遊戯王−デジタル・モンスターズ−

製作者:グレファー変態否定説さん




 この作品には別作品の登場人物が出てきています。それが気に入らない人は閲覧しないほうがよろしいかと思われます。



キャラ設定

八神 太一(やがみ たいち)
10歳
勇敢で元気なサッカー少年。ただ勇敢さゆえに無謀なことをしたり、周りの人の事を考えていないと誤解されがちである。魂のカードは精霊の宿るカード、「アグモン(オリカ)」。

アグモン(あぐもん)
太一の魂のカードで、親友の様な存在。小さな恐竜のような風貌をしているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。小さなカード屋で埃を被っていたところを太一に助けてもらった。I2社の社長、ペガサスが某玩具会社の依頼を受け、その会社のイメージキャラクターとして製作された幻のレアカード「デジタル・モンスター」シリーズの一体。一人称は「僕」。

八神 ヒカリ(やがみ ひかり)
7歳
太一の妹。やや病弱でおとなしい。独特の雰囲気を放っているミステリアスな少女。とても優しい性格をしている為、戦ったりするのは嫌い。

泉 光子郎(いずみ こうしろう)
9歳
太一の学校の後輩でパソコン部所属。知識欲が豊富で、「M&W」に関する知識も上級者並み。太一になついていて彼に「M&W」に教える。魂のカードは精霊の宿るカード「テントモン(オリカ)」。

テントモン(てんともん)
光子郎の魂のカードで、親友の様な存在。テントウムシのような風貌をしているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。小さなカード屋で埃を被っていたところを太一に助けてもらった。アグモンと同じく「デジタル・モンスター」シリーズの一体。元々光子郎がネットで幻のレアカードの情報を調べていたときに、偶然発見した画像ファイルの中から出てきた。一人称は「わい」。

石田 ヤマト(いしだ やまと)
10歳
太一の親友兼ライバル的存在でハーモニカが得意。友情を重んじ、友を助けるためなら命をもいとわない。弟のタケルにつきあって「M&W」を始めた。魂のカードは精霊の宿るカード「ガブモン(オリカ)」。

ガブモン(がぶもん)
ヤマトの魂のカードで、親友の様な存在。狼の毛皮を被った「何か」の姿をとっているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。ヤマトの親の実家の島根にあるカード屋の主人との決闘でヤマトが勝利したときにヤマトに渡されたカードで、その店の一番のレアカードだった。アグモン・テントモンと同じく「デジタル・モンスター」シリーズの一体。一人称は「俺」。

高石 タケル(たかいし たける)
7歳
ヤマトの弟で親の離婚によって引き離された兄を強く慕っている。泣き虫で争いは嫌いだが、どんな時でもあきらめない芯の強さがある。友達に薦められて「M&W」を始めた。魂のカードは精霊の宿るカード「パタモン(オリカ)」。

パタモン(ぱたもん)
タケルの魂のカードで、親友の様な存在。ハネの生えた小動物の姿をとっているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。タケルが友達からもらったいらないカードの中に偶然入っていた。アグモンらと同じく「デジタル・モンスター」シリーズの一体。一人称は「僕」。

竹ノ内 空(たけのうち そら)
10歳
太一の幼馴染で、愛情豊かな少女。サッカー部に所属していて、太一とはコンビを組んでいる。母は華道の先生。魂のカードは精霊の宿るカード、「ピヨモン(オリカ)」。

ピヨモン(ぴよもん)
空の魂のカードで、親友の様な存在。小型の鳥の姿をとっているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。空の母親の花の枝に引っかかっていた所を空に発見される。アグモンらと同じく「デジタル・モンスター」シリーズの一体。一人称は「あたし」。

太刀川 ミミ(たちかわ みみ)
9歳
光子郎の同級生で、わがままな少女。だが、自分の気持ちに素直で、相手のモンスターを破壊することに恐怖を感じ、モンスターを戦闘で破壊するのは極力避ける。魂のカードは精霊の宿るカード、「パルモン(オリカ)」。

パルモン(ぱるもん)
ミミの魂のカードで、親友の様な存在。動くシダ植物の姿をとっているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。ミミの誕生日プレゼントの箱の中に混ざっていた。アグモンらと同じく「デジタル・モンスター」シリーズの一体。一人称は「あたし」。

城戸 丈(きど じょう)
11歳
年長でしっかり者でドジだが、誠実な性格なのでみんなからは好かれている。受験生で、猛勉強中。魂のカードは精霊の宿るカード、「タマモン(オリカ)」。

タマモン(たまもん)
丈の魂のカードで、親友の様な存在。ちいさいアザラシの姿をとっているが、体はプログラムによって構成されており、それを特定のカードで書き換えることで「進化」する。丈が買った問題集の中に挟んであった。アグモンらと同じく「デジタル・モンスター」シリーズの一体。一人称は「オイラ」。

武藤 遊戯(むとう ゆうぎ)
18歳
初代デュエルキングであり、最強のデュエリスト。老いた祖父に代わり亀のゲーム屋の店番を時々しているそうである。魂のカードは「破壊竜ガンドラ」。

城之内 克也(じょうのうち かつや)
18歳
遊戯の親友で、「第1回バトルシティ大会」4位の実力を誇る。魂のカードは「真紅眼の黒竜」。

海馬 瀬人(かいば せと)
18歳
海馬コーポレーション現社長。最近では「第2回バトルシティ大会」を開く事を宣言した。遊戯とは永遠のライバルであり、城之内とは犬猿の仲。ド派手なことが相変わらず大好きで、魂のカードは「青眼の白龍」。うわさでは「青眼の白龍」が再販されたことを知ってI2社に殴りこみに行ったとか行かなかったとか。



第1章−始まりの日−

ここは朝のお台場。最近の「M&W」ブームが特に目立つ地域でもある。
そこのお台場小学校の放課後からこの物語はスタートする。

「お〜い」
「みんな練習しないのかぁ?」
おかしいなぁ。おっと、俺は八神太一。太一って呼んでくれ。好きなスポーツはサッカーだ。今日もサッカー部の練習のために来たわけなんだが...。
「すまん。八神、みんなして『M&W』ってカードゲームをやっていて全く練習に来よう としないんだ。」
そう言ったのは顧問のF先生だった。
「『M&W』?なんですか、それ。」
作者注:八神太一は流行に乗り遅れているようだ。
「太一さんは知らないんですか?『M&W』っていうのは今人気のカードゲームなんです よ。」
おっと、今通りかかったのは光子郎だ。こいつはなかなか情報が早くて頼りになるんだ(作者注:実際は太一がやや遅れ気味なだけ)。パソコンとかも得意だからどこの家からもいい噂しか聞かない、いい子だ。
「どういうことだ、光子郎?」
やっぱなんか知ってそうだ。
「どういうことも何も、『M&W』っていうのはですね...。あ、話すと長くなりそうなの で、家に来ませんか?」
時計を見ると今2時45分。おっ、おやつの予感...。
「行く!行く!早く行こうぜ!」
「うわっ、ちょっと待ってくださ〜〜い!サッカー部は...」
「こらっ、八神!お前までサボりか!」
なんかF先生が言ってるが、まあ、たいした話じゃないだろ。それよりO☆YA☆TUの時間だ。光子郎のお母さんの作るケーキはめちゃくちゃ上手いんだ。まあ楽しみにしてなって。

〜光子郎の家〜
「ですから、サッカー部はどうするんですか!」
「あはは、どうにかなるって。」
これで何回目だろうか。この会話を繰り返したのは。光子郎も変に心配性だな。(作者注:太一が危機感に乏しいだけです。)
「それより『M&W』ってなんなんだ?」
「『M&W』というのはI2社が発売し、日本での販売を海馬コーポレーションに委託し ている今大人気のゲームです。半年前には童実野町でおおきな大会も開かれています。 ルールをお教えしましょうか。」
なやむなあ。でもここで話を終わらせたら、ケーキが来る前に帰ることになるかも知れない。ここは一応聞いておくか。
「頼む。」
光子郎はコホン、と咳払いをしてから、
「まず、このゲームはお互いのプレイヤーが40枚以上のカードの束、デッキを用います 。これらのカードにはいくつかの種類があるので、一つずつ説明していきますね。」
「まず大まかに分けて、モンスター・魔法・罠の3種類のカードがあります。まずモンスターについて説明しましょう。」
「モンスターには功撃力・守備力があり、それらを用いて、相手のモンスターと戦い、よ り大きな数値のモンスターが勝ち、相手のライフポイント、公式ルールでは8000で すが、を削りあい、0にしたほうが勝ちです。このように重要な役割をはたすのがモン スターです。」
まず、白に近い色をしたカードが出てきた。
「これは通常モンスターカードです。効果はありませんが、その分、攻撃力・守備力が総 じて高くなっているのが、特徴です。」
と、こんな風に説明は続いていったわけだが、おれは後半の方はもう寝てて聞こえていなかった。
「どうです、太一さん。『M&W』、始める気になりましたか?」
不意に話を振られたんで、つい、
「ああ、もちろんだ」
と答えてしまった。何てことだ。それにしてもケーキがおそいな。
「ところで光子郎、お前の母さん、どうしたんだ?」
と聞いてみる。
「そうと決まれば話は早いですね。今すぐカードを買いに行きましょう。」
なに!完全にスルーされた。まさか光子郎がそんなテクニックを身に着けていたとは..。
「太一さん。今もちろんお財布もってますよね。」
ここもまた不意に話を振られたので、
「ああ、もちろんだ」
と答えてしまった。しまった、完全に光子郎にはめられた..。(作者注:太一の考えすぎです)
「では、出発しましょう。」
あ、ちょっと待ってくれ〜〜。

〜カード屋〜
「いらっしゃい!おっ、光子郎君、今日も買いにくれたのかい?」
主人は愛想のいいおじいさんだった。
「今日は友人の分も買いにきたんです。最近いいストラクチャーデッキは出てませんか? 」
と答える光子郎。ところでストラクチャーデッキって....?
「ああ、今、恐竜の目覚めを入荷したよ。」
主人はとことん愛想がいい。それでストラクチャーデッキって....?
「そうですか。どうでしょう、太一さん。」
不意に話を振られたので、つい
「ああ、そいつがいい」
と答えてしまった。またはめられた...。
「では、他にそのデッキに合ったカードはありますか?」
と聞く光子郎。
「ああ、そういえば埃を被ってたカードが今日偶然見つかったんだ。安くするから買って ってくださいな」
とこれまた愛想のいいおじいさん。
「ではそれと、後は必須カードを何枚か購入します。いいですね?」
不意に話を振られたので、つい
「ああ、それでいい」
と答えてしまった。またもやはめられた...。
「1800円です。ありがとうございました。」
これまた愛想のいい言葉を投げかけられ、俺たちはカード屋を後にした。
光子郎とはそのまま別れた。もう今日ははめられっぱなしだった。
その帰り道。



第2章〜恐竜のお化けはこわいのか〜

俺は家への帰り道を鬱気味に歩いていた。
何がなんだかわからない内に1800円、
俺の全財産といってもいいくらいの大金を使わされていた。
そのせいで俺はこんな荷物を持たされているわけだが..。
「だいたい中身は何なんだ?」
袋の中身:
ストラクチャーデッキ・恐竜の目覚め
デッキ構成40枚
[モンスター]
フロストザウルス×2
暗黒ステゴ×3
グラナドラ×3
暗黒ドリケラトプス
セイバーザウルス×3
首領亀×3
キラーザウルス×3
黄泉ガエル
ダンディライオン
[魔法]
ジュラシック・ワールド×3
超進化薬×2
大進化薬×2
サイクロン
スケープ・ゴート
ハリケーン
地割れ
地砕き
光の護封剣
二重召喚×2
[罠]
狩猟本能×3
生存本能×1
炸裂装甲

必須カード類3枚
聖なるバリア−ミラーフォース−
魔法の筒
和睦の使者

レアカード1枚
アグモン

という感じだった。
「ストラクチャーデッキ」には説明書がついていたので一応読んでみる。
「このデッキは強力なパワーを持つ、【フロストザウルス】・【暗黒ドリケラトプス】を 召喚して一気に勝負を決めるタイプのデッキ。そのため、時間稼ぎ用の【スケープ・ゴ ート】等を使いながら、【大進化薬】・【超進化薬】を使って、上級モンスターたちを 召喚。相手のライフを戦闘で削りつくそう。【二重召喚】を使えば1ターンで上級モン スターが呼び出せるぞ。かぁ。わけわからん。」
ルールブックも見てみよう。
「何々、モンスターにはレベルがあり、高いレベルになると生け贄を捧げる必要があ  る.....(以下省略)」
「太一ぃ、太一ぃ。」
「うるさいな。ちょっと黙ってくれよ...って誰だよお前!」
そこには奇妙な小型の恐竜が立っていた。
「誰って言うなら、僕は君のパートナー、アグモンだよ。」
「うわああああああああああああああああああああ。しゃべる恐竜だあああああああ!助 けてくれ、俺はまだ死にたくなぃ。おい、待てよ、八神太一。クールになるんだ。こん な事があるはずが無い。これは夢だ。きっと夢に違いない。」
小さな恐竜は頭を横に振りながら、
「僕は夢でも空想でもないよ。君のパートナーのアグモンなんだって。」
「嘘だ!そんなはずがない。アグモンなんていう恐竜聞いたこともないじゃないか。」
「僕は恐竜じゃなくてカードの精霊だよ。ほら、君が手に持ってるやつさ。」
「そういえば..。確かこのカードもアグモンって言うんだったな。だがそれにしても何な んだ。カードの精霊って。」
「僕のような、パートナーにしか見えない特別な存在だよ。『M&W』のカードを楽しん でいる人なら誰でも1度は会えるものだよ。」
「とにかくお前が普通じゃないことはよ〜くわかった。しかしなぜ俺みたいな初心者をパ ートナーにするんだよ。」
小さな恐竜は目を閉じながら、こういった。
「一言で言うなら、君の勇気を見込んだからだよ。」
「俺の...勇気?」
「そうさ、君の勇気は僕たちの力を引きだしてくれる。それに性格も気に入ったし。」
「でも俺はさっきお前を見てすごく怖がってたぞ。」
「そうじゃない。そういうのは勇気とは違う。勇気とは苦しい状況でも絶対にあきらめな い、そんな物の事だよ。」
こいつの言ってることは中々深いな。
「まあ、とりあえず、歩きながら話そうよ。」
そういいながら、恐竜は歩きだす....家から反対方向に。
「おい、そっち反対だぞーー。」
そういってやると、恐竜はドテッと転んだ。そして頬を赤らめた。
なかなかかわいい部分もあるな。
(作者注:決して、太一君は同姓愛に、目覚めたりしてませんよ)
「まあ、いいや、帰ろう」
そうしてまた歩き出す。前にとっても怖い顔をしたお兄さんがいることにも気づかずに。



第3章〜お兄さんは昆虫使い〜

「おい、そこのガキンチョ。そのカード渡しな。」
目の前に突然現れた緑髪の眼鏡男はそういった。
「だれだよ、お前。それにアグモンは渡さないぞ。」
そういうと、その男は突然ニヤリと笑った。
「俺は羽蛾。元全日本チャンプのインセクター羽蛾さ!さあ、恐ろしいだろ。」
ヘッと笑いながら、太一はこう言った。
「お前みたいなチビメガネの話なんか誰が聞くか!」
この時、羽蛾は本気でキれた。
「クリ○ンの事か。クリ○ンの事かーっ!」
某ジャンプ漫画の主人公の台詞を大声で叫んでも迫力がちっともない。(恥ずかしくないのか?)
「まあ、いいさ。どうしても渡したくないなら俺とデュエルしろ。俺に勝ったらあきらめ てやる。ただし負けたらお前のレアカードをいたただくゼ!」
なんか今度は「最弱のレアハンター」みたいな事を言っちゃってるよ。
負けフラグだと言うのに。
「おう、やってやるぜ。ただし俺が勝ったら俺がお前のカードを1枚もらうぞ。」
「ヒョヒョヒョ、強がるなよ。(ヤッター♪俺の勝ちだあ☆)」

この作品内でのデュエルについて

基本はOCG
ただし一部展開のためチェーンが無視される場合があるかも知れません。
また、原作カードのOCG再現もあるかも知れません。


「ヒョヒョヒョ、デュエル開始だぜ。」
「........」
「...........おい、どうした、早くデュエルディスクをセットしろよ。」
「何だよ、それ?そんな物持ってないぞ。」
「まさかデュエルディスクも持っていないザコだったとは....。仕方がない。俺のやつを 貸してやる。(こんなザコ瞬殺だぜ)」
「改めてデュエル開始ぃ!まずは俺、羽蛾様の先攻だ。ひょひょひょ、ドロー!俺は甲装甲騎士を召喚!」

甲虫装甲騎士
レベル4・地・昆虫族・通常モンスター
功撃力1900・守備力1500

「さらに魔法カード「孵化」発動!」

孵化
魔法
自分のフィールド上モンスターを1体生け贄に捧げる。
その生け贄モンスターより1つレベルの高い昆虫族モンスターを
デッキから特殊召喚する。

「俺は「アルティメット・インセクト LV5」を特殊召喚!」

アルティメット・インセクトLV5
レベル5・風・昆虫族・効果モンスター
功撃力2300・守備力 900
「アルティメット・インセクトLV3」の効果で特殊召喚した場合、
このカードがフィールド上に存在する限り、全ての相手モンスターの
攻撃力は500ポイントダウンする。自分のターンのスタンバイフェイズ時、
表側表示のこのカードを墓地に送る事で「アルティメット・インセクトLV7」1体を
手札またはデッキから特殊召喚する(召喚・特殊召喚・リバースしたターンを除く)。

「教えておいてやる。こいつは次の俺のターンのエンドフェイズ時に成長し、LV7にな るんだぜ。ヒョヒョヒョッ、俺の勝ちは決まったも同然だぜ。俺はこのままターンを終 了するぜ。」
太一には幸か不幸か、全く言っている意味が理解できていなかった。
困ったな、どうすりゃいいかわかんねえ。とりあえず、カード全部をデュエルディスクにいれとこ。
「まず俺はカードを5枚引いて、さらに1枚引くっと。」
太一の手札:

フロストザウルス
ダンディライオン
セイバーザウルス
地割れ
二重召喚
炸裂装甲

まずは守りを固めるか。
「俺はダン....」
「待って、太一!」
「何だよ、アグモン?」
「手札をよ〜く見て。「地割れ」は無条件に相手の攻撃力が1番低いモンスターを1体破 壊できるんだ。」
 
地割れ
魔法
相手フィールド上の攻撃力が一番低い表側表示モンスター1体を破壊する。

「相手モンスターがいなければ、自分のモンスターで、相手プレイヤーに直接攻撃できる んだ。直接攻撃時には自分のモンスターの功撃力分のダメージを相手に与えられる。も し「地割れ」を使った後に、モンスターを召喚して、直接攻撃すれば、大ダメージも与 えられる。」
むぅ、光子郎がそんな事を言っていたような...
「とりあえず、「地割れ」を使うぜ!」
途端にインセクター羽蛾の顔色が変わる。
「何!「地割れ」だと!俺の「アルティメット・インセクト LV5」が!」
地面に突然現れた割れ目に「アルティメット・インセクト LV5」は飲み込まれていった。
「俺の場はがら空き...。まさか!」
「よし、「セイバーザウルス」召喚!攻撃だ!」

セイバーザウルス
レベル4・地・恐竜族・通常モンスター
攻撃力1900守備力 500

「セイバーザウルス」は咆哮し、羽蛾に突進していった。
「うああああああああああああああああああああああああ!」
羽蛾は後攻1ターン目からいきなりライフポイントの大半を失う。
羽蛾ライフ 4000−1900→2100

「どうだ!元全日本チャンプもたいしたことはないな!」
「きぃいいい。この俺をなめやがって。」
「俺はターンを終了する。」
さて、ここまでで読者諸君はなぜ初心者の太一がこんなに立派にデュエルできるのを不思議に思ったのではないのだろうか?それはアグモンが次に言うべきことを教えていたからである。

ターン終了経過:
羽蛾 ライフ2100
フィールド
なし
手札:4枚

太一 ライフ4000
フィールド
セイバーザウルス
手札:4枚



今日の最強カード
今日の最強カードは「地割れ」だ!この1枚で確実に相手モンスターを1体破壊できるので、かなり便利だ。俺みたいに後攻1ターン目で使えば、相手にいきなり大ダメージを与えるのも夢じゃない!



第4章〜アグモン進化〜

「気をとりなおして、ドロー!俺は手札から「アーマード・フライ」召喚!」
アーマード・フライ
レベル3・地・昆虫族・効果モンスター
攻撃力2000 守備力2000
自分フィールド上にこのカード以外の昆虫族モンスターが存在しなければ、このカードの攻撃力・守備力はそれぞれ1000ポイントになる。

「さらに手札から魔法カード「二重召喚」発動!」

二重召喚(デュアルサモン)
魔法カード
このターン中、もう1度だけ通常召喚する事ができる。

「効果により「甲虫装甲騎士」を召喚!さらに2体で攻撃!」
「アーマード・フライ」が「セイバー・ザウルス」を、「甲虫装甲騎士」が太一を襲う。

太一ライフ 4000−100−1900→2000

「俺はターンを終了するぜ!」

ターン終了経過:
羽蛾 ライフ2100
フィールド
アーマード・フライ&甲虫装甲騎士
手札:2枚

太一 ライフ2000
フィールド
なし
手札:4枚

「くっ、俺のターン、ドロー!」
太一の手札:

フロストザウルス
ダンディライオン
二重召喚
炸裂装甲
アグモン

「やっと僕の出番だ。僕を召喚して!」
「分かってるぜ、アグモン。俺は「アグモン」を召喚!」

アグモン 
レベル4・地・恐竜族・効果モンスター
攻撃力1600 守備力 500
このカードが自分のスタンバイフェイズ時に自分のフィールド上に存在する場合、このカードを生贄にささげる事で、「グレイモン」を融合デッキから特殊召喚することができる。〈メタルグレイモン〉〈ライズグレイモン〉

「さらに魔法カード「二重召喚」発動!裏側守備表示でモンスターをセットする!さらに 1枚カードを伏せ、ターンエンド!」

ターン終了経過:
羽蛾 ライフ2100
フィールド
アーマード・フライ&甲虫装甲騎士
手札:2枚

太一 ライフ2000
フィールド
アグモン&裏側守備表示モンスター&伏せカード1枚
手札:1枚

「俺のターン、ドロー。ヒョヒョ?ヒョヒョヒョヒョ!来たぜ、お前を地獄に葬るカード がな!俺は「甲虫装甲騎士」を生け贄に捧げ、「スナイモン」を召喚!見ろ、このカマ キリ型の「デジタル・モンスター」は!こいつを手に入れるのにどれだけ時間を費やし たか...。だがこいつはそのよわっちい、下級「デジタル・モンスター」とは一線を画す 、上級の「デジタル・モンスター」だ!」

スナイモン
レベル7・風・昆虫族・効果モンスター
功撃力2700守備力   0 
このカードは相手フィールド上のモンスターと自分フィールド上のモンスターの数が同じ場合、生け贄1体で召喚できる。このカードが攻撃したターン、相手は魔法・罠カードを発動できない。

「すごいぞ!かっこいいぞ!「スナイモン」で裏側守備表示モンスターを攻撃!シャドウ ・シックル!」
「リバースカードオープン!「炸...」」
「ムダだ!「スナイモン」が攻撃しているターン中に魔法・罠の発動は封じられる!」
裏側守備表示だった「ダンディライオン」はあっけなく切り刻まれる。

ダンディライオン
レベル3・地・植物族・効果モンスター
攻撃力 300/守備力 300
このカードが墓地に送られた時、自分フィールド上に「綿毛トークン」(植物族・風・星1・攻/守0)を2体守備表示で特殊召喚する。このトークンは特殊召喚ターン、生け贄召喚のための生け贄にはできない。

「だが、「ダンディライオン」は綿毛トークンを2体場に遺す!」
「それも破壊してやるさ!「アーマード・フライ」攻撃だ!」
綿毛トークンが一つ消滅する。
「これで俺のターンは終了だ!」

ターン終了経過:
羽蛾 ライフ2100
フィールド
アーマード・フライ&スナイモン
手札:2枚

太一 ライフ2000
フィールド
アグモン&綿毛トークン&伏せカード1枚
手札:1枚

「俺のターン........」
もうだめなのか...。手札の「フロストザウルス」の功撃力では「スナイモン」は倒せない。たとえ次に、罠カードをドローできたとしても効果で無効化されてしまう。万事休すか
....。
「落ち着いて!太一!まだチャンスはある!僕と....自分を信じて!君にはあるはずだ!
 どんな絶望的な状況でもカードをドローすることができる『勇気』が!」
そうだ、何を考えているんだ、俺は!サッカーで言えば、今はロスタイム中に1点リードされているようなもの。まだ十分逆転のチャンスはある!
「ドロー!」
この引きに全てをかける!

太一の手札:

フロストザウルス
ジュラシックワールド

「何を引こうとムダムダァ!「スナイモン」が倒せる物か!」
「あせるなよ!まだ俺はなにも...」
そういっていた瞬間にアグモンの体が光りだす。
「な、何だぁ?」
「僕の効果だよ。僕の体はプログラムで構成されているからそれを組み替えることで、別 の姿へと変化できるんだ。いっくぞお、アグモン、進化ぁ!」
フィールド上の「アグモン」が墓地に送られると同時に、融合デッキから1枚のカードが
特殊召喚される。
「融合デッキから「グレイモン」特殊召喚!」

グレイモン
レベル6・地・恐竜族・融合/効果モンスター
攻撃力2600/守備力 500
このカードがモンスターを戦闘で破壊した場合のみ、以下の効果を発動できる。●このターンのエンドフェイズ時にこのカードを生贄にささげる事で、融合デッキから、「メタルグレイモン」を特殊召喚することができる。

「よし、このターンで俺は勝てる!フィールド魔法カード「ジュラシック・ワールド」発 動!」

ジュラシック・ワールド
魔法カード・フィールド
フィールド上に表側表示で存在する恐竜族モンスターは攻撃力と守備力が300ポイントアップする。

「さらに、綿毛トークンを生け贄に捧げ、「フロストザウルス」召喚!」

フロスト・ザウルス
レベル6・水・恐竜族・通常モンスター
攻撃力2600/守備力1900

「フィールド魔法「ジュラシック・ワールド」の効果で2体のモンスターの功撃力は29 00になる。「フロストザウルス」で「スナイモン」を攻撃!」
氷の恐竜はカマキリを氷漬けにし、破壊した。

羽蛾ライフ2100−200→1900

「まだだ、まだ俺の場には攻撃力2000の「アーマード・フライ」が!」
「お前の「アーマード・フライ」の功撃力は他の昆虫族モンスターがフィールド上に存在 しない場合、功撃力が1000ポイントになるはずだ!」
「あっ、ああ、ウヒョーーーーーーーーーーーーー!」
「いくぜ、「グレイモン」で「アーマード・フライ」を攻撃!メガフレイム!」
「NOOOOOOOOOOOOO!!!!!」
羽蛾ライフ 1900−1900→0

「そんなバカな...。俺がこんなザコに負けただと...ありえないィ、ありえないィ」
羽蛾はショックのあまりマインド・クラッシュしてしまったようだった。だが、約束は約束だ。「スナイモン」はもらっておいた。(ついでにデュエルディスクも)
「やったな、アグモン!」
「太一ぃ!」
パートナーが厳しい決闘の後、抱き合う感動の瞬間!
グ〜〜〜〜
「あ、」
「あ、」
「やばい、もうこんな時間だ。どうりで腹時計がなる訳だ。早く帰らないと夕飯抜きだ! アグモン!走るぞ!」
「ちょっと待ってよ太一ぃ!」
こうして太一とアグモンは初勝利を収めた。



今日の最強カード

今日の最強カードは「グレイモン」だ!アグモンの進化形態であり、強力な恐竜族モンスターの1体だ。このカードの召喚条件はかなり特殊なため、デュエルディスク本体に召喚のギミックが搭載されているんだぜ。融合デッキにあらかじめ空白のカードが仕込まれていて、進化前のカードに応じて、進化後のカード情報がそのカードに登録される、っていうやつらしい。まあ、すごいカードだと言うことは間違いない。



続く...



戻る ホーム