MIMIC
前編

製作者:ASさん






はるか南の島に、デュエル・アカデミアというデュエリストを養成する高校が存在する…生徒は150人ほどであるが、その中には飛び抜けた実力を誇るデュエリストが数多く存在するらしい…。





――しかし、今回はこのデュエル・アカデミアが舞台ではない。




T都S区に透明に近い最近のビルのような校舎−インダストリアル・アカデミア−、この高校の中でいろんな意味で飛び抜けた(!?)あるクラスが繰り広げるストーリーである。





【Phase  1】 インダストリアル・アカデミア 1―A

1−A。




ここの教室の生徒たちは他のクラスとは異質な感じがあった…


そんな、クラスに新たに新入生が加わるという


「瀬智(ライチ)、瀬智〜知ってる?今日、私達のクラスに転入生が来るの!」

紅色のツインテールの少女 杉村(スギムラ)ミモザが一部黄緑色の黒髪の少年でこの作品の主人公の時雨(シグレ)瀬智に話しかけていた。


「ふーん、どんなやつだ?」

「それがとっても可愛いブロンドの男の子なのけど、その子…」


キーンコーンカーンコーン


「あっ!チャイムがなっちまったな…まぁ、先生が紹介してくれるからいいよな。」

ミモザはちぇ〜っとがっかりしながら自分の席に座った。その数分後、ガララとドアが開きそこから白衣を着た銀一(ギンイチ)先生とその転校生が教壇に現れた。


「お〜す!早速だが転入生を紹介すんぞ!!」


黒板にその転入生の名前を書いて紹介した。

「今日から、このクラスで一緒になることになった。林檎(リンゴ)君だ。」

「よっ、よろしくお願いします…」



背はミモザと比べたら背が低い。顔を見るとおとなしそうに見えた。不自然なことを除けば…



先生、と質問したのはロングヘアーでこのクラスの委員長(一応)の長澤 霙(ナガサワ ミゾレ)であった。


「なぜ、彼の苗字を書かないのですか?」

確かに普通は苗字と名前を書くはずだ。しかし、先生が書いたのは、彼の名前だけであった。

「おいおい委員長、苗字を書かなくっていいんじゃね?それにそれが彼の苗字かもしれないんだぜぃ。」

茶髪の少年‐倉野 考(クラノ コウ)は委員長にそういった。

「いや別にそういうことじゃ……」

「まぁまぁ、言い争いは、ここまでにしてくれ。林檎君にもいろいろ事情があるのよ。」

と先生は、彼のその事情を説明した。












それは新入式が始まる3日前、つまり時雨達が入学する前のこと、
銀一先生と理事長が朝からばったり会い、一緒に話しながら歩いていたら校門の前に林檎君が気を失って倒れていたのである。

彼の周りには数多くの血痕が残されており、先生らは急いで彼を近くの病院へと運んだ。

しかし、彼には出血がどこにも見当たらず、また、凶器とされるものが見つからないため、彼の意識が戻るのを待っていたのだ。


数週間後、彼は目を醒ましたのだが、事件どころか、自分名前以外の記憶が全くなかったのである。

おそらく、彼にとってその事件は余程のショックがあったのだろう…
事態を重く見た理事長達は彼の記憶が蘇るかもしれないと思い、少し残酷だが責任を持って、彼を引き取ったのである。















この話を聞いた1−Aの生徒たちは、あまりにも信じられずに動揺していた。

彼らは、この話を聞いてどうしゃべればいいのかわからなかった…





「ま、まぁそういうことだったら…あんまり記憶のことは気にするな林檎、この学校はそんなに厳しいところじゃないから…」

「うん、わかってます…先生からこの学校のことやデュエルのこと教えてくれたから…」


林檎はそう言うと、自分のポケットのデッキケースからたった1枚しかなかったカードを手に加えた。

「実は、僕のポケットにこのカードだけがあったんだ。」




手札に加えたカードそれは「光と闇の竜(ライト・アンド・ダークネス・ドラゴン)」というとても珍しく、強力な効果をもつカードであった。


「そっそれって、ライダーじゃない!滅多に見れない代物なのよ!」

長澤は彼のカードを見て興奮した。

「え、そうなの?」

「まぁまぁ、委員長落ち着いて…今の時代強力なカードだってたくさんある時代なんだから。」


興奮した長澤を落ち着かせようとする倉野


「しかし、そのカードしかなかったのか…?」

そう質問したのは、緑色の髪の少年 月宮 夜(ツキミヤ ナイト)であった。

「確かにこのカードしかなかったんだ…。」


…………


「おいおい、お前らここまでにしておけ、彼をこれ以上苦しめるんじゃない…もうすぐ、1限目が始まるから、体育館にデッキと決闘盤を持って集合な!!」

先生はそう言うとさっさとみんなデッキと決闘盤を持って教室を後にした。





【Phase  2】デュエル・ルール

というわけで、全員体育館に集合した。


「じゃぁ、早速だが、時雨、倉野、今日は君らがデュエルしてもらうぞ。」


俺(時雨)と倉野はステージに上がりデッキをセットする。


「今日はあんたとデュエルすることになるとは…」

「まぁ、今回はよろしくな」



互いにジャンケンを行い、倉野が勝ち、彼が先攻をとる。



―――デュエル―――


時雨:LP4000

倉野:LP4000


「俺の先行、カードドロー!!」


「あ、林檎君!わかってると思うけど、一応デュエルのルール教えておくね。」

「あ、……ありがとう…」

「今、倉野が行ったのはドローフェイズと言って最初に必ずカードを1枚引くところなの。もし、デッキが0枚でドローする場合、その時点でそのプレイヤーは負けちゃうのよ。」

「ふーん…」

「そしてそのあとスタンバイフェイズで特定のカードの処理を行ってメインフェイズに移行するのよ。」






倉野は自分の決闘盤に緑色のカードをセットする。

「魔法カード『暗黒界の取引』を発動!互いに手札1枚ドロー、その後カードを1枚捨てる。」


暗黒界の取引
通常魔法カード
お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローする。その後手札からカードを1枚捨てる。

「俺はヘルカイザー・ドラゴンを捨てる。」

「俺が捨てるのはAD(アストラルドラゴン)−プルートのカード」



「さらに俺はデュアル・サモナーを通常召喚!ターンエンド!」

「デュアル・サモナー……始めてみるカードだな…」


「俺のターン!俺は、「AD−ネプトゥヌス」を通常召喚。」

時雨の場にヒレと尾、頭部に結晶が覆われた大きな海竜が召喚される。




AD−ネプトゥヌス
水属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1600 DEF 800
相手がモンスターを召喚するたびに、相手モンスターの攻撃力と守備力を300ポイントダウンさせる。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の攻撃力は2000になる。相手フィールド上にモンスターが存在するときに、モンスターが召喚に成功した場合、相手フィールド上に存在する1番攻撃力の低いモンスター1体を破壊する。この効果は1ターンに1度しか発動できない。




「バトルフェイズ!ネプトゥヌスでデュアル・サモナーを攻撃!ジェット・アクア!!」

「この瞬間、デュアル・サモナーの効果発動!!ライフを500払い、手札からデュアルモンスター炎妖蝶ウィルプスを通常召喚する。」

召喚術師が呪文を唱え倉野の場に、燃え盛る羽を持った蝶が召喚される。




デュアル・サモナー
水属性 魔法使い族 ☆4 ATK1500 DEF   0
1ターンに1度、相手のバトルフェイズに500ライフポイントを払う事で、手札からデュアルモンスター1体を通常召喚、または自分がコントロールする表側表示のデュアルモンスター1体を再度召喚することができる。そのターンの間、そのカードは戦闘によっては破壊されない(ダメージ計算は適用する)。




倉野:LP4000→3500



「だが攻撃対象はデュアル・サモナーだ!!そしてネプトゥヌスがいる限り相手がモンスターを召喚するたびに攻撃力と守備力は300ポイント下がる。」


デュアル・サモナー:ATK1500→1200

炎妖蝶ウィルプス:ATK1500→1200


ネプトゥヌスが高速で発射した吹雪がデュアル・サモナーに命中し、デュアル・サモナー
に命中した。

倉野:LP3500→3100

「リバースカードを1枚セットしターン終了!」





「すごい…互いに全く見たことないモンスターだわ。倉野のデュアルモンスターでどんな効果を持っているの?」

「あの…ミモザさん……デュエルの説明をしてくれませんでしょうか?……」





「俺のターンドロー!俺は場の炎妖蝶ウィルプスを『召喚』する!!」

「召喚されてるモンスターを…、もう1回召喚??」


デュアルモンスターは召喚をもう一度召喚することにより、効果モンスターとなる。そして炎妖蝶ウィルプスを生贄に効果発動!墓地からデュアルモンスターヘルカイザードラゴンを効果モンスター扱いで特殊召喚する!」


蝶の羽の炎はさらに勢いを増し、自身を炎に飲み込んでいく。そしてその炎から黒く禍々しい龍が姿を現した。




炎妖蝶ウィルプス
炎属性 昆虫族 ☆4 ATK1500 DEF1500
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードを生け贄に捧げることで、自分の墓地から「炎妖蝶ウィルプス」を除くデュアルモンスターを1体特殊召喚する事ができる。この効果で特殊召喚されたデュアルモンスターは効果モンスターとして扱い、そのデュアルモンスターが持つ効果を得る。




ヘルカイザー・ドラゴン
炎属性 ドラゴン族 ☆6 ATK2400 DEF1500
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。




「ヘルカイザー・ドラゴンが効果モンスター扱いになった場合、2回攻撃が可能になるぜ!……バトル!ヘルカイザー・ドラゴンで、ネプトゥヌスを攻撃!!」

ヘルカイザーの獄炎がネプトゥヌスを飲み込み、焼き尽くされた。

「さらに、ヘルカイザーの効果で相手に直接攻撃だ!!」


「ふっ、トラップカード!スターダスト・ミラージュを発動!!」


ヘルカイザーの獄炎が時雨が発動した星屑の嵐で威力が落ちた。だが時雨にダメージはあった。


「スターダスト・ミラージュは、俺の場にモンスターが存在しない場合、自分の墓地のADと名のついたモンスター1体につき相手モンスターの攻撃力を300ポイント下げる。」



ヘルカイザー・ドラゴン:ATK2400→1800


時雨:LP4000→2200



だが、このヘルカイザー・ドラゴンを倒すことができるか〜?俺はリバースカードを1枚セットしターンエンドだ!」


倉野の場には上級モンスターとリバースカードが1枚リバースカードは罠カードとして考えていいだろう。

「行くぜ、俺のターン!!」






…………来た!!……………





「手札より儀式魔法発動!グランド・メテオ!!」


グランド・メテオ
儀式魔法カード
「AD」と名のついたモンスターの降臨に使用することができる。自分のフィールド、手札から儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように生け贄を捧げなけらばならない。



「自分の手札からAD−メルクリウスを生贄に捧げ、手札からAD−マルスを儀式召喚する!」


天井から赤黒く宝石のように美しい隕石が時雨の場に落ちてきた。いつの間にか現れたメルクリウスにその隕石が光り輝きながら衝突する…

その光から真っ赤に染まった紅の龍が出現した…AD(アストラルドラゴン)モンスター

…隕石の力を取り組むことで儀式モンスターとしての力を発動する特殊なモンスターであった。



AD−マルス
炎属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1700 DEF1200
このカードが攻撃宣言を行うたびに相手に500ポイントダメージのダメージを与える。また、このカードは儀式モンスターとして扱うことができる。このカードを儀式召喚に成功した場合、以下の効果を発動する。
●このカードの元々の攻撃力は2500となる。このカードを儀式召喚したターンにこのモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手に2000ポイントのダメージを相手に与える。




「このカードが儀式召喚した場合、このカードの攻撃力は2500になる!」


「くっ!(だが、俺の手札には死者への手向けのカードがある。次のターンこのカードであのカードを破壊し、セットした正当なる血族で再び復活させれば…)」



「バトルフェイズ!!マルスでヘルカイザードラゴンを攻撃!同時にマルスの効果で相手に500ポイントのダメージを与える!!」



倉野LP:3100→2600



紅の龍の両腕から真っ赤に染まりそのかぎ爪で攻撃力が落ちたヘルカイザー・ドラゴンを切り裂き、爆破炎上した。



「ぐおおぉぉ!」


倉野LP:2600→1900



「さらにマルスの効果発動!!このカードが儀式召喚したターンに相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手に2000ポイントのダメージを与える!!!」

紅の龍が真っ赤な炎をはき倉野のライフを削りきった…


「っ!!!」



倉野LP:0



「よし!俺の勝ちだな。」

「く!…俺の負けか…」


「こういう風に、デュエルは勝敗を分かつまで続けられるの♪わかった☆」

「ミモザさん!全く説明になってません!!」





【Phase 3】デッキを作ろう!!

1−A、時雨、倉野、ミモザ、長澤はあることについて相談していた。


「彼はもう十分このことを理解してるからもう大丈夫と思うよ。」

「いや、あなたの説明に彼は理解してないと思うけど…」

「委員長の言う通りだぜ…まぁ、俺達のカードがおきて破りだったからな…」

「あいつ、ルールはある程度覚えているだろ。」

「けど優先権やエクストラステージはまだ習ってないみたいだわ。」

「まぁ、一応ある程度知ってたらあいつもできるだろ…」

「……ところで、いま何話してるんだっけ?」

「オイオイ、ミモザあんた人の話聞いて他の?」

「えっ?」

「天然なのも、これくらいにしなさいよ…今話してるのは林檎のデッキ構築を手伝ってあげることたよ…」

「委員長も言えない立場だろ…普通の学生が決闘盤に木刀を入れてるのあんただけだぞ…よく、没収されたり逮捕されたりしなかったな…」

「別にいいじゃないか!デュエル・アカデミア ウエスト校では銃型の決闘盤があるのだから!!」

「馬鹿!あれはカードを投げるようになってるからあんたのとは違って大丈夫なんだよ!」

「なにをぉぉ!!!」
と委員長は木刀をとってそれで倉野を叩こうとしたが、時雨がとっさに委員長を掴んだ

「おいぃ!その刀をしまえって!!」

「何でなのだ〜!!」


委員長が大暴れして大混乱する時雨達、すると…


「あのぉ…すみません…ちょっと相談したいとがあるんですが……」



「「「「おわぁぁぁぁ!!!!」」」」

時雨達4人は突然現れた林檎に驚いた。


ブォッ!!


「ぎゃあああぁぁぁ!!!」

さっきの衝撃で長澤が持っていた刀が林檎の頭をすれすれに当たりそうになる。

「おわぁっビックリしたぁぁぁ…林檎いつの間にそこにいたんだよ!!」

「驚いたのは僕の方ですよ!!長澤さんの木刀が僕の頭すれすれに刺さりかけたじゃないですか!!!」

「すっ、すまない…ところで林檎君…どうしたの?」

「ああ、僕、デッキの組み方があんまりわからないし、カードが「光と闇の竜」1枚しかないからどうすればいいか相談しに来ただけなんですけど…」

「あぁ、そのことか…ちょうど、俺達もそのことで相談してたんだ…」

「えぇっ!?」

案の定、林檎は倉野の発言に驚いた。



彼のカードはたった1枚しかないため、この学校生活についていけないだろう…そう考えた倉野たちは彼のために相談し、デッキ構築を伝授しようとしたのだ。



「まぁ、ちょうど林檎君もいることだし…皆でデッキ構築しましょうよ。」

「そうだな…」

「ハ、ハイ…よろしくお願いします…」

林檎は時雨の隣の席に座りデッキを教えてもらうことにした。

「まず、光と闇の竜のカードを観察することから始めるか。林檎!そのカードを見せてくれ…」

「はい…」

そう言うと机にそのカードを置いた。


光と闇の竜
光属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2800 DEF2400
このカードは特殊召喚できない。このカードの属性は「闇」としても扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。自分フィールド上のカードを全て破壊する。選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。




「まずこのカードは特殊召喚できない点から説明するか。
特殊召喚できないってことは手札からカード効果で生贄の数を減らして召喚するか、通常道理2体生贄に捧げて召喚するか、この2点でしか召喚できないってことだ。」


「けど、2体フィールドに出すことはそう簡単じゃないのよ…この時代のデュエルは全体破壊や、高攻撃力が多いのよ…けどそれを補うカードだって存在するの!」


「たとえばカイザー・シーホースのカード。このカードはこいつ1体で光属性の最上級モンスターのための生贄2体分になる他には、コストダウンという魔法カードでレベルを2下げることができ、生贄を1体で済ませることができる。ただし、このカードは手札1枚を捨てなきゃいけないけどな…」


「他には死皇帝の陵墓のフィールド魔法で2000ポイントのライフを払えば生贄なしで召喚できるは、ただ、フィールド魔法はお互いに影響を及ぼすカードだから相手も使用できるの、そこは気をつけてね。」


「次にこのカードは闇属性として扱う効果だな。この効果は永続効果と言い、フィールド上に出した瞬間発動する。このカードは光と闇、その名の通り、2つの属性を持つモンスターとなるんだ。」


「つまり、闇属性の効果の恩師を受けることもできるの。」


「ただ、時雨の言うとおり、フィールド上でしか発動できない効果だからフィールド以外では、光属性のモンスターのままだぜ。」


「光属性、闇属性の状態でも2体分の生贄にはならないからそこは気をつけてね。」


「ふーん…」




「それじゃあ、このカードの真の効果だな…このカードは攻撃力、守備力を500払うことでいかなるカード効果を無効にする…つまり、このカードはいかなる効果が通用しないことだ。」


「しかし、この効果はメリットと思われるけど、デメリットもあるわ。この効果は、カード効果が発動したとき、必ず発動する効果なの。つまり自分のカードまで無効になって、無駄に攻撃力を落とすわ。」


「また、この効果はチェーン上1回しか発動できない。この効果で相手の効果カードを1枚無効にしてもこの効果に発動された他の効果は発動される。」


「それに、このカードの効果は無限に発動できる効果じゃないの。攻撃力、守備力ダウンは500。それ以下の数値になるとこの効果は発動されない。このカードの攻撃力は2800、つまり最大5回まで発動できそうだけど、守備力が2400だから最大4回しか発動できない。」


「だかこの欠点を補うことだってできる。さっき、倉野が言ったとうり、無効にできるカードはチェーン上1枚のみ、逆にいえば効果発動時にこのカードにチェーンして自分の速攻魔法、罠カードを発動できる。」


「攻撃力、守備力が下がらなくなったら、月の書やあまのじゃくの呪いなどを発動することをすすめるわ。前者は裏守備表示になって攻撃力、守備力が元に戻るから相手に思わぬダメージを与えることができるの。」


「あまのじゃくの呪いは発動時のみパワーアップ・ダウンを逆にする。つまり、使いきったこのカードの攻撃力と守備力はそれぞれ800と400だが発動すれば4800、4400になるんだぜ、けどこのコンボには特殊なルールがあって、1度だけしか発動できない。」


「他にも、特定の攻撃力を持つカードをコストに発動することもできる。」


「へぇぇ…このカードって、いろいろ難しいけど、かなり強力な効果があるんだね。」


「その通りだな。そして最後にこのカードが破壊されたとき、自分の場のカードを破壊して、自分の墓地のモンスターを蘇生する効果だ。」


「この効果は自分が場にいなくても手札、デッキでも『破壊』されれば、発動できるわ。」


「けど、注意しなければならないのは自分の場のカードが破壊されることだな。破壊されたら、このカードの効果は発動できない。自分の場に残るのはこのカードで復活した自分のモンスターだけだ。」


「だが、破壊されることで効果が発動されるカードも存在する。例えば、クリッターこのカードが場から墓地に送られれば、デッキから攻撃力1500以下のモンスターを加えることができる。また、黄金の邪神像のカードもいいな。破壊された場合だけしか発動できないが場にトークンを残せるからな。」


「つまり、光と闇の竜は強力だが、癖のあるモンスターってことね。」

「林檎、これでデッキ構築の方法がわかったかい。」

「うん、皆のおかげで自身がわいてきたよ。ありがとう。…でも…カードはこのカード1枚だけど…」

「いやいやそんなのは心配ないぞ!パックやストラクチャー・デッキを買えばカードは山ほど手に入るから。ここの購買部ではパックは1パック100円、ストラクチャーも500円だからな。大人買いでパックを1箱買えば3000円で手にはいるよ。だからと言っておんなじパックを買っても、俺達が言ってたカードが手に入るわけではないけどな。」


「じゃぁ!皆で購買部へ行きましょうよ。今回だけカードおごってあげるから。」


「え、ほっほんと!?…あ、ありがとう…」



そして、購買部


「さて、どのカードがいいだろうか?」

「せっかくだから、ビギナーズ・エディションがいいわね。」

「けど、ストラクチャーも必須だからな。」


「あっそうだ!ここのオリジナルパックをいいかもしれない。」


「それじゃぁ、定員さーん……」


こうして林檎君はある程度いろいろなカードを手に入れました。

林檎君が時雨達からもらったカードのパック・ストラクチャーデッキ


STARTER DECK(2007)
BEGINNER'S EDITION 1 4パック
BEGINNER'S EDITION 2 3パック
EXPERT EDITION Volume.1 2パック
EXPERT EDITION Volume.2 3パック
EXPERT EDITION Volume.3 4パック
EXPERT EDITION Volume.4 2パック

オリジナルパック 1箱(20パック)

計5100円




※ここでのSTARTER DECKUはSTARTER DECK(2007)であり、E・HERO ネオス、N・フレア・スカラベ、N・エア・ハミングバードの代わりに、ホーリー・ナイト・ドラゴン、翻弄するエルフの剣士、クリッターが入っています。













「みっ、皆さん、ああ、ありがとうございます。」

林檎はとてもうれしくて…うれしくてたまらなかった…、
自分がどんな人物だったのかわからないのにとても親切にしてくれる人がいるなんて思いもしなかったから…

「じゃぁ、デッキ構築は自分でやってみな。」

「みんなで組むのが一番いいと思うけど、それじゃぁ私たちが知っちゃうしね。」

「無責任だが、一応、ストラクチャーにルールブックが入っていると思うから。」

「じゃぁ、デッキ構築がんばってね!」

「はっハイ!」















学校寮―林檎の部屋

(早速、このオリジナルパックのカードを開けてみよう!)

林檎はわくわくしながらもらったオリジナルパックのカードをはじめに開けてみた。

(こっ、これは!??)

林檎は明けたパックのカードのパックを見て疑問に思った。

入っていたパックの5枚のカードのうち1パックは名前が書かれてないカードが3枚入っていたのだ…

(何なんだろうこのカード?)

彼はこのカード3枚を見て疑問に思ったが、まぁ、いっか…と思いながら次のカード2枚を見てみた。




(……)




青虫
地属性 昆虫族 ☆1 ATK 250 DEF 300
通常モンスター


モリンフェン
闇属性 悪魔族 ☆5 ATK1550 DEF1300
通常モンスター


(うわぁ……………)




あまりのグロさに顔が真っ青になる









その後、林檎は全てのパックを開けて、いろいろ調べながら自分のデッキを構築していったのでした……





【Phase  4】テストプレイング

数日後…

「やった、やっとできたぞ〜!!」

林檎は自分のデッキを貰ったカードと、持ってたカードで組んでみてそして、少しづつ調整してみた。

「けど、なんか……自信がないな〜…どうすればいいんだろう……」


自分は記憶をなくし、初めて同然のデッキ構築だ…一人で作ってはみたものの…デッキの内容コンセプトに自信がないのだ…

「ん〜…」


じっと疼くなってどうすればいいか考える林檎…ふと!あることに気がついた。

「そうだ!明日誰かと闘ってみよう!!」






という訳で、翌日……1−A


「私とデュエルを…?」

「ウン、僕やっとデッキを組めたんだ…だから誰かとデュエルしようと思ってきてみたんです。」

と自分のわけを話す林檎…

「……そうね…私も最近デッキを変えてみたからあなたとデュエルするのも面白いかも…、それじゃぁ、今日の放課後デュエルしてみましょ。」

「ウン!」


そして、放課後…体育館にて…

「行くわよ林檎君!」

「う、うん!」


―――――デュエル!!―――――


林檎:LP4000

長澤:LP4000

「僕の先行からだね!ドロー!!僕はモンスターをセットしてターン終了!!」

林檎の場にカードが横にセットされる。

「では、私のターンね!ドロー!!……よし、私はミスティック・ソードマンLV2を攻撃表示で召喚!!」

委員長の場に小さな戦士が召喚された。

ミスティック・ソードマンLV2
地属性 戦士族 ☆2 ATK 900 DEF   0
裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ミスティック・ソードマン LV4」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

「いっくわよ〜!ミスティック・ソードマンLV2で裏守備モンスターを攻撃!!ミスティカル・ソード!」

え?攻撃力900のモンスターで攻撃!?僕が伏せたアステカの石像の反射ダメージで一気に2200ものダメージを受けちゃいますよ?

だが、アステカの石像は現れず伏せられたまま消滅した。

「な、なんでモンスターが!?」

「ふふ…このカードが裏守備モンスターを攻撃した場合、そのモンスターをそのまま破壊できるのよ。………カードを2枚セットして、ターン終了よ。」


序盤から林檎のモンスターが消滅した。

「ぼ、僕のターン!ドロー!!」

ドロー・カード:サファイアドラゴン

よし、このカードで一気に攻撃するぞ!

「僕は、サファイアドラゴンを攻撃表示で召喚!!」

彼の場に、青く輝く龍が召喚される。

「アラ、なかなか奇麗なモンスターじゃん。けど―」

「わかってます。倒せるかなでしょ!」

「!!」

「手札より、魔法カード!スタンピング・クラッシュ!!このカードで魔法・罠カードを1枚破壊して、相手に500ダメージを与えます!」

スタンピング・クラッシュ
通常魔法カード
自分フィールド上に表側表示のドラゴン族モンスターが存在する時のみ発動する事ができる。フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊し、そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。

「対象は右のカードです!」

サファイアドラゴンは翼を広げ一気に上昇しそのまま伏せカード目掛けてけろうとする。

が、伏せガードが消滅し―サファイアドラゴンの体が縮み始めた。

「あぁ!サファイアドラゴンが!?」

「残念!伏せカードを発動させたわ。速効魔法収縮!!君のサファイアドラゴンの攻撃力を半分にしたの!」

収縮
速効魔法カード
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択する。そのモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズまで半分になる。

サファイアドラゴン:ATK1900→ 950

「け、けどミスティック・ソードマンLV2の攻撃力より僅かに高い!バトルです!!サファイアドラゴンでミスティック・ソードマンLV2に攻撃!!」

「いいえ!そうでもないわよ!!罠カード発動!ライジング・エナジー!!手札を1枚捨てて攻撃力を1500アップさせるわ!!」

ミスティック・ソードマンLV2は体から大きなオーラを吹き出し、攻撃力を上昇させた。

ライジング・エナジー
通常罠カード
手札を1枚捨てる。発動ターンのエンドフェイズ時まで、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力は1500ポイントアップする。

ミスティック・ソードマンLV2:ATK 900→2400

「こ、攻撃力2400!?…わぁあぁぁあぁ〜!!」

サファイアドラゴンはキックの体制のまま攻撃するもそのまま真っ二つにされる。

林檎:LP4000→2550


「う……ぼ、僕はカードを2枚セットしてターン終了…」

「おっとこのときレベルアップモンスターミスティック・ソードマンLV2効果を発動!!このカードを墓地に送って、デッキからミスティック・ソードマンLV4を特殊召喚!」

小さな戦士が一気に大きく成長した。

ミスティック・ソードマンLV4
地属性 戦士族 ☆4 ATK1900 DEF1600
このカードを通常召喚する場合、裏側守備表示でしか出せない。裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ミスティック・ソードマン LV6」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

「こ、攻撃力1900………」

「そして私のターン!私はコマンド・ナイトを召喚!!」

彼女の場に赤い鎧をきた女戦士が召喚された。

コマンド・ナイト
炎属性 戦士族 ☆4 ATK1200 DEF1900
自分のフィールド上に他のモンスターが存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。また、このカードがフィールド上に存在する限り、自分の戦士族モンスターの攻撃力は400ポイントアップする。

「コマンド・ナイトの効果によって私の戦士族モンスターの攻撃力を400アップ!!」

ミスティック・ソードマンLV4:ATK1900→2300

コマンド・ナイト:ATK1200→DEF1600

「あっという間だけど……容赦はしないわよ!!…バトル!ミスティック・ソードマンLV4でダイレクトアタック!!ミスティック・スラッシュ!」

「り、リバースカード発動!!リビングデッドの呼び声!このカードでサファイアドラゴンを特殊召喚するよ!」

林檎の場にサファイアドラゴンが復活する。


リビングデッドの呼び声
永続罠カード
自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。

「ホントはここで相内だけど…そのまま攻撃よ!!」

「今だ!速攻魔法!突進!!」

「な!?」

サファイアドラゴンはミスティック・ソードマンLV4にそのままタックルを仕掛けてきた。

突進
速効魔法カード
表側表示モンスター1体の攻撃力を、ターン終了時まで700ポイントアップする。

「このカードでサファイアドラゴンの攻撃力を700アップするよ!」

サファイアドラゴン:ATK1900→2600

そしてタックルされたミスティック・ソードマンLV4が撃破される。

「きゃ!…」


長澤:LP4000→3700

「なかなかやるじゃない…カードをセットしてターン終了!」

「僕のターン!ドロー!!僕はサファイアドラゴンを生け贄に―エメラルド・ドラゴンを召喚!!」

サファイアドラゴンが姿を消し―緑に輝く龍が姿を現す…

「一気に上級モンスターね…」

エメラルド・ドラゴン
属性 族 ☆6 ATK2400 DEF1400
通常モンスター

「バトルです!エメラルド・ドラゴンでコマンド・ナイトを攻撃!!エメラルド・フレイム!!」

エメラルド・ドラゴンの炎によってコマンド・ナイトが破壊された。

「きゃあぁあ―」


長澤:LP3700→2900

「よし!このまま押し切るぞ〜!!ターン終了!」

「私のターン!ドロー!!」


ドロー・カード:闇の護封剣


「よし、私はセットした、リビングデッドの呼び声を発動!墓地に眠るミスティック・ソードマンLV4を特殊召喚するわ!!」

「そ、そのカードは僕が使ったカードと同じカード…てことは……」

ミスティック・ソードマンが再び復活した。

「林檎君…ピンチの時にはチャンスがあるって…って知ってるかな……」

「え?」

「永続魔法カード!闇の護封剣!!このカードは発動時あなたのモンスターを裏守備表示でセットできる!!」

突如林檎の場に黒い剣が現れ…中から黒い闇がエメラルド・ドラゴンをセット状態にした。


闇の護封剣
永続魔法カード
このカードの発動時に相手フィールド上に存在する全てのモンスターを裏側守備表示にする。また、このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上モンスターは表示形式を変更する事ができない。2回目の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを破壊する。

「な、なんだこれ!?」

「さらに、装備魔法―アサルト・アーマーを装備!」

ミスティック・ソードマンLV4の体が輝きだす

アサルト・アーマー
装備魔法カード
自分のモンスターカードゾーンに戦士族モンスター1体のみが存在する場合に、そのモンスターに装備する事ができる。装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。装備されているこのカードを墓地に送る事で、このターン装備モンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃をする事ができる。

「このカードは私の場に戦士族モンスター1体の場合発動できる装備魔法…このカードで装備モンスターの攻撃力を300ポイントアップする!!」

ミスティック・ソードマンLV4:ATK1900→2200

「け、けどそんなことしなくても…他のカードで―」

「確かにね…けど、このカードの真の効果を発動されるわ!このカードを墓地に送ることで、このターンに装備モンスターを2回攻撃できるようになる!!」

「2,2回攻撃!?」

「いっくわよ〜!バトル!!ミスティック・ソードマンLV4で裏モンスターを効果破壊!!ミスティカル・ソード!」

ミスティック・ソードマンLV4はそのまま真っ二つにカードを切り裂く!

「そしてミスティック・ソードマンLV4の2回目の攻撃!ミスティック・スラッシュ!!」

ミスティック・ソードマンLV4はそのまま一気に林檎に攻撃した

「うわぁあぁあああぁあ〜!!」

林檎:LP2550→ 650

「私はターンを終了するわ…」

「ぼ、僕のターン…ドロー!!カードを1枚セットして…ターン終了!!」

「私のターン、ドロー!!私は魔法カード、戦士の生還を発動!墓地から戦士族モンスターコマンド・ナイトを手札に加え…召喚!!」

戦士の生還
通常魔法カード
自分の墓地の戦士族モンスター1体を選択して手札に加える。

「そしてコマンド・ナイトの効果で戦士族の攻撃力を400アップする!!」


ミスティック・ソードマンLV4:ATK1900→2300

コマンド・ナイト:ATK1200→1600

「一気に行くわよ!!ミスティック・ソードマンLV4でダイレクトアタック!ミスティック・スラッシュ!」

「速効魔法!クリボーを呼ぶ笛!このカードはデッキからクリボーかハネクリボーを手札に加えるか特殊召喚することができるカード!このカードでハネクリボーを特殊召喚!!」

クリボーを呼ぶ笛
速効魔法カード
自分のデッキから「クリボー」または「ハネクリボー」1体を、手札に加えるか自分フィールド上に特殊召喚する。


林檎の場に羽根の生えた綿毛モンスターが召喚される…

「なら!ミスティック・ソードマンLV4でハネクリボーを攻撃!!」

ハネクリボーはいとも簡単に切り裂かれた…だが……

「ハネクリボーの効果発動!このカードが破壊されたら…このターン僕が受けるダメージを0にできる!!」

ハネクリボー
光属性 天使族 ☆1 ATK 300 DEF 200
フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時に発動する。発動後、このターンにこのカードのコントローラーが受ける戦闘ダメージは全て0になる。

「おしい!……けど、ミスティック・ソードマンLV4の効果を発動するわよ!!このカードがモンスターを戦闘破壊した場合、このカードを墓地に送って、ミスティック・ソードマンLV6を特殊召喚するわ!!」

ミスティック・ソードマンが光り輝き―2刀流の戦士になった。

ミスティック・ソードマンLV6
地属性 戦士族 ☆6 ATK2300 DEF1700
このカードを通常召喚する場合、裏側守備表示でしか出せない。裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。この効果で破壊したモンスターを墓地へ送らず、相手のデッキの一番上に置く事ができる。

「そしてコマンド・ナイトの効果で攻撃力を上げてターン終了よ。」

ミスティック・ソードマンLV6:ATK2300→2700


「攻撃力2700……」

今…僕の手札にこのカードを倒せそうなカードはない…


だったら…!!

「僕のターン!ドロー!!」


林檎は思いっきり自分のカードをドローした。





【Phase  5】召喚できるか!?光と闇の竜!!

「僕は魔法カード光の護封剣を発動!!このカードで3ターン相手モンスターの攻撃を封じます!!」

「な、このタイミングで光の護封剣!?」

委員長の場に輝く光の剣がミスティック・ソードマンLV6達の身動きを封じた。

光の護封剣
通常魔法カード
相手フィールド上に存在する全てのモンスターを表側表示にする。このカードは発動後(相手ターンで数えて)3ターンの間フィールド上に残り続ける。このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上モンスターは攻撃宣言を行う事ができない。

これで林檎の場に闇の護封剣、委員長に光の護封剣が発動されていた。

だが、次のスタンバイフェイズで闇の護封剣は消滅する…


「僕は、モンスターをセットしてターンを終了するよ。」

「わ、私のターンよ…ドロー…この瞬間、闇の護封剣は消滅する…コマンド・ナイトを守備表示にしてターン、終了よ…」

「僕のターン!ドロー!!…僕はモンスターを反転召喚!スケル・エンジェル!!そして効果によって、僕はデッキから1枚ドローする!!」

場に体が見えない天使が召喚される。

スケル・エンジェル
光属性 天使族 ☆2 ATK 900 DEF 400
リバース:自分のデッキからカードを1枚ドローする。

「そして、カードをセットしてターンエンドだよ!!」

そして、長澤のターンに移る…


その頃…時雨、ミモザ、銀一先生は彼らのデュエルを観戦していた…

「ほう…林檎ってやつは生まれつきかなりのデュエルセンスを持ってるようだな…」

「雫も負けてないですよ…扱いの難しいミスティック・ソードマンをいとも簡単に召喚したんですから!!」

「そりゃもっともだが…光の護封剣によってよぉ…3ターンも封じられてんじゃしょうがないけどな…最も手札が少ないから攻めにくい様子だけれども…」


「私はカードをセットして、ターンエンド!」

「僕のターン、ドロー!!」

「リバース罠!砂塵の大竜巻!このカードで光の護封剣を破壊!!」

砂塵の大竜巻
通常罠カード
相手フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。破壊した後、自分の手札から魔法か罠カード1枚をセットする事ができる。

大きな竜巻が護封剣を吹き飛ばされた…

「あぁ…護封剣が……」

「これで攻撃ができるわ!」

「ウ…ぼ、僕は暗黒ステゴを召喚!」

彼の場に、大きなステゴザウルスが召喚された。

暗黒ステゴ
地属性 恐竜族 ☆4 ATK1200 DEF2000
このカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された時、このカードは守備表示になる。

「スケル・エンジェルを守備表示にしてターンエンド!!」


「私のターン、ドロー!私は流転の宝札を発動するわ!!」

流転の宝札
通常魔法カード
自分のデッキからカードを2枚ドローする。ターン終了時にカードを1枚墓地に送る。送らない場合、3000ポイントのダメージを受ける。

「このカードで私はカードを2枚ドロー!…バトルよ!ミスティック・ソードマンLV6で暗黒ステゴを攻撃!ミスティックス・ツイン・ソード!!」

2つの剣でミスティック・ソードマンは暗黒ステゴに襲いかかった

「リバース罠!和睦の使者!このターン僕が受けるダメージを0にし、僕のモンスターは戦闘で破壊されない!!」

使者達が防御結界を張り、ミスティック・ソードマンの攻撃防いだ…

和睦の使者
通常罠カード
このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージを0にする。このターン自分モンスターは戦闘によって破壊されない。

「な、なんですって〜…やるわね〜……カードを2枚セットして、エンドフェイズに私の手札1枚を墓地に送ってターンエンドよ!」

「僕のターン!―」


今、僕の手札にはあのモンスターがない…


お願い…来て……



「ドロー!!―」












(私のターンね!ドロー!)














え……?








(よ〜し!私はこのカードを発動するわよ〜!!)










(うわぁ〜…僕の切り札が〜……)












(まだまだね…林檎も!!)














一人の少女が僕と一緒に笑ってる…


















これは…僕の……記憶…?







「あ、…す、すみません!!」

慌てて林檎はドローしたカードを見る…



ドロー・カード:光と闇の竜



「き、キターー!!!」

「!?…ま、まさかあ、あのカードを!!?」

「行くよ!僕はスケル・エンジェルと、暗黒ステゴを生け贄に―現れよ!―――光と闇の竜!!」


2体のモンスターが光と、闇となり…やがて2つはそれぞれ違う翼に変化した…そしてその姿が…竜の姿となり…その姿を現した……



光と闇の竜
光属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2800 DEF2400
このカードは特殊召喚できない。このカードの属性は「闇」としても扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択して発動する。自分フィールド上のカードを全て破壊する。選択したモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。


「こ、これが光と…闇の竜……」


「す、すげぇぜ……実物は初めて見たぜ………」

「と、とっても大きいわね…」

「あぁ…そうだな……」


だが、そのカードを使いこなすにはかなりの力量が求められるぞ…


今…僕の光と闇の竜の攻撃力は2800…そしてミスティック・ソードマンLV6の攻撃力は2700…これなら一気に倒すことができる…

だけど…光と闇の竜は効果を発動する度に攻撃力と守備力を落としていく…発動されたらやられる…


ここは……


戦おう!

一緒に闘って…勝とう!!


「バトル!光と闇の竜でミスティック・ソードマンLV6を攻撃!!」

−シャイニング・ブレス!!

口から光輝く大きなブレスをミスティック・ソードマンLV6にぶつけた!!


「させないわよ!墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!!このカードを除外し、攻撃を1回無効にする!!」

場に不気味な鎧を着た戦士が目の前に立ちはだかる……

ネクロ・ガードナー
闇属性 戦士族 ☆3 ATK 600 DEF1300
自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。


「この瞬間!光と闇の竜の効果発動!その効果を無効にし、攻守を500ダウンする!!」

混沌の衝撃波がネクロ・ガードナーを破壊しようとした…

「だけど!僕はこの瞬間!収縮を発動!!ミスティック・ソードマンLV6の攻撃力を元々の攻撃力を半分にする!!」

「な!?…このタイミングで!?」


ミスティック・ソードマンLV6は収縮し、レベル2とほぼ同じサイズになってしまった。

ミスティック・ソードマンLV6:ATK2700→1550

光と闇の竜:ATK2800→2300

「このまま、いっけ〜!!」

攻撃の威力は落ちてるにもかかわれず一気に急上昇した!!

「やるじゃない…初心としてはすごい腕前よ……けど、私も負けられないわ!!」

「え!?」

「リバース魔法! 武装再生!!このカードで墓地に存在する装備魔法カードをミスティック・ソードマンLV6に装備するわ!!」

武装再生
速効魔法カード
墓地に存在する装備魔法カード1枚を、対象の正しいモンスターに装備する。

「私が発動するカードは…団結の力!!」

「そ、そんな…いつの間に……」

「ライジング・エナジーの時に…このカードを墓地に送っていたのよ……団結の力の効果によって、私の場に表側表示で存在するモンスター1体につき800アップ!…今、私の場にモンスターは2体!よって攻撃力は1600アップ!!」

団結の力
装備魔法カード
自分のコントロールする表側表示モンスター1体につき、装備モンスターの攻撃力と守備力を800ポイントアップする。

ミスティック・ソードマンLV6:ATK1550→3150

「ミスティック・ソードマンLV6の反撃!!」

―ミスティック・リバース・ブレード!!


月のごとき大きな閃光が一気に光と闇の竜を一刀両断した……

「うわぁぁぁぁぁぁぁ―――」

林檎:LP 650→   0



「うぅ……負けちゃった…」

「いいえ、初心者にしてはかなりの腕前だったわ!」

「そうですか?」

「ウン!……恥ずかしくて言えないけど…油断したら負けちゃうって感じだったな…」


「けど……悔しかったな…でも……」

「ウン、楽しかった。」



2人は笑いながら喋っていた。




「あ〜あ、やっぱ、林檎が負けちゃったか……」

「だが、素人にしてはなかなかの戦いだったぞ…」

「そうですね…それに……」

「それに?」


「2人ともあんなに笑うなんて初めてだわ。」

「………そうだな……」


「いつまでもこのデュエルが続けばいい…な………」


3人の内…時雨は、彼らのデュエルを見てこのデュエルがいつまでも続けばいいなと思っていた…





【Phase  6】休日の時間…

「ん〜…よく寝た…」


今日は日曜日……学校は休日の日だ…

林檎は自分の服に着替え、中央広間に来てみた…


「おぉ、おはよう林檎!」

「おはようございます…銀一先生…」


銀一先生はいつも通り白衣を着ながら、堂々と週刊少年ジャンプを読んでいた…

「どうだ?体の調子は…」

「えぇ、今のところ大丈夫です…」

「そうか……それはよかったな…」

「おっはよ〜!林檎!!それと銀一先生!」

「おはようございます。銀一先生、それと林檎……」


「おはようございます。ミモザさん、時雨さん。」

時雨さんは少し冷静な態度で僕たちに挨拶する…


「あ、そうそう林檎のために編み物を編んでみたんだ!」

ミモザはそう言うと、かわいらしい黄緑の洋服を林檎に渡す。

その中心には林檎のアップリケがついてあった。

「あ…ありがとうございます…」


林檎はとっても照れくさそうに言う…

「そういやミモザって料理以外は結構得意だったな…。」

時雨は少し意地悪に彼女と話す。

ちなみに彼女の作る料理はどう言うか…死のデッキ破壊ウィルスのような物である…




「もう!瀬智ったら…少しは上達してるもん!」

ミモザは顔を膨らまして言い返す。


「ふ〜ん…そうなんだ……」

林檎は話を聞いてうなずく…

「り、林檎まで〜……」


ハハハ……と皆、笑いだすのであった…

「あ、そうだ林檎!今日デュエルやんない?」

「ぼ、僕とデュエルですか?」


突然のデュエルの申し出に少し戸惑う林檎であったが…

「いいですよ!」

「じゃぁ、お互いに自分の決闘盤をセットしてっと……」


―――――デュエル!!―――――


林檎:LP4000

ミモザ:LP4000


「僕のターン、ドロー!僕はデッキからカードを3枚墓地に送って、シルバー・ドラゴンを攻撃表示で召喚します!!」

林檎の場に文字通り銀色に輝くドラゴンが姿を現した…


シルバー・ドラゴン
地属性 ドラゴン族 ☆5 ATK2200 DEF1200
自分の場にモンスターカードが存在しない場合、自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送ることでこのカードを生け贄なしで召喚できる。

「い、いきなり攻撃力2200のモンスターを召喚!?」


「あぁ、あれは俺が昨日交換したモンスターカードだ…」

「な、なんで強力モンスターあげちゃったの!?」

「いや…まぁ彼のために力になればと思ってだが…」



「さらに、カードを2枚セットして、ターンエンドだよ!」

「私のターンね!ドロー!…私は〜……このモンスターをセットするわ!そして魔法カード太陽の書を発動!このカードは場にいる裏側表示モンスター1体を表側攻撃表示にすることができるカード!!」


太陽の書
通常魔法カード
裏側表示でフィールド上に存在するモンスター1体を表側攻撃表示にする。

ミモザの場にエジプトの書と思わせる本が開き始める…そしてそこから光が照らしだし、ミモザの場のモンスターを表側表示になる…


そのモンスターは眼鏡をかけた小さな魔法使い族モンスターであった…

「出でよ!地霊使いアウス!!」


地霊使いアウス
地属性 魔法使い族 ☆3 ATK 500 DEF1500
リバース:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上の地属性モンスター1体のコントロールを得る。

「そしてこの子のリバース効果を発動!君の場にいる地属性モンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで私がコントロールするわよ!」

「な、なんだってぇ〜!!?」

アウスは持っているロッドでシルバー・ドラゴンをコントロールした…

「いくわよ〜!アウスとシルバー・ドラゴンで相手にダイレクトアタック!」

「そうわ…させない!速攻魔法!!クリボーを呼ぶ笛!このカードはデッキからクリボーと名のついたモンスターを手札に加えるか、場に特殊召喚するカード!僕はデッキからクリボーを特殊召喚するよ!」

彼の場に茶色い毛玉のようなモンスターが召喚される…


クリボー
闇属性 悪魔族 ☆1 ATK 300 DEF 200
手札からこのカードを捨てる。自分が受ける戦闘ダメージを1度だけ0にする。この効果は相手のバトルフェイズ中のみ使用する事ができる。

「ハネクリボー…じゃない?…だったらアウスでクリボーを攻撃よ!」

アウスは魔法で石を操ってクリボーを撃破する…

しかし、クリボーがいなくなるどころか、さらに4体も増えていた…

「えぇ?どうなってるの!?」

「へへ…僕は速攻魔法、増殖を発動させたんだ…!クリボーを生け贄に捧げて場に可能な数のクリボートークンを特殊召喚するカードだよ。」


増殖
速効魔法カード
自分フィールド上に存在する表側表示の「クリボー」1体を生け贄に捧げる。自分フィールド上に「クリボートークン」(悪魔族・闇・星1・攻300/守200)を可能な限り守備表示で特殊召喚する。(生け贄召喚のための生け贄にはできない)


「ちぇ〜…それなら…シルバー・ドラゴンでクリボートークンを1体破壊!」

ボン!


「まだよ!私はアウスとシルバー・ドラゴンを生け贄に捧げ―デッキから憑依装着―アウスを特殊召喚!!」

アウスは呪文を唱え、シルバー・ドラゴンが消滅し、アウスがパワーアップする…

憑依装着―アウス
地属性 魔法使い族 ☆4 ATK1850 DEF1500
自分フィールド上の「地霊使いアウス」1体と地属性モンスター1体を墓地に送る事で、手札またはデッキから特殊召喚する事ができる。この方法で特殊召喚に成功した場合、以下の効果を得る。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

「カードを2枚セットして、ターン終了よ。」

「ぼ、僕のターンドロー!…ターン終了です…」

「私のターン!ドロー!!私は新たに憑依装着―ヒータを攻撃表示で召喚!」

彼女の場に今度は赤い髪をした女の子が現れる…


憑依装着―ヒータ
炎属性 魔法使い族 ☆4 ATK1850 DEF1500
自分フィールド上の「地霊使いヒータ」1体と炎属性モンスター1体を墓地に送る事で、手札またはデッキから特殊召喚する事ができる。この方法で特殊召喚に成功した場合、以下の効果を得る。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

「いくわよ!まずはアウスでクリボートークンに攻撃!……とついでに罠カードマジシャンズ・サークルを発動!!」

「攻撃時に自分の罠カードを発動!!?」


マジシャンズ・サークル
通常罠カード
魔法使い族モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。お互いに自分のデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を選択し、それぞれ自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。

「このカードが魔法使いの攻撃時にお互いに自分のデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を召喚できるカードなの!…私はデッキから憑依装着―ウィンを召喚!!」

今度は黄緑の髪の女の子が姿を現す…これで憑依装着モンスターが3体も揃った……


憑依装着―ウィン
風属性 魔法使い族 ☆4 ATK1850 DEF1500
自分フィールド上の「風霊使いウィン」1体と風属性モンスター1体を墓地に送る事で、手札またはデッキから特殊召喚する事ができる。この方法で特殊召喚に成功した場合、以下の効果を得る。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

「ぼ、僕もデッキからこのカード…ロード・オブ・ドラゴンを特殊召喚します!」

林檎の場にドラゴンの物を被った魔法使いが特殊召喚された…


ロード・オブ・ドラゴン―ドラゴンの支配者―
闇属性 魔法使い族 ☆4 ATK1200 DEF1100
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。

「けど、アウスの攻撃は止まらないよ!」

アウスがロッドによって小石をたくさん集め―それをクリボーにぶつけた


林檎:LP4000→2350

「えぇ?な、なんで僕のライフが!?」

「この子たちは自身の効果によって特殊召喚に成功した場合、貫通能力を獲得することができるのよ。…さらに私はヒータでロード・オブ・ドラゴンを攻撃!!」


ヒータがロッドから大きな炎を繰り出し、ロード・オブ・ドラゴンを破壊した

「うわぁぁ―!!」

林檎:LP2350→1700


「そしてウィンでクリボーを攻撃!…ターン終了よ。」

「ぼ、僕のターンです!ドロー!…僕は魔法カード、龍の鏡を発動!このカードは僕の墓地にいる融合素材モンスターを除外して、融合デッキからドラゴン族融合モンスター1体を特殊召喚するよ!!」

龍の鏡
通常魔法カード
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、ドラゴン族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)


「ドラゴン族融合モンスターを召喚って…まさか!」

「そう…シルバー・ドラゴンの召喚時に墓地に送った神竜ラグナログと、さっきのターンの戦闘で破壊されたロード・オブ・ドラゴンを融合するよ!!」


「そ、そんな…そんな偶然があるなんて……」

「偶然の1つ1つが時に奇跡を生み出すことがあるのか…」


「融合召喚!竜魔神 キングドラグーン!!」

彼の場に龍の頭にロード・オブ・ドラゴンの上半身を持ったモンスターが召喚された…


竜魔神 キングドラグーン
闇属性 ドラゴン族 ☆7 ATK2400 DEF1200
「ロード・オブ・ドラゴン−ドラゴンの支配者−」+「神竜 ラグナロク」
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。1ターンに1度だけ、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

「そしてキングドラグーンの効果を発動!!僕の手札からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!……僕は黄金竜―ゴールデン・ドラゴンを特殊召喚!!」

「ゴ、ゴールデン……」

彼の場に非常に大きくとても輝かしい龍が姿を現した…

黄金竜―ゴールデン・ドラゴン
光属性 ドラゴン族 ☆8 ATK2500 DEF3200
このカードは自分の墓地に「シルバー・ドラゴン」が存在する場合、墓地からそのカードと他のドラゴン族モンスター3体をゲームから除外することで、このカードを守備表示で特殊召喚する。この方法以外で特殊召喚した場合、このカードの表示形式は変更できない。


「行きます!バトル!!キングドラグーンで憑依なんだっけ…と、とりあえずアウスを攻撃です!トワイライトバーン!!」

「憑依装着だよ…リバース罠!迎撃準備!!このカードで私のアウスを裏守備表示に変更するよ!」

迎撃準備
通常罠カード
フィールド上に表側表示で存在する戦士族か魔法使い族モンスター1体を裏側守備表示にする。


アウスの場にカードの盾が姿を現す…だが、キングドラグーンの攻撃力の前ではこの迎撃は意味なく、アウスは消滅する…

「あぁ…アウスが……」


「続いてゴールデン・ドラゴンでヒータを攻撃!!ゴールデン・ブレス!」

黄金のブレスによってヒータが倒される…

「きゃぁぁぁ―…ヒ、ヒータまで……やったわね〜…」

ミモザ:LP4000→3250

「僕はカードを1枚セットしてターンエンドだよ!」

「行くわよ!私のターン、ドロー!!……あんた以前より桁違いに強くなってるじゃない…?」


「そ、そうですか?」

「もしかしたら君って凄腕のデュエリストかもね〜…例えば、海馬社長みたいな…」

「えぇ!??」

「冗談よ…!」

ミモザは少しふざけながら笑っていた…


「確かにそうかもしれんな…以前の長澤とのデュエルでもそう感じられたからな…」


「おぉ!ハ○ター×ハ○ター復活してんじゃねーか!!」

「先生!ジャンプばっかり見ないでくださいよ!ちなみに僕はジャンプ・スクエア派だけど!!」


「……じゃ!デュエル続行ね…」



こうなったら…!
君のドラゴンに対する私のマイ・フェイバリットモンスターで…!☆





【Phase  7】霊使いの霊鳥

「私はネフティスの導き手を攻撃表示で召喚!」


彼女の場に金色と赤の衣装を着た踊り子が姿を現した…

ネフティスの導き手
風属性 魔法使い族 ☆2 ATK 600 DEF 800
このカードを含む自分フィールド上のモンスター2体を生け贄に捧げる事で、デッキまたは手札から「ネフティスの鳳凰神」1体を特殊召喚する。

「み、見たことないモンスターだけど…」

「このカードはこのカードと別のモンスター1体を生け贄にすることで、手札またはデッキからネフティスの鳳凰神を特殊召喚できるカード…けど、まだこの効果は使わないわ…」

「な、何を……?」


「その前にこのカードを発動するの!魔法カード、マジシャンズ・クロス!!このカードは魔法使いの結束によって攻撃力を3000にすることができる!!」

「こ、攻撃力3000!!?」


マジシャンズ・クロス
通常魔法カード
自分フィールド上に表側表示の魔法使い族モンスターが2体以上存在する場合、その内1体を選択して発動する。選択した魔法使い族モンスターの攻撃力はターン終了時まで3000になる。選択しなかった魔法使い族モンスターはこのターン攻撃をする事ができない。

ウィンは戦闘態勢に入る…そして導き手の炎がウィンの操る風に乗って炎の渦を作り上げた…


憑依装着―ウィン:ATK1850→3000

「いくわよ〜!ウィンでゴールデン・ドラゴンを攻撃!!」


ウィンの操る灼熱の爆風がゴールデン・ドラゴンを襲った…ゴールデン・ドラゴンは防御するも…体に罅が入り…爆発を起こした…

「うわぁぁぁぁぁ―」


林檎:LP1700→1200

「よし!なんとか強いほうのモンスターを倒したぞ!!」


「おぃぃぃ―!!もうちょっと静かに戦ってくれ〜!!」

銀一先生はコーヒーをこぼしたまま注意を促す…

そう言えば僕のバトルの時やこの攻撃は他の部屋の人にも聞こえるのだろうか…


「さらに私はネフティスの導き手の効果で2体を生け贄に捧げ―出でよ!ネフティスの鳳凰神!!」

彼女の2体のモンスターが炎に包まれる……


やがてその炎は輝き始め…金色に輝く火の鳥を形成し始める…


そして中から金色に輝く炎の不死鳥が姿を現した…

「こ、これが…ミモザさんの最強のモンスター……」



ネフティスの鳳凰神
炎属性 鳥獣族 ☆8 ATK2400 DEF1600
このモンスターがカードの効果によって破壊された場合、次の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。この方法で特殊召喚に成功した場合、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。

「どう!?これが私のデッキで最強を誇るモンスターカード…ターンを終了するよ!」

「僕のターン、ドロー!」


「今、ネフティスとキングドラグーンの攻撃力は同じ2400…だが、キングドラグーンはドラゴン族を対象にする、相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない能力を持っている…」

「おいおい時雨…それでも対処法はたくさんあるがミモザのネフティスも厄介な能力を持っているぜ…」


「僕は魔法カード、ソウルテイカーを発動!」

「!?こ、このタイミングでソウルテイカーですって!!?」


ソウルテイカー
通常魔法カード
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊する。この効果によって破壊した後、相手プレイヤーは1000ライフポイント回復する。

「この魔法カードは、ミモザさんのライフを1000回復させる代わりに、相手モンスター1体を破壊するカード……僕はネフティスの鳳凰神を破壊します!」


ネフティスの周りに風が現れる…ネフティスはその渦に巻き込まれ…一瞬で消滅した……


「あぁ〜…ね、ネフティスが〜……」


「けど、このカードの発動後、ミモザさんのライフは1000ポイント回復します…」

ミモザ:LP3250→4250


「けどバトルです!キングドラグーンでプレイヤーにダイレクトアタック!!トワイライトバーン!!」

「ひゃぁぁぁ〜」


ミモザ:LP4250→1850

「僕はカードを1枚セットしてターンエンドです…」


今、僕の手札には…光と闇の竜がいる……

けど、このカードはキングドラグーンの効果では特殊召喚はできないカード…次のターンでドラゴン族モンスターを引かないかぎりこのカードを召喚できない…


一応キングドラグーンはドラゴン族を対象にするいかなるカード効果を回避する特殊効果があるんだけど…他のカードには弱い…

もしミモザさんがこのカードを破壊できるカードを発動したら…セットしたこのカード、リビングデッドの呼び声でキングドラグーンを特殊召喚することができる…

対策は万全だ!!

「私のターン!ドロー!!」


だが、次の瞬間―この対策は突然の出来事で崩れ去った…


なんと…ミモザさんのセメタリースペースから黄金に輝く炎が出てきたんだ…

「な?何何何???」


彼女の周りで燃え盛る炎が1つに収束していく…

「……なんちゃって☆!」


その炎は…ソウルテイカーで倒したモンスター……ネフティスの鳳凰神に生まれ変わったのだ…


「そ、そんな?な、なんでネフティスが!!??」

「これがネフティスの鳳凰神の特殊能力!このカードがカード効果で破壊された次の私のターンに特殊召喚できる!!つまりカード破壊効果に無敵の能力ってわけ!」


「カード破壊効果で蘇るなんて…その名の通りのモンスターなんだ……」

「関している場合じゃないと思うわよ…」

「え?」

「ネフティスの鳳凰神効果発動!この方法で特殊召喚に成功した場合、フィールド上の魔法・罠カードをすべて破壊するわよ!!」

「な、なんだって〜!!?」

ネフティスが空を飛ぶ…そして両方の灼熱の翼を羽ばたかせ、一気に魔法・罠カードを殲滅した…


「これで安心して攻撃を行えるわ!イッケェ〜、ネフティス!キングドラグーンを攻撃よ!」

「えぇ!?キングドラグーンの攻撃力はネフティスと同じなんですよ!?」

「速効魔法!ピラミッド・パワーを発動!!このカードの効果でネフティスの攻撃力を200アップするわよ!!」


ピラミッド・パワー
速効魔法カード
次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●表側表示で自分フィールド上に存在する全てのモンスターは、エンドフェイズまで攻撃力が200ポイントアップする。
●表側表示で自分フィールド上に存在する全てのモンスターは、エンドフェイズまで守備力が500ポイントアップする。


ネフティスの鳳凰神:ATK2400→2600

ネフティスの鳳凰神の鳳凰神は羽根から灼熱の炎を飛ばす、キングドラグーンも対抗して杖から虹のような光線を放つも、ピラミッドのような結界によって弾かれ、そのまま灼熱の炎で焼き尽くされた。


「うわぁぁぁ―」

林檎:LP1200→1000


「よ〜し、次のターンで決着をつけちゃうわよ!ターンエンド!!」


や、ヤバい…

今、僕にはこの手札1枚しかない…けど、このカードは場のモンスター2体を生け贄に捧げなければ召喚できない…


けど僕の場にはカードは存在しない…

このままじゃ…負ける……








(うぅ〜……このままじゃ負けちゃう〜)


あれ?…まただ……




(けど!…僕はこのデッキの上を信じるよ!ドロー!!)





(行くよ!僕はモンスター2体を生け贄にして―光と闇の竜を召喚するよ!!)


(え〜!?こんな土壇場でぇ〜!!?)



光と闇の竜?





もしかしてこの記憶は…僕と……光と闇の竜の………



記憶?





「僕のターン……


ドロー!!」


林檎は静寂にデッキから1枚のカードをドローした……


そしてそのカードを確認して…フィールドカードゾーンを展開させた…



「僕はフィールド魔法ドラゴン・マウンテンを発動するよ!!」


寮の広間が一瞬にしてたくさんの火山帯に変わる…

ドラゴン・マウンテン
フィールド魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在するドラゴン族モンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップする。自分フィールド上にドラゴン族モンスターが存在しない場合、自分の墓地から生け贄に必要な数だけドラゴン族をゲームから除外することで生け贄なしでドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する。

「ドラゴン・……マウンテン?」

「それだけじゃない…僕は墓地から火山竜の効果を発動!ドラゴン・マウンテンが発動した場合、相手に1000ポイントのダメージを与える!!」

「な、シルバー・ドラゴンの効果で墓地に送ってたの!?」


火山竜
炎属性 ドラゴン族 ☆4 ATK1600 DEF1000
このカードを手札から墓地に捨てる。デッキから「ドラゴン・マウンテン」1枚を手札に加える。このカードが自分の墓地に存在するときにこのカードの持ち主が「ドラゴン・マウンテン」の発動に成功した場合、相手に1000ポイントのダメージを与える。この効果はこのカードが墓地に存在する限り1度しか使用できない。

ミモザ:LP1850→ 850


「そしてドラゴン・マウンテンの効果を発動!僕の場にドラゴン族がいない場合、僕の場からドラゴン族モンスターを任意の数だけ除外することで、除外した数と同じ生け贄にするドラゴン族モンスター1体を生け贄なしで召喚できる!!」

「な、なんですって〜!?……それじゃぁ…その手札って……」

「そう!僕はシルバー・ドラゴンと火山竜をゲームから除外して―出でよ!光と闇の竜!!」



周りの火山が噴火を起こす…そしてその火山の1つから光と闇の竜が姿を現した…


「あ…あらら……」

け、けどこのターンを乗り切れば何とか攻略できるかも……


「まだ、ドラゴン・マウンテンの効果が残っています。僕のドラゴン族モンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップ!!」


光と闇の竜:ATK2800→3300

「こ、攻撃力3300〜!!?」


「バトルです!光と闇の竜でネフティスの鳳凰神を攻撃!!」

―シャイニング・ブレス!!


「きゃぁぁ〜!!」



光と闇の竜が一気に輝かしい光のブレスを放ちネフティスを撃破した…


ミモザ:LP 850→   0

「やった〜!僕の勝ちだ〜!!」

「ふぇ〜ん……負けちゃった〜…けど、楽しいデュエルだったね…林檎!」

「ウン…僕も楽しいデュエルだったよ……」



林檎は決闘盤にセットしていたカード、「光と闇の竜」を手に持つ…





光と闇の竜…

僕はまだ…全ての記憶は戻ってなし…


思い出した記憶をたどっても、あの子の名前は思い出せないけど…




必ず思い出してみせるよ……




だからお願い!…


一緒に戦って……

光と…闇の竜……





【Phase  8】童実野町林間合宿

キーンコーンカーンコーン……

「んじゃ、この時間は3週間後に予定されてる林間合宿について説明するぞ…」


林間合宿―

これは僕たちの友情や信頼関係を築きながら自然を学ぶという学校行事だ…

このインダストリアル・アカデミアでも普通の学校らしい行事があるのだ。



「と、言うことでお前ら何か質問あるか?」

「はーい!先生!!」


とミモザが手を上げて質問する…

「なんだ…杉村…」

「あのですね〜そこでのショッピングとかゲーセンとかあるんですの〜?」

「そうだな…タダでおいしい川が飲めたり森でかくれんぼができるぞ…」


「あの〜先生!」

次は時雨が質問する…

「合宿の場所って童実野町のドミノ山ですよね…」

「あぁ…例年そうだが?なにか……?」


「できればドミノ山じゃなくて、デュエル・アカデミアの森林で合宿に変更できないでしょうか……」

「いや、あそこは例年とんでもないことになってるだろ!去年なんか学校が1度吹き飛んだし…」

「いや、大丈夫だぜ先生!今年はそんなことは絶対ないですよ!!」


と発言したのは倉野であった…

一応聞きますが………彼、倉野 考のことを覚えているだろうか?彼は第2話の最初のデュエルで、デュアルモンスターを使いこなした少年なのですが…


「それにうまくいけばあの三幻―」

「はいはい、これは却下の方針で!」


と倉野の話を無視する銀一

「先生!」

今度は長澤が質問をする…


「なんだ?」

「あの〜お菓子は1000までにしてもらえませんですか?500までじゃ物足りないと思いますが…」

「いやお菓子に1000も必要ないだろ…10円や30円のお菓子がたくさんあるんだからよ……」


他にもさまざまな質問が上がったが…ろくなものは1つもなかった…



キーンコーンカーンコーン


「ハイハイ…それじゃ質問はここまでだ!!またチーム分けとかがあるから考えるよーに!!」















3週間後……

あっと言う間に合宿の日になった…


「おーし皆バスに乗ったか!?」

先生は合図を取りながらバスガイドに確認を言ってバスが出発した…


この3週間チーム分けと班長や係の決定をし、いろいろ必要な物を準備したのであった…


林檎はもちろんというかチームは時雨、ミモザ、長澤、そして倉野のBチームとなり、班長は時雨が仕切ることになった…

バスの窓から林檎は町の景色を見つめる……


林檎は記憶を失ってはいたものの、僅かにこの町の景色を覚えていた…


彼はデュエルを通じてから少しづつではあるが記憶が戻り始めているものの、いつも記憶の中の女性との楽しいデュエルや、どこかに遊びに行ったことばかりであった…


そしてもう1つ


彼はほぼ毎日ある夢を見るようになった…





それは林檎が見たこともない台地にいたこと……



時雨達と知らない者達と一緒にいたこと……



光と闇の竜と、3体の竜…そして様々なモンスターがたくさんいたこと……



そして彼らの目の前に黒い影が見え…邪悪なるモンスターがたくさんいたこと…



そして……

皆が苦しいデュエル…いや―


もはやデュエルとは言い難いものであった……




(はぁ〜…なんでいつもあんな夢を見るんだろ……)

林檎はこの夢のことについて時雨達に話すことができなかった…




そして彼らの目的地であるドミノ山にたどり着いた


「ううぅっぷ……き、気持ち悪い〜……」

時雨は四つん這いになって今でも吐きそうな青ざめた顔をしていた…


「時雨〜大丈夫〜?」

「全く…時雨の奴いつも乗り物に乗ると必ず乗り物酔いするんだよな〜……」

「い、いや今年は…ダイジョ……うぉぉぉぉぉ〜」


時雨は彼とは到底思えない叫びを上げ続けながら車酔いに苦しんでいた……


そんな時雨をお構いなく銀一先生は……

「おーし皆、居るな!それじゃぁ山に登るぞ〜!!」

「せ、せんせ…も、もう!……ほら!さっさと行くわよ時雨!!」

「う…オエ…………」


こうして僕たちの林間合宿が始まりました…

ドミノ山はそんなに高くはない物の標高は900を超えている高い山だ…


僕たちにとってこの山は、最初は緩やかだけど、途中から険しい山道になっていく…

「はぁ…はぁ……それにしてもこの山険しいわね……」

「ホ、ホントにそうだね……かなり険しいよ…この山……」

「まぁ…俺達にとってはつらいけどな……」

と時雨・林檎・ミモザは息を切らしながらへとへとになっていた…


「おーい!お前達道見迷っても知らねーぞ〜!!」

先生は疲れているどころかむしろめちゃくちゃ元気だった…

「せ、先生…なんであんなに……元気なんですか…?」

「さ、さぁ…全くわからないわね……」


そうしているうちに、銀一と生徒たち(特に林檎達の班)の距離は離れていった……

「ま、待って下さいよ〜先生……」


どんどん離れていく先生…

しかしこの後、僕たちは地滑りにあって長澤さんと時雨さんが落下したり

落石でミモザさんが足を挫いたり

細い木が急に倒れて倉野さんの頭に直撃したり……

ホント、散々な目にあった…


こうして僕たちは、しんどい山道を乗り越え途中に存在するキャンプ場に到着したのであった…


ホ、ホントに疲れた〜…


「お〜し!皆テントを張ったらしばらく休憩な!!」

銀一先生の合図で僕たちはしばらく休憩することになった…


「ふぅ〜…疲れたぜぇ〜」

倉野はちょうどいい石を見つけ、そのまま座る

「そうねぇ…この山はじめて登るけど…途中はきつかったわ……てか災害にあったわ」

「確かにね…あたた……まだ、足が痛いわ…」

ミモザは靴を脱ぎ少し腫れた足を触る


「おいおい、あんまり触れない方がいいぜ…ふぅ……ちょうど湿布を持ってきてよかったな………」

時雨はバッグから湿布を探しているところであった…

「けど…これもいい思い出になればいいですけどね……」

林檎は座りながらにっこりと笑う…


その様子を見た時雨達4人は少し考えこう答える…

「そうだな…確かにいい思い出になればいいんだけどな……」

「そうね…まだまだ人生これからだもん!」

「林檎君たら…まだまだ子供かもね……」

「ははは!それ最もだぜ…!!」


皆笑顔で笑いあっていた…



「よ〜し!私が鍛えた料理の腕でおいしい料理をつくるわよ〜!!」

その瞬間!ピシィ!!っと林檎以外の3人の背筋が凍り付いた…


「お、俺…まだ、車酔い…で気分悪いん…だけど………」

「おいおい、どんだけ……たったら…治るんだ…?てか…頼むから……逃げんなよ…班長……」

「だ、大丈夫よ……一応……私達も手伝うことに…なっているから……」

3人は足をがくがくさせながらすごい震えていた…


「み、皆…大丈夫です……か?」









「おやおや…あいつら来ているじゃないの……」


遠くの方で一人の人物…いや、おそらく数人がインダストリアル・アカデミアの合宿を望遠鏡で覗いていた…

そして一人の人物がこう言った…
「ついにこの日が来たわね……我らが―――――があいつらを奈落の底へぶち落とす日が…さぁ!私のかわいい生徒達よ…貴様らの最凶の力で奴らをねじ伏せるのよ!!」





【Phase  9】暗闇からの決闘者!狙われた時雨チーム!!

「あ〜、おいしかったぁ〜!!」


今は午後7時半―僕たちはみんなで作ったカレーライスを口いっぱいに食べているところです…


一応ミモザさんが調理して大変なものにならないように皆で工夫しながら作ってみたんだけど…




結局カレーとは到底思えない…青色のカレー(巷で人気のあの青色1号?)ができたため…もう1度作ったものを食べました。



僕はモウヤンのカレーのような物とミモザさんからきいたんだけど

なんでだろう……ご隠居の猛毒薬のダメージの方やドーピングに思えてきます。


「ははは……皆で作る料理って楽しくて美味しいですね。」

「そうかもしれねーな…腹いっぱいにはなってねーけど」

「んじゃ私のこのカレーでも食べてみたら?」

「「「「遠慮します!」」」」



まぁこれはこれでほっといて…


「それじゃ30分後にキャンプ・ファイヤーやるからさ…先に第2中央広間に行ってこうぜ!!」

時雨はこの後開かれるキャンプ・ファイヤーの集合場所に先に集まろうとする提案をした…

彼の理由はキャンプ・ファイやーがどのようになっているか見てみたいという単純な好奇心…

もう1つは思い出としてデュエルをしてみたいというおかしな考えであった……


時雨さんのこの提案は、最初みんな戸惑ったんだけど…

「まぁいいわ…あんたがそういいたいんなら……ついてみようかな…」

「僕もそのキャンプ・ファイヤー見てみたいな……」

「委員長の私としては戸惑うけど…まぁ手伝ってみるって言うのも悪くないかもしれないわね……」

「悪きゃねぇな…」


ということで林檎達は早速仕度をし、その会場に行ってみることにしました…




暗い夜によって少し不気味になっている森を歩く時雨達…

「うぅ……」


長澤は体をびくびくさせながら歩いていた…


「あれれ〜…雫〜……ひょっとしてあんた暗いとこ怖いのかな〜?」

ミモザは長澤に意地悪そうに冷やかす。

「ち、がうわよ!ちょっと過去に起こった事件を思い出しただけよ……」


「と、言うと?」

林檎は早速そのことを聞いていた…


「今から数年前のことなんだけど…童実野町の湖でチョップマン…切り刻む男って言うのがさ〜…一夜でボーイスカウト達を10も切り刻んで惨殺したのがあったじゃない……」

「え〜…そんなのあったか?」

「あったわよ倉野!!あんたあんな…おそまじい事件覚えてないなんておかしいわよ!」

「そうだろうか…俺もそんなの聞いたことないんだが……」

「えぇ〜時雨まで〜!!?」

「瀬智…あんたあの事件見たことも……あっそか。あんた過去に病で入院してたからそんなのも覚えてなかったのよね……てかさ雫…その事件って10年以上もたっているんじゃない?」

「ホ、ホントはそうだけど…まだその犯人は捕まってなくてもうそろそろ時効になりそうなのよ…」


「え…それじゃぁ今もここに?」

全員が今の言葉により少し沈黙してしまう…


「そ、そんなわきゃねぇだろ…」

「さ、さすがに10以上たっているしね」

「そ、それじゃこのまま行こうじゃねぇか……」


としゃべりながら進む林檎達…


「ん?」

林檎はふと森の奥で何かが光ったのを見た…

それはまるで祠のようなところからだった……


「あの〜皆さん…何かあそこに何かあるみたい―」

林檎がふと顔を向けると…そこに時雨達の姿がいなかった……


林檎はさらに周りを見渡すが、一人もいない。



つまり林檎は―

「ま、迷子になっちゃった?……」












その頃時雨達は…





「そろそろ広間に着く頃だね…」

「あぁ…後数分で到着予定だぜ……」

皆林檎がいなくなったことに気づかずにウキウキしながら歩いていた












だがその広間に着いたとき、信じられないものが目に入った…








「な、なんだ…これは?」

「う、ウソ!??」

「そ、そんな…」

「ひでぇ……」



時雨達が目にしたもの…それはズタズタに切り砕かれ、バラバラになったキャンプ・ファイヤーであった…

しかも、その中にインダストリアル・アカデミアの生徒と思われる学生が数人ぶち込まれていた…



「な、何よこれぇ!?」

「ま、まさかあのチョップマンの仕業なのか!?」

「う、ウソ?それじゃ…」

大混乱する時雨達…

すると……


「う…」


「あ!誰か気がついたみたいよ!!」

「え?ホント!?」



「お、おい大丈夫かお前達!?」

時雨は急いで木をどけ、一人の少年を起こす…

「……う………」

「起きたか…いったい何があった?」

「う…キャ…キャンプ……ファイ…ヤー…の準備…を…してたら…と、突然…4人のデュエリ…スト……が襲って…来て……」

「四人のデュエリスト?だ、誰なんだ?それは!??」



「それは私達のことだ…!」


森の奥から彼かの声が聞こえる…


「誰よ!彼らにこんなことしたの!!」

「とっとと姿を現しやがれ!!」

ミモザと倉野は怒りの如く森にいる誰かに怒鳴る…


「ふん!いいだろう…」

「教えてやる…我らの姿を……」


森の奥から数人の影が現れ、広間に3人の姿が現れる…

3人はそれぞれローブを着、下に制服を着た少年少女が姿を現した…


「わが名は黒薔薇高校1年!理鳥 慈團(リトリ ジダン)!!」

と、細見でロンゲの少年が叫ぶ…

「わが名は黒薔薇高校2年!付和 竜次(フワ リュウジ)!!」

と、ワイルドな髪形の少年が叫びだす…

「わ……わがががが名は…黒薔薇…高校…1年…愛凛 蘭(アイリン ラン)……」

と、黒いショートで眼鏡をかけた少女がぼそぼそと話す…

「「そして我らは黒薔薇高校!ゲーム四天王だ!!」」


愛稟以外の2人が変なポーズを決めた……



「「「「……」」」」


それを見た時雨達は……もう呆れてものが言えなかった…

「な…お、おい貴様らなんだ!それは!?なんだ!それは!!?」

不和は慌てながら時雨達の表情にもう抗議する…


「いや…そんなこと言われても……」

「フ、普通にダサいって……」


「だ…だだだから言った…じゃ、じゃじゃない…こ、こんなの……受けないって…」

愛稟は慌てながら理鳥に言った


「何がおかしい…普通の物なら乗りに乗る者だろ…」

「いや…だ、だって黒蠍団のようなって…今や普通の人は首領ザ・ルーグしか入れてないんだし…」


「あの…1つ聞いていいかしら……」

ミモザは恐る恐る手を上げていた

「な、なんでしょうか……?」

「いや、黒薔薇高校ゲーム四天王って言ってるけど…何度数えても3人しかいないよ……」


「「「えええ!!!?」」」


彼らは慌てて周りを見渡す…

そして、人数を何度も数えるが、


やっぱり1人足りなかった……

「た、大将がいねぇ!!」


「た、たたた…確かに門大(モンダイ)先輩がいません!!」

「あ、あのバカ!!最初っからいろっつーの!!……まぁいい!お前らもインダストリアル・アカデミアの生徒だよな……」


「あぁそうだが!…それがなにかだ!!お前ら俺達の生徒に手を出してなんのつもりだ!!」

時雨は怒りながら指をさして理由を聞こうとする…


「ふふふ…いいだろう………ただし!」



理鳥はローブの中から決闘盤を取り出し、装着する…

同時に残りの二人も決闘盤を装着した…

「我らの決闘に勝利したらの話だがな……」





【Phase  10】VSゲーム四天王!! パート1−生け贄の呪い−

「デュ、デュエルだと!?」

倉野はとぼけた顔でそういった……


「そうさ…俺達はデュエルで勝負を挑むのだ…さっきの奴らもデュエルモンスターズでぶっ飛ばしたものよ……」


「デュエルで彼らをぶっ飛ばした?ふざけないでよ!!」

長澤は当然のように叫ぶ…

「大体デュエルで人を傷つけるなんて最低よ!彼らはタダ、キャンプ・ファイヤーの準備をしてただけじゃない!!」

「そ、そうよ!…雫の言う通りよ!!」


「い、いいえ…いえ…彼らには関係があります……」

愛稟は冷たくそう言う


「愛凛の言うとおりだぜ…ここの場所はよ……俺達がいつもデュエルの修行をするのにうってつけの場所なんだからよぉ…」

「デュエルをするために…て…あんたそんなことだけで襲ったってことなのかよ!!」


「あぁそうだよ…我々はこうしてデュエルの修行をし、着々と力をつけた…問う言うことで早速この俺!カード四天王の最初の刺客―理鳥が最初の相手だ!!」


理鳥は早速決闘盤を起動させる…


ちなみに彼らの決闘盤は普通より透明な物であり、決闘盤の中身がそうなっているかよくわかる。

しばらく沈黙する時雨達…


「なぁ時雨…どうする……?」

「どうするって言ったって…」

「私が受けるわ!!」

長澤は決闘盤を装着しすでにデュエルの準備をしていた…


「お、おい長澤いいのか!?」

時雨は少しおどおどしながら雫に聞いた…


「あったり前じゃない!要は私達とデュエルしろって言うことでしょ!!」


「ははは!心わかりがいい奴だ!いいだろう!!さぁ行くぞ!!」





――――――デュエル!!―――――


長澤:LP4000

理鳥:LP4000


「私から行くわよ!ドロー!!…私はこのカードミスティック・ソードマンLV2を攻撃表示で召喚!カードを1枚セットし、ターンエンドよ!!」

「フン!何かと思えばそんなカードか…では俺のターン!ドロー!!……俺は怨念のキラードールを攻撃表示で通常召喚だ!」

理鳥の場に斧を持った不気味な人形が姿を現す

怨念のキラードール
闇属性 悪魔族 ☆4 ATK1600 DEF1700
このカードが永続魔法の効果によってフィールド上から墓地に送られた場合、自分のターンのスタンバイフェイズ時に墓地から特殊召喚する。


「行くぞ!怨念のキラードールでそのチビを攻撃だ!!」

キラードールは斧を持って彼女の場のモンスターを倒そうと襲いかかってきた

「かかったわね!リバース罠発動!!モンスターレリーフ!!」

「モンスターレリーフだと!?」


モンスターレリーフ
通常罠カード
相手バトルステップの攻撃宣言時に発動可能。自分のフィールド上モンスター1体を手札に戻し、その後手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚する。

「私はミスティック・ソードマンLV2を手札に戻し、代わりに召喚するのは―ミスティック・ソードマンLV4よ!!」

「な?ミスティック・ソードマンが進化しただと!?まぁいい…俺はバトルを中断するし、このカードを発動する…永続魔法!エクトプラズマー!!」

エクトプラズマー
永続魔法カード
各プレイヤーは自分のターンのエンドフェイズ時に1度だけ、自分フィールド上の表側表示モンスター1体を生け贄に捧げ、元々の攻撃力の半分のダメージを相手プレイヤーに与える。

「このカードはターンプレイヤーのエンドフェイズ毎にモンスターを生け贄に捧げその攻撃力の半分を相手に与える強制魔法カードだ!!だがこれでは一方的に俺が無防備になる…そこで俺は2枚の永続魔法―悪夢の拷問部屋と生還の宝札を発動する!!」


悪夢の拷問部屋
永続魔法カード
相手ライフに戦闘ダメージ以外のダメージを与える度に、相手ライフに300ポイントダメージを与える。「悪夢の拷問部屋」の効果では、このカードの効果は適用されない。

生還の宝札
永続魔法カード
自分の墓地からモンスターがフィールド上に特殊召喚された時、デッキからカードを1枚ドローする事ができる。

「うげぇぇ!エクトプラズマーと悪夢の拷問部屋ってあいつ趣味悪!!」

ミモザは理鳥の戦術にとても嫌な悪寒がした…


「フン!何度でも言うがいい…!!リバースカードを2枚セットし、エンドフェイズにエクトプラズマーの効果発動!怨念のキラードールを生け贄に捧げ―射出!!」

キラードールが消滅し―長澤はダメージを受ける…

「うわ!」

長澤:LP4000→3200

「さらに!悪夢の拷問部屋の効果発動ぉぉ!!さらに相手に300ダメージ!!」

「うぅ…」


長澤:LP3200→2900

「ターンエンドだ!」


「わ、私のターン!ドロー!!…私はミスティック・ソードマンLV2を召喚し、このカードを墓地に送り、魔法カード、レベルアップ!デッキから2体目のミスティック・ソードマンLV4を特殊召喚!」

「ほぉ…レベルアップでミスティック・ソードマンLV4が2体か…」


「一気に決着よ!永続魔法連合軍!!このカードで私の場の戦士族・魔法使い族の数だけ私の戦士族モンスターの攻撃力は200アップするわ!!」

連合軍
永続魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族・魔法使い族モンスター1体につき、自分フィールド上の全ての戦士族モンスターの攻撃力は200ポイントアップする。

「今、私の場には戦士族は2体!よって攻撃力は400アップする!!」

ミスティック・ソードマンLV4×2:ATK1900→2300


「一気に2300のモンスターが2体だと!?」

「あっという間ね!バトルよ!ミスティック・ソードマンLV4でダイレクトアタック!!」

「フン!リバース罠発動!!機動砦 ストロング・ホールド!このカードによって守備力2000のモンスターを召喚する!」

彼の場に大きな機械巨人が出現した…


機動砦 ストロング・ホールド
永続罠カード
このカードは発動後モンスターカード(機械族・地・星4・攻0/守2000)となり、自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。自分フィールド上に「グリーン・ガジェット」「レッド・ガジェット」「イエロー・ガジェット」が全て表側表示で存在する限り、このカードの攻撃力は3000になる。(このカードは罠カードとしても扱う)

「く…け、けど守備力2000なら今のミスティック・ソードマンでも倒せる!!」

パワーアップしたミスティック・ソードマンはストロング・ホールドをいとも簡単に切り裂いた…


「そしてもう1体のミスティック・ソードマンでダイレクトアタックよ!!」

「ぐ、ぐはぁぁ―」


理鳥:LP4000→1700

「カードを1枚セットしてターンエン…」


「おっとぉ!…貴様のエンドフェイズに貴様のモンスターを生け贄に捧げダメージを受けさせてもらうぞ!!」

「う…自らダメージを受けるのか…ミスティック・ソードマンLV4を生け贄に捧げ―(ごめんなさい…)この攻撃力の半分のダメージを相手に与える!!」

ミスティック・ソードマンは長澤を見て頷き、自らエクトプラズマーを抽出し、理鳥にダメージを与えた…


「ウォォォォォ―」

理鳥:LP1700→ 750


「ク、くくくく………これだ!…これだぁぁぁぁぁ!!!この感覚!この痛み!!これこそが俺がデュエリストである証だぁぁぁ!!」

理鳥は突然心がぶっ壊れたようにタカ笑いをする…

「あの憎き決闘王の考え方を壊す快楽!あいつのせいで俺のような射出デッキのデュエリストが敬遠される…俺はこれが憎い!!そうだ!勝利のためにモンスターを犠牲にすることが真のデュエリスト!!非情さが究極のデュエリストを作り上げるのだぁぁぁぁぁ!!ははは!はははははははハーッハハハハハハハハハ!!!!!!」

「な、何!?……何なのこいつ……!?」


ミモザ達は彼の変貌にとてもじゃない不気味な感を感じた…

「う……」


長澤もデュエルを放棄したいぐらいとても嫌だった…


「俺のターン、ドロォォォ!!リバース罠!!ジェムフラッシュ・エナジーを発動!!こんのカードは場の永続罠カードの数だけ相手に300ものダメージを与えるぅぅ!!!」


ジェムフラッシュ・エナジー
永続罠カード
自分のスタンバイフェイズ毎にフィールド上に表側表示で存在する永続魔法カードの枚数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。


「ま、まずい!あのカードで長澤は1200ポイントのダメージを受け、そして地獄の拷問部屋のシナジーコンボで一気に大ダメージを与えるつもりだ!!」

「そうわ…させないわよ!リバース罠!ピケルの魔法陣!!このターンの効果ダメージを0にする!!」


ピケルの魔法陣
通常罠カード
このターンのエンドフェイズまで、このカードのコントローラーへのカードの効果によるダメージは0にする。

「ピ、ピケルだとぉぉ!?…く…まさかこんなピンクカードを入れていたとは…」

理鳥はカードを握るように怒りをあらわにする……

「だが、俺のスタンバイフェイズに怨念のキラードールが特殊召喚されるぅ……そして生還の宝札の効果でカードを1枚ドロー…ククク…俺は2体目の怨念のキラードールを召喚し―装備魔法!デーモンの斧を発動ぅぅ!!」

「このタイミングで装備魔法を……」


キラードールに不気味な斧が装備される…

デーモンの斧
装備魔法カード
装備したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。このカードがフィールドから墓地に送られた時、モンスター1体を生け贄に捧げればデッキの一番上に戻る。

怨念のキラードール:ATK1600→2600

「これで、ミスティック・ソードマンLV4を破壊すれば一気にダイレクトが可能になるぜぇぇ…バトルフェェェイズゥゥゥゥ!!!キラードールでミスティック・ソードマンLV4を攻撃ぃぃぃぃ!!!」

キラードールが手にした不気味な斧でミスティック・ソードマンに切りかかろうとしたときだ


「あんたねぇ……リバースカードぐらい警戒しなさいよ…」


長澤はため息をつきながら話す…

「へ!?」

「リバース罠!炸裂装甲!!このカードの効果によって攻撃モンスターを破壊するわ!!」


「な!?何うぃぃ!?」

炸裂装甲
通常罠カード
相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。その攻撃モンスター1体を破壊する。


彼女の場に、どこか凶暴なモンスターが姿を現す…そしてそのモンスターはキラードールを拳一発で粉砕した…

「く…俺はバトルフェイズを中断し、キラードールを守備表示にする!!」


このターンをしのげば次のターンこのコンボバーンで一気に2300以上ものダメージをも与えられる…これで俺の勝利は当然のものだ…!!

「ターンエンド!!」

そしてキラードールからエクトプラズマーが抽出された…


「なぁ!?なんでエクトプラズマーが!??」

「あのね〜…自分が発動したカードの効果ぐらい確認しなさいよ…」

「え?えぇ!??」


彼はマジックスロットからエクトプラズマーのカードを抜き取り、カードの効果を目で見る…


エクトプラズマー
永続魔法カード
各プレイヤーは自分のターンのエンドフェイズ時に1度だけ、自分フィールド上の表側表示モンスター1体を生け贄に捧げ、元々の攻撃力の半分のダメージを相手プレイヤーに与える。


与える…与える…あ、そうか……このカードは強制効果なのか…なーんだ………

「…ってあぁぁぁぁぁぁ!!!」

理鳥はある重要なことに気づいた…それは今、自分の場のモンスターがなくなれば場はがら空き同然…しかも自分のライフはもう1000を切っていた…

慌てて何とかしようとしたがもう手札は0…しかも相手が受けるダメージはこのターン発動されたピケルの魔法陣によってダメージは0になるのであった…


「あ…あぁ……あぁぁ……」

もはやこの男……何もできない…


「デュエルキングがこのことを嫌がったのはこういう報いを受けることを知っていたわけかもしれないわね…それじゃ、私のターンドロー!!」

「グ…」

「ふふ…いくわよ〜!!ミスティック・ソードマンLV4でプレイヤーにダイレクトアターック!!」


ミスティック・ソードマンは勢いよく理鳥にトドメを刺した…


「う、うぎゃぁぁぁぁぁ―!!!!!」



理鳥:LP 750→   0


「ば、馬鹿な…こんなことが……」


よっしゃぁ!!私の勝ちね!!




一方、林檎は……


「うぅ〜何所なんだろここ〜……」


自分が見た光輝く祠の近くにいた…





後編に続く...



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