通路をさらに進んでいくと、広い部屋に出た。
 天井が高くなり、足元から天井に向けて風が吹き抜けていた。

 足元に目をやると、部屋の中央を横断する形で道が存在し、それ以外は底の見えない穴が開いていた。
 部屋の風は、この穴の底から吹いているようだった。

 今度は道に目を向ける。
 道には石版が埋め込まれており、それらの石版には魔物の絵が描かれていた。

 そして、道の先には祭壇が見える。その祭壇にはおそらく千年秤のカードがあるはずだ。
 祭壇までの距離は遠くない。20メートルも歩けば辿り着くことができるだろう。カードは目と鼻の先……。

 だが、気になるのは、道に埋め込まれた魔物の絵が描かれた石版。
 石版からは禍々しい気配が感じられる。何かの仕掛けがあるに違いない。

 しかし、石版の道を通らなければ、祭壇には辿り着くことはできない。
 石版の道を通らずに祭壇まで行く方法はない。

「あ、これは……!」
 部屋の壁に文字が彫られているのを発見した。読んでみる。

 石版に宿りし魔物が汝を裁くであろう。
 一度でも心を曲げてしまった者は、魔物にその身を喰われてしまうだろう。
 自信なき者は引き返せ。

 やはり、床の石版に何の仕掛けがあるようだ。
 先に進むべきか、それとも……。

 石版の道を通って祭壇まで進む
 通路を引き返す