2008/09/07
六武衆デッキを構築する 作成者:キョン都さん
1.六武衆(ろくぶしゅう)デッキの魅力
六武衆デッキには見た目もさることながら独特の魅力があります。それを考えてみまましょう。
(1)効果が多様である
六武衆デッキの魅力は効果の多様さにある。
六武衆は皆それぞれ個性的な効果を持っている。
セットされている魔法・罠を破壊する「六武衆−ヤイチ」
逆に表側表示の魔法・罠を破壊する「六武衆−カモン」
2回攻撃の「六武衆−ニサシ」
直接攻撃の「六武衆−ヤリザ」
裏守備モンスターを抹殺する「六武衆−イロウ」
攻撃した相手モンスターをダメージステップ終了時破壊する「六武衆−ザンジ」
単体では効果なしモンスターになってしまうのが欠点だが、多様な効果により様々な状況に対処できるのは魅力的であると言える。
(2)サポートの豊富さ
六武衆デッキの魅力はサポートの豊富さにある。
身代わり効果を持った「漆黒の名馬」
デメリット付きの単体蘇生カードである「六武衆推参!」
デメリット付きで2体蘇生する「諸刃の活人剣術」
莫大なコストを要するが形勢逆転を狙える「究極・背水の陣」
六武衆が召喚・特殊召喚された回数で最大2枚ドローが狙える「六武衆の結束」
などサポートカードが豊富なのも六武衆デッキの魅力であると言える。
(3)切り札の強力さ
六武衆デッキの魅力は切り札の強力であることにある。
「紫炎の老中 エニシ」は、攻撃力2200で、墓地の六武衆を2体除外し特殊召喚され、自身の攻撃する権利を放棄する代わりに表側表示モンスターを破壊する効果を持っている。
「大将軍 紫炎」は、攻撃力2500で、自分のフィールド上に六武衆が2体以上存在する時特殊召喚でき、相手の魔法・罠を1ターンに1枚しか使わせない効果と身代わり効果を持っている。
いずれも強力な切り札であり、六武衆デッキを組む意義を持たせてくれるカードなのです。
2.六武衆シリーズの役割と強さ
六武衆シリーズを単体で見た場合の強さを考察します。
(1)下級モンスター
- 六武衆−ヤイチ
攻撃力1300。同名カード以外の六武衆がいれば効果を発揮できる。また、破壊される時他の六武衆を代わりに破壊することができる。いずれも六武衆共通の効果である。
そして、同名カード以外の六武衆がいる時に発揮する効果は、攻撃できなくなる代わりにセットされた魔法・罠カードを1枚破壊すると言うもの。
セットされたカードを破壊する機会は多い上に総攻撃時に役立つ効果である。
ただし攻撃力が低いため防御カードで守らないと場持ちはあまり期待できない。
総合的に考えると六武衆デッキには1、2枚投入し、無理をしない程度効果を狙うと良い。
- 六武衆−カモン
攻撃力1500。六武衆共通の効果を持ち、同名カード以外の六武衆がいれば発揮する効果は、攻撃できなくなる代わりに表側表示の魔法・罠を1枚破壊すると言うもの。
ヤイチに比べチェーンされる心配がないのでほぼ確実に効果が通るのが強み。攻撃力もレベル3にしては高く場持ちもヤイチに比べかなり良い。
ただ、表側表示の魔法・罠はスタンダードなタイプのデッキにはあまりないのが欠点。
総合的に考えるとデッキに1枚投入しロックタイプのデッキを使ってきたらサイドデッキから増やす形がベストである。
- 六武衆−ヤリザ
攻撃力1000。六武衆共通の効果を持ち、同名カード以外の六武衆がいれば発揮する効果は、モンスターが存在していても相手プレイヤーに直接攻撃できると言うもの。
場にモンスターを並べるのが基本になる六武衆デッキにとって、攻撃力が低いのは致命的。直接攻撃するより相手のモンスターを破壊する方が有意義なのである。
ただ通常の六武衆デッキには入りえないがロックタイプの六武衆デッキなら活躍できる。
- 六武衆−ニサシ
攻撃力1400。六武衆共通の効果を持ち、同名カード以外の六武衆がいれば発揮する効果は、一度のバトルフェイズに2回攻撃できると言うもの。
攻撃力1300で条件なし2回攻撃ができ、コントロールを奪われない「不意打ち又佐」が存在するので魅力は小さめ。
ただ、直接攻撃時のダメージは2800と六武衆の中で最高なので、「究極・背水の陣」などのために1枚投入する価値はある。
- 六武衆−ザンジ
攻撃力1800。六武衆共通の効果を持ち、同名カード以外の六武衆がいれば発揮する効果は、このカードが攻撃したモンスターをダメージステップ終了時破壊すると言うもの。
壁モンスターや相手の切り札を倒すことができる強力な効果を持った六武衆である。
攻撃力も高いため六武衆デッキには2、3枚投入が見込まれる優良カードである。
- 六武衆−イロウ
攻撃力1700。六武衆共通の効果を持ち、同名カード以外の六武衆がいれば発揮する効果は、裏守備モンスターを攻撃する時ダメージ計算を行わずそのまま破壊すると言うもの。
総攻撃時、相手の邪魔な裏守備モンスターをことごとく抹殺することが可能である。
攻撃力も高く六武衆デッキには2、3枚投入が見込まれる優良カードである。
- 紫炎の足軽
攻撃力700。戦闘で破壊されるとレベル3以下の六武衆と名のつくモンスターをデッキから特殊召喚できる。
特殊召喚できるのはヤイチ、カモン、ヤリザ、侍従、御霊代の5体。状況に応じて選んでいきたい。
モンスターを並べるのが基本の六武衆デッキには有用なカード。六武衆デッキには1、2枚投入が見込まれる。
- 六武衆の侍従
守備力2000。
効果を持たない通常モンスターであるが、足軽から特殊召喚できる中では守備力が高く最も場持ちが良い。派手さはないものの堅実に六武衆の効果発動に貢献してくれる。
六武衆デッキには1枚欲しいカードである。
- 六武衆の御霊代
攻撃力500。ユニオンモンスターで六武衆と名のつくモンスターに装備でき、その装備モンスターの攻守は500ポイントアップさせ、戦闘・効果破壊時の身代わりになり、さらに装備モンスターが戦闘でモンスターを破壊した時1枚ドローできる効果を持つ。
単体では役に立たないが六武衆に様々な恩恵をもたらすユニオンモンスター。六武衆デッキには1〜2枚投入が見込まれる。
(2)上級モンスター
- 大将軍 紫炎
攻撃力2500。六武衆と名のつくモンスターが2体以上存在する時手札から特殊召喚できる六武衆デッキの切り札。
相手の魔法・罠の使用を1ターンに1度に制限する効果と、破壊されるとき六武衆と名のつくモンスターを代わりに破壊することができる効果も持つ。
召喚制限もなく手札から特殊召喚可能なので、最上級モンスターである割には扱いやすい。
その上六武衆デッキのモンスターを並べる戦術と効果の相性も良い。六武衆デッキに2〜3枚投入が見込まれる優良カードである。
- 紫炎の老中 エニシ
攻撃力2200。墓地の六武衆と名のつくモンスターを2体除外して手札から特殊召喚する。これ以外の方法で場に出すことはできない。
1ターンに1度、自身が攻撃できなくなる代わりに表側表示モンスター1体を破壊する効果を持っている。
六武衆デッキにおいて「カオス・ソーサラー」に近い働きをしてくれる優良カード。六武衆デッキの特徴である墓地利用と相性が悪い点に注意したい。
デッキに1〜2枚の投入がよいが、3枚フル投入するなら「異次元からの帰還」や「D.D.R」を投入しよう。
- 六武衆の師範
攻撃力2100。自分フィールド上に六武衆と名のつくモンスターが存在すれば手札から特殊召喚できる。
また、相手の効果によって破壊されると、墓地から自身を含む六武衆と名のつくモンスターを手札に加えることができる。
「六武衆の師範」は自分フィールド上に1枚しか存在することはできない。
六武衆デッキにおいて「サイバー・ドラゴン」を超える働きをしてくれる上級モンスター。六武衆を出す→師範を特殊召喚→「大将軍 紫炎」を特殊召喚――と言う理想的な流れを作ることができる。
六武衆を手札に加える効果も強力で、六武衆が場に存在するなら何度でも特殊召喚できる。非常に強力な六武衆デッキのキーカード。デッキには3枚投入は必須である。
(3)魔法・罠カード
- 漆黒の名馬
六武衆と名のつくモンスターにのみ装備可能。装備モンスターの攻守は200ポイントアップし、装備モンスターが破壊される場合(効果でも戦闘でも)代わりに破壊される効果も持つ。
攻守アップよりも、破壊される時身代わりになる効果の方がメインである。
だが、攻守500アップに加えドロー効果まで付加する御霊代が存在する。ユニオンモンスターと装備魔法の違いはあれど総合的には御霊代の方が優れていると思われる。
しかし、投入しても戦力ダウンはそれほどしないので1〜2枚なら採用してもいいかもしれない。
- 紫炎の霞城
六武衆と名のつくモンスターに攻撃する時、モンスターの攻撃力を500ポイントダウンさせるフィールド魔法。
守備的なフィールド魔法。相手から攻撃をしかけるといういわゆる受動的なのが大きな欠点。「連合軍」や「強者の苦痛」なら守りだけでなく攻めにも使えるので総合的には勝っていると言える。
以上のことから六武衆デッキには入りえないであろう。
- 六武衆推参!
墓地の六武衆と名のつくモンスターを特殊召喚する通常罠。この方法で特殊召喚された六武衆はエンドフェイズに破壊される。
破壊されてしまうので「大将軍 紫炎」の特殊召喚に使うなどの工夫が欲しい。
総合的には2体六武衆を特殊召喚できる「諸刃の活人剣術」の方が爆発力で勝るので、六武衆デッキには1枚あっても良いぐらいであろう。
- 疾風!凶殺陣
自分の六武衆が戦闘を行った場合、ターンエンドまで自分の六武衆の攻撃力を300ポイントアップする永続罠。
六武衆が2体以上並んでいなければ意味がない上、一度戦闘を行わなければならなく、効果はエンドフェイズまでなどと、「連合軍」に勝る点がほとんどない。六武衆デッキには入りえないであろう。
- 中央突破
自分の六武衆と名のつくモンスター1体を指定し、そのターンのバトルフェイズ中にその六武衆がモンスターを破壊した場合、「大将軍 紫炎」と他の六武衆が直接攻撃できるようになる通常罠。
相手モンスターが2体以上存在しており、指定した六武衆以外に六武衆か「大将軍 紫炎」が存在していなければ意味がない、と使える状況が限定されすぎている。
六武衆や「大将軍 紫炎」が多数存在するなら、直接攻撃を狙うより戦闘破壊していった方が良い。あまりに用途が限られており使いづらいカードなので六武衆デッキには入りえないだろう。
- 究極・背水の陣
ライフが100になるようにライフを払って発動する。墓地の六武衆と名の付くモンスターを可能な限り特殊召喚する通常罠。
同名カードは1枚までで、フィールド上に同名カードが存在する場合その六武衆は特殊召喚できない。
六武衆デッキの切り札になる存在。このカードのために六武衆を種類を多めに入れるのも良いが、デッキの戦力を落とさないようにしたい。
また、ライフコストが莫大であるため、相手ターンで使用するのはなるだけ避け、自分ターンで発動し一気に勝負を付けたい。
切り札になるカードであるものの、デュエルで使えるのは1度だけなのでデッキに1枚で十分である。
- 六武衆の理
六武衆と名の付くモンスター1体を墓地に送って発動する速攻魔法。墓地の六武衆と名の付くモンスター1体を特殊召喚する。
蘇生するのはコストとして墓地に送ったモンスターでも良い。
使い方としては相手の効果に合わせて使い無駄打ちにさせる、生還の宝札でドローする、バトルフェイズに使用して擬似2回攻撃をすると言う使い方がある。
いずれもそれなり使えるが、カード1枚の消費に見合うかと言えば微妙なところ。六武衆デッキには好みで1枚入れるぐらいで良いだろう。
- 神速の具足
ドローフェイズにドローしたカードが六武衆と名の付くモンスターだった場合、それを特殊召喚できる永続罠。
六武衆モンスターを場に並べるのに一役買ってくれる。
しかし、「血の代償」なら元から手札にあるモンスターもわずかなライフコストで展開することができる。
上級モンスターである「六武衆の師範」も特殊召喚できるが、そもそも師範には特殊召喚効果が備わっているため神速の具足自体が不要。
師範の登場により、六武衆を並べるのが容易になっているので、このカードに頼る必要もなさそうだ。
- 諸刃の活人剣術
六武衆と名の付くモンスター2体(必ず2体)を攻撃表示で特殊召喚する通常罠。
この効果で特殊召喚した六武衆はエンドフェイズに破壊され、その攻撃力分のダメージを受けてしまう。
「六武衆推参!」に比べデメリットが大きくなったものの爆発力で大きく勝る。「大将軍 紫炎」の特殊召喚条件を即満たしたり、御霊代を装備し破壊とダメージを免れたりできる。
強力な蘇生カードであるものの、3枚投入すると事故の可能性があるので、六武衆デッキには1、2枚で良いだろう。
- 六武衆の結束
六武衆と名の付くモンスターが召喚・特殊召喚される度にカウンターを1つ乗せ(最大2つまで)、このカードを墓地に送ることで乗っているカウンターの数だけドローできる永続魔法。
六武衆と「六武衆の師範」が手札にあれば即カウンターを2つ乗せることができる。また、カウンター1つでも妥協できるなど柔軟さも備えている。
安定してドローできるので蘇生に特化しないなら「生還の宝札」より優先して投入する価値がある。六武衆デッキには2、3枚投入が見込まれる優良カードである。
3.六武衆デッキと高相性なカード郡
六武衆シリーズ以外で六武衆デッキと高相性なカードをまとめてみました。
- 増援:必然的戦士族デッキになるので欠かせないカード。安定性を上げてくれる。
- 連合軍:場にモンスターを並べるのが基本となるので相性が良い。全体強化で相手を追い詰められる。
- 強者の苦痛:「連合軍」に比べて守備的な相手モンスター弱体化カード。場合によって使い分けよう。
- 団結の力:場にモンスターを並べる六武衆デッキなら圧倒的な攻撃力を得ることが可能。
- 異次元の女戦士などの戦士族:増援などのサポートを共有できる。六武衆デッキの弱点を補強してくれる。
- 我が身を盾に:ライフコストは大きいが弱点である全体破壊から六武衆を守れる速攻魔法。
- 生還の宝札:蘇生カードをたくさん積み込み蘇生に特化するならこのカードの出番。
- 異次元からの帰還:「紫炎の老中 エニシ」の効果で除外したモンスターを展開できる制限カード。
- 神の宣告:万能カウンター罠。全体破壊から六武衆を守る。弱点である除外カードの発動を防ぐなど。
- 魔宮の賄賂:4枚目以降の神の宣告として。
- 血の代償:わずかなライフコストで六武衆を展開できる。六武衆の師範が機能しているならあまり必要ない。
これ以外にも相性のいいカードは存在するかもしれません。
4.六武衆デッキの構築
実際に六武衆デッキを構築する時のアドバイスです。
なおここでは六武衆達や「大将軍 紫炎」を展開し相手を圧倒するタイプのデッキを取り扱っています。
(1)採用する六武衆と関連モンスター
下級モンスターの六武衆で採用するべきなのは、高い攻撃力を持ち効果も強力な「六武衆−ザンジ」「六武衆−イロウ」。3枚投入しても差し支えない。
あとは、魔法・罠除去できる「六武衆−ヤイチ」「六武衆−カモン」の六武衆、レベル3以下のの六武衆を特殊召喚できる「紫炎の足軽」、強化&身代り&ドロー強化の「六武衆の御霊代」、安定性をアップする「六武衆の侍従」をそれぞれ1、2枚投入すれば良い。
「究極・背水の陣」を採用するなら「六武衆−ニサシ」を1枚投入しよう。
上級モンスターは、特殊召喚でき六武衆の効果発動に役立ちサルベージ効果を持つ「六武衆の師範」は3枚投入必須。
墓地の六武衆と名の付くモンスターを除外して特殊召喚できる「紫炎の老中 エニシ」は、六武衆デッキの「カオス・ソーサラー」といえるほど強いため1、2枚投入したい。
また、六武衆デッキの切り札の「大将軍 紫炎」は2、3枚投入したい。
(2)その他の補助カード
六武衆関連カードではドロー強化の「六武衆の結束」を2、3枚投入する。
蘇生カードの「諸刃の活人剣術」は1、2枚、切り札である「究極・背水の陣」はデッキに1枚で十分であろう。
その他、「六武衆推参!」や「六武衆の理」、「漆黒の名馬」を好みに応じて投入すればよい。
六武衆関連カード以外では、戦士族デッキに必須の「増援」は3枚必須。
全体強化の「連合軍」、相手モンスター弱体化の「強者の苦痛」、爆発的な攻撃力を得られる「団結の力」、全体除去からモンスターを守る「我が身を盾に」、「神の宣告」、「魔宮の賄賂」を投入したい。
「紫炎の老中 エニシ」を2、3枚投入するなら「異次元からの帰還」が切り札として働く。
蘇生カードを多数採用するなら「六武衆の結束」の代わりに「生還の宝札」を投入するのも良いだろう。
「増援」を共有できる「異次元の女戦士」や「ならず者傭兵部隊」が不足しがちなモンスター除去を補ってくれる。
(3)このデッキの弱点&対策
六武衆デッキの基本はモンスターを場に展開することである。またその展開力が優れているのも特徴である。
ひっくり返せば全体除去に弱いと言える。
具体的には「ライトニング・ボルテックス」、「激流葬」などである。
これらのカードに対処するため「我が身を盾に」、「神の宣告」、「魔宮の賄賂」を投入したい。
また蘇生カードを多様する場合「マクロコスモス」を筆頭とする除外カードにも弱いと言える。
これからのカードは「六武衆−カモン」、「砂塵の大竜巻」等で破壊するか、上記で上げたカウンター罠でカウンターしたい。また「異次元からの帰還」で逆に利用するのも手である。
5.まとめ
六武衆デッキはその展開力、効果の多彩さ、サポートの豊富さ切り札の強力さで十分強力なデッキと言える。
その反面全体除去でひっくり返されると脆い一面を露呈するデッキでもある。また除外にも弱い。
その弱点を考慮しつつ六武衆デッキを構築しましょう。