蒼い空へ
- CHAPTER 1 -

製作者:SPHEREさん




※この小説は遊戯達メインキャラではなくオリキャラで成されています。とは言え、この手のタイプは何個かあるので気にならないとは思いますが。
※オリカ以外は説明を省いております(駄


登場オリキャラ(ぁ

霧島 聖人 (きりしま せいと)
高2。割と大人しげだが、小さい頃からおかしな体験に見舞われている。デュエルの腕はかなり高い。

霧島 聖 (きりしま せい)
高1。聖人の弟だが、まるで正反対に活発的。むしろ兄弟関係を逆転したほうがしっくりくる。聖人より弱く直哉より強い。

更木 直弥 (さらき なおや)
高2。聖人とは仲がよい。しかし、デュエルの腕前はあたかも遊戯と城之内のような差である。(ぁ

リオラ
年齢不詳(聞いてはいけません)。 石屋医院にたまにいるダブルっぽい人。目が蒼く、髪は碧色のポニーテール。聖人とほぼ互角の腕前だが何かを隠している?

石屋 鼻三郎 (いしや びさぶろう)
59歳。名は体を表すってことで石屋(いしや≒医者)医院の鼻専門の医者。三男。鼻関係のカードを使う59歳はある意味圧巻だ。

石屋 目次郎 (いしや めじろう)
61歳。もちろん目専門の医者。次男。石屋兄弟の中でも突出した実力者で、割と強く、直哉をも負かす。

石屋 口一郎 (いしや こういちろう)
62歳。漢字抜きで、石屋兄弟の中ではもっともしっくりくる名前だ。目次郎とはなかなか伯仲している口系カード使い。

黒虎 (くろとら)
年齢不詳。その昔ペガサスと因縁があるそうだが・・・?


CHAPTER 1 


序章 『不幸な少年』


――まるで蝶のようにに桜が風に舞う4月の下旬。公園で桜が散る中デュエルしている青年が二人。一方は霧島聖人、そしてもう一方は更木直哉。

「僕は魔導戦士ブレイカーを攻撃表示で召喚するよ。そして魔力カウンターを取り除き――きみの場のリバースカードを破壊!」

「だぁ!俺のリバースカードが・・・・なんちって、リバースカードはこれだ!
「コ ザ ッ キ ー の 自 爆 装 置」
!」

「ぇ!?」

ブレイカーの放つ魔力の矢がリバースカードに刺さった瞬間・・・・表になったそのカードから現れた装置が爆発!

「伏せてあるこのカードを破壊したプレイヤーは1000ポイントのダメージを受けるぜ!」

聖人 LP 3500 → 2500

「そ、そんなマイナーな・・・まさかデッキに入ってるだなんて・・・でも、僕のブレイカーは攻撃宣言できないわけじゃない!いくよ、ブレイカーのダイレクト・アタック!」

「甘いぜ、罠カード!「サンダー・ブレイク」!手札から「磁力の指輪」を捨てて、ブレイカーを破壊!」

「・・・。「磁力の指輪」よりも「レアゴールド・アーマー」のほうが絶対いいのに・・・」

さっきから直哉の使うカードは(サンダー・ブレイク除き)マイナー、というかすでにパワーアップものが存在しているものもあるのだが・・・これらが直哉と霧島兄弟の差を作る。

「・・・。なら――今度は「魂を食らう者 バズー」でダイレクト・アタック!」

魂のようなものを食べて生きるバクのような獣が、強靭な爪で直哉を裂いた。元々攻撃力が1600ポイントあって、自身の効果で攻撃力は2500まで上がるのだが、今発動すれば攻撃できなくなってしまうのだった。

直哉 LP 2300 → 700

「―――ターンエンドだよ!」

「よっしゃ、俺のターン、ドロー!」

ドローカード : 執念の剣

「よし、俺は「ワイルド・ラプター」を攻撃表示で召喚!さらに―――手札から魔法カード「執念の剣」!これでバズーに攻撃!」

ワイルド・ラプター 攻撃力 1500 → 2000

「そうはさせない!リバースカードオープン!「天邪鬼の呪詛」!これで返り討ちだ、バズー!」

聖人の場のリバースカードがオープンし、そこから出てきた人形が執念の剣の効力を逆さまにしたのだった。

天邪鬼(あまのじゃく)の呪詛
罠カード
このカードの発動と効果は無効化されない。装備カードを装備したモンスターが攻撃宣言を行ったときに発動可能。
装備カードによる攻撃力・守備力の変化を逆にする。

――シュゥゥゥ

ワイルド・ラプター 攻撃力 2000 → 1000

「お、俺のラプターが弱く!?」

「このカードは「あまのじゃくの呪い」と違って無効化されない!・・・・・・その代わり、装備カードだけが対象だけどね。」

勢いの弱くなったラプターはそのまま引き裂かれ、直哉のライフは大幅に減少してしまった。

直哉 LP 700 → 100

「――キミの手札は0枚。さらに、「執念の剣」は自身の効果により、デッキの一番上に舞い戻る!これでもう、僕の勝ちだね。」

「だぁ〜!ちっきしょう!俺のデッキの何がいけねぇってんだ!」

――それはキミのカード選びのセンスの無さだ!(鬼

「で、でもさ、なんで「執念の剣」なの?使いたければ、「一角獣のホーン」とか、パワーアップしたものがあるでしょ?」

「ぇ、そうなのか?」


・・・・・・・・・

 
「ま、まぁ、それはさておき――そうだ!新しいパックを買おうよ!」

なんとか話を逸らす聖人。多少強引だったか、と言ってから聖人は後悔するが、直哉はそれを少しも怪訝に思ってはいない様子。

「そうだな。「ELEMENTAL ENERGY」でも買うか(ぁぁ」



「ふ〜ん、また禁止・制限カード更新か。よくやるな。KONA・・・・もといI2社は。」

「そうだね。特にキラー・スネークあたりがきついところだよ。いろんな効果が使いづらくなったしね。」

と言いながら聖人は買った10パックを開封する。

「ヘ、地獄戦士10枚・・・」

「俺はエッジマンと貪欲とブロンとヘル・ブラストだな。お前も運わりぃな。」

「・・・・・」


第一章 『少年が見上げるは幸福か』


現在、聖人の年齢は16歳である。年齢=彼女いない歴というのはよく聞く話だが、この少年にいたっては、ほぼ毎年、悪夢のような現象が起こるのだった。

特に大きいといえば、3歳の頃の普通列車脱線事故、5歳の頃の天下航空機墜落事故、9歳の頃のジェットコースター脱線、10歳の頃の居眠り運転の大型ダンプカー衝突等だろうか。

しかし、これ以外にも事故を体感しているはずの聖人は、このいずれも無傷、悪くてアバラ骨一本という奇跡の生還を果たしていた。この点では、聖人は運がいいのかもしれないのだが・・・

だが、デュエルしているときは違った。デュエルしている時だけは、昔のような運の悪さに引きずりまわされることは無かった。だから、やっていけた。

飽くまでもデュエルしている時だけであって、パックを買うときも、シングルで購入するときも、持ち前の運の悪さが、どれもこれも妨害した。さっきの「地獄戦士」4枚と言う見る側には悲痛な結果も、彼としての持ち味であり、今までだってそんなことはあったのだった。



「ふぅん・・・「地獄戦士」・・・レベル4でこれか・・・少し力不足、というより「アマゾネスの剣士」に何もかも負けてるよ・・・」

どこまでも運の悪い聖人だが、時間だけはあったので、運がどれだけ悪くとも、ブレイカーのようなレアカードを集められたのだった。

「次は・・・・「憑依装着−ウィン」か。3枚目だな。直哉の対策にしたってあんまり必要でもないし(鬼 最近実力が均衡してきた聖の対策に・・・って、あいつ水デッキだよ・・ブツブツ」

ちなみに筆者はEENを計20パックほど購入しているが、テンペスター以外の収入が無い上、ほかの霊使いは3枚ほど揃っているのにアウスだけ一枚もあたっていない。(聞いてない

霧島家は裕福でも貧乏でもないのだが、家は割りと狭い方だった。なので、聖との2段ベッドで同じ部屋に机を置いていたのだった。ちなみに作者の家は9LDKである(だから聞いてない

「しかし・・・同じレアでも「連弾の魔術師」のほうが数段いいよなぁ・・・むしろ「闇の取引」と地位交換してほしいな・・・」

「ただいま・・・って兄貴、俺より先に帰ってるって結構珍しくないか?」

「おお、聖、2年は今日早帰りだろう?」

「そうなのか?だって兄貴、そんなこと一言も言ってねぇじゃん。」

――この時、聖人はある種の違和感を覚えた。確かに昨日食卓で聖にも伝えたはずだ。しかし、記憶はいつでも食い違えるものだ、と思い直して、話を進めた。

「だったら兄貴、デュエルしないか?」

「――そうだな。最近お前とも伯仲してきたし、ボクとお前の差を今一度開いてみるか。」

「そうは行かないぜ兄貴。俺はさっきコンビニで「ウォーター・ドラゴン」引き当てたからな、そんな簡単にはやられないぜ!」


『デュエル!』

聖人 LP 4000   VS   聖 LP 4000

「ボクの先攻!ドロー!」

ドローカード : 魔鏡導士リフレクト・バウンダー

「ボクはリバースカードをセットし、「魔鏡導士リフレクト・バウンダー」召喚!」


場に巨大な鏡を持つ機械が出る。このカードは、攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを与える効果を持っている。しかも、元々の攻撃力は1700と高い。

「ターンエンド!」

「俺のターン!」

ドローカード : 伝説の都 アトランティス

「よし!俺は手札から「伝説の都 アトランティス」発動!これにより、手札の5ツ星モンスターは4ツ星となって、生贄なしの召喚が可能!出でよ、「ギガ・ガガギゴ」!」

デュエルフィールドが見る見るうちに水中都市に変貌していく。その中で、力を得た爬虫類の戦士が場にでてくる。

「聖の得意な戦場か・・・。」

「リバースカードを一枚セットし、ターンエンド!」

「ボクのターン!ドロー!」

ギガ・ガガギゴの元々の攻撃力は2450。それだけでもかなり強力だ。しかも、アトランティスの効果でレベル4となり、さらに攻撃力が2650とかなり強くなってしまっ
た。

「(ボクのリバースカードは「炸裂装甲」。流石に考慮して攻撃に出なかったな。もとより、通すつもりだったけど。)ボクは魔鏡導士リフレクト・バウンダーを生贄に・・・出でよ!「氷帝メビウス」!さらに、このカードの効果で、リバースカードを破壊!」

「だが、俺のガガギゴには追いついてないな。さらに、俺のリバースカードは「大海の恵み」!ライフを1000回復し、一枚ドロー!」

大海の恵み
罠カード
伏せてあるこのカードがカードの効果によって破壊されたとき、このカードのコントローラーはライフポイントを1000回復し、デッキから一枚ドローする。

聖 LP 4000 → 5000

「・・・!」

聖人は思った。コザッキーの自爆装置よりも絶対にこっちのほうがいいと。

「――さらに!手札から「デーモンの斧」発動!メビウスの攻撃力が1000ポイントアップする!」

氷帝メビウス 攻撃力 2600 → 3600

「いくよ!メビウスの攻撃!」

「く・・・・すまない、ガガギゴ・・」

聖 LP 5000 → 4050

「ターンエンド!」


聖 LP4050  聖人 LP4000

聖 手札 4枚
場 何も無し
フィールド魔法:伝説の都 アトランティス
聖人 手札 4枚
伏せカード1枚 デーモンの斧 氷帝メビウス(攻3600)





第二章 『クシかつよりカツ丼』


「俺のターン!」

「(今はボクの優勢。手札には同じくアトランティスでパワーアップするグラナドラがある・・・!召喚後に生贄でショッカーを出せばOKだ!)」

「俺は手札から魔法カード、「2択問題」を発動!」

2択問題
速攻魔法
自分フィールド上のカード全てを墓地に送って発動。相手は表裏を当てる。あたった場合、手札からモンスターを召喚条件に関係なく召喚できる。外れた場合、自分は手札からモンスターを一体、召喚条件に関係なく特殊召喚する。ただし、どちらも特殊召喚できるのはレベル6までとする。

「2択問題か・・・よく聖の使うカードだな。(表をクシカツ、裏をカツ丼にしてみよう・・・クシカツも捨てがたいが、やはりしるだくのカツ丼だな。)ならば――『裏』だ!」

その言葉を聞いて、聖はコインを投げる。そしてその面は・・・表!ちなみに聖人はカツが大好きだ!(関係なし)

「よし!俺は手札から「海竜 −ダイダロス−」を特殊召喚!」

「しまっ・・・!」

「さらに!ダイダロスを生贄に――出でよ!「海竜神 −ネオダイダロス−」!そして、効果で全てのカードとお互いの手札を墓地送りだ!」

「く・・・だが今の効果で、ボクの手札にあった「イビー」の効果が発動!1000ダメージ!」

聖 LP 4050 → 3050

「関係ねぇ!いけ!ネオダイダロスのダイレクト・アタック!」

「ぐ、ぐぁぁ!」

聖人 LP 4000 → 1100

「ぐ・・・・・・!」

「ターンエンド!」

「ボクのターン!ドロー!」

手持ちはこれで1枚。しかし聖人はいいカードを引けなかったらしい。

「く・・・モンスターをセット!ターン終了!」

「俺のターン!どうやらここまでだぜ兄貴!フィールド魔法「伝説の都 アトランティス」!

「またか・・・!」

「ネオダイダロス!全てを薙ぎ払え!」

再びフィールドのカードが墓地へ行くが、リバースモンスターの効果はしっかり発動した。

「リバースモンスターは「ネコマネキング」!お前のターンは終了!ボクのターン!」

ドローカード : 巨大ネズミ

「よし、ボクはリバースモンスターをセット!ターンエンド!」

「俺のターン!(流石にこのターンでの決着は無理か・・・)カードを一枚セットし、ネオダイダロスで攻撃!」

「かかったな?ボクのリバースモンスターは「巨大ネズミ」!効果により・・・・アマゾネスの剣士!」

巨大ネズミの効果でフィールドに女戦士が呼ばれた。次のターンにこのカードをネオダイダロスで攻撃すれば1400ポイントダメージを相手が受けることになる。

「ターンエンドだ!」

「ボクのターン!」

「(さて、どうする。女剣士で自滅攻撃してもあいつのライフは1650残るか・・・。そうなればボクの場はがら空き。それに、次のターンにモンスターを引かれたらダメージ覚悟でくるだろう。なら――ブラフで伏せるしかないか。)リバースカードを一枚セットしてターンエンド!」

「俺のターン!ドロー!(ち、モンスターはないか。ならば・・様子を見ていこう。)ターンエンド!」

「(よし・・・まだチャンスはある!)ボクのターン!ドロー!」

ドローカード : 収縮

「(よし!!)ボクは手札から魔法カード「収縮」発動!ネオダイダロスの攻撃力を一時的に1450までダウンさせる!」

「く・・・」

「行け、アマゾネスの剣士!ネオダイダロスに攻撃!」

『首刈の剣』!

聖 LP 3050 → 3000

「く・・・だが、まだ決着は早いぜ!」

「ターン終了!」

「俺のターン!(とは言ったものの、結構きついよな・・・とりあえず・・・・)リバースモンスターセット!ターンエンド!」

「ボクのターン!ドロー!」

お互いに均衡状態に入る。とは言え、ライフ差はかなりあるので、聖人のほうが若干不利である。

「ボクは剣士に「流星の弓 −シール−」を装備!攻撃力が1000ダウンするが、直接攻撃が可能となる!」

アマゾネスの剣士 攻撃力 1500 → 500

「プレイヤーにダイレクト・アタック!首刈の剣!」

「ぐぁ・・・・」

聖 LP 3000 → 2500

「(なるほど、剣士の攻撃力が落ちても戦闘で破壊しづらくするつもりか・・・。だが、そのままダイレクトばっかりはゆるさねぇぜ!)」

「ターンエンド!」

「俺のターン!(ならば・・・ダメージ覚悟で戦闘するのみ!)ガガギゴ召喚!剣士に攻撃!」

「だが、攻撃力の差のダメージはおまえが受ける!」

聖 LP 2500 → 1150

これで、聖と聖人のライフはほぼ並んだ。ここからは短期決戦に近い。だが、すでにモンスターのいる聖のほうが有利である。

「ターンエンド!」

「ボクのターン!・・・!ボクの勝ちだ、聖!いくぞ、リバースカードを墓地に送り――「ゴブリン召集命令」発動!」

ゴブリン召集命令
魔法カード
自分フィールド上のカード一枚を墓地に送る。自分のデッキから、「ゴブリン」と名のつくモンスター一体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターが「ゴブリン突撃部隊」だったならば自分のデッキまたは墓地からから装備魔法カード一枚を手札に加えてよい。
「スカゴブリン」だった場合、自分のデッキから「スカゴブリン」を2体まで自分フィールド上に特殊召喚できる。また、この方法で特殊召喚された「スカゴブリン」

3体を生贄にささげることで、自分のデッキまたは墓地または手札から、「キング・オブ・ゴブリン」一体を特殊召喚できる。

「この効果で「ゴブリン突撃部隊」を攻撃表示で召喚!さらに効果により、「デーモンの斧」を手札に加えて装備!そしてガガギゴに攻撃!」

ゴブリン突撃部隊 攻撃力 2300 → 3300

聖 LP 1150 → 0

「くぅ〜、惜しかったぁ〜!もう少しだったよなぁ・・・」

「危ない危ない、今回はマジメにやられるかと思ったよ・・・・」

というかウォータードラゴンはいずこに(汗





第三章 『石屋医院』


数日後のこと――


――聖人たちの住む町の一角に存在するひとつの病院。その名を「石屋医院」。そこの待合室のイスにいる碧色の髪を後ろでまとめてポニーテールにした少女がいる。

――彼女の名は『リオラ』。見たところ15ほどの体格をしている。

ふと、診察室への扉が開く。そこから看護婦の「リオラさ〜ん、お入り下さい」との声が聞こえた。

彼女は本来、『存在するはずのない存在』だった。なぜならば、ペガサスに対する黒虎の造反が彼女を生んだに等しかったからだ。無論、そんなことなどまったくしらない石屋医院の次男、目次郎は彼女の結膜炎を診察し始めた。

――彼女の結膜炎は結膜炎ではなかった。それは彼女が『造られし存在』であるから・・・今この現実に存在し得ない存在であるからだ。

診察が終わり、診察料等を払い終え、外に出たリオラは、ふと自分の生誕に関して思い出していた。自分の生誕はペガサス――『造物主』によるもの・・・。

彼は彼女にこう指示した――「私たちを裏切り――魔神をつくりし悪魔――”黒虎”を倒すのデス」と――。



その一方で「石屋医院」の真西にある古い建物、黒虎の隠れる場所でも当然動きがあった。黒虎はリオラの存在はしっかり確認しておいた。

「ペガサスも――なかなか手の込んだ真似をするじゃないか・・・。まさか、生命(いのち)を持たぬ存在までも創造するとは・・・。クク、ならば――私も迎え撃とうではないか・・・。そして思い知らせてやろう――この私に刃向かうことがどれほど愚かしいかをな。」

黒虎の目の前で――何かのプログラムが作動する。

『コノプログラムヲ、ジッコウシテヨロシイデスカ?』との注意書きが画面に現れる。しかし黒虎は迷うことなくそれを実行した。元々このプログラムは・・・ペガサスサイドとの戦いのために造ったようなものであったからだ。

「クク・・・ペガサスよ・・・この戦いこそが――貴様の栄光を滅ぼす戦いとなるのだ!フハハハハハ!」

画面にはしっかりと『プログラムジッコウマデノコリ240ジカンデス。』と表示されていた。


リオラが病院を出てから約10分後、聖人が風邪を引いた聖を連れて石屋医院へと足を運んだ。ほかの器官はサッパリらしいが、石屋兄弟それぞれのもつスキルはかなりのものらしいし、その上値段も安い。土日や祝日は結構人がくるそうだ。

「あ・・・あにぎぃ〜・・・」

「お、お前・・・それ重症じゃないか!?」

酷くうなだれる聖。風邪としては結構重症っぽかった。これはいくら安くても値段は少し張りそうだと、聖人は覚悟を決めた。

院内は、平日ということでさほど人はいないように感じた。しかしここでまた、数日前のような違和感に襲われる。

「(おかしい・・・一度来た事あるような感じだ・・・幼い頃からの不運のせいで近くの大病院しか行った事ないはずなのに・・・)」

「あにぎ・・・はやぐ・・・じてぐれぇ・・・」

「あ、あぁ。すまない。」

聖に急かされ、診察を依頼する。ほどなくして、聖の番が回ってきた。


「ふぅ。聖が風邪を引くとは思ってなかったな。今までだって引いたことなかったのに。」

家に戻り、聖を横にならせたところでぼやく。



恐怖のプログラム実行までのこり・・・73時間38分――





第四章 『終焉の祈り』


恐怖のプログラムは実行の時を待つ。残り25時間。


リオラはいつものように石屋医院に通っていた。リオラも何も気づいていないわけではないが、ペガサスにきっちり口止めされているため、残り1日と迫ったプログラム実行に気がつく者はペガサスサイド以外誰一人として気がつくことは無かった。


ペガサスはと言うと、いつものようにキャンバスに向かっている。彼が直々に出向かないのは、M&Wの発展を心配してでのことである。

「これで35枚が完成デース。リオラたちはどうしているでショウカ・・・」

筆を置き、黒虎のプログラムに関して考えにふける。

「(あのプログラムは何なのデショウ・・・。せめて、ミレニアム・アイさえあれば・・・)」

いまさらながら、ミレニアム・アイがいとおしくなってきたペガサス。黒虎の姿さえ一瞬だけでも見れば見抜けるからであった。


――ジジ・・・ジジジ・・・


「!?ホワッツ?」

突然ペガサスの視界があたかもつながっていないテレビチャンネルのような感覚に一瞬なる。そして、まばゆい光に覆われるペガサス。眼をあけたとき、そこはキャンバスの前ではなかった。

「ここハ・・・」

見覚えのある景色。ペガサスの記憶では、あのとき以来来ていないはずだった。そう、"魔眼"を埋め込まれたあの日。

「――WHOOOOO!!」

「!?」

――ペガサスは、正面で悲鳴を上げて倒れこむ銀髪の男性を見たとき、時が止まったように感じた。左目から血を流すその男性は――紛れもなく『あのときの』自分――。

「な・・・何がどうなっているのでショウカ・・・!?」

――ジジジジ・・・

再び光に包まれる。次にいたのは・・・混沌の世界、いや、闇のゲームの空間。

「いくぜ!滅びの呪文――デス・アルテマ!」

高らかに攻撃宣言をする少年、そして崩れ行くサウザンド・アイズ・サクリファイス。

眼前に映っているのは・・・決闘者の王国でペガサスが遊戯にやられたまさにそのときだった。

――ペガサスは前に倒れこむ。

「ここは・・・・一体どうなっているのデスカ!?WHOOOOOOO!!」


一方、ペガサスが過去の幻想を見る少し前、聖人と聖はまたデュエルしていた。隣には直哉もいる。

「――行け!アビス・ソルジャー、都の力を得て、突撃部隊に攻撃!」

「させないね、リバースカードオープン、「ドレインシールド」!攻撃を無効にして回復だ!」

聖人 LP 2400 → 4400

「く・・・ターンエンド!」

「ボクのターン!アマゾネスの剣士でアビス・ソルジャーに攻撃!」

聖 LP 800 → 300

「さらに、ゴブリン突撃部隊を攻撃表示に変え、アビス・ソルジャーに攻撃!」

「くっはぁ、また負けたぁ」

「なんでアマゾネスの剣士の攻撃力じゃアビスソルジャーに足らないのに聖のライフが減るんだ?」

「・・・」

「・・・」


ジジ・・・ジジジ・・・


「!?何だ?」

聖人の眼前で、『過去の幻想』が始まる。目を開けた聖人が最初にいたのは列車内。


「これは・・・!?」

上にはチラシが張られている。『1992年8月4日――』

「1992年・・・!?それじゃぁこれは・・・13年前!?だとしたら・・・まさか・・・」

聖人が口に出しかけたその刹那、列車が横転し始める。――そう、この『過去の幻想』は3歳の時の列車脱線事故だった。

「うわ!」

聖人が宙に浮く。そして、次元は歪みだし、映っているのは飛行機の中。

「な・・・」

窓から下を覗いてみる。しかし、一面の雲によって覆い隠されていた。そして、機体が大きく揺れる。

聖人は思わず目を瞑ったが、開けたときに映った景色は、空中。

「なんだ!?ボクは・・・もしかして浮いて・・・?」

しかし次の瞬間、浮いているわけではないことに気がつく。

聖人はジェットコースターに乗っていた。目の前で9歳くらいの男の子がはしゃいでいる。

そして、頂点に達したコースターは勢いよくすべりはじめた。一番下でレールからはずれ、ジェットコースターは一回転する。

「(間違いない・・・これは9歳のときの・・・!)」





「ハ!」

聖人は突然現実に戻る。しかし、カードはデュエルしたときのままだし、聖と直哉が見当たらない。

しかし次の瞬間、目の前に二人が現れた。

「聖!直哉!よかった、無事だったか。」

「あ、ああ。兄貴も見たのか・・?その、なんていうか、記憶の世界を。」

聖に言われて、聖人はある予感がした。急いで玄関に向かい、春の体育祭をやっているはずの小学校へと急ぐ。

「な・・・なんだ・・これは・・・」

そこには、大量のシートや、本部席等が用意されているのにも関わらず、人っ子一人いない。

「一体何が・・・起きていると言うんだ・・・!!」



「クク・・・今頃はペガサスも記憶をさかのぼっているころだろうな・・・。しかし――よくできたプログラムだ。『Pray Of The End −終焉の祈り−』――通称『PTE』・・・。だが―――流石に記憶を持たぬ「ペガサスに造られし存在」は消せぬか。」

黒虎は微笑する。それもそのはず、ほぼ全ての人民がPTEによって記憶へと消され、この装置を使わなければ戻ってこれない状況にあるからだ。

「・・・・む?PTEの波が行き届いてない場所があるようだな・・・ふむ、童実野町――か。神の波動が妨害をしているわけか。所持者は――高校1年の少女か。――ホウ、この娘、魂を二つ、巧みな方法で持っているのか。だが・・・エジプトの三神など、私の混沌の三神に比べればゴミに等しい・・・・ククク・・・。――この町には4人か。一人はリオラ、残り3人は高校生ほどの男子か。クク、そんなものは恐れるに足らんか。」






第五章 『造られし存在との遭遇』


「だめだ、兄貴、こっちにはいねぇ!」

「こっちもだ、聖人!」

「あとは公園だけだ、3人で行こう!」


公園に一人ブランコをこいでいる少女――リオラは世界が過去に飲み込まれていることはとうに知っていた。

「(しかし――私一人の力ではどうにもできない――造物主さまが記憶に飲み込まれた今、私はどう黒虎を倒せばいいのか・・・)」

「いたぞ!!」

リオラははっと横を見る。3人の男子、聖人たちが公園でリオラを見つけたからだ。

「(記憶に飲み込まれていない・・・?まさか・・・黒虎の手先――?)」

リオラは「そうか」という顔をした後、ポケットからデッキを取り出す。

「黒虎の犬――私が倒す!」

「!!?黒虎!?」

聖人は初めて会った少女にいきなりわけのわからぬことを言われ、多少混乱した。

「とぼけたって私は惑わされない――世界を絶望に染めた悪魔――黒虎を倒すのだから!」

「兄貴、なにか――おかしくないか!?」

「く・・・教えてくれ、黒虎ってのがみんなを消したのか!?」

「そういって惑わすつもりですね・・・?生憎、そんな惑わしは効きませんよ・・・。」

リオラは聞く耳を持たない、と判断した聖人は、同じくデッキを取り出す。

「兄貴・・・!」

「そっちがその気なら――わからせてやるまでだ!」

「ずいぶんな自信ですね。そんな余裕でいて、私に勝てるつもりでしょうか?」

「黒虎だか黒シャチだかしらないけど、受けてたつよ!」


『デュエル!』

聖人 LP 4000 VS リオラ LP 4000

「私の先攻!ドロー!リバースカードを二枚セットし、「デーモン・ソルジャー」を攻撃表示!ターンエンド!」

場に攻撃力が1900と高い悪魔が出される。

「ボクのターン!」

「(あのリバースカードはおそらく攻撃をトリガーにするもの・・・ならば)リバースカードを一枚セットし――魔法カード、「大嵐」!」

「!?そんなことすれば自分のカードまで――」

リオラがその続きをいいかけたとき、聖人のライフが1000回復し、場にモンスターが特殊召喚される。

聖人 LP 4000 → 5000

「な!?」

「リバースカードは「緑樹の恵み」――伏せてあるこのカードが破壊されたとき、ライフ回復とともにレベル5以下のモンスター一体を特殊召喚できる!」

緑樹の恵み
罠カード
伏せてあるこのカードがカードの効果で破壊されたとき、1000ライフ回復し、手札からレベル5以下のモンスターを一体特殊召喚してもよい。

「く、それを狙いながら私のリバースカードも――!」

「ボクが特殊召喚するのは――「レッサー・デーモン」!」

場に筋肉質な悪魔が出される。その攻撃力は2100と、デーモン・ソルジャーを上回る。

「――行け!レッサー・デーモンの攻撃!」

デーモン・ソルジャーがブレスで倒される。同時に、デーモン・ソルジャーの魂も吸い取られた。

「レッサー・デーモンが戦闘で相手モンスターを破壊したとき――そのモンスターを除外する!」

リオラ LP 4000 → 3800

「く・・・」

「ターンエンド。」

「私のターン。魔法カード「強欲な壷」を使用し、カードを2枚ドロー!さらに、リバースカードをセットし、「聖鳥クレイン」召喚!」

「(もとより、このリバースカードはブラフ――クレインを戦闘で破壊させる――)」

「ターンエンド。」

「ボクのターン!魔法カード「サイクロン」!リバースカードを破壊し――」

「チェーン発動!「現象A」!」

現象A
速攻魔法
1000ライフを払い、自分の手札からモンスターを一体捨てて発動。お互いの除外されたカードを全て持ち主の墓地にもどす。

「何を狙ってるのかしらないけど、クレインに攻撃!」

リオラ LP 2800 → 2300

「ターンエンド。」

「私のターン。――あなたは私の策略に溺れましたね――墓地からデーモンソルジャーの魂とカオス・マジシャンの魂を除外し――出でよ、「カオス・ソーサラー」!」

「何!?」

墓地から白い球体と黒い球体が浮き出し、合体!そこから、魔術師のようなモンスターが現れた。



聖人 LP 5000  リオラ LP 2300


聖人 手札4枚
レッサー・デーモン
リオラ 手札1枚
カオス・ソーサラー



第六章 『混沌と異次元の洗礼』


「カ・・・カオス・ソーサラーだって!?」

カオス・ソーサラーは現禁止カードのカオス・ソルジャー −開闢の使者−を一回りか二周り弱くしたようなカードだ。しかし、相手モンスター一体を裏のまま除外できる効果は強力だ。

「(ふぅ、本当は現象Aはブラフで伏せたんですが――なんとかなりましたね)カオス・ソーサラーの特殊効果発動!」

レッサー・デーモンが混沌に飲み込まれていく。しかし、今ので魔力をかなり使ったようで、カオス・ソーサラーは攻撃できないようだ。

「――さらに!カオス・ソーサラーは特殊召喚扱いなので、手札からクリッター召喚!ダイレクト・アタック!」

「ぐぁぁ!」

聖人 LP 5000 → 4000

「ターン終了!」

「ボクのターン!(でも、これで彼女の手札は尽きた!加えてボクの手札は5枚、除去もできるからいける!)リバースモンスターとリバースカードをセットしてエンド!」

「(リバースモンスター――これはリバース効果を持つモンスターの可能性が高い――けれど除外効果を使うと何か使われる可能性がある――)ドロー!」

ドローカード: コマンド・サイレンサー

「(これではない――)リバースカードを一枚セット!さらに、カオス・ソーサラーの除外効果発動!」

「カウンタートラップ!手札を一枚捨てて「天罰」!」

「(やっぱり来ましたか――!)」

カオス・ソーサラーに雷が落ちる。カオス・ソーサラーは丸こげになって破壊された。

「(クリッターで攻撃すれば返り討ちに遭う可能性は否めない)クリッターを守備表示にしてターンエンド。」

「(危ない危ない、モンスターは「イビー」だから死んでたかもな――)ドロー!」


ドローカード: 月の書

「リバースカードを一枚セット、そして「イビー」を生贄に――「人造人間 −サイコ・ショッカー−」!」

「(サイコ・ショッカー――攻撃は一発なら防げますけど、そう何度も受けられませんね)」

「攻撃!電脳エナジー・ショック!」

サイコ・ショッカーが両掌の間に黒い電気を帯びたような塊が生み出される。トラップを封印されているので対抗は難しい。

「――速攻魔法!コマンド・サイレンサー!攻撃を無効化し、一枚ドロー!」

「く、かわされたか――ターンエンド!」

「私のターン。・・・!(あと一枚!)手札から「ご隠居の猛毒薬」を使って、ライフポイントを1200回復!」

リオラ LP 2300 → 3500

「さらに、リバースカードをセットしてターンエンド。」

「また彼女の手札が尽きたな・・・まぁいい、攻撃!」

今度こそクリッターがやられる。リオラがデッキから何かを手札に加えた。

「(あれはリバースモンスターか魂を削る死霊のような類のモンスターである可能性が高いな。)」

「ドロー!」

ドローカード: 現象B



第七章 『襲い来る怪現象』


ドローカード: 現象B

「(揃った!)私は手札から現象Bを使用します!」

現象B
速攻魔法
このカードは自分の墓地に「現象A」がなければ発動できない。次の自分のスタンバイフェイズまで、相手は場の魔法・罠・モンスターの効果を使用及び適用することができない。

「何!?」

――ヴゥゥゥゥン

「!!」

何かで閉じ込められたような音。どうやら磁場みたいなもののようだ。

「リバースカードをセットしてターンエンド。」

「ボクのターン、ドロー!(えぇい、行くっきゃない!)ショッカーでダイレクト・アタック!」

「ふふ、これこそが私のデッキ最強の切り札!「現象C」!安心してください、もう現象系はありませんので。」

現象C
速攻魔法
このカードの発動と効果は無効化されない。このカードは自分の墓地に「現象A」と「現象B」が存在するとき、2000ライフを払って発動。
発動ターンのみ、お互いの全ての表側表示モンスターのコントロールを入れ替え、このカードのコントローラーのバトルフェイズを行うことができる。(自分の場にモンスターが存在していなくても発動可)相手の攻撃宣言に対して発動した場合、コントロールを入れ替えたあとで、そのモンスターの攻撃力を2000ポイントアップさせ、自分が新たに攻撃対象を選択し、同様の処理を行う。ターン終了時、このカードのコントローラーは入れ替えたモンスターの総攻撃力の半分のダメージを受ける。相手の攻撃宣言に合わせて発動していた場合、攻撃したモンスターの攻撃力分のダメージを受ける。

「私のライフは残り1500ですが――そんなの、このターンで決めてしまえば何の問題もありませんよ。」

「――ふ〜ん、要するにこれは戦闘ダメージなんだね?」

「まぁ、そうなりますが、どうせ現象Bの効果で何もできないでしょう?」

「ふ、そいつはどうだろうな。現象Bの効果には限度がある!それを利用してやる。」

「ふ、負け惜しみですね、あなたの残された一枚の手札で何をするつもりでしょうか?」

「それがさ、こんなのがボクの手札なわけだよ。」

聖人 手札 クリボー

「・・・・?それが現象Cの弱点だとでも?現象Bの効力で何も発動できないはずですね?」

「果たしてどうだろうな、現象Bの効果を読み直してみることだね。」

現象B
速攻魔法
このカードは自分の墓地に「現象A」がなければ発動できない。次の自分のスタンバイフェイズまで、相手はの魔法・罠・モンスターの効果を一切使用及び適用することができない。

「・・・!!!」

「そういうことだよ。よって、自分のバトルフェイズとして処理するこのカードに対しては――問題なくクリボーの効果が適用できるね?このターン、ボクがエンド宣言をしたならば、キミは4400のダメージを受けることになる。よって、ボクの勝ちだよ。」

「よっしゃ、兄貴の勝ちだ!」

「く――黒虎の手先に倒されるなんて・・・・ペガサス様――申し訳ありません・・・」

「で、その黒虎ってなんなのさ。」

「まだシラを切ってい・・・!!?」

リオラは言いかけてやめた。聖人の瞳に怒りが見えたからだ。

「――いいでしょう。話しますよ。黒虎のことを。」

その目に少し気圧(けお)されたリオラは話し始めた。


黒虎は孤立無援の盗賊だった。彼は腕がかなりよく、ちょくちょく富豪の家に忍び込んではお宝を盗んでいた。

あるとき、彼はペガサスの財宝を奪おうとペガサスの屋敷に忍び込んだ。しかし、彼はあろうことかヘマをし、捕まってしまった。


「コラァ!貴様、ペガサス様の屋敷に不法に侵入し、何をするつもりであった!はけぇ!」

「ガ!」

警備員風の非常にゴツい男が黒虎の腹を思い切り蹴る。黒虎は鮮血を吐いた。

「ストロング様、ペガサス様がいらっしゃいました。」

「うむ。このゴミは私とペガサス様の二人で始末する。貴様はもういいぞ。今日はお手柄だったな。」

「ハ!ありがとうございます!」


「――ホウ、ではあなたは私の宝に目がくらんだわけデスネ?」

「ああ、そうさ。け、どうせ俺は孤立無援の盗賊さ。煮るなり焼くなり好きにするがいいさ。」

「では――私とゲームをしまショウ。」

「――ゲーム・・・だと?」

「そう、M&Wのデス。」

黒虎はそのゲーム名に聞き覚えがあった。今世界中で大人気のカードゲームだったので、ちょくちょく見るからだった。

「勝てたら――この事件を見なかったことにし――ここにあるお宝を全てあげまショウ。ただし、あなたが負けてしまった場合、私の部下になってもらいマショウ。」

「――それは本当か?」

黒虎は自分の立場を忘れるほどに興奮した。

「いいだろう・・・やってやるよ!!」


――結果、黒虎は敗北した。まるで自分の手の内がさらけだされているかのように対処されていく。彼の義眼が妖しく光るたび、彼は見透かされている感覚がした。


そして数年後、ペガサスが遊戯に敗北した後、彼の「ミレニアム・アイ」が何者かによって抜かれたという話を聞き、黒虎は造反を決意した。

彼は4枚のカードを作り出した。一枚は邪念としての、3枚は魔神を――。


黒虎の造反は成功した。以後、ペガサスは何度か黒虎の居場所を突き止めたものの、いつも逃げられていた。そこで彼は、PTEのことを知ったのだった。

どんな効力をもたらすのかはまったく不明だったが、警戒をしたペガサスは生命を持たぬ存在を生み出した。自分の代わりに黒虎を見つけ出し、黒虎を倒すことを祈って。

しかしそのプログラムは今日起動した。そのプログラムはまさしく終焉を呼ぶもので、生けとし生ける者全てを記憶へと引きずり込み、消してしまう。

どこからそんな力を引き出しているかといえば、黒虎が作った4枚のうちの一枚、邪念そのもののカードだった。



第八章 『邪念、そして悪夢』


「そんなことが・・・」

「彼の作り出した邪念そのものとしか形容し難いカードはかなりの負のエネルギーを持ちます。方法はわかりませんが、そのエネルギーをプログラムの糧としているようです。そのプログラムは、全世界を覆うほど凄まじい波動を持つわけですが、それによって浪費するエネルギー量よりも、その負のエネルギーは強いということです。」


「でも、だったらなんで俺たちだけ記憶に飲まれても戻ってこれたんだ?」

「それに関してはわかりません。何かあるのかもしれませんから。」

「そうか。――ん?あれって・・・人?」

聖の目の先に黒いジャンパーのようなものを着た人がいる。聖の顔が一気に明るくなった。

「人だ!まだいるぞ!」

男はこちらを向いた。リオラをそれをみて少し固まった。聖が残り2メートルくらいまで近づいたところでリオラはわれに返って叫ぶ。

「――!!聖さん!戻っ・・・!」

もう遅かった。聖は男から裏拳を食らって少し飛んだあとだった。

「聖!!?」

「――ふん、やはり高校生程度では何もできんようだな。この程度では話にならん。なぁ、これがPTEをかわした連中か・・・?リオラァ・・・。」

「く・・・黒虎・・・!!」

「ハ、様子を見に来る必要など微塵もなかったようだな。この程度ならば、待機していたほうよかったな。無駄骨にも等しい・・・。クク。折角最大限の邪念をこめたカードからエネルギー注入をしているというのに波動が行き届かない場所があればあまり意味をもたん。」

聖は右頬にモロに受けたらしく、口から少し血を出していた。

「ち・・・ちくしょう・・・」

「聖、あまりしゃべるな。――直哉、聖、頼んだ。」

「あ、ああ・・・」

聖人が黒虎に歩み寄る。一見落ち着いていそうだが、その目には怒りの闘志が湧き上がっていた。それに気がついたのは聖人の前方にいたリオラと黒虎のみであった。

そして、立ち止まったとき、デュエルディスクを取り出してデッキを装着して構えた。

「――おいおい、やめておけ。貴様如きではこの私に勝つことなど敵わぬ。私とデュエルしたければ、今度にすることだ。」

黒虎はローブを翻していこうとする。そこをさらに聖人が回り込んで止めた。

「しつこいぞ。私は貴様らの相手などしている暇はない。」

「だったら、少しは話していけ!後でお前のところに直接向かって叩きのめしやる・・・!!」

「――ち。」

黒虎はしつこい聖人に観念したのか向きなおした。

「いいだろう。冥土の土産だ。どうせ貴様らはもうすぐ記憶の彼方へと消え失せるのだから――な。」

「・・・」

「まぁ、PTEに関して話してやろう。おおよその話はリオラから聞いていることだろうからな。あのプログラムは現在起こっている通り、全ての人民を自身の持つ悪い記憶の世界へと消し去り、再びその悪夢を味わってもらったあとに、全員共通の空間へと飛ばすものだ。どうして貴様らが戻ってきたかはしらんが、貴様ら以外誰も戻ってこないのは、PTEの力でその世界に閉じ込められているわけだ。即(すなわ)ち、このプログラムに対し、記憶から開放するように命令信号を送らない限り、人民どもは宇宙に似た膨大な記憶の空間を彷徨うことになる。もちろん、早く救わないと、餓死やらが起こるだろうな。クク・・・。おしゃべりが過ぎたな。私はそろそろ帰るとしよう。人民を救いたいならば、私を倒しにくることだ。」

「ま、待て!」

聖人が追いかけようとすると、黒虎は目の前にあるガランとした写真専門店の2階のベランダに飛び乗り、そのまま去っていった。

「く・・・」




第九章 『目と口と鼻と』


「聖人さん、黒虎はおそらくここから北西地点の廃墟にいるものと思われます。怒る気持ちもわかりますけど、ここは抑えて、冷静にいきましょう。」

「・・・・」

聖人たちのいる公園は石屋医院の南の方角にあり、医院の西が黒虎のいる廃墟。そこは聖人たちも知る廃墟だった。

「とりあえず、聖さんの手当てが先です。私は医療も少々できるので、石屋医院に行って治療しましょう。」

「――うん。」



一方、聖人たちが石屋医院に向かい始めたころ、黒虎は廃墟についていた。屋根から屋根へと飛び移っていったようである。

「あの程度の餓鬼ども、恐れるにたらんが何をしでかすかわからん。ちょうどいい、石屋兄弟!」

『ハ!』

「やつらを始末してこい。今、お前達の医院に向かっているようだ。――言っておくが、これは新入りの貴様らのテストでもある。叩きのめして来い。」

『ハ!』

「叩きのめしたら奴らがなぜ『過去の幻想』を抜けたのか調べて来い。何か欠陥がある可能性も否めん。」

『ハ!』

三人そろって全く同じ返事を行う石屋兄弟。彼らは、石屋医院のオーナーで、それぞれ自分の専門分野をコンセプトとするデッキを持っていた。。


「ついた。聖、大丈夫か?」

「ああ、なんとか・・・」

リオラは予め医療道具の場所を知っているかのように奥に行って医療道具を持ってきて手当てを始めた。

裏拳を食らったといっても歯が折れているわけでもないため、シップ等ですみそうな感じであった。

「兄貴、その――黒虎は、俺らをそのままほったらかしにすると思うか?やつなら、部下でももってて、それをよこしてきそうな気がするんだ。」


「フーハハハハ!その通りじゃ!」

「黒虎様はわれらに絶対的信頼を置いているのじゃ!」

「PTEを抜けた餓鬼どもを放っておくと思うかこわっぱめが!」

まるで心がひとつになっているようなコンビネーションな3人の老人の声が医院に響く。

「わが名は石屋兄弟長男――口一郎!口の力をみよ!」

「同じく次男――目次郎!目の力は最強なのじゃ!」

「同じく三男――鼻三郎!鼻こそ最高!」

「な、なんだ・・・敵か!?」

「・・・!石屋兄弟!まさか、黒虎の部下!?」

「フハハハハ!そうじゃ、黒虎様より、貴様らの撃墜命令が下ったのじゃ!」

「われらとのデュエルに負けたら記憶へと飛んでもらおうか!」

「リオラの存在に関しては随分前から気がついていたワイ。主が結膜炎の治療と称してきたときからな!」

「――黒虎って人望厚いのかなって一瞬思っちゃったじゃないか・・・黒虎もこんなうるさい連中従えるのも大変そうだな・・・。言いたいこと直に言ってもらわないと作者の腕が疲れるだけだよ(ぁぁ」

『ガーン!』

「と、とにかくデュエルじゃこわっぱめが!」

「ワシらを怒らせたなこわっぱめが!」

「負けても泣きをいれるなよこわっぱめが!」

「う、うるさい!」

頭を抱える聖人。いきなりこんなうるさい連中が着たから当然であった。


組み合わせ

聖 VS 目次郎

リオラ VS 鼻三郎

聖人 VS 口一郎


「あの〜、俺は?」

直哉が6人に尋ねる。

「直哉は見物しててくれ!」

「・・・」


聖 VS 目次郎サイド

『デュエル!』

聖 LP 4000 VS 目次郎 LP 4000

「ワシの先攻!ドロー!手札から「ブレード・アイ」を召喚、リバースカードを一枚セットしてターンエンド!」

ブレード・アイ 悪魔族/闇
★★★★ 
ATK 1900 DEF 1900
このカードは召喚、反転召喚、特殊召喚されたターンに攻撃できない。また、自分フィールド上にこのカードと同名のモンスターがいて、すでに攻撃宣言を行っている場合、このカードは攻撃できない。

「(いきなりかなりステータス高いのきたな・・・)俺のターン!伝説の都 アトランティスを使用し、リバースモンスターをセット、ターンエンド!」

「ワシのターン!ブレード・アイを生贄に「ゾンビネス・アイ」を召喚、効果を使用する!」

ゾンビネス・アイ アンデット族/闇
★★★★★
ATK 1750 DEF 1800
このカードの生贄召喚に成功したとき、デッキまたは手札から「ブレード・アイ」一体を特殊召喚できる。この方法で特殊召喚された「ブレード・アイ」はこのターン攻撃することができ、攻撃力・守備力が300ポイントアップする。また、フィールド上に「ブレード・アイ」が存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選ぶことができない。

ブレード・アイ 攻撃力 1900 → 2200 守備力 1900 → 
2200

「――さらに、伏せておいたマジックカード、シールドクラッシュを使うわい。」

「!!!」

リバースモンスターは「黄泉へ渡る船」。光線によって砕かれ、効果発動のできないまま墓地送りとなった。

「ブレード・アイのダイレクト・アタック!!」

ブレード・アイの見た目はモンスター・アイに扇風機の扇のような刃を複数枚とりつけたみたいなもので、それが回転してあたかも丸ノコのように襲ってくる!ソリッド・ビジョンでもかなり怯みそうな描写だ。

『殺戮魔扇剣』!!

「ぐぁぁ!」

「さらにゾンビネス・アイのダイレクト・アタック!」

『ゾンビネス・ブレス』!!

「ぐ・・・」

聖 LP 4000 → 50

「どうしたのじゃ?もうここまで削られてしまったのう。ファッファッファ・・・。リバースカードをセットしてターンエンドじゃ。」

「ぐ・・・こいつ、みかけによらずかなり強い・・・」


聖 LP 50 手札5枚
場 何もなし
フィールド魔法 伝説の都 アトランティス
目次郎 LP 4000 手札2枚
ブレード・アイ(攻2200) ゾンビネス・アイ 伏せカード一枚



第十章 『盲点』


「く・・・ドロー。」

目次郎のライフは4000。聖のライフは50。聖は兄とのデュエルでもないような超危険状態に追い込まれた。

「(さて、俺の残り5枚の手札は「巨大化」・「エネミーコントローラー」・「レクンガ」・「サイクロン」・「デビルズ・サンクチュアリ」・・・こっからどうするか・・・とりあえずサイクロン使うか。)速攻魔法サイクロン!伏せカードを破壊!」


伏せカードは――誘惑のシャドウ。流石目系カード使い・・・。

「(さて、レクンガとデビルズトークンなら耐えられるっちゃぁ耐えられるけど維持コストとか戦闘ダメージもあるからな・・・ここはコントロールを奪って巨大化つけてレクンガ召喚して一気に攻めるか)手札から「デビルズ・サンクチュアリ」発動!さらに、デビルズトークンを生贄に速攻魔法「エネミーコントローラー」!!ブレード・アイのコントロールを奪う!そして、ブレード・アイに巨大化を装備し、レクンガを召喚、ブレード・アイでゾンビネス・アイを――」

ブレード・アイ 攻撃力 1900 → 2200 → 4100

「(クク、ワシの手札には「メタル・アイ」がある・・・「ゾンビネス・アイ」か「ブレード・アイ」が戦闘で破壊され、そのバトルフェイズ中に直接攻撃を受ける時に特殊召喚される・・・さらに守備力2500の壁、そして巻き戻しも発生させない。これでやつの負けだ。)」

「攻撃!」

『殺戮魔扇剣』!!

勢いよくブレード・アイが回転しだし、ゾンビネス・アイに向かっていく―――のだが、途中で軌道を変えて、目次郎へと向かっていく。

「なんじゃ!?なぜワシに向かう!?小僧は確かに『「ブレード・アイ」で「ゾンビネス・アイ」を攻撃』といったはずだ!」

「(・・・・??)は、ハハハ、お前、テキストくらいちゃんと読めよ!」

聖の顔は無理をしているようでひきつっている。一方目次郎はゾンビネス・アイの能力を復唱し始めた。

ゾンビネス・アイ アンデット族/闇
★★★★★
ATK 1750 DEF 1800
このカードの生贄召喚に成功したとき、デッキまたは手札から「ブレード・アイ」一体を特殊召喚できる。この方法で特殊召喚された「ブレード・アイ」はこのターン攻撃することができ、攻撃力・守備力が300ポイントアップする。また、フィールド上に「ブレード・アイ」が存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選ぶことができない。

「・・・・・・・!!」

ソリッドビジョンが復唱中の目次郎に近づいていく。

「グ・・・・グハァ!」

目次郎 LP 4000 → 0

目次郎が復唱し終わった時、ちょうどブレード・アイが彼を刻んだ。


・・・・どうしてなのかは読者のみなさんでお考え下さい。といっても実に簡単なことなので。


リオラ VS 鼻三郎サイド

「ワシの先攻!ドロー!ワシは「ブラックノーズ」を召喚、さらにリバースカードを2枚セットしてターンエンド!」

ブラックノーズ LV3 植物族/地
★★★
ATK 1500 DEF 1450
このカードは相手ターンに一度だけ、裏側守備表示にすることができる。このカードの反転召喚に成功したとき、デッキから同名モンスターを一枚手札に加えてよい。また、攻撃表示のこのカードが相手モンスターからの攻撃によって破壊されたとき、手札を一枚捨てることで、デッキまたは手札から「ブラックノーズ Lv6」を一体特殊召喚してもよい。

「私のターン。「デーモン・ソルジャー」攻撃表示、リバースカードを一枚セットしてブラックノーズに攻撃!」

鼻三郎 LP 4000 → 3600

「クク、ブラックノーズが攻撃によって倒されたとき、進化して場に現れるのだ!」


ブラックノーズ LV6 植物族/地
★★★★★★
ATK 2350 DEF 2200
このカードは通常召喚できない。「ブラックノーズ LV3」の効果でのみ特殊召喚が可能。攻撃表示のこのカードが相手モンスターからの攻撃によって破壊されたとき、手札を1枚捨てることでデッキまたは手札から「ブラックノーズ LV8」を一体特殊召喚してもよい。また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊したとき、手札を一枚捨てることでデッキまたは手札から「ホワイトノーズ LV2」を一体特殊召喚してもよい。

「ターンエンドです。」

「ワシのターン!くく、デーモンソルジャーよ、鼻の裁きで砕け散れぇ!」

『ブラックノーズ・シュート VER.2』!

リオラ LP 4000 → 3550

「く・・・」

「さらに!ワシは手札を一枚捨て――デッキより「ホワイトノーズLV2」を召喚!ダイレクト・アタック!」

ホワイトノーズ LV2 獣族/光
★★
ATK 1200 DEF 1300
このカードが相手に戦闘ダメージを与えたとき、手札を一枚すてることで、デッキまたは手札から「ホワイトノーズ LV5」を一体特殊召喚してもよい。そのモンスターはこのターン攻撃できない。また、「ブラックノーズ LV6」の効果でこのカードが特殊召喚されたとき、デッキから同名カードを一枚場に出してよい。ただし、そのモンスターはこのターン攻撃できない。

『ホワイトノーズ・シュート』!

「く、次から次へと・・・」

リオラ LP 3550 → 2350

「「ホワイトノーズ」の効果で「ホワイトノーズ LV5」を特殊召喚する。さらに、リバースカードオープン!「FOLM変化」!この効果で場に残ったホワイトノーズ LV2とブラックノーズ LV3とともに二体の鼻モンスターを生贄にささげ、進化させる!」

FOLM変化
通常魔法
自分の場の「ホワイトノーズ LV5」と「ブラックノーズ LV6」全てを指定して発動。指定したモンスターを含めた2体のモンスターを生贄にささげ、デッキまたは手札から「ホワイトノーズ Lv5」含めた二体につき「ホワイトノーズ LV7」一体、「ブラックノーズ LV6」含めた二体につき「ブラックノーズ LV8」一体を特殊召喚する。

ホワイトノーズ LV5 獣族/光
★★★★★
ATK 1800 DEF 2000
このカードは通常召喚できない。「ホワイトノーズ LV2」の効果でのみ特殊召喚が可能。このカードが相手に戦闘ダメージを与えたとき、手札を一枚捨てることでデッキまたは手札から「ホワイトノーズ LV7」を一体特殊召喚できる。そのモンスターはこのターン攻撃できない。

ホワイトノーズ LV7 獣族/光
★★★★★★★
ATK 2600 DEF 2550
このカードは通常召喚できない。「ホワイトノーズ LV5」の効果または「FOLM変化」の効果でのみ特殊召喚が可能。自分フィールド上に存在するこのカードと「ブラックノーズ LV8」を生贄にささげることで、デッキまたは手札から「クリスタル・ノーズ BLACK & WHITE CROSS」を一体特殊召喚できる。

ブラックノーズ LV8 植物族/地
★★★★★★★★
ATK 2800 DEF 3200
このカードは通常召喚できない。「ブラックノーズ LV6」の効果または「FOLM変化」の効果でのみ特殊召喚が可能。自分フィールド上に存在するこのカードと「ホワイトノーズ LV7」を生贄にささげることで、デッキまたは手札から「クリスタル・ノーズ BLACK & WHITE CROSS」を一体特殊召喚できる。

「フハハハハ!さらに「ブラックノーズ LV8」と「ホワイトノーズ LV7」を生贄に――出でよ!「クリスタル・ノーズ BLACK & WHITE CROSS」を一体特殊召喚する!」

クリスタル・ノーズ BLACK & WHITE CROSS 岩石族/光
★★★★★★★★★★
ATK 3500 DEF 3500
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の「ホワイトノーズ LV7」と「ブラックノーズ LV8」を生贄にささげた場合のみ特殊召喚が可能。1ターンに一度、サイコロを二回振ることができる。このとき、最初に振ったサイコロの出目よりも後に振ったサイコロの出目のほうが大きかったとき、その差分、相手のフィールド上または手札(両方指定も可)からカードを墓地に送ることができる(足りない場合、あまった数値×300ポイントのダメージを与える)。後に振ったサイコロの出目のほうが小さかったとき、その差×500ポイントのダメージを受けるか、差分だけ自分フィールド上または手札(両方指定も可)からカードを墓地に送る(足りない場合、あまった数値×400ポイントのダメージを受ける)。また、先に振ったサイコロの出目が1で、後に振ったサイコロの出目が6の場合、相手に2000ポイントのダメージを与え、相手の手札を全て墓地へ送る。先に振ったサイコロの出目が6で、後に振ったサイコロの出目が1の場合、自分のフィールド上のカード(このカード含む)と手札を全て墓地に送る。サイコロの出目が同じとき、このカードはそのターン攻撃できない。この効果は無効化されず、この効果に対していかなる効果もチェーンすることはできない。また、このカードはリバースモンスターの効果をうけない。

「行くぞ、クリスタルノーズの攻撃と共に効果発動!ノーズ・ザ・ダイス!」

出目 2  出目 1

「ち、ワシは500ポイントダメージを選択する。」

鼻三郎 LP 3600 → 3100

『マテリアル・デス・ノーズ』!!

「――リバースマジック、コマンド・サイレンサー!(く、この効果でこれが破壊されていたら負けていた―――!)」

「ターンエンドじゃ。」

「私のターン。」

ドローカード: ディメンション・ウォール

「(これだけでは破壊される危険性が伴う・・・既に手札に来ている現象Cも、現象Aのライフコストから考えるとご隠居の猛毒薬あたりがこなければ使えない――ならイチかバチか・・・)手札からリバースモンスターをセット、さらにリバースカードを一枚セットしてターンエンド。」

「クク、ワシのターン、リバースカードをセットし、ノーズ・ザ・ダイス!」

出目 4 出目 6

「フハハハ!2枚破壊させてもらおうか――貴様のリバースカードと手札一枚
じゃ!」

『スピア・デス・ノーズ』!

クリスタルノーズの水晶製の鼻が手札の一枚とリバースカードに突き刺さって破壊する。

「く、先攻2ターン目でこれだなんて・・・なんという速さ・・・!」

「攻撃!」

『マテリアル・デス・ノーズ』!!

「ふ、かかりましたね?リバースモンスターは「人食い虫」!クリスタルノーズを食い殺します!」

「――やはり最近の若いもんはダメじゃのう、よく見てみるがいい!」

クリスタルノーズに食いかかっていった人食い虫だが、あまりの硬さにはじき返されてしまった。

「――!?」

「ふん、クリスタルノーズはいかなるリバース効果も受けん!ターンエンドじゃ。」


「(ぐ、この人、予想外に強い――!!)」


リオラ LP 2350 手札3枚
場 何もなし

鼻三郎 LP 3100 手札1枚
クリスタル・ノーズ BLACK & WHITE CROSS  伏せカード二枚



第十一章 『水晶の鼻 黒と白の交差』


「フハハハハ!そんな虫程度で最強の鼻たるクリスタルノーズを破壊できるかこわっぱめが!」

「(私に残された手札は3枚。次のターン、効果によって壁が破壊される可能性も否めない。)」

手札: 洗脳 −ブレイン・コントロール−  魂虎  融合

「(洗脳してもリバースカードは二枚・・・何か対処される可能性が高い・・・しかし、奪って効果を使えばなんとかいけるかもしれませんね。ここはそれしか対抗手段がありませんし・・・)私はリバースモンスターとリバースカードをセットし、魔法カード「洗脳 −ブレイン・コントロール−」を使用!800ライフ払って、クリスタルノーズを洗脳!さらに、効果を使用します!」

「甘い!洗脳にチェーンし、威嚇する咆哮を発動!効果のみの使用になるのぉ。フハハハ!」

「ノーズ・ザ・ダイス!」

出目 5 出目 4

「フハハハハ!自滅するがいい!」

「(く、私の手札は0枚、ここは魂虎を墓地へ送り・・・・ん?)」

リオラはクリスタルノーズの効果を読み直した。

クリスタル・ノーズ BLACK & WHITE CROSS 岩石族/光
★★★★★★★★★★
ATK 3500 DEF 3500
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の「ホワイトノーズ LV7」と「ブラックノーズ LV8」を生贄にささげた場合のみ特殊召喚が可能。1ターンに一度、サイコロを二回振ることができる。このとき、最初に振ったサイコロの出目よりも後に振ったサイコロの出目のほうが大きかったとき、その差分、相手のフィールド上または手札(両方指定も可)からカードを墓地に送ることができる(足りない場合、あまった数値×300ポイントのダメージを与える)。後に振ったサイコロの出目のほうが小さかったとき、その差×500ポイントのダメージを受けるか、差分だけ自分フィールド上または手札(両方指定も可)からカードを墓地に送る(足りない場合、あまった数値×400ポイントのダメージを受ける)。また、先に振ったサイコロの出目が1で、後に振ったサイコロの出目が6の場合、相手に2000ポイントのダメージを与え、相手の手札を全て墓地へ送る。先に振ったサイコロの出目が6で、後に振ったサイコロの出目が1の場合、自分のフィールド上のカード(このカード含む)と手札を全て墓地に送る。サイコロの出目が同じとき、このカードはそのターン攻撃できない。この効果は無効化されず、この効果に対していかなる効果もチェーンすることはできない。また、このカードはリバースモンスターの効果をうけない。

「なんじゃ、何を必死に確認しておる。早く自分のそのリバースモンスターを破壊するのじゃ。それとも500ポイントダメージを選ぶか?」

「・・・・!私が破壊するのは――――クリスタルノーズそのもの!」

「なんじゃと!?」

水晶製のクリスタルノーズが崩れていく。テキストには「自分自身を破壊できない」とはかかれていない。よってクリスタルノーズ自身を破壊できたのだった。

鼻三郎は完全に予想外だったらしく、口をパクパクさせて陸に上がった魚のようだ。


「ワ、ワシのクリスタルノーズが・・・・最強の鼻が崩れるというのか・・・?」

その目はもはや輝きを宿してはいなかった。そしてそのまま泡を吹きながら失神した。


聖人 VS 口一郎サイド

「ボクの先攻!ドロー!」

ドローカード: 攻撃の無力化

「ボクはアマゾネスの剣士を攻撃表示で召喚し、リバースカードをセットしてターンエンド!」

「ワシのターン。ワシは手札から「二つの口を持つ闇の支配者」を召喚!さらに装備魔法「悪魔の口づけ」を使用し、剣士に攻撃する!」

口一郎は攻撃力の低いモンスターでアマゾネスの剣士を破壊しにかかる。その攻撃力は900と弱いが、今は強化魔法で1600となった。

「リバースカードオープン!「闇の呪縛」!闇よりの鎖に縛り付けられたモンスターは攻撃力がダウンし、行動不能になる!」

二つの口を持つ闇の支配者 攻撃力 1600 → 900

「やるのぉ、じゃが――これにより、手札から「鋼鉄の口」を守備表示で召喚!」

鋼鉄の口(メタル・マウス) 岩石族/地
★★★★★
ATK 1000 DEF 2500
このカードは通常召喚できない。自分の場の「マウス」と名のつくモンスター一体が相手の魔法・罠の効果の対象となったとき、そのモンスターを生贄にささげることで手札から特殊召喚が可能。

「ターンエンドじゃ。」

「ボクのターン!ドロー!アマゾネスの剣士を生贄に――儀式魔法カード、「白竜降臨」!「白竜の聖騎士」を特殊召喚!さらに、この召喚は特殊召喚なので、ボクはさらに、闇魔界の戦士 ダークソードを攻撃表示で召喚!リバースカードをセットしてターンエンド!」

「ホウ、ならば「青眼の白龍」を所持していてもおかしくはないのぉ・・・なぜ召喚しない?」

「運が悪くて当てられなかったりしたからだ(泣」

「フハハハ、それは運がないのぉ、ではワシのターンじゃ。魔法カード「浅すぎた墓穴」を使うわい。互いの墓地より、モンスターを一体裏側守備でセットするのじゃ。わしは「二つの口を持つ闇の支配者」しかおらん。」

「ボクも、アマゾネスの剣士だけだ。」

「さらに、「鋼鉄の口」と「二つの口を持つ闇の支配者」を生贄に――「百獣王 ベヒーモス」を召喚!さらに――「ポイズン・ファング」を発動する!ベヒーモスでダークソードを攻撃!」

「させない!罠カード「攻撃の無力化」!」

次元のゆがみが発生し、そこに攻撃が全て飲み込まれる。

「ターンエンドじゃ。」

「ボクのターン!ボクは手札からフィールド魔法「フュージョン・ゲート」を発動!手札の「漆黒の闘龍」と「ダークソード」をフュージョンして――「闇魔界の龍騎士 ダークソード」を特殊召喚!そして「白龍の聖騎士」をフュージョンし――「混沌龍騎士」を召喚!」

混沌龍騎士(カオス・ドラゴンナイト) ドラゴン族/闇
★★★★★★★★
ATK 2800 DEF 2600
闇魔界の龍騎士 ダークソード + 白龍の聖騎士
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。また、このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの融合召喚に成功したとき、墓地から罠カードを一枚選択し、手札に加えることができる。このカードが戦闘で破壊したモンスターはゲームから除外される。このカードが墓地へ送られるとき、手札を1枚捨てることで、フィールド上に特殊召喚することができる。そうした場合、このカードの攻撃力・守備力は永続的に300ポイントダウンする。この効果によってこのカードの元々の攻撃力が1900以下となったとき、このカードを除外する。

「ボクは墓地から「闇の呪縛」を手札に戻す!さらに、混沌龍騎士で、ベヒーモスを攻撃!」

『カオス・セイクリッド・スピア』!

「ぐぉ・・・・」

口一郎 LP 4000 → 3900

混沌の力を帯びた槍で百獣王を貫く。その槍の先には魂のようなものも刺さっていた。

「このカードが戦闘でモンスターを破壊したとき、そのモンスターは除外される!」


「ヌゥ、こわっぱ、なかなかやりおうのぉ――久々に血が騒ぐわい!ワシのターン!」


聖人 LP 4000 手札1枚
混沌龍騎士
フィールド魔法 フュージョン・ゲート
口一郎 LP 3900 手札2枚
ポイズン・ファング



第十二章 『恐るべき大昆虫』


「ワシのターン!ワシは手札からアルティメット・インセクト LV3を召喚し――魔法カード「光の護封剣」を発動!」

混沌龍騎士と聖人を取り囲むように光の剣が現れ、動きを封じる。

「ターン終了じゃ。」

「ドロー。(相手の手札は一枚。こっちは二枚。使わずに行きたいんだけど・・・まぁ、一応)リバースカードをセットしてターンエンド。」

「ワシのターン、アルティメット・インセクトをLVアップさせる!出でよ――アルティメット・インセクト LV5!」

場のアルティメット・インセクトが大きくなって出てくる。攻撃力も上がっており、更なる効果もかねそろえている。

「混沌龍騎士に攻撃!」

「相打ちを狙うつもりか!ならば「闇の呪縛」で動きを止める!」

聖人は迷うことなく先ほど回収した罠を発動した。しかし口一郎はニタリと笑って、

「クク、やはりこわっぱはこわっぱじゃのぅ、ターンエンド。」

「(・・・・?)ボクのターン、ドロー。ボクはリバースモンスターを出してターンエンド。」

「ワシのターン、さぁ、姿を見せるがいい、究極の蟲よ、その偉大なる最終進化形態をな!」

「!!そうか、闇の呪縛で動きを封じられても笑ってられたのはこのため・・・!!口とはあんまり関係ない気がするけど・・・」

「バカモン!LV1の口は凄いがあれ単体では役に立たんのだ!」

「あ、そう・・・・」

聖人は疲れた様子で蟲を向きなおす。すると、かなり大きな昆虫が姿を見せた。

「攻撃力2600!!だが、混沌龍騎士には勝てないはず・・・」

「フ、貴様、何もわかっとらんな。このカードの永続効果により、貴様の場のモンスターの攻撃力は700ポイントダウンする!」

「な、なんだって!?」

「これで貴様の混沌龍騎士の攻撃力は2100・・・抜け殻のようなLv5に対し、闇の呪縛を使ったのは失敗だったな!やれぃ!大昆虫よ!」

アルティメット・インセクトは大きく羽ばたき、旋風で混沌龍騎士を切り刻んだ。

「ぐ・・・・」

聖人 LP 4000 → 3500

「手札を一枚捨てて龍騎士を蘇生させる!」

龍騎士が再び場に舞い戻る。しかし、鎧がところどころ欠けてたり、槍の先が刃こぼれしてたりと、戦闘能力が落ちているようだ。

混沌龍騎士 攻撃力 2800 → 2100 → 1800

「ターンエンドじゃ。」

「ボクのターン。」

ドローカード: 緑樹の恵み

「(ここでこれが来ても役に立たない・・・残り一枚の手札は取っておく必要があるからブラフで伏せよう・・・)リバースカードをセットし、混沌龍騎士を守備表示にしてターンエンド。これで光の護封剣は消滅する!」

聖人たちを囲んでいた光の剣は光を失って落ち、割れた。

同時に身動きもできるようになった。

混沌龍騎士 守備力 2600 → 2300

「ワシのターン。カードを一枚セットし――アルティメット・インセクトで混沌龍騎士に攻撃!」

再び刻まれる龍騎士だが、今回は手札を捨てず、蘇生させなかった。

「ターンエンドじゃ。」

「ボクのターン。(リバースモンスターは結局のところイビーだから即殺される。今のままじゃ何もできないな・・)ドロー。」

ドローカード:ゴブリン召集命令

「(よし!!)ボクはリバースカードを墓地に送って――ゴブリン召集命令を発動!手札から「スカゴブリン」を特殊召喚し、デッキからも同名モンスターを2体特殊召喚する!この3体を生贄に――出でよ、「キング・オブ・ゴブリン」!」

キング・オブ・ゴブリン 悪魔族/闇

ATK ? DEF ?
このカードは通常召喚できない。「ゴブリン召集命令」の効果でのみ特殊召喚が可能。このカードの攻撃力は、相手フィールド上の攻撃力のもっとも高いカードの元々の攻撃力の数値+1000ポイントとなる。このカードの守備力は自分フィールド上のもっとも守備力の高いモンスターの元々の守備力の数値+1000になる(どちらも裏側のカードは指定できない。)。この効果できまったこのカードの攻撃力守備力はこのカードが場を離れない限り上下しない。

「何じゃと!?」

「フィールド上でもっとも攻撃力の高いのはアルティメット・インセクト!よって攻撃力は3600ポイント。守備力の対象はいないので1000ポイントだ。そして、効果で上下しない!行け、キング・オブ・ゴブリン!」

「ぐぉぉ!」

口一郎 LP 3900 → 2900

「ふ、こわっぱめが、ベヒーモスに続き、アルティメット・インセクトまで倒すとは・・・流石に貴様らの中での最強デュエリストなだけはあるわい。むしろこうでもなければ歯ごたえがないわい。」

「お褒めの言葉どーも。こっちだって必死なんだからさ!ターンエンド!」

「素直じゃないこわっぱだのぅ!ワシのターン!ワシはリバースモンスターをセットし、リバースカードをセットし、ターンエンド。」

「ボクのターン。(これで手札は二枚。じゃんじゃん攻めるしかないな。)キング・オブ・ゴブリンでリバースモンスターを攻撃!」

「――させん!リバースカードオープン、「舌切り自殺」!」

舌切り自殺
速攻魔法
相手が自分フィールド上の裏側表示モンスターを攻撃したときに発動。そのモンスターを表にし、攻撃モンスターを破壊する。(リバース効果は発動しない)

「ゴブリン!?」

キング・オブ・ゴブリンは勝手に舌を噛み切って自害してしまった。

「うかつに攻めるからじゃ!リバースモンスターは「二つの口を持つ闇の支配者」二匹目じゃ。」

「く、リバースカードをセットしてターンエンド。」

「ワシのターン、リバースモンスターをセット、「二つの口を持つ闇の支配者」で守備モンスターを攻撃!」

「ぐ、返り討ちを気にしないのか!?」

イビーの守備力は750。攻撃力900の二つの口をもつ闇の支配者に倒されてしまった。

「そんなもの気にしてられんわい。ターンエンドじゃ。」

「ドロー!」

ドローカード:早すぎた埋葬

「(よし!)ボクは手札から「早すぎた埋葬」を発動!800ライフ払って墓地からモンスターを召喚する!」

聖人 LP 3500 → 2700

「再び舞い戻れ、「キング・オブ・ゴブリン」!攻撃力は1900だ!二つの口を持つ闇の支配者を攻撃!」

「グォォ!」

口一郎 LP 2900 → 1900

「リバースカードをセットしてターンエンド。」

「ワシのターン。――クク、ワシも使うぞ、早すぎた埋葬をな!」

「なに!?まさか――」

「そうじゃ、ワシが召喚するのは――アルティメット・インセクトLV7!」

口一郎 LP 1900 → 1100

「キング・オブ・ゴブリンに攻撃!」

「――かかったな!リバースカードオープン、亜空間物質転送装置!」

「なんじゃと?そんなことをすれば貴様のライフは絶望的になるぞ?」

「それでいい!」

聖人 LP 2700 → 100

「ターンエンドじゃ。」

「ボクのターン、舞い戻れ、キング・オブ・ゴブリン!そして、アルティメット・インセクトの攻撃力+1000の数値を再び得る!そして攻撃!」

「なんと!?ぐぉぉ!」

口一郎 LP 1100 → 100

「フフ、再召喚によって攻撃力を変えたのさ!」

「ふん、「肉を切らせて骨を断つ」とはよく言ったもんじゃのう!」

「ターンエンド!」

「ワシのターン、リバースモンスターをセットしてターンエンド!」



聖人 LP 100 手札1枚
キング・オブ・ゴブリン(攻3600)
フィールド魔法 フュージョン・ゲート
口一郎 LP 100 手札1枚
リバースモンスター 伏せカード一枚


第十三章 『決着!石屋兄弟!そして出発』


LPはお互いに100.どっちが勝ってもおかしくない接戦である。他の兄弟はあっさり終わったんだけど。

「ボクのターン、リバースカードをセットしてターンエンド。」

「ワシのターン、魔法カード「死者への供物」でゴブリン撃破!ターンエンド。」

かなり均衡している。キーカードを先に引いたほうが勝ちになることだろう。

「ボクのターン。・・・・!ボクの勝ちだ!リバースカードオープン、「死の演算盤」!さらに手札から魔法カード「シールドクラッシュ」!これでアンタに500ダメージだ!」

「ぬぉぉ、ワシは負けんぞぉ!罠カード「死霊のいざない」!引き分けにはもっていってやろう!フハハハ!」

「何!?」

聖人 LP 100 → 0

口一郎 LP 100 → 0

「今日のところは引き分けにしておいてやろうこわっぱめが!じゃが次はワシが勝つぞこわっぱめが!」

「くそ、なんてセコい奴だよ・・・次はボクが勝つからな!」

「次にワシと戦いたければ黒虎様の居城へ来い!ワシらが再度相手になってやろう。それまで負けるなよこわっぱめが!」


「みんな勝ったのか・・・・よかった。」

「ええ、私の場合、勝ったとは言いがたいんですけどね。」

「俺はちゃんと勝ったぞ。――なんでかはしらんけどさ。」

「じゃあ、今度はボク達g――」

「ちょっと待てぃ、俺の存在忘れんな!」

「いたのか直哉。影薄くて気づかなかったよ。」

「ガーン!」





CHAPTER1 後書き

初めての小説投稿にして長編作成です。楽しんでもらえたら幸いですけど、ちょこっとそこらへん不安ですね。
個人的にリオラVS鼻三郎戦が一番よかったと思ってます。クリスタル・ノーズがw

次回はCHAPTER2になります。楽しみに待っていてください。



CHAPTER2へ続く...



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