青眼子ちゃん物語
〜青眼の花嫁〜

製作者:おもてさん




※「青眼子(ブルーアイズこ)ちゃん」と読みます。いわゆる、モンスターの擬人化を行っております。ついでに、原作キャラの設定も色々おかしくなってます。以前投稿した「真紅眼子(レッドアイズこ)ちゃん物語」とリンクしているので、そちらをお試し感覚で先に読んでも良いかも知れません。
 ラブコメだったりギャグだったりシリアスだったりと色々忙しいので悪しからず。読み手を大いに選びます、要注意。例によって、以下の点を了承できる方のみお読み下さい。了承できない方は読まなくて結構です(ぇー
・作者の神経を疑わない。
・感想掲示板での苦情は基本的に一切受け付けません。これに関しては責任を負いかねます(ただし誤字の報告などは勿論アリ)。
・怒らない
・味噌汁にはなめこを入れないこと

 それでは、進む勇気のある方のみ、これより先をお楽しみ下さい。




第一章 青眼の花嫁(前編)

 青眼子ちゃんは、トライホーンお父さんダイヤモンドお母さんとの間に生まれた、青い眼と真っ白な肌が自慢の女の子です。タイラントお祖父さんの創設した大企業・DC(ドラゴンコーポレーション)のお陰で、彼女の家はとても裕福でした。
 また、青眼子ちゃんは小さいときからとても優秀で、何をやらせても常に一番。勉強もスポーツも得意、性格も真面目で優しく、みんなの人気者でした。あえて欠点を挙げるなら、寝相が悪いことと、妹の真紅眼子ちゃんに対して過保護すぎることくらいです。
 彼女は超エリート大学D大学を主席で卒業後、DC社の社員として働くことになりました。優秀な彼女は、入社早々から即戦力で、次期社長とも噂されていました。
 そんなある日、DC社はある会社と提携を結ぶことになりました。まだ若い、てゆーか学生の分際で社長をしている瀬人さんのKC(海馬コーポレーション)とです。その交渉役として青眼子ちゃんが抜擢されました。まだ若い彼女ですが、すでに彼女は、会社内でもトップの超優秀なキャリアウーマンだったのです。

 しかし、彼女も人の子(?)です。若くしての超重要な役目に、初交渉の前夜は一睡もできませんでした。そこで彼女は、とんでもないミスを犯してしまいました。KC社の社長室で、じきに現れるという瀬人さんを待っているうちに……居眠りをしてしまったのです。

 ……彼女が目覚めたとき、社長室はすでに廃墟と化していました。何でもそつなくこなす青眼子ちゃん、しかし冒頭でも述べたように、彼女は寝相が最悪なのです。自宅では、怪しいアメリカ人男性が売ってくれた奇妙な壺に入ったアロマの香りのお陰で平気なのですが、それを使わずに寝たときの彼女は恐ろしいのです。あえて数値化するなら3000ポイント分の暴れっぷりを見せます。室内にあった醜いけど高価な人面壺とか割れ放題です。起きたとき、目の前にいた瀬人さんは眼を丸くして彼女を見つめていました。

 青眼子ちゃんの人生で、初めての大失敗でした。ヴァンダル叔父さんは気にするなと慰めてくれましたが、責任感の強い彼女は完全に落ち込んでしまいました。
 しかし翌日、KC社から送られてきたメッセージは、彼女らにとってあまりに意外なものだったのです。


 KC社からDC社へ送られたメッセージ――それは要約すると、「青眼子ちゃんと結婚を前提としたお付き合いがしたい。さもなくばDC社を潰す」というものでした。KC社はDC社より遥かに大規模な企業、その気になればそれは造作もないことです。社長であるトライホーンお父さんは困惑しました。父の代から続く、この会社が大切なのは事実。しかしそのために愛する娘を生け贄に差し出すような真似はできません。
 散々悩んだ挙句に、トライホーンお父さんは、そのことを青眼子ちゃんに伝えることにしました。最初は驚きましたが、この間のことを気に病んでいた青眼子ちゃんは、その申し出を受けることにしました。
 自分一人のために、会社を犠牲にするわけにはいきません。それに、少なくとも外見は青眼子ちゃん的にオーケーでした。また、青眼子ちゃんは疑問に思ったのです。なぜ自分を選んだのだろう……?と。



 青眼子ちゃんは大学生のとき、四人の男性とお付き合いをしました。最初の三人は……それだけではなかったでしょうが、しかし実家の資産が目当てなのは明白でした。またそれを差し引いても、何でも完璧にこなしてきた彼女からしてみれば、彼らは皆どこか軽薄な感じで、不満足な相手と言わざるを得ませんでした。
 もっと人間的に大きな男性と付き合ってみたかった青眼子ちゃん。四人目の男性は年上でした。ていうかおじいさんでした。さすがにマズイとは思ったのですが、しかし彼は優しく包容力のある人で、彼女は心から惹かれていました。家では小さなゲーム屋を開いており、社長令嬢である青眼子ちゃんとは明らかに釣り合いません。ていうか年齢が離れすぎです。しかし、ゲームをしているとき彼が浮かべる、歳不相応な子どものような笑み――青眼子ちゃんはそれが大好きでした。
 付き合い始めて半年後、別れは彼から告げられました。このままでは君にためにならない――そう言われたとき、青眼子ちゃんは頑なに首を横に振りました。しかし彼が、彼女を抱きしめてくれることはなくて……

『――君はまだ若い…。ワシのことは忘れ、新しい恋を見つけるんじゃ……』

 そう言って彼は、青眼子ちゃんの前から姿を消したのです。




 青眼子ちゃんはまだ、4人目のそのおじいさんを忘れられずにいました。年齢と『魔法少女ピケルたん』というアニメが好きなことを除けば、本当に申し分のない、運命の人のようにさえ感じていました。
 それ以来、彼女は男性と付き合うことをやめていました。彼以上に素敵な男性は他にいない……そう思っていたから、いや、そう思いたかったからかも知れません。
 そんなことではいけない、それは青眼子ちゃんも分かっていました。だから半ば強引なこの話も、自分が新たな一歩を踏み出すための、ちょうど良いチャンスのように感じたのです。




 二度目に会った瀬人さんの印象は――とにかく寡黙な人でした。
 まだ未成年のはずなのですが、何故か車の運転免許を持っていました。深くツッコんじゃいけません。
「何処か行きたい所はあるか?」
 車を運転しながら、ほとんど青眼子ちゃんを見ることなく、彼は端的にそう訊きました。何処でも良い――そう答えると、彼はすぐ黙ってしまいました。
 車を運転したまま、赤信号で停車しても、彼は黙ってずっと前を向いています。
 あまりに気まずくて、青眼子ちゃんは仕方なく自分から話しかけます。
「あの……瀬人さんの好きな食べ物は何ですか?」
「……牛フィレ肉フォアグラソース」
 彼は短くにそう答え、再び黙ってしまいます。
 再び訪れる沈黙。青眼子ちゃんは困ってしまいました。しかし、少し長い間を置いて、瀬人さんは再び口を開きます。
「…お前は?」
「…え?」
 横目でちらりと見てから、瀬人さんはそう問いかけます。青眼子ちゃんは慌てて、その質問に答えました。
 そうか、と呟くと、再び瀬人さんは黙り込んでしまいます。仕方なく、青眼子ちゃんはもういちど問いかけるのです。
「そ…それじゃあ、嫌いな食べ物とかはあるんですか?」
「………おでんだ」
 よほど嫌いなのでしょう。顔をしかめてそう答えます。
 マズイことを訊いてしまっただろうか、そう思い、青眼子ちゃんは俯いてしまいます。
「…お前は?」
「…え?」
 さっきよりは短い間で、瀬人さんは同じことばを口にします。青眼子ちゃんが答えると、また「そうか」と呟き、黙ってしまいます。
 仕方がなく、青眼子ちゃんはまた何かを問いかけ、瀬人さんはそれに答えてから「お前は?」と問いかける。
 最初のデートは、ほとんどそれの繰り返し。最後に、彼が予約を入れていた高級レストランで食事をとり、家まで送ってもらって、それでお終い。次のデートの誘いもない。送ってもらった礼を言うと、「ああ」と呟くだけで、それで行ってしまいました。彼はデート中、とうとう一度も笑うことがありませんでした。

 瀬人さんの車が去った後も、青眼子ちゃんはしばらくその場に立ち尽くしてしまいました。

 ――あれで良かったのだろうか?
 ――自分は何か、彼の気分を害するようなことをしてしまったのだろうか?

 しかし誘ってきたのは向こうだし、青眼子ちゃんもとりあえず自分に大きな非があるようには思えませんでした。
 世の中には変わった人もいるものだ、そう小首を傾げながら思います。そして家に入ろうとしたところで、青眼子ちゃんは、肝心なことを訊き忘れたことに気付きました。

 なぜ自分と付き合いたいなどと言い出したのか……です。

 KC社は、DC社など比べものにならないほどの資産を誇ります。お金目当てでないことだけは確かです。
 しかし、瀬人さんと初対面の日、彼女はうっかり居眠りをし、あまつさえ部屋を滅茶苦茶にしてしまいました。肝心の提携の話も、そのせいで何もできなかったのです。悪い印象は持たれても、好印象を持たれるような覚えは少しもありません。

 ――しかしあの様子では、自分は彼に気に入られなかったのだろう。ならばもう、二度とは彼と会うこともあるまい。気にしても仕方がないことだ。

 そう思い直すと、彼女は門の呼び鈴を鳴らし、自宅の中へ引き上げるのでした。



第二章 青眼の花嫁(中編)

 翌日、青眼子ちゃんは何事もなかったように出社をしました。
 同僚の女の子数人にからかわれつつ制服に着替えると、仕事へ移ります。気持ちを切り替え、仕事に集中しよう……そう思ったのですが、仕事用のパソコンのメールボックスを確認すると、KC社からメールが届いていました。
 何かと思い開いてみると、それは瀬人さんからの、青眼子ちゃんの今週末の予定を訊くものでした。
 青眼子ちゃんは首を傾げます。もしかしてデートの約束? でも会社用のPCに、KC社名義でメールが来るということは、仕事関係の話だろうか?
 とりあえず予定は空いていたので、その旨を伝えるメールを送ります。するとものの二十秒で返信が来ました。返信メールを確認すると、当日の朝に迎えに来るという内容のものでした。察するに、デートの話のようです。
 少し戸惑いつつもOKのメールを送ると、今度は返信が来ませんでした。


 そして週末、約束どおりに瀬人さんは迎えに来ました。車に乗ると、前回と同じで「何処か行きたい所はあるか?」と訊いてきます。
 青眼子ちゃんは首を横に振ります。「そうか」と呟くと、瀬人さんは車を走らせます。
 そして前回と同じ沈黙。
 さすがに簡単な質問は、先週さんざんに繰り返してしまったので、青眼子ちゃんもなかなか浮かびません。かと言って、黙って一日を過ごすわけにもいかない、青眼子ちゃんは困惑します。
 しかし前回と同じでは流石にマズイと思ったのか、瀬人さんは近くの映画館へ連れて行ってくれました。
「…何か見たい映画はあるか?」
 相変わらず無愛想な顔で、瀬人さんは訊ねます。青眼子ちゃんは館内の案内を見つめ、眉をひそめました。
 ……一時間以内に上映する映画は三本。ホラー猟奇系アニメでした。
 とりあえず、猟奇系は却下です。かと言って正直、ホラー系もあまり気が向きません。
(……どうしよう……)
 青眼子ちゃんは悩みます、アニメ映画のタイトル『劇場版 魔法少女ピケルたん〜封印された魔法〜』と睨めっこをしながら。
 以前付き合っていた男性がピケルマニアだったのに加え、妹の真紅眼子ちゃん(16)が毎週欠かさずチェックしているアニメの映画なので、おおよそ内容は把握できています。実は先週、友達と見に行ったという真紅眼子ちゃんは絶賛していました。ちなみに地上波では現在、続編の『魔法少女ピケルたんACE』が放映中です。

「……えーっと…コレでも、いいですか……?」
 悩んだ末に、青眼子ちゃんは『魔法少女ピケルたん』を指差します。
「……何?」
 瀬人さんの表情がかげります。しかし瀬人さんも、どうやらこのあまりに作為的な上映ラインナップに気がついたようです。口元を引きつらせる瀬人さん。海馬社長としても想定の範囲外だったようです。
「…えっ…えーと……い、妹も面白いって言ってましたし、見てみれば楽しいと思いますよ?」
 固まってしまった瀬人さんに、青眼子ちゃんは慌ててフォローを入れます。
 結局、青眼子ちゃんの強い勧めで、二人はその映画を見ることにしました。
 チケットと一緒に、妹の真紅眼子ちゃんが買いそびれたと嘆いていたパンフレットを購入する青眼子ちゃん。遠慮しようとしたのですが、チケット代を含め、料金は瀬人さんが出してくれました。
 ついでなので、上映前にそれを使って、瀬人さんに登場人物や世界観を教えます。意外と、瀬人さんはその説明を興味深そうに聞き入っていました。よくよく考えてみると、彼はゲーム・アミューズメント企業の社長なので、その手の話もまんざらではないのです。



●     ●     ●     ●     ●     ●



 映画鑑賞後、昼食は、瀬人さんの予約したイタリアンレストランでとりました。
「面白かったですね、さっきの映画」
 『劇場版 魔法少女ピケルたん〜封印された魔法〜』は、意外と楽しめる内容でした。笑いあり、涙あり、バトルあり、萌えありと、いわゆる子どもから大人まで、大きいお友達まで楽しめる仕様です。
「…まあな」
 瀬人さんも意外と乗り気のようでした。いつもの仏頂面と違い、心なしか口元が緩んでいます。
 それでも、瀬人さんは基本的に無口なままでした。もっともイタリアンレストランで、ノリノリ(死語)でピケルたんの話をされても困りますが。


 午後は、青眼子ちゃんを遊園地へ連れて行ってくれました。その遊園地は「海馬ランド」といい、KC社が経営する遊園地です。アトラクションはどこも行列なのですが、瀬人さんの顔パスで、並ばずにすぐ楽しめます。しかし、青眼子ちゃんはイマイチ楽しくなれませんでした。
 海馬ランドの乗り物やショーは、どれも楽しいものばかりでした。ディ○ニーランドと比べても遜色のないものです。しかし、問題は瀬人さんです。必要最小限のことしかほとんど喋らず、表情も固いままの瀬人さん。これでは、いかに楽しい遊園地であろうとも、会話の盛り上がりようがないのです。
 いろいろ回って疲れた青眼子ちゃんは、お土産屋さんを見て回ることにしました。提案すると、瀬人さんは腕時計をちらりと見てから「ああ」と応えます。やはり、必要最小限の応対でした。

 海馬ランドはアトラクションのみならず、お土産屋さんのレベルもかなりのものでした。
 妹の真紅眼子ちゃんに、何か可愛いものを買っていってあげよう。そう思い、青眼子ちゃんはいろいろ見て回ります。
 するとちょうど、デフォルメされた可愛い青いドラゴンのようなキャラが印刷された、マグカップが目に入りました。どうやら、この遊園地のマスコットキャラのようです。一目見て、青眼子ちゃんはそれが気に入りました。
「…瀬人さん、コレ可愛いですね♪」
 マグカップを片手に、青眼子ちゃんは笑顔で話しかけます。しかし、当の相手である瀬人さんは、腕時計を見つめ、こちらに気付いてくれませんでした。
「……ん? 何だ?」
 ようやく気付いてくれた瀬人さんが、時計から顔を上げ、問いかけます。青眼子ちゃんは、だんだんイライラしてきました。前回のデートのときもそうですが、自分は会話を盛り上げるために何度も話しかけるのに、瀬人さんからはそっけない返答ばかり。
 デートに誘ったのは瀬人さんなのに、彼からは、青眼子ちゃんを楽しませようという気持ちが少しも感じ取れないのです。
「……いえ。私、レジでお会計を済ませてきます」
 そう言うと、マグカップを二つ持って、レジの方へ向かいます。一つは真紅眼子ちゃん用、もう一つは自分用です。
「……? いや、金なら俺が…」
 そのことばに、青眼子ちゃんは立ち止まり、できるだけ冷たい声でこう返答しました。
結構です
 と。
(…お金さえ払えば、デートになるとでも思ってるのかしら…?)
 内心、青眼子ちゃんは怒っていました。正直、以前KC社で犯してしまったミスのこともあったし、ここまでは黙って付き合ってきましたが、もう限界です。仮に次のデートの誘いがあったとしても、絶対に断ろう。瀬人さんと会うのは今日までにしよう、そう心に誓いました。
 お金を払い、袋を提げて瀬人さんのところへ戻ると、彼はまた腕時計を見つめていました。何だかそわそわしているようにも見えます。
 そろそろ帰りたいとでも思っているのか――そう感じ取った青眼子ちゃんは頬を膨らませます。
「…そろそろいい時間ですし、帰りましょうか?」
「…何?」
 そう言いながら、瀬人さんの返答も待たず、青眼子ちゃんはさっさと店を出て行きます。後ろから、慌てて瀬人さんが追いかけてきました。
「おっ…おい、どうした!?」
「…別に」
 むくれたまま、青眼子ちゃんは早足で出口の方へ向かいます。
「ま…待て! この海馬ランドには、まだ自慢のアトラクションが……」
「…それなら、一人で楽しんではいかがですか?」
 つれなくそう言うと、青眼子ちゃんはさらに歩を進めます。しかし――

 ――ガシッ!!

「――!?」
 後ろから、左腕を瀬人さんに掴まれます。その瞬間、青眼子ちゃんは驚きで目を丸くしました。
「……いいから……来い」
 瀬人さんの手の平は、ひどく汗ばんでいたのです。



第三章 青眼の花嫁(後編)

 手を引かれ、連れて行かれたのは、海馬ランドの誇る大観覧車でした。
 例によって顔パスで、並ぶことなくゴンドラに乗ります。心なしか、並んでいる多くがカップルのようでした。
 乗り込んでからしばらくして、青眼子ちゃんは瀬人さんの真意を知ります。
「……わあ……」
 ゴンドラが頂上に差し掛かる頃、そこからの景色は一面、夕日の赤に彩られ、この世のものとは思えない美しさに映えていました。
 先ほどまでいら立っていた青眼子ちゃんも、それに魅入られ、自然にうっとりとしてしまいます。
「……これが、海馬ランドで一番の目玉と言われている…。この時間帯の、この夕日を見たいがために、わざわざ遠くから来る客も少なくないと聞く…」
「………!」
 青眼子ちゃんはことばを失い、ただその景色に見惚れています。
 その様子に、腕を組みながら、瀬人さんは満足げに口元を綻ばせました。
 ゴンドラは止まることなく動き、その美しい景色も少しずつ見えなくなります。
 そこで青眼子ちゃんは、先ほどの瀬人さんの手のことを思い出しました。
 ひどく、不自然に汗ばんだ手のひら。あれは一体どういうことなのか。
(…もしかして…緊張していた…?)

 ――固い表情のまま、口数も少なかったのはそのため? 本当は……

 ふと、青眼子ちゃんは瀬人さんを振り返ります。すると瀬人さんと目が合い、瀬人さんは少し慌てた様子で目線を景色へ向けました。
 外の景色はすでに、絶好の状態を終えています。夕日に魅せられた彼女の横顔を、夕日に映えるその横顔を、瀬人さんはずっと見つめていたのです。
 ふと、青眼子ちゃんは、前回訊きそびれた疑問を思い出しました。良い機会だ、そう思った青眼子ちゃんは、瀬人さんに問いかけます。
「瀬人さんはどうして……私と、付き合いたいなどと仰ったのですか?」
「…………」
 視線をそらしたまま、瀬人さんはなかなか答えてくれません。
「…その…初めてお会いしたときは、私、居眠りをしてしまって…。無意識のうちに、瀬人さんの社長室を無茶苦茶にしてしまって…。それなのに、なぜ…?」
「………。……おだ」
「……はい?」
 青眼子ちゃんは目を瞬かせます。声が小さすぎて聴こえませんでした。
 不満げに一瞥すると、今度はもう少し大きな声で、瀬人さんは応えます。
「……寝顔が……気に入ったからだ」
「…………」
 瀬人さんは、外の景色をひたすらに眺めていました。夕日のせいか、その頬は少し赤らんで見えます。
「………っ………」
 青眼子ちゃんは、込み上げてくる感情を我慢できませんでした。
「…ぷっ……あはははははっ!!」
 お腹を抱え、大声で笑い出します。それは今までの人生で、一番大きな笑い声だったかも知れません。
「!? な…何が可笑しい!?」
 どこか必死な様子で、瀬人さんが訴えます。その顔は、誰がどう見ても夕日のせいなどではなく、真っ赤っ赤でした。
「ご……ゴメンなさい。でも……私、何だか可笑しくって……!!」
 こんなに笑ったのは、いつ以来だろう――お腹を抱えたまま、青眼子はそう思いました。


 その後、夕食を済ませると、瀬人さんは青眼子ちゃんを家まで送ってくれました。その間、少しだけだけれど、瀬人さんの口数も増えたように感じました。
「…今日は楽しかったです。ありがとうございました」
「…ああ」
 前回と同じように、瀬人さんは短く返答します。けれどその顔は、少しだけれど確かに綻んでいました。

 その日も、別れ際に次のデートの約束はありませんでした。
 けれどその代わり、翌日確認する会社のパソコンには、次のデートの誘いのメールが届いていました。
 クスリと小さく笑みをこぼすと、青眼子ちゃんはOKの旨を伝えるメールを返信します。するとものの10秒で返信が届きます。
 それに目を通すと、青眼子ちゃんは張り切って仕事に取り掛かりました。




 週に一度の、瀬人さんとのデート。口数の少ない彼との付き合いにも、青眼子ちゃんは完全に慣れてしまいました。何かを話しかけても、どこかぶっきら棒な様子で応える瀬人さん。逆に、それに拗ねてみせると、瀬人さんは少しうろたえた様子で、慌ててフォローに入ります。
 そんな瀬人さんを、青眼子ちゃんは「可愛い」と思いました。今までに付き合ったことのない、珍しい人。
 日々を重ねるほどに、彼と過ごす時間は楽しく感じられ、そして彼との距離も短く感じられていきました。
 そしていつからか、彼へ向ける感情は、「可愛い」から「愛しい」へと変わります。

 二人が付き合い始めてから、ちょうど一年が経った頃です。
 そのデートの日、いつになく瀬人さんは不審な様子でした。
 何かを言いかけては口を閉ざす。あまりに露骨なその様子に、青眼子ちゃんは首を傾げ、何なのか問いかけます。しかし瀬人さんは、決してそれが何なのかを教えてくれませんでした。別れ際にも、何かを言おうとしているふうなのですが、結局何も特別なことは言ってきませんでした。

 翌日出勤して、いつものようにメールを確認したところで、青眼子ちゃんはやっと彼の真意を知ることができました。
 メールには短く、しかし彼らしくない文章で、「結婚したい」と書かれていました。
 驚いて、けれどクスッと笑みをこぼすと、青眼子ちゃんも短く返信しました。「はい」と。


 それから一ヶ月後、彼らの結婚式は盛大に行われました。
 大企業の社長・瀬人さんの結婚式だけあって、式場はとても大きなものを貸しきり、大勢の人たちが呼ばれました。
 純白のドレスに身を包んだ青眼子ちゃんは、その真っ白な美しい肌が際立ち、見る者すべてを男女問わず、ほうっと感嘆させました。
 肝心の瀬人さんはというと、顔を真っ赤にして、ほとんど直視してくれません。けれどそのくせ、機会を見てはチラチラと、彼女のその姿を盗み見ます。
 そんな瀬人さんを見たことの無い、社員や他企業の社長たちは、みな揃って目を見張り、そして微笑み、二人を祝福してくれました。

 こうして、幸せながらも慌しい、二人の結婚生活は幕を開けるのでした。



めでたしめでたし







オマケ 瀬人さんとおでん

 青眼子ちゃんと瀬人さんが結婚して、一年が過ぎました。誰にも干渉されたくないということで、わざわざ屋敷のような家があるくせに、マンションの一室を買い取り、二人暮らしをしています。ちなみに当作ではモクバを出す気が一切ありません、悪しからず。
 二人の新婚生活はラブラブでした。あまりにラブラブなので自主規制です。しかし、どんな結婚にも絶頂期があれば低迷期もあります。愛し合って結婚した二人でも、必ずつまずくポイントがあるのです。結婚とはそういうものなのです、たぶん

 そしてそれは、ある日の朝のことでした。
「……おい」
「……何ですか?」
 食卓についた瀬人さんが顔をしかめます。青眼子ちゃんは澄まし顔で、瀬人さんに箸を渡します。
「……何だ……これは」
 瀬人さんが箸を受け取ると、青眼子ちゃんも席につき、箸を持って両手を合わせます。
「……おでんです」
 いただきます、と青眼子ちゃんが言うと、瀬人さんもそれに合わせて一礼します。
「…いや、それは分かるが…」
 瀬人さんは、手元の御飯茶碗の隣りの、おでんのよそられたお椀を見つめます。
 それからは湯気が立ち上り、美味しそうな香りが食卓に満たされます。
 青眼子ちゃんの料理の腕は知っています。きっと目の前に出されたそれも、“おでんとしては”かなりレベルの高いものでしょう。
 しかし残念なことに、瀬人さんはおでんが嫌いなのです。それは青眼子ちゃんも承知しているはず、瀬人さんにとってそのおでんは、嫌がらせ以外の何物でもありませんでした。
実際のところ、現在食卓に置かれているそれは、最近残業続きであまり構ってくれない瀬人さんに対する、青眼子ちゃんの無言の抗議メッセージでした。
「……イヤなら、食べなければいいじゃないですか」
 どこか冷たい、しかし試すような口調の青眼子ちゃん。自分用に割り当てられたおでんの汁を、何事もなかったようにすすります。よくダシが利いていて、我ながら絶品でした。
「…ぐ…ぬぬ…」
 瀬人さんが、おでんと睨めっこしながら顔をしかめます。これまで、愛妻の手料理を残したことが一度もないのが、彼の密かな自慢でした。
 その自慢を何とか守りたい、その一心で、お椀を左手に持ちます。そして、それを口元まで持ち上げる――青眼子ちゃんは手を止め、その様を期待の眼差しで見つめます。
 瀬人さんは、まるで劇物でも確かめるかのように、慎重に匂いを嗅ぎます。
 ――なるほど匂いは悪くない、というかむしろかなり良い。
 瀬人さんは、自慢の妻を誇りに思います。…が、匂いだけなら、普通のおでんでも割と好きな方なのです。
 震える右手で、箸をおでんの具へ近づけます。
 ど真ん中のハンペンを掴もうとする――しかし寸前で、その箸は止まります。そして、それ以上先には全く動きません。
「……駄目だ」
 瀬人さんは敗北者の顔で、お椀をテーブルに戻します。その表情は本当に悔しげで、青眼子ちゃんもさすがに無理強いできませんでした。
「……でも……どうしてそんなに、おでんが嫌いなのですか?」
「………」
 瀬人さんはどこか遠い目をしてみせると、ふっと窓の外へ視線を向け、いわゆる回想モードに突入します。
「……そう……あれはオレが、小学生のときのことだ……」





 ――当時小学生の瀬人さんは、性格にはかなり問題があるものの、県内一のエリート小学校で一、二の成績を誇る優等生でした。
 そして、彼と常に成績を争っていたのは、腐れ縁で6年間同じクラスだったアテム君(エジプト出身)でした。彼は瀬人さんと違って性格が良く人望もあり、そのせいで1番はアテム君、2番が瀬人さんという見方をされがちでした。
 そのため、当時から自己中だった瀬人さんは、何かにつけて彼に勝負を挑んでいたのです。
 その日も、瀬人さんはアテム君相手に、ある勝負を持ちかけていました。
「ゆ……じゃなくてアテム! 今日も勝負だ!!」
「フ…いいぜ海馬! 何で勝負する?」
 ゆ…じゃなくてアテム君の自信ありげな笑みに、海馬君は腸(はらわた)が煮えくり返る思いです。
「……今日の給食、いち早く平らげた方が勝ち……というのはどうだ?」
「フ…いいだろう! どんな勝負だろうが受けて立つ!!」
 てなわけで、あまりに強引な展開で早食い勝負です。
 早く決着がついてはつまらない、ということで、お互いの給食は超大盛りによそられました。察しの悪い人以外は見当がついたでしょうが、その日の給食にはおでんがありました。
 お互いの給食が運ばれます。ちなみに審判は担任の磯野先生です。
「では……、決闘開始ィィッ!!」
 担任・磯野先生のよく分からないポーズとともに、二人の決闘が開始されます。
 二人はほぼ同時に箸を掴むと、目の前の給食にがっつき始めました。
「カ・イ・バ!! カ・イ・バ!!」
「ア・テ・ム!! ア・テ・ム!!」
 他クラスの生徒たちも集まって、二人の応援をします。二人によってたびたび行われる決闘は有名で、その日は全校生徒の半分くらいが観戦にきていました。って、どんな小学校だよそれ
 勝負は瀬人さんの有利で進みます。しかし誰の目から見ても、瀬人さんのそれは明らかにオーバーペースです。
「あせるなよ・・・ゲームはまだ始まったばかりだぜ、海馬!」(もぐもぐ)
「フ・・・(貴様の死への秒読みもな)」(もぐもぐ)
 よく分からない会話を交わしながら、二人の決闘(早食い)は続きます。しかし、不意に瀬人さんの手が止まりました。給食前の授業が体育だったこともあり、オーバーペースが祟って気持ち悪くなってきてしまったのです。
「(バカな…このオレが負けるというのか!?)」
 拳を握り締め、わなわなと震わせます。残りはおでんのみ――それさえ食べれば瀬人さんの勝利です。しかし、どうしても身体がそれを受け入れません。
「海馬…貴様はオレが認めた数少ない決闘者だが…少々ガッカリしたぜ!」
「何!」
 箸が止まった瀬人さんを前に、アテム君は余裕の表情です。残すはデザートのフルーツポンチのみ。すでに勝った気でいます。
(…オレは…!!)
 瀬人さんは、限界のきた胃を根性で奮い立たせます。
「オレの踏み印したロード! それが未来となるのだァッ!!」
 ワケの分からん掛け声と共に、瀬人さんはおでんの残りをすべて口に詰め込み、丸呑みにします。
 油断していたアテム君は、僅差で負けてしまいました。
「フ…見事だぜ、海馬…」
 アテム君は潔く、自らの敗北を認めます。対する瀬人さんは、青ざめた顔ながらも、したり顔でポーズを決めました。
「オレの勝ちだ! アテ――うっ!?」
 次の瞬間、悲劇は起こりました
 全校生徒の半数の目の前で、瀬人さんはおでんを戻してしまったのです





「……それ以来しばらくの間、オレにはゲロコーポレーション社長とかゲロの貴公子とかいう最悪のニックネームがついてしまったのだ…」
「…それは確かに最悪以外の何ものでもないですね……」
 青眼子ちゃんは震えながら、ハンカチを口元に当てました。ていうかもうイジメだろそれ
「…ただ…できれば、食事が終わってから話して欲しかったです…」
 一気に食欲が減退した青眼子ちゃん。当然の反応です
「…それで…そのアテムさんという方は、今どうしているのですか?」
 先ほどの話から察するに、彼が瀬人さんにとっていろんな意味で重要な人物なのは間違いありません。しかし、瀬人さんと出会ってから二年になるにもかかわらず、彼の話を聞くのは今が初めてでした。
「……さあな。一昨年までは同じ高校のクラスにいたが……“還るべきところがある”とかよく分からんことを言って、退学して自分探しの旅とやらに出てしまった。以来、連絡ひとつよこしてこん…」
 少し淋しげにそう言うと、瀬人さんは食事を再開します。
 なるほど、瀬人さんにとってアテムという人物は、ライバルであると同時に、掛け替えのない親友だったのであろう――そう思うと、青眼子ちゃんは何だか微笑ましく感じられました。
 ……しかし心なしか、そのあと口にしたおでんはあまり美味しくありませんでした



つづく……?







付録:登場キャラクタープロフィールなど

○トライホーンお父さん
・青眼子ちゃんの父親
・職業:DC社社長
・龍神流空手8段
・備考:最近メタボ気味


○ダイヤモンドお母さん
・青眼子ちゃんの母親
・職業:専業主婦
・龍神流空手7段
・備考:身体は頑丈で、一度も病気になったことがない
・トラウマワード:「こんなカード、オレは三十六枚持っているよ…」


○タイラントお祖父さん
・青眼子ちゃんの祖父
・職業:DC社会長
・龍神流空手8段
・DC社の創設者にして、龍神流空手の開祖
・必殺技:暴君爆裂拳
・性格:非常に厳しい。ただし孫娘2人には甘い


○瀬人さん
・ワハハハハハハハハ!!!!
・青眼子ちゃんの夫


○怪しいアメリカ人男性
・元・遺伝子工学博士
・「実はワタシは生きていたのデ〜ス」
・アニメでは生きてるけどRでは死んでる人


○奇妙な壺
・ドラゴン族は全て守備表示となりマ〜ス。強欲の方ではありマセーン


○醜いけど高価な人面壺
・今度こそ強欲な方
・禁止です
・泡男「今は俺の時代だぜ!」
・円盤男「GX終わったろうがカス。むしろ俺の時代だぜ!(リミット・リバース&エンジェル・リフト的な意味で)」
・クロウ「つまり私の時代ですね、わかります」


○ヴァンダル叔父さん
・青眼子ちゃんの叔父
・職業:龍神流空手道場二代目師範
・龍神流空手8段
・必殺技:三種の返し拳(トリプルカウンター)
・備考:ダンディー


○おじいさん
・青眼子ちゃんが愛したもう一人の男性
・ピケルマニア
・現在、ギックリ腰で入院中
・何してはるんですか双六さん


○『魔法少女ピケルたん』
・ただのアニメと見せかけて、実は異世界設定だったりする
・ユベルの言ってた「12次元世界」のうちの一つ……かもね


○『劇場版 魔法少女ピケルたん〜封印された魔法〜』
・『魔法少女ピケルたん』と『魔法少女ピケルたんACE』の間のストーリー
・闇魔法王国による侵略から数ヶ月後。復興中の光魔法王国に迫る新たな脅威。闇魔法王国に仕えていた研究者“魔導サイエンティスト”は、封印された魔法“次元誘爆”により、世界の破滅を引き起こそうとしていました。それにいち早く気付いたドリアード女王様は、光魔法王国へ使者を送ります。そしてその中には、ピケルたんも良く知る少女の姿が……?


○デフォルメされた可愛い青いドラゴン
・「トゥーンはやはり最高デース!」
・青眼子ちゃんとの関連性は謎


○モクバ
・いらない子でした


○アテム君
・エジプト王子
・職業:秘密
・特技:発明
・趣味:裁縫
・丈夫な子を産んでくれそうな結婚相手を探している


○担任の磯野先生
・KC社員の磯野さんの弟
・同一人物だと思ったかい? んー?


○ゲロコーポレーション社長
・瀬人さんのこと
・トラウマワード


○ゲロの貴公子
・瀬人さんのこと
・トラウマワードU



○エメラルド子ちゃん(本編未登場)
・青眼子ちゃんの幼馴染み
・職業:KC社社員
・龍神流空手6段
・D大学卒業生
・彼氏:スピアさん
・もうじき別れます


○スピアさん(本編未登場)
・性格:落ち着きがない
・龍神流空手4段
・D大学卒業生
・彼女:エメラルド子ちゃん
・もうじきフられます


○ホーリーナイト叔母さん(本編未登場)
・青眼子ちゃんの叔母、ヴァンダル叔父さんの妻
・龍神流空手7段
・ヘルニアで入院中


○ガンドラお祖母さん(本編未登場)
・青眼子ちゃんの祖母、タイラントお祖父さんの妻
・龍神流空手8段
・性格:温和で優しい。ただしキレるととんでもないことに
・備考:実は一族最強キャラ




○オベ子さん(本編未登場)
・年齢:16歳
・身長:非常に高い
・体重:やや重い
・体型:グラマー
・好きな食べ物:かき氷
・特長:常識はずれの腕力
・瞳の色:蒼
・髪:ロング。黒髪(ただし戦闘時は蒼)
・容貌:二十代中ごろに見える
・性格:後のツンデレである
・好きなテレビ:スポーツ中継
・職業:KC社秘書
・趣味:スポーツ
・幻神流空手10段
・特殊装備:羊リストバンド
・必殺技:ゴッド・ハンド・インパクト(ただし特殊装備必須)
・好きな異性のタイプ:自分より強い男
・基本能力値:4000
・備考:“蒼の巨神兵”の遺伝子を持つ,次女
・フルネーム:オベ子=リスク


○オシ子さん(本編未登場)
・年齢:16歳
・身長:高い
・体重:軽い
・体型:スレンダー
・好きな食べ物:辛いもの
・特長:神速の脚力
・瞳の色:紅
・髪:ロング。黒髪(ただし戦闘時は紅)
・容貌:美人
・性格:クーデレ
・好きなテレビ:教養番組
・職業:アテム家のメイド
・趣味:読書
・幻神流空手10段
・特殊装備:強欲シューズ
・必殺技:召雷脚
・好きな異性のタイプ:アテム様
・基本能力値:不定
・備考:“紅の天空竜”の遺伝子を持つ,三女
・将来の夢:アテム様の子どもを産むこと
・フルネーム:オシ子=リス


○ラー子ちゃん(本編未登場)
・年齢:16歳
・身長:非常に低い
・体重:非常に軽い
・体型:幼児体型
・好きな食べ物:卵料理
・特長:特になし(あらゆることに秀でているため)
・瞳の色:金
・髪:ロング。金髪
・容貌:ロリ
・性格:無口
・好きなテレビ:少女アニメ(『魔法少女ピケルたん』、『魔法少女ピケルたんACE(エース)』、『魔法少女ピケルたんMP(マジカルプリンセス)』など)
・職業:メイド喫茶店員
・趣味:コスプレ
・幻神流空手10段
・特殊装備:カルトゥーシュ
・必殺技:ゴッド・フェニックス
・好きな異性のタイプ:可愛い服を着せてくれる人
・基本能力値:無限
・備考:“黄金の翼神竜”の遺伝子を持つ,長女
・将来の夢:魔法少女
・フルネーム:ラー子=ホルアクティ








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