2009/04/12  植物族デッキを構築する 作成者:キョン都さん

1.植物族デッキの魅力

CROSSROADS OF CHAOSで大幅に強化された植物族デッキの魅力とは何か考えてみましょう。

(1)特殊召喚方法の豊富さ

植物族デッキの魅力は特殊召喚の方法が豊富であることである。

特に墓地からの特殊召喚はアンデット族にも引けを取らないほどである。
例えば、「ロードポイズン」、「ギガプラント」、「増草剤」、「植物連鎖」が墓地からの特殊召喚手段を持つ。
また、デッキからも「ローンファイア・ブロッサム」によって攻撃力やレベルなどに制限されず特殊召喚することが可能である。
これらは大きな魅力であるといえよう。

(2)サポートの豊富さ

植物族デッキの魅力はサポートカードが豊富であることである。

上記で述べた特殊召喚カードに加え、
コントロールを奪う「薔薇の刻印」、植物族版の「神の宣告」である「ポリノシス」、
ドローカードである「フレグランス・ストーム」、
植物族が破壊される度にカウンターをため効果を発動できる「世界樹」、
植物族専用の「聖なるバリア−ミラーフォース−」である「棘の壁」、
デッキから植物族を特殊召喚できる「超栄養太陽」
攻撃力を半減させ、トークンを作り、蘇生効果を持つ「ブラック・ガーデン」等
サポートの豊富さが植物族デッキの魅力である。

(3)切り札の強力さ

植物族デッキの切り札は「椿姫ティタニアル」と「ブラック・ローズ・ドラゴン」である。

前者は攻撃力2800と言う高い攻撃力と、対象を取る効果を無効にし破壊する強力な効果を持っている。
後者はシンクロ召喚時に「大嵐」+「ブラック・ホール」の効果と、守備表示モンスターを攻撃表示にし攻撃力を0にする効果を持つ。

いずれも強力な効果を持ったカードであり、植物族でデッキを組む大きな魅力である。

2.植物族とサポートカードの役割と強さ

植物族を単体で見た場合の強さを考察します。数が多いので基本的に戦力ダウンにならない強さのカードのみを考察しています。

(1)下級モンスター

・ローンファイア・ブロッサム
攻撃力500。自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター(自身を含む)をリリースし、デッキから植物族モンスターを特殊召喚することができる。
シンプルながら非常に強力な効果を持った植物族モンスター。
特殊召喚するモンスターに攻撃力やレベル等植物族であること以外一切制限がないため「ダンディライオン」から「椿姫ティタニアル」までほとんどの植物族を特殊召喚できる。
逆に言えばこのカードで特殊召喚できない「フェニキシアン・クラスター・アマリリス」「ローズ・テンタクルス」等は投入する優先順位がかなり落ちることになる。
この効果は1ターンに1度しか使えないものの同名カードを特殊召喚した場合別のモンスターなので同じターンに使用できる。
墓地を肥やして「薔薇の刻印」や「ブラック・ローズ・ドラゴン」のコストにする。「貪欲な壺」の発動も補助してくれる。
さらに戦闘を介さないで効果が使えるのも大きい。
間違いなく植物族デッキの中核を担うカード。よほど特殊なデッキでない限り植物族デッキと言えばこのカードが3枚入っていて当然といっても良い。3枚投入は必須である。

・ロードポイズン
攻撃力1500。戦闘で破壊されると自分の墓地に存在する同名カード以外の植物族モンスターを特殊召喚できる。
発動条件を満たしやすい割には、強力な植物族に化けることができるモンスター。その場の状況にあった植物族モンスターを特殊召喚しよう。
単純に高攻撃力が欲しければ「椿姫ティタニアル」、トークンが欲しいなら「ダンディライオン」等がよい。
ロードポイズンは植物族でデッキを組む意義なのでデッキには3枚投入は必須である。

・ダンディライオン
攻撃力300。手段を問わず墓地に送られると攻守0の「綿毛トークン」を2体特殊召喚する。このトークンは召喚ターンのみアドバンス召喚のためのリリースにできない。
攻守は最低クラスだが、リリースの確保、「世界樹」のカウンターの確保、「ボタニカル・ライオ」攻撃力アップなどに役立つ。
多彩な活躍をする植物族デッキには欠かせない制限カード。

・ボタニカル・ライオ
攻撃力1600。自分の植物族モンスター1体に付き攻撃力300ポイントアップする効果とコントロールを奪われない効果を持つ。
自身も植物族なので実質攻撃力1900である。自分の場に他の植物族がいれば攻撃力2200と、「サイバー・ドラゴン」を上回る。さらにコントロールを奪われない上、守備力も2000あるため表示形式変更効果にも強い。
植物族デッキの下級モンスターの攻撃要員では一番の実力を持つカードであろう。限定カードであるため入手が困難ではあるが、植物族の下級モンスターの攻撃要員が欲しいと思ったらこのカードを2〜3枚投入すると良い。

・ギガント・セファロタス
攻撃力1850。フィールド上の植物族が墓地に送られる度に攻撃力が200ポイントアップする。
「ボタニカル・ライオ」には、単体での攻撃力ではわずかに劣るものの及第点の攻撃力を備えている。無理をしない範囲で植物族を墓地に送れば、それなりに攻撃力もアップするであろう。
「ボタニカル・ライオ」と違い守備力が低いので「ボタニティ・ガール」からのサーチが可能である点を生かしたい。また入手が容易であるため「ボタニカル・ライオ」がない場合で下級モンスターの攻撃要員が欲しいなら2〜3枚投入すると良い。

・ボタニティ・ガール
攻撃力1300。フィールド上から墓地に送られると、守備力1000以下の植物族1体をデッキから手札に加えることができる効果を持つ。
任意効果であるためアドバンス召喚、シンクロ召喚等ではタイミングを逃してしまう。
「バイオレット・ウィッチ」と比較した場合サーチ範囲は狭いが発動条件は緩い。
自身は守備力1100であるため、同名カードはサーチできないが、それでも「ダンディライオン」、「ロードポイズン」、「ギガント・セファロタス」、「コピー・プラント」等をサーチでき、デッキの安定性を底上げしてくれる優良な植物族モンスター。
投入枚数は相手の除去の枚数やサーチできる植物族モンスターの数などで判断すると良い。

・リグラス・リーパー
攻撃力1600。リバース効果モンスターでリバースするとお互いに手札を1枚捨てる。また、戦闘で破壊されると破壊したモンスターの攻・守を500ポイント下げる効果も持っている(これはリバース効果ではない)。 手札にたまった上級モンスターを捨て、得意の蘇生カードで特殊召喚につなげる事ができる。効果を使わない場合も攻撃力1600で相手の攻守ダウン効果を持った攻撃要員と見れば悪くない。
しかし、手札を捨てたければ「サンダー・ブレイク」、「ライトニング・ボルテックス」等が存在する。さらに相手が暗黒界デッキだと悲惨である。攻撃要員は「ボタニカル・ライオ」、「ギガント・セファロタス」で十分であろう。
使うなら隠し味程度にデッキに1枚入れるぐらいで良い。

・ダーク・ヴァージャー
攻撃力0。植物族のチューナーの召喚(反転召喚・特殊召喚は不可)に成功すると墓地の自身を表側攻撃表示で特殊召喚できる。
単体ではほとんど役に立たないが植物族のチューナーを豊富に投入するならレベル調整が容易になるため採用する価値はある。
何度でも使いまわせるので植物族のチューナーが4〜5体以上採用している場合なら1枚採用しても良いだろう。
2〜3枚投入する場合は「おろかな埋葬」などは必須。また「D−HERO Bloo−D」なども投入を検討すると良い。

・キラー・トマト
攻撃力1400。戦闘によって破壊されるとデッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できる。
同名カードを特殊召喚することで戦線維持、「世界樹」のカウンターの確保ができる。
ただし、植物族に闇属性モンスターが少ないのが問題。有力なのは「スプリット・D・ローズ」ぐらいしか存在しない。
それを採用するかどうかでこのカードを採用するか決めると良い。

・レクンガ
攻撃力1700。自分の墓地の水属性モンスターを2体除外すれば攻守700の「レクンガトークン」を1体攻撃表示で特殊召喚できる。
攻撃力は悪くなくトークン作成効果もなかなかである。しかし、最近の植物族は地属性のものが主流であるため、何体もトークンを出すのはやや難しい。墓地利用の手段が豊富な植物族デッキとの相性もあまり良くない。
投入は慎重に検討しよう。

・カースド・フィグ
攻撃力200。戦闘で破壊されるとセットされた魔法・罠2枚(必ず2枚)を選択し、墓地にこのカードが存在する限りそれらの魔法・罠カードは使用できなくなる。
生きた「心鎮壷」である。またダメージステップに発動するためチェーンされにくいのが強み。
問題は、相手が2枚以上セットしてくれていないとこちらのカードを巻き込む点、こちらから攻撃をしかけると阻まれやすく大ダメージを受けてしまう点である。
効果が有効に働く場面が相手に依存してしまうのは大きな欠点。植物族デッキには隠し味に1枚あっても良いぐらいである。

(2)上級モンスター

・椿姫ティタニアル
攻撃力2800。自分の植物族モンスターをリリースすることであらゆる対象を取る効果を無効にし破壊する最上級モンスター。
高い攻撃力と高い効果耐性を持っており強力な最上級モンスターである。豊富な蘇生カードがある植物族デッキにおいてまさに切り札になる存在。
「ダンディライオン」等でリリース確保をし、相手を追い詰めると良い。植物族デッキには2〜3枚投入は必須ある。

・ギガプラント
攻撃力2400。再度召喚すると自分の手札・墓地から植物族または昆虫族を特殊召喚できるデュアルモンスターである。
再度召喚する必要があるものの強力な特殊召喚効果を持った植物族モンスター。植物族デッキは蘇生カードが豊富であるため再度召喚もそれほど難しくない。
攻撃力も及第点の上級モンスターであるためデッキには2〜3枚欲しい。

・ヘル・ブランブル
攻撃力2200。チューナーに指定はなく、チューナー以外は植物族モンスターでなくてはならないレベル6のシンクロモンスター。このカードが存在する限り手札から植物族モンスターを召喚・特殊召喚するためには、1体につき1000ライフを払わなければならない。
手札からしか制限がないため思ったより効果が適用される機会は少ない。攻撃力2200のこのカードが存在する時点で、相手は大抵召喚ではなくセットをしてくるためだ。除去されることもしばしばなので2000ポイントのライフを払わせればラッキー、程度の認識でちょうど良い。
レベル6のシンクロモンスターとしては「ゴヨウ・ガーディアン」や「氷結界の龍 ブリューナク」に劣るものの、シンクロ召喚すれば植物族の得意の豊富な蘇生カードで何度も使いまわせるためエクストラデッキには1枚用意しておきたい。

(3)チューナー編

・コピー・プラント 攻撃力0。フィールド上の植物族モンスターと、ターンエンドまで同じレベルになれるチューナー。
この効果により、レベル6、レベル8のシンクロモンスターのシンクロ召喚に役立ってくれる優秀なチューナー。効果を使わなければレベル1なのでレベル5、レベル7のシンクロモンスターのシンクロ召喚にも役立つ。
柔軟なチューナーであるため、シンクロ召喚を狙う植物族デッキなら必須である。ただし単体では何も役に立たないため1〜2枚投入し、豊富な蘇生カードで使いまわすのが理想的である。

・ナチュル・ローズウィップ
攻撃力400。このカードが表側表示で存在すると相手は1ターンに1度しか魔法・罠を使えなくなるレベル3のチューナー。
魔法・罠を制限する効果を持つが、表側表示でなければならず低攻撃力をさらしてしまうのであまり役に立つとは言いがたい。
それよりも注目すべきはレベル3のチューナーである点であろう。
レベル4の植物族モンスターとシンクロ素材にすることで、「ブラック・ローズ・ドラゴン」をシンクロ召喚しつつ効果のコストを2回分確保することができるのである。
守備力もまずまずあるので植物族デッキには是非欲しいチューナーであると言える。
それでも単体ではあまり機能しにくいのでデッキには1〜2枚投入し蘇生カードで使いまわすのが望ましい。

・ナチュル・コスモスビート
攻撃力1000。相手が通常召喚に成功した時手札から特殊召喚できるレベル2のチューナー。
ステータスは低いので相手のメインフェイズ2の召喚か裏守備でのセットに効果を発動すれば生き残りやすい。
相手ターンで自身を特殊召喚後自分のターンでシンクロ召喚するというのが望ましい。
ただ、レベル6のシンクロモンスターが制限によって少ないのが問題。基本的に1〜2枚の投入にし蘇生カードで使いまわそう。

・ウィード
攻撃力1200。表側表示のこのカードが破壊される場合、代わりに表側表示の植物族モンスターを破壊できるレベル2のチューナー。
身代わり効果を持っているが、シンクロ召喚できる状況なら身代わり効果を使う必要はない。基本的に使う機会のない効果なので純粋にシンクロ召喚を狙うなら「コピー・プラント」の方が良い。
投入するなら攻撃力が最低限の数値であることを生かしたい。植物族デッキには蘇生カードで使いまわせるので1枚で十分であろう。

(4)魔法・罠

・増草剤
1ターンに1度、自分の墓地に存在する植物族モンスターを特殊召喚できる永続魔法。
この効果を使用したターン通常召喚できず、この方法で特殊召喚されたモンスターが場を離れたときこのカードは破壊される。
この手のカードにありがちなこのカードが破壊された場合蘇生したモンスターが破壊されるということはない。
運がよければ何回も植物族モンスターを完全蘇生できる強力な蘇生カード。植物族デッキには3枚投入は必須である。

・薔薇の刻印
自分の墓地の植物族を1体除外して発動する装備魔法。装備した相手モンスターのコントロール得る。ただし、相手ターンにコントロールを相手に返し、自分のターンになったら再びコントロールを得られる。
禁止カードである「強奪」に近い働きを見せてくれる装備魔法。コントロールを得たモンスターはそのターンにリリースするなりシンクロ召喚に使うと良い。
除外する効果は蘇生カードと相性が悪いものの中盤以降ならあまり問題にならない。植物族デッキには2〜3枚投入が見込まれる優良カードである。

・世界樹
フィールド上に存在する植物族が破壊される度に「フラワーカウンター」を1つ乗せ(乗せることできる個数に上限はない)、取り除いた「フラワーカウンター」の数によって効果が変わる。
1つだとエンドフェイズまで植物族1体の攻守400アップ。2つだとフィールド上のカードを1枚破壊。3つだと自分の墓地の植物族モンスター1体を特殊召喚する。
いずれも使いやすい効果である。特に2つの効果は除去カードが不足しがちな植物族デッキでは貴重な効果である。
「ダンディライオン」を「ロードポイズン」等で使いまわせば「フラワーカウンター」をためるのも難しくない。
ただ、シンクロ召喚や「ローンファイア・ブロッサム」から上級モンスターを展開するのが主流になりつつあるため、カウンターを貯まる速度はやや遅くなってきている。
1枚の投入に留めるか2〜3枚投入する場合は「アイヴィ・シャックル」とのコンボを前提にしよう。

・ポリノシス
自分の植物族モンスターをリリースして発動するカウンター罠。魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・特殊召喚のどれか1つを無効にし破壊する。反転召喚は無効にできない。
植物族版「神の宣告」。「ダンディライオン」を何度も使いまわせる植物族デッキなら発動は難しくない。
ただし基本的に損をするカードなので4枚目以降の「神の宣告」として使うのが妥当か。

・植物連鎖
自分フィールド上の植物族に装備し、装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする通常罠。さらに装備カード状態のこのカードが効果によって破壊されると、自分の墓地に存在する植物族モンスター1体を特殊召喚できる。
要するに追加効果の付いた装備カードである。ただし、装備モンスターが破壊されることによる破壊には対応していないため、蘇生効果を使うのはやや難しい。しかも、攻撃力強化なら「団結の力」、蘇生なら「増草剤」の方が確実である。
使うなら「大嵐」「ブラック・ローズ・ドラゴン」などで能動的に破壊できるようにすると良い。それらのコンボを狙うなら1〜2枚デッキに投入しても良いだろう。

・棘の壁
自分の表側表示の植物族モンスターが攻撃の対象になった時発動でき、相手の攻撃表示モンスターを全て破壊する通常罠。
いわゆる植物族専用の「聖なるバリア−ミラーフォース−」である。
効果は確かに強力で低攻撃力の植物族をあえて残すことで相手の攻撃を誘い一網打尽にすることができる。
しかし、事前に植物族モンスターが除去されてしまったり、「裁きの龍」のように攻撃前に除去してくるカードには無力である。
最近は「聖なるバリア−ミラーフォース−」も採用されないことも多いので、隠し味に1枚投入するのが無難であろう。

・超栄養太陽
自分のレベル2以下の植物族モンスターをリリースし、そのレベル+3以下の植物族モンスターを手札またはデッキから特殊召喚する永続魔法。
また特殊召喚したモンスター、自身のどちらかがフィールドを離れるともう片方もフィールドを離れる。
効果自体は「ローンファイア・ブロッサム」の劣化である。しかもカードを2枚使うので消費の面でもよくない。
しかし、使われないかといわれればそんなこともなく「ローンファイア・ブロッサム」を特殊召喚するのに役立つのだ。
レベル2以下の植物族モンスターを4〜5枚以上投入するなら1枚投入する価値はある。

・フレグランス・ストーム
フィールド上の表側表示の植物族モンスターを破壊し(自分・相手問わず)1枚ドローする。ドローしたカードが植物族モンスターだった場合、お互いに確認しさらに1枚ドローできる。
自分の植物族モンスターを破壊した場合2枚ドローできた場合のみ、±0となる。そのため「ダンディライオン」を破壊したり、「強制転移」で相手に植物族を送りつけたりすると良い。
また、「世界樹」とコンボになる点も考慮したい。植物族モンスターが多めに入っているなら1〜2枚の投入なら問題ないだろう。

・アイヴィ・シャックル
自分のターンのみ相手全モンスターが植物族モンスターになり、表側表示のこのカードが相手の効果によって墓地に送られた時カードを1枚ドローできる永続罠。
植物族デッキにおいては「DNA改造手術」にドロー効果がついたカードと言える。相手ターンでは元の種族に戻ってしまうがそれほど気にする点ではない。
主に「世界樹」や「フレグランス・ストーム」とのコンボで役立つがそれ以外にはあまり有効な使い道がないのが欠点。単体ではあまり役に立ってくれないのだ。
それでも「世界樹」に依存する植物族デッキなら2〜3枚投入してもいいだろう。

・ブラック・ガーデン
「ブラック・ガーデン」効果以外で召喚、特殊召喚が発生した場合、そのモンスターの攻撃力を半分にし、さらにそのコントローラーから見て相手のフィールドに攻守800の「ローズトークン」を攻撃表示で特殊召喚するフィールド魔法。
また、このカードと表側表示の植物族モンスターを全て破壊しその攻撃力の合計と同じ攻撃力のモンスターを墓地から特殊召喚する効果も持つ。
植物族デッキとは相性が今ひとつなカード。蘇生効果は確かに強力だが、攻撃力がぴったり同じでなくてはいけないので難しい。
さらにモンスターを多数展開するのを得意とする植物族デッキにとって、攻撃力半減効果やトークン作成効果が邪魔になってしまうことも多い。
強力なカードではあるものの、こちらの展開まで抑える必要が出てくるため、植物族デッキにはあまり必要ではない。

(5)他種族モンスター

・ブラック・ローズ・ドラゴン
攻撃力2400。レベル7のドラゴン族のシンクロモンスターでチューナー、チューナー以外のモンスターに指定はない。
シンクロ召喚時フィールド上のカードを全て破壊する効果(自身を含む)と、自分の墓地の植物族モンスターを1体除外することで守備表示モンスターを攻撃表示にし攻撃力を0にする効果も持っている。
植物族デッキでなくても様々なデッキで活躍できる強力なシンクロモンスター。リセット効果は1度きりだがどんな不利な状況も覆すことができる。また攻撃力を0にする効果も強力。
植物族デッキの切り札としてエクストラデッキには3枚必須である。

・バイオレット・ウィッチ
攻撃力1100の魔法使い族モンスター。戦闘で破壊され墓地に送られた時デッキから守備力1500以下の植物族モンスター1体を手札に加える。
「ボタニティ・ガール」と比べ発動条件は厳しくなったがサーチ範囲はかなり広くなった。
特に「ローンファイア・ブロッサム」を手札に加えることができるのは大きな差であると言える。
ただ、除去カードが蔓延する現在の環境では効果を発揮できないことも多い。相手が除去を多用するデッキになら「ボタニティ・ガール」を優先すると良い。
いずれにせよ一長一短なのでサイドデッキで調整すると良い。

・夜薔薇の騎士 攻撃力1000のレベル3の戦士族チューナー。植物族モンスターを相手の攻撃から守る効果と召喚に成功すると手札のレベル4以下の植物族モンスターを特殊召喚できる。
自身の効果でレベル7のシンクロモンスターである「ブラック・ローズ・ドラゴン」のシンクロ召喚に貢献するチューナー。
植物族を守る効果は、自身は低ステータスですぐシンクロ素材になることがほとんどなので、あまり意味はないであろう。
レベル4の植物族が豊富に投入されており除去カードに「ならずもの傭兵部隊」や「異次元の女戦士」等の戦士族を投入した植物族デッキなら「増援」や「戦士の生還」が共有できるため1枚採用しても良いだろう。

・深緑の魔弓使い
攻撃力900の戦士族モンスター。自分フィールド上に植物族モンスターが存在する限りこのカードへの攻撃を防ぐ効果と、自分フィールド上の植物族モンスターをリリースする度にフィールド上の魔法・罠1枚を破壊する効果を持っている。
「ダンディライオン」などでリリースを確保すれば魔法・罠除去が容易に行える。ただ、魔法・罠除去は「砂塵の大竜巻」などで簡単に補えるので無理に採用する必要はない。

3.植物族デッキの構築

実際に植物族デッキを構築する時のアドバイスです。
なお植物族デッキの中でも、特殊召喚効果を生かし高い攻撃力を持つモンスターで攻め込むタイプのデッキを扱っています。

(1)採用する植物族

下級モンスターは、デッキから植物族を特殊召喚する「ローンファイア・ブロッサム」、蘇生効果を持つ「ロードポイズン」、トークン作成の「ダンディライオン」は可能な限り投入しよう。
攻撃要員が欲しければ「ボタニカル・ライオ」を2〜3枚、ない場合は「ギガント・セファロタス」を代りに投入すれば良い。
「ボタニティ・ガール」は「バイオレット・ウィッチ」兼ね合いで投入枚数を決めよう。
チューナーの「コピー・プラント」、「ナチュル・ローズウィップ」、「ナチュル・コスモスビート」、「ウィード」は使いまわせるので1〜2枚ずつ投入すれば良い。
あとは好みで「リグラス・リーパー」、「キラー・トマト」、「レクンガ」、「カースド・フィグ」、「ダーク・ヴァージャー」を投入すれば良い。

上級モンスターは、対象を取る効果を無効にできる「椿姫ティタニアル」と、強力な特殊召喚効果を持ったデュアルモンスターの「ギガプラント」を2〜3枚投入すれば十分であろう。

エクストラデッキには、植物族ではないものの強力な全体除去と守備モンスターの攻撃力を0にする「ブラック・ローズ・ドラゴン」は可能な限り投入したい。
また、「ヘル・ブランブル」を1枚用意しておきたい。

(2)その他の補助カード

植物族を完全蘇生できる「増草剤」は3枚必須。コントロール奪取の「薔薇の刻印」は2〜3枚投入すると良い。
「ダンディライオン」を何度も使い回すなら、「ポリノシス」が「神の宣告」と同等の働きをしてくれるであろう。また「世界樹」も強力なカードになる。
「植物連鎖」はうれしい蘇生オマケの付いた強化装備カードである。「フレグランス・ストーム」はデッキの植物族を増やせばカード交換カードになってくれる。それぞれ1〜2枚投入し、無理をしない範囲で活用すると良い。
デッキから植物族を呼べる「超栄養太陽」と攻撃宣言時に相手を殲滅できる「棘の壁」は隠し味に1枚投入すると良い。
サーチャーの「バイオレット・ウィッチ」は相手の除去枚数で、チューナーの「夜薔薇の騎士」は投入する戦士族の枚数やレベル4以下の植物族の枚数によって採用するかどうか決めよう。
また、コンボに特化するなら「アイヴィ・アイヴィ・シャックル」を投入することもできるが、単体ではあまり役に立たないので投入は慎重に検討したい。

植物族関連カード以外では、デッキから好きなモンスターを墓地に送れる「おろかな埋葬」、墓地からの特殊召喚が豊富なこのデッキには「生還の宝札」が有効に働く。
「サンダー・ブレイク」や「ライトニング・ボルテックス」は、除去だけでなく手札にたまった上級モンスターを墓地に送るのに使える。

「未来融合−フューチャー・フュージョン」があれば「ギガプラント」をデッキから2枚墓地に送れるだけでなく。ギガプラントと高相性な「超合魔獣ラプテノス」を融合召喚できる。また事故回避のために「炎妖蝶ウィルプス」を採用すると良い。
またデュアルモンスターが多いなら「正統なる血統」や「思い出のブランコ」が強力な蘇生カードとして働く。

(3)このデッキの弱点&対策

植物族デッキの魅力は、墓地からの特殊召喚手段が豊富であることである。
ひっくり返せば除外効果、特殊召喚を封じる効果の前では持ち味を封じられ非常に弱いと言える。
具体的には、前者は「マクロコスモス」、「閃光の追放者」等、後者は「虚無魔人」、「王宮の弾圧」等である。

前者の対策として「王宮の鉄壁」があるが、「薔薇の刻印」が使えなくなることに注意が必要。
「神の宣告」、「魔宮の賄賂」、「砂塵の大竜巻」が前者、後者両方の対策になる。
「虚無魔人」は「世界樹」や「サンダー・ブレイク」などで破壊しよう。

4.まとめ

植物族デッキは、豊富な蘇生カードで前線でも通用する強力な種族デッキである。
その反面、除外や特殊召喚封じに弱く、それをいかにフォローするかがデッキを生かすカギと言える。

「ローンファイア・ブロッサム」の日本発売によって速攻が可能になったことでますます強化されたと言える。
また、アニメでの使い手十六夜アキの使用するカードによってはさらに強化される可能性も十分にある。
これからに期待がかかる植物族デッキを是非構築してみましょう。




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