私の名は、イシズ・イシュタール。
 千年アイテムを巡る様々な出来事を経て、今は、マリクやリシドと共に静かに暮らしている。

 しかし、墓泥棒を名乗る者からのふざけた手紙によって、私達3人に悪夢が訪れようとしていた。
 その手紙によると、墓泥棒は遺跡に眠る『あるもの』を手に入れるために、私に協力をして欲しいらしい。無論、協力を断れば、私の弟マリクの命はないという脅迫も添えて……。

 これは確実に罠だと私は思った。
 だが、マリクの命がかかっているのだ。たとえ罠でも、行かなければならない……!

 私は、エジプト考古局を抜け出し、単身でその遺跡へと向かうことにした。

 本来ならば、警察に任せるべきことなのだろう。だが、遺跡には警察では手の出せない『闇の力』が眠っていることがある。
 やはり、墓守の一族であった私が行くべきなのだ。

 私は、車のエンジンを入れた。



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