消え行く創造者完結編 最強デッキVS最弱デッキ
あとがき

製作者:ヘルグレファー9骨さん




 どうもお久しぶりです。ヘルグレファー9骨です。
 消え行く創造者完結編、いかがだったでしょうか。今回デュエル構成には相当頑張りました。とにかく沢山、色んな禁止カードや最弱クラスのカードを出したいと思った結果、互いに40枚以上のカードを使ったとんでもなく長いデュエルになってしまいました。
 その代わり、デュエル以外の部分は結構いい加減です。
 ここからは、消え行く創造者のこれまでのエピソード及び、それに登場するキャラクターを振り返っていきたいと思います。
 色々と衝撃の事実が暴露されると思いますが、他人の黒歴史ノートを読むつもりで笑ってやってください。

・設定
 消え行く創造者のページを最初に開いて唐突に飛び込んでくる、独自の制限リスト。これを見た時点で「あ、この小説つまらなそう」と思い読むのを止めた方も多いのではないかと思われます。
 独自の制限リストを導入した理由は「儀式カオソルVS開闢をやりたかったのに、これを投稿する直前に開闢が禁止カードになってしまったから」というものだったと記憶しています。
 ちなみに、今回の完結編にこの制限リストは適用されていません。

・第一章〜第四章 光VS海日
 2005年9月23日、当時中学三年生。当時のヘルグレファー9骨は受験勉強もせずこんなもん書いてました。ちなみに第一志望の高校には落ちました。
 まず最初に登場した風間俊子。部活ものによくある、部活外の友人ポジションとして作ったキャラです。名前の由来は遊戯の中の人。しかし、彼女は結局禄な役割を持てず、殆ど出番がありませんでした。
 次に、主人公の御門光。最弱クラスのカードばかりを使うという個性を持つキャラクターですが、ぶっちゃけ最弱クラスのカードを活かすためにガチカードも使いまくってます。しかも性格的には表さんのキャラクター、神里絵空のパクリそのものであり、個性もへったくれもありません。
 光に最弱デッキを使わせた理由について。実を言うと当時の自分はいわゆる「ファンデッカス」的な思想を持っていました。そんな中表さんが原作の世界にOCGのガチカードを持ち込んだ作品を投稿し、好評を得ました。自分はそれが悔しくて仕方が無く、表さんを皮肉った作品を作ろう! 最弱クラスのカードでガチデッキをやっつける作品を作ろう! と思ってこんな作品を思いついたわけです。
 当時の自分は、やたらと表さんに対抗心を燃やしていました。何一つ勝てる要素が無いにも関わらずです。今でも勝てる気がしません。
 光の性格は絵空をパクった、と言いましたが、それに関してもかなり中途半端な形になってしまいました。初期設定では弱気キャラだったはずが、ひたすらブレまくっていつの間にか明るい子になってたりまた元に戻ったりしました。正直自分でも光がどういう性格のキャラだかわかりません。
 光のエースにカオス・ソルジャーを選んだ理由について。これも絵空の開闢の使者を意識した部分はあるのですが、それ以上に「リアル幻のレアカードである」ということが大きいです。主人公に何か特別なカードを持たせたくて、そこに白羽の矢が立ったのがカオス・ソルジャーでした。大会賞品のカオス・ソルジャーは本来公式デュエルでは使用できないカードなのですが、あえてそれには触れない方針で行くことにしました。
 さて、次の登場人物は遊戯王カード部部長の海日疫太郎。名前の由来は開闢太郎→かいびやくたろう→海日疫太郎。
 光の最弱デッキに倒される最初の噛ませ犬として用意したのが、絵空のエースである開闢の使者を使うキャラクターでした。
 光が海日を倒すことで、儀式カオソル>開闢の使者、ファンデッキ>ガチデッキ、そして自分>表さんであることを証明するという中学生らしいしょうもない欲望を満たしていたわけです。
 当時の自分にとって海日疫太郎は大嫌いなガチデッカーの象徴であり、性格に関しても皆から嫌われる嫌な奴として設定しました。デュエルの腕も、最強クラスのデッキを使っているにも関わらず全く勝てないという残念さです。このエピソードを書いた当初は自分も海日を嫌っていたのですが、以降ひたすら負け続けるうち、いつの間にかお気に入りのキャラクターになっていました。光やグレファーよりも気に入ってるくらいです。
 第一章ではデュエルをすることなく終わり、それから二週間弱ほど経って投稿された第二章から光と海日のデュエルが始まります。制限リストとデュエルする前のプロローグのみ掲載とは、読者を舐めているにも程があります。
 さて、消え行く創造者では「この作品世界で使われるカードゲームは、M&Wでもデュエルモンスターズでもなく、遊戯王OCGである」ということに拘っていました。即ち、オリジナルカードの使用を一切不可とする、ということです。そこに無駄なリアリティを追求したにも関わらず、デュエルディスクは存在するという矛盾。これは後に烏丸というキャラクターを作ることで、上手く活かす形となりました。
 当然自分のような素人の中学生にオリカ使用不可ルールが扱いきれるはずもなく、デュエル構成には相当苦労させられました。
 上にも書きましたが、何だかんだ言って光はガチカードを多用しています。(このデュエルでも死者蘇生、天使の施し、処刑人マキュラ、メタモルポット、強欲な壺、血の代償、苦渋の選択、魔法石の採掘、ゴブリンのやりくり上手、闇の仮面、おろかな埋葬etc……)これでは最弱クラスのカードでもガチカードに勝てるということを証明するには不適切です。しかし当時の自分のデュエル構成能力では、こうするしか無かったのでした。今回投稿した完結編では、可能な限り光にガチカードを使わせないよう心がけました。同じような効果でもできるだけ下位互換の方、マイナーな方を使おうとwikiと睨めっこしてました。それでも光の護封剣や高等儀式術を使わざるを得なくなってしまったことは非常に悔しいです。

・第五章〜第六章 光VS中太郎
 第五章では一気に大量の新キャラクターが登場しましたが、彼らについて詳しく語るのはそれぞれの初デュエル回に回そうと思います。
 実を言うと、この時点で彼らは名前と容姿と使用デッキ、後は一行に収まる程度の簡単な設定しか考えられていませんでした。初期の消え行く創造者は「書きながら考える」方針を基本としており、前もってちゃんとした設定を用意する気がそもそも無かったのでした。その結果碌な個性を現せず、プロたんさんのレビューで厳しいお言葉を頂く破目になってしまったわけですが。
 第六章で光とデュエルをするのが、山田中太郎です。彼の初期設定は「光よりも主人公っぽい、体育会系熱血馬鹿キャラ」というだけでした。その後付けられた彼の詳細設定が「実は金剛峰寺財閥の御曹司であり、山田中太郎は偽名」というものです。しかし結局その設定が出る前に打ち切りとなり、最終話で唐突に明かす形になりました。こんな設定になったのは、熱血馬鹿がお坊ちゃまだったらギャップがあって面白いというただそれだけの理由です。

・第七章〜第九章 光VS怪しい男
 当時話題になっていたTOD(タイムオーバーデス)を題材にしたエピソードです。ただ話題になっていたというそれだけの理由で書いた、いわゆる時事ネタ回と言っていいでしょう。
 こんな難しい題材を自分に扱いきれたのかというと当然そんなことはなく、当時の自分ですら「TODを題材にしたのは失敗だったな」と思ってしまったほどです。実力は無いくせにやたらと凝ったことや挑戦的なことをやりたがる、悪い癖です。
 このエピソードは後に光達と敵対する悪の組織が初めて関わるエピソードでもあるのですが、描写がかなりいい加減なので結局何のことだったのか有耶無耶になってしまいました。

・第十章 光VS小学生
 前回に続く時事ネタ回です。当時「OCG史上最弱のカードが出た」と話題になっていた幻魔の殉教者。これは消え行く創造者で使わざるを得ないと思い、早速書いてみたわけです。
 この回は感想掲示板でも結構褒められていた記憶があります。

・第十一章 光VS亮子
 この回でデュエルするのは二年生の川上亮子です。彼女のキャラもかなりブレブレでして、初期はぶりっ子キャラだったのがいつの間にかギャル系になっていました。
 彼女には特にこれといった後付け詳細設定はありません。強いて言うなら、お色気要員になる、ということがそれに当たるでしょうか。

・第十二章 光&中太郎VS日比&田村
 サブタイトルで「この二人は絶対にこの先三沢化すると思う」と言われてしまった不幸なキャラクター、日比秀介と田村拓郎。
 日比は銃マニアだから「バーン」、田村はギタリストだから「ロック」で、二人がタッグを組むことでロックバーンが完成する、というコンセプトのキャラです。しかしメインキャラクターでタッグ専門かつロックバーン使いというのは非常に扱い辛く、初デュエル回で早くもいずれリストラすることを決められてしまうという、あんまりにもあんまりなことになってしまいました。
 結局自分はこの二人をまともに掘り下げることを放棄。これ以降一度もデュエルをさせないことにしました。こんなことになるならこんなキャラ作らなければよかった、という話ですね。

・第十三章 光VSダイ・グレファー
 ついに来てしまった伝説の回。これまでぱっとしなかった消え行く創造者が、初めて感想掲示板で大きく話題になったエピソードです。ある意味で消え行く創造者を象徴するエピソードであり、消え行く創造者の方向性を決定付けたエピソードとも言えるでしょう。
 今回はTOD回に続く悪の組織関連エピソードであり、悪の組織はOCGのモンスターを実体化できる、ということが明かされます。しかし、実はこの時点では悪の組織に関する設定を何も決めていませんでした。とりあえず色々刺客は出すけど、設定は後で考えるといういい加減さ。支離滅裂になってやる気を無くすのも仕方がありませんね。
 さて、キャラクターとしてのダイ・グレファーですが、ただ一言「変態」としか言いようがありません。とにかくやりたい放題変態じみたことをやらせ、変態じみたことを言わせる、それだけのキャラです。
 ちなみにこの時点ではただの単発ゲストであり、再登場させる予定はありませんでした。しかしプロたんさんの黒塗り効果もあって感想掲示板での反響が凄まじく、結局レギュラーにすることとなりました。その場の思いつきだけで進めるいい加減な話作りがいい方向に働いたエピソード、とも言えるでしょうか。

・第十四章 武VS海日
 武の初デュエル回です。この回のサブタイトルは「リベンジ・レアハンター」のパロディ。以降海日関連エピソードのサブタイトルは悉くレアハンターシリーズのパロディになっています。そしてこのエピソードはGX第一期の三沢VS万丈目戦が元ネタであり、今後の海日の境遇もGXの万丈目が元ネタです。
 神沢武は、中太郎の親友で弱気な少年キャラです。思えば光が明るいキャラになったのは、武とキャラが被っているからだったのかもしれません。
 武の後付け詳細設定は「実は悪の組織によって作られたホムンクルス」というもの。中太郎との友情と、悪の組織の構成員としての使命との板ばさみに悩むキャラになる予定でした。
 武をガジェットデッキにしたのは、当時除去ガジェットがトップメタだったことが理由です。あえて除去ガジェットではなくファンデッキ型のガジェットを使うことで、「これが本来のガジェットデッキだ!」ということを示したかったのです。
 また、結果として武はこれが最初で最後のデュエルになってしまいました。一時的にとはいえ三沢のポジションになったことがフラグだったのでしょうか。

・第十五章〜第十六章 光VS木之上
 第十五章は海日が龍星高校を裏切り三十六段坂高校に入るエピソードとして作られたものです。前回に続き、万丈目がノース高に入るエピソードを元にしています。
 「プリンセス・ハオ」なる単語が途中に出てきますが、まるで消え行く創造者のその後を暗示しているかのようですね。というか、実を言うと今回の完結編を書こうと思った切欠が「シャーマンキング完全版」だったりします。……はい、シャーマンキング完全版が出た頃に企画したものが、今になってやっと完成したんです。
 さて、第十六章で初デュエルをするのは、木之上こと木之下健三郎(木之下春斗)です。何故彼には二つの名前が存在するのか、それは、自分が健三郎という名前を忘れていたためです。過去の回を確認もせず「もしかして木之上の下の名前設定し忘れたか!?」と思ってしまい、新しく春斗と名付けたためにこんなことになってしまいました。ちなみに、本名木之下であだ名が木之上というのは中学時代の部活の後輩が元ネタです。
 後の後付け詳細設定にて「レギュラー木之上は春斗の方で、健三郎はたまに入れ替わって部活に出てる双子の兄」ということになりました。
 ところで、今回木之上のデッキに投入されていた初期の通常モンスター「バット」ですが、どちらかといえばガチデッキ志向の木之上には明らかにミスマッチなカードです。
 これは当時「ポケットモンスターSPECIAL」に影響されてやったことです。知らない方に向けて説明しますと、「ポケットモンスターSPECIAL」は言わずと知れたポケモンのコミカライズでして、作者の拘りとして作中に全てのポケモンと全ての技を登場させる、ということをやっています。それを見て自分は、消え行く創造者にてOCGに存在する全てのカードを登場させるという無謀にも程があるアホ企画を思いついてしまったのでした。消え行く創造者にてやたらめったら登場するマイナーカードは、だいたいそれのためなのです。無論、こんな企画が成功するはずもありませんでした。
 ついでに、この回に書かれた「闇の芸術家を36枚持っている」というのは嘘です。これを書いた頃既に貴重なカードとなっていた闇の芸術家を36枚も持っているはずがありません。それどころか一枚も持ってません。

・第十七章〜第十八章 光VS例亜反太
 第十七章は大会編スタート、そしてこの作品のラスボスとなる烏丸黒司の初登場回です。
 大体この辺りで、悪の組織の詳細設定が決まりました。
 スピリットバリアのシーンは、烏丸にソリッドビジョンを実体化させる力がある、ということを示す伏線のシーンです。ちなみに「天井の無いスタジアムで雨天の中試合をやるために、透明のバリアを張って屋根にする」というネタは個人的に気に入ってるので、現在自分のサイト(第三十三章で貼ったURLとは別のところ)に載せてるオリジナル作品で使い回してます。
 烏丸はここで登場させた時点で既にラスボスにすることを決めていたキャラでした。また、この時点で禁止カードデッキを使うことも決まっており、八汰烏を切り札にすることから烏の字を名前に入れようと思ってこの名前になりました。
 彼はこの世界におけるソリッドビジョン及びデュエルディスクの開発者であり、それを作った理由が世界征服のためというとんでもない悪党です。この時点では単なる一コナミ社員ですが、後にコナミを乗っ取り悪の秘密結社ダークコナミを結成します。
 本来の予定では大会編終了後ダークコナミ結成のエピソードをやり、様々なダークコナミの刺客との戦いが始まるはずでした。
 第十八章は唐突に出てきた男子小学生、例亜反太とのデュエルです。最初の数ターンをスキップし、いきなりデュエル途中から始まります。このエピソードは究極竜騎士、マシンナーズ・フォース、ゲート・ガーディアン、究極完全態・グレート・モス、VWXYZ−ドラゴン・カタパルトキャノンの揃い踏みをやりたかった、というたったそれだけのエピソードです。はっきし言って、こんな回やる必要は全くありませんでした。

・第十九章 ダイ・グレファーVSヒーロー仮面
 ダイ・グレファー、大反響につきまさかの再登場回です。GXの十代VSエドのパロディ回でもあります。
 今回初登場のヒーロー仮面は、ダイ・グレファーにHEROネタをやらせたいがために登場させただけのキャラでした。後に後付けで「OCGのHEROがあまりに弱すぎるために、コナミを憎んでダークコナミに入った」という設定が加えられました。

・第二十章 雷VS片刃
 今回初デュエルとなるのは三年生の雷正宗……なのですが、まさかの後攻1キルによる出落ちとなってしまいました。これは「ここまで一切デュエルが無くいかにもな強キャラオーラ漂わせてるキャラが初デュエルでまさかの出落ちだったりしたら面白くね?」というしょうもない思いつきによるものです。三十六段坂高校の1キル軍団を印象付ける目的もありました。
 雷の後付け詳細設定は「実は江戸時代から悪の組織によってタイムスリップさせられた本物の侍」というもの。それまでは単なる侍のコスプレした変な人のつもりでした。ちなみに彼、ハーピィ使いの女子小学生とフラグを立てる展開が予定されていました。
 三十六段坂高校は、全員が1ターンキル使いというチームです。最初の一人、片刃西燕はカタパサイエン1キルの使い手です。最初の一人にOCG史上に残る最悪クラスの1キルデッキを使わせたのは、勿論インパクトを重視してのこと。

・第二十一章 亮子VS片刃、亮子VS原明
 三十六段坂高校の二人目は原明逆太、現世と冥界の逆転1キルの使い手です。
 この辺りで、亮子にお色気要員としてのキャラ付けが決まってきました。

・第二十二章 中太郎VS原明、中太郎VS出日
 現世と冥界の逆転へのメタとして岩投げアタックを使い、メガロック・ドラゴンで逆転勝利という展開は岩石族デッキならではで気に入っています。
 三十六段坂高校の三人目は出日乱太。デビフラ1キルの使い手です。

・第二十三章 木之上VS出日 木之上VS儀亜
 三十六段坂高校の四人目は儀亜燐斗。ギアフリエルマループに魔法吸収とビッグバンガールを組み合わせた1キルを使うキャラです。
 亮子や中太郎にしてもそうですが、かっこよく勝ったキャラがその直後次の対戦相手に1キルされて負ける、という構成はなんだか盛り下がりますね。ここは一つの章の流れを「勝つ→次の相手に負ける」ではなく「負ける→次の仲間が勝つ」にするべきでしたね。

・第二十四章〜第二十五章 光VS儀亜
 はっきし言って、このデュエルは消え行く創造者史上最悪のデュエルです。
 10万のライフを1ターンでゼロにする……というネタを思いついたはいいものの、結局それができなかったのでご都合主義で有耶無耶にして終わらせる。デュエル小説としてこれはあまりにも酷すぎる。消え行く創造者の最ワースト回を決めるとしたら、自分は第二十五章を選びます。

・第二十六章〜第二十七章 光VS海日
 前回は最悪でしたが、今回はそれとは真逆でびっくりするほど出来のいいデュエルになっています。デュエル構成的にも、ストーリー的にも、当時の自分どうしちゃったのって思うくらいよく出来てます。
 自分は消え行く創造者のデュエルをかなり低く評価しており、プロたんさんレビューの「デュエルを構築するセンスはかなり高い」という評価には「そんな馬鹿な」としか思っていませんでした。しかしこの回を読み返してみると、確かに自分のデュエル構成能力が成長していたことを感じさせられました。
 あと、第二十七章サブタイトルの斬ネタも個人的に会心の出来です。

・第二十八章〜第二十九章 VS王輝
 大体この回を書いた辺りで、各キャラの後付け詳細設定が決まりました。
 この回で初登場したのは、青山高校の王輝慎二。結局本編では一度もまともにデュエル内容が書かれることが無く、どんなデッキを使うかも不明に終わった不遇のキャラです。
 彼はこの大会で優勝したことでダークコナミにスカウトされ、ゼラのカードを手にします。本来の予定ではその後、光達にとって強力なライバルになるはずだったのですが……。打ち切りの影響をモロに受け、最後は遊戯に負けて原作の世界に置いていかれるという、あまりにも可哀想な結末を迎える破目になってしまいました。
 結局一度もデュエルをしなかったキャラといえば、今回意味深な行動を見せた遊戯王カード部副部長の天野風花もそうです。
 彼女の初期設定は「お嬢様風の美人で優しい先輩」でした。しかしその後付けられた詳細設定は「実は烏丸の部下であり、残虐趣味の極悪外道女」というもの。お前は一体どこのベクターだと言わんばかりのとんでもない設定です。しかも武や雷と違い、最後まで烏丸を裏切ることなく悪人として死ぬ予定でした。もっとも、話の都合で最終話では普通に裏切り、完結編ではグレファーによって無理矢理裏切らされましたが。
 第二十八章で光に瞬殺された職梨新斗は、とりあえずダークコナミの刺客をもう一人くらい出しとこうという適当な理由で作られたキャラです。デュエルよりもむしろ、その後の処刑シーンの方が印象深いキャラになりました。

・第三十章〜第三十一章 光VSダイ・グレファー
 グレファー、三度目のデュエルです。
 羽蛾が城之内のデッキにパラサイドを仕込むシーンのパロディシーンに出てきたキモヲタ、奇喪井汚太郎についてですが……彼の嫁がウィンなのは、当時表さんが「一番好きな霊使いはウィン」と言っていたことが理由です。当時の自分の表さんコンプレックスは本当に酷いもんですね。表さん……本当、すみませんでした。
 地獄の暴走召喚によるグレファー六体揃い踏みや、F・G・D(ファイブ・グレファー・ドラゴン)、グレファック・オーバー・ドラゴンといったネタをやりたくてこのエピソードを書きました。「運命の分かれ道」の使い方もなかなかよかったと思います。

・第三十二章 海日VS城之内
 サブタイトル、初恋の二次元キャラが「こどもちゃれんじ」のみみりんというのはガチです。ただ、今の自分にケモナー属性は全くと言っていいほどありません。人間の女の子一筋です。
 今回はグレファーがまさかの人間として復活。龍星高校の教師、遊戯王カード部の顧問となりレギュラー化してしまいます。何故人間になれたのかは、全く考えていませんでした。ご都合主義そのものです。
 さて、今回は主人公の光不在で海日がまさかの原作世界に行くという異色のエピソードです。実を言うと、この回は消え行く創造者を打ち切りにすることを決めたために書かれたエピソードなのです。
 この時期自分は「この小説、ぶっちゃけつまんねーわ」ということに気付いてしまい、モチベーションが大幅に下がっていました。このままどれだけ長く続けようと面白くはならないし、表さんの作品より人気をとれる気がしない。それだったらいっそのこと打ち切りエンドにして新しい小説を連載しようと思い、消え行く創造者をまとめる作業にかかったのでした。
 このエピソードは、そこで「終わらせる前に、どうしてもやりたかった話だけをとりあえずやっとこう」ということで書かれました。
 消え行く創造者でやろうと思っていた話の中に「原作編」というシリーズがあります。これは、ある日突然遊戯王原作の内容が書き換わってしまうところから物語が始まります。その内容とは、原作バトルシティ編に本来存在しないはずの謎のキャラクター達が登場、遊戯達原作キャラをデュエルで倒し、遊戯達は全員死亡するバッドエンドになるというものです。
 その謎のキャラクターは、烏丸によって送り込まれたダークコナミの刺客。光達は高橋和希先生に頼まれて原作の世界に行き、バトルシティに出場。ダークコナミの刺客を全て倒して遊戯達を救出し、原作を元に戻すために戦うというストーリーです。
 その原作編から、どうしてもやりたかったネタを一通り抜き出したのがこの「海日in原作編」というわけです。
 具体的に言うならば「鏡に映る自分の姿が高橋和希先生の描いた絵になっている」「OCGと原作のルールの違いに戸惑う」「OCGではガチカードだったモンスターが原作ではただの通常モンスター」「前二つの結果、ミスをするキャラとしてお馴染みの城之内からミスを突っ込まれる」といった部分がそれです。
 せっかくなので、他に原作編でやろうとしていたネタの一部をここで紹介します。「遊戯の前に光がレアハンターを倒し、城之内の真紅眼を光が手にする」「原作バトルシティ編に出てる分だけじゃとてもキャラが足りないので、学園編や王国編のキャラまで駆り出される」「リシドが予選でダークコナミの刺客に敗れ死亡、予選から闇マリク出現」「仮面コンビ戦の前に海馬が決勝トーナメント進出を決めたため、海馬の代わりに光が遊戯とタッグを組む」「海馬がアンティで手に入れたOCGのカードを使い、ダークコナミの刺客を倒す」等々……。
 さて、今回のデュエル構成についてですが、消え行く創造者でもトップクラスによくできたデュエルだと思います。決着の決め手となったロケット戦士を筆頭に、一番やりたかった「原作とOCGとの違い」の描写もしっかりできていますし。何より二人の使用カードの選択がいいですね。海日はいかにもなガチカードばかりですし、城之内は使用カード全てが実際に原作やアニメで使用したカードです。

・第三十三章〜第三十四章 海日VS竜崎
 サブタイトルのURLは既に閉鎖されてます。閉鎖の経緯が経緯(二次創作させてもらってる作品の原作者さんを怒らせた)なので、今となっては「ビギナーズカップ!」以上の黒歴史です。できることならあまり触れないでほしいです。ちなみに現在はHNを変えて全く別のサイトをやっています。
 今回は海日と竜崎のデュエルです。前回の海日VS城之内が本来予定されていた原作編には存在しない、打ち切りのために新しく作ったエピソードであるのに対し、今回の海日VS竜崎は原作編バトルシティでやる対戦組み合わせをそのまま持ってきた形になります。海日と竜崎、共に全戦全敗のキャラ同士が対決し、どちらが初勝利を手にするか、というコンセプトのデュエルです。
 尤もそちらでは、竜崎が王輝からカードを貰いダークコナミの刺客になるという展開はありませんでした。これもまた、「どうしてもやりたかった話だけをとりあえずやっとこう」の一環でこうなりました。本来の予定では、終焉ヤタロックのコンボは烏丸が使う予定でした(完結編では実際に烏丸が使用)。しかし最終話はデュエル構成まで含めソードマスターヤマトにすることが決まっていたため、烏丸にそのコンボを使わせるシーンもカットになりました。そのため、代わりに竜崎に使わせる展開となったわけです。開闢VS終焉をやりたかった、というのもあります。
 海日の回想で登場した楓ねーちゃんは、実際に本編で出す予定のキャラでした。もちろん使用デッキは真紅眼。原作世界に行くメンバーの一人にもなる予定でした。
 開闢竜騎士−ドラゴンナイト・ジェネシスは究極竜騎士の開闢+真紅眼版です。本来の予定では、原作編において海日と楓がタッグデュエルで出すカードでした。
 最後は遊戯VS王輝という気になる引きで終わります。原作主人公VSこれが初デュエルとなる強敵ライバル。これがまさかあんな酷い結末になると予想できた人はいたでしょうか。

・最終章 光VS烏丸
 あまりにも唐突な最終話です。完全にソードマスターヤマトです。王輝とは一体何だったのか。
 今回の完結編は、この話のリメイクです。
 ゾーク・ホルアクティの効果の元ネタは、Vジャンプの情報コーナーに載っていたネタオリカ「デッキ焼却」。本物のカオス・ソルジャーがステンレス製であることが焼却へのメタになる、というネタを思いついた時は、自分は天才だと思いました。
 今回初登場となった光の兄についてですが、彼が行方不明になった理由ははっきし言って何も考えていませんでした。カオス・ソルジャーが光の兄という設定も、無理矢理纏めるためにこの最終話を書いた時点で作ったものです。
 ついでに完結編で登場したもう一人の新キャラクター、高橋和希についても。彼はご存知遊戯王の原作者です。本来予定されていた消え行く創造者では、彼はダークコナミに捕らえられていたところを光達に助けられ、以降光達を様々な形でサポートしていく便利キャラのポジションになる予定でした。ドーマ編やGXのペガサスみたいなものです。実在の人物にこんなことやらせるとか怖いもの知らずにも程がありますね。
 こうして最悪の形で終了した消え行く創造者。コンテンツ募集要項に「無理やり終わらせた作品は未完結とみなす」という一文があるのは間違いなくこれが原因でしょう。
 改めて読み返し全体を振り返ってみると、初期の頃の負債が後々足を引っ張ってしまったという印象でした。後半はデュエル構成能力も上がってきて、自分でもびっくりするほどいいデュエルを書けていたのですが、初期に作ったいい加減な設定が全てを台無しにしている。これだけ壮大な長編作品を書くには、当時の自分の力量はあまりにも足りな過ぎました。

 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
 今後もヘルグレファー9骨を宜しくお願いします。





おまけ

光デッキ
メインデッキ60枚
カオス・ソルジャー
ラーの翼神竜
モリンフェン
機皇神龍アステリスク
レオ・ウィザード
墓守の審神者
E・HERO ネオス
ゲート・ガーディアン
女邪神ヌヴィア
進化の繭
プチモス
ワイト
はにわ
おジャマ・イエロー
千眼の邪教神
ラーバモス
D−HERO ダイヤモンドガイ
E・HERO バブルマン
E・HERO バブルマン・ネオ
闇の芸術家
N・グロー・モス
N・ブラック・パンサー
ボアソルジャー
六武衆−ヤリザ
ヒエログリフの石版
太陽の書
黙する死者
ワンダー・ワンド
レーザー砲機甲鎧
魔の試着部屋
恵みの雨
モウヤンのカレー
光の護封剣
火の粉
貪欲で無欲な壺
幻魔の殉教者
ナチュラルチューン
黄金色の竹光
賢者の聖杯
アドバンスドロー
マジック・プランター
バブル・ショット
カップ・オブ・エース
高等儀式術
戦士の生還
防御輪
天よりの宝札
カオスの儀式
ギャンブル
城壁
魔法除去細菌兵器
闇よりの罠
避雷針
亜空間物質転送装置
ライフチェンジャー
光の封札剣
ピケルの魔法陣
DNA移植手術
墓荒らし
攻撃の無力化

エクストラデッキ15枚
E・HERO カオス・ネオス
E・HERO ブラック・ネオス
E・HERO グロー・ネオス
ナチュル・ガオドレイク
虚構王アンフォームド・ボイド
虚構王アンフォームド・ボイド
虚構王アンフォームド・ボイド
潜航母艦エアロ・シャーク
No.56 ゴールドラット
CNo.92 偽骸虚龍 Heart−eartH Chaos Dragon
No.19 フリーザードン
No.10 白輝士イルミネーター
No.34 電算機獣テラ・バイト
No.87 雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ
ラヴァルバル・イグニス


烏丸デッキ
メインデッキ60枚
混沌の創世邪神 ゾーク・ホルアクティ
大邪神ゾーク・ネクロファデス
光の創造神 ホルアクティ
混沌の黒魔術師
混沌帝龍 −終焉の使者−
レスキューキャット
D−HERO ディスクガイ
ファイバーポッド
処刑人−マキュラ
クリッター
キラー・スネーク
X−セイバー エアベルン
デス・ウォンバット
聖なる魔術師
八汰烏
グローアップ・バルブ
魔導サイエンティスト
メンタルマスター
サイバーポッド
黒き森のウィッチ
フィッシュボーグ−ガンナー
いたずら好きな双子悪魔
強欲な壺
強欲な壺
強欲な壺
天使の施し
天使の施し
天使の施し
生還の宝札
ブラック・ホール
サンダー・ボルト
サンダー・ボルト
死者蘇生
悪夢の蜃気楼
次元融合
早すぎた埋葬
突然変異
光の護封剣
押収
手札抹殺
王家の神殿
緊急テレポート
苦渋の選択
強奪
ハーピィの羽根帚
ハーピィの羽根帚
心変わり
大寒波
強引な番兵
ハリケーン
破壊輪
ラストバトル!
第六感
王宮の勅命
死のデッキ破壊ウイルス
現世と冥界の逆転
異次元からの帰還
王宮の弾圧
刻の封印
血の代償

エクストラデッキ15枚
サウザンド・アイズ・サクリファイス
サウザンド・アイズ・サクリファイス
ゴヨウ・ガーディアン
ゴヨウ・ガーディアン
ゴヨウ・ガーディアン
氷結界の龍 ブリューナク
氷結界の龍 ブリューナク
氷結界の龍 ブリューナク
ダーク・ダイブ・ボンバー
ダーク・ダイブ・ボンバー
ダーク・ダイブ・ボンバー
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 トリシューラ
発条空母ゼンマイティ
発条空母ゼンマイティ





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