星の華

製作者:???ネオスさん




このお話は、漫画版遊戯王GXのオリジナルキャラ「小日向星華」の苦悩と、デュエル大会出場までの物語を勝手に描いたものです。美しいタイトルとは裏腹に結構ダークな発言の連続です。軽い冗談として読んで頂けると光栄です。





私の名前は小日向星華。
私の父は今流行りのIT企業のイケメン社長、母は私の誕生まで活躍していた超有名女優。
もちろん母にも負けない美貌を持ち合わせている自信がある。
デュエル・アカデミアで行われるミスコンでも入学以来2回も優勝している。
まあ、私にとっては当然の結果だけどね。





でも・・・・

「ああムカつくわ。天上院明日香に、遊城十代。どうやって復讐してやろうかしら。」

彼女がこのような事を口にするのには訳がある。
詳しくはコミックス1巻のGX6、7をご覧下さい。
おまけとして超強力カード「光と闇の竜」が付いてきます。というかこっちをメインで買った方が多いかもしれません。



簡単に説明しますと、3年連続ミス・アカデミアという偉大なる記録をアニメでも大活躍している上の2人に阻止されたわけです。





星華は部屋のベッドに寝転がった。

私の計画は完璧だったはず。
まず、前回の優勝者特権でエントリーナンバーを1番にしてもらったし、学園の中ではできるだけおしとやかに振舞った。投票を受け付けているアカデミアのホームページの掲示板には私の印象がよくなるような書き込みもした。ライバルを蹴落とす為に(大きな声では言えないような)裏工作だって施した。


それでも、天上院明日香に投票した者が198人もいたなんて。絶対に間違っている。おまけに、兄貴はあんな「おちゃらけ」じゃないの。ダークネスはちょっとカッコイイとか思っちゃったけど。それにブッキーとアスリンって何よ、バカじゃないの。センスゼロよ。結局のところ、あの女はデュエルがちょっと強いってだけじゃないの。


デュエルといえば、あの単純デュエルバカの遊城十代。主人公だからって調子に乗ってるんじゃないの。コンテストに興味が無いなら適当に投票しとけばいいのよ。その為に最も投票しやすいようにエントリーナンバー1番をとっておいたんだから。大体「ガッチャ」って何よ「ガッチャ」って。デュエルに負けた上にあんなポーズされて、相手は余計惨めじゃないの。


大体あのデュエルだってそうよ。勝っても負けても私がミス・アカデミアになるはずだった。でも、回りの雰囲気がそれを許さなかった。そうよ。非公開のデュエルだったら私は3年連続優勝の快挙を成し遂げていた。まったく、もった得ない事したわね。



「デュエル・アカデミアでは、あらゆる称号はデュエルで勝ちとるってことさ!」


遊城十代の言葉が頭から離れない。
今まで欲しいものは何でも手に入れてきた。
家は裕福だったし、そうでなくてもこの美貌があればそれは容易い事だった。



でも今回はミス・アカデミアの称号が手に入らなかった。
なぜ?何がいけなかったの?


彼女にとって、初めての挫折。
誰もが、一度や二度経験するものだ。
完璧すぎる者ほどそれは大きい。
例えるならば、ただ落ちるよりも高いところに上ってから落ちた時の方が衝撃は大きい。


「アカデミアの女王にはやはりデュエルの腕が必要なのね。ようはデュエルで勝てばいいのよ。結局のところあの女と私の違いはそこって事ね。」





星華は起き上がった。

「まずはデッキ強化が必要ね。6時か、購買部にいってみようかしら。」

女子寮を出て校舎に向かった。
生徒はまだかなり残っているみたいだ。



「いらっしゃい。カードを買いに来たのかい?」

この人はトメさん。
購買部で働くおばちゃんで何気に人気がある。
影でブラックマジシャンガールのコスプレをしてるとか、してないとか。
何でも昔はこの人もミス・アカデミアだったと言う。
言っちゃ悪いけど今じゃあ見る影も無いわね。
一緒に働いているセイコさんなら分からなくもないけど。
まあ、どっちにしても私の敵じゃないけどね。
2人とも苗字も決まってない超脇役だし。

「はい。先週発売したパックをお願いします。」

「はいよ。これだね。ああそうそう星華ちゃん、この前のミスコンは残念だったわね。でも2年連続なんて立派よ。私なんて・・・・・・」

「ええ、でも元々友達が勝手に申し込んだだけなので私は別に・・・(人が気にしている事をぬけぬけと。本当は私が優勝だったのよ。でも邪魔が入っただけ。私とアンタと比べるなんて失礼にも程があるわ。)」

「あたしゃデュエルの事は良くわからないけど、頑張るんだよ。」

「はい。それじゃあまた来ますね。」

大量のパックを入れた袋を抱えながら、女子寮へと向かった。
夕飯まで時間があったのでドローパンを食べながらパックの開封することにした。

「キャビアパンとフォアグラパンか。私のドロー運も捨てたもんじゃないわね。カードの方も中々強力なカードが揃っている。」


でも、問題はアイツらに勝つ為の戦術。
星華はパソコンを開いた。
父のプレゼントしてくれた最新型のノートパソコンだ。
そして、アカデミアのホームページを開く。
ここでは生徒達により様々な情報が公開されている。


遊城十代

HEROデッキ使い。融合をメインにしたE・HEROを使うのね。切り札はジ・アース、他にはエアーマンも頻繁に登場するわけね。最も警戒すべきはその引きの強さ、ですって。まったく誰の考察か知らないけどもう少しましな情報はないのかしら。まあいいわ。


天上院明日香

氷系デッキ使い。アイスカウンターを使用するカードが多い。氷の女王の名に恥じぬ緻密な戦術には定評がある。切り札はアイス・ブリザード・マスター。美しく、完璧な戦術だ!!ってこれも大した情報ないじゃないの。



ハンドルネーム:MISAWAって、ラーイエローの男ね。
確かあの2人とも仲のいい。
まったく使えないわね。
こんな奴、出番が無くなって背景として扱われればいいのよ。
それかあれよ。全裸で暴走して退学。


星華はアカデミアのトップページに戻ることにした。
そこには先ほどは無かった記事がある。



お知らせ

短期留学をしていた丸藤亮くんの帰国に合わせてデュエル大会を開催。
予選は明日、日曜日午後4時まで。



「こ、これよ!あのデュエルバカの遊城十代は絶対出るだろうし、あの女だって。よし、やってやるわ。何時間かかったっていい、最強のデッキを作ってやるわ。」


さっき買ってきたカードと手持ちのカードを合わせてどんなデッキができそうか考えることにした。



あれ?何か楽しい。
デッキを作るのが。



いやいやいやいや。
そんな事言っている場合じゃないわ。
絶対倒すのよ。
遊城十代と天上院明日香を。














数時間後

「うふふふ。できた!ついにできた!名づけて『復讐の蛇デッキ』さっそく調整が必要ね。」

仲のいい友達数人を呼んで、デッキ調整を終えるともう12時を回っていた。
早く寝ないとお肌に悪いのよね。デュエルに勝ててもそれじゃあ意味が無いわ。









次の日



「ウルボヌス、プレイヤーにダイレクトアタック!ベノム・ストライク!!」

敵LP→0


勝った。
これで3連勝。
相手もラーイエロー1人、オベリスクブルー2人。
順調ね。
あの2人への復讐はあくまでみんなが見ている前で。
そう決勝トーナメントよ。

「私のプライドをキズつけた代償は高くつくわよ!!私の怖さ思い知らせてあげるわ!アハハハ、アーハッハハハハハハ。」





あとがき

結局、彼女は決勝トーナメント1回戦で十代に負けてしまうんですよね。
自分は結構、彼女のキャラが気に入ってます。いい感じにダークだったり、ツンデレが微妙に入ってたり。カイザーに啖呵をきるあたりも個人的にはポイント高いです。
レギュラーは無理でも、また登場してくれる事を祈っております。





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