星の行方

製作者:???ネオスさん






前編

私は小日向星華。
おそらくアカデミアで最も気高く美しいデュエリスト。

今、天上院明日香の方が・・・・とか考えた奴、コブラ(爬虫類の方)に噛まれて、くたばるといいわ!




ゴールデンウイーク初日。
アカデミアは全寮制であるため、このような時しか実家へ帰る機会がない。
もちろん私も帰るつもりだ。

普通の生徒は定期船で数時間揺られて帰るみたいだけど、私は違う。
すでに、自家用ヘリでの迎えを呼んである。
私のような人間があと数人くらいいるらしい、ヘリポートには私以外にも生徒がいる。



その瞬間、大きな音と共にヘリが降り立った。
うちのヘリだった。

「星華お嬢様、お迎えにあがりました。」


私が乗ると、ヘリはすぐに離陸した。
アカデミアの校舎や火山などがあっという間に見えなくなった。




そもそも、何で私が休みを使って帰るのかといえば、進路の事があるからだ。私は3年生。卒業が迫っているのだ。
小さい頃から家庭教師をつけていたから勉強もできたし、アカデミアで行われた大会を見てプロ契約してもいいという企業だってある。

でも私にはもう1つ挑戦しようと思っていることがある。
母と同じ女優という道だ。
その為に私は今、あるオーディション会場に向かっている。



「会場の童実野ヒルズにはあと1時間程で到着します。すでに滞在用のホテルを予約してございます。到着次第チェックインをお願いします。」

「わかったわ。到着まで休むから起こさないでちょうだい!」

「かしこまりました。」




到着したホテルは申し分のない快適さだった。
オベリスクブルーの女子寮だって悪いわけじゃない。
でもここに比べたら・・・。

私は荷物を広げることにした。
オーディション開始にはまだ時間があった。
ふと、デュエルディスクが目にとまった。

「そっか。学校から直接来たから。」

ただなんとなくデッキをいじってるうちに、時間が来た。
父が用意してくれたパーティー用のドレスに着替えると会場に向かう事にした。





会場には一般人から、若手女優やアイドルまでざっと20人くらいいるようだ。
書類審査で選ばれたのがこの20人らしい。

私のエントリーナンバーは13。
微妙・・・というより不吉じゃないの!!!
どうせなら1番がよかったわね。



「それではただいまより、ミュージカル『ブラックマジシャンガールと秘密の衣装部屋』出演者選抜オーディションを始めさせていただきます。」



数年前、両親と本場ブロードウェイのミュージカルを見に行った時に見た作品「ブラックマジシャンガールと賢者の宝石」の続編であると説明があった。
元々、児童文学として書かれたものであったが、今人気のデュエルモンスターズをミュージカルに取り入れたことで幅広い年齢層に親しまれている。
主役のブラックマジシャンガールを、日本人である真崎杏子が務めたこともあり、日本での人気は圧倒的だ。



「では早速1次審査を始めさせていただきます。まずは演技審査です。」

そう言うと候補者全員に台本が配られた。

「(えっと、役は・・・『マジシャンズヴァルキリア』ってちょっと、これって結構重要な役じゃない。確かブラックマジシャンガールの次くらいに重要な準主役みたいなものじゃない。よし、やってやるわ。)」

私は出番まで必死にセリフを覚えることにした。
人前に出ることは嫌いじゃない。
と言うよりそれが好きなのよね、実は。


「では次13番の方どうぞ。」

案内に従っていくと、大きな舞台袖についた。
前の参加者が出てきたようだ。
何か失敗したのか青ざめた顔をしている。


「チャンスだわ。」

そう呟いて舞台に上がった。



舞台上はたくさんのライトが差していた。

「13番小日向星華です。よろしくお願いします。」


そう言いながら私は客席を見た。
最前列に審査員らしき人が数人いる。
その中で私の目を引く人物が2人。


1人目はこの作品の主演である真崎杏子。
もう1人はあの、伝説のデュエリスト海馬瀬人だ。
確か海馬コーポレーションがスポンサーになっているんだったわね。

デュエリストとしてデュエルしてみたい気持ちもある。
できたら周りの友達に自慢できるし。

って、ちがーーーーう。
今はオーディションなのよ。


「それでは演技スタート!!」


集中。
集中よ。



私は後ろに真崎杏子がいるような気持ちでポジションをとった。

「たとえこの身が砕けようとも!!我が同胞は傷つけさせぬ!!!」

これが実際のカード効果なんだなあと思いながら演技を続けた。
そのあと崩れるように前へ倒れた。


「(えっと。この後は・・・・・そう、死者蘇生で蘇るだけ。)」


『死者蘇生』

スピーカーから大きな音が聞こえた。
私は勢いよく立ちあがり、ソリットビジョンのヴァルキリアのポーズを思い出して、その格好をした。


パチパチパチパチ。

審査員は軽く拍手をしてくれた。
海馬瀬人が拍手もせずに無愛想だったのが気になるけどあれで良かったのよね。
そう思いながら控室に戻った。






次の2次審査は面接だった。
演技した感想やこの作品に対する意気込みなど、当たり障りのない質問ばかりで少し拍子抜けだった。
ここでも海馬瀬人が・・・・。
もう、どうでもいいわ。




「皆さん。お疲れ様でした。審査の結果を発表いたします。2次審査通過者はエントリーナンバー・・・・」


「ドキドキ(ていうか。そんなタメはいらないのよ。さっさと発表しなさいよ。まったく。)」

「12番と・・・」

「(うそ?あの青ざめた顔してたあの女が合格?)」

これで落とされたら・・・・。
いや、絶対受かってるわ。
自信を持つのよ。
演技だって悪くなかった。
何より私の美貌はアカデミアが推薦する(自称)程なのよ。



















「13番のお2人に決定いたしました。」

「やった!!(本当はすごく心配だったけど、さすが私。)」


そんな事を考えていると、司会の男がさらに続けた。

「最終審査は今夜7時より、海馬ドームを使用して行います。そう、もうお分かりですね?最終審査はデュエルです!各自ごデッキを持参してください。」

そう言い終わると、海馬瀬人が立ち上がりマイクも使わずこう言い放った。


「いいか。この俺の前で生ぬるいデュエルなどしてみろ!!即刻、失格を宣告してやるわ!!ブロードウェイの舞台に立つのだそのくらいの実力は必要不可欠!!現にここにいる真崎杏子もそこいらの凡骨デュエリストなど一撃で粉砕するわ!!」

「海馬君、それは言いすぎ・・・・・。」

杏子は小さな声でつぶやいた。
ただし、彼女の実力はそれなりに高いという。
一説では伝説のデュエリスト、城ノ内克也に勝るとも劣らないとか。


「デュエルまでまだ時間がある!貴様らの持ちうる最高のデッキでこのオレを唸らせるデュエルをしてみせろ!!それでは今夜を楽しみにしているぞ、ワハハハハハハハハハハハ。」


と、言うことでまたしても勝手な理屈でねじ伏せたあと、高笑いして帰っていった。
どうも聞いた話では彼が審査委員長らしい。
12番の子も星華もあっけにとられていたのは言うまでもない。


「あ、そうそう今夜のデュエルはゴールデンで生中継されるので、おしゃれしてきてくださいね。それでは今夜またお会いしましょう。」

そういってスタッフ達は出て行った。







ホテルのロビーで両親が迎えてくれた。

「やったわね、星華。ママもうれしいわ。」

「さあ、荷物を置いて。少し早いがディナーにしよう。」

私は急いで部屋に荷物を置いて両親の元に戻った。
こうして家族が揃うのはそうあることではない。
もちろん一緒に夕食をすることも。




後編

会場は熱気につつまれていた。
海馬ドームの収容人数はざっと1万人弱程度。
野球場より少し小さいくらいだ。
その席がほぼ埋まるくらいだから、そこからもデュエルモンスターズの人気の高さがうかがえる。


「(ふふふ。この声援!!この熱気!すべてが私を応援しているようね。)」

そんな事はないんだろうけど、そう思わずにはいられない。
今、私の事をバカだと思ったアンタ!「毒蛇神ヴェノミナーガ」に毒を注入されるといいわ。


キーン
マイクのハウリング音が入った。


「失礼しました。それではこれよりデュエルをはじめます。と、言いたいところなんですが、まだもう一人来られていないようですね。」

何なのよまったく。
来ないなら失格でいいじゃないの。

言っとくけど私は何もしてないわよ。
今回は一応、デュエルだし。
巌流島の武蔵の作戦?
まあ無駄だけどね。


「えー、ただ今連絡が入りました。エントリーナンバー12番は今回、デュエルを辞退なさるそうです。よって今回のオーディションは・・・・・・」

「待て!!そんな事でここに集まった観客たちが納得するとでも思うのか!」

海馬瀬人が立ち上がり怒鳴った!!
むしろマイクを使わない方が大きいくらいだ。


「相手を用意する。少しまっていろ!!!」

海馬は星華に少し視線をやりそう言った。
磯野を呼び何か話そうとした時。


「それなら私に戦わせて!!」

そう審査員席から聞こえてきた。
誰もが予想しない者が名乗り出た。
ブラック・マジシャン・ガール役、真崎杏子だ。
海馬は少し悩んだようだが


「ふん。好きにするがいい!!お前たちのデュエル見せてもらおうか!」

不機嫌そうに審査員席にもどっていった。
もしかすると自分がデュエルしたかったのかもしれない。
ただ、話題性もあり観客も納得すると判断したのだろう。




杏子はディスクを構えた。



「デュエル」


小日向星華LP:4000
真崎杏子LP:4000

「私のターン。ドロー。私は『ナーガ』を守備表示。カードを2枚伏せてターンエンド。(まあ、これで様子見ね。)」


上半身は人間、下半身に蛇の頭を持つ魔物が現れた。
何重にもトグロを巻き守りの体制をとった。


ナーガ ☆4 水属性 爬虫類族
ATK1400 DEF2000
「表側表示のこのカードがフィールド上からデッキに戻った場合、レベル3以下のモンスター1体をデッキから特殊召喚する。」 



「うわー、何だあの気持ち悪いの!女の使うモンスターじゃねぇ」

観客席からそんな声が聞こえてくる。


(ふん。私の苦悩も知らない奴らが好き放題言ってくれるじゃない。)

星華でなくても自分のモンスターを馬鹿にされれば、頭にくることもある。
ただ観客にキレても仕方がない。
エンターテイナーとはそういうものだ。


「杏子さーんがんばって!あんなモンスター倒しちゃえ!」」

爬虫類モンスターは明らかに観客に人気がない。
完全にアウェイだ。


「私のターン。ドロー。『デュナミス・ヴァルキリア』召喚。さらに『エルフの光』を装備するわ。」


デュナミス・ヴァルキリア ☆4 光属性 天使族
ATK1800 DEF1050
「勇敢なる光の天使。その強い正義感ゆえ、負けるとわかっている悪との戦いでも決して逃げない。」



(く、ケンカ売ってるの?美しい天使で対抗しようっていうなんて。)

星華はイライラしてきた。



エルフの光 装備魔法
「光属性モンスターの攻撃力400ポイントアップ!守備力200ポイントダウン!」

ATK:1800→2200


「バトル!!エンジェルダスト!!!」

純白に輝く光が蛇の魔物を攻撃した。



「罠発動『毒蛇の怨念』同胞の復讐のため!現れなさい!『ブラック・マンバ』、その効果で『デュナミス・ヴァルキリア』を守備表示にするわ!」

黒き蛇に噛みつかれた天使は膝を折り守備表示となった。

(ふふ、そううまくは行かないわよ!)



ブラック・マンバ ☆3 闇属性 爬虫類族
ATK1300 DEF1000
「召喚、反転召喚、特殊召喚した時、相手モンスター1体の表示形式を変更する。」



毒蛇の怨念 永続罠
「自分フィールド上の爬虫類族モンスターが墓地に送られた時、デッキからLV4以下の爬虫類族1体を特殊召喚する。」


DEF:850


「あちゃ。やるわね。カードを1枚伏せてターンエンド。」

「私のターン。ドロー。『ヨーウィー』を攻撃表示で召喚。(ふふふ。このカードの怖さは次の相手のターン!)バトル!!ブラック・マンバでデュナミスを攻撃!!」


黒き蛇は天使を一飲みにしてしまった。
観客からは悲鳴が聞こえたが星華はそれを気にもとめなかった。


「『ヨーウィー』でプレイヤーにダイレクトアタック!!」


ヨーウィー ☆3 地属性 爬虫類族
ATK500 DEF500
「このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚された場合、相手は次のドローフェイズをスキップする。このカードが戦闘で破壊された場合、『ヨーウィー』を裏側守備表示で自分のデッキ・手札から特殊召喚出来る。」


小日向星華LP:4000
真崎杏子LP:3500


「ターンエンド。」

(まあ、ざっとこんなものね。)



「私のターン。」

「ヨーウィーの効果、ドローフェイズはスキップしてもらうわ。」

「え、うそ?」

杏子は素直に驚いた。
ドローさせないのは戦略を封じるのに効果的。
毎ターンドローを封じる八汰烏は禁止カードに指定されるくらいだ。


「でもまだまだ負けないわよ。手札から『強欲な壺』発動!カードを2枚ドロー。」

(そ、そんなカードを隠し持ってたなんて。)



強欲な壺 通常魔法
「デッキからカードを2枚ドローする。」


「『マハー・ヴァイロ』召喚。そして装備魔法『魔導師の力』をマハー・ヴァイロに装備するわ。」


マハー・ヴァイロ ☆4 光属性 魔法使い族
ATK1550 DEF1400
「装備されたカードの効果に加え、装備カード1枚につき攻撃力500ポイントアップ!」


ATK1550→3050


魔導師の力 装備魔法
「自分の魔法・罠ゾーンのカード1枚につき、装備モンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップする。」


「ヨーウィーを攻撃!!ホーリー・ライトニング!!」

(く、攻撃力3050?やってくれるわね。)


「『毒蛇の怨念』の効果!『イピリア』を守備表示で特殊召喚。その効果でカードを1枚ドローするわ。」


イピリア ☆2 地属性 爬虫類族
ATK500 DEF500
「このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合、このカードのコントローラーはデッキからカードを1枚ドローする。」


(装備カードで攻撃力を上げる単純な戦術。ただの女優がちょっと強いカードを持ってるってだけじゃない!)


小日向星華LP:1450
真崎杏子LP:3500




「カードを1枚伏せてターンエンド。」


「私のターン。ドロー。『強欲な壺』発動。カードを2枚ドロー。手札から『スネーク・レイン』発動。手札の『呪念の化身ウルボヌス』を墓地に送り、デッキから『猛毒マムシ』『デス・グレムリン』『ラミア』『バイトロン』を墓地へ。」


(この世界では禁止じゃないんだよね。便利なのよいろんな意味で!)


「モンスターを5枚も墓地へ?」

「杏子さん!勝たせてもらいます!!手札から『邪龍アナンタ』を特殊召喚!!」


邪龍アナンタ ☆8 闇属性 爬虫類族
ATK? DEF?
「このカードは通常召喚できない。自分フィールド上及び墓地に存在する爬虫類族モンスターを全てゲームから除外する事でのみ特殊召喚する事ができる。このカードの攻撃力・守備力は、特殊召喚時にゲームから除外した爬虫類族モンスター×600ポイントになる。このカードが自分フィールド上に存在する限り、自分のターンのエンドフェイズ時にフィールド上のカード1枚を破壊する。」



「すべての蛇たちよ!!勝利のために!!」


今まで星華が使用した蛇たちが1か所に集まっていく。
蛇の頭を持つ巨大な竜が現れる。
その威圧感は圧倒的だ。


ATK?→5400


「マハー・ヴァイロを攻撃!!毒・蛇・煉・獄・殺!!!」

「罠発動『和睦の使者』これでダメージは無くなる。」

青い衣の魔導師が現れ呪文を唱え始める。
邪龍の攻撃が寸前のところで、遮られた。


「ふふ、でもエンドフェイズ、アナンタの効果で『マハー・ヴァイロ』を破壊!!(これで圧倒的有利。)」

「私のターン。ドロー。」

杏子は力いっぱいカードをドローした。


(さっさと諦めなさいよ!まったく)

「何で諦めないのか?そう思ってる?顔に出てるわよ。」


「そ、そんなことは・・・(その通りよ!)」

「遊戯なら・・・いやデュエルキングは諦めなかったわよ。こんな時でもね。手札から『アナザー・マジシャン・ガール』を守備召喚!!」


アナザー・マジシャン・ガール ☆4 闇属性 魔法使い族
ATK1400 DEF1000
「このカードはルール上『ブラック・マジシャン・ガール』として扱う。」


ブラック・マジシャン・ガール。
伝説のデュエリスト、武藤遊戯しか持たないレアカードだ。
その愛くるしい姿から多くのファンがいる。
ただ、帽子や衣装のデザインがそれとはが少し異なっている。


(ただの鑑賞用のカードじゃない!攻撃力だって低いし。)



「さらに『賢者の宝石』発動!これで『ブラック・マジシャン』を守備表示で特殊召喚。カードを1枚伏せてターンエンド。」



賢者の宝石 通常魔法
「自分フィールド上「ブラック・マジシャン・ガール」が表側表示で存在する時に発動する事ができる。自分の手札またはデッキから、「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。」



「(伏せカードが厄介ね。モンスターだけなら今のアナンタで楽に破壊できるけど。)私のターン。ドロー。(引いたの『地砕き』これでブラック・マジシャンを破壊。手札の『不意打ち』を使えば勝てる。でももしあれが罠だったら。)」


緊迫した空気が流れる。
デュエルモンスターズを制作したペガサスいわく、こういう瞬間があるから楽しいらしい。


「ここで、あの女の力量が試されるな。ここで臆するようなら、ブロードウェイの舞台に立つ資格などない!!」

海馬はそう呟いた。
もちろん星華に聞こえるはずはない。



「(ここで勝つ!!私は女王になるのよ!)魔法カード『地砕き』発動『ブラック・マジシャン』を破壊!!」

「バトルはするの?」

「もちろん!!アナンタで攻撃!!毒・蛇・煉・獄・殺!」

邪龍の攻撃が魔法使いの少女を破壊した。
泣き出す観客もいたが星華はそれを無視して続けた。


「速効魔法『不意打ち』アナンタはもう一度攻撃が許される。毒・蛇・煉・獄・殺!!!」


不意打ち 速攻魔法
「自分モンスター1体を宣言する。そのカード以外のフィールドと手札のカードをすべて墓地に送る。そのモンスターはもう一度攻撃できる。」



杏子はセットしたカードを発動しようとしなかった。


小日向星華LP:1450
真崎杏子LP:3500→0


「おめでとう!!あなたの勝ちよ。よくブラフだと見破ったわね。合格!!」

「あ、ありがとうございました。」

杏子はセットしていたカードをデッキに戻した。
「聖なるバリアミラーフォース」攻撃モンスターを破壊罠だ。
これはあくまで、彼女の覚悟を見るためのデュエル。
これ以上の戦いは必要ないと判断したのだ。


「この瞬間、マジシャンズ・ヴァルキリア役は、ナンバー13・小日向星華さんに決定しました。それでは最新作『ブラック・マジシャン・ガールと秘密の衣装部屋』お楽しみに!!!」

とてもうれしかった。
インタビューもされたし、早くも違う作品へのオファーも来た。
進路は一番いい形で決定した。



でも私にはまだ倒さなければならない相手がいる。
「天上院明日香」あの時の決着はまだついていない。



卒業までには必ず!!!

「待ってなさい!天上院明日香!!アカデミアの女王はこの私よ!!」




 おしまい





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