菲尼克斯在・舞的夜空

製作者:ASさん






−『デュエル』に理由なんて必要あるのか?−



俺がそう思ったのは学園を卒業する数週間前だ。


ある奴は楽しむため、ある奴はプライドのため、ある奴は生きるため
ある奴は名誉のため、ある奴は復讐のため、ある奴は正義のため、ある奴はただ勝つため
ある奴は守るため、ある奴は仲間のため、ある奴は使命を成し遂げるため
ある奴は自分を証明するため、ある奴は悪意のため……




どうしてデュエルに理由が必要なんだ?

デュエルに理由を持たせる奴が多すぎて天才な俺でもわからねぇ…。
―だからって相手の考えと参考にはしたくないし、押し付けられても困る。
でも、俺はデュエルに対する理由を持っていない。
だから―




―どんな奴でもデュエルに理由を持っている奴がすごいと思う……








遊戯王ファイブディーズ ―菲尼克斯在・舞的夜空―




第1話:「天才の憂鬱」

俺の名は夜空 遊夜(ヨゾラ・ユウヤ)。
ネオドミノシティのデュエルアカデミアに通う中学2年だ。

−と言っても俺がこの都市に来たのは丁度1年前。
ある理由で進路に迷っていた俺は親しかった教授の勧めでこの都市に住む事になった。
まぁ、この都市の技術による繁栄って言うのはものすごいわ…
3D技術といい、モーメントといい、セキュリティといい―
俺が住んでいた都市とは『各』が違うって言うべきか?
とにかくこの都市は快適すぎて故郷に戻りたいと全く思えないほどだ…。



「ふぁ〜…にしても、退屈だな……。」
と、俺は欠伸しながらデュエル・ディスクみたいな変な校舎―デュエルアカデミアの屋上で昼寝していた。
この学園に転校して早1年。
最初の頃はこの学園に期待してバカみたいに授業を受けていたけど、授業が簡単すぎてつまんない。実技にしても対戦相手のデュエルは「切り込み隊長」とか、上級モンスターの召喚とか、単純すぎ。
俺がいた最初のクラスはなんつーか、『勉強のできるオシリス・レッド』ってぐらい強くなく、弱くもない…つまんないクラスだった。


2年になってクラス替えになったけど、今回も同じような気がして、退屈に思えて来た。……








「いたいた!何寝てんのよ、夜空ったら!!」
うわっ……この声は織女(オリヒメ)か?
「ん〜…何だよ織女〜?今寛いでいた所なのにさぁ〜?」
「寛いでるってわけにはいかないでしょ?午後の授業は1年生徒の合同実技じゃない。」
「合同実技〜?あぁ、そう言えばそうだったな……」
「それで私達は授業が始まる10分前に集合っていうわけじゃない!と、言うことでさっさと行くわよ!」
「えぇ〜…」
「えーじゃない!!」


織女は俺の腕を引っ張りながら無理やりデュエル場に連れて行こうとする。
こいつは1年の頃は女子の中でも成績抜群でその分プライドも高い奴だ。
俺がこの学園に来た当初の実技授業でこいつのデュエルで勝って以来、俺を目の敵―いや、目標にして何度もデュエルに挑んで来る。
まぁ、一応はかわいらしい所もあるんだが、デュエルに対する何かがデカイって言うべきか……



あっという間に実技の授業が始まってしまった。
今回の授業はさっき織女が行っていたように中等部の1年と2年が交互にデュエルを行うことだ。
この授業の目的は1年生の生徒達が上級生である俺達とのデュエルで年上の人とのデュエルに慣れてもらうことと、上級生が年下の生徒でも嘗めて掛かると痛い目に会うことを教えるためだ。


もう既に十何人かはデュエルをやってちゃちゃっと終わった。
織女もあっという間にデュエルで後輩を撃破したし…。
さて、そろそろ俺の番か。
名前順だから俺が最後だし。


「次、遊夜君と龍亜君!」
「よっしゃー!俺の番だぜ!!」
随分と元気のいい奴だな…。とてもデュエルを楽しんでいるように見える。
いや、楽しんでるな…明らかに……。
「あ!俺、龍亜っていうんだ!よろしくな!!」
「俺は夜空 遊夜。よろしくな…」
「?……まぁ、いいや!早速やろうぜ!デュエル!!」
「あぁ…」
龍亜は俺に少し不信感を持ったみたいだが、気にせず決闘盤を装着した。
俺も龍亜を見習って決闘盤を装着した。
「あれ?先輩の決闘盤って随分と変わってるんだな。」
「龍亜!少し先輩に失礼よ!」
龍亜の背後から彼とそっくりな少女が背後から話しかけてくる。どうやらコイツら双子みたいだな…。
「いーじゃんか龍可!先輩に聞いたって!」
「まーまー…別に騒ぐなお前ら…この決闘盤は俺がデザインして作ってもらったんだ。」
ホントは自分が作ったんだけどな…。

「ふ〜ん、そうなんだ!じゃぁ、さっそくデュエルしようぜ!!」
「ふ、いいぜ!」
『−デュエル!!』

遊夜&龍亞:LP4000

先攻は龍亜のターン。
「よーし!行くぞ!俺のターン!俺はD(ディフォーマー)・モバホンを攻撃表示で通常召喚だ!!」
龍亜は元気よくフィールドに携帯電話を召喚いや、携帯電話は突然変形し、小型のロボットに変化した。

「モバホンのモンスター効果発動!このカードが攻撃表示の場合、このカードが出した目の数だけデッキからカードをめくり、その中からディフォーマー1体を特殊召喚できる!」
序盤からギャンブル系のカードか。
「行くぞー!ダイヤル〜オン!!」
龍亜は腕を回しながら効果を発動する。モバホンの胴体が輝き出し、その中から『5』の数字が輝き出した。
「5枚めくるぞ―!よし!俺は手札からD・チャッカンを守備表示で特殊召喚!!」
次に現れたのはライターだ。
一瞬オレンジ色のモンスターだったが、守備表示のため青色に変わった。
「チャッカンのモンスター効果発動!このカードが守備表示の場合、1ターンに1度相手に300ポイントのダメージを与える!!くらえ!チャッカンファイヤー!!」
チャッカンの銃口から弱い炎を俺にぶつけ俺のライフを僅かに削った。
成程、ディフォーマーは表示形式によって効果を発動するモンスターか…。


D・モバホン
地属性 機械族 ☆1 ATK100 DEF100
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。●攻撃表示:サイコロを1回振る。自分のデッキの上から出た目の枚数分だけカードをめくり、その中にレベル4以下の「D」と名のついたモンスターが存在する場合、その中の1体を特殊召喚する。それ以外のカードはデッキに戻してシャッフルする。この効果は1ターンに1度しか使用できない。●守備表示:サイコロを1回振る。自分のデッキの上から出た目の枚数分だけカードを確認して元に戻す。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

D・チャッカン
炎属性 炎族 ☆3 ATK1200 DEF600
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。●攻撃表示:自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースする事で相手ライフに600ポイントダメージを与える。この効果は1ターンに1度しか使用できない。●守備表示:1ターンに1度、相手ライフに300ポイントダメージを与える事ができる。

遊夜:LP4000→3700

「俺はカードを2枚セットしてターンエンドだ!!」
龍亜は楽しみながらターンを終える。
だが、一応伏せカードを伏せたため、
ただ楽しんでいるわけではないみたいだ…。

龍亜:LP4000
手札:3
モンスター:D・モバホン(ATK100)
      D・チャッカン(DEF600)
魔法・罠:伏せカード2枚


「俺のターン!」
さて、奴の場のモンスターは2体。
その内チャッカンは毎ターン俺にダメージを与えるがダメージは微弱だ。
ならば厄介なのは、確実性は無いが高確率でモンスターを大量展開するモバホンを倒すか。
「俺はイクザリオン・ユニバースを攻撃表示で召喚!」
俺が召喚したのは攻守ともに高いステータスのモンスターだ。
攻撃力を400ポイント下げることで貫通能力を得るが、このターンは必要ないな。

イクザリオン・ユニバース
闇属性 獣戦士族 ☆4 ATK1800 DEF1900
このカードが守備表示モンスターに攻撃を行う場合、そのバトルフェイズ時に発動する事ができる。このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで400ポイントダウンする。このカードの攻撃力が攻撃対象モンスターの守備力を越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

「バトル!イクザリオン・ユニバースでD・モバホンを攻撃!!」
イクザリオン・ユニバースはモバホンに目掛けて槍で貫こうとする。
が−モバホンはその姿を携帯電話に変えて攻撃を防いだ。
「罠カード、ディフォーム!こいつは俺の場のディフォーマーが攻撃された場合、その攻撃を無効にして表示形式を変更するんだ。」

ディフォーム
通常罠カード
自分フィールド上に表側表示で存在する「D」と名のついたモンスターが攻撃対象に選択された時に発動する事ができる。攻撃モンスター1体の攻撃を無効にし、攻撃対象に選択された「D」と名のついたモンスター1体の表示形式を変更する。

「は〜ん、随分と変わったカードを使うんだな…。俺はカードを2枚セットして、ターンエンド!!」

遊夜:LP3700
手札:3枚
モンスター:イクザリオン・ユニバース(ATK1800)
魔法・罠:伏せカード2枚
龍亞:LP4000
手札:3
モンスター:D・モバホン(DEF100)
      D・チャッカン(DEF600)
魔法・罠:伏せカード1枚

「よし!俺のターンだ!モバホンのモンスター効果発動!1ターンに1度、ダイヤルの出た目の枚数分だけ、デッキの上のカードをめくる!ダイヤル〜オン!」

出た目:3

「……よし、モバホンを攻撃表示に変更!そして攻撃表示のモバホンの効果を発動!ダイヤル〜オン!!」
再び龍亜が腕をグルグル回して効果を発動し、再び3の目が出た。
…にしてもこいつ……まだまだ子供だな。
「よし!俺はめくったカードの中からD・スコープンを守備表示で特殊召喚!このカードが守備表示の場合、このカードのレベルは4になる!!」

フィールドに現れたのは顕微鏡が現れた。
レベルが4になったっていうことは……レベル8のシンクロ召喚か!

D・スコープン
光属性 機械族・チューナー ☆3 ATK800 DEF1400
このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。●攻撃表示:1ターンに1度、手札からレベル4の「D」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。●守備表示:このカードがフィールド上に表側守備表示で存在する限り、このカードのレベルは4になる。

D・スコープン:☆3→4

「さらにチャッカンの攻撃表示にして効果発動!このカードが攻撃表示の場合、俺の場のモバホンをリリースすることで相手に600ポイントのダメージを与える事ができる!」
「なにっ!?ぐぅ…!!」

遊夜:LP3700→3100

あいつ…。要のモバホンをリリースしやがった。
つまり奴のデッキのエースはレベル7のシンクロモンスターってわけか…。

「さらにレベル3のD・チャッカンにレベル4となったD・スコープンをチューニング!!
−世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者、《パワー・ツール・ドラゴン》!」

龍亜の場にいた2体が光の柱に変わり、中から右腕にシャベル、左腕にドライバーを装備した黄色い機械の龍が姿を現した。


「こいつがお前のエースモンスターか!…だが、世界だの愛と正義だのと言う割には、随分と大げさなモンスターだな……。」
「パワー・ツールをバカにするなよ!パワー・ツールのモンスター効果!1ターンに1度、デッキからランダムに装備カード1枚を選択して手札に加えることができる!!−パワー・サーチ!」

龍亜のデッキがシャカシャカとシャッフルされ、デッキの上に刺さった状態でセットされた。
それにしても、今の決闘盤は随分便利になったな。デッキからランダムと言うのも昔に比べたらやりづらいって、明らかに…。

パワー・ツール・ドラゴン(アニメ効果)
地属性 機械族・シンクロ ATK2300 DEF2500
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。自分のデッキからランダムに装備魔法カード1枚を手札に加える事ができる。また、装備魔法カードを装備したこのカードが破壊される場合、代わりにこのカードに装備された装備魔法カード1枚を墓地へ送る事ができる。

「俺が手札に加えたのはダブルツール D&Cだ!このカードをパワー・ツールに装備!!」
パワー・ツールの両腕がドリルと回転鋸に変化した。とは言うモノの俺的にはドリルはともかく、回転鋸は正義の使者ってよりは悪役が使うんじゃね?
−例えば、奇術師とか。

「このカードを装備したモンスターは俺のターンで戦闘を行うとき、攻撃力は1000ポイントアップし、効果モンスターの効果も無効にすることができる!!」

ダブルツール D&C
装備魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在する「パワー・ツール・ドラゴン」または「D(ディフォーマー)」と名のついたレベル4以上の機械族モンスターにのみ装備可能。それぞれのターンで以下の効果を適用する。●自分のターン:装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。装備モンスターが攻撃する場合、バトルフェイズの間だけ攻撃対象モンスターの効果は無効化される。●相手のターン:相手は装備モンスター以外のモンスターを攻撃対象に選択できない。装備モンスターと戦闘を行った相手モンスターを、そのダメージステップ終了時に破壊する。

パワー・ツール・ドラゴン:ATK2300→3300

「攻撃力3300!」
「バトル!パワー・ツール・ドラゴンでイクザリオン・ユニバースを攻撃!クラフティ・ブレイク!!」
「させるか!罠カード、砂塵の大竜巻!これでお前のダブルツール D&Cを破壊する!!」
「あぁ!せっかく発動したダブルツールが…。でも、パワー・ツールの攻撃は止まらないぞ!!」

龍亜の言うとおり、ダブルツールを破壊したとしてもパワー・ツールは戻った左腕のドライバーでイクザリオン・ユニバースの胴体を貫いた。

遊夜:LP3100→2600

「く…だが、俺はこのカードをセットしていた!罠カード、ダメージ・コンデンサー!手札1枚を捨て、俺が受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力を持つモンスター1体をデッキから特殊召喚できる!!俺が呼び出すのはダッガーのカード!!」

ダメージ・コンデンサー
通常罠カード
自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動する事ができる。その時に受けたダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体をデッキから攻撃表示で特殊召喚する。

ダッガー
光属性 機械族 ☆3 ATK500 DEF500
リバース:自分の墓地からレベル4のモンスターカード1枚を選択する。選択したカードを自分の手札に加える。

「くっそ〜…流石は先輩だぜ……俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!!」

遊夜:LP2600
手札:1
モンスター:ダッガー(ATK500)
魔法・罠:なし
龍亞:LP4000
手札:3
モンスター:パワー・ツール・ドラゴン(ATK2300)
魔法・罠:伏せカード2枚


「ちょっと遊夜!何後輩に追い込まれているのよ!!」
うわ…また始まった、織女の悪い癖が……。
「お、落ち着こうよ…織女さん。まだ、決着はついてないし…。」
「わかっているわよ、茜野(アカネノ)君!でも、いつまでも遊夜がやられっぱなしっていうのが気に入らないの!!」
お〜怖!…まぁ、仕方がないって言えば仕方がないか…。

「うわー…遊夜先輩って意外と大変なんだね…。」
「まぁ、気にしないでくれ…とにかく俺のターンだ!」

ドローしたカード:クリスタル・レイ

「よし!俺はチューナーモンスター、ハイパー・シンクロンを召喚!!」
「あぁ、このカードは!!」
「遊星が使っているチューナーの1体!!」
遊星?…。まぁ、それはともかく龍亜達双子はこのカードの効果を知っているようだ…。
「レベル3のダッガーにレベル4のハイパー・シンクロンをチューニング!!」
ハイパー・シンクロンの腹部が光中から4つの輪が出る。そしてその輪がダッガーを包み込んで3つの光に分解し、光の柱へと変化した。

「空間を司る龍、今結晶の中より目覚め戦場を蹂躙せよ!シンクロ召喚!!−輝け!クリスタル・スペース・ドラゴン!!」
光の中から現れたのは水晶の様に青く輝くドラゴンだ。だが、その両腕は刃の様に鋭く、翼は青い光の様な羽でできており、胴体は人に近い、オーソドックスなドラゴンよりもかけ離れた姿だ。

「お…す、すげぇ…」
「このターンで決める!ハイパー・シンクロンをシンクロ素材にしたクリスタル・スペースは、このターンのみ攻撃力を800ポイントアップ!!」

クリスタル・スペース・ドラゴン:ATK2400→3200

「さらに、墓地からスキル・サクセサーを除外し効果発動!クリスタル・スペースの攻撃力をさらに800ポイントアップする!!」
「えぇ?いつの間にそんなカードを墓地に!?」
「このカードは前のターンに発動したダメージ・コンデンサーの時に墓地に送っていた!!」

スキル・サクセサー
通常罠カード
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は400ポイントアップする。また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力はこのターンのエンドフェイズ時まで800ポイントアップする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動する事ができず、自分のターンのみ発動する事ができる。

クリスタル・スペース・ドラゴン:ATK3200→4000

「バトル!クリスタル・スペースでパワー・ツールを攻撃!!」
「そうはさせない!たとえパワー・ツールを失うことになっても!!−速攻魔法、リミッター解除!このターン、俺の場の機械族モンスターの攻撃力を倍にする!!」

リミッター解除
速攻魔法カード
このカード発動時に自分フィールド上に存在する全ての表側表示機械族モンスターの攻撃力を倍にする。エンドフェイズ時この効果を受けたモンスターカードを破壊する。


やべっ!リミッター解除の効果で龍亜の言うとおり、パワー・ツールは破壊されることになるが、攻撃力は4600にまでアップしてクリスタル・スペースも破壊されちまう……が


「よし!これで先輩のエースカードは返り討ちにできるぜ!!」
「残念だが、今回だけは運が悪かったな。」
「え!?」
「手札から罠カード、クリスタル・レイを発動!!」
「て、手札から罠カード!?そんなことできるハズは……。」
「こいつは俺の場にクリスタル・スペースが1体だけの場合手札から発動できるカード!そしてこのカードの効果は相手が発動した速攻魔法と罠カードの発動を無効にする効果だ!!」

クリスタル・スペースの胸元に装備されていた青いクリスタルからレーザーが放たれ、リミッター解除に命中したことにより、リミッター解除は白黒のカードに変わった。

クリスタル・レイ
通常罠カード
自分フィールド上に「クリスタル」と名のついたシンクロモンスターが表側表示で存在する場合のみ発動することができる。相手が発動した速攻魔法または罠カードの効果を無効にする。また、自分フィールド上に存在するカードが「クリスタル」と名のついたシンクロモンスター1体のみの場合、このカードは手札から発動することができる。

「そ、そんなぁ〜……」
「クリスタル・スペース!−クリアブルー・フレイム!!」
クリスタル・スペースが煌めく青い炎を吐き出し、パワー・ツールを焼き尽くす。
パワー・ツールは何とか攻撃に耐えようとするが…手足が爆発を起こし、ついに消滅した。

龍亜:LP4000→2300

「ウワァアアア〜!−お、俺のパワー・ツールがぁ〜…」
パワー・ツールが破壊されてショックを受ける龍亜…。流石に哀れだから慰めようとしたが…、クリスタル・スペースはそれを許そうとはしない……。
何故なら、このカードは俺のエースモンスターにして強力な効果を持っているからだ。

「クリスタル・スペースのモンスター効果発動!このカードが相手モンスターを戦闘によって破壊した場合、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!」
「な、なんだって〜!!!?」


クリスタル・スペース・ドラゴン
水属性 ドラゴン族・シンクロ ☆7 ATK2400 DEF1900
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、破壊したモンスターの攻撃力分だけ相手ライフにダメージを与える。また、このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上モンスターは表示形式を変更する事ができない。

クリスタル・スペースが龍亜に向けて再び青く輝く炎を浴びせる。
龍亜は「うわぁ〜!!」とちょっとだらしない声を上げて彼は敗北した。


龍亜:LP2300→0










−キーンコーンカーンコーン♪
マリア先生が「は〜い!今回はここまで!」と言い、
生徒達は勝手に実技場を後にした。
とまぁ、実技場の中心にいた俺と龍亜それと仲間はそのまま残っていたが……
「あぁ…くっそ〜!負けた〜……。」
「まぁ、そう、熱くなるなってチビスケ。前半は随分と俺を追いこんでたじゃないか。」
「最初だけだって〜…」
龍亜がぶつぶつと言い始めると俺は思わず笑ってしまった。
「ぷっ…まだまだ子供だな…。」
ちょっと失礼だったかな……。


この後、龍亜は少しカッとなったみたいで少し揉めた後、少し仲良くなった。
あの後だけどたまに龍亜の双子の妹と言う龍可、その友達の天兵、パティ、ボブと会うようになり、退屈だったこの学園もちょっとは楽しくなった気がした…。





その後、龍亜が持ってきたある物を知り、俺の人生は大きく変化した。





第2話:「WRJP」

龍亜達と出会って数週間が過ぎた。
俺は時々放課後で龍亜達とたまに出会っては、デュエルとか話をしたりしてこの学園生活を楽しんでいた。

そして俺は今−

−ギィィイイイイイ―!!!
−ガガガガガ!!
−ギュアアアアアアアアアアアアアア!!!

夜中にデュエルアカデミアの技術室の機材を使ってある物を改造している所だ。

切掛けは数日前に龍亜が見せたあのポスターだ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ワールド・ライディング・ジュニア・グランプリ??」
「そうだよ!今から3ヵ月後にネオドミノシティで行われる中学生以下のライディング・デュエルさ!!」

龍亜がうれしそうに持っているポスターを広げて俺に見せつけた。
そのポスターにはシティに開通しているライディング・デュエル用のハイウェイにD・ホイーラー達が、様々な戦術で攻防を繰り広げている様子が描かれている。
ただ、そのD・ホイーラーは専用のバイク−D・ホイールの代わりにスケボーの様な物に乗って決闘盤にカードをセットしている物だった。

「なぁ、龍亜。こいつらが乗っているスケボーの様な物は何だ?」
「これ?D(デュエル)・ボードと言ってライディング・デュエルのライセンスを持っていなくても気軽にライディング・デュエルできる優れものさ!この大会でもっとも必要なモノなんだ。―ちなみに、俺と龍可は専用のD・ボートを持っているし、こいつで大会に出るんだ!!」
そう言うと、龍亜はカバンからスケボーにモーメントをくっ付けたD・ボードをおもむろに見せつける。
へぇ、これがD・ボードか…。初めて見るぜ。
いや、ちょっと待てよ…。確かこのD・ホイールってあのWRGPのルチアーノいや、アポリアと言うのが乗ってたやつだよな?
大丈夫か…??

「なぁ、龍亜……そのD・ボードって売っているのか?」
「あぁ!俺のD・ホイールは遊星に作ってもらった物だけど、何ヶ月か前に海馬コーポレーションが販売を開始したって言うぜ!!」
「そうか……面白そうだな。」

龍亜が見せた大会に興味を持った俺は早速D・ボードと言うモノを買いにシティに出かけることにした。
ライディング・デュエルはやったことは無いのだが、それらしいデュエルをゲーム全ターデュエルリングでやったことがある。

確かライディング・デュエルはデュエル開始時に「スピードワールド・2」が発動され、
お互いに通常の魔法カードの代わりに「Sp(スピードスペル)−」と言うカードを使用することになる。
「Sp−」は「スピードワールド」の効果で発生した自分用スピードカウンターの数によって発動することができる魔法カード。当然、自力でスピードカウンターを増やすカードや、相手のスピードカウンターを奪ったり、増やす事を妨害するモノが多い。
また、通常の魔法カードが制限されているために、一部のカードは禁止カードの様に使えなくなる。また、モンスター、罠の比率が多くなるため、伏せカードによる駆け引きが多いと言う。

取りあえず、専用カードは一通り持っているから、後は、D・ボードだけを購入すればいいだけだ。
貯金もあるし。
よし、行くか!



「申し訳ございませんが、当店ではD・ボードは品切れしておりまして、予約しても数カ月先になっております。」
……まぁ、大会だから仕方がないか…。ここのデパートがダメならスポーツ専門店に売っているかも。



「誠に申し訳ございませんが、当店ではD・ボードは少し前に品切れしておりまして、予約しても半年先になっております。」
……ここもか…どうしよう、少し不安になってきた。もしかしたら、玩具屋に売っているかもしれない…。



「ワリィな兄ちゃん。D・ボードはついさっき売りきれちまってよぉ……。まぁ、予約はできるけど−」
いや…結構………もう結構です。



「はぁ…」
なんてこった……知らなかったとはいえここまで人気のあるものだったのか…。
おそるべし、ライディング・デュエルブーム…。
俺は夕日をバックにきれいに作られたコンクリート製の端をとぼとぼと歩いていた。

しかし、本気で困ったぞ。殆どの店はD・ボードは売り切れ、予約しても数カ月ではWRJPまでには明らかに間に合わない…。
はぁ、世の中の物はほぼ全てお金で買えると思ったが、無い物はどんなに金を積んでも買えない物なんだな……。

−にしても龍亜達よくD・ボードを手に入れることができたな。しかも自分にあった特注品なんて……。
流石はトップスエリアの住人、自分の思い通りの物なんて簡単に−俺は龍亜に少し嫉妬した時、ピタリと歩くのを止めた。

「そうだ!無いんだったら作ればいいんだ!!」




翌日、俺は学校の休日を利用して、シティからずっと海側にある小さな町−旧サテライトへ向かって行った。
旧サテライトは十数年前に自然災害−ゼロ・リバースによって陸続きだったシティとサテライトが分断され、かつての治安維持局の長官が階級制度を創ったことにより、サテライトを貧困エリアとして住民の行動を制限されてしまった町だ。
表向きは自然災害だと言われていたけど、本当は人為的に行われて、それをずっと隠ぺいしていたことが最近になって新しい長官が行っていた。

今は旧サテライトもシティと同じような光景が広がって、かなり復興が進んでいる。
「運転手さん。海岸沿いにある所へ行ってください。」
タクシーの運転手は「いいのかい。そこで」と心配そうな顔をして海岸にまで進んでいった。
まぁ、町が改善されるまで治安が悪かったのは紛れもない事実だったし、かつてのシティの思想で偏見的な所も残っているのは仕方がないか…。



と、言うことで海岸だ。ここの近くには悪く行ってスラムな商店が行って言う感じだけど、何かを創るにはうってつけな材料がたくさんある。
サテライトはかつてシティの手によってゴミ処理場が設けられ、そこでシティのための物資を創っていた。
だからここはかつての奴が見れば、ゴミ屋敷みたいな場所と言うかもしれないけど、俺からみればリサイクル技術の発展した、−言わばリサイクルの聖地と言うべきかな?

さて、昨日少し寝る間を惜しんで描いた設計図に合うような材料を探さないと。
そう思って俺はカバンからA3サイズの設計図を出して周りを窺う。
ククク…元々工作の単位は常に5!この手の物ならラーメンを作るより簡単だぜ。
「よし、まずはダインからだな。」
と思ったその時−


−ビュゥ!!


「うぉっ!?」
突然、強い突風が強烈に吹いてきた。俺は思わず突風に身構えたが−


−バサァア!!!

「おわぁ!?」

手に持っていた設計図が突風に飛ばされてしまった。
まずい!せっかく描いた設計図が他の手に渡ったらせっかくの徹夜も水の泡だ。俺は慌てて飛ばされた設計図を追いかける。設計図はそんな俺をプイッと振った様に自由気ままに飛んでいく。

突然設計図が落下していき、一人の男性の足元に落ちて行った。
ラッキー!助かった!!
「すみませーん!その設計図、俺のなんです。」
少し心配だったけど、その人は俺の設計図を拾うと、俺をじっと見つめた。
その左頬には黄色いラインと三角が刻まれたマーカーが付いていて、髪は黄色いラインの入った−蟹みたいな変わった髪形をした人だった。
「これは…?」
「いや、それ俺自身が描いた設計図だ…。わかったら返してくれね?」
「そうか…D・ボードのか……。」
お、この人D・ボードのこと知っているんだ…。
俺がそう思っていたらその人は設計図を見たままつぶやき始めた。
「この素材についてならいい店を知っている。ついて来い。」
「え…?」
その人はフッと笑って設計図を持ったまま歩いて行った。
っていきなり見ず知らずの人をついて来いと言われても…
いや、なんか不思議と信頼できるかもしれない…
と言うより直感的に確信した。


事実、旧サテライトの市街での素材選びは予想以上の出来だった。
俺でも何処かの火災除去装置としか見えないモーメントや、ただの鉄板だが、罅もなくきれいな物まで…。
それどころかライディング・デュエルで必要な装置やSpのカードまでも従来の物より安く買い揃えることができた。
この人、随分とサテライトに住んでいたんだな…。

「すみません…名前も知らない俺なのに、こんなに色々アドバイスみたいな事してもらって……。」
「気にするな…君を見た時、かつての俺と重なっただけさ…。」
彼はそう言いながらポツポツ歩く。
ついでに買った荷物は俺がちゃんと持っているし、代金も自分自身で払った。
(ちなみに代金は自分が予想していた値段より大幅に減った。)
にしてもこの人…結構有名な人なのか?
結構声掛けられていたし…ただの常連って言うわけではないみたいだ……。

「所でこの設計図のことなんだが……」
「あわ…。も、もういいです!」
俺は慌てて彼が持っていた設計図を強引に奪い返した後、少し小走りで彼と距離を取る。
彼は俺をキョトンとした顔で俺を見つめていた…。
「こ、これ以上何かされると俺のメンツとかが上がらなくなるで……ここでお暇させてもらいます…。」
「そうか…一応設計図には俺が改善できる所をくまなく描いてみただけだ。参考になればいいんだが。」
「そ、そうですか…ありがとうございます!じゃぁ!!」
俺は急いで彼の元から逃げ出そうとする。
単に怖いとかじゃなく、何というか……

いや、なんと言うべきか…。


そう言えば、名前聞いてなかったな…。それに俺の名前も……
俺は早歩きを止め、急いで振り向く。まだ、その人はいた…。

「あの、名前言うの、忘れていました。俺、夜空 遊夜って言うんです!」
「…俺は不動 遊星。また、会えるといいな……。」
「…あぁ、またいつか……」
俺はとっさに挨拶した後、そのまま一目散に彼の元を離れた。
−あの後1度だけ振り返ったんだけど、その時には遊星って人はいなかった…。


不動 遊星…か。








−あ、龍亞達が言ってた人じゃないか!あいつらのことも挨拶すればよかった。


その後俺はアカデミアの技術室に侵入した後、学園の機材を使ってD・ボードを製作していた。遊星が改良した設計図は俺どころか、一般のエンジニアでもわかりやすく、丁寧に描かれていた。俺はその時悔しい思いをしながらD・ボードの製作に没頭していた。




その夜は大量の星がネオドミノシティの明かりを超えて輝いていた。
だが、その光は何処か遊星にそっくりで何処か寂しそうな雰囲気を交えていた。





この後、D・ボードを完成させた後は、管理人の目を盗み見しながらアカデミアを脱出する深夜の決闘があったんだけど、その話は今度ってわけで。





第3話:初ライディング・デュエル

ネオドミノシティ、ライディング・デュエル専用レーン

−キィイイイイイイイィィ…ガガガ!ギュアアアァアアアア!!!
「うわっ!ととと!!」
俺(遊夜)がD・ボードを製作してから一週間がたった。
製作したD・ボードは売られているモノよりも一回り大きい上に、スピードは高く小回りも利いた中々のD・ボードだ。
−名前はまだ決めていないけど。

だが、問題は作った俺自身がこのD・ボードをうまく使いこなせないことだ。
最初動かした時は思った以上のスピードが出て転倒した直後に引きずられるわ、ちょっと曲がるだけで九回転してバランスを失うわ、挙句の果てにスピードを出しただけで急スピードになってクラッシュしかけるわ…自分が作ったのにかなり手間取っている。

今もごらんの通り何度もこけかけそうになる始末…。
うーむむ…ちょっと興味があっただけだったが、思ったより難しいぞ…これ。

仕方がない……少しスピードを遅くするか…。


「あれ?遊夜?何してんの?こんな所で…」
「う!?…この声は………織女?」
俺が背後を振り向いたとき、プロテクターを付けた見覚えのある少女がそこにいた。
先程の発言が気に入らなかったのか、織女は少しムッとした顔で話しかけた。
「なによ…嫌そうな顔して。あ、もしかして遊夜もWRJPに出ようとしてD・ボードに乗れずに−」
「ぬぐ……」
「あれ?ホントに乗れなかったの?」
「悪かったな…自分で作ったからうまくコントロールができないんだよ…」
「お手製って…、あんたたった一人でそのD・ボード作ったの?」
「仕方ないだろ……買いに行こうとしたら殆どの店で全て品切れだし、仕方ないから遠くのジャンク屋とかでパーツとかを買ったんだよ…。」
「そっか、アンタ頭凄くよかったわね。」
「まぁ、そこは蟹みたいな髪形した奴にアドバイス貰ったからな。まぁ、そのおかげで思った以上のD・ボードができたんだけど…。」
「ふ〜ん…そうなんだ……。」
織女は本気で「ふ〜ん」と俺をジト眼で見る。

「?…お前、俺が手作りでD・ボード作ったのに嫉妬とかしないのか?」
「いや、別に驚くわけでもないわよ。ただすごいなって思っただけ…」
「ふ〜ん、そうか…」
俺はそう言いながらD・ボードのメンテナンスを−ワザとらしく、自慢するかのように琉実に見せつけた。
「…何やってんの?」
「メンテだよメンテ!出力が想像以上に高いからモーメントの出力を下げるだけだよ…」
「え〜?……そんなことしなくたって、D・ボードは乗りこなせるわよ。」
「できねぇって…こいつは俺自身が設定したから、お前が持っているD・ボートとは違うんだよ…」
と言いつつ俺がモーメントに直接手を掛けた時−


「ちょっと待って!」
「お、おい!!」
琉実が突然、俺のD・ボードを取り上げて勝手にいじり始めた。
そしてアクセル部分を弄ると琉実は納得した顔で笑った。
「成程〜……道理で遊夜が乗りこなせていないってわけね。」
「当ったり前だろ…基本中の基本なことを−」
「あんたはその基本中の基本ができていないって言っているのよ!」
「はぁ!?」
琉実は俺にビシィ!っと指を刺して叫んだ後、俺のD・ボードを道路に置いて乗り始め−
「っておい!!」
「いい、見てて!!」

−キィイイイン!
琉実は勝手にアクセルを踏むと、すぐさまD・ボードを発進した。
だが、俺の予想とは裏腹に彼女はあの荒くれモノのD・ボードを、物ともせずに見事に乗りこなしていた。
それどころかカーブ、そして宙返りさえもやってのけたのだ。
「……」
俺は唖然としてそいつの見ることしかできなかった。−と言うかそうするしかなかった。

「すごいスピードね…。本当に素人のあんたでもすぐに乗りこなすのは難しいカモ。」
「だろ…、スピードが安定しなくてスピード調整がうまくいかないんだ。」
「いや、そうじゃないわよ…あんたがうまくコントロールしていないだけよ。」
そう言いながら琉実は俺のD・ボードをアクセル部分を指さしながら話し始めた。
「いい?あんたがこのD・ボードを使いこなせないのはアクセルを急に動かしているからよ。ただほんのちょっとアクセルを踏むだけでこのようにゆっくりとスピードが出せるわけ。」
と言ってアクセルを少し動かすと、D・ボードが自動的に動き出した。−ただそのスピードは今までよりは遅く緩やかなスピードだった。
「な…マジかよ……」
彼女の行動を見て思わず叫ぶ…思わない盲点だった。
今まで何度も確認しスピードを調整したと言うのに…
「でしょ?だから最初に動かすには−」
「わかった!もう−」
これ以上自分の作ったモノを説明されると少し落ち込むと感じだ。
−だが、一度断ったものの、一番こいつを知り尽くしているのはこいつだ…それに断った後、特訓してできるとは限らない。
ついでに言えば、運動神経はソコソコ上のつもりだが、琉実には全く届かない。
俺の体育の成績は普通の3に対し、あいつは最高の5。それ以外は4か3にくせに…。

「……いや…やっぱ教えて……」
「…はい?」


それから2時間ぐらい経過した。
俺は1週間たっても中々乗りこなせなかったD・ボードを少しふらつくがある程度乗りこなせるようになった。ついさっきまで乗れなかったことが信じられない。
−ボロボロになったプロテクターを見に纏いながら俺はD・ボードの風を受けて心の中で大はしゃぎした。

もうすぐ空が赤くなり始めた頃、琉実は俺にある提案を持ちかけた。
「ねぇ、せっかくD・ボードに慣れ始めたからライディング・デュエルしない?一応Spのカードも持っているんでしょ?」
「ライディング・デュエルか…。いいぜ!……以前ゲームでやったことはあるけど実際にはやったことがないからな…」
「OK!腕が鳴るわ!」

−キィイイイイイン!!

お互いにD・ボードを加速させ、同時にスタートする。俺はスタート時に少し出遅れたため琉実が先攻を取ることになった!

「行くよ、遊夜!ライディング・デュエル!!−アクセラレーション!!」


遊夜&琉実:LP4000
     :SPC0

「私のターン!私はモンスターを守備表示で召喚!そしてカードを1枚セットしてターンエンド!!」

フィールドに裏向きの伏せモンスターが現れ。そしてセットされたカードはフィールドから消え去る。
だが、伏せカードが消えたら少しやりづらいと思うのは俺のだけなのだろうか?

「俺の−ターン!」
ドローする時に僅かにバランスを崩しかけたが何とか持ち越し、ドローする。それと同時にお互いのスピードカウンターが1つ増えた。

遊夜:LP4000
手札:6枚
SPC:1
モンスター:なし
魔法・罠:なし

琉実:LP4000
手札:4枚
SPC:1
モンスター:伏せモンスター
魔法・罠:伏せカード1枚

「俺はイクザリオン・ユニバースを攻撃表示で召喚!バトル!イクザリオン・ユニバースで伏せモンスターを攻撃!イクザリオン・ユニバースの効果により、攻撃力を400下げ、貫通ダメージを与える!!」
イクザリオン・ユニバース:ATK1800→1400

イクザリオン・ユニバースは馬の様に走ると、セットされていたUFOタートルを槍で貫いた。
「それぐらい読めていた!−永続罠、バックファイア!!」
「ゲッ!?いきなりそのカードかよ!!?」
空中からバックファイアのカードが出現すると、絵柄から炎が噴き出し俺に直撃する。
「うわっ!!」
俺は思わずバランスを崩しそうになったが、再び持ち直す。
「炎属性のUFOタートルが破壊されたことで、バックファイアの効果で500ポイントのダメージを相手に与える!
さらにUFOタートルが戦闘で破壊されたことにより、デッキから攻撃力1500以下の炎属性モンスター−フェニックス・イーグルを特殊召喚するわ!!」
そう言うと琉実のフィールドに鷹の様な赤い火の鳥がフィールドに姿を現した。
あのモンスターは織女がよく使用するチューナーモンスター…ステータスは低くても、この後をサポートする能力を持っている。

琉実:LP4000→3800
遊夜:LP4000→3500

バックファイア
永続罠カード
自分フィールド上の炎属性モンスターが破壊され墓地に送られるたびに、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

UFOタートル
炎属性 機械族 ☆4 ATK1400 DEF1200
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の炎属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。その後デッキをシャッフルする。

「さらにフェニックス・イーグルのモンスター効果発動!このカードが特殊召喚に成功した時、デッキからピクシー・フェニックスを墓地に送る!!」

フェニックス・イーグル
炎属性 炎族・チューナー ☆2 ATK400 DEF200
このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、自分のデッキから炎属性・炎族モンスター1体を墓地に送る。

琉実のフィールドにチューナーが現れてしまった。次のターンにあのモンスターを呼び出す気か!?

今俺の手札にはその召喚を防ぐ手もないし、迎撃用の罠もあいつのエースには通用しないが…。
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ。」
「私のターンね!ドロー!!」

遊夜:LP3500
手札:4枚
SPC:2
モンスター:イクザリオン・ユニバース(ATK1800)
魔法・罠:伏せカード1枚

琉実:LP3800
手札:5
SPC:2
モンスター:フェニックス・イーグル(ATK500)
魔法・罠:伏せカード1枚


琉実はカードをドローすると少し顔をにやける。
−キーカードをドローしたのだ。

「一気に行かせてもらうわよ!!
私は墓地の炎属性モンスター−ピクシー・フェニックスをゲームから除外し、炎の精霊イフリートを手札より特殊召喚!!」
空中に現れたピクシー・フェニックスのカードが表示されると、後ろから現れた黒い渦に潰されるように吸い込まれる。
そしてその中から膨大な炎が現れ、人姿をした炎の魔神が姿を現した。
さらにその炎の中からピンク色の炎が現れ、その姿を先程表示されたカードイラストの姿へと変える。
「さらにピクシー・フェニックスは自身を除外してモンスターを特殊召喚した時、フィールドに特殊召喚されるわ!!」

炎の精霊 イフリート
炎属性 炎族 ☆4 ATK1700 DEF1100
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の炎属性モンスター1体をゲームから除外して特殊召喚する。このモンスターは自分のバトルフェイズ中のみ、攻撃力が300ポイントアップする。

ピクシー・フェニックス
炎属性 炎族 ☆1 ATK100 DEF200
このカードをゲームから除外して炎属性モンスターの特殊召喚に成功した、または効果によってゲームから除外された場合、ゲームから除外されたこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。

「フィールドにモンスターが3体…」
「そしてレベル1のピクシー・フェニックスとレベル4の炎の精霊 イフリートに、レベル2のフェニックス・イーグルをチューニング!!
−輪廻の流れ、今天より降り注ぐ流星となれ!−シンクロ召喚!飛来せよ!メテオリック・フェニックス!!」

3体が光の柱に変わると、その中から赤黒く染まった孔雀の様な不死鳥が琉実の上に現れた。これが織女のデッキのエースモンスター−メテオリック・フェニックス。召喚条件が厳しいモンスターではあるが、その分強力な効果を備えている。

「メテオリック・フェニックスのモンスター効果発動よ!1ターンに1度、相手の魔法・罠カードを2枚まで破壊する!!−フェザー・メテオ!!」
「それにチェーンして罠カード、和睦の使者!このターン俺が受ける戦闘ダメージは0になり、イクザリオン・ユニバースは戦闘では破壊されない!!」
「でも、メテオリック・フェニックスは破壊したカード1枚につき、400ポイントのダメージを相手に与える!!」
不死鳥が勢いよく翼を羽ばたいて無数の炎の羽根を俺に目掛けて放つ。
和睦の使者は破壊される直前にモンスターにバリアを張った後、焼き尽くされ、その分のダメージを俺は受けた。

メテオリック・フェニックス
炎属性 炎族・シンクロ ☆7 ATK2800 DEF1600
炎属性チューナー+チューナー以外の炎属性モンスター1体以上
1ターンに1度だけ、このカードはカード効果で破壊されない。1ターンに1度、フィールド上に存在する魔法・罠カードを2枚まで選択して破壊する。この効果で破壊したカードの枚数×400ポイントのダメージを相手ライフに与える。

「く!……」

遊夜:LP3500→3100

「流石に読んでいたか……私はカードを2枚セットしてターンエンドよ!!」
このターンはメテオリック・フェニックスの攻撃を防ぐことができた。
けど油断はできない。
何度か織女とデュエルしている内に、あいつの戦術が手にとってわかるようになってきた。

−キィイイイイイン!!

「俺のターン!」

遊夜:LP3100
手札:5
SPC:3
モンスター:イクザリオン・ユニバース(ATK1800)
魔法・罠:なし
琉実:LP3800
手札:2
SPC:3
モンスター:メテオリック・フェニックス(ATK2800)
魔法・罠:バックファイア、伏せカード2枚


俺がドローした瞬間、琉実は1枚のカードを発動した!
「罠カード、火霊術−「紅」を発動!!メテオリック・フェニックスをリリースして、その攻撃力分のダメージを相手に与える!!」

火霊術−「紅」
通常罠カード
自分フィールド上に存在する炎属性モンスター1体をリリースして発動する。生け贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

メテオリック・フェニックスは火霊術の呪文によりその姿を巨大な火の海へと姿を変え、一気に俺を飲み込もうと−。

って、言っている場合じゃない!

「手札のハネワタの効果発動!このカードの手札から捨てることで、このターン俺が受ける効果ダメージを0にする!!」
「ここでハネワタを!?」
ハネワタが半透明で出現し、襲いかかってくる炎を一気に防いだ!!

ハネワタ
光属性 天使族・チューナー ☆1 ATK200 DEF300
このカードを手札から捨てて発動する。このターン自分が受ける効果ダメージを0にする。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

ふぅ、助かったぁ…。
そう言えば、このカード、龍亞の友達が持っていたな…。
「くぅ…もう少しで倒せると思ったのに、私は永続罠、リビングデッドの呼び声を発動!
墓地からメテオリック・フェニックスを攻撃表示で特殊召喚!!」
琉実のフィールドに炎の不死鳥が再び姿を現す。万が一のためにこのカードもセットしていたか。
仮にリビングデッドを破壊しても蘇った不死鳥は自身の効果では消滅しない。まさに不死鳥だ…。

リビングデッドの呼び声
永続罠カード
自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

手札にはSpがあるが…
一気にトドメをさせる状況じゃない。

遊夜&琉実:SPC3

「俺はイクザリオン・ユニバースを守備表示に変更!−さらに俺はモンスター1体を守備表示でセットしターンエンドだ!」
「防戦一方ね!私のターン!」
互いにライディング・デュエルは素人の筈なのに、いつの間にか上級者の様なデュエルになっていた。

遊夜:LP3100
手札:3
SPC:4
モンスター:イクザリオン・ユニバース(DEF1900)
      伏せモンスター1体
魔法・罠:なし

琉実:LP3800
手札:3
SPC:4
モンスター:メテオリック・フェニックス(ATK2800)
魔法・罠:バックファイア
     リビングデッドの呼び声(対象:メテオリック・フェニックス)


「私は爆炎集合体 ガイヤソウルを召喚!ガイヤソウルでセットされた守備モンスターを攻撃!!」
ガイヤソウルが放った炎の渦がセットしたカードガンナーを幾度も爆破し、その貫通ダメージが俺を襲う。
「うわぁあああ!!!…」

爆炎集合体 ガイヤソウル
炎属性 炎族 ☆4 ATK2000 DEF0
1ターンに1度、自分フィールド上の炎族モンスターを2体までリリースすることができる。この効果でリリースした場合、このモンスターの攻撃力はリリースしたモンスターの数×1000ポイントアップする。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、このカードの攻撃力が守備表示モンスターの守備力を越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。エンドフェイズ時にこのカードを破壊する。

遊夜:LP3100→1500

「だ…だが、カードガンナーが破壊された時、俺はカードを1枚ドロー!」

カードガンナー
地属性 機械族 ☆3 ATK400 DEF400
自分のデッキのカードを上から3枚まで墓地へ送る事ができる。墓地へ送ったカード1枚につき、このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで500ポイントアップする。この効果は1ターンに1度しか使用できない。自分フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

「まだよ!−メテオリック・フェニックスでイクザリオン・ユニバースを攻撃!!シューティング・ストーム!!」
「……」
メテオリック・フェニックスの羽ばたきによって生まれた流星群がイクザリオン・ユニバースを打ち砕き、俺の場をがら空きになった。
「まだよ!スピードワールド・2の効果!−スピードカウンターを4つ取り除き、手札のSP1枚につき、800ポイントのダメージを与える!!」
琉実の手札にあったSPが火炎弾となり俺を貫く.その衝撃で転倒しかけたが、持ちこたえた。
残りライフが僅かなのにこれまでよく転倒しなかったものだ…これも琉実の特訓のお蔭なのか?

遊夜:LP1500→700
琉実:SPC4→0

「これで遊夜のライフは風前灯火ね!私はこれでターンエンドよ!!」
織女がいつも以上に熱くなっている。
これまで何度も織女とデュエルしたが、ここまで熱くなったのは初めてだ。
−これがライディング・デュエルなのか?

風の中を進みながら俺の心に高揚が波の様に響き始めていた…
−俺はライディング・デュエルの魅力に取りつかれたのだろうか?
「……俺の…ターン!!」

遊夜:LP700
手札:4
SPC:5
モンスター:なし
魔法・罠:なし

琉実:LP3800
手札:2
SPC:1
モンスター:メテオリック・フェニックス(ATK2800)
魔法・罠:バックファイア
リビングデッドの呼び声(対象:メテオリック・フェニックス)

ドローしたカードを見て、俺は考えずにカードを決闘盤にセットした!
「俺はデブリ・ドラゴンを攻撃表示で召喚!!」
「ここでデブリ・ドラゴン!?」
「デブリ・ドラゴンの効果発動!!このカードの召喚時に墓地に存在する攻撃力500以下のモンスター1体を特殊召喚する!!−蘇れ!カードガンナー!!」
フィールドに現れた白く小さな龍が、胸元のコアの光でカードガンナーを呼び出すと、すぐさま4つの輪となってカードガンナーを包み込んでいた。
「レベル3のカードガンナーに、レベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング!!
−空間を司る龍、今結晶の中より目覚め戦場を蹂躙せよ!シンクロ召喚!!−輝け!クリスタル・スペース・ドラゴン!!」

−グオオオオオオオ!!!
クリスタル・スペースが大空を舞って咆哮を上げた!
今まで、こんな興奮は無かった!
これが…ライディング・デュエルの衝撃!


「クリスタル・スペース……!で、でも攻撃力は私のメテオリック・フェニックスの方が上よ!!」
「いや!クリスタル・スペースの攻撃力はスピードワールド・2の空間によりその力を増幅させる!!SP−スピード・エナジー発動!俺のスピードカウンターが2つ以上の時!
クリスタル・スペースの攻撃力はスピードカウンターの数×200ポイントアップする!!俺のスピードカウンターは5!よって攻撃力は−」

Sp−スピード・エナジー
通常魔法
自分用スピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。このターン終了時まで、自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力は、自分用スピードカウンターの数×200ポイントアップする。

クリスタル・スペース・ドラゴン:ATK2400+(5×200)=3400

「攻撃力3400!?」
「さらにスピードワールド・2の効果!俺のスピードカウンターを4つ取り除き、手札のSpの数×800ポイントのダメージを与える!!」
「っきゃ!!」

琉実:LP3800→3100
遊夜:SPC5→1

「バトル!クリスタル・スペースでメテオリック・フェニックスを攻撃!−クリアブルー・フレイム!!」
クリスタル・スペースの青い炎がスピードワールド・2の風を受けて威力と速さを増幅させ、メテオリック・フェニックスを飲み込む。
そしてメテオリック・フェニックスは炎に耐え切れなくなって消滅した…
「あぁ…うぅう……!!」

琉実:LP3100→2500

「さらに、クリスタル・スペースのモンスター効果!破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!」
「あ…」
琉実あっけない声を上げた後、クリスタル・スペースはその口から青い炎を放ち、今度は琉実のライフを飲み込んだ。

琉実:LP2500→0


−キィイイイイイイイプュシュウウウウウウ!!!
「あわわわわ!」
琉実が衝撃によって転倒しそうになる。俺は思わず琉実に近づき−
ドカッ!!
「わぁ!」
「きゃぁ…!!」



「……ちょ…ゆ…遊夜!」
「ん…んん……」
あれ?…俺、転倒しそうな琉実を助けようとして…イテテ…頭打ったのか後頭部が少し痛い…
でも何で前向きに倒れ−
「−いい加減にどけぇ!!」
「ぶぅ!!?」
突然琉実がアッパーを放ち、それが俺の顎に命中する。危うく意識を失いかけたが転倒は免れなかった。
「…い……いたたたた…!」
「ったく!いきなり何するのよ!まだ慣れてもいないのに私を助けようと上に乗っかって!!思わず転んじゃったじゃないの!!」
「う…わ、悪い…」



キィイイイイ―……

「もー…乗りこなしてもいないのに、いきなり私に体当たりして助けようとするのって、
あんたらしくないじゃない…
「はは…ワリィワリィ…!あの時は突然の事だったからつい…な。でもお蔭で−」
「D・ボードを乗りこなす事が出来た…でしょ?」

「それだけじゃないさ。お蔭でライディング・デュエルの楽しさを知ることができたんだ。
ホントに楽しかったよ、琉実!」
「!…わ、私はうれしくなかったわよ…全然!!」
琉実はむっとした顔で別ルートからハイウェイを降りて行った。


俺はこのまま追わずD・ボードの風を受けながらハイウェイを疾走していった。
−風が気持ちいい…
D・ホイーラー達はこの風を受けながら、モンスター達と楽しく走っていたのだろうか?俺はそう感じながら自宅であるマンション近くのハイウェイエリアまで進んでいった。
その途中、琉実は俺に1つの提案を持ちかける…。





第4話:誕生!チーム・フェニックス!!

BIBIBIBIBIBIBIBI!!!

−カチッ!

「ふわ…もう朝か……」
ネオドミノシティ旧トップスエリアに存在するマンションの1部屋。目覚まし時計が鳴りだすと同時に携帯電話が鳴り響くため、毎朝目覚ましを止めることが俺の1日の始まりだ。

俺は起きた後、椅子に置いてある制服に着替えリビングに入った後、
テーブルのパンをレンジに入れ、カバンの中の教材を確認していた。

俺は一人暮らしに見えるみたいだけど、両親が忙しいから家に滅多に帰ってこない。
−いや、それは間違いだな。
元々母さんは海馬コーポレーションのMIDSで働いていて、父さんは研究の都合で家ににずっと滞在している。
そう、厳密に言えば、母さんが滞在していることを利用してネオドミノシティにやって来たんだ。けど、結局は退屈な毎日には抜け出せずにいた。

−チィン!

しかし最近は琉実や龍亞と出会って少しは楽しいと感じるようになった。
龍亞が進めてくれたWRJPに参加して色んなデュエルをする。−D・ボードの操作は未熟だが、大会にはまだ一カ月もある。


−おっと、もうこんな時間か!俺は半端に食ったパンを飲み込む様に食べ、そのまま家を出た…



−「あっ!忘れるところだった!!」
椅子に置きっぱなしだったD・ボードをカバンに入れ、すぐさま家を出る俺。鍵はかけたかどうか気になったが、そんなことは気にせず小走りに最寄りのバス停まで走った。


しかし、今俺は迷っていた。
それは昨日の織女の提案のことだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「俺とチームを組む?」
「そっ!私と遊夜とあと一人で、WRJPに参加するって話。WRJPはWRGPと同じく3人一組のチームのチーム戦なのよ?忘れたの?」
そうだったのか…。
そう言えば龍亞の持っていたポスターの中にそんな事、書かれていたっけ?
…迂闊だった、もう少し読んどけばよかったぜ。

「…そう言えばそうだったな……。」
「忘れてたのね……。まぁ、それでなんだけど、あと一人をどうするか何だけどさ〜。」
「それだったら龍亞達はどうだ?双子達は始めからD・ボードを持ってたし、WRGPに参加した経験があるんだろ?」
「と言ってもピットの中だと思うけどさぁ…。まぁ、一応経験があるから一応アリね。他にどんな奴かいるか探してみるから。」
「じゃぁね−」
「あ、おい!まだ俺は入ると言って−……行っちまった。」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

参ったな…。
まだ正直なところ、あいつの下でデュエルするのは正直あれだが、飛ぶように売れているD・ボードを持っている奴なんて、早々いないよな…。
俺が作るんだったらそう時間はかからないが、また作るのもめんどくさいし…。
ま、この際だから龍亞達に相談してもらうか…。


「ふわっ…」
「あれ?遊夜先輩ここにきてたんだ…!」
「よー龍亜。」
「龍可ですよ。」
「…あ、失礼……。」
「はは…龍可は龍亜と双子だから時々間違われるんだよね。」
と彼女の友達であるパティはそう語る。
そう言えばこの子だっけ?あのハネワタのカードを持っていたのって?
「?」
「いや…なんでもない……。」
−ガタッ!!
「あっ…これってもしかして、D・ボード!?」
龍亜−じゃなかった龍可が傍で倒れた
「あ…あぁ、龍亜がWRJPの事を教えてくれたからつい興味を持ってな…。」
「でも、市販されているモノより一回り大きいですね。」
「いや、これは自分で作った。あまりにもD・ボードが全くないからよ。」
「えぇ!?自分で作ったんですか!!?」
龍可が驚きを見せる。
「そう言えば、俺の実家の事話していなかったな。俺の家は色んな事を研究している研究所でさ、その調査や実験のための機械を造ったこともあったからこの程度はたやすく作れたんだ。(まっ、細かな部分はあのカニ頭の奴お蔭だけどな…)」
「ふ〜ん、そうなんだ…。」
「でも、遊夜先輩が手作りで作り上げるなんてすごいですね。まるで遊星みたい。」
「遊星…ってあの−」
「そうだよ!フォーチュンカップでサテライトのキングになって。この町を救った英雄だよ。」
そっか…。そう言えば聞いたことがあるぞ……。
バトルシティからのキング・オブ・デュエリスト−ジャック・アトラスを倒したと言うデュエリスト。―それが不動遊星だったのか…。
あぁ、後、この町が爆破テロに危機に勇敢に立ち上がったのも、遊星だったってわけね。
(念のため言っておくと、前者は俺がシティに行くときのことで、後者は中国に父さんに会いに行った時だったからその時のことは知らなかった。織女も大変だったって言っていた程。)
ふ…、遊星の事をあんなにはしゃぐなんて、龍亞の性格にそっくりな所もあるな龍可も。

「遊夜先輩、今私のこと龍亜にそっくりって思ったでしょ?」
「え!?―い、いやそんなこと思ったことは無いぞ!?」
「…でも、龍亞ったらWRJPが行われること知ると私までチームに入れようとするし…困るわよ。」
「だけど龍可は龍亞のチームに入ったんだよね。」
「うん。一応、サポータとしてだけど……」

「チーム?ひょっとしてもうチーム組んだのか?」
「うん、私達でチームを組むことにしたの。先輩も知っているでしょ?WRJPは3人一組のルール。」
「そうだったな……」
「…もしかして、先輩まだパートナーを決めてい−」
「いや…もう1人は決まっている。」
「そっか!織女先輩とですか?」
え?何でそこから織女のことが出るんだ?
まさかあいつ−

「だって織女先輩と遊夜先輩ってお似合いですよ。」

「な!?」
パティの話しに驚きを隠せなかった。
「学園じゃ噂になっていますけど、ほぼ毎日遊夜先輩と琉実先輩とデュエルしながら付き合っているっていう話。」
あれ?…何でそう言う話になっているんだ?ただ俺はあいつのデュエルに付き合っていると言う話なのに…。
−そう言えば、ここ最近周りから琉実のことでチヤホヤされることがあった様な気が…。
ん〜…俺ながらそういう感情は無いはずだが……。
「いや!と言うか、何でそんな話が出るんだ?」
「え?違うんですか!?」
「あ…いや、その…」
「パティ!遊夜先輩に失礼よ。」
龍可がムッとした顔でパティにしかる。
ワリィ、龍可マジ助かった。―お礼に−
「先輩達の仲に余計なことは突っ込まない方がいいじゃない!」
お前もか!龍可…





−はぁ…マジどうしよ……。
結局まだ、チーム決まっていないのに、あいつらのチームに入れなかった。
やはり織女とチームを組むしか他にないか…。
俺が溜め息をついた後、教室の一角にある部室を発見した。
ボードゲーム部?そう言えば、茜野がここで部活していると本人から聞いたことあったな。
待てよ…こいつと織女でチームを組めばWRJPに出場できるかもしれない。
あ、いや、ダメか…?あいつはデュエルのセンスはあるが実力は中の上だしそもそもD・ボードは持っていないはずだが…。
と、考えるうちに樹が部室から出て来た。

…考えても仕方がない!まずはこいつを俺のチームに引き入れるしかない。
「よぉ、茜野!丁度いい所に−」
「丁度いい所にきてくれたぁー!!!」
−ドカ!!
ごふぅ!!?

突然横から現れた琉実にエルボーを受け倒れこむ俺。
「だ…大丈夫遊夜君!?」
一瞬意識を失いかけたが、茜野が声を掛けたお蔭で、すぐさま立ちあがる。そしてこんなことになった元凶(織女)に抗議した。
「何するんだ!織女!!さっきの衝撃で喉を潰す所だったぞ!!」
「いや、ゴメゴメ。私も丁度あんたを探していたから、ついはしゃぎ過ぎちゃった。」
「はしゃぎ過ぎって…何の用だか知らないけど俺は茜野に用事があってきたんだ。」
「あら奇遇じゃない。私もあんたと茜野に用事があって来たのよ。」
「え?僕にも……?」
やはり、織女も同じ考えか…。

「おい…お前ももしかして……」
「そうよ、WRJPのチーム・メンバーになって!既にチーム・名も決めているし。」
「ちょっと待て!何で俺がお前のメンバーにならなきゃならないんだよ!?」
「え〜…だって先週D・ボードの操縦を教えたのは私でしょ?それにあんたも丁度メンバーいないみたいだし。」
「……!だからって…俺が……」
「私が言ってる意味わかる?」
「…!!」

う…!そう言われると言い返せない!!
確かに俺は琉実にD・ボードの乗り方教えてもらったし、メンバーに入ることで大会に出場できる。しかし、メンバーになることになると言うことはこいつがリーダーで俺はこいつの言いなりになる事だ!だからと言って、ここで参加を拒否すれば俺はこの大会に参加できる可能性は低い!(と言うかそれ以前にD・ボードを持っている奴は限りなく少ないし、何よりあの誤解がホントになるかもしれない…。)
いや待てよ!ここでこいつの提案を拒否しても龍亜達のチームに入れば−
−ダメだ!想像より勝ち目がなさそうだ…。いや、俺があいつらを引っ張れば−
俺はあらゆる考えを考慮し、試行錯誤の末についに一つの考えに辿り着いた。


「すみません。チームに入れてください。」
「うん。素直でよろしい。」
「えぇ〜…」
頭を下げた俺に対し茜野がオドオドした顔で俺を見ていた。…くぅ!こんな俺を見るな、茜野!!
「と、言うわけで私と遊夜と茜野の3人でチーム結成ね!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、織女さん!?チームって何のことですか!?」
「すまない茜野!今回だけはこいつの言うことを聞いてくれ!そうしなければ俺達は−いや、俺は大会に出場できないんだ!!」
「えぇぇー!!?!!」


「−言うわけでこれからチーム・フェニックスの作戦会議を行うわよ!!」
放課後、俺達が使っている教室で俺と琉実と茜野の3人による初の作戦会議が始まった。
その前に−
「何で俺達のチームがチーム・フェニックスなんだよ?」
「え〜いいじゃん、私フェニックスのカード使うし。」
「…まぁ、いいけど……それよりこれからどうやって会議するんだ?−相手チームの情報や対策を練るんだろ?」
「何言ってるの!?それは確かに大切なことかもしれないけど、それ以前にやることがあるんでしょ!」
「え?」
「最初に誰か行くかよ!WRJPは1番、2番、最後とチーム交代せいだし、出だしによっては後で有利になることもあるでしょ?」
「そう言えばそう書いていたな…んで、お前はどこのポジションに?」
「当り前じゃない!私がリーダーだから最初のホイーラーに決まってるじゃん!」
自信満々に言う琉実。
だが俺は、そんな琉実の自信を打ち砕くような事を言う。
「いや、このルールじゃリーダーは最終ホイーラーじゃないといけないみたいだぜ…」
「な、何ですって!?」
琉実は俺が手にしていたWRJPのルールブックを取り上げ見る。琉実は何度もその本を読みなおすが、当然書かれている文章は1文字も変わることがなかった。
「え〜!?何で何でぇ〜!!?」
「仕方がないだろ…ルールなんだから……。」
「むぅ〜…」
琉実が不満そうに見つめると、なんだか俺自身が子供っぽく感じる…。でも、こう話しあっていると何だか面白く感じるんだよな…。

「あ……あの……」
あ、そう言えば茜野もいたんだっけ…。
「どうした?茜野?」
およおよした茜野は難しそうな顔をして俺達に話しかけた。

「僕…走れるどころか……そもそもD・ボード持っていないんだけど…。」
「……」
「…そう、だったわね……」
「まずは役割決めよりも茜野のD・ボードの調達と乗りこなす訓練が必要だな。いや、今じゃここらにそんなモンは無いな…。」
「そ、そんな…」
「心配するな、茜野!この俺が直々にD・ボードを造ってやるさ。」
「でも遊夜。あんた自分で作ったD・ボードをうまく乗りこなせなかったじゃない…」
「なっ……と、とにかく!俺がD・ボードを調整するから、操縦は琉実に教わってくれ!!」
「えぇ〜……」
何とも微妙な顔で俺達を見る茜野。

数日後、俺が野のD・ボードを製作した後、3人で色んなコースを走りながらWRJPの練習に励んでいった。

この後、ハイウェイで様々なトラブルや喧嘩に付き纏われる日々を送ることになるのはまた後の話…。





第5話:WRJP開幕@:VSチーム・バーニング!

*この回から文章が読みやすいように、登場するカードの説明は後の方にまとめてあります。



読者の方々こんにちはチーム・フェニックスの一人、茜野樹です。
僕は琉実ちゃんと遊夜君と同じクラスメイトで、前作でWRJPに参加するためにチーム・フェニックスを立ち上げたのですが…


−デュエルスタジアム



「あっという間にWRJPが始まっちまったな。まぁ、作者の事情…じゃなかった。これから俺達の特訓の成果が試されると言うわけか…。」
「早いにも程があるよ、遊夜君!僕達チーム・フェニックスが結成してからまた1週間ぐらいしか過ぎていないのに!」
「気にするな…。ただ大会が始まっただけさ。でもこの衣装はちょっと気にするけどな…。」
と言いつつ遊夜君は襟と手首に羽毛のついた赤とオレンジの派手な服を気にしていた。
「まぁ、それを選んだのは織女さんですし……所で織女さんはどこに?」
「さぁ。まぁ、あいつはリーダーだから受付にでもいるんじゃないのか?」


「遊夜!やっぱり来てたんだ!」
遊夜君の背後から同じ髪色の人達−と言うより僕らより小さい子達が遊夜君を慕うようにやって来た。
この子達は確か…
「龍亞、龍可!そう言えばお前達も大会に参加するんだったな!」
そうだ!合同デュエルの時に遊夜君とデュエルした子達だ。
「えぇ、私と龍亞と天兵と一緒にデュエルするんだ。」
「そっか。俺はこいつと琉実との3人だ。と言っても俺がリーダーってわけじゃないけどな…」
「そうなんですか……」


「んぎぃ〜!!何よ、あのチーム!」
と、遊夜君達が話している傍で僕達と同じ服を着た琉実さんがカンカンになってやって来た。
「?どうしたんだ、琉実。受付でバトンを受け取ったんじゃないのか?」
「えぇ、ちゃんと、う・け・とった・わ・よ!!−後ろでイヤミ言われながら。」
琉実さんは「ムキィー!」と怒りながらバトンを握りしめる。
このバトンは交代時に渡す時のタスキ代わりだ。WRGPでも交代時に良くつかわれていた代物だ。
「まぁそう言って怖い顔するなよ。龍亞達が見てビビっているぜ。」
「び、ビビってないぜ、遊夜!これでもチーム・シグナーの一員だからな!!」
「チーム・シグナー?こいつがお前達のチームか。」
遊夜は龍亞君の語ったチーム名に興味を示すような口ぶりで龍亞君と話した。
「おう!遊夜達のチームに出会ったときは正々堂々とデュエルしようぜ!」
「あぁ!」
「私達チーム・フェニックスを舐めて掛かると痛い目に合うわよ〜。」
「チーム・フェニックスか…覚えておくぜ!」
「じゃぁ、私達はAブロック−このデュエルスタジアムに行くから会った時はよろしくね。−じゃぁ行くわよ、遊夜、樹!!」
「あ、う…うん!」
「じゃ、そう言う事だから−またな!」
こうして俺達3人は近くにあるデュエルスタジアムへと向かって行った。



−1時間後
「エブリバディ・リッスン!ついにこの時がやって来たぁー!第1回WRJP!ここデュエルスタジアムでは熱く燃えるデュエリスト達が揃っているぞぉー!!」
(語り:遊夜)メガドン魔導キャノンの様な長いリーゼントとヒゲが特徴の…おっさんが解説席で派手に叫んでいた。
このおっさん、ここのスタジアムではかなり有名な人らしく。ライディング・デュエルの試合はもちろんのこと、フォーチュンカップやWRGPでもデュエルを盛り上がらせたらしい。後に琉実から聞いた話なんだが、ネオドミノシティが滅びそうな時(正月休みで中国に戻っていた。)に遊星がゾーンと言うのとデュエルした時には住民達を避難させるために命がけで司会を務めていた伝説の男だとか…。
琉実曰く、「伝説の審判−磯野に続いて伝説のデュエル司会者……」だと。


「さぁ、ここAブロックでは早くも第1試合、チーム・フェニックスとチーム・バーニングの試合が行われるぞ!チーム・フェニックスは樹、遊夜、琉実が!チーム・バーニングは炎舞(エンブ)、火箸(ヒバシ)、熱闘(ネット)の順に繰り広げられるぞぉー!!」
3Dによる立体映像で俺達の顔が映し出される。それを見て樹は照れ顔を見せているが、一方の琉実は「ムキィー!」と立体映像を見ていた。
ひょっとしてこのチーム・バーニングって……


「おいーおい!まさか初戦からお前のチームかよ!」
と横から少し暑苦しそうな3人−というかさっき画像に出ていたチーム・バーニングのメンバーがクスクスと笑いながらやって来た。
「なによ、あんた達!こんな所にまでやってきて!!」
「あぁん?お前みたいな女がリーダーのチームのメンバーがどんな奴らか見に来ただけよ!ま、見ての通りヘナヘナで弱そうな奴らばかりだったがよ!」
「ギャハハハ」と3人は笑いながら俺達を煽るようにバカにしてきた。
凄く小物っぽいけど、琉実がキレそうだったから俺が代弁することにした。
「まぁ、小言はそこまでにしろ……相手を見て笑う奴の様な見物者に俺達が負けるわけない−」
と言っている間に少し言いすぎてしまった。
時すでに遅く奴らはすごい形相でこちらを見、「覚悟しとけよ」と去ってしまった。
俺が背後を振り向いたときには、琉実は親指を立てドヤ顔、樹はかなりオドオドしていた。


さて、もうすぐ試合が開始されるからルールについておさらいしておこう。
と、置いてあったWRJPのルールブックを読んだ。

●デュエルは3人1チームのチーム戦。
●先攻後攻はランダムに決まる。準々決勝からは先に第一コーナーを制したものを先攻とする。
●ライフが0になったD・ホイーラーは次の自分のチームのD・ホイーラーに交代する。
●事故等で仕方がなく次のD・ホイーラーに交代する時は先にデュエルを行っていたD・ホイーラーのライフは0として扱う。
●ライフが0になったD・ホイーラーのフィールド上に存在するカードとスピードカウンターは次のD・ホイーラーに受け継がれる。墓地、除外されたカードはリセットされる。
●最終ホイーラーはチームのリーダーでなくてはならない。ただし、準々決勝からは最終ホイーラーはリーダーでなくてもよい。

そして俺がルールブックを読んだ頃には、樹が炎舞と言う男と共にスタートラインに立っていた。
案の定、炎舞がギリッっと睨みを利かせると、樹がぶるっと震えていた。

『さぁ!今大会最初のライディング・デュエル!チーム・フェニックスVS、チーム・バーニング!』

司会の…リーゼントのオッサンが合図するとスタートラインに立体映像が現れ、点滅が起きる。

『いざ!ライディング・デュエル!アクセラレ――ション!!!』
樹達はD・ボードを加速させ、サーキットを走り出した。







「デュエル!」
樹&炎舞【LP4000】

「僕のターン、ドロー!僕はナチュル・クリフを攻撃表示で召喚!カードを1枚セットしてターンエンドです!」
(語り樹)僕の場に四角いヌリカベという妖怪の様な−と言うよりかわいらしいモンスターが僕の場に現れる。
このカードの効果ならある程度のバトルでも立派な壁になってくれるはず…
「ハッ!フェニックスのくせにナチュルデッキかよ。お前なんか俺のフレムベルデッキの炎で焼き尽くしてやるぜ!俺のターン!」
樹&炎舞【SPC1】

「俺はフレムベル・グルニカを攻撃表示で召喚!俺の場にフレムベルが存在し、お前の墓地のカードが3枚以下の場合、このカードを手札から特殊召喚できる!―来い、チューナーモンスター!ネオフレムベル・オリジン!!」
「一気にシンクロ素材を揃えた!?」
「レベル4のフレムベル・グルニカにレベル2のネオフレムベル・オリジンをチューニング!!−シンクロ召喚!フレムベル・ウルキサス!!」
彼の場に現れた紫の竜と青い炎の精霊がシンクロして、赤い炎を纏った武人が姿を現した。

『ここでチーム・バーニングの炎舞がシンクロモンスターを一気に召喚してきた――!!!』

「さらに墓地に存在するフレムベル・グルニカをゲームから除外し―炎の精霊 イフリートを特殊召喚!!バトルだ!フレムベル・ウルキサスでナチュル・クリフを攻撃!!―バーニング・ブロー!!」
ウルキサスが両手に纏った炎を武器に、ナチュル・クリフを打ち砕いた。
「うわぁあ!!……」
樹【LP4000→3400】

「ヒャッハハァ!フレムベル・ウルキサスが相手に戦闘ダメージを与えた時、フレムベル・ウルキサスの攻撃力を300ポイントアップ!!」
フレムベル・ウルキサス【ATK2100→2400】
ウルキサスの拳から出ている炎の勢いが増していくのがわかる。でも−
「こ、こっちもナチュル・クリフの効果を発動するよ。このカードが墓地に送られた時、デッキからナチュル・クリフを攻撃表示で特殊召喚!」
「だが俺には攻撃力2000のイフリートが残っている!イフリートで2体目のクリフを攻撃!!」
炎の精霊がウルキサスのように炎の拳でクリスを押しつぶした。
「わぁああ!…」
樹【LP3400→2900】

「…ナチュル・クリフの効果!デッキから3体目のナチュル・クリフを特殊召喚!!
「俺はカードを3枚セットし、ターンエンド!さぁ、お前のターンだ!」

樹【LP2900】
SPC【1】
手札【4枚】
モンスター【ナチュル・クリフ(ATK1500)】
魔法・罠【伏せカード1枚】

炎舞【LP4000】
SPC【1】
手札【0枚】
モンスター【フレムベル・ウルキサス(ATK2400)、炎の精霊 イフリート(ATK1700)】
魔法・罠【伏せカード3枚】


「く…ぼ、僕のターン、ドロー!」
樹&炎舞【SPC2】

「僕はSp−エンジェル・バトンを発動!このカードは―」
「おっと!ここでカウンター罠、フレムベル・カウンターを発動!墓地のネオフレムベル・オリジンをゲームから除外し、エンジェル・バトンの発動を無効にする!!」
「なっ!?……だったら、僕もチューナーモンスター、ナチュル・コスモスピードを召喚!」
頭に花を咲かせた球体が僕の場に現れる。これで僕のエースモンスターを召喚できる!
「ちっ!さっきドローしたカードか…」
「僕はレベル4のナチュル・クリフにレベル2のナチュル・コスモスピードをチューニング!―シンクロ召喚!ナチュル・パルキオン!!」
僕の場の2体がシンクロし、岩と苔で全身を覆った東洋風のドラゴンが僕の場に現れた。
頼むぞ!ナチュル・パルキオン!!

『樹も2ターン目でシンクロモンスターを召喚してきたぞぉー!!』

「行くよ!ナチュル・パルキオンでイフリートを攻撃!!」
「させるかよ!罠カード、炸裂装甲!これでパルキオンは粉砕だぁ!!」
「ナチュル・パルキオンの効果発動!墓地のエンジェル・バトン、ナチュル・コスモスピードの2枚をゲームから除外することで、その罠を無効にする!!」
【除外されたカード:Sp−エンジェル・バトン、ナチュル・バンブーシュート】

「なんだとぉお!?」
ナチュル・パルキオンが口からブレスを放って炸裂装甲を吹き飛ばす。そしてナチュル・パルキオンは体当たりを行い、イフリートを突き飛ばした。
「ぐはぁ!!」
炎舞【LP4000→3200】

よし!このまま行こう!
「僕はこのままターンエンドです!」


『開始早々シンクロモンスターによる攻防だぁ!互いに強力なモンスターがぶつかり合っているぞぉー!!』

樹【LP2900】
SPC【2】
手札【3枚】
モンスター【ナチュル・パルキオン(ATK2500)】
魔法・罠【伏せカード1枚】

炎舞【LP3200】
SPC【2】
手札【0枚】
モンスター【フレムベル・ウルキサス(ATK2400)】
魔法・罠【伏せカード1枚】

「ちっ、やりやがったな…俺のターン!」
樹&炎舞【SPC3】

「よし!こいつで厄介なパルキオンを丸焼きにしてやる!!俺はチューナーモンスター、フレムベル・ベビーを召喚!」
彼が召喚したモンスターは火種の様な小さな炎の精霊。琉実さんも持っているチューナーの一体だ。
あのカードは手札から捨てることで場の炎属性モンスターの攻撃力を400アップするモンスター…。なのに、何で場に?
「レベル6のフレムベル・ウルキサスにレベル1のフレムベル・ベビーをチューニング!―シンクロ召喚!来い、エンシェント・ゴッド・フレムベル!!」
ウルキサスと、ベビーがシンクロし、そのから武人の様な巨大な戦士が腕組をしてフィールドに現れる。体中から湧き出ている炎はさっきまで見たモンスターとは違い鮮麗に輝いていた。

「エンシェント・ゴッド・フレムベルの効果発動!お前の手札の数だけお前の墓地に存在するカードをゲームから除外する!」
「え!?」
僕が驚いた時、僕の手札が輝くと同時に、墓地に合ったカードが手札の数だけ火の玉となってエンシェント・ゴッド・フレムベルに吸収された。
『あー!!!樹の墓地のモンスターが焔となって最強のフレムベルに吸収されたぞぉー!!』
【樹の手札:3枚】【除外されたカード:ナチュル・クリフ×3】

「さらにエンシェント・ゴッド・フレムベルの攻撃力はこいつで除外したカード1枚につき200ポイントアップする!!」
【エンシェント・ゴッド・フレムベル:ATK2500→3100】

「攻撃力3100!?」

「バトルだぁ!エンシェント・ゴッド・フレムベルでナチュル・パルキオンを攻撃だぁ!!」
エンシェント・ゴッド・フレムベルが今までとは比べ物にならない炎を放ち、ナチュル・パルキオン毎僕を飲み込んだ。
その威力は津波の様な衝撃で危うく、転げ落ちそうになった。
「わぁ!!」
樹【LP2900→2300】

たった1ターンでエースカードを失ってしまった…。けど、この伏せカードを発動すれば…!!
「まだまだぁ!罠カード、連撃を発動!エンシェント・ゴッド・フレムベルが相手にダメージを与えたことで直接攻撃できる!!」
「なんだって!?」
「いけぇええ!!エンシェント・ゴッド・フレムベル!プレイヤーに直接攻撃だぁ!!」

『この攻撃は強烈だぁ−!!』

「うわぁあああああ!!」
樹【LP2300→0】






『チーム・フェニックス第一ホイーラー、茜野樹がシンクロモンスターを召喚し善戦するも早くも倒れてしまったーーー!!』


(語り遊夜)樹は俺達の場に戻り、がっくりした表情で俺にバトンを渡して来た。
「ゴメン遊夜君、琉実さん…。相手に少ししかダメージを与えられなかったよ…。」
琉実は少しムッとしていたが、少し溜め息付いて怒ることを止めた。
「まぁ、そう自虐するな……ちょっとぐらいのダメージでも俺達にとっては大きな穴場さ。
俺はそう言って樹からバトンを受け取り、右腕にくっ付け、D・ボードを唸らせる。
「ちょっと、さっき言った言葉の始末をつけてくる。」
「撤回しなくていいわよ…だからあいつら一気に焼き尽くしなさい!!」
「ひー…怖えぇー」
俺はとっさにD・ボードで疾走し、コースに入って炎舞の近くまで近づいた。


『チーム・フェニックス第二ホイーラー、夜空遊夜がコースへと入って来たぁー!プロフィールによると遊夜は中国から来た天才決闘者と言う!はたしてどの様なデュエルを繰り広げるのかぁ−!!』
リーゼント!勝手に俺のプロフィールを読み上げるな!!
「来たな大口野郎!俺達に喧嘩売ったこと後悔させてやるぜ!」
「……たく…どいつもこいつも、暑苦しいぜ…!


「「デュエル!」」

遊夜【LP4000】
SPC【3】
手札【5枚】
モンスター【なし】
魔法・罠【伏せカード1枚】

炎舞【LP3200】
SPC【1】
手札【1枚】
モンスター【エンシェント・ゴッド・フレムベル(ATK3100)】




「俺のターン!」
遊夜&炎舞【SPC4】

「気合い入れている所悪いが、俺の場には攻撃力3100のエンシェント・ゴッド・フレムベルがいるんだぜ!さっさと、デュエルを終えてくれないかなぁ?」
「安心しろ、すぐ終わる。相手の場にのみモンスターが存在する場合、レベル・ウォリアーをレベル4モンスターとして特殊召喚!さらにチューナーモンスター、メンタルカウンセラー・リリーを召喚!」
早い…。遊夜君はたった1ターンでレベル7のシンクロ素材を揃えた。彼が召喚するシンクロモンスターが僕の脳裏によぎった。
「レベル4となったレベル・ウォリアーに、レベル3のメンタルカウンセラー・リリーをチューニング!−シンクロ召喚!クリスタル・スペース・ドラゴン!!」
「なんだ!?このモンスターは!」
遊夜君のシンクロモンスターを見て、炎舞君が驚く。僕も最初に見た時は美しさと火力で圧倒されたことが何度もあった。

『なんだこのモンスターは―――!!?遊夜が早くも見たこともないシンクロモンスターをシンクロ召喚してきたぞぉ――――――!!!』
リーゼントが思いっきり騒ぐと同時に、観客が驚きと困惑を上げる。このカードってそんなに珍しいカードなのか?

「シンクロ素材になったメンタルカウンセラー・リリーの効果発動!ライフを500払うことで、このターンのみクリスタル・スペースの攻撃力を1000アップする!!」
遊夜【LP4000→3500】
クリスタル・スペース・ドラゴン【ATK2400→3400】

「バカな!?攻撃力3400だと!!」
「カードを2枚セット!そしてスピードワールド・2の効果発動!俺のスピードカウンターを4つ取り除き、手札のSp−ジ・エンド・オブ・ストームを見せることで相手に800ポイントのダメージを与える!」
遊夜君が手に持ったジ・エンド・オブ・ストームから光が放たれ、炎舞君はその光を苦しそうに全身に浴びた。
「ぐおっ!」
遊夜【SPC0】炎舞【LP3200→2400】

「カードを1枚セット!そしてクリスタル・スペースで、エンシェント・ゴッド・フレムベルを攻撃!−クリアブルー・フレイム!!」
クリスタル・スペース・ドラゴンが口から青い焔を一気に放つ、炎の神であるエンシェント・ゴッド・フレムベルが迎撃で赤い炎を一気に放つがクリスタル・スペースは焔の威力を上げ、その炎ごとエンシェント・ゴッド・フレムベルを焼き尽くした。
「ぐわぁああ!!バカな!?俺のエンシェント・ゴッド・フレムベルがぁああ……」
炎舞【LP2400→2100】

「さらにクリスタル・スペースの効果!このカードがバトルで破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!!」
「なんだと!?ぐわぁああああああ!!!」
今攻撃をしたクリスタル・スペースが全身を輝かせて再び口から青い焔を放ち、炎舞君を浴びせるように焼き尽くした。

炎舞【LP2100→0】

『夜空遊夜!僅か1タ――ンにも関わらず、エンシェント・ゴッド・フレムベルもろとも炎舞を一瞬で撃破した―――!!さぁ、次の中堅戦が見逃せないぜぇ――――!!!」


―【今回使用されたカード】―

ナチュル・クリフ
地属性 岩石族 ☆4 ATK1500 DEF1000
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、自分のデッキからレベル4以下の「ナチュル」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に表側表示で特殊召喚する事ができる。

フレムベル・グルニカ
炎属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1700 DEF200
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与える。

ネオフレムベル・オリジン
炎属性 炎族・チューナー ☆2 ATK500 DEF200
自分フィールド上に「ネオフレムベル・オリジン」以外の「フレムベル」と名のついたモンスターが表側表示で存在し、相手の墓地に存在するカードが3枚以下の場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

フレムベル・ウルキサス
炎属性 炎族・シンクロ ☆6 ATK2100 DEF400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与える度に、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

炎の精霊 イフリート
炎属性 炎族 ☆4 ATK1700 DEF1000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の炎属性モンスター1体をゲームから除外して特殊召喚する。このモンスターは自分のバトルフェイズ中のみ、攻撃力が300ポイントアップする。

Sp−エンジェル・バトン
魔法カード
自分用スピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。デッキからカードを2枚ドローし、その後に手札1枚を墓地へ送る。

フレムベル・カウンター
カウンター罠カード
自分の墓地に存在する守備力200の炎属性モンスター1体をゲームから除外して発動する。魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。

ナチュル・コスモスピート
地属性 植物族・チューナー ☆2 ATK1000 DEF700
相手がモンスターの通常召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

ギガンテス
地属性 岩石族 ☆4 ATK1900 DEF1300
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の地属性モンスター1体をゲームから除外して特殊召喚する。このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。

ナチュル・パルキオン
地属性 ドラゴン族・シンクロ ☆6 ATK2500 DEF1800
地属性チューナー+チューナー以外の地属性モンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の墓地のカード2枚をゲームから除外する事で、罠カードの発動を無効にして破壊する。

炸裂装甲
罠カード
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。その攻撃モンスター1体を破壊する。

フレムベル・ベビー
炎属性 炎族・チューナー ☆1 ATK800 DEF200
自分のメインフェイズ時に、このカードを手札から墓地へ送って発動する。自分フィールド上に表側表示で存在する炎属性モンスター1体の攻撃力は400ポイントアップする。

エンシェント・ゴッド・フレムベル
炎属性 炎族・シンクロ ☆7 ATK2700 DEF1800
炎属性チューナー+チューナー以外の炎族モンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手の手札の枚数分まで相手の墓地に存在するカードを選択してゲームから除外する。このカードの攻撃力は、この効果で除外したカードの枚数×200ポイントアップする。

連撃
罠カード
自分のモンスターが相手モンスターの戦闘で相手ライフに戦闘ダメージを与えた場合にのみ発動できる。そのモンスターはもう1度だけ相手に直接攻撃することができる。

レベル・ウォリアー
光属性 戦士族 ☆3 ATK300 DEF400
フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚する事ができる。相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードはレベル4モンスターとして特殊召喚する事ができる。

メンタル・カウンセラー リリー
地属性 天使族・チューナー ☆3 ATK400 DEF1500
このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、500ライフポイントを払う事でこのカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターの攻撃力は、このターンのエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。

クリスタル・スペース・ドラゴン
水属性 ドラゴン族・シンクロ ☆7 ATK2400 DEF1900
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手モンスターは表示形式を変更することができない。

Sp−ジ・エンド・オブ・ストーム
通常魔法
自分用スピードカウンターが10個以上ある場合に発動する事ができる。フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊する。この効果で破壊し墓地へ送られたモンスター1体につき、そのモンスターのコントローラーは、300ポイントのダメージを受ける。





第6話:開幕A:チーム・バーニングの猛攻!

『さぁ、早くもチーム・フェニックスと、チーム・バーニングは中堅戦へと突入だぁ!チーム・バーニング・炎舞が最速猛攻の攻撃で樹を仕留めるも、続く遊夜がそれをはるかに上回る最速猛攻で炎舞を瞬殺したぁ!次のデュエルでは何を見せてくれるのかぁ――!!』

リーゼントの暑苦しい熱狂で会場が大賑わいになる。

俺が走っている中で、後ろからチャライ金髪の男がD・ボードに乗って姿を現した。

「よくも俺らの仲間をお前らの宣伝に利用しやがったな!!」
「は…あんなので宣伝にはならねぇよ。―だけどこのままお前達を倒させてもらうぜ!!」
「望む所や!アンタを返り討ちにして俺らに喧嘩売った事後悔させてやるで!!」
「デュエル!」


遊夜【LP3500】
SPC【0】
手札【3枚(内1枚がSp−ジ・エンド・オブ・ストーム)】
モンスター【クリスタル・スペース・ドラゴン(ATK2400)】
魔法・罠【伏せカード2枚】

火箸【LP4000】
SPC【4】
手札【5枚】
モンスター【なし】
魔法・罠【なし】


「炎舞のように一撃でやられる俺ではないでぇ!覚悟せぇや!−俺のターンや、ドロー!」
変化口調で火箸って男がデッキからカードをドローする。確か噂で聞いたことがあったな…、日本では関西弁と言う外国語を使う民族がいるらしいと…。
遊夜【SPC1】火箸「SPC5】
「俺はカードを1枚セットし、Sp−ハイスピード・クラッシュを発動や!俺のスピードカウンターが2つ以上ある場合、俺がセットしたカードとクリスタル・スペース・ドラゴンを破壊するで!!」
相手が伏せたカードが爆発した後、その衝撃と残骸がクリスタル・スペースを襲い、1つの衝撃となってクリスタル・スペースを貫いた。

「クリスタル・スペース!!」
「さらに破壊された休火山の効果発動や!こいつがカード効果で破壊された時、相手に300ポイントのダメージを与えるで!」
直後、俺の回りが赤く光り、衝撃が起きる。
「…!」
遊夜【LP3500→3200】

「俺はジュラック・ヴェローを召喚!このまま直接攻撃や!!」
「ぐわっ!」
ジュラック・ヴェローが俺に突進したため思わず転げそうになったが、スピンしつつも何とか軌道を直し、走り始めた。
遊夜【LP3200→1500】

「どや!俺はカードを1枚セットし、このままターンエンドやで!!」

『おーっと!チーム・フェニックス・遊夜の最速猛攻の攻撃に対し、火箸も最速猛攻で遊夜のライフに大ダメージを与え、遊夜のエースモンスターを瞬殺したぞぉー!!』
ち…僅か1ターンでクリスタル・スペースが倒されたか……。


遊夜【LP1500】
SPC【1】
手札【3枚(内1枚がSp−ジ・エンド・オブ・ストーム)】
モンスター【なし】
魔法・罠【伏せカード2枚】

火箸【LP4000】
SPC【5】
手札【2枚】
モンスター【ジュラック・ヴェロー(ATK1700)】
魔法・罠【伏せカード1枚】


「く…俺のターン!」
遊夜【SPC2】火箸【SPC6】

「ここで休火山の効果発動や!お互いにデッキから炎属性モンスター1体を手札に加えられるで!俺はデッキからジュラック・デイノを手札に加えるで!」
「俺は復讐の女戦士ローズを手札に加える!さらにSp−エンジェル・バトン発動!俺のスピードカウンターが2つ以上の場合、デッキからカードを2枚ドローし、その後に手札を1枚捨てる!」
俺はそう言ってカードをドローすると、手札のカード1枚を墓地に送って1枚のモンスターを手に加えた。
「スター・ブライト・ドラゴンを召喚!スター・ブライト・ドラゴンでジュラック・ヴェローを攻撃!!」
クリーム色のドラゴンがブレスを放ちジュラック・ヴェローを倒した。…が
火箸【LP4000→3800】

「ジュラック・ヴェローの効果発動や!こいつがバトルで破壊された時、デッキから攻撃力1700以下のジュラック1体を特殊召喚できる!俺は2体目のジュラック・ヴェローを特殊召喚や!!」

せっかく倒したジュラック・ヴェローがデジャブのように再び現れる…。次のターン奴は手札に加えたチューナーを使ってシンクロ召喚を行うハズ…!次のターンまでにスター・ブライト・ドラゴンが生き残るかが勝負の鍵だな!
「…俺はカードを2枚セットしてターンエンド!」


遊夜【LP1500】
SPC【2】
手札【2枚】
モンスター【スター・ブライト・ドラゴン(ATK1900)】
魔法・罠【伏せカード4枚】

火箸【LP3800】
SPC【6】
手札【3枚】
モンスター【ジュラック・ヴェロー:2体目(ATK1700)】
魔法・罠【伏せカード1枚】


「俺のターンや!」
遊夜【SPC3】火箸【SPC7】

「さぁ、遊夜覚悟を決めやぁ!!俺はチューナーモンスター、ジュラック・デイノを召喚!レベル4のジュラック・ヴェローにレベル3のジュラック・デイノをチューニング!シンクロ召喚!ジュラック・ギガノト!!」
ヴェローと卵みたいな恐竜がシンクロすると、青い体と赤黄の顔が派手に彩られた大型恐竜が姿を現した。
「ジュラック・ギガノトが俺の場に存在する限り、俺の場のジュラックモンスターの攻撃力は墓地のジュラックモンスター1体につき攻撃力を200アップや!−今俺の墓地にはジュラック・ヴェロー2体とジュラック・デイノの3体がおる!よって600ポイントのアップや!!」
ジュラック・ギガノト【ATK2100→2700】

「攻撃力2700!?」
「バトルや!ジュラック・ギガノトでスター・ブライト・ドラゴンに攻撃や!!−ジュラック・インフェルノクラッシュ!!」
ギガノトが一気に突進し、スター・ブライト・ドラゴンに攻撃してきた!
「させるか!罠カード、マジカルシルクハット発動!デッキから魔法・罠カード2枚を選択し、スター・ブライト・ドラゴンと共にランダムにセットする!!」
直後、俺の場に巨大なシルクハットが現れ、それが3つに分裂した。
「なに!?スター・ブライト・ドラゴンが変な帽子の中に!?」
「確率は3分の1!さぁ、スター・ブライト・ドラゴンを当ててみな!」
「く…ここにきてギャンブルかいな……なら!さっきスター・ブライト・ドラゴンのいた所に攻撃や!!」
奴の宣言でギガノトがもう突進してシルクハットの1つを噛み砕いた!!
そのカードは……

罠カード【ゴブリンのやりくり上手】

「残念だったな!」
俺は破壊されたカードに安堵した後、火箸にニッと笑って見せた。
「く…俺はカードを1枚セットし、ターンエンドや!!」


遊夜【LP1500】
SPC【3】
手札【2枚】
モンスター【スター・ブライト・ドラゴン(ATK1900)】
魔法・罠【伏せカード3枚】

火箸【LP3800】
SPC【7】
手札【3枚】
モンスター【ジュラック・ギガノト(ATK2700)】
魔法・罠【伏せカード1枚】


「俺のターン!」
遊夜【SPC4】火箸【SPC8】

「俺はチューナーモンスター、柴戦士タロを召喚!」
俺の場に小さな剣と風呂敷包みを纏った小さな柴犬が走りながら姿を現す。
ちなみにこのカードはかのペガなんとかって人が描いた超レアカードだとか。

「レベル4のスター・ブライト・ドラゴンにレベル2の柴戦士タロをチューニング!−シンクロ召喚!天狼王 ブルー・セイリオス!!」
小さな柴犬とスター・ブライト・ドラゴンがシンクロし、両腕に狼の顔を象った人狼が姿を現した。
「天狼王やと!?…そやけどそのモンスターの攻撃力は2400。俺のジュラック・タイタンの攻撃力じゃ倒す事はできへんで!」
「それはどうかな?」
「あん?」
「罠カード、ショック・ウェーブ!俺のライフが相手ライフより下の場合、フィールド上に存在するモンスター1体を破壊し、互いにその攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!!」
「なんやと!?お前、ここにきて自暴自棄かいな!!」
奴は慌てふためいた顔で俺の行動を見る。
走っている最中だったけど、琉実達の声が少しだけ聞こえた…。
「そっか!遊夜はジュラック・ギガノトを破壊した後に、次のターンで私が有利にデュエルできる様にするためね!」
顔は見えなかったが、話の内容で琉実が喜んでいるのだろう……。だが琉実。奴を相手にデュエルする出番は無い!(ドン☆)

「俺が破壊するモンスターは―天狼王 ブルー・セイリオス!!」

「ちょっ、おま!…自分のモンスターを破壊してどうする気よ!?」


「ははは、やっぱ自暴自棄やないか!これで俺のジュラック・ギガノトが存在したまま次に渡らせてもらうで〜!!」
「さらに罠カード、バースト・シンクロサモンを発動!このターン俺が受ける効果ダメージを1度だけ0にする!つまり、ショック・ウェーブのダメージを受けるのはお前だ!!」
「なんやて!!?そんなコンボで俺のジュラック・ギガノトを破壊しないん!?」
「バースト・シンクロサモンのもう1つの効果を使うためさ。」
「バースト・シンクロサモンのもう1つの効果?」
「そう、この効果で0にした効果ダメージの数値と同じ攻撃力を持つシンクロモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する!!―俺は0にした数値2400ポイントの攻撃力を持つライトニング・ウォリアーを攻撃表示で特殊召喚!!」
「俺にダメージを与えた上に、別のシンクロモンスターを召喚やと!?」
ブルー・セイリオスが爆発を起こし、衝撃がフィールドに響き渡り、爆風が起きる。火箸はその衝撃をまともに受けたが俺はバースト・シンクロサモンでその衝撃を吸収して電撃を纏った戦士をフィールドに呼び寄せた。
こいつは俺が幼い頃のエースモンスターだったカード。今じゃクリスタル・スペースの方に出番を奪われているも、貴重なシンクロモンスターだからデッキに入れているんだぜ。

「さらに天狼王 ブルー・セイリオスの効果発動!フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、相手モンスター1体の攻撃力を2400ダウンさせる!!」
ブルー・セイリオスが霊体となり、三つの牙でギガノトの体を噛み砕く。
ジュラック・ギガノトがその衝撃で悲鳴を上げた。
火箸【LP3800→LP1400】
ジュラック・ギガノト【ATK2700→300】

『なんて強烈なコンボだーーー!!ショック・ウェーブとハイパー・シンクロサモンによって相手に大ダメージを与え、自分はそのダメージをシンクロ召喚に利用しただけでなく、ジュラック・ギガノトを倒すための布石まで結んだぞぉー!!』

「カードを1枚セットし、バトル!ライトニング・ウォリアーでジュラック・ギガノトを攻撃!!」
「ハン!随分好き勝手にやっている所残念やけど、この攻撃は通さへんで!罠カード、ミラーフォース!これでライトニング・ウォリアーは破壊や!!」
ライトニング・ウォリアーの電撃波がバリアとなって跳ね返り、ライトニング・ウォリアーが消滅した。
「ざまぁ見いや!次のターンで俺がモンスターを召喚できれば俺の勝利や……で!!」
と火箸は煙が晴れると同時に言葉を失った。
それもそのはず、俺の場に破壊されたはずのライトニング・ウォリアーがいるからだ。

「何でや!?何でライニング・ウォリアーが存在するねん!!」
「俺はライトニング・ウォリアーが破壊された時、墓地からリベンジ・リターンを発動したのさ!このカードを除外することで、このターン効果で破壊されたモンスター1体を特殊召喚できるのさ!」」
「墓地から罠やとぉー!!?と言うか、何でそんなカードが墓地に存在するん!?」
「このカードはマジカルシルクハットの効果でモンスターとして守備表示でセットされた後、破壊されたカードだ!」
「あの時にか!?というか、どんだけ計算しとんの、アンタ!?」
「突っ込んでいる所悪いが…行くぜ!」
「あっ…ちょ、ちょっと待てぇー!!」
「ライトニング・ウォリアーでジュラック・ギガノトを攻撃!ライトニング・パニッシャー!!」
ライトニング・ウォリアーが再びジュラック・ギガノトに電撃を浴びせ、奴のライフを0にした。

「ぎえぇええええー!!」
火箸【LP1400→0】

『WRJP第1試合、遊夜が追い詰められながらも、罠カードのコンボで見事火箸を倒したぞぉ!!−だが、チーム・バーニングにはラストホイーラー、熱闘がいるぞぉおおおお!!!』

会場の歓声が大きく響き、琉実達の声も僅かだが聞こえた!

「やったー!遊夜君が二人抜きだぁ!!」
「もう!遊夜一人で決めないでよ!!−けど、こうなったら最後のデカイのもぶっ飛ばしなさい!!」
「あぁ、わかっているさ!!」
琉実のワガママな声援を聞き、俺はD・ボードを加速させ、一気にコースを走った。


―【今回使用されたカード】―

Sp−ハイスピード・クラッシュ
魔法カード
自分用スピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。フィールド上に存在するカード1枚と、自分フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。

休火山
罠カード
このカードが効果によって破壊され墓地へ送られた時、相手に300ポイントのダメージを与える。次の自分のスタンバイフェイズ時、お互いのプレイヤーはデッキから炎属性モンスター1体を手札に加える事ができる。

ジュラック・ヴェロー
炎属性 恐竜族 ☆4 ATK1700 DEF1000
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから攻撃力1700以下の「ジュラック」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。

ジュラック・デイノ
炎属性 恐竜族・チューナー ☆3 ATK1700 DEF800
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、そのターンのエンドフェイズ時に自分フィールド上に存在する「ジュラック」と名のついたモンスター1体をリリースする事で、自分のデッキからカードを2枚ドローする。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

復讐の女戦士ローズ
炎属性 戦士族・チューナー ☆4 ATK1600 DEF600
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手ライフに300ポイントダメージを与える。

Sp−エンジェル・バトン
魔法カード
自分用スピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。デッキからカードを2枚ドローし、その後に手札1枚を墓地へ送る。

スター・ブライト・ドラゴン
光属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1900 DEF1000
このカードが召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、エンドフェイズ時までレベルを2つ上げる事ができる。

ジュラック・ギガノト
炎属性 恐竜族・シンクロ ☆7 ATK2100 DEF1800
チューナー+チューナー以外の恐竜族モンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上に表側表示で存在する「ジュラック」と名のついたモンスターの攻撃力は、自分の墓地に存在する「ジュラック」と名のついたモンスターの数×200ポイントアップする。

マジカルシルクハット
罠カード
デッキからモンスター以外のカード2枚とフィールド上の自分のモンスターを1体選択し、デッキをシャッフルする。選択したカードをシャッフルし、フィールド上に裏側守備表示でセットする。デッキから選択した2枚のカードはモンスター扱い(攻・守0)となりバトルフェイズ終了時に破壊される。この効果は相手バトルフェイズにしか使えない。

ゴブリンのやりくり上手
罠カード
自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚をデッキからドローし、手札からカードを1枚選択してデッキの一番下に戻す。

柴戦士タロ
地属性 獣戦士族・チューナー ☆2 ATK800 DEF600
このカードは戦闘では破壊されない。フィールド上に存在するカードが戦闘またはカードの効果によって破壊された時、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを持ち主の手札に戻す。

天狼王 ブルー・セイリオス
闇属性 獣戦士族・シンクロ ☆6 ATK2400 DEF1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力は2400ポイントダウンする。

ショック・ウェーブ
通常罠
自分のライフポイントが相手のライフポイントよりも少ない場合にのみ発動する事ができる。 フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。お互いのプレイヤーは そのモンスターの攻撃力分のダメージを受ける。

バースト・シンクロサモン
通常罠
このターン、自分が受ける効果ダメージを1度だけ0にする事ができる。この効果で0にした効果ダメージの数値と同じ攻撃力を持つシンクロモンスター1体をエクストラデッキから召喚条件を無視して自分フィールド上に特殊召喚する。

ライトニング・ウォリアー
光属性 戦士族・シンクロ ☆7 ATK2400 DEF1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、相手の手札の枚数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。

聖なるバリア―ミラーフォース―
罠カード
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手フィールド上に存在する攻撃表示モンスターを全て破壊する。

リベンジ・リターン
通常罠
モンスターが戦闘で破壊された時、発動する事ができる。カードを1枚ドローする。墓地のこのカードをゲームから除外する。このターン、カード効果によって破壊され墓地に送られたモンスター1体を特殊召喚する。





第7話:開幕B:最強!チーム・エアロドライブ!!

『さぁ、チーム・バーニングはラストホイーラー、熱闘(ネット)が登場だぁー!!』
会場が大賑わいする中、チーム・バーニングのリーダーが俺の横に張り付くようにD・ボードを走らせた。
「女がリーダーのチームのくせに、よくも炎舞に続いて火箸まで倒しやがったなぁ!」
「それがどうした!大体女がリーダーだからって別にどうでもいいことだろ?」
「お前のチームがリーダーと言うのが気に入らないが、お前の減らず口も気に入らねぇ!お前を完膚無く叩きのめした後、あの女も叩き潰してやる!!」
「デュエル!」


遊夜【LP1500】
SPC【4】
手札【1枚】
モンスター【ライトニング・ウォリアー(ATK2400)】
魔法・罠【伏せカード2枚】

熱闘【LP4000】
SPC【7】
手札【5枚】
モンスター【なし】
魔法・罠【伏せカード1枚】


「俺のタ――ン!」
遊夜【SPC5】熱闘【SPC9】

「俺はここで罠カード、針虫の巣窟を発動!俺のデッキから5枚のカードを墓地に送る!!」

※墓地に送られたカード
【ラヴァルのマグマ砲兵】【炎熱旋風壁】【ラヴァルロード・ジャッチメント】【UFOタートル】【ラヴァルの炎車回し】

「さらにラヴァル・ガンナーを召喚し効果発動!デッキの上から5枚のカードを墓地に送る!!」
「な!?またデッキのカードを5枚墓地に送るだと!」

※墓地に送られたカード
【ラヴァル・ガンナー】【ラヴァル・ウォリアー】【ラヴァル・フロギス】【ラヴァル・フロギス】【ラヴァル・フロギス】

「ワハハハハハ!墓地に送られたカードは全てラヴァルモンスターだ!効果を使用したラヴァル・ガンナーの攻撃力は墓地に送ったラヴァル1体につき攻撃力を200アップする!!」
ラヴァル・ガンナー【ATK1200→2200】

そう言うと、溶岩と岩石でできた戦士が体から赤いオーラーを吹き出してパワー・アップする。
「そんなに墓地に送ったら、あっという間にデッキ切れになるぞ…」
「まだまだぁ!今墓地に送られたフロギス3枚の効果を発動!このカードが墓地に送られた時、俺の場のラヴァルモンスターの攻撃力を300アップする!!」
「な、さっき墓地に送られたフロギスは3枚ってことは…900アップだと!?」
ラヴァル・ガンナー【ATK2200→3100】

「バトルだぁ!!ラヴァル・ガンナーでライトニング・ウォリアーを攻撃ぃ!!」
「罠カード、ガード・ブロック!モンスター1体の戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする!!」

ライトニング・ウォリアーが赤いレーザーで貫かれて爆発するが、俺の周りにバリアが離れたことで、巻き添えにならずに済んだ。
「ぬぅう…だが、ライトニング・ウォリアーは戦闘で破壊した!ターンエンド!!」


遊夜【LP1500】
SPC【5】
手札【2枚】
モンスター【なし】
魔法・罠【伏せカード1枚】

熱闘【LP3800】
SPC【9】
手札【4枚】
モンスター【ラヴァル・ガンナー(ATK3100)】
魔法・罠【なし】


「俺のターン!」
遊夜【SPC6】熱闘【SPC10】

…だめだ!この手札じゃあのラヴァル・ガンナーに太刀打ちできない!
「俺はカードを3枚セットし、ターンエンド!」


遊夜【LP1500】
SPC【6】
手札【0枚】
モンスター【なし】
魔法・罠【伏せカード4枚】

熱闘【LP3800】
SPC【10】
手札【4枚】
モンスター【ラヴァル・ガンナー(ATK3100)】
魔法・罠【なし】

「ワハハハハ!ついに悪運も尽きたようだなぁ!俺のターン!!」
遊夜【SPC7】熱闘【SPC11】


「俺はスピードワールド・2の効果を発動!スピードカウンターを10取り除くことでお前の場のカード1枚を破壊する!!」
熱闘【SPC1】

熱闘の周りから赤い溶岩が溢れだし、俺のフィールド上のカードを襲う。
だが、お前が破壊しようとするカードは、俺の逆転を導くカード!
「その効果にチェーンして罠カード、重力解除を発動!さらにこのカードを墓地に送り、もう1枚の罠カード、反魂鏡を発動墓地からクリスタル・スペースを守備表示で特殊召喚!!」
「なに!?クリスタル・スペースを再び召喚するだと!?」
フィールドに現れた鏡からクリスタル・スペースが現れ、その中からフィールドに出る。
そして重力が解放されたことでフィールドのモンスターの表示形式は変わり、クリスタル・スペースは自分の重力を反発するように放った。

「さらに重力解除の効果により、フィールド上に存在するモンスターの表示形式を全て変更する!これでスピードワールド・2の破壊効果をかわしたぜ!」
「だからどうしたと言うんだ?メインフェイズに表示変更するカードを使用しても意味ないだろ!ラヴァル・ガンナーを攻撃表示に変更!」
「無駄だ!クリスタル・スペースがいる限り、相手モンスターは表示変更ができない!」
「なにぃ!?…く、俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ!」


遊夜【LP1500】
SPC【7】
手札【0枚】
モンスター【クリスタル・スペース・ドラゴン(ATK2400)】
魔法・罠【伏せカード1枚】

熱闘【LP4000】
SPC【1】
手札【4枚】
モンスター【ラヴァル・ガンナー(ATK3100)】
魔法・罠【伏せカード1枚】


「俺のターン!」
遊夜【SPC8】熱闘【SPC2】

よし!このカードはドローした時に発動できる罠カードだ!
「俺はドローした罠カード、緊急宝札を手札から発動!このカードは手札が1枚以下の時にドローした場合、このカードを墓地に送ることでさらに2枚のカードをドローできる!」
「ここにきて手札を補充してきたか…」
「バトル!クリスタル・スペースでラヴァル・ガンナーを攻撃!クリアブルー・フレイム!!さらにクリスタル・スペースのバーン効果でダメージを与えるぜ!!」
「ぐわっ!」
クリスタル・スペースが青い焔を放つと、熱闘もろともラヴァル・ガンナーを焼き尽くした。
熱闘【LP4000→2800】

「このまま一気に決めさせてもらうぞ!カードを1枚セットし、ターンエンド!!」


遊夜【LP1500】
SPC【8】
手札【1枚】
モンスター【クリスタル・スペース・ドラゴン(ATK2400)】
魔法・罠【伏せカード2枚】

熱闘【LP2800】
SPC【2】
手札【4枚】
モンスター【なし】
魔法・罠【伏せカード1枚】


「ふざけるな!女がリーダーのチームなんかに俺達が負けてたまるかよ!俺のターン!」
遊夜【SPC9】熱闘【SPC3】

「俺はSp−エンジェル・バトンを発動!デッキからカードを2枚ドローし、1枚捨てる!この時墓地に送られたラヴァル火炎山の侍女の効果により、デッキのラヴァル1体を墓地に送る!」
「またデッキからラヴァルを…」
「さらにラヴァルロード・ジャッチメントをゲームから除外し、炎の精霊 イフリートを特殊召喚!!そしてラヴァル・キャノンを召喚し効果発動!除外したラヴァルロード・ジャッチメントを特殊召喚する!!」
フィールドに琉実が使用していた炎の精霊が現れると、その横に、左手を銃にした青いモンスターが現れる。そしてそのモンスターは銃を放つことで次元を開き、細いラヴァルの王をフィールドに呼び寄せた。

「攻撃力2700のモンスターを一瞬で召喚しただと!?」
「まだだぁ!俺の墓地にラヴァルが3種類存在する場合、手札からチューナーモンスター、ラヴァル・コアトルを特殊召喚!」
「チューナーだと!?」
「レベル4の炎の精霊 イフリートにレベル2のラヴァル・コアトルをチューニング!−シンクロ召喚!ラヴァルバル・ドラグーン!!」
熱闘の場に光の柱が現れ、中からラヴァル・コアトルに乗ったラヴァル・ガンナーがフィールドに現れる。

「ラヴァルバル・ドラグーンの効果発動!デッキからラヴァル・炎湖畔の淑女を手札に加え、墓地に送り、永続罠リミット・リバースによって特殊召喚!!」
「レベル4のラヴァル・キャノンに、レベル3のラヴァル炎湖畔の淑女をチューニング!−シンクロ召喚!ラヴァル・ステライド!!」
再び熱闘の場に光の柱が現れ、中から全身に鎧を纏ったラヴァル・ガンナーが姿を現した。

「フィールドに攻撃力2500以上のラヴァルが3体だと!?」
「これで一気に倒させてもらうぞ…だが、その前に墓地に存在する淑女の効果発動!このカードとラヴァル・コアトルをゲームから除外し、お前の場にセットされたカードを1枚を破壊する!破壊するカードは真ん中のカードだ!!」
「!…コズミック・ブラストが……」

「俺のライフをギリギリ奪うカードか…!やっと悪運が尽きたようだな!」
「く…!」
「バトル!ラヴァル・ステライドでクリスタル・スペース・ドラゴンを攻撃!!」
ラヴァル・ガンナーはその左腕の銃でクリスタル・スペースを撃つ。
クリスタル・スペースは青い焔を放つも、跳ね返され、打ち砕かれた。
「クリスタル・スペース!…」
遊夜【LP1500→1200】

「トドメだ!ラヴァルバル・ドラグーンでプレイヤーにダイレクトアタック!!」
「「遊夜!!」」
「くっそ…ここまで―」
直後、俺の回りが噴煙に包まれた。


「おっしゃぁ!あのクリスタル野郎をついにぶった押したぞ〜!!」

「いや…まだだ!」
遊夜【LP1200→1100】

「バカな!?ダイレクトアタックは直撃したはずだろ!!?」
「いいや、俺は樹の伏せカードを発動した!」
「なにぃ!」
「永続罠、リビングデットの呼び声!このカードで俺は墓地のブルー・セイリオスを特殊召喚し、ラヴァルバル・ドラグーンの攻撃を防いだのさ!!」
「そうか…俺が序盤に火箸のカードを発動したように、お前の場にも仲間のカードが残されていたのか……」
「そう言うことさ…ついでにブルー・セイリオスのモンスター効果でラヴァルロード・ジャッチメントの攻撃力を下げさせてもらうぜ!」
亡霊となったブルー・セイリオスが突進し、ラヴァルロード・ジャッチメントに噛みついた!!
ラヴァルロード・ジャッチメント【ATK2700→300】

「く…攻撃力を下げられたか……俺はバトルを中断し、ラヴァルロード・ジャッチメントの効果を発動する!墓地のラヴァル・キャノンをゲームから除外し、お前に1000ポイントのダメージを与える!!」
「ぐわぁっ…!」
遊夜【LP1100→100】

「俺はこのままターンエンドだ!次のターンでトドメを!女リーダーもろともトドメ刺してやるぜ!」


遊夜【LP100】
SPC【9】
手札【1枚】
フィールド【なし】

熱闘【LP2800】
SPC【3】
手札【2枚】
モンスター【ラヴァル・ステライド(ATK2700)
      ラヴァルバル・ドラグーン(ATK2500)
      ラヴァルロード・ジャッチメント(ATK300)】
魔法・罠【リミット・リバース(対象なし)】


「ハッ!何が気に入らないかは気かねぇが、そんな低レベル思想で俺が負ける前にお前を倒してやる!ファイナルターン!!」
遊夜【SPC10】熱闘【SPC4】

よし!来てくれたか!!
「俺はドローしたデブリ・ドラゴンを召喚!そのモンスター効果で墓地からレベル・ウォリアーを特殊召喚!!」
「バカな!ここでシンクロ召喚を行うだと!?」
「行くぜ!レベル3のレベル・ウォリアーにレベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング!
結束を司りし結晶よ!その力を解放し、闇を貫く閃光を射せ!−シンクロ召喚!−輝け!クリスタル・ユニバース・ドラゴン!!」
俺の場に光が差し込むと、中から両腕と背中に鋭い刃の様な羽を持った紫色の翼竜が俺の場に現れ、咆哮をあげた!!

クリスタル・ユニバース・ドラゴン:ATK2500

『なーんとぉ!夜空遊夜の使うクリスタルは1体だけじゃなかったぁ!!!』
「ば、バカな!攻撃力2500だとぉ!?」
「バトル!クリスタル・ユニバースでラヴァルロード・ジャッチメントを攻撃!ディープブルー・フレアァ!!!」
クリスタル・ユニバースが一気に飛翔して舞い上がると、口から紫に輝くブレスを放ち、ジャッチメントを押しつぶすように焼き尽くした。
「ぐぉおおおおおおおー!!」
熱闘【LP2800→500】

「くくく…だが惜しかったなぁ!俺のライフはあと500残っている!」
「あぁ…だが、このターンでトドメを射すには十分のライフだ!」
「はぁ、何を言って―」
「スピードワールド・2の効果発動!スピードカウンターを4つ取り除き、手札のSp1枚につき800ポイントのダメージを与える!!」
「し、しまったぁ!」
「俺の手札にはSp−ジ・エンド・オブ・ストームが残っている!よって800ポイントのダメージだ!」
「ば、バカな……ぐわぁああああああああああ!!!!」
熱闘【LP500→0】

『チーム・フェニックス!第2ホイーラー夜空 遊夜がギリギリまで追い詰められるも、まさかの3人抜きを制し、チーム・バーニングに勝利したぁああ!!!』

俺はふっと腕を上げて勝利宣言した後、そのまま琉実達のいる場所まで走った。


「やったー!2回戦に進出だぁ!!」
樹が大喜びで俺の所まで来る。琉実も後からゆっくりとうなずく様に歩いて来た。
「ま!当然じゃない!私達チーム・フェニックスに負けは無いんだから!―それよりも……」
「?」
「結局私だけデュエルできなかったじゃない!−あぁ、もう!本来ならここは私が3人抜きして私が注目されるハズだったのにぃ!!!」
え〜…あんた、そんなこと考えていたのかよぉ……。

「ま、いっか。」
「ま、いっか…てなによ!ま、いっか、て!!」
「あぁ、いや、何でもない!−それよりも龍亞達のデュエル見に行かないか?」
「龍亞君達の?うん、そうだね!きっと順調に勝ち進んでいると思うし、見に行こうよ。」
「こらー!勝手に話しかえるなぁ!!」




と言うわけで俺達は急いで龍亞達チーム・シグナーのいるD・ブロックのスタジアムに言った。
「お、やってるな!結構な歓声だな!」
「そうね!意外とやるみたいね!」
「うんうん!」
俺達3人は入った直後、ホールの中に入って行った。



だが、そこで見たのは俺達の予想を裏切る展開だった。


龍亞:LP4000
SPC:0
手札:0
フィールド:ライフ・ストリーム・ドラゴン(ATK2900)

???:LP2200
SPC:1
手札:0
フィールド:ドラグニティアームズ―レヴァテイン(ATK2600、ドラグニティ―ファランクス装備)

「な、!?俺のライフ・ストリーム・ドラゴンの攻撃を防いだ!?」
「くくく…残念だったな!」

茶髪の少年がフッと笑いD・ボードのスピードを上げる。

よく見ると、両者共にラストホイーラーの様だ。

「中々の攻撃だったが、次のターンは回ってこない!」
「なんだって!?」
「俺のターン!俺はドラグニティアームズ―レヴァテインとドラグニティ−ファランクスをチューニング!!」
2体が光の輪と球体となり、巨大な光の柱となる。
そして中から漆黒の剣を持った赤黒い竜の戦士が現れた。

「シンクロ召喚!−ドラグニティナイト―ストームリンガー!!!」
「そ、そんな…う、うわぁああああああああああああああああああー!!!」
龍亞の叫びと共にライフ・ストリーム・ドラゴンが一撃で両断され、龍亞のライフが0になった。

『チ、チーム・エアロドライブ、翼騎飛流!チーム・シグナーをか、完膚なきまでの力で圧勝だぁああああ!!』

「りゅ、龍亞君…。」
「う、ウソでしょ!?」
二人が驚きと困惑の中でステージを見続ける。
俺も言葉が出ず、ただあの男を見るしかなかった…。


チーム・エアロドライブ―翼騎 飛流…。
こいつを見た瞬間、俺の心の何かが煮えたぎるような物を感じた。







―【今回登場したカード】―

針虫の巣窟
罠カード
自分のデッキの上からカードを5枚墓地に送る。

ラヴァルのマグマ砲兵
炎属性 炎族 ☆4 ATK1700 DEF200
手札から炎属性モンスター1体を墓地へ送って発動する。相手ライフに500ポイントダメージを与える。この効果は1ターンに2度まで使用できる。

炎熱旋風壁
永続罠カード
自分フィールド上に表側表示で存在する「ラヴァル」と名のついたモンスターの攻撃力は、自分の墓地に存在する「ラヴァル」と名のついたモンスターの数×100ポイントアップする。

ラヴァルロード・ジャッチメント
炎属性 戦士族 ☆7 ATK2700 DEF1800
1ターンに1度、自分の墓地に存在する「ラヴァル」と名のついたモンスター1体をゲームから除外して発動する事ができる。相手ライフに1000ポイントダメージを与える。この効果を発動するターン、「ラヴァルロード・ジャッジメント」は攻撃宣言をする事ができない。

UFOタートル
炎属性 機械族 ☆4 ATK1400 DEF1200
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の炎属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。その後デッキをシャッフルする。

ラヴァルの炎車回し
炎属性 炎族 ☆3 ATK300 DEF400
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター2体を選択して墓地へ送る事ができる。

ラヴァル・ガンナー
炎属性 戦士族 ☆4 ATK1200 DEF800
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に「ラヴァル・ガンナー」以外の「ラヴァル」と名のついたモンスターが存在する場合、自分のデッキの上からカードを5枚まで墓地へ送って発動する事ができる。このカードの攻撃力は、この効果を発動するために墓地へ送った「ラヴァル」と名のついたモンスターの数×200ポイントアップする。

ラヴァル・ウォリアー
炎属性 戦士族 ☆4 ATK1800 DEF500
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合に自分の墓地に「ラヴァル」と名のついたモンスターが4種類以上存在する場合、その戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

ラヴァル・フロギス
炎属性 炎族 ☆4 ATK1700 DEF800
このカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上に表側表示で存在する全ての「ラヴァル」と名のついたモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

ガード・ブロック
罠カード
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

重力解除
罠カード
自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。

反魂鏡
罠カード
自分フィールド上のカード1枚を墓地へ送り発動する。自分の墓地からモンスター1体を特殊召喚する。

クリスタル・スペース・ドラゴン
水属性 ドラゴン族・シンクロ ☆7 ATK2400 DEF1900
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手モンスターは表示形式を変更することができない。

緊急宝札
通常罠カード
相手モンスターが攻撃宣言をした場合、デッキからカードを1枚ドローする。また、自分の手札が1枚以下の時にこのカードをドローした場合、そのカードを墓地に送ることでデッキからカードを2枚ドローする。

Sp−エンジェル・バトン
魔法カード
自分用スピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。デッキからカードを2枚ドローし、その後に手札1枚を墓地へ送る。

ラヴァル火炎山の侍女
炎属性 炎族・チューナー ☆1 ATK100 DEF200
自分の墓地に「ラヴァル炎火山の侍女」以外の「ラヴァル」と名のついたモンスターが存在する場合にこのカードが墓地へ送られた時、自分のデッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る事ができる。

炎の精霊 イフリート
炎属性 炎族 ☆4 ATK1700 DEF1000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の炎属性モンスター1体をゲームから除外して特殊召喚する。このモンスターは自分のバトルフェイズ中のみ、攻撃力が300ポイントアップする。

ラヴァル・キャノン
炎属性 戦士族 ☆4 ATK1600 DEF900
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、ゲームから除外されている自分の「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。

ラヴァル・コアトル
炎属性 炎族・チューナー ☆2 ATK1300 DEF700
自分の墓地に「ラヴァル」と名のついたモンスターが3種類以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

ラヴァルバル・ドラグーン
炎属性 ドラゴン族・シンクロ ☆6 ATK2500 DEF1200
チューナー+チューナー以外の炎属性モンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。自分のデッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を手札に加え、その後手札から「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る。

ラヴァル炎湖畔の淑女
炎属性 炎族・チューナー ☆3 ATK200 DEF200
自分の墓地に「ラヴァル」と名のついたモンスターが3種類以上存在する場合、自分の墓地に存在するこのカードと「ラヴァル」と名のついたモンスター1体をゲームから除外して発動する事ができる。相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して破壊する。

ラヴァル・ステライド
炎属性 炎族・シンクロ ☆7 ATK2700 DEF1800
チューナー+チューナー以外の炎属性モンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分は手札を1枚墓地へ送る。このカードがカードの効果の対象になった時、自分の墓地に存在する「ラヴァル」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、その発動を無効にし破壊する。

リビングデットの呼び声
永続罠カード
自分の墓地のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

天狼王 ブルー・セイリオス
闇属性 獣戦士族・シンクロ ☆6 ATK2400 DEF1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
フィールド上に存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの攻撃力は2400ポイントダウンする。

デブリ・ドラゴン
風属性 ドラゴン族・チューナー ☆4 ATK1000 DEF2000
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する攻撃力500以下のモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する事ができる。この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。このカードをシンクロ素材とする場合、ドラゴン族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。また、他のシンクロ素材モンスターはレベル4以外のモンスターでなければならない。

レベル・ウォリアー
光属性 戦士族 ☆3 ATK300 DEF400
フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚する事ができる。相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードはレベル4モンスターとして特殊召喚する事ができる。

クリスタル・ユニバース・ドラゴン
水属性 ドラゴン族・シンクロ ☆7 ATK2500 DEF1700
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上に存在するモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。また、このカードがフィールド上に存在する限り、相手モンスターの攻撃対象をこのカードに変更することができる。

Sp−ジ・エンド・オブ・ストーム
魔法カード
自分用スピードカウンターが10個以上ある場合に発動する事ができる。フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊する。この効果で破壊し墓地へ送られたモンスター1体につき、そのモンスターのコントローラーは、300ポイントのダメージを受ける。

ドラグニティアームズ―レヴァテイン
風属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2600 DEF1200
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する「ドラグニティ」と名のついたカードを装備したモンスター1体をゲームから除外し、手札または墓地から特殊召喚する事ができる。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、「ドラグニティアームズ−レヴァテイン」以外の自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。このカードが相手のカードの効果によって墓地へ送られた時、装備カード扱いとしてこのカードに装備されたモンスター1体を特殊召喚する事ができる。

ドラグニティ−ファランクス
風属性 ドラゴン族・チューナー ☆2 ATK500 DEF1100
このカードがカードの効果によって装備カード扱いとして装備されている場合に発動する事ができる。装備されているこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

ライフ・ストリーム・ドラゴン
地属性 ドラゴン族・シンクロ/チューナー ☆8 ATK2900 DEF2400
チューナー+「パワー・ツール・ドラゴン」
このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分のライフポイントを4000にする事ができる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分が受ける効果ダメージは0になる。また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、代わりに自分の墓地に存在する装備魔法カード1枚をゲームから除外する事ができる。

ドラグニティナイト―ストームリンガー
風属性 ドラゴン族・シンクロ ☆10





続く...




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