洞穴状の遺跡の入り口から私は外へ出た。
遺跡の外は、中よりも気温は高いようだった。もわっとした生温かい空気が私を包み込む。
(リシドはどこかしら……?)
周囲を見渡したが、リシドの姿がなかった。
リシドはボロボロの精神状態で、ここ――遺跡の入り口にいたはず。そう簡単に動けるものだろうか?
嫌な予感はしたが、遺跡を離れてまで彼を探すわけにはいかない。マリクの命がかかっているのだ。
きっとリシドは助けを呼びに行ったのだ。私はそう思うことにした。
私は再び遺跡の中に戻ることにした。
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