創作ストーリー 管理人レビュー

Last update : 2009/9/12


レビューでは、作品の良いところと、直した方が良いところは必ず書くようにしています。
自分が書いた小説以外のレビューでも参考になる部分ができるように書いたつもりなので、一通りレビューを読んでみると良いんじゃないかと思います。

読者の方で、レビューを読んでみて面白そうだと思ったら、作品本体もぜひ読んでみてください。
ネタバレはやや控えめにしてありますが、どうしても気になる人は先に作品を読んでくださいね。

それと、偉そうに上から目線で書いているようにみえるかもしれません。
管理人のレビューは、主観混じりの素人の戯言レベルではありますが、これも良い機会だと思ってちょっとだけ参考にしてみてください。

>>> このページの更新履歴

(ここのタイトル名をクリックすると、作品のレビューへジャンプできます)
2008/05/11 Happy Flower を作成
2008/05/11 遊戯王GX〜Idea〜 を作成
2008/05/11 MIMIC を作成
2008/06/08 バトル In ジェネックス! を作成
2008/06/08 霊使いの日常 を作成
2008/06/08 ディスティニーブレイカー を作成
2008/06/08 星の華 を作成
2008/06/08 星の行方 を作成
2008/08/14 宿命のラスト・デュエル を作成
2008/08/14 帝王の涙 を作成
2008/08/14 地獄の黙示録 を作成
2008/08/17 ビギナーズカップ! を作成
2008/08/17 消え行く創造者 を作成
2008/08/17 ヘルグレファー9骨小劇場 を作成
2009/08/09 Slash&Crush を作成
2009/08/09 ミオちゃん はじめてのデュエル大会 を作成
2009/08/16 決闘学園! を作成
2009/08/16 決闘学園! 2 を作成
2009/08/16 千年桃太郎 を作成
2009/08/16 走れネオス を作成
2009/08/23 神の名を受け継ぎし者達 を作成
2009/08/23 翔VS十代 〜絵札の三銃士VSE・HERO〜 を作成
2009/08/23 翔VS遊戯 〜“絵札の三銃士”の秘密〜 を作成
2009/08/23 翔VS?? 〜過去での死闘〜 を作成
2009/08/23 翔VS?? 〜邪神を越える恐怖〜 を作成
2009/08/23 神の名を受け継ぎし者達―座談会― を作成
2009/08/23 闇と光の波動 を作成
2009/08/30 今はまだ届かない を作成
2009/08/30 彼の炎が焼くものは を作成
2009/08/30 金のために決闘! を作成
2009/08/30 880万円のために決闘! を作成
2009/09/12 プロジェクトVD を作成
2009/09/12 プロジェクトGL を作成
2009/09/12 プロジェクトWD を作成
2009/09/12 ぷろじぇくとRV を作成
2009/09/12 ぷろじぇくとSV を作成
2009/09/12 プロジェクトBF を作成
2009/09/12 番外プロジェクト 〜プロジェクトシリーズvs決闘学園!〜 を作成
2009/09/12 NEMESIS を作成

>>> レビュー

宿命のラスト・デュエル 製作者:夏咲サカキさん

記憶を取り戻した闇遊戯ことファラオは、冥府に還るためにエジプトへ赴く。
そのことを知った海馬は、遊戯に最後の決闘を挑む。エジプトの地にて、宿命のラスト・デュエルが始まるのだった。

● デュエルしてるだけなのに

ハッキリ言ってしまえば、この小説は、ただ遊戯と海馬がデュエルしているだけの小説である。
しかし、これほどまでに心揺さぶられる小説もない!

青眼の白龍が出る! ブラック・マジシャンが出る! 神のカードが出る! さらにはアニメオリジナルのカードや、OCGで有名なカードまで出る!

過去を取り戻した遊戯(ファラオ)と、過去を清算した海馬。
お互いに最高の力を持った上での、全力を出し切るぶつかり合い。
最後の最後、遊戯と海馬のドリームマッチが実現されているのだ!

● 神掛かったデュエル構成

遊戯と海馬のドリームマッチ――その根幹となっているのは、練りに練られたデュエル構成。

この小説では、互いの切り札級カードが何枚も何枚も出てくる。
そして、登場した切り札級カードのいずれにも見せ場が用意されている。

切り札が何枚も登場し、何度も逆転を繰り返す――それらを一つのデュエルとして消化しきっているのは、お見事としか言いようがない。

しかも、さらに素晴らしいのは、原作(遊戯王Rも)、アニメ、OCGに登場したカードだけでこなしていること。
奇策、オリジナルカードに頼らず、みんなの知っているカード中心で、かつ切り札級のカードを出し合って逆転に次ぐ逆転、ギリギリの戦いを実現している。

デュエルが始まり1枚目の神のカードが登場する頃には、読者の多くはデュエルに引き込まっていることだろう。
その高いテンションをほとんど下げることなく、みんなの知っている切り札カードが次々に活躍していき、ギリギリのバトルを繰り広げる。最後の最後までドキドキが止まらない。

どれだけ練りこめば、これだけのデュエルが出来上がるというのか!?
遊戯と海馬、互いに最高の力でぶつかり合うドリームマッチ。それにふさわしすぎるほど神掛かったデュエル構成なのだ!

● さらに高みへ向かうなら

神掛かったデュエル構成を持つこの作品。
気になる点を挙げるとすれば、細かなミスがいくつか見られることだろうか。

それと、これは個人的な提案なのだが、情景描写をもう少し増やすとさらに良くなるように感じられた。
これにより、分かりやすさがさらに向上するだけでなく、闘いの舞台に流れる空気や、モンスターの威圧感といったものまで読者に伝えることに期待できるのだ。

例えば、ナイルの夕方から夜になっていく場面を丁寧に描写したり、宵闇に召喚されたラーの翼神竜の美しさを描写したりといったことをしてみよう。
そうすれば、読者の頭の中に、遊戯と海馬の戦っている舞台の情景が浮かび、文章だけから得られる臨場感も高まり、各シーンをより強烈に印象付けられるのではないだろうか。

もっとも、情景描写は増やしすぎるとテンポを損なうので、その配分がまた難しいところなのだが……。

→宿命のラスト・デュエルを読んでみる

帝王の涙 製作者:夏咲サカキさん

石原法子は、突き抜けるように明るく、時には傷つき悩むデュエルアカデミアの女子生徒。帝モンスターの使い手であり、帝王の涙とも呼ばれている。
彼女は、行方不明になった天上院吹雪を追いながらも、タッグデュエルでの大会「タッグフォース」に出場する。

● 生き生きとしたキャラクター!

登場するキャラクターがとても生き生きしているのが、この小説最大の魅力。
アニメに登場したキャラも、ゲームにしか登場していないキャラも、どのキャラでも(さすがに悪役は除くけど……)みんな好きになれるほどの魅力がある!

「けけけけ、けっこ、先輩が!?
あの、えっと、その……お、おめでとうございま!?
あれ?違う?あ、いいのか!
ちょ、あの、おめでとうございまふ!」

(個人的帝王の涙・名台詞)

「ダークレッ……と……えと……なんだっけ……
あっ、ぞ、ゾーク撃破!」

(妹も負けてはいない!)

特に、主人公の石原法子は、考えていることが「地の文」から直接反映されるため、キャラの魅力が直に伝わってくる。

「みんなから盗んだカードを使って……
それで先輩を倒したなんて認めない。
あんたはあたしが倒す!
まだあたしのデッキにはこれが残っているわ!」

氷帝メビウスをサイコショッカーに見せ付ける。
どうだ!うらやましいだろ!

(地の文がいちいち魅力的)

もちろん、キャラの台詞も魅力。
どんな台詞がキャラを引き立たせるか分かっている。

「触れてはいけない領域というものがある。
しかし……。」

ガチャリ。
丸藤先輩もディスクを構える。

「ときには信念が闇を乗り越えることもある。
お前の覚悟を試させてもらう。」

(惚れた)

これらのキャラクターは、とてつもない魅力がある。
多くの人にとっては、石原法子たちはオリジナルキャラクターに近いものなのだが、そのキャラ達をここまで魅力あるものにするのは、市販の小説でもなかなかできるモノではない。

こんなにも感情移入できるキャラクター達を作り出したことは、手放しに誉めることができる点である。むしろ管理人も見習うべきである。偉そうにレビューしている立場ではないのである。……頑張ります。

● 明快且つテンポよいストーリー

生き生きしたキャラに伴うのは、明快でテンポのよいストーリーだ。
その分、ある程度先が読めてしまうところはある。

しかし、先の展開に見当がついたとしても、有り余るキャラの魅力によって、読んでいる時の心地よさはかなり良いものになっている。
「今日はきりが良いからここまで読んだら寝ようかな」と思っても、いつの間にか最後まで読みきっている夜更かし小説だ!

● ドキドキするデュエル展開

さらに、それらを盛り上げるのがデュエル展開である。
分かりやすいデッキコンセプトと、皆が知っているカードをうまく組み合わせながらも、逆転を繰り返してドキドキするデュエルを実現している。

デュエルが始まる前に、「多分このデュエルは勝つだろうな、負けるだろうな」と予想はできるし、実際にその通りになることが多いのだが、それでもデュエルは盛り上がる。読んでいてドキドキするのだ!

「面白さ」「分かりやすさ」を念頭に置いた上で、しっかりと計画を立ててデュエルの流れを構築していっていることがよく分かる。
前作の「宿命のラスト・デュエル」に引き続き、デュエル構成の素晴らしさは健在!

● あとは誤字だけ……

とまあ、褒めまくりレビューになってしまったが、レビューと言うことで改善してほしい点を一つだけ挙げよう。
それは、誤字やミスが多い点だ。

小説の誤字やミスは、書いた本人にはなかなか見つけられないものだが、書いてから時間をおいて見直してみると意外と見つかりやすい。やってみるといいかもしれない(既にやってるかもしれないが……)
もちろん、自分以外の人に読ませるのがミスを最も発見しやすいぞ。

→帝王の涙を読んでみる

地獄の黙示録 製作者:夏咲サカキさん

アニメ遊戯王GXの二次創作作品。命懸けのデュエルが繰り広げられる地下デュエル。
そこに身を置くカイザー亮は、ある日一人の少女(春菜)と闘うことになる。亮と春菜の地獄の日々が始まるのだった……。

● ダークな舞台で闘う二人

地獄の黙示録は、冒頭の注意書きにもあるように、暴力描写に特化したダークな作品である。

そのようなテーマを持たせた作品のため、アニメGX以上に凄惨な場面が多い。
前作、前々作よりさらにパワーアップした文章の表現力や、残酷なストーリー展開も手伝って、見ている方の心も痛々しくなる。

そんな状況の中で、命懸けで闘う亮と春菜。
ほとんどの読者は、3章が終わった時点でこの二人に「頑張って欲しい!」と、感情移入できたのではないだろうか?

前作、前々作に引き続いて、読者の心を掴むのがうまい。さすがである。

● 強固な土台があってこそ

文章の表現力、デュエル構成などの高さは健在。
それらが、ダークで緊張感溢れる舞台を作り上げるための土台になっている。

もし、他の人が同じような設定で物語を書いたとしても、その人の土台が脆ければ、作品全体が滑稽に見えてしまうだろう。
この作品は、前作、前々作で見せた頑丈な土台があったからこそ、読者の心を掴むことができた。そのように思えたぞ。

● 後半の展開だけが……

ここからは、かなり主観が入ってしまうことを了承いただきたい。(ついでにややネタバレ気味)

前作、前々作は、完成度が高い作品であり、弱点らしい弱点がほとんど見当たらず、細かいミスぐらいしか指摘することがなかった。
この作品は、飛びぬけて良いところがある代わりに、弱点らしい弱点もあるように感じられた。

具体的に言えば、物語後半の展開で2つ「気になったこと」があったのだ。

気になったことの1つ目は、春奈をいつまでも地下デュエルという舞台に置かせたこと。
もっと必死になって止めたり、隙を見て逃がしたりといったことはできなかったのか? ――と思わずにはいられなかった。
あのまま春奈を闘わせ続けるのであれば、相応の事情を用意しておいた方が良いと感じたのだ。

気になったことの2つ目は、終盤の展開が急であることだ。
いきなり黒幕が出てきて、悪いことを全てを押し付け終わってしまったように感じられたのだ。
エピソードを一つ二つほど挟んで徐々に黒幕に近づけていく、といったことをした方が良いと思えたぞ。

→地獄の黙示録を読んでみる

ビギナーズカップ! 製作者:究極竜骸骨(ヘルグレファー9骨)さん

なんやかんやあって、本田ヒロトとレアハンターは、「ビギナーズカップ」というデュエル大会に出場するのであった。

● 黒歴史とは言え……

この作品は、「作者からの紹介文」において、以下のように書かれている。

ヘルグレファー9骨の黒歴史その一。
主人公じゃなくて作者がビギナー。(デュエリストとしても、小説書きとしても)
「これはひどいwwwww」と言いたくなるようなルール間違いと、某ケータイ小説並の文を楽しみたい方に是非。

――というわけで、あんまり思い出したくない作品っぽいので、軽くレビューして終わろう。

紹介文にあるように、この作品において、作者がビギナーであるということは否定できない。
だけれども、所々見られるシュールなギャグ、言い回しには、光るところがあると感じられたぞ。

次作、次々作と書いていくにつれ、読みやすさなどは確実にレベルアップし、さらにギャグなどにも磨きが入ってきている。

→ビギナーズカップ!を読んでみる

消え行く創造者 製作者:究極竜骸骨(ヘルグレファー9骨)さん

御門 光は、世界に1枚しかないというカオス・ソルジャーのカードを持っていた。
そんな光が、龍星高校の遊戯王カード部の入部テストを受けることになる。デュエル初心者&デッキ最弱の光に勝ち目はあるのだろうか?

● あれこれと手をつけて

なんというか、とてもレビューに困る作品である。

モウヤンのカレーが活躍したり、ダイ・グレファーが必要以上に活躍したり、急に真面目になったかと思えば打ち切られる。
面白いところは多いんだけど、思いつきでやりたい放題やっている……といったら良いのだろうか?

滑稽で変態でカオスな小説――これが「消え行く創造者」である、という気がするぞ。

● 魅力的なキャラクター&デッキ

「消え行く創造者で人気のあるキャラクターは誰?」と聞かれれば、多くの人はきっと主人公の「光」、または「ダイ・グレファー」と答えるだろう。
それほどまでにこの二人のインパクトは大きい。

光は、真面目なんだかそうでないのか良く分からない、つかみどころのない性格と、そのデッキコンセプトが面白い。

「ギャンブル発動」

光は裏を宣言、コインは裏を向く
デッキからカードを4枚引く
このドローによって、ついに光のデッキはゼロとなる

「モウヤンのカレー、発動」

モウヤンのカレー
通常魔法
ライフポイントを200ポイント回復する。

光LP400→600

「魔法除去細菌兵器、発動!」

魔法除去細菌兵器
通常罠
フィールド上の自分のモンスターを生け贄に捧げる(トークンは除く)。生け贄に捧げたモンスターの数だけ、相手プレイヤーはデッキから魔法カードを選択して墓地に送り、その後デッキをシャッフルする。

悪魔の偵察者と闇の仮面を生贄に捧げ、海日のデッキに感染させる
海日はデッキから地砕きと強奪を捨てる

(光は当たり前のように最弱クラスのカードを使うのだ)

ほとんど意味もなく最弱クラスのカードを使い(しかも本当に意味がないことも多い)、しかもあれやこれやとしているうちにデュエルに勝ってしまう。
おかしいけど痛快爽快だ。

そして、戦士ダイ・グレファー。
作者コメントでは、以下のように述べられている。

しかしこの小説にもただ一つ功績がある!
それは遊戯王界に戦士ダイ・グレファーブームを巻き起こしたこと!
この小説が無ければグレファーはそこまで人気は出なかった!
……と、思う

「ダイ・グレファー=変態」説は、消え行く創造者で登場する前からマイナーだけれども存在していた。
だが、少なくともこのホームページにおいては、消え行く創造者がダイ・グレファーブームの火付け役になったことには違いない。(さすがに遊戯王界全体とまでいくかどうかは分からないが……)

それほどまでに(いろんな意味で)インパクトがあったのだ!
(管理人まで調子に乗って黒塗りを入れちゃったしね)

魅力あるキャラクター、デュエルを構築するセンスはかなり高いと感じられたぞ。

● 当たりはずれが大きすぎるのが……

最初に、この小説は「面白いところは多いんだけど、思いつきでやりたい放題やっている」と書いた。
確かに面白いところはとっても面白い。だが、問題なのはその逆があることだ。

特に気になったことは、龍星高校カード部のキャラクターの半分くらいは、「そんなキャラいたっけ?」と個性と存在感が埋没してしまっていることだ。
それが原因で、それらのキャラクターのデュエルシーンもやや退屈になってしまっているのが残念に思えた。

そのため、「ああ、これはつまらなくなるなぁ」と感じたところがあれば、思い切ってばっさり切り落とすことが大事だろう。
面白いところだけを集めることができれば、もっと良い作品になったに違いないぞ。

以上、アドバイスっぽいことを色々書いてはみた。
だが、これらの欠点は、次の作品「怪奇!謎のイルカ男」ではほぼ完全になくなっている。「消え行く創造者」も発展途上の作品だったのかもしれない。

……それにしても、「ビギナーズカップ!」から成長していった結果が、「怪奇!謎のイルカ男」とは。

→消え行く創造者を読んでみる

ヘルグレファー9骨小劇場 製作者:ヘルグレファー9骨さん

やりたい放題やっている小ネタ集。

● 一言言わせてくれ

とりあえず一言。

今度こそ本気出します!
ヘルグレファー9骨新作は予告通りの「ラブコメ」だッ!
貴様ら全員、萌え尽きることを覚悟しておけッ!
行っておくが、グレファーは出ないぜッ!
9月中に完成予定!俺の本気を…ぜひ受け取ってください!

だーまーさーれーたーーー!!!

→ヘルグレファー9骨小劇場を読んでみる

Happy Flower 製作者:Kunaiさん

主人公の藤原賢治は、デュエルモンスターズ総合研究部に所属する普通の高校の生徒。クラブのメンバーとともに、デュエル・アカデミアへの挑戦権をかけて戦っていく。
そんなある日、賢治は平見幸恵という女の子に出会う。

● ユキちゃん!

なんというか、これはユキちゃん小説である。
ユキちゃんのユキちゃんによるユキちゃんのための小説である。

正直なところ最初はやや地味なところはあるのだが、ユキちゃんが登場する前後から面白くなってきた。
だって、見た目が小学生なのに(以下、自粛)

● キャラとストーリーは上出来

いや、ユキちゃんだけじゃなくて、主人公の藤原くんや野口さんなども十分にキャラが立っている。
特に主人公の藤原くんは、ヘタレっぽかったり良いところは持っていったり、良い味を出しているように感じられた。

オリジナルキャラ中心の小説だけれども、成功している作品だ。
主要キャラを下手に増やさなかった点や、主要なキャラとそうでないキャラでメリハリをつけている点などが良かったのではないかと思う。

そして、ストーリーについて。
Happy Flowerの事実上のクライマックスである(?)32話〜36話は、ここまでの伏線を消化して盛り上がりを見せている。
それまでの伏線自体は、先が読めるものが多いが、それが理由で話がつまらなくなるようなこともなかった。

ついでに、一番最後のアレも(良い意味で)反則。だってユキちゃんが(以下、自粛)
ただ、展開としては、あっさりしすぎている感じはしたのだけれども……。

総じて、ストーリーとキャラの両方において、上手くできてるなーと感じたのだ。

● がんばっている小説

さて。
この小説は、全体的に書き慣れていないけど自分なりに上手く書こうとがんばっているという印象を受けた。
向上意識が高いおかげもあり、後半になっていくほど読みやすくなっていっている。(続編ではもっともっと読みやすくなっている)

また、至る所に散りばめられた小ネタも面白い。

「確かそれって戦闘で破壊したモンスターを除外するんだよな〜・・・・。う〜ん・・・・とりあえずドローだ!!よし、強欲な壷を発動!デッキからカードを2枚ドローする!」


【強欲な壷】 通常魔法
さて・・・まずは私の話を聞いてくれ。そもそもアニメで強欲な壺が乱用されるのはなぜか。それは辻褄合わせにピッタリだからだ!!基本的に格好良くコンボを決めるときは多数カードが必要なのだ。だがルール上、1ターンに1度しかカードは引けない!それでは1ターン1ターンが単調になってしまうのだ。が、しかし!!強欲な壺があればそれも解消される!1度のドローフェイズに2回を行えると言うことはコンボ性も高まり、そのデュエルの質も上昇する!だからこの状況で十代はこの「強欲な壺」を引き、その効果で「悪夢の蜃気楼」と「非常食」を都合よく引く(引ける)のだ!!しかしアニメGXと言い、ハピフラ(=Happy Flower)と言い、回を重ねる度に使用回数が増えているのは否めないのでそろそろ辞めた方が良いかも知れない。この調子だとアニメのバブルマンの効果も修正はされないだろう。おっと、このカードの説明を忘れる所でしたね。え〜っと、自分のデッキからカードを2枚ドローするんです。結構有名ですけど、知っていましたか?にょほほほほ。

(これはまた……)

● デュエルの描写は地の文で分かりやすく

というように、読みやすさなどはどんどん向上しているが、それでも気になったのはデュエルの描写。
分かりづらい面がちょくちょくあった。(続編でも分かりづらい面が多かった……)

特に気になったのは、フィールドの状況が把握しづらい点。
オリジナルカードの能力や、今までに場に出されたカードをしっかりと覚えていないと、ついていけなくなる場面が多かった(と感じた)のだ。

そこで、地の文をしっかりと使って、フィールドの状況などを丁寧に書いていくと良いと思う。
Kunaiさんの小説は、デュエルとなると途端に地の文が少なくなるが、デュエル中でも同じように地の文を活用していきたい。

できることなら、初めて読む読者がだらだら見てもデュエルの概要がつかめるようにしたいところだ。

→Happy Flowerを読んでみる

バトル In ジェネックス! 製作者:Kunaiさん

Happy Flowerの続編。あれから1年が経過。主人公(かと思われる)藤原賢治は、デュエル・アカデミアで催される「ジェネックス」の大会に出場する。

● 一話完結型の読みやすいストーリー

Happy Flowerとは異なり、ほぼ一話完結でデュエルを積み重ねていく。
初期のアニメGXのように一話完結型なので、Happy Flowerより気軽に読めるようになっているのが特徴。

ただ、気軽になった代わりに、Happy Flowerのような盛り上がりもなくなっている。それを期待した読者にとっては残念だったかもしれない。

● キャラクターがパワーアップ!

さて。
バトル In ジェネックス!は、前作Happy Flowerと比べると、色々と上手くなっている。
文章の組み立て方、台詞まわし、小ネタなど、着実にパワーアップしている。

特に、キャラ描写のうまさが際立ってきたように感じられた。

主人公の藤原くん、ヒロインのユキちゃんはもちろん、それ以外のキャラも着実に個性を引き出せている。
伊吹紅なんか、登場して早々兄の存在感と人気を奪っていったぞ(?)

オリジナルのキャラクターももちろん、GXのキャラクターも上手い。
本物に近い台詞回しができているので、頭の中でアニメの声優の声が聞こえてくるようだ。
特に遊城十代のさわやかさは素晴らしい。『さわやか十代』の称号を与えるぞ!

● デュエルの描写だけ……

Happy Flowerのレビューと同じことを繰り返してしまうが、デュエルが分かりにくいところが目立った(Happy Flowerよりは上手くなっているけど……)
しかも、運悪く(?)この作品はデュエル中心で進行していくため、悪い意味で相乗効果を生んでしまっている。

……次回作では改善していっているようなので、今後に期待だ。

→バトル In ジェネックス! を読んでみる

千年桃太郎 仁也さん作成

もしも遊戯が桃太郎になったら? という元に描かれたギャグ作品。

● もっと評価されるべき

文章のセンスが高く、原作の小ネタを上手く絡めてあって、個人的にはかなりツボに来た作品。
どうしてこの作品がこれまで人気投票で上位に来ないのか、と思ったくらいの面白さだった。
10ページ程度の短編なので、このレビューを読んでいるくらいなら、とっとと作品を読んでくれと言いたいほどだ。

ただ、人気について冷静に考えてみれば、この作品は原作をパロディにした小ネタばかりなので、人によって好き嫌いが出やすいかもしれないなー、とは感じられた。
それでも、下手に広い読者受けを狙うよりは、この路線のまま突っ走って行ってくれた方が個人的には好きだけれども……。

なんともまあギャグの世界は難しいものよの。

→千年桃太郎 を読んでみる

走れネオス 仁也さん作成

遊戯王GXを見ていない作者が、GXに登場するネオスを描いたギャグストーリー。

● もっと評価されるべき2

アニメ寄りの作品と言うよりはOCG寄りの作品。
千年桃太郎と同じく、高いセンスで書かれたショートギャグストーリーに仕上がっている。

エレメンタルヒーローの融合の設定を上手く利用し、シュールな話を展開しており、やはり面白い。
細かい小ネタのキレは千年桃太郎の方が勝っているように思うが、全体としてのまとまりはこちらの作品の方が勝っているように感じられたぞ。

→走れネオス を読んでみる

遊戯王GX〜Idea〜 製作者:神薙遥さん

遊城十代は、その身にユベルを宿していることが原因で、デュエルアカデミアへの入学を断られてしまう。
代わりに通うことになったタクティクス・ラボラトリーで、十代は、様々な人物と出会い成長していく。

● 面白い設定と、世界観

この小説で一番目を引くのが、たくさんの設定の数々。
十代がユベルと和解していること、十代がアカデミアに入学できなかったこと、二つの人格を持つつかさ、過去に昏睡状態させられた瑞希など、小説を面白くするための「タネ」がたくさん散らばっている。

また、登場人物のほとんどが、悩みを持ち葛藤している。
この小説は、遊戯王カードやアニメキャラを使っているものの、もっとも表に出ているのは少年少女たちのドラマ。
合う人にはどっぷりと浸かれる世界観が出来上がっていると言えるぞ。

以下は、管理人が一番気に入っているシーンである。
(設定・世界観とはあんまり関係ないけど)

 「凪柴」

 カガリは応えない。
 その背中に、怪訝に思ったのか、十代はもう一度呼びかけた。

 「凪柴?」
 「……さっきの独り言、聞いた」

 カガリの言葉に、十代は沈黙する。

 カガリには精霊が見えない。
 だから、独り言だと思われていたようだ。

● 丁寧で読みやすい文体

また、文章がとにかく丁寧なのも魅力の一つ。
文章を書くのに慣れているのか、何度も読み返して丁寧に書くように努めたのか――いずれにしても、このHPにある小説の中では、高いレベルにあることは間違いない。

● 設定自体は面白いけど……

この小説は、このHPの中では高いレベルでまとまっている作品である。
しかし、それだけに「惜しい」という箇所が目立ってしまっている。

一番気になったのは「設定」である。
設定そのものは面白いのだが、あっけなく幕を引いてしまう箇所が目立ち、設定があまり生かされていないなぁと感じるところが多かった。
例えると、立派な花を咲かせる「タネ」はあるけど、それらが花を咲かせる前に物語が収束してしまっている――と言ったところだ。

「タネ」の花を咲かせたいのならば、もっと物語を長くするか、思い切って削ることが必要になると思う。
もしかしたら、「キャラや設定はたくさん用意して、どのキャラも平等に出番が与えれば良い」と考えているのかもしれない。でも、これには、話が分かりにくくなったり消化不良になったりするリスクがつきまとうことをお忘れなく。

● 基本的には読みやすいけど……

この小説は、文体は丁寧でスムーズに読める。
しかし、キャラの数が多く、シーンがコロコロ変わったりなどの演出過剰のためか、「あれ?」と思う箇所がいくつか出てきてしまっている(特にキャラが増えてくる後半において)

基本的には丁寧なので、「あれ?」と思っても前後の文章を読み返せば、「ああなるほど……」と思える場合が多い。
とは言え、「あれ?」と思わせる時点であまり良くないことなので、できるだけ「あれ?」がないようにしたい。意地悪な読者の立場になって推敲すると良いかもしれない。

● 設定は読みたい人だけ目を通すもの

これはこの小説に限ったことではないが、最後に気になったことをもう1点。

この小説では、冒頭に設定やキャラ紹介を持ってきているが、これはあまりオススメできない手法である。読者は設定を見に来ているわけではなくて、小説の本文を見に来ているからだ。
設定がだーっと書かれているのを見た時点で、回れ右をしてしまう読者もいると思う。これではもったいない。

設定は、小説本文を読んで気に入った後で見たくなるモノなのである(少なくとも管理人は)
設定などは本文中に消化させていきたいところだ。

● もう一歩でぐんと躍進!

遊戯王GX〜Idea〜は、基本的に高いレベルでまとまっている作品である。
それだけに、惜しいと感じる箇所が目立っていろいろと書いてしまった。

逆に言えば、これら「惜しい」という箇所を改善していくだけで、見違えるほど良い作品が出来上がると思う。
次の作品に激しく期待だ!

→遊戯王GX〜Idea〜を読んでみる

霊使いの日常 神薙遥さん作成

これが本来の霊使いの姿なんだ。こうあるべきなんだ。
『みんなで作る爆笑ページ』とか『怪奇!謎のイルカ男』とかが間違っているんだ。うん、きっと……。

(ちゃんとレビューしてなくてゴメンナサイ)

→霊使いの日常で癒されてくる

プロジェクトVD あっぷるぱいさん作成

「プロジェクトVD」こと「プロジェクトバレンタインデー」。
そこには、バレンタインデーにチョコをもらおうと画策する少年がいた……。

● 気軽で手広くハイクオリティなコメディ!

プロジェクトVDを皮切りとしたプロジェクトシリーズ。
それら作品全てに共通するのは、『あらゆる要素で高いレベルにまとまったコメディ作品』であることではなかろうか。

そんな中でも、こんな感じで――

ご都合主義
(魔法カード)
都合のいい展開でストーリーを進行させる。

お約束のようなものをカード化しているネタが面白く、プロジェクトシリーズらしい色付けをしているように思えるぞ。
もちろん、カード化ネタ以外でも、原作やOCGの小ネタがあちこちに散りばめられており、それだけでも十分に笑えるものになっているのだ。

これに加えて、主人公の少年と、ヒロインの鷹野さんのキャラクターがきっちりと立っていること。これもこの作品の大きな魅力であろう。
強くてクールだけど、どこかネジの飛んでいる鷹野さん。そして、そんな彼女に振り回されまくっている主人公の少年。
ラブコメとして見た場合でも、十分な面白さを持っているのだ。

その他、軽快で読みやすい文章、インパクトのある展開など、あらゆる要素が高いレベルでバランスよくまとまっている。
そのおかげで、いろんな人にウケるハイクオリティな作品に仕上がっているのではないか、と感じられたのだ。

● プロジェクトVDとしてのレビュー

――というのが、プロジェクトシリーズ全体を通したレビューだ。
ここからは、各作品ごとに簡単なレビューとさせていただくぞ。

そういうわけで、まずは、プロジェクトVDとしてのレビューをしていこう。

個人的に、このプロジェクトVDは、最初の掴みと、最後のオチの両方に優れているなぁと感じられた。
特に、冒頭において、軽快な文章、カードを使った状況説明、バレンタインイベントなど、読者を引き込む要素をきっちり用意しているところがニクラシイ。
冒頭は読者が読んでくれるかどうかを決める重要なところなので、ここがキッチリできているこの作品は強いと感じられたのだ。

逆に気になったのは中盤のデュエルシーン。
多少冗長に感じてしまったので、多少削ってテンポアップするか、ギャグなどをもうちょっと詰め込んでおけば、より締まりが良くなったかもしれない。

→プロジェクトVD を読んでみる

プロジェクトGL あっぷるぱいさん作成

プロジェクトシリーズ2作目。
魔法カード「かくかくしかじか」の効力により、主人公の少年は牢屋に入れられてしまうのであった。

● このセンスをください

超・展・開
(魔法カード)
読者は3cmくらい動揺する。

プロジェクトシリーズの中でも、小ネタがかなり効いているなぁと思った作品。
物語としては、起伏が少なくオチもやや弱いものではあるのだが、上質な小ネタが隙間なく用意されていることによって、最初から最後まで楽しく読めた作品だったぞ。

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プロジェクトWD あっぷるぱいさん作成

プロジェクトシリーズ3作目。
もうすぐホワイトデー。主人公の少年には関係ないはずのイベントだったが……。

● あ、待って! 今日は引き出しに手を挟まないの?

ゲームをしようぜ!
(魔法カード)
あらゆるトラブルを、ゲーム1つで片付ける。

個人的には、このWDが、ここまでのプロジェクトシリーズの中で、もっとも面白い作品だと感じられた。
序盤の引きから、散りばめられた小ネタ、どこか妙な空気感、主人公や鷹野さんのキャラクター、そして、なぜか微妙に切なくなるオチまで、それらが一つの作品として上手くまとめられていて、隙がほとんどない作りになっていたからかもしれない。

そして、超個人的には、脇役の真田さん、川原さんが出てきたところがツボだった。
原作HPネタは管理人的にクリティカルヒット過ぎるぜ!

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ぷろじぇくとRV あっぷるぱいさん作成

たぶんプロジェクトシリーズ4作目。
主人公を交代させられた少年は、それを奪還すべく鷹野家へ乗り込むのであったが……。

● ノリ良すぎです

いつも通りデュエルをしている例の少年と鷹野さん。

「あ、死に損ないのパラコンボーイ。またストーカー?」
 …………。
 ……そんな言い方はないんじゃないの? 泣くよ? まあいいや。ここで会ったのが運の尽き。
「突然悪いけど……決闘をしてもらうよ」
「決闘? ……別にかまわないけど」
 物分りが良くて助かるよ、鷹野さん。おかげでストーリーが円滑に進む。

――と言うか、絶対この二人仲いいだろ!! と思わずにはいられない。

さて、今作は、デュエルの中にも小ネタがキッチリと散りばめられていて、最後まで楽しく読める作品である。
ただ、全体的な展開としては、単にデュエルしただけで、ヒキやオチもやや弱めだった気がする。もう少し起伏のある展開が欲しかったかな?

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ぷろじぇくとSV あっぷるぱいさん作成

たぶんプロジェクトシリーズ5作目。
鷹野・兄がグールズに人質に取られてしまうが……。

● 最もカオスな回!?

見て見ぬ振り
(魔法カード)
自分の安全率は40ポイントアップ!
自分の罪悪感は80ポイントアップ!

あらゆる展開やネタが一つの作品の中に詰め込まれ、最も豪華な作品であると同時に、最もカオスだとも言える作品。
癖の強いネタを一つの作品で消化させようとしているためか、展開のつなぎ目がやや強引で、全体としてのまとまりに欠けるように見えた点が、ちょっと気になったぞ。

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プロジェクトBF あっぷるぱいさん作成

プロジェクトシリーズ6作目。
1作目から1年後。再びバレンタインでーがやってきた!

● 安定感抜群のエンターテイメント!

トラウマ
(罠カード)
自分は1850ポイントの精神的ダメージを受ける。

久々のプロジェクトシリーズと言うことで、全体的にかなり好調な作品。
今回もヒキから絶好調で、小ネタももちろん絶好調。そして、鷹野さんも絶好調。
しかし、鷹野さんが自由奔放すぎて、主人公の少年だけじゃなくて読者も振り回されている気がするぞ……!?

ただ、プロジェクトシリーズ最長の作品ということもあるのか、少しだが間延びしてしまった印象がある。
いくらか展開を省略してしまうか、もっと濃くギャグを詰め込むか、と言ったことをすれば、もう少し完成度が上がるかもしれないぞ。

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番外プロジェクト 〜プロジェクトシリーズvs決闘学園!〜 あっぷるぱいさん作成

プロジェクトシリーズ番外編。決闘学園とのコラボ小説。
プロジェクトシリーズの鷹野麗子と、決闘学園シリーズの天神美月がデュエルで対決する!

● 高レベルなコラボ小説!

シリアス・マジック
(魔法カード)
文章のコミカル度をダウンさせて発動。
文章をシリアスっぽい雰囲気にする。
この効果は作者の精神力が持つ限り続く。

1作品丸ごとコラボ小説。
作者はプロジェクトシリーズのあっぷるぱいさんなのだが、いろいろと決闘学園シリーズをよく読みこんで作られたなぁと感じられた。

特に、作品のノリや空気感の操作がすごい。
この作品は、単に決闘学園シリーズのキャラクターを登場させているだけではなく、作品自体の空気感まで変えてしまっているのだ。

具体的に言えば、この作品の最初のほうは、プロジェクトシリーズのノリなのだが、途中から徐々に決闘学園シリーズのノリになっていき、最後はプロジェクトシリーズのノリに戻る、という業をやってのけている。
繋ぎ目が良く分からないまま自然と溶け込ませている点は見事だと思ったぞ。

天神さんを前にした時の鷹野さんの描写も面白く、プロジェクトシリーズとしても面白い。
結局プロジェクトシリーズのノリに蝕まれた天神さんは、試合に勝って勝負に負けているような気も……?

とにかく、今までのプロジェクトシリーズとも同じく、あらゆる面でレベルの高いエンターテイメント小説だったぜ!

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NEMESIS あっぷるぱいさん作成

かつて海馬瀬人は、青眼の白龍を手に入れるために卑劣とも言える手段を選んできた。
ある日、『黎川零奈』が海馬コーポレーションにやってきて……。

強烈なインパクト & 高い構成力 & 高い表現力 が読者の心を直撃!

高橋先生も「そんな設定忘れてくれ」と思っているかもしれないところに、深く切り込んだシリアスでダークな作品。

その着眼点だけでもかなりのインパクトがあるのだが、やはり、飛びぬけているのは、高い構成力と、高い表現力であろう。
これだけ高いレベルでこんなシリアスな話をやられてしまうと、読者の心に重くのしかかるものがある。

まさに痛恨の一撃! きつすぎるぜ!

物語前半:恐怖感を煽る黎川零奈

「―――おいで、『青眼』」

――と、物語中で繰り返し使われる、この表現。
物語前半部分では、このような表現によって、零奈の怖さが引き立てられている。

個人的には、情報をわざと小出しにすることで、恐怖感を煽っている高等なテクニックに注目したい。
プロローグから本編の間に起こった出来事を故意にすっとばし、序盤では零奈の心の内はあまり描写しないようにすることで、「零奈こわいよー。何考えてるのか分からなくてこわいよー」と言う効果を生んでいるように思えたぞ。

物語後半:逆転に告ぐ逆転、そして――

物語後半では、まずはデュエルの盛り上がりに注目したい。
終盤のデュエル構成はかなり練られており、デュエルだけでもかなり面白いものになっている。

そしてなにより、これだけ重いテーマを出したからには、この作品なりの答えをしっかりと出してくる。
さらに、結末の一部に多少ぼかしをいれて、読者の想像に委ねたと思われる部分もある。

こんな風に最後まで手を抜かずに描ききったことで、読者の心に残るものをしっかりと作っていけたのではないだろうか。

テーマ上どうしても……

というわけで、この作品は、かなりの完成度を誇るものである。
個人的には、デュエルをもう少し短くしても良いかなーと思ったが、ここら辺は人それぞれだと思うので、一言書いておく程度としたい。

ただ、あっぷるぱいさん本人も分かっていることとは思うが、このようなテーマを扱ってしまっている以上、どれだけ上手く描いたとしても、作品を好きになれない人が出てきてしまう点はどうしようもない。

しかも、あまりにも上手く描いてしまっているため、この作品を読んだ後しばらくは、海馬がブルーアイズを使って「ワハハハハハ」と言っている作品を見る度に、なぜか気持ちが落ち込むという『副作用』が発生するかもしれない……。

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MIMIC ASさん作成

インダストリアル・アカデミアのあるクラスに、「林檎」と言う記憶を失った男子生徒が転校してくる。
クラスメイトの時雨瀬智たちは、デュエル初心者の彼にデュエルを教えていきながらも、少しずつ戦いに巻き込まれていく……。

● まともそうなのにどこかおかしい世界観

学園生活を送っていた主人公たちが、デュエルを重ねていきながら、徐々にシリアスな展開になっていく――という学園モノ。
序盤は、シリアスというほどではないが、それなりに真面目に進行していく。

――なのだが、中盤の林間合宿が何かおかしい。

「あの…1つ聞いていいかしら……」

ミモザは恐る恐る手を上げていた

「な、なんでしょうか……?」

「いや、黒薔薇高校ゲーム四天王って言ってるけど…何度数えても3人しかいないよ……」


「「「えええ!!!?」」」

「あぁ〜!あれって…私の作った料理じゃない!!」

「何!?あ!ホントだ!!」


「ソウカ…貴様ガ作ッタンダナ!……サッキオレがアノキャンプ場ニ行ッタ時、偶然ニモイイ匂がシテ食ベテミタ瞬間…服ガ弾ケ筋肉ガ付イテオカゲデオレノ美シイ肉体ガ醜クナッタジャネーカ!ドウシテクレルンダ!!!」


「ひ、ひどい!私の料理が原因だからってそう言うのはどうなのよ!!あなたの体質が異常なだけじゃない!!」

「いや、それ以前にあんな料理を作るミモザの腕前が異常だよ!!」

(はっちゃっけすぎです)

というのも途中で時雨達は彼らに会い、デュエルを強要されるが先生らはデュエルしている場合じゃないと判断し、暴力で強行突破しているところであった…

「先生…ホントにこうやっていいんですか?」

「バーロー!デュエルモンスターズでも戦闘するより除去カードでてっとり早くモンスターを破壊したほうが早いに決まってんだろ!!」

(ぶっちゃっけすぎです)

それまでそこそこ真面目にやってきたのに、四天王戦からはっちゃけ始めて、笑ってしまった。
四天王戦はこの小説で一番面白いところだった。……いろんな意味で。

● 全体構成とキャラクター

……とまあ、変なところを褒めてしまったが、他にも光るところは見られた。

まずは構成。謎を秘めた転校生やその転校生が記憶を取り戻すくだりなどは、比較的スタンダードであるが、「全体の流れ」を掴むには分かりやすい構成だったように思える。
そして、1章が終わり、別舞台で展開していく構成は、「これからどうなるんだろう?」と読者を引き付ける力があったように思う。

そして、オリジナルのキャラ達もなかなか個性があるように思える。
管理人としては、林檎、ミモザ、四天王が印象的であった。もっとも、「主人公の時雨」があんまり活躍していない気がするのだが……。
ともあれ、結局、四天王とミモザのはっちゃけっぷりに帰着するのね。

構成、キャラ――いずれも「すばらしい」とまではいかないが、それなりには高いレベルにあるように思えた。
全体の構成やキャラの個性は、小説の面白さの根幹となるだけに、その部分には自信を持って良いだろう。さらに伸ばしていくようにもっともっと精進しよう!

● 地の文を生かした小説作りを

光る点が多い小説ではあるが、その反面、小説を書く上で基本的なところに改善の余地があるように感じられた。
つまり、分かりにくい箇所が多いと言うことだ。

例えば、主語述語の関係がおかしかったり、単語の使い方がおかしかったりなどなど、文章を書くのに慣れていない箇所が目立った。
誰がしゃべっているのかわからないセリフや、登場するキャラクターも多めで「このキャラ誰だっけ?」と感じることも多かった(同じキャラを苗字で呼ぶこともあれば名前で呼ぶこともある点がそれを助長している)。デュエルが分かりにくくなる点もあった。

読みやすくするため改善すべき箇所はいくつもあるだろう。
けれども、まずは、地の文(セリフ以外の文章)をしっかり書くということに努めて欲しい。

この小説の地の文はかなり少ない上、一人称だったり三人称だったりと、ごちゃごちゃしてしまっている。
一人称か三人称かはしっかりと固定して、地の文をもっと増やすことを考えよう。
そうすれば、「誰がしゃべっているのかわからないセリフ」「登場するキャラクターが誰か分からない」「デュエルが分かりにくくなる」の3点をフォローすることができるはずだ。

● オリカはほどほどに

上記の「分かりにくい点」に関連するが、デュエルに登場するオリジナルカードの数が多い点も気になった。
しかも、オリカの効果が複雑なものが多く、登場するたびに長い効果を見せられてしまう。

これによって、デュエルが分かりにくくなるだけでなく、いちいち長い効果を読まされてデュエルシーンを読んでいると疲れてきてしまう。
さらに、「ピンチでもどうせオリカで何とかなるだろう」と読者に思わせてしまう欠点もある。

オリカを登場させるならば、その数を減らし、効果をできるだけシンプルにしよう。
そして、できることなら同じオリカを幾度も使っていき、良い意味で読者にオリカを印象付けていこう。

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ディスティニーブレイカー ???ネオスさん作成

尾瀬呂学園の高等部に通う相馬十悟、明智迎人、反町朝子、六道久美、木村智花とそのクラスメイトは、ある日突然見知らぬ世界に飛ばされる。
そこでは、ライフが0になった者は命を落してしまう。彼らは、無事にもとの世界に戻れるのだろうか?

● 作者、急成長中

この作品は、後半になるほど表現などが上手くなっている。
これは、小説を初めて書いた人などには良くあることなのだが、ただ、ディスティニーブレイカーについては、その差が激しいように感じられた。
つまり、『作者、急成長中』ということである。

最初は、地の文がほとんどなく、誰がしゃべっているのか分からない台詞も多かった。
また展開も唐突で、クラスメイトが死んだかも知れないのに平然としているところなど、不自然な点も多くみられた。
読者を置いてけぼりにしているという印象を受けた。

それに対して、終盤になっていくにつれ、地の文がしっかりと書かれるようになり、読みやすくなってくる。
終盤は、デュエルの内容も面白く、話もしっかりと盛り上がっている。
続編のディスティニークリエイターでは、読みやすさはさらに向上している。

このように、序盤と終盤のギャップが大きく、序盤でかなり損をしている気がする。
新しい読者を増やしたいなぁと思ったら、序盤を中心に書き直すのもアリかもしれない。

――と、レビューを書いた後、序盤部分を書き直した本文を書いて送ってくれたぞ。(HPにも反映済み)
序盤の弱点を拭い去ったとまでは言い切れないが、前よりも読みやすくなったことには違いはない。

● デッキ破壊の魅力

いいなぁと思ったのは、デッキ破壊戦術。
主人公の十悟はデッキ破壊を使うのだが、このデッキ破壊の魅せ方、設定との絡ませ方が上手いと感じたのだ。

ライフが0になってしまうと命を落とすと言われている設定と、相手のライフを0にせずに勝利できるデッキ破壊戦術のアイディアは面白い。
また、このデッキ破壊戦術のおかげもあって、ラストデュエルも上手い具合に盛り上がっていると感じられたぞ。

● 埋もれてしまったキャラクター達

逆に、気になったのはキャラクター。
主人公サイドには5人のキャラクターがいるが、注意深く読んでいかないと、どれが誰だか分からなくなってしまうところが多かったのだ。

もし、この点を改善するのならば、思い切って人数を減らすか、個性の付け方、登場のさせ方を工夫すべきだと思う。

個人的には、この作品では、主人公サイドでは十悟、智花だけを前面に出せば良かったように感じられる。
いてもいなくてもそれほど物語に影響しないキャラなら、ゲストキャラクターにしてしまうか、最初から出さない方が良いと思う。

5人全員を主役級として活躍させる場合、登場のさせ方が大事。
最初からいきなり5人が揃っていると、どれが誰だか分からないまま進行していくことになってしまう。この状態で5人に個性を吹き込むのは、かなり難しいのではないだろうか。
そういうことで、キャラは徐々に登場させて、少しずつ読者に印象付けていくのが良いと思ったのだ。

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星の華 ???ネオスさん作成

マンガ版GXのキャラクター小日向星華の舞台裏のお話。

● 読みやすさがGOOD

文章の組み立て方などのレベルが上がっていて、すらすら読めるのがGOOD。
星華のキャラクターが地の文などに現れていて、読んでいて面白い。

「はいよ。これだね。ああそうそう星華ちゃん、この前のミスコンは残念だったわね。でも2年連続なんて立派よ。私なんて・・・・・・」

「ええ、でも元々友達が勝手に申し込んだだけなので私は別に・・・(人が気にしている事をぬけぬけと。本当は私が優勝だったのよ。でも邪魔が入っただけ。私とアンタと比べるなんて失礼にも程があるわ。)」

短編であることもあり、気軽に面白く読める作品。
あえて口出しするなら、もうちょっとインパクトがある展開が欲しかったかな……?

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星の行方 ???ネオスさん作成

星の華の続編。小日向星華は、ミュージカルの出演者選抜オーディションに出場するのだが……。

● 高水準の読みやすさ

星の華と同じく、すらすら読める作品。
地の文もなかなか冴えていて、楽しく読める作品だ。

私は小日向星華。
おそらくアカデミアで最も気高く美しいデュエリスト。

今、天上院明日香の方が・・・・とか考えた奴、コブラ(爬虫類の方)に噛まれて、くたばるといいわ!

ただ、気になったのは、行き当たりばったりで書いている印象を受けたことだ。
12番の子が辞退してしまったり、唐突に明日香の話が出てきたりなど、うーんと感じたところがいくつかあったのだ。

短編とは言え、全体の構成や流れをもうちょっと煮詰めてから文章化していったほうが良かったかもしれない。

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神の名を受け継ぎし者達 ショウさん作成

デュエル・スクールに通う翔(かける)、有里、神童、真利、神也、加奈は、ある日突如見知らぬ世界へと飛ばされる。
そこは現実世界と並行して存在する「異次元空間(アナザー・ワールド)」だった。

● 全体のバランスが良い作品

“宝玉の氾濫”――――


発動ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!

――みたいな、やたらテンションの高い記述がいくつもある小説。

これだけ見ると、「作者のテンションが高いのは結構だが読者を置いてけぼりにしているんじゃないか?」と不安にかんじてしまう人もいるかもしれない。
しかし、実際のところはそんなことは無い。
この作品は色々と気が配られており、物語の骨格となる構成から、デュエルの組み立て方、文章による表現までバランス良く書けているのだ。

いずれの要素でも気になる点はあるものの、全体としてのバランスの良さのおかげで、分かりやすく楽しく読める作品になっている。
その中でも、後半になってからのデュエルの組み立て方は、分かりやすさ、盛り上がり共にかなり高いものに仕上がっているように感じられたぞ。

● 良くも悪くもロールプレイングゲーム

この作品は100点満点とはいえないが、バランスの良い作品である。
それでは「この作品をもっと面白いものに!」と考えた時、どの点にメスを入れていくのが良いだろうか。

個人的には、「キャラクターの性格・生かし方」、「作者にとって都合の良い設定・展開」の2点に着目すべきだと思う。
と言うのも、この作品は、似たような性格・意思を持つ主人公6人が、作者が敷いたレールの上を走っているように感じられてしまったからだ。

言い換えてしまえば、この作品は「良くも悪くもロールプレイングゲーム(ファイナルファンタジーなどのTVゲーム)」なのだ。
この作品では、キャラクターの台詞から、様々な設定、ストーリー展開など、いろいろな面において、ロールプレイングゲームそっくりだなぁと感じてしまったのだ。

そのため、キャラの性格付け(特に主役6人)をきっちりと行い、それが読者に伝わるようなエピソードや描写を入れることを重視したい。
そして、キャラクターを生かすことを重視したストーリー展開を心がけるようにしよう。「このキャラじゃないとこの物語は成立しないんだ」と誰もが思えるところを目指していこう。

● おまけ:キャラクター描写の強化方法

レビューとは異なるが、アドバイスっぽいもの(お節介とも言う)を。

キャラの描写を強化するには、「こう言う事が起こったらこう行動する」と言うことをきっちりと決めておくのがオススメ。
これは、重大なイベントの時だけでなく、日常の細かな仕草などについても徹底しておきたい。

例えば、この作品では、デュエルで上手く行かなくなると舌打ちをするキャラクターが多いが、そこをキャラクターによって「頭を抱える」「顔を歪める」「意地を張って笑う」といったものに置き換えると言うように。
こういう細かいところの積み重ねが、この世で一人のキャラクターを作り上げていく土台となるはずだ。

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翔VS十代 〜絵札の三銃士VSE・HERO〜 ショウさん作成

「神の名を受け継ぎし者達」の番外編・その1。
翔(かける)と、デュエルアカデミアの遊城十代がデュエルを行う。

● 翔トラップ

番外編と言うことで、レビューとしては本編である「神の名を受け継ぎし者達」とほとんど同じ。
この作品を含む番外編は、簡易レビューor感想とさせていただくぞ。

さて、この作品だが、なんと言うか「翔トラップ」だと思う。
タイトルだけを見ると、ほとんどの人がGXの丸藤翔と遊城十代が闘うと思うのではないだろうか。
それで、肝心の翔くんは――

「まだだぁああああああああああああああっ!!!オレは――!」
 翔は、力強く立ち上がると、上空を見て、大きく叫ぶ。
 そして、頭の中で、1つの単語を思い浮かべる。思い浮かんだ単語は、この状況で、分かりやすい目標になるだろう――。
 翔は、それを再び大きく叫ぶ。

「“勝つ”!!!―――ドロォォッ!!」

――このテンションである。

すみません。本当にレビューになっていなかったです。

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翔VS遊戯 〜“絵札の三銃士”の秘密〜 ショウさん作成

「神の名を受け継ぎし者達」の番外編・その2。
翔(かける)が、武藤遊戯から絵札の三銃士を手に入れたエピソードを回想する。

● これが……

「ボクは手札から2枚目の“バーサーカークラッシュ”を発動するッ!!“ライトニング・ボルテックス”のコストで墓地に送った“アーマード・フライ”をゲームから除外し、“ハネクリボー”の攻・守は、共に2000になる!!」

これが、神の名を受け継ぎし六歳児……!! 末恐ろしや……。

すみません。本当にレビューになっていなかったです。

→翔VS遊戯 〜“絵札の三銃士”の秘密〜 を読んでみる

翔VS?? 〜過去での死闘〜 ショウさん作成

「神の名を受け継ぎし者達」の番外編・その3。
本編が始まる1ヶ月ほど前のデュエルスクールが舞台。転校生である麻依がやってくるが……。

● キャラクターの心情・行動をもっとリアルに

学園での人間関係を描いたシリアスな作品。
そのようなこともあり、本編よりもキャラクターの描写などに注力されている点がポイント。

けれども、正直なところ、感情移入できたかと言えばYESとは言い切れなかった。
キャラが悩んで葛藤すること自体は良いのだが、「どうしてそのように感じてしまうのか」「どうしてそのような考えに至ったか」と言った描写が不自然または不十分であるため、「どうしてこのキャラはこんな行動をとってるの?」と感じてしまう場面が多かったためだ。

今回のように人間関係を主軸とした話を書くのなら、RPGのようなキャラクターでは不自然さは拭えないだろう。
自分がその立場だったらどうするかとか、他の市販の小説ではどうだとか、ということを参考に、これでもかと言うくらい想像しまくって、キャラクターの心情を作り上げていく必要があるだろう。
小説のキャラクターは、自分達と同じ「人」だと思って、すごく大切にしてあげよう。

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翔VS?? 〜邪神を越える恐怖〜 ショウさん作成

「神の名を受け継ぎし者達」の番外編・その4。
翔は悪夢を見る。夢から覚めて安心するのもつかの間、その夢は現実のものになっていくのだった。……と言うコミカルな番外編。

● 気休め?

これは勉学に疲れた作者が、気休めとして書いてみたように思える。
……気のせいか、うん。

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神の名を受け継ぎし者達―座談会― ショウさん作成

「神の名を受け継ぎし者達」のオマケっぽいもの。

● 気休め?

これは本編に疲れた作者が、気休めとして書いてみたように思える。
……気のせいか、うん。

→神の名を受け継ぎし者達―座談会― を読んでみる

闇と光の波動 ショウさん作成

「神の名を受け継ぎし者達」と、アニメGXのリンクのために書かれたあらすじ集。

● 大人の事情に消された物語?

小説と言うよりは、読み物として興味深い。
打ち切りっぽくならなかったら、GXの第4期ってこんな感じになったのかもなー、と感じられたぞ。

まあ、短いけどこんなもので……。

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今はまだ届かない 王立魔法図書館司書さん作成

十代達が卒業した後のデュエルアカデミアが舞台。
日生 彰、七山 十海、早乙女 レイ達は、使われなくなったSAL研究所で青白い人影を目撃する。様々な想いとともにその正体が紐解かれていく。

● 複雑だけど切ない物語

まず、この作品で目を引くのが、キャラクターの内面や心の動きをしっかりと描いている点だ。
彰、十海、レイの主役キャラだけにとどまらず、東雲、逢魔と言ったキャラクターの内面にまでしっかりと焦点を当てているところが良いと感じられたぞ。
まあ、主人公であるはずの彰より、他のキャラクターの方に焦点が行っていた気もするけど……。

ともあれ、様々な想いが混ざり合って変化して、複雑ながらも切ない物語を作り出しているのが、この作品の大きな魅力と言えるのではないだろうか。

● 物語を彩る演出

そして、それを彩るのが多様な表現。
個人的には、終盤に出てくる以下の文が印象的だったぞ。

濡れて霞む目をこすって、炎の剣を持って火山に降り立つ魔導師の姿を見る。

これは、実際に読んだ人だからこそ分かる表現方法なので、読んでいない人はここまで読み進めてみて欲しい。

また、不自然な文章もほとんど見当たらず、かなり書き慣れているのだろうと感じられたぞ。

● 凝りすぎているのが玉にキズ

かなり人の好みに左右される問題かもしれないが、この作品で最も気になったことが、必要以上に凝った表現をしている点である。
そのせいもあって、読みづらいところが目立っているように感じられたのだ。

管理人の読解力がヘボいこともあるかもしれないが、「今誰が何をしているシーン?」、「そもそも誰がデュエルしているの?」、「この台詞は誰が喋っている?」と感じることが多かったのだ。
前後関係を振り返りながらゆっくりと読んでいけば、しっかりと内容は掴みきれるので、必要最小限のことはしっかりと記載されているだろう。
しかし、少なくとも管理人は、市販されている小説でこのような読みづらさを感じることはほとんどなかった。なので、客観的に見ても、これは直すべき事項であるように思えるのだ。

具体的に分解していくと、以下の点が分かりづらくなる原因であるように思える。

凝った表現はここぞと言う時だけにするか、凝っていても分かりやすい表現を見つけ出すか、とにかく、読解力が高くない人でもすらすら読めることを目標とすると良いと思ったぞ。

最初に書いたように、この作品は、キャラクターの内面に上手く踏み込み、文の組み立て方などで不自然さを感じさせることが無い。
なので、あとは分かりやすささえ改善できれば、よりたくさんの人に受け入れられる作品になるはずだ。

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彼の炎が焼くものは 王立魔法図書館司書さん作成

「今はまだ届かない」の続編。
前作の事件で全てが終わったわけではなく、裏にはさらなる陰謀が隠されていた。物語が再び動き始めていく。

● 前作の続きだけど……

クオリティはそのままに前作の続きが展開されている作品。
前作で指摘した「懲りすぎてて分かりづらくなっている点」は残っているものの、読み慣れてきたからなのか、改善されたからなのか、ある程度は読みやすくなった気はする。

ただ、今回の作品を通して思ったのは、途中で終わっているように見えること。
ゆっくりとした展開で登場キャラクターが増えていき、「さあこれから盛り上がるぞ」と言うところで終わっているため、どうにもすっきりしないのだ。『起承転結』の『承』くらいで終わっているような感じかもしれない。
続編ありきの作品とは言っても、作品単体としてみると「必要以上にキャラを増やしている」「回収されない伏線を増やしている」ので、どうしても消化不良気味になってしまった。

● おまけ

あと、作者でもないのに勝手に紹介。
作者さんのサイト(http://ygoseruma.web.fc2.com/)で、作品についての設定等が公開されているので、興味のある方は読んでみるといいかも。

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決闘学園! 豆戦士さん作成

翔武(しょうぶ)学園生徒会の役員選考はデュエルによって決まる。半ば成り行きで選考に参加した吉井康助は、その中で能力デュエリストに出会う。
能力デュエルとそれに苦しむ一人の女子生徒。吉井康助は、彼ら彼女らに何を感じるのだろうか?

● 一級品のデュエル

特殊能力を持ったデュエルを描いているだけあって、デュエルの書き方が上手い!

8000ライフのデュエルを小説で描くと少々だれてしまう傾向にあるが、この作品にはそれがない。
分かりやすさを念頭において、スピーディに展開するように気が使われているのがよく分かる。

この作品の特徴である、デュエリスト達の特殊能力の生かし方も上手い。
一見シンプルな特殊能力ながら、カードとのコンボなども組み込んで、その特殊能力を上手く際立たせているのだ。

特に、最後のデュエルは、手放しで誉めることができる内容だった。
あらゆる面からデュエルが煮詰められているのがよく伝わってきたぞ。

● キャラクターとストーリー展開もGOOD!

この小説の魅力はデュエルだけではない。
キャラクターとストーリー展開も十分な魅力がある。特に、後半になるほど魅力が増大していく。

明るくさばさばした朝比奈翔子の勧誘に始まり、あまりにも強い能力を持ってしまった天神美月と、何とかして彼女に勝ってあげようと思う吉井康助。
最後のデュエルが素晴らしい出来に仕上がったのは、それまでのストーリー展開で読者の心を捉えていたことも大きな要因だ。

● あとは序盤の引き込みが……

この小説は、後半になるほどキャラクター達の魅力が出てきて、ストーリー展開、デュエル展開も面白くなってくる。
しかし、逆に、最初の引きが弱いのが残念。中盤辺りまで、淡々と進行してしまっているのだ。

主人公の魅力が出てくるのが天神美月と出会う中盤になってしまっていること、最初に出てくる山本、渡辺の個性が薄めなこと、説明が多めで、場面転換がころころあること辺りが原因だろうか。

小説の最初の部分は、読者が読んでくれるかどうかを決める要素になるため、かなり大事である。既存の小説や映画なども参考にして、読者を取り込める序盤の引きを研究するとよいかもしれない。
まあ、逆に言えば、序盤さえもっと面白くなれば、作品全体としての質はぐんと跳ね上がるといっていい。

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決闘学園! 2 豆戦士さん作成

翔武(しょうぶ)学園生徒会5人のメンバーは、地区デュエル大会へ出場する。能力を駆使しながら順調に決勝戦まで勝ち上がり、東仙高校との試合を迎えるのだが……。

● デュエル描写に太鼓判!

前作で際立っていたデュエルの描写の上手さはもちろん健在!

分かりやすくスピーディでだけでなく、時には読者さえ悩ませ、あっと驚くような展開で盛り上げるデュエル。
そんなデュエルを、よくもまあこれだけたくさん書いたものだと感心してならない。実に素晴らしい!

デュエル小説を書く人は、この作品を大いに参考にしてデュエルを書くといい。そう言い切ってしまいたい。
それは、この作品みたいに『謎かけ』を用意しろという意味ではない。基本的な描写、デュエルの分かりやすさ、そして盛り上がり、そういうところを見て取り入れていって欲しいのだ。

● 高い表現力でキャラクターを立てる

今回注目すべきはデュエル自体の描写だけではない。それ以外の要素も大きくパワーアップしている。

まずは基本的な文章力や表現力。すらすら読める文体はもちろん、さり気ない表現もあらゆるところに入っているのだ。
例えば、『少し恥ずかしそうに、こめかみを掻きながら答える』、『涼やかな声で元気よく宣言する』、『知的な黒い瞳が優しく揺れる』といったように。

そして、上記の例。わざとキャラクターの名前を抜いてみたのだが、それぞれ誰のことを指すのか分かるだろうか? 作品を読んだ人ならおおよそ見当がつくのではないだろうか?
この作品は、デュエルやセリフだけでなく、こういう描写の積み重ねでキッチリとキャラクターを作り上げている。この点も素晴らしいと言える。

……まあ、女の子キャラのほうが気合入っている気はするけど。うん、それはきっと気のせいだ。

● 序盤の盛り上げ方にも注目!

そして、この作品で評価したいのは序盤。
前作は「序盤の引き込みが弱いのではないか」と書いたのだが、今回はそんなことはない。むしろ序盤が最も評価できるのではないかと思えるくらいだった。

「9年連続優勝校が順調に勝ち上がった大会の決勝戦」と、これだけ見ると面白そうな要素があるとは思えない。
こんな状況から、少年漫画のお約束をいい意味でキッチリと取り入れ、対戦相手の描写を上手く行い、「ああ面白そうな戦いになりそうだ」と思える展開を作り出してしまった点にも素晴らしいと思わずにはいられなかったぞ。

● ちょっとだけ気になる点

と言うわけでほめまくりレビューになってしまったが、最後に気になる点を少しだけ。

今回はデュエル大会に主軸が置かれたために、前作の吉井康助、天神美月のような葛藤や成長が描かれてはいない。純粋にデュエルの中にキャラを投じた作品になった。
もちろん、人によって感じ方が違うので、これが良いとか悪いとか言うことはない。

けれども、終盤になるにつれ、その傾向が強くなりすぎたかもしれない。この点だけは少し気になった。
敵のチームは、あれだけ気合を入れてこの試合に挑んだのに、デュエルが終わった後の描写があっさりとしているように感じられたのだ。
試合が終わった後のフォローをもっと入れておくなどすれば、敵チームのキャラももっと立って、作品全体としての完成度の高さにも繋がったのではないだろうか、と思えたぞ。

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Slash&Crush ラギさん作成

元カードプロフェッサー『クロウ・ササライ』。彼はある事件を経て、一枚のカードと一人の少女ミオに出会う。
それをきっかけとして、クロウはさらなる陰謀に巻き込まれていく。

● 高い構成力でサスペンスを彩る!

まず目を張るのが、章と章の間に挟まれた日記。

少しずつ緊張感を与えたり、読者にクロウやミオなどの過去を考えさせたりと言った効果が現れているのだ。
そして、真実が明らかになることにより、この日記が二重三重の役割を持っていたことに気付かされることになる……!

まあ、あんまり書くとネタバレになるので、これくらいにしておくが、ともかく日記の使い方が秀逸と感じられたのだ。

また、クロウとミオの関係など、遊戯王小説としては珍しい設定を持ってきている点も面白い。
それだけでなく、それらの設定を一つの物語として上手く消化している。この点も素晴らしいと感じられたぞ。

● 全体的にレベルの高い小説

そして、全体的にレベルの高い小説である。
基本的な文の組み立て方、小説特有の間の取り方、キャラクターの立て方、デュエルの分かりやすさなど、多くの面で高いレベルにまとまっているのだ。

ううむ。どこかしらか経験者のにおいが感じられたぞ。

● 描写増強でパワーアップを

逆に気になった点と言えば、全体的にクールすぎるところ。
個人の好みの問題もあるだろうが、全体的に描写が淡白気味かな、と感じられたのだ。
特にデュエルにおいては、目的が希薄なまま、派手な展開も少なく、描写薄めで淡々と進行していることが多いと思えてしまった。

そのため、デュエル中かどうかに関わらず、キャラクターの心情などの描写を2〜5割増やしたい。
とにかくキャラクターの魅力をもっともっと引き立て、読者に「クロウを応援したい!」「ミオを守りたい!」と言う気持ちをもっともっと強めてもらうのだ。

淡白になってしまっているデュエルについても、描写などを上手く行えば、進行が地味であっても十分に面白いものになるはずだ。
ただ、序盤の目的が淡白なデュエルについては、思い切って削ってしまっても良いかもしれない。

こんな風に描写に気を使うことで、作品全体の魅力がぐっと底上げされるのではないだろうか。

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ミオちゃん はじめてのデュエル大会 ラギさん作成

ミオちゃんがはじめてのデュエル大会に出たよ!

● これは良いSlash&Crushの後日談

ついタイトルだけに惹かれてクリックした人も多そうだが、これはSlash&Crushの後日談である。
Slash&Crushを読んでいない人は、回れ右をしないで、Slash&Crushを読んでからこの作品を読んで欲しい。

続けて2作を読むと、この作品が良い後日談であることが分かる。
可愛いのだ。実に、実に可愛いのだ。……クロウが。
このクロウのバカっぷりのおかげで、この作品が良い後日談以外の何者でもないと思えてきてしまうのだ。うまくやったなぁと思ったぞ。

ただ、こちらも同じく、描写をパワーアップできる余地があるように感じられた。
例えば、視点をウィラーに固定し、ウィラーの感想(と言うかツッコミ)を交えながら、クロウとミオの描写を丁寧に描いていけば、より面白い作品になったかもしれないぞ。

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金のために決闘! 黒崎さん作成

バトルシティが終わり、遊戯は時計塔広場へと向かう。
その途中でデュエルを挑んできた朝倉光樹。彼は賞金稼ぎを目的としているようだったが……。

● 初めてにしては高レベル

文章の表現やリズムなどの違和感が少なく、すいすいと読み進められたのがまずは一つ。
初めての小説にしては、かなり上手くできているのではないだろうか。

そして、その中でも際立っていたのが、デュエルの構成や描き方。
オリジナルカードを多用しているにもかかわらず、すらすらと読める分かり易いものになっていた。
これは、オリジナルカードがいずれの効果もシンプルであったこと、デュエルの展開もシンプルになるように努めていたこと、地の文などでのフォローが丁寧だったことに尽きるだろう。

そして、ソーディアン・ブレイブのカードの生かし方が上手い。
初めて見るオリジナルカードでも、ここまで活躍させてくれれば、読者の心をきっちりと掴みきってくれたと思うのだ。

いずれも100点と言えるほど出来が良いとまではいかないが、方向性を間違うことなく結果を出せている点は素晴らしい。
この調子で改善意識を持っていれば、自然と上達していくのではないだろうか。

● もっと生き生きとしたキャラクターを

上記の通り、デュエルの構成や文章の表現等は結構なレベルに到達している。
しかし、それ以外の部分において、はっきりとした弱点があるように感じられた。

それは、キャラクターが弱いことと、テーマが描ききれていないこと、である。

前者については、主人公の朝倉光樹に、「とある事情でお金がほしい」以外の個性が感じられなかったことが大きい。
どんなキャラクターがつかめず、感情移入できていないまま、シリアスなシーンに突入してしまったので、置いてけぼりを食らったと感じてしまった。

後者については、「お金」というテーマをシリアスに描いているのに、遊戯の一言であっさりと今までの考えを変えてしまうと言った点が引っかかった。
今作のようにテーマが重い時には、それらを丁寧に描かなくては不自然さが浮き出てしまう。

とにもかくにも、キャラクターやテーマが、物語の都合に引きずられているように思えてしまった。
想像力をフルに使って、キャラクターの心情やポリシーなどをこれでもかと言うくらい煮詰めておきたいところだ。

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880万円のために決闘! 黒崎さん作成

「金のために決闘!」の続編。
前作で遊戯に挑んだ朝倉光樹。遊戯は彼のために、海馬にとあるお願いをしたのだったが……。

● あらゆる面でパワーアップ!

まず、前作と比べると、全体的に描写がさらにパワーアップしたように感じられた。
デュエルの展開も分かりやすく描かれているだけでなく、押さえるべき所はきっちりと押さえて盛り上げている点も健在だ。

そして、前作での弱点でもあったキャラクターの弱さなどの問題。
地の文でのフォローを増やしたり、朝倉光樹と海馬の過去をある程度重ね合わせたりして、パワーアップしていると感じられたぞ。

● さらにパワーアップするなら

それでも、まだ改善の余地は残っているように思える。
前作ほどではないが、言動に不自然さを感じるところがちょくちょく見られたのだ。

あくまで「個人的に」ではあるが、この作品で一番気になったのが、遊戯と海馬がお人好し過ぎる点だ。遊戯も海馬も、会ったばかりの朝倉光樹に親身になりすぎているように思えたのだ。
遊戯や海馬に対するイメージは人それぞれなので、この指摘自体が的外れかもしれないのだが……。

ただ、いずれにせよ、キャラクターの性格や行動が、物語の都合によって捻じ曲げられるようなことはNG。
そうならないように、キャラクターを大切にした物語作りを心がけていこう。

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