私は一旦石盤を離れ、この広間自体を調べることにした。
 広間は、半径10メートルほどのドーム状になっており、5つの扉から行き来できるようになっている。

 壁にはロウソクが等間隔で配置されており、12個のロウソクがこの部屋を照らしている。
 仮にもここは半径10メートルほどの広間であるため、ロウソクは大きなものが使われている。

 だが、いくら大きいとは言え、ロウソクは消耗品。すぐにロウがなくなってしまうはずである。
 常識的に考えて、ロウソクが何年も前から燃え続けていることはありえない。
 それでも、ここのロウはなくなることがなく燃え続けている。

(どういうことでしょう……)
 ロウソクをよく観察する。視覚から確認できる限り、不審な点はなさそうであるが……。

 それとなく、ロウソクに手をかざしてみる。

「……!」
 すると、ロウソクの火が消えてしまった。

 手をかざした程度で消えるロウソク?
 無論、手をかざす時に風を起こしたり、酸素の供給を断ったりするようなことはしていない。

 どういうことなのだろうか?

 ロウソクに触れてみる
 もう一度手をかざしてみる