇっ!」




ドキャ!ドキャ!バキャ!ベキッ!ボカッ!



「ぐあぁ、、お、、俺達が悪かった!み、、見逃してく、、ごはぁ!」





バキッ!ゴスッ!グシャ!




「た、、助け、、っ」




ボコッ!ボカッ!バキャ!バタンッ!




「ふぅ、、片付いた。」
日比谷は大掃除を終えたかのようにパンパンと手を叩いた。

その瞬間。

バタン。

「バタン?」

ニードルワームは間の抜けた口調で言った。

突然日比谷が倒れだした。

「おい!将太っ!」

ニードルワームとゴブリン突撃部隊は日比谷に駆け寄る。




第12話−いったいどこへ向かってるのこの小説−

「将太っ!しっかりしろっ!」




ニードルワームは叫んだ。しかし日比谷はぐったりとして動かない。


するとまた下の階から足音がした。

再びニードルワームとゴブリン達の体に緊張が走る。



懐中電灯の光が日比谷達を照らす。


「なんだあんたか、、。」
ニードルワームはほっと息を吐いた。

懐中電灯を持った小柄で羽根の生えた白衣の女性が階段から上ってきた。


ドーピングで精神崩壊を起こしていた日比谷に巨大な注射をうった看護婦である。

「これはいったい、、。」

女性は驚いた表情で折り重なって気絶しているチンピラ達と倒れている日比谷を見た。

「、、緊急の簡易病院が外にあります。怪我人を運んでください。」
女性の指示に、ニードルワームとゴブリン達はうなずき、怪我人を抱える。
気絶しているチンピラを叩き起こし、まだかろうじて動ける者は動けそうにない仲間を抱える。
女性に先導されて計28の影が夕焼けの町を歩く。
外は病院内と同じくまるで爆弾をぶっぱなしたかのように町の建物が破壊されている。
日比谷が自分がこの世界から逃避している間にこんなことになってると知って自己嫌悪に陥らないことをニードルワームは祈った。
あの時の光景は凄かった。
一刻も早く日比谷を連れ戻したかったが、当時の病院院長であるDrコザッキーに医療費を催促され、払ってからでも遅くはないと思ってゴブリン達と共にバイト等で金を作った。
こちらの世界と違って医療もビジネスの一環となっている。
医療費を支払い終えて現世へ行こうとしたその時、 突然連続していたる所から轟音が響いた。
振り向いた時にはすでに町は変わり果てた姿になっていた。






見えない。何も見えない。




物凄い煙がたちこめ、人々の悲鳴や罵声が響く。
人々〈モンスターも含む〉は爆発への恐怖と混乱によって我先へと逃げ出す。
あまりに町の出口に人々か殺到したため、行列がドミノ倒しになってしまった。
爆発の建物倒壊と人々の混乱によるトラブル、二次災害で死者や怪我人がたくさん出た。
日比谷は果たして救世主としての重荷に耐えられるだろうか?
そうこう考えてる内に病院、、というよりテントといったところか。

中に入れば粗末な布団にたくさんの患者がいた。


痛みに苦しむ者、気分を紛らわそうと他の患者と話をしている者など様々。


しかし、テント内の患者の顔色はみんなあまりよくない。

無理もない。

十分な食料もないし、荒れ地の中にあるこの町の朝と夜の気温差が激しく、昼間は蒸し風呂のような熱さで汗だくの不快感に見まわれ、毛布一枚では厳しい寒さに襲われる。

体調を崩さない方がおかしい。
院長のコザッキーが行方不明な今、患者を支えているのはわずかな看護士、看護婦達とボランティアで手伝っている協会の尼さん。
「リリーさん。随分たくさん連れてきましたね。もう患者を寝かせるスペースがありませんよ。」
一人の看護婦が日比谷達を連れてきた女性に言った。
「私たちはまだ健康ですから新しいテントが建てられるまで彼らに私達のベッドを使わせましょう。それよりも患者の手当てが先です。」

リリーはすぐに治療に取りかかった。チンピラ達は軽い怪我だったのですぐに治療が済んだ。



しかし日比谷は、、。



手足が痣だらけで青く腫れていた。あれだけ多人数と喧嘩をして無傷なわけがない。
「大丈夫ですかね、、。」
ニードルワームは相変わらずぐったりしている日比谷を見てリリーに聞いた。
「それよりも深刻なのは、、魂のバーの消耗ね。あなた達のダメージは彼も受けるから。
かなりのバーを消耗してるわ。」
つまり、ニードルワームやゴブリン達がチンピラから受けたダメージも日比谷の体に蓄積されていることになる。 リリーはしばらく休めば大丈夫と言うことで、痣に湿布を貼り、ゴブリン達が日比谷をベッドへ寝かせた。





その日の夜はとても寒かった。




「う〜寒っ!」

ニードルワームとゴブリン達はガタガタと震えていた。
リリー達からベッドを借りたが、まったく寝れる環境ではない。
リリーら看護婦達は患者達の様子を見に行っている。
その時、何かがベッドの横を通りすぎた気がした。


ニードルワームとゴブリン達は目を見合わせる。


黒い影はウネウネと地を這うようにして動き、部屋の外へ出ていった。
「なんだ?ありゃ。」

ニードルワーム達は黒い影の後を追う。 黒い影はテントの外へ出た。
ニードルワーム達も続いて外に出る。
「ひょえ〜〜〜〜」
氷点下に近い夜の荒れ地の空気が体中に突き刺さる。黒い影は隣のテントへと入っていく。
「あそこはたしか食料庫だな。」
ニードルワームとゴブリン達はテントの中をのぞいてみた。

「!?」

黒い影はテントの食料を手当たり次第にむさぼりくっている。
「コラァ!何してやがる!?」
ニードルワームが叫ぶと黒い影は一瞬びくりとしたが低い声で笑いだした。
「何がおかしい!?お前の逃げ場はないぞ!」
テントの入り口はゴブリン達がたちはだかっている。
「あん?誰に向かって口聞いてんだ?この真夜中の帝王 サイレントアビス様を貴様等のような下級雑魚共が捕まえられると思ってんのか?」
黒い影は鋭い目を光らせニードルワーム達を威圧する。
その形はまるで大蛇。ニードルワーム達は一歩後退する。
「俺もそこまで極悪じゃねぇ。見逃せば何もしない。そこをどけ。邪魔だ。」

ドスの効いた低い声を発する黒い影。

「どけっつってんだろチビ芋虫が。丸呑みにするぞ。」
その言葉によってあたりの空気が一瞬にして変わった。









「俺の知り合いの受け負いだけどよ、、。」






そして堪忍袋の緒が切れる。




「喧嘩上等ォ!」



ニードルワームは黒い影に飛び掛かる。
ゴブリン達もそれに続く。



「ばかめ。俺様のレベル7。貴様らレベル4以下の下級モンなんぞに、、」


















バキッ!グサッ!







「ぐおっ!?」






計3050ポイント相当のダメージが黒い影を襲う。

あっけなく黒い影は袋叩きにされる。








バキッ!ボカッ!グサッ!







「ぎにゃゃゃゃああああぁぁ〜!!」







「、、、けっ。何がレベル7だ。攻撃力2000でよくそんな口が聞けるな。」

ゴブリン達がタコ殴りにする。


ボコ! バキ! バコ!



「サイレントアビスとか言って名前負けにも程があるぞコラァ。」


ニードルワームの怒涛の突きラッシュ。








グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサッ!


64HITッ!!


Silent Abyss 水属性 
★★★★★★★
ATK2000 DEF1500
爬虫類族 効果
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
フィールド上に表側表示で存在する水属性モンスター以外のモンスターを全て破壊する。



「格好つけて名前だけ英語にしてんじゃね〜〜〜ッ!!」




グサッ!







「、、、どうするよこいつ?」

ゴブリンの一人が御用になって縄で縛られたサイレントアビスを見る。
「ひぃっ!何でもする!たのむから許してくれ!」













「そりゃあもう決まってんじゃん。」




ニードルワームが即答する。










rinti
私刑に決まっとろーがっ!














「大変だ〜っ!また奴が来たぞ〜〜!!」




「っ!?」

ニードルワーム達は手を止め、顔を見合わせる。

「ちっ、、、今こんなことやってる場合じゃねえな。行くぞっ!」
ニードルワーム達は外へ出ていった。









テントに取り残された縄で縛られたサイレントアビスは、、。

「、、、、、ちょ、俺このまま?俺そんな趣味ないぜ!おーいおーい!誰か〜〜〜〜ッ!!」








ニードルワーム達は人々の集まっているところへと向かう。

「皆さん落ち着いて!大丈夫ですから!」
リリー達がパニック状態の患者や民達を落ち着かせる。


「何があったんだ?」
ニードルワームがリリーに聞く。

「町の北はずれに町を襲った兵器が現れたんです!
あなた達も早く避難して下さい!」


「リリーさん。」
「、、、なんです?」
「日比谷が起きても安静にさせておいて下さいよ。無茶なヤロウですから。」

ニードルワームはゴブリン達を見る。
ゴブリン達は何かを理解したようにうなずき、歩き出した。

「ちょっと! 何処へ行くのです!?そっちは危険です!」

「なぁに、、ちょっと暴れてくるだけですよ。」

ニードルワームとゴブリン達は北に見える巨大な影へと向かう。
リリーは止めようとしたが、患者達がパニックになってるので止める暇がなかった。


「ったく、、俺もいつからこんな無茶なヤツになったかな、、、。」
ニードルワームとゴブリン達は巨大な兵器の前に立つ。

「な〜におもしろそうなことやってんだ?俺達もまぜろよ。」

ニードルワーム達が振り返るとそこには先ほどのチンピラ達が立っていた。

どの顔にもところどころ湿布やらガーゼが当てられている。

「俺達もあのガラクタには借りがあるんでな。丁度いい機会だ。」

ニードルワームとゴブリン達は口元を緩ませた。

「、、、、どうなっても知らねーぞ。」



巨大な影がどんどん近づいてくる。



「行くぞッ!!」
「野郎共!あのガラクタをぶちのめすぞ!!」












◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

気がつけば担架で運ばれていた。

「ここは、、。」

日比谷は目を覚ました。
辺りをみると荒地だらけで、少し遠くに町が見える。

爆音が響く度に町に煙が舞う。


「気がつきましたか?」

そこには白衣の女性がいた。ドーピングの副作用の時に世話になった、、たしかリリーだっけ?

「いったい何が起こってるんです?」

俺はリリーさから全てのことを聞いた。



「行かねェと!!」

俺が担架から飛び出そうとするとリリーが叫んだ。

「駄目ですッ!」


グサリっ!


日比谷の右腕に何かが刺さった。
「へ、、、、?」
日比谷はおそるおそる右腕を見た。


そこには巨大な注射器が、、。






NOOOOOO〜ッ!

またこれかぁぁぁぁぁぁ〜ッ!






続く!



第13話−そういや2話連続でデュエルしてねぇよ。−

なんとか爆弾をかいくぐり、ニードルワーム達は巨大兵器の近づくことに成功した。
巨大兵器のボディは奇妙なものだった。
顔らしき部分にメガネをかけていて右腕にハンマー、左腕はドリルのようなものを装備している。
胴体は球を半分切った感じでキャタピラで動いている。
そして何よりも気になるのが所々ガムテープのようなものが貼ってあったりボディから電線が飛び出したりしていた。
その機体は、まるで誰かをシンボル化したようなデザインだった。
ニードルワームはそのデザインからある一人の人物が脳裏に浮かんだ。

「Dr.コザッキー、、まさかあんたが?」

巨大兵器からアナウンスが流れだした。

「フフフ、、今頃気が付いたのかね?あの救世主はあのまま舞台からご退場願うつもりだったが、、また戻ってくるとはな、、君たちになんの恨みもないのだが、、あの御方の命令でね、、悪いがここで死んでもらおう。


、、それにしてもあの爆発を恐れずにこの私に挑んでくるとは、、バカというか無謀というか、、。」

「うるせェッ!そんなポンコツぶっ壊してやらぁ!つーかなんだその悪趣味なメカは?
そこらのガキンチョが部品無くすやら接着剤つけすぎるやら失敗しまくったけどとりあえず完成したガンプラみたいじゃねえか!」

「君の例えるものの微妙さのほうがどうかと思うが、、。」

「じゃあわかりやすく言ってやる!てめえの図画工作の腕は5段階評価の欄に斜線引かれるくらいなんだよ!」


ちっともわかりやすくなってない例えを叫ぶニードルワーム。


一瞬アナウンスが途切れ静かになった。



「これは予算の都合上だ!決して私の技術不足ではないっ!私の研究成果をポンコツ呼ばわりするとは、、君の頭の構造を観察したいものだ。どうする?束になってかかってもこのウェイトの差だ。命が惜しければ今のうちだぞ。」


さっきの微妙な沈黙はなんだったのだろうか?ってのはおいといて、、。


巨大兵器の高さは三階立てマンションぐらいあった。たしかにウェイトの差は歴然としている。


「ちっ!デカけりゃいいってもんじゃないぜ!」


ニードルワームは先端の針をドリルのように回して巨大兵器に特攻をしかけるべく飛び込む。



「ぐわっ!」


しかしその攻撃もむなしく巨大兵器の左手に叩き落とされる。


ゴブリン達が棍棒で殴りかかるがいくら殴っても傷一つつかない。


「ガードが固ェ!」


「あきらめるな!気合いをいれろ!」

チンピラ達が束になって突撃する。


巨大兵器はハンマーを振り下ろす。


「やばっ!に、逃げろぉーー!!」


チンピラ達は散々になってその場を離れた。


ハンマーが地面に衝突し、轟音と共に激しい砂煙が舞う。




「あんなん食らったらひとたまりもねぇぞ!」




激しい砂煙で視界がみえない。 ふと目の前に現われるハンマー。




ニードルワームは紙一重で横へ転がる。


「ちぃ!この暗さで砂煙だってのに見えるのかよ!」



途切れることのないハンマー音。
砂煙は一向におさまらず、視界をさえぎられたニードルワーム達は相手の攻撃を避けるのに精一杯だった。


一度距離をとって作戦をたてようとも考えたが、相手が爆弾を発射できることを思い出すとやめた。


これだけ接近してるからこそ相手は爆弾を使えないのだ。
この距離で使えば使った自分も巻き添えを食らう。
しかしこの距離はハンマーの射程距離になっている。
かと言って距離を取れば爆弾の餌食になるのがオチだ。


「こっちは飛び道具がないからな。遠距離で戦うよりかはましか。」


「フハハ、、このGコザッキーの前では貴様らなど虫ケラにすぎんわ!」


はっきり言って不利だ。圧倒的に不利すぎる。



こちらは接近戦ですら相手にダメージを与えられないというのに相手は接近戦と遠距離戦両面を得意としている。

そしてこの砂煙。相手からはこちらが見えてこちらからは相手がよく見えないのは大きい。


「ははははーっ!どうしたどうした!?さっきの威勢はどこへ行ったぁーっ!」


気味の悪い笑い声がアナウンスになって響きわたる。


「ちっ!、、、どうすれば!」 ニードルワーム達はひたすらハンマーをよけ続けるだけの防戦一方となった。




するとその時、




「ぐふぅっ!」







Gコザッキーの足元から水が吹き出した。









「な、、なんだぁ?」







そこにいた誰もが驚愕した。










水といっしょにでてきたのは放置プレイ同然状態だったサイレントアビスだった。


「な、、。」


なぜてめぇが?と言おうとしたニードルワームはさらに驚き言葉を失った。





サイレントアビスの頭上に見慣れた少年が、、。







「将太っ!」




「この俺をさしおえて何おもしろいことやってんだ。」



日比谷はサイレントアビスから降りて地面へ着地する。




「、、つかなんでてめぇが!?」


ニードルワームがサイレントアビスに怒鳴る。


「あれだ、、利害一致ってヤツ。あいつには俺様のシマを荒らしたかりがあるからよぉ。
放置プレイから解放してくれた礼もあるしな。この小僧には。」



相変わらず威厳のある低音。しかしその攻撃力をみればみかけだおしとしか言いようがない。





「おのれェェエ、、虫けら共が〜っ!」




アナウンスから逆上した呻き声が聞こえ、Gコザッキーは反撃にうつろうとするが、、。









バキバキッ!







ガムテープがはがれてたくさん部品が落ち、ハンマーがポロリと落ちた。






「ば、、馬鹿な、、私の最高傑作がッ!?」




「欠陥商品の傑作な。」

ニードルワームが皮肉たっぷりに言って目の前で兵器が崩れ去る様子をみていた。







ガラガラガッシャーンっ!






とうとう跡形もなくなり、部品の山から細い腕が出てきた。



「ぐふっ!、、おのれ、。」




白衣は汚れ、メガネはヒビだらけのコザッキーがよろけながら立ち上がった。







「さぁ、、観念しやがれ!」

チンピラ達はパキポキと腕を鳴らしながらコザッキーに近づく。

「おのれ、、日比谷将太、、っ!この身滅びようとも、、貴様の命だけは、、、っ!」


よくみるとコザッキーの右腕にはデュエルディスクが付いていた。

そしてコザッキーはデッキからカードを一枚引き、ディスク側面のスペースを引き出し、そのスペースにカードを置いた。



「フィールド魔法『カオス・デスペラード発動!』 」




その瞬間、コザッキーの足元から紫色に輝く怪しげな魔法陣が放射状に広がる。



カオス・デスペラード    フィールド魔法


デュエル前に発動可能。魔法陣内のプレイヤーは強制的にデュエルを行なう。
ライフが0になったプレイヤーは魂を失う。
このカードのコントローラーがコントロールするフィールド上の全モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

収録パック???  レアリティ:ノーマル・アンコモン・レリーフ



「、、っ!はんなりと恐ろしいこと書いてあるんですけどッ!ぜってー禁止カードだ!こんな違反的な効果!」


日比谷はカオス・デスペラードのテキストにいちゃもんをつける。


「デュエルなんぞしなくても俺たちがボコボコにしてやるぜっ!」

チンピラ達がコザッキーに殴りかかろうとしたが、
コザッキーの周りに薄い膜のようなものが現われチンピラ達を弾き飛ばす。



「ぐわぁっ!」


チンピラ達は吹っ飛ばされて地面に叩きつけられる。


「無駄だ。このカードがあるかぎりデュエルはとめられないのだよ、、、っ!」


コザッキーは恐ろしい形相で不気味に笑った。


「将太、、っ!こりゃやるしかないみたいだぜ。」


ニードルワームは日比谷の方をみると、、。





「決まってるじゃねーか。」








日比谷はニードルワームを見てこくりとうなずく。

























「、、、、。」





















「将太?」












日比谷の顔は引きつり、膝が踊りまくっている。


























やがてガチガチと全身が震えだした。





















「冗談じゃねぇ!たかがカードゲームで命落としてたまるか!しかもこんな場所で死にたくなぃぃ〜っ!」















日比谷は一目散に逃げ出した。


「てめっ!この期に及んで逃げる気か!」


ニードルワームとゴブリン達が日比谷を取り押さえようとするが、軽快なステップでするりと突破した。

「心配ご無用。」
コザッキーはにやりと笑い、パチンと指を鳴らした。

魔法陣の端に薄い膜が現われた。

「えーい!こんなもの!」
日比谷はなりふりかまわず膜に突っ込むが、
先程のチンピラ達と同様に弾き飛ばされてコザッキーの目の前まで吹っ飛ばされる。

「だから言っただろう。このデュエルは誰にも止められないと。」

「痛ちち、、何のこれしき!」

日比谷は立ち上がり、もう一度逃げようと振り向くと、。


「、、、っ!?」


魔法陣の外側にリリーが唖然とした表情で立っていた。

「院長っ!いったい今までどこにいたのですか!?その残骸はいったいなんです!?まさか、、」

するとコザッキーは冷淡な笑みを浮かべた。


「邪魔だ。失せろ。」
コザッキーの目が光り、リリーはバタリと力なく倒れた。

「っ!?」



「、、鬱陶しい小娘だ。カオスの混乱の際に路頭に迷ってる時に雇ってやっていたんだがな、、
今となれば用済みだ。」


コザッキーはひんまがったメガネをずり落ちないよう手で何回も掛けなおしながら話を続ける。

「医者は損な仕事だよ。こっちが一生懸命やってるというのにあの愚民共は文句ばかり言いやがって、、っ!!そんなやつは実際死んでずっと後悔すればいいと今までどれだけ思ったことか!!」

「それをあの小娘は医療費が高すぎてこれじゃお金のない人が治療を受けられないからせめて1〜3割ほどにしようだの愚民の味方をしおって、、、!」

コザッキーは歯軋りをして拳を震わせる。魔法陣の色は紫色から黒へと変わった。

「何より許せんのは私の治療よりもあいつの励ましの方が患者達の心の支えになっていたことだっ!どんだけ励まそうが病気が治るわけではない、、なのに何故、、何故私の治療時に苦しんでた患者があいつの何の効用もない笑顔ごときが患者を安堵の表情にさせるのだ、、、っ!?」


コザッキーの額には血管が浮き上がっている。


恐らくヒビだらけのメガネのむこうには憎悪のこもった表情が今にも溢れだしそうになっていることだろう。




重く苦しい空気の中、日比谷は口を開いた。






「言いたいのはそれだけか?」







辺りが怖いくらいに静まった。



「なーんかよくわからんゴタク並べてるけどよ。
何それ?独り言か?それとも新しいストレス解消法か?」



日比谷は重い空気に気にせず普段通り緊張感のない口調で話す。

「まぁあれだ。俺もそんなゴタクを理解出来るほど頭の出来はよくないし、、、
これは友達の三瀬ってヤツの受け売りだけどよ、、あんたもデュエルディスク付けてるってことは一応形だけだとしてもデュエリストだろ?」





日比谷はデュエルディスクのスイッチを押した。
カードを置く盤が飛び出し円盤の真ん中に8000の数字が浮かび上がった。








「こいつで全部聞いてやるよ。」






日比谷の体はまだ震えている。
しかし、その震えはもはや先程のものとはまったく違う意味を持っていた。

続く!



第14話ーやっとデュエル、、展開遅すぎ!ー

「俺達も手を貸すぜ!」
チンピラ達は光となってひとつに収束し、一枚のカードとなって日比谷のデッキに納まる。


ならず者傭兵部隊 地

ATK1000/DEF1000

戦士族・効果
このカードを生け贄に捧げる。フィールド上のモンスター一体を破壊する。


一人一殺。単純だが強力なカードである。


「 フ、、おもしろい。俺様も混ぜろよ。」

サイレントアビスも光となってデッキに加わろうとすると、ニードルワームがぼそりと一言。

「いや、お前入ったらデッキ弱くなるから。」


かちん


「攻撃力750の雑魚に言われたくないわっ!」

「テメェなんぞ単体では召喚すらできないワイト以下だろがっ!」

「なんだとっ!貴様の効果なんぞ場合によっては相手に利用されるだけじゃねえかっ!」


「、、、話が進まんから入るならさっさと入れ。」
日比谷はめんどくさそうな口調で言った。
結局サイレントアビスが加わり、その後にニードルワームとゴブリン突撃部隊が加わる。

「デュエルの前に互いのデッキをシャッフルだ。」
日比谷はコザッキーからデッキを受け取り、自分のデッキをコザッキーへ渡す。
その時、コザッキーは眉をひそめた。

「君、、これはデッキかね?」

日比谷のデッキはコザッキーのデッキと比べると明らかに薄い。薄すぎる。

「仕方ないだろ。それだけしかないんだから。」
日比谷はそう言ってデッキをシャッフルし始める。
しかし、コザッキーはそのシャッフル方法をみて、あわてて日比谷からデッキを取り上げた。

「正気かね君!ショットガンシャッフルなんかしたらカードが折れてしまうではないかっ!」
「いや、、これやりたい気分だったし、、
てっきりスリーブ付けてないからそんなの気にしないと思ったんだけど。」


原作の人々はまったく気にしないのだが。折れキズはデュエルの勲章だ!


「、、もういい。私もそのデッキ枚数差でデュエルする程アンフェアではない。
いくつか追加ルールを加えよう。」
追加ルール
●デッキ枚数は6枚〈日比谷の持ってるカードと同じ枚数。〉
●一度でもダメージを受けたプレイヤーは敗北。
●初期手札は0枚
●ファイヤーボール等相手に直接ダメージを与えるカードは禁止。
●ショットガンシャッフル禁止



「つーかこのフィールドカード自体アンフェアだろ?全然説得力ねーよ。」



コザッキーは一瞬黙りこんだ。
「、、ええい世の中細かいことを気にしていてはやっていけん!さっさとデュエルだ!」

デュエル!


日比谷LP8000
コザッキーLP8000

「私の先攻!ドロー!」

<フフフ、、ばかめっ!こっちはデッキ40枚の中から6枚選んだいわば精鋭。
寄せ集めの6枚なんぞには負けんっ!>


「魔法カード!強欲な壼発動!デッキからカードを二枚引く!」


「おいっ!禁止カードじゃねえのか?それ!」
日比谷がブーブー文句を言う。


「カオスに禁止も制限もへったくれもない!勝てばいいのだ!」

「アンフェア過ぎるぞコノヤロウっ!」
コザッキーは日比谷の罵声を無視してカードを二枚ドローする。

〈ヤツのデッキ内容は既にシャッフルの際に把握済みだ、、。

サイレントアビス
ゴブリン突撃部隊
ニードルワーム
ならず者傭兵部隊
ドーピング
天使の施し

私の手札にあるこの二枚のカードを使えばヤツに太刀打ちできるカードはない!〉

「私は永続魔法、『コザッキーの研究施設』を発動!」

コザッキーの研究施設 永続魔法

このカードが存在するかぎり、自分フィールド上の「コザッキー」と名の付くモンスターは
魔法・罠・モンスターの効果によって破壊されない。

「そしてもうひとつのカード!もうわかるだろう!Gコザッキーを攻撃表示で召喚!」

Gコザッキー 闇★★★★

ATK2500/DEF2400
悪魔族・効果
フィールド上に『コザッキー』が表側表示で存在していない場合、このカードを破壊する。
フィールド上に表側表示でこのカードが破壊された場合、
その時のコントローラーにこのカードの元々の攻撃力分のダメージを与える。


コザッキーの目の前に砂煙が舞い、先程の巨大兵器があらわれた。
「コザッキーの研究施設の効果でこのカードは自身の効果では破壊されない!
さらにカオスデスペラードの効果によりパワーアップだ。」


Gコザッキー攻撃力2500→3000


「このカードはもはや戦闘でしか倒すことは不可能!
君が攻撃力3001以上のモンスターを次のドローカードで出せれば君の勝ちだ。まぁ無理だろうがね。」

コザッキーは皮肉たっぷりに笑みを浮かべ、ターンを終了した。

「俺のターン!ドロー!」
ドローカード:天使の施し
〈こいつに賭けるぜ!〉


「天使の施し発動!三枚引き、二枚捨てる!」

ドローカード ならず者傭兵部隊 ニードルワーム ドーピング
〈くそっ!攻撃力3001以上のモンスターなんて入ってるわけねぇのにどうやって勝ちゃいいんだ!?〉

「さぁ、、いいカードは引けたかね?まぁ、潔くサレンダーした方がいいと思うがね。」
コザッキーは日比谷の苦虫を食ったような表情をみて勝ち誇ったように言った。



〈だめだ、、負ける、、っ!勝てる気がしねぇ、!〉


その時、どこからか声がした。






〈将太、、。将太!〉






「ん、、誰だ?」

どこかで聞いたことのある声。その声はデュエルディスクの墓地から聞こえる。






〈あきらめてはだめっ!何も相手ライフにダメージを与えることだけがデュエルに勝つ手段ではないわ!〉





「んな事言ったって、、俺の手札には、、。」
「何をぶつぶつ言っている。さっさと手札を二枚捨てたまえ。」
コザッキーが日比谷をせかす。





〈思い出すのよ!コザッキーの追加ルールを!〉




●デッキ枚数は6枚〈日比谷の持ってるカードと同じ枚数。〉
●一度でもダメージを受けたプレイヤーは敗北。
●初期手札は0枚
●ファイヤーボール等相手に直接ダメージを与えるカードは禁止。
●ショットガンシャッフル禁止







「、、、、、、、デッキ枚数は6枚、、一度でもダメージを受けたプレイヤーは敗北、、初期手札は0枚、、
ファイヤーボール等相手に直接ダメージを与えるカードは禁止、、ショットガンシャッフル禁止、。」


日比谷はその時はっとした表情になった。




「その手があったか!」

日比谷の表情の変化にコザッキーは顔をしかめる。

〈、、、気に入らん表情だな。〉

「俺はこの二枚のカードを墓地へ捨てるぜ。そしてモンスターを守備表示でセット!ターンエンドだ!」

「はははっ!何を考えているかと思えば壁モンスターを出すのが精一杯か!?私のターン!ドロー!」

ドローカード 召喚封じ

召喚封じ 通常罠
発動ターン中、お互い召喚、セット、反転召喚、特殊召喚ができない。


〈フフフ、、これで私の勝利は確定だ!〉

「Gコザッキーで、その裏守備モンスターを攻撃だ!プログラム536っ!」

裏守備モンスターが表になる。 ニードルワームはあっけなくGコザッキーのハンマーの餌食になる。

「さらにカードを一枚伏せ、ターン終了だ!ひゃはは、、っ!次が貴様のラストターンだ!」




「そうだな!これで決着がつくぜ!」



〈なぜだ?なぜそんな表情ができる?まるで逆にヤツが私を追い詰めているようではないかっ!〉




「俺のターン!ドロー!」

「ドローフェイズ時に罠カード『召喚封じ』を発動!これで貴様の召喚は封じられ、、」

その台詞が終わる前に日比谷は大きな声で、、。


「ターンエンド!」

〈こいつ、、ッ!まるで最初から何もせずターンエンドするかのようにあっさり言いやがったっ!
だが、ヤツの場はがら空きだ。Gコザッキーで攻撃すれば、、、っ!〉


「私のターンっ!、、」
コザッキーはその時ある異変に気が付いた。











ドローする手の感触がおかしい。
デュエルディスクをみると、コザッキーは驚愕の表情を浮かべた。





「馬鹿な、、私のデッキが無くなっている!!」
たしかに6枚あったはずだ。使用したカードの枚数は4枚。あと二枚カードが残ってるはず、、、っ!

「随分驚いてるじゃねえか。まさかニードルワームのリバース効果聞いてなかったか?
あん時アンタめちゃくちゃ笑ってたけど。」



〈まさかあの虫けらに特殊効果が!?〉




「ニードルワーム。こいつが表になった時相手のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る効果だぜ。」


「しまったぁぁぁ〜〜っ!たしかデュエルにはライフを0にする他にいくつか勝利条件が存在すると
聞いたがまさか、、。」




「デッキからカードをドローできなくなっても負け。基本中の基本だぜ?」


天使の施しの助言がなきゃ気が付いてたか微妙だけど。


「わ、、私の負けだ、。」

コザッキーはがっくりと膝をおとした。











「あはは、、っ!もう終わりだ!何もかも終わりだ!あははははははははっ!」

コザッキーの狂った笑い声が廃墟に響きわたる。



第14話ーやっとデュエル、、展開遅すぎ!ー

「俺達も手を貸すぜ!」
チンピラ達は光となってひとつに収束し、一枚のカードとなって日比谷のデッキに納まる。


ならず者傭兵部隊 地

ATK1000/DEF1000

戦士族・効果
このカードを生け贄に捧げる。フィールド上のモンスター一体を破壊する。


一人一殺。単純だが強力なカードである。


「 フ、、おもしろい。俺様も混ぜろよ。」

サイレントアビスも光となってデッキに加わろうとすると、ニードルワームがぼそりと一言。

「いや、お前入ったらデッキ弱くなるから。」


かちん


「攻撃力750の雑魚に言われたくないわっ!」

「テメェなんぞ単体では召喚すらできないワイト以下だろがっ!」

「なんだとっ!貴様の効果なんぞ場合によっては相手に利用されるだけじゃねえかっ!」


「、、、話が進まんから入るならさっさと入れ。」
日比谷はめんどくさそうな口調で言った。
結局サイレントアビスが加わり、その後にニードルワームとゴブリン突撃部隊が加わる。

「デュエルの前に互いのデッキをシャッフルだ。」
日比谷はコザッキーからデッキを受け取り、自分のデッキをコザッキーへ渡す。
その時、コザッキーは眉をひそめた。

「君、、これはデッキかね?」

日比谷のデッキはコザッキーのデッキと比べると明らかに薄い。薄すぎる。

「仕方ないだろ。それだけしかないんだから。」
日比谷はそう言ってデッキをシャッフルし始める。
しかし、コザッキーはそのシャッフル方法をみて、あわてて日比谷からデッキを取り上げた。

「正気かね君!ショットガンシャッフルなんかしたらカードが折れてしまうではないかっ!」
「いや、、これやりたい気分だったし、、
てっきりスリーブ付けてないからそんなの気にしないと思ったんだけど。」


原作の人々はまったく気にしないのだが。折れキズはデュエルの勲章だ!


「、、もういい。私もそのデッキ枚数差でデュエルする程アンフェアではない。
いくつか追加ルールを加えよう。」
追加ルール
●デッキ枚数は6枚〈日比谷の持ってるカードと同じ枚数。〉
●一度でもダメージを受けたプレイヤーは敗北。
●初期手札は0枚
●ファイヤーボール等相手に直接ダメージを与えるカードは禁止。
●ショットガンシャッフル禁止



「つーかこのフィールドカード自体アンフェアだろ?全然説得力ねーよ。」



コザッキーは一瞬黙りこんだ。
「、、ええい世の中細かいことを気にしていてはやっていけん!さっさとデュエルだ!」

デュエル!


日比谷LP8000
コザッキーLP8000

「私の先攻!ドロー!」

<フフフ、、ばかめっ!こっちはデッキ40枚の中から6枚選んだいわば精鋭。
寄せ集めの6枚なんぞには負けんっ!>


「魔法カード!強欲な壼発動!デッキからカードを二枚引く!」


「おいっ!禁止カードじゃねえのか?それ!」
日比谷がブーブー文句を言う。


「カオスに禁止も制限もへったくれもない!勝てばいいのだ!」

「アンフェア過ぎるぞコノヤロウっ!」
コザッキーは日比谷の罵声を無視してカードを二枚ドローする。

〈ヤツのデッキ内容は既にシャッフルの際に把握済みだ、、。

サイレントアビス
ゴブリン突撃部隊
ニードルワーム
ならず者傭兵部隊
ドーピング
天使の施し

私の手札にあるこの二枚のカードを使えばヤツに太刀打ちできるカードはない!〉

「私は永続魔法、『コザッキーの研究施設』を発動!」

コザッキーの研究施設 永続魔法

このカードが存在するかぎり、自分フィールド上の「コザッキー」と名の付くモンスターは
魔法・罠・モンスターの効果によって破壊されない。

「そしてもうひとつのカード!もうわかるだろう!Gコザッキーを攻撃表示で召喚!」

Gコザッキー 闇★★★★

ATK2500/DEF2400
悪魔族・効果
フィールド上に『コザッキー』が表側表示で存在していない場合、このカードを破壊する。
フィールド上に表側表示でこのカードが破壊された場合、
その時のコントローラーにこのカードの元々の攻撃力分のダメージを与える。


コザッキーの目の前に砂煙が舞い、先程の巨大兵器があらわれた。
「コザッキーの研究施設の効果でこのカードは自身の効果では破壊されない!
さらにカオスデスペラードの効果によりパワーアップだ。」


Gコザッキー攻撃力2500→3000


「このカードはもはや戦闘でしか倒すことは不可能!
君が攻撃力3001以上のモンスターを次のドローカードで出せれば君の勝ちだ。まぁ無理だろうがね。」

コザッキーは皮肉たっぷりに笑みを浮かべ、ターンを終了した。

「俺のターン!ドロー!」
ドローカード:天使の施し
〈こいつに賭けるぜ!〉


「天使の施し発動!三枚引き、二枚捨てる!」

ドローカード ならず者傭兵部隊 ニードルワーム ドーピング
〈くそっ!攻撃力3001以上のモンスターなんて入ってるわけねぇのにどうやって勝ちゃいいんだ!?〉

「さぁ、、いいカードは引けたかね?まぁ、潔くサレンダーした方がいいと思うがね。」
コザッキーは日比谷の苦虫を食ったような表情をみて勝ち誇ったように言った。



〈だめだ、、負ける、、っ!勝てる気がしねぇ、!〉


その時、どこからか声がした。






〈将太、、。将太!〉






「ん、、誰だ?」

どこかで聞いたことのある声。その声はデュエルディスクの墓地から聞こえる。






〈あきらめてはだめっ!何も相手ライフにダメージを与えることだけがデュエルに勝つ手段ではないわ!〉





「んな事言ったって、、俺の手札には、、。」
「何をぶつぶつ言っている。さっさと手札を二枚捨てたまえ。」
コザッキーが日比谷をせかす。





〈思い出すのよ!コザッキーの追加ルールを!〉




●デッキ枚数は6枚〈日比谷の持ってるカードと同じ枚数。〉
●一度でもダメージを受けたプレイヤーは敗北。
●初期手札は0枚
●ファイヤーボール等相手に直接ダメージを与えるカードは禁止。
●ショットガンシャッフル禁止







「、、、、、、、デッキ枚数は6枚、、一度でもダメージを受けたプレイヤーは敗北、、初期手札は0枚、、
ファイヤーボール等相手に直接ダメージを与えるカードは禁止、、ショットガンシャッフル禁止、。」


日比谷はその時はっとした表情になった。




「その手があったか!」

日比谷の表情の変化にコザッキーは顔をしかめる。

〈、、、気に入らん表情だな。〉

「俺はこの二枚のカードを墓地へ捨てるぜ。そしてモンスターを守備表示でセット!ターンエンドだ!」

「はははっ!何を考えているかと思えば壁モンスターを出すのが精一杯か!?私のターン!ドロー!」

ドローカード 召喚封じ

召喚封じ 通常罠
発動ターン中、お互い召喚、セット、反転召喚、特殊召喚ができない。


〈フフフ、、これで私の勝利は確定だ!〉

「Gコザッキーで、その裏守備モンスターを攻撃だ!プログラム536っ!」

裏守備モンスターが表になる。 ニードルワームはあっけなくGコザッキーのハンマーの餌食になる。

「さらにカードを一枚伏せ、ターン終了だ!ひゃはは、、っ!次が貴様のラストターンだ!」




「そうだな!これで決着がつくぜ!」



〈なぜだ?なぜそんな表情ができる?まるで逆にヤツが私を追い詰めているようではないかっ!〉




「俺のターン!ドロー!」

「ドローフェイズ時に罠カード『召喚封じ』を発動!これで貴様の召喚は封じられ、、」

その台詞が終わる前に日比谷は大きな声で、、。


「ターンエンド!」

〈こいつ、、ッ!まるで最初から何もせずターンエンドするかのようにあっさり言いやがったっ!
だが、ヤツの場はがら空きだ。Gコザッキーで攻撃すれば、、、っ!〉


「私のターンっ!、、」
コザッキーはその時ある異変に気が付いた。











ドローする手の感触がおかしい。
デュエルディスクをみると、コザッキーは驚愕の表情を浮かべた。





「馬鹿な、、私のデッキが無くなっている!!」
たしかに6枚あったはずだ。使用したカードの枚数は4枚。あと二枚カードが残ってるはず、、、っ!

「随分驚いてるじゃねえか。まさかニードルワームのリバース効果聞いてなかったか?
あん時アンタめちゃくちゃ笑ってたけど。」



〈まさかあの虫けらに特殊効果が!?〉




「ニードルワーム。こいつが表になった時相手のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る効果だぜ。」


「しまったぁぁぁ〜〜っ!たしかデュエルにはライフを0にする他にいくつか勝利条件が存在すると
聞いたがまさか、、。」




「デッキからカードをドローできなくなっても負け。基本中の基本だぜ?」


天使の施しの助言がなきゃ気が付いてたか微妙だけど。


「わ、、私の負けだ、。」

コザッキーはがっくりと膝をおとした。











「あはは、、っ!もう終わりだ!何もかも終わりだ!あははははははははっ!」

コザッキーの狂った笑い声が廃墟に響きわたる。



第15話ー贖罪・九死・再起、、題名の意味がさっぱりわかりません。ー

コザッキーの狂った笑い声は数分後に止まった。
冷たい風がヒューヒューと虚しく通り過ぎる。


「?、、何も起こらない?」
コザッキーさっきとは正反対に慌てた表情で途方にくれる。
「なぜ私は生きているっ!?カオス・デスペラードの効果で敗者は命を失うはず!?」

しばらく黙ってみていた日比谷が口を開く。

「テキスト見て気が付かなかったか?命とられるのはライフが0になったプレイヤーだぜ?」


それを聞いたコザッキーは言葉を失い、呻くように泣いた。

そして日比谷の足にしがみついた。

「殺せ!私を殺せ!どうしようもない悪党の私を殺せ!、、たのむ!殺してくれぇ!」

日比谷はめんどくさそうな顔をして大きなため息をついた。
「あのな、、そんなことより言うことあんだろ?」

コザッキーはうつむいたまま泣き止まない。
日比谷はコザッキーの頭を掴んで地面に叩きつけた。

「ったく、、アンタ俺より頭良いんだからさ、、ガキん頃に教わらなかったか?人様に迷惑かけたらまず謝る!」

コザッキーのかすれた声がぼそぼそと聞こえる。
「私はこんなひどい事をしたのだぞ!?謝って許されるものではない、、死んで詫びた方が、、。」


「許す許さんは別として謝るだろ普通、、。
しかもアンタ死んでも町が元通りになるわけでもねぇ。
患者だってどうすんだ?ドクター抜きで大変なんだぞ?」

日比谷はコザッキーの胸倉を掴んだ。
「俺もアンタのやった事は許せんよ。だからこそそう簡単にあの世に逃げようったってそうはいかないぜ。
アンタを必要としてるヤツは数えきれないほどいんだよ!」

コザッキーは周りをみてはっとした表情になった。


いつのまにか周りは町の人でいっぱいだった。健康な者もいれば怪我をしている者もいる。
リリーを始め見慣れた顔ぶりの看護士や看護婦、修道院の人達、中にはモンスターもまじっている。

コザッキーは静まった人混みの中、小さな声で言った。
















「私が、、悪かった。申し訳ない。」








◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






その頃、三瀬は席に戻ってデッキを構築し直していた。
「おとり人形、、ベトベ●ン、、入念な●究、、とんでもないのが混ざってるな。」

後ろの2枚はデュエル中に引いてたらとんでもないことになっていたことだろう。
翔太はまだ戻ってきていない。だがあいつの事だ。コロッと立ち直るだろ。



「だが問題は、、。」




向かい側の席ではさっきからうつむいて浮かない表情をしている日野。
「翔太、、大丈夫かなぁ、、。」

こんな暗いムードでは大会で勝てるデュエルも勝てない。
長年の悲願だった大規模な大会。
しかも小さい頃からの親友と共に舞台に出られるチャンスなど滅多にない。
なんとかこの暗いムードを吹き飛ばしたい。翔太は自己再生するとして、、、。

「そんな心配しなくても大丈夫だろ。あいつの再生力と打たれ強さはプラナリア並だからな。それに、、。」

プラナリアが打たれ強いかどうかはともかく、なんかネタは、、。

しばらく口をつぐんでいる三瀬に対し日野は不思議そうな目をして

「それに、、、何?」

三瀬は日野に自分の顔を近付け、内緒話をするようなそぶりで囁いた。













「男ってのは落ち込んでる時が一番落としやすいんだぜ?むしろチャンス!?」





すると日野の顔がたちまち沸騰したやかんのように赤くなりだした。





「チ、、チチチャンスって別にあんなヤツ何とも思ってないもん!」

、、わかりやすすぎ。まぁこいつらとは長い付き合いだ。
行動みりゃ一目瞭然単純明快。当分このネタでおちょくれそうだ。
心の中でしめしめと笑っている三瀬に日野は勝手にいろいろ話しはじめる。

「むしろあんなヤツ最低よ!いっつも授業寝てるし
いびきはうるさいし寝相は悪いし喧嘩っ早いし無神経だしシャーペンの芯入れるのに三十分かかるし
ノートうつさせろとかうるさいしうへぁぁとかヒィィ〜〈以下略〉とか奇声あげるし
昨日だってなんかげっそりした顔でさっさと帰っちゃうし
一昨日だって弁当二つ作って昼ご飯いっしょに食べようかと思ったのに、
翔太がさ、『どうした?腹減りすぎて弁当一つじゃ足りないってか?
いやぁー育ち盛りはいいねー。わっはっは。』とか無神経な事言うし、、、あーもうっ!ムカついてきたっ!」



、、翔太、、鈍すぎ。天然だからしゃーないか。
にしても、、変なフラグ立てちまったな、、。
まぁさっきの嫌なムードは消えたし結果オーライってことで。
三瀬がフッと笑うと。日野がかみつくような口調でわめく。

「何がおかしいの!?元はと言えばアンタが変なカードに巻き込むから、、っ!」

「なーにムキになってんだ。あんなにおまえがボロクソに言ったヤツが
なんに巻き込まれようとかまわないだろ?そんなにムキになるなんてやっぱ、、。」

「違う!違うの!私は、、その、、あいつの、、そう!あいつの将来が心配なのよ!
一応友達として、。あのまま社会へ出たらろくな大人にならないわ!
間違いない!だから私があいつをまっとうな道へ連れ出してあげるの!」

ぷくく、、おもしれぇ奴。
これだからこの隠れバカップルをおちょくるのはやめられん。


するとその時、、誰かが席の傍に近づいてきた。

銀髪のおかっぱに黄色いフレームのメガネ、メガネの奥はいかにも性格悪そうな奴。


こいつは、、まさか、、!



「ヒョ、ヒョ、、君ぃ、さっきの戦いみてたんだけど、、このオレとデュエルしないかい?」


たしかこいつは王国デュエルで遊戯との戦いであのグレートモスを召喚した強者!
ライフが0になったものの遊戯のデッキをモンスターカードで固まりまくりにした強運の持ち主!








その名もインセクター羽蛾っ!







、、つーか三瀬、、なんでそんなに詳しいんだ?byセル






大会前のウォームアップには絶好の相手じゃねえかっ!こりゃ相当な棚ボタだ!


三瀬は立ち上がり、デュエルディスクにデッキをセットした。

「ちょっとー!聞いて、」
「いいぜ。デュエルスペースへ行こうじゃねえか。」
ムーディ●山のごとく日野の言葉を右から左へ受け流す。

「ヒョヒョ、、そうこなくちゃ、、!」
こうして羽蛾と三瀬はデュエルスペースへと言ってしまい、一人ぽつんと席に座ってる日野。

「もうっ!、、どうして男は、、。」
日野は向かい側の窓側に置いてある三瀬の段ボール箱に目をみやった。
「すごいデッキ作って驚かせてやるんだからっ!」


日野はデッキ構築の思索にふけりだした。


その頃デュエルスペースでは、、。


「普通のじゃつまんないから互いにレアカードを賭けるアンティルールでやろうじゃないか!」

羽蛾はメガネのずれを直して気味の悪い笑みを浮かべて言った。


〈ヒョヒョ、、オレのねらいはさっきの戦いに登場したサイバーエンドドラゴン!
さっさと勝って売り払っちまおう!〉

「おう!いいぜっ!」

三瀬はそんな事気にもせずにデュエルディスクを起動させる。

「ヒョッ、負けた方が勝った方が選択したレアカードを渡すんだ。いいねっ?」

「かまわねぇっ!さっさとはじめようぜ!」

ヒョヒョヒョヒョ、、あと泣いても知らないよ!

「デュエルっ!」

三瀬LP8000
羽蛾LP8000

「ヒョヒョヒョ、、オレの先攻で行かせてもらうよ!ドロー!」

元ジュニア代表の羽蛾。
その昆虫族デッキは彼の性格がよく出ていて非常にトリッキーな戦い方をする。
、、、って雑誌に書いてあったBY三瀬曰く

「オレはデス・モスキートを攻撃表示で召喚!」

羽蛾の前に光があふれだし、あらわれたのはちっぽけな蚊だった。
しかし、蚊にしてはやけにデカイ。巨大な蚊なんだけど小さいという矛盾を持ったモンスター。

デス・モスキート ★★★ 闇
ATK500/DEF500
昆虫族・効果
このカードの召喚、反転召喚、特殊召喚に成功した時、このカードにカウンターを2個乗せる。
カウンター一個につきこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。
このカードが戦闘によって破壊される場合、かわりにカウンターを1個取りのぞく。

「デス・モスキートの効果発動っ!」

デス・モスキートATK500→1500

「カードを一枚伏せる!ヒョヒョ、、!ターンエンドだ!」

「オレのターン!ドローカードっ!サイバードラゴン特殊召喚!」
巨大な機械竜がおたけびをあげる。
デス・モスキートはブーンとしょぼい音を立てながら空中に浮いている。

〈まだ相手がどんな戦い方をしてくるのかわからねぇ。ここは慎重にいくか。〉

三瀬はさらに『魂を削る死霊』のカードを裏守備でディスクにセットする。
「モンスターをセット。バトルだ!サイバードラゴンでデス・モスキートを攻撃!
エボリューションバースト!!」

戦闘で破壊できなくともライフは削れる。
できれば除去カードで除去したいが手札にないので仕方ない。

「ヒョヒョヒョ!、、永続罠『Begone, Knave!』を発動!」





「なっ、、!『Begone, Knave!』だと!」











Begone, Knave! 永続罠
モンスターがプレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、そのモンスターを持ち主の手札へ戻す。






要するに門前払いね:

頑強そうな城門が羽蛾のフィールドにあらわれる。
サイバードラゴンの攻撃は小さな蚊に直撃し、羽蛾へと襲い掛かる。

羽蛾LP8000→7400

デス・モスキートATK1500→1000
カウンターの数:1個

「ちっ、、まあいい。戦闘ダメージを与えたお前のサイバードラゴンは手札へ戻る!」

城門から出てきたごつい体つきの兵士が、サイバードラゴンを親指と人差し指でつまみ上げ、
三瀬の方へほうり投げた。
サイバードラゴンはカードへと戻り、三瀬の手札に加わる。

「そう簡単にはいかないか、、カードを一枚伏せてターン終了!」

「ヒョヒョッ、、オレのターン!ドロー!、、オレはオオカミキリギリスを召喚!」

オオカミキリギリス  ★★★★ 地
ATK1500/DEF1100昆虫族・効果
このカードの通常召喚時、自分のデッキにある昆虫族モンスター2体を選択してゲームから除外することでこのカードにカウンターをひとつ乗せる。カウンターが付いているこのカードの攻撃力は300アップ。カウンター一個を取りのぞくことでフィールド上の魔法・罠ゾーンのカード一枚を破壊できる。

フィールドにオオカミなのかカミキリムシなのかキリギリスなのかよくわからない昆虫があらわれた。

「オオカミキリギリスの効果により、オレは『ゴキブリの軍勢』と『ポイズンアント』
をデッキから一枚ゲームから除外する!
そしてこのカードにカウンターを一個乗せるぜ。」

ゴキブリの軍勢 ★★★★★★★★★★ 闇
ATK1000/DEF1000
昆虫族・効果
このカードは特殊召喚できない。自分フィールド上の『ゴキポン』を生け贄に捧げた時のみ召喚可能。
このカードの召喚・反転召喚時、フィールド上のこのカード以外のモンスターを全て破壊し、
モンスターカードゾーンの空いているところ全てに
このカードと同じ攻守、種族、属性を持つゴキブリトークンを守備表示で特殊召喚する。
各プレイヤーはスタンバイフェイズ毎に、自分のコントロールするゴキブリトークン1体につき、
200ポイントのダメージを受ける。

効果を見ただけで背筋が凍りそうだ。

ポイズンアント ★★★ 地
ATK500/DEF500
昆虫族・効果
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、次の効果からひとつを選択して発動する。
●相手は手札を1枚ランダムに捨てる。
●相手ライフに800ポイントダメージを与える。

オオカミキリギリスATK1500→1800

「カウンターをとりのぞいてオオカミキリギリスの効果発動ォ!その伏せカードを破壊だ!」

オオカミキリギリスは伏せカードに飛び掛かり、真っ二つに噛み切ってしまった。

オオカミキリギリスATK1800→1500

「くっ!、、俺のミラーフォースが、、。」

聖なるバリア−ミラーフォース− 通常罠
相手の攻撃宣言時に発動可能。相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。

「ヒョヒョ、、いいカードを破壊したぜ!これで攻撃できるな、、。」

〈ちっ、、だけど魂の削る死霊は戦闘では破壊できない!この布陣を突破されることはたぶんないだろう。〉

「、、と言いたいとこだけどそっちの守備モンスターも気になるなー。」

三瀬はぎくりと表情をこわばらせた。

「まぁいいや、、魔法カード『冬虫夏草』を発動。」

冬虫夏草  通常魔法
自分フィールド上の表側表示昆虫族モンスターの攻撃力を次の相手ターン終了時まで0にする。
そのモンスターの攻撃力分自分のライフを回復する。

小さな蚊の背中にさらにちっぽけなキノコが生え、キノコは芳しい香りを発する。

羽蛾LP7400→8400

デス・モスキート
ATK1000→0
カウンターの数:1個

「バトルだ!デス・モスキートで裏守備モンスターを攻撃ィ!」

三瀬は驚愕の表情を浮かべた。

「攻撃力0のモンスターで攻撃だと!?」

裏守備モンスターが表になる。

魂を削る死霊
DEF200

攻撃力0なので勿論破壊できない。さらに羽蛾はわずかながら反射ダメージを受けた。

羽蛾
LP8400→8200

「、、、、いったい何を、、、?」

困惑する三瀬に羽蛾はヒョヒョヒョと笑いだした。


「ヒョーヒョヒョ『門前払い』の効果発動!
さっきの反射ダメージでお前の魂の削る死霊は戦闘ダメージを与えたことになる!」

兵士は魂を削る死霊をつまみ出し、三瀬の方へ投げ飛ばす。
しかし、魂を削る死霊は手札に戻らず、墓地へ送られる。

「このデメリット効果は大きいぜェ、、、?オオカミキリギリスでダイレクトアタック!
ブラッディバイト!」

「ぐ、、、!」

三瀬
LP8000→6500

「門前払いでオオカミキリギリスは手札へ戻る!
オレはカードを1枚伏せてターン終了!ヒョーヒョヒョ、、お前のターンだぜ?」

「ち、、トリッキーな野郎だぜ。」
舌打ちしながらもどこかデュエルを楽しんでいる三瀬だった。


羽蛾LP8200   

手札3枚

フィールド

デス・モスキート攻撃表示<冬虫夏草の効果適用により攻撃力0> 
カウンター1個

門前払い
伏せカード1枚

三瀬LP6500

手札5枚

フィールド

なし


「オレのターン!ドローカード!サイバードラゴン特殊召喚!」

<今のデス・モスキートの攻撃力なら大ダメージを与えられる!>

「エボリューションバースト!!」

「ぐぐぐ…」
羽蛾LP8200→6100

デス・モスキート
カウンター0個

「だけど門前払いの効果でサイバードラゴンは手札に戻る!」

番兵によってサイバードラゴンが手札に戻される。

「それがどうした?ならこうすりゃいい!メインフェイズ2!手札からサイバードラゴンを特殊召喚!」

「何ぃぃぃぃぃぃ!?」

フィールドにはデス・モスキートがまだ残っている。よって手札に戻ったサイバードラゴンを
もう一度特殊召喚できるという魂胆だ。

「残念だったな。そのうるせェ蚊の効果を利用させてもらったぜ。」

「ち、、、。」
羽蛾の顔が少し歪む。

「オレはさらにカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

「ヒョーヒョヒョ!エンドフェイズに永続罠『髑髏顔・炸裂弾』!」

髑髏顔・炸裂弾 永続罠
相手モンスター1体を選択してこのカードを装備する。
このカードが墓地へ送られた時、装備モンスターを破壊し、
1000ポイントのダメージを相手ライフに与える。

サイバードラゴンに髑髏の絵柄の書かれた爆弾が装備される。

「、、、何じゃこりゃ?」

「ヒョヒョ、、じきにわかるさ!」



デス・モスキートの背中に生えていたキノコが消える。

デス・モスキート
ATK0→500
カウンター0個

「オレのターン!ドロー!ヒョヒョヒョ、、門前払いと髑髏顔・炸裂弾を墓地に送って
オオアリクイクイアリを特殊召喚!」

オオアリクイクイアリ ★★★★★ 地
ATK2000/DEF500
昆虫族・効果
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の魔法・罠カード2枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードは攻撃をするかわりに相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する事ができる。

フィールドに巨大な蟻が出現する。そのデカさはサイバードラゴンといい勝負だ。

「、、だけどその攻撃力じゃサイバードラゴンは倒せないぜ!」

「倒せるさ!何のために髑髏顔・炸裂弾を付けたと思っているんだい!?」

サイバードラゴンに装備されていた爆弾が爆発し、爆風が三瀬を襲う。

「ぐわぁぁぁぁぁッ!!」

三瀬LP6500→5500

「ヒョーヒョヒョ!た〜〜〜まや〜〜〜〜!」

「ち、、、。」
三瀬は体勢を立て直す。

「されにオレはこのターン通常召喚をしていない。オオカミキリギリスを攻撃表示で召喚!
その効果でデッキから『フェロモンワスプ』と『ミレニアム・スコーピオン』を除外して
カウンターを1個乗せる!」

フェロモンワスプ ★★★ 風
ATK800/DEF700
昆虫族・効果
このモンスターが直接攻撃に成功したとき、バトルフェイズ終了時にデッキからレベル4以下の昆虫族モンスターを1体特殊召喚できる。その後デッキをシャッフルする。

ミレニアム・スコーピオン ★★★★★ 地
ATK2000/DEF1800
このカードが相手フィールド上モンスター1体を戦闘によって破壊し墓地へ送る度に、
このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

オオカミキリギリス
ATK1500→1800

「オオカミキリギリスの効果で伏せカードを破壊だぁ!」

「させるか!効果にチェーン!速攻魔法『スケープ・ゴート』!」

スケープ・ゴート 速攻魔法
このカードを発動する場合、自分は発動ターン内に召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)を
4体守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)

ちっちゃい子羊が4体フィールドに現れる。

「ち、、雑魚を壁にしたって無駄だ!3体でスケープゴートを攻撃!」

羽蛾のモンスターの前に4体いた子羊はあっという間に1体になってしまった。

「ターンエンド!ヒョヒョ、、さぁ、、もう後が無いぜ?」

「、、オレのターン。ドローカード!」

ドローしたカードを見た瞬間、三瀬の目の色が変わる。

「大会専用の秘密兵器だったんだが、、ここで使うことになるとはな、、、!
オレは死霊騎士デスカリバーナイトを攻撃表示で召喚だ!」

フィールドにサイカリバーデッキの要のひとつ、黒い馬に乗った死霊騎士が現れる。

「そして手札から魔法カード『オーバーロードフュージョン』発動!」

「何ぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!?」

オーバーロードフュージョン 通常魔法

自分のフィールド上または墓地から、
融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、
闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

「墓地のサイバードラゴンと、フィールド上の死霊騎士デスカリバーナイトを融合!
機械竜騎士サイカリバー・ナイトを融合召喚!」

落雷がフィールド上に落ち、稲光が消えると共に、黒いボディに包まれたサイバードラゴン
と、漆黒のマントと甲冑を身に着け、サイバードラゴンにまたがった死霊騎士が現れた。

機械竜騎士サイカリバー・ナイト ★★★★★★★★ 闇
ATK2800/DEF2400
機械族・効果
[サイバードラゴン]+[死霊騎士デスカリバー・ナイト]
このモンスターの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。
融合召喚時にこのカードにカウンターを2個乗せる。
このモンスターが戦闘で破壊した時、カウンターを1個取り除くことで
このモンスターが戦闘で破壊した効果モンスターの効果は無効化される。

「行け!サイカリバーナイト!デス・モスキートを攻撃だ!
ストレイアビスドライブ!」

サイバードラゴンの口から光線が発射され、死霊騎士は光線と共に剣を手に特攻する。

「ぎゃああああああああ〜〜〜〜!!」

羽蛾LP6100→3800

「ターンエンド!形勢逆転だぜ!」

「く、、、全日本チャンプのオレが無名デュエリストに負けてたまるか!ドロー!
、、、、、速攻魔法!手札断殺発動!!」

手札断殺 速攻魔法
お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする。


「互いに2枚引き!2枚捨てる!、、、ヒョヒョ、、、ッ!ムヒョヒョヒョヒョヒョ〜!!
勝負あったな!これでオレの切り札を出す条件がそろったぁぁ〜〜〜っ!
フィールド上の地属性モンスター!つまりオオアリクイクイアリとオオカミキリギリス
を生贄に、巨大地竜・サンドワームを召喚っ!!」」


フィールド上から地響きがして、激しい砂嵐が舞い出す。

「うおっ!」
三瀬は思わず目を両腕で抑える。
砂嵐がおさまって目を開けた三瀬の目の前には巨大なミミズが大きな口を開けて
フィールド上の砂地から顔を出していた。

巨大地竜・サンドワーム ★★★★★★★★★★ 地
ATK3500/DEF2800
岩石族・効果
このカードは特殊召喚できない。
裏側守備表示のこのカードは魔法・罠・モンスター効果を受けない。
手札から召喚するには三体の生け贄が必要。
このカードは1ターンに一度だけ裏側守備表示にすることができる。
このカードの反転召喚時、このカード以外のモンスターを全て破壊する。
ただし、この効果を使用したターンは
自分はモンスターを召喚できず、このモンスターはターン終了時まで攻撃不可
フラッシュバック:自分フィールド上の地属性モンスター2体を生け贄にすることで墓地から召喚可能。
〈通常召喚扱い〉

「ムヒョヒョヒョヒョヒョ〜〜〜〜ッ!行けェ!サンドワーム!サイカリバーナイトを粉砕しろ!」

サンドワームは砂嵐を起こし、その大きな体でサイカリバーナイトに突撃すると、サイカリバー
ナイトはあっけなく吹っ飛ばされてしまった。

「ぐわぁぁぁ!!」

三瀬LP5500→4800

「ターンエンドッ!ヒョヒョ!どうだオレの切り札サンドワームの威力は!?」

「ち、、墓地から召喚できてこの攻撃力かよ、、オレのターン、ドローカード!」

<く、、ッ!後一歩だってのに肝心カードが来ない、、!あのカードだ、、、あのカードさえ引ければ、、。>

「、、、、、ターンエンド!」

「ヒョヒョ!万策尽きたか〜〜!?無様だねェ。オレのターン!ドロー!
オレはダーク・マタンゴを攻撃表示で召喚!」

ダーク・マタンゴ ★★★★ 闇
ATK1300/DEF800
戦士族・効果
このカードは自分がコントロールするカードの効果によって破壊されない。

何やら気味の悪い紫色をしたキノコのモンスターが現れる。

「さぁさぁ!!バトルだ!ダーク・マタンゴでその雑魚を攻撃だ!」

三沢並にさりげなくフィールドに残っていた羊トークンが破壊される。

「ヒョヒョ、、、ウヒョムヒョオヒョアヒョモヒョオヒョウヒョムヒョ、、、、ッ!!
サンドワームッ!!プレイヤーにダイレクトアタック!!」

サンドワームの突撃が三瀬を襲う。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」

三瀬LP4800→1300

「さらにカードを1枚伏せて、サンドワームを裏守備表示!ターン終了!」

サンドワームは物凄い勢いで地面へ潜っていく。

「ヒョヒョヒョ!これでお前の負けは確実だぁ!裏守備のサンドワームはあらゆるカードの効果を受けない!
戦闘で破壊するしかないぜェ!」

<サンドワームの守備力は2800、、、俺のデッキにそれを上回る攻撃力を持つモンスターは、、、
あいつしかいねェ!>

三瀬は自分のデュエルディスクの融合デッキを見る。

<こうなったらドローの神様にでも任せるしかねェな。>

「俺のターンドロー!」

三瀬はドローしたカードを見たが落胆の表情を隠せない。

<このカードじゃない、、、。>

「仕方ねェ。少しでもライフを削るか。サイバードラゴン特殊召喚!ダークマタンゴを攻撃だ!」

「ヒョーヒョヒョ速攻魔法『保護色』を発動!」

保護色 速攻魔法
自分の表側表示モンスター一体を選択する。
選択したモンスターはターン終了時まで相手魔法・罠・モンスターの攻撃対象及び効果の対象にはならない。

「これでお前が攻撃できるのはサンドワームだけだぜ!」

「く、、カードを一枚伏せてターンエンド!」

「ヒョーヒョヒョ!俺のターンドロー! サンドワームを反転召喚!効果発動ォ!」

あっけなくサイバードラゴンは砂の中へと飲み込まれてしまった。


「とどめだぁ!ダークマタンゴの直接攻撃!」


「させるか!永続罠『リビングデッドの呼び声』発動!墓地のサイバードラゴンを蘇生させるぜ!」

リビングデッドの呼び声   永続罠

自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。


カードから光があふれだし、中からサイバードラゴンがあらわれた。

ダークマタンゴはあわてて攻撃をやめてサイバードラゴンから離れた。

「ち、、、だけどそんなその場しのぎがいつまでもつかな!、、カードを一枚伏せ、ターン終了!」

「俺のターン、、!」
〈こいつがラストチャンスだ。俺の手札に次の相手ターンをしのぐカードは無い。あのカードさえあれば、。〉

三瀬はデッキの一番上のカードを勢いよく引いた。


「ドローカードっ!」


三瀬はドローカードを見た瞬間口元を緩ませた。

持ち前の皇帝級〈都合のよすぎる〉の引きが発揮される。
「プロト・サイバードラゴンを召喚!こいつはフィールド上では名前をサイバードラゴンとして扱う!」
プロト・サイバードラゴン
★★★ 光ATK1100/DEF600
機械族・効果
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードは『サイバードラゴン』として扱う。

「ヒョヒョ!どんだけ雑魚を並べようとこのサンドワームの前ではひとひねりだぁ!」

「そりゃこっちの台詞だ。こいつでそのバカでかい化け物をひとひねりでのしてやんよ。
魔法カード『パワーボンド』を発動だ!」


「ひょっ?」


かつて日比谷との戦いで三瀬を敗北へ落としいれた張本人。


「サイバードラゴンとプロトサイバードラゴンをくっつけてサイバーツインドラゴンを召喚だ!」
二頭の機械竜がバラバラに解体され、プラモのように高速で組み立てられ、
接合部分が溶接されていき、双頭の機械竜が完成する。

「ヒョヒョ、、サイバードラゴンデッキの十八番か!その戦法はお見通しさ!
速攻魔法『強化無視〈虫〉』発動!」


強化無視〈虫〉      速攻魔法
フィールド上のモンスター一体を選択し、次の効果のうちひとつを発動する。
●選択したモンスターのパワーアップ・ダウンの作用を無効にする。
●ターン終了時まで選択したモンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップさせる。



「残念だったな!これでパワー・ボンドの効果は、、、、。」



サイバーツインドラゴン攻撃力2800→5600




羽蛾は攻撃力が変わってないことに驚愕の表情を浮かべた。
「なんで攻撃力が上がったまんまなんだ〜っ!?」


「パワーボンドのテキストをよくみてみな!
このカードの効果は攻撃力を『アップ』する効果じゃなくて『倍』にする効果だ!」


三瀬の言葉がぐさりと突き刺さる。


「バトルフェイズだ!サイバーツインドラゴンでダークマタンゴを攻撃!
ツインエボリューションバーストッ!!」


「ヒ〜〜ン!うそだぁーっ!」

ダークマタンゴのかさが木っ端微塵に吹っ飛ぶ。

羽蛾LP3800→0

「っしゃあ!」

三瀬は大きくガッツポーズをとった。

「くそ〜!オレの昆虫デッキがこんな奴に、、!」

「さてと、、約束通り、レアカードをもらうぜ!そうだな、、、、。」

羽蛾はぎくりと背筋を凍らせた。

<あれだけはやめてくれェ、、あれだけは、、、。>

羽蛾は両手を合わせ、目を瞑ってつぶやく。






「決めた!究極完全体・グレートモスを貰うぜ!」






「うわ〜〜〜ん!よりによってオレの最強カードか〜〜〜〜!!」


羽蛾は泣きそうな表情で1枚のカードを三瀬へ投げる。


「ち、、っ!約束は約束だ!持ってけ!」


「へへ、、、ありがとよ。」

三瀬はそのカードを見た瞬間眉をひそめた。











貰ったカード『Gokibore』<レア>






「は?」





日本語でゴキボール。アメリカのマクド●ルドのハッ●ーセットで
レア仕様で配られていたものだ。





ゴキボール   ★★★★ 地
昆虫族
テキスト:丸いゴキブリ。ゴロゴロ転がって攻撃。守備が意外と高いぞ。




「うおおお〜〜〜〜っ!!ふざけるなぁぁぁぁ〜〜〜〜!!」



「ヒョヒョヒョっ!そうすんなり渡すかよ!」

羽蛾は一目散に逃げていった。

「待て〜〜〜い!」

三瀬は怒り狂った形相で羽蛾を追いかける。

続く!



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