ジェネレーションデュエリスト

製作者:ちわさん




第一話  大会前夜――

キーンコーンカーンコーン――――

「いよいよだねっ!」

放課後、男子にしては高い声が教室に響く。教室には男子二人しかいない。

「あぁ…楽しみだな。友哉」

こちらは平均的な声の高低。

「超は勿論あのデッキ?」
                    ・・・
「もちろん。だが少し改造してあるがな… 大会用にな」

そう、明日はデュエル大会があるのだ。特別な―――――


「フン。お前達が出るとはな……DCの平均レベルが落ちたな」


誰もいないはずの教室から声がした。 教室のドアには“西原 蓮” (にしはら れん) がいた。


「あぁっ!! それはまるで、俺が蓮より弱いという言い方だな。 何ならいますぐ試してみるか?」

「フン…… いいだろう。負けたら、明日のDCの参加を辞退する。どうだ?」

「わかった……」

そして二人はポケットに入ったデッキを取り出した。 その時―――

「だっ……だめだよ!!! 明日からDCなんだからその時にやればいいじゃん!」

友哉が二人の間を入り、言った。


「…… この勝負は預けてやる。 明日お前を大勢の前で負かして恥をかかせてやる」

蓮がそう言い、教室から去っていった……

「超! なんか今日ヘンだよ! 明日がDCだから緊張してるの?」

超がホッ…と肩の力を抜きそして―――

「そうかもな。俺らしくねーな」

DCとはデュエルシティーの略語である。DCはドレミ街で行われるデュエル大会のことである。

しかし、ただのデュエル大会ではない。中学生の部、高校生の部、プロの部があり、超たちは中学生の部に出場するとだが、
もし好成績を収めると日本にただ一つしかないデュエル学校――デュエルスクール(DS)に推薦されるのだ。

逆に言えばこのDCで成績が悪いと、DSへの入学が困難になる。


「帰るか……」


「うん」



――――帰り道―――――


「絶対に明日は予選を突破してやる!」



超が大声で言い、意気込んでいる。


「予選突破すると推薦の可能性が上がるからね〜」


「友哉……」

「ん?」

「明日は二人で予選突破だ!」

「うん!」


そして二人は拳を空に向けたのであった――――

いよいよ明日はDC開催!



第二話  DC開催!!!!!

「おっす!」

「よぉ……」


まったく、友哉は朝ああらテンションが高くて困る。


「超… お前もしかして緊張してんのか!?」


「しっ、してねーよ!!!」


普通するだろ。とか思いつつ……


「友哉!」


「ん、何?」


「これより〜 デュエルシティーの開催式を始める」


ステージの方から声がした。そこには黒いスーツをきた男がマイクを持っていた。


「今からルールを説明する! 今日行われるのはあくまで予選! 今日の予選を突破して者は明日以降の本戦への出場の
権利を得る。本戦の内容は予選突破次第、その者に伝える」

「絶対予選突破しようぜ」


友哉が小声で話しかけてきた。


「あぁ……」

と適当に答えておいた。

「そして、予選の内容は……!!!!!!! 毎年恒例! バトルロワイヤル方式のデュエル大会だ! 参加者は全員分かっていると
思うが、範囲はこのサイトシティー内のみ! デュエルディスクを持っているものを見つけ次第デュエルを申し込む。 申し込まれた
方は断ることはできない。断った場合、即失格!今日の19時になった時点で勝ち数が4以上のものが本戦へと出場できる。
ライフポイントは4000」


会場がざわつく…… 各々、早くデュエルをしたくてたまらないのだ。


「それでは全員の健闘を祈る!!! 開始は9時からとする!! 以上解散!!!!」



解散の指示が出た後、参加者たちは一斉に別々の方向へ走っていった。


「そういえば超。 さっきなんて言おうとしたの?」


「ん…… あぁ。なんでもねぇー。 お互い頑張ろうな!」


超が右手の拳は友哉に向ける。

それに応えるようにして友哉も右手の拳を超に向ける。


「「決勝で会おうな!!」」


お互いの声がハモり、右手の拳をぶつけあう。

そしてお互い逆の方向へと走っていった。


(絶対に決勝だ……!! いや、その前に予選のことを考えるんだ……!! )


高ぶる気持ちをなんとか抑え、ふぅーー と息をつく。


「今は8時58分か…… 開始まであと2分。この辺りにはデュエルディスクをもった奴はいねぇな」


超が辺りを見回す。

ここは公園のようだ。 今はおそらく公園の中央。 ここにはきたことがある。周りには気がたくさんあって、

よくカン蹴りとかしたなー……



(!!!!!っ  ここは開催式の会場からそんなに離れていない。誰かがいてもおかしくない。おそらく木の陰に隠れている。
俺のデュエルをまず見て、戦略を考える。そして有利なデッキで俺に挑んでくる。 DCの常套手段だ!)


超は身構え、姿勢を低くする。 参加者が隠れているのかを確かめるために。


「さすがだな。 何かに気付いたのかな?」

突然、木の陰からデュエルディスクを持った奴が現れる。 背が小さくて妙にやつれているヤローだ。


「ふふっ……卑怯者の存在に気付いたのでな」


「なら覚悟はできているということだな。デュエルを申し込むぜぇぇぇぇぇ!俺の名は骨陀(ほねだ)」


「俺は藤堂 超(とうどう ちょう)受けて立つぜ!!」


「「デュエル!!!」」


DCでは先に申し込んだほうが先攻になるんでな……キィィィッ!」


(気持ち悪いやつだ)


「ドロー。 キィィ! 俺はこのカードを召喚する!」


フィールドに黒い鎌を持ったワイトが現れた。



〔黒い鎌を持ったワイト〕
★4 地・アンデット族 攻300 守0
このカードは相手のカード効果を受け付けない。このカードを戦闘で破壊したモンスターは攻撃力が700下がる。



「さらにカードを2枚セットしてターン終了キィィ」


(あんなワイトは初めて見たぜ)


「俺のターン、ドロー」


(超は心の中でガッツポーズ!)

「おい! 骨陀! 俺はこのターンでお前に勝つ!!!!」

「なっ なんだキィィ!!!」

超はいきなり1KILL宣言したのだった……



続く...



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