2009/12/06
ライトロードデッキを構築する 作成者:ヘルシー三郎さん
1.ライトロードデッキはなぜ強いのか
ライトロードデッキは各地の大会でも上位に入るなどの活躍を見せている強力なデッキです。
その理由を考えてみましょう。
(1)墓地を肥やす効果
ライトロードシリーズの多くは、デッキの上からカードを墓地に送る効果を持っています。
初心者の方は、デッキのカードが墓地に送られ使えなくなるというデメリットに見えるかもしれません。
しかし、これらの効果は「死者蘇生」をはじめとする蘇生カードと高相性なだけでなく、墓地に依存するカードが多い遊戯王OCGにとっては非常に有効な効果なのです。
ひっくり返せば、デッキ切れが起こるため、長期戦に弱いともとれます。
しかし、「裁きの龍」などの強力なカードのおかげで、長期戦になる前に決着を付けられるため、実際にデッキ切れになることは少ないのです。
(2)ライトロードシリーズ単体での強さ
詳しくは次の2章で述べますが、ライトロードシリーズは単体でも一定水準以上の強さを持っています。
そのため、デッキのモンスターをライトロードで統一しても、デッキ全体としての戦力が落ちる心配はまったくありません。これは大きな強みと言えます。
(3)切り札の圧倒的な強さ
ライトロードデッキの切り札は「裁きの龍」です。
魔法・罠・モンスター問わず破壊する全体除去と圧倒的な攻撃力を持ち、まさにライトロードの存在意義というべき切り札の圧倒的強さがこのデッキの強みでしょう。
(4)ライトロードシリーズ以外の補助カードとの相性の良さ
ライトロードデッキは、墓地にカードがたまりやすい性質を持つため、「貪欲な壺」が発動しやすいです。
また、モンスターが光属性で統一されているので、「オネスト」が強力な戦闘補助にもなります。
このように、ライトロードシリーズと高相性なカードが多いのも強みでしょう。
2.ライトロードシリーズの役割と強さ
ライトロードシリーズを単体で見た場合の強さを考察します。
(1)下級モンスター
- ライトロード・パラディン ジェイン
モンスター攻撃時「サイバー・ドラゴン」と同等の攻撃力を得られる強力な攻撃要員。
墓地を肥やす効果も持つのでライトロードデッキには2枚ぐらい枚欲しい。
- ライトロード・マジシャン ライラ
自身の効果で表示形式を変更することで魔法・罠破壊効果を持つ強力なライトロード。
墓地を肥やす効果も持っている上、攻撃力も1700と高めで、ライトロードデッキに2〜3枚投入は必然であろう。
- ライトロード・ウォリアー ガロス
ライトロードの効果でデッキのカードが墓地に送られると、さらにデッキの上から2枚墓地へ送り、この2枚の中にライトロードが含まれていればその枚数だけドローできる。
単体では効果は使えないものの、攻撃力が1850と高いので単純に攻撃要員としても使える。
あまりにドロー効果を狙いすぎるとデッキ切れの恐れがあるためライトロードデッキには1〜2枚あれば良い。攻撃要員が少ないと感じたら3枚投入もありか。
- ライトロード・サモナー ルミナス
手札1枚を墓地のレベル4以下のライトロードと入れ替えることのできる強力なライトロード。その場の状況に応じてライトロードを蘇生させよう。
また、手札に来てしまった「ライトロード・ビースト ウォルフ」の処理にも役立つ。
墓地を肥やす効果も持つのでライトロードデッキには2〜3枚欲しい。
- ライトロード・ハンター ライコウ
攻守は最低クラスだが、リバースすると、種類を問わずカード1枚を破壊でき、墓地も肥やせる強力な効果を発動する。
タイムラグがあるものの、戦闘で破壊が困難なモンスターを除去したりロックカードを破壊したりと汎用性は高い。
「抹殺の使徒」には弱くなるが、ライトロードデッキなら2〜3枚投入される優良カードであろう。
- ライトロード・ビースト ウォルフ
通常召喚できず、デッキから墓地に送られると特殊召喚されるライトロード。墓地を肥やす効果を持たないものの攻撃力も2100と高いのが魅力。
手札に来たとき役に立たないためライトロードデッキに投入するするなら1〜2枚が良いと思われる。3枚投入するなら「おろかな埋葬」などもデッキに投入することを検討しよう。
- ライトロード・プリースト ジェニス
守備力2100のライトロード。ライトロードの効果でデッキからカードが墓地に送られたターンのエンドフェイズ、相手に500のダメージを与え自分は500ライフを回復する効果を持つ。
守備力が高いため生き残りやすく、運良く効果を発動できれば「裁きの龍」の補助ができる。また、抹殺の使徒の狙いをライコウからそらすこともできる。
ケルビムのアドバンス召喚を重視するライトロードデッキなら2〜3枚あっても良いだろう。あまり重視しないデッキなら1枚あれば十分と思われる。
- ライトロード・ドルイド オルクス
表側表示で存在する限り、表側表示のライトロードを魔法・罠・モンスターを対象にできなする。墓地を肥やす効果も持つ。
対象を取る効果からライトロードを「次元幽閉」などから守れるが攻撃力が1200と頼りないので戦闘破壊されやすい。
守備力は1800あるがセットした場合は効果は発揮されない。また、自分も「閃光のイリュージョン」等を使用できなくなる。
攻勢時には役立つが守りに入っている時はあまり役にたたないのでライトロードデッキには1〜2枚で良い。
またこの効果は相手のライトロードにも及ぶのでミラーマッチになった場合はサイドデッキに移した方が良い。
- ライトロード・モンク エイリン
守備表示モンスターを攻撃した時ダメージ計算前にデッキに戻してしまうことのできる強力なライトロード。
「ドリルロイド」と同じくリバース効果モンスターを除く多くの守備表示モンスターを無力化できる。
さらにデッキに戻すため再利用されにくく攻撃力も攻撃要員としては最低限の1600を備えている。
墓地を肥やす効果も持つのでライトロードデッキには2〜3枚投入したい。
(2)上級モンスター
- ライトロード・エンジェル ケルビム
攻撃力2300でライトロードモンスターをリリースしてアドバンス召喚できればデッキの上から4枚墓地に送り、相手フィールド上のカードを2枚まで破壊する強力なライトロード。
アドバンス召喚するだけで相手に大損害を与え、さらにその攻撃力の高さで相手を追い詰めることができる優良な上級モンスター。ライトロードデッキには2〜3枚欲しい。
- ライトロード・ドラゴン グラゴニス
攻撃力2000で貫通効果を持ち、さらに墓地のライトロードの種類の数×300ポイント攻撃力を上げるライトロード。墓地が肥えるライロードデッキなら攻撃力3000を超えることも珍しくない強力な上級モンスター。
ケルビムとは違って直接的な損害を与えられないが自分のエンドフェイズ毎に墓地を肥やす効果も持っており、蘇生カードからの奇襲などケルビムにはない魅力を持つ。「裁きの龍」が来ないときに第二のトドメ役になり得る。
しかし、あくまで上級モンスターなので、ライトロードデッキには1〜2枚あれば良いと思われる。
- 裁きの龍
通常召喚できず、墓地にライトロードモンスターが4種類ある時のみ特殊召喚可能なライトロードデッキの切り札。攻撃力3000でライフを1000払えばこのカード以外を全て破壊する効果と自分のエンドフェイズ毎に墓地を肥やす効果も持っている。
長期戦の苦手なライトロードデッキには欠かせない切り札。その効果と高攻撃力で相手のライフを一気に削ることが可能だ。ライトロードの効果で墓地送られることが多いことや条件さえ満たせば何体でも出せること、ドローする確率を上げるためにライトロードデッキには可能な限り投入したい。
(3)魔法・罠
- ソーラー・エクスチェンジ
ライトロードの手札交換魔法カード。損失なく手札を交換できるだけでなく墓地を肥やす効果も持っている。
状況によって、役に立つライトロードと役に立たないライトロードがはっきり分かれる上(上級モンスターであるグラゴニスや通常召喚できないウォルフなど)、デッキ圧縮にもなるのでライトロードデッキには3枚投入したい。
- ジャスティス・ワールド
自分のデッキからカードが墓地に送られるごとにカウンターを1つ置き、その数×100ポイントだけライトロードモンスターの攻撃力をアップさせるフィールド魔法。カウンターを2つ取り除けば効果からの破壊を防ぐこともできる。
長期戦になれば大幅な攻撃力アップが可能になるが、速攻性がなくライトロードは長期戦が苦手なため今ひとつ使いにくい。
全体強化が狙いたければ「シャインスパーク」で十分だと思われるのでライトロードデッキには無理に入れるほどではない。
- ライトロード・レイピア
攻撃力が700ポイントアップするライトロード専用の装備魔法。デッキから墓地に送られた時でも装備できる効果も持つ。
ライトロードは高攻撃力のモンスターが多く、攻撃力アップの装備魔法はあまり重要ではない。相手が上級モンスターなどを出してきた場合は、ライコウなどで破壊するなどした方が効率は良い。従来の装備魔法の欠点もあり無理にライトロードデッキにいれるほどのカードではない。
- ライト・リサイレンス
ライトロードモンスターの効果で、デッキからカードが墓地に送られる毎に、相手のデッキの上からカード1枚を除外する永続罠。
非常に使いづらいと言わざるを得ない。その理由は、相手のデッキより先に自分のデッキがなくなること、相手に直接的な損害を与えれないこと、除外されたカードであっても再利用される危険があることなど、多数存在する。
したがって、通常のライトロードデッキには入りえないであろう。
- 閃光のイリュージョン
ライトロード専用の「リビングデッドの呼び声」レベル等制限なく蘇生できる上墓地を肥やす効果も持っている。
ノーコストで蘇生できるのはやはり魅力的。グラコニスを蘇生させたり、ライラ蘇生&ケルビムのアドバンス召喚など使い方は多彩。ライトロードデッキなら2〜3枚投入が望まれる優良な永続罠である。
- ライトロード・バリア
ライトロードモンスターが攻撃される度に、デッキのカードを上から2枚墓地に送ることでその攻撃を無効にする永続罠。ライトロードデッキなら墓地が肥やせる上に実質ノーコストで何度でも攻撃を無効にできる。
ただライトロードは攻撃力が高いモンスターも多く戦闘補助は「オネスト」や「ネクロ・ガードナー」などで十分な場合も多い。
よってケルビムアドバンス召喚を狙う場合のみ1〜2枚投入する程度で良いだろう。
- ライト・バニッシュ
自分のライトロードをリリースして発動し、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊するカウンター罠。
効果は「昇天の角笛」の劣化でしかないため「昇天の角笛」すら採用されることのないライトロードデッキには入りえないであろう。
- 光の援軍
デッキの上から3枚墓地に送って発動し、デッキからレベル4以下のライトロードを手札に加える通常魔法。
いわゆる墓地を肥やす効果の付いたライトロードの「増援」である。
ライトロードデッキにおいては状況に応じてライトロードモンスターを手札に加えることができるので汎用性は非常に高い。
攻撃要員のジェイン、ドローのガロス、魔法・罠除去のライラ、壁除去のエイリン、展開力のルミナス、万能除去のライコウ等状況に応じたライトロードを手札に加えよう。墓地も肥やすのでライトロードデッキには3枚投入は必須である。
3.ライトロードデッキと高相性なカード郡
ライトロードシリーズ以外でライトロードデッキと高相性なカードをまとめてみました。
(1)モンスター編
- オネスト:光属性で統一されたライトロードモンスターの戦闘を強力にサポートしてくる強力カード。
- 創世の預言者:墓地に送られた「裁きの龍」の回収に役立つモンスター。攻撃力も高く攻撃要員としても機能する。
- 魔導雑貨商人:墓地肥やしを加速させるリバース効果モンスター。短期決戦を狙うならこのカードの出番。
- ネクロ・ガードナー:攻撃無効効果を墓地で効果を発揮するのでライトロードと相性抜群。特にケルビムとは高相性。
- 黒光りするG:同じく墓地で効果を発揮するので相性が良い。相手がシンクロを使用しない場合は意味がないのでサイド向け。
- ガーディアン・オブ・オーダー:ライトロードの展開力と打撃力をさらに向上させる。「裁きの龍」と1ターンキルも狙える。
- カオス・ソーサラー:闇属性モンスターがある程度採用されていれば強力な除去&展開力向上に役立つ元禁止カード。
- ゾンビキャリア:ウォルフとコンボにもなるチューナー。シンクロ要素も取り入れることのできる制限カード。
(2)魔法・罠編
- 光の召集:手札のライトロードを墓地に送りつつ複数の「裁きの龍」を回収するのに使用する。上手くいけば1ターンキルも可能。
- 死者転生:「光の召集」に比べ爆発力では劣るが安定していると「創世の預言者」と比べレベルを問わないのが強み。
- 大寒波:「裁きの龍」と高相性な魔法・罠封じ。発動に成功すれば一気に勝負を決めることもできる。
- 貪欲な壺:墓地がどんどん肥えるライトロードデッキならあっという間に発動条件を満たせる手札増強カード。
- おろかな埋葬:ウォルフを特殊召喚したり、グラゴニスの攻撃力を上げたり、「裁きの龍」の召喚条件を満たす補助をする。
- 王宮の鉄壁:ネクロ・ガードナー等は併用できなくなるが安全に墓地肥やしができるようになる除外対策カード。
- 御前試合:光属性で統一されたライトロードデッキなら無理なく併用できるシンクロ召喚の対策カード。
4.ライトロードデッキの構築
実際にライトロードデッキを構築する時のアドバイスです。
(1)デッキ枚数
ライトロードデッキはデッキから墓地に送る効果を持つモンスターが多い。
しかし、だからと言ってデッキ切れを心配してデッキ枚数を60枚にすると言うのは避けるべきである。ライトロードデッキであっても40枚、多くとも45枚ほどに抑えるのベストである。
何故ならデッキを少しでも枚数を抑えることで「裁きの龍」を引く可能性を上げ、ライトロードモンスターを素早く墓地に4種類集め早期に決着をつければいいからである。
仮に「裁きの龍」が墓地に送られても3章で挙げたカードで墓地から容易に回収できるのもその理由だ。
(2)ライトロードモンスターの枚数&種類
切り札の「裁きの龍」を出すには4種類のライトロードモンスターが墓地に存在している必要がある。
そのためにはライトロードモンスターはデッキに最低でも15枚、7種類以上欲しい。
ライトロードモンスターの種類と数を増やせば、デッキのカードを墓地に送る効果によって「裁きの龍」も出しやすくなり、グラゴニスは強化され、ケルビム、ルミナス、は効果が使いやすくなる。
まさに一石四鳥なのである。
(3)その他の補助カード
ライトロード関連では、2章でも述べたとおり、手札交換と墓地肥やしを行う「ソーラー・エクスチェンジ」、ライトロード版の「増援」である「光の援軍」、そしてノーコストでライトロードモンスターを蘇生できる「閃光のイリュージョン」、の3種類で十分であろう。ケルビムを重視するなら「ライトロード・バリア」を採用するのも良い。
ライトロード関連以外では、戦闘補助の「オネスト」、墓地に送られた「裁きの龍」を回収する「光の召集」、「創世の預言者」、「死者転生」を好みに合わせて選べば良い。
墓地で効果を発揮する「ネクロ・ガードナー」「黒光りするG」も自然と墓地に送られるので相性が良い。
展開力と打撃力を向上させたいなら属性面なら「ガーディアン・オブ・オーダー」、除去なら「カオス・ソーサラー」を採用すると良い。
シンクロ要素を取り入れたい時はウォルフと相性が良く自身の効果で墓地から特殊召喚できる。「ゾンビキャリア」を採用すると良い。
逆にシンクロ召喚を封じたいなら「御前試合」がシンクロ対策だけでなく植物族デッキやフォーチュンレディデッキなどに効果を発揮する。
「貪欲な壺」を採用するかどうかは、モンスターの割合や「魔導雑貨商人」を採用するかどうかなどで判断しよう。
「裁きの龍」を最大限生かすなら、魔法・罠を封じる「大寒波」を採用したい。
(4)このデッキ弱点&対策
ライトロードデッキの長所はなんと言ってもライトロードモンスターが皆強力であることである。
ひっくり返せばライトロードデッキの弱点はモンスター効果を封じられることであると言える。
そのため「スキルドレイン」を中心としたデッキには非常に苦戦させられるであろう。
墓地に依存するデッキでもあるので「マクロコスモス」を初めとする除外デッキにも弱いと言える。
ロックデッキが相手の場合「裁きの龍」が出せない場合デッキ切れで敗北してしまうこともある。
以上のことから最低でもサイドデッキには「王宮の鉄壁」、「砂塵の大竜巻」や「王宮のお触れ」、「神の宣告」等は必須になるであろう。
5.まとめ
ライトロードデッキは、ライトロードモンスターの墓地を肥やす効果と「裁きの龍」の圧倒的な強さ、補助するカードとの相性の良さに加えて、
海外先行発売カードの日本上陸、制限改定によって天敵の「死のデッキ破壊ウイルス」の脅威がなくなり大会でもトップを狙えるほどのデッキです。
その反面、弱点を突かれると脆い一面もあるので、どのような対策をするかがデッキを生かす大きなカギであると言えます。
また、次の制限改定で、猛威を振るっているライトロードに規制が強化されるかもしれません。(「裁きの龍」の1枚制限など)
そうなってしまった後のデッキ構築もデュエリストの腕の見せ所でしょう。