道に入りしばらく進むと、突如、視界が真っ暗になった。
 どうやら懐中電灯が消えてしまったらしい。

 だが、懐中電灯の電池は新しいものに入れ替えたばかり。常識で考えたら消えるはずがない。
 石碑に書かれていた文章を思い出す。

『この先は、あらゆる光をかき消す闇の道』
 この道は、光の存在さえも許さない闇の道なのだ。

 視界は完全に見えなくなってしまったが、ここは運良く細い道。
 両手を壁につけながら、触覚を頼りにゆっくりと前へと進んでいく。



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