2009/01/04
剣闘獣デッキを構築する 作成者:キョン都さん
1.剣闘獣(グラディアルビースト)デッキはなぜ強いのか?
剣闘獣デッキは大会でも上位に入るなど第一線で活躍する強力なデッキです。
その強さを考えてみましょう。
(1)柔軟性の高さ
剣闘獣デッキの強さは、その柔軟性の高さにある。
多彩な効果を持つ剣闘獣を次々に特殊召喚することで、様々な状況に対処することが可能となるからだ。
例えば、相手が「魂を削る死霊」などの厄介な壁モンスターを出してきたら「剣闘獣ムルミロ」で破壊し、相手の場ががら空きなら「剣闘獣ディカエリィ」で2回攻撃する、と言った具合である。
しかも、剣闘獣の効果は墓地に依存しない効果が多いため、除外効果を持つカードにも耐性がある。
以上のように柔軟性の高さが剣闘獣デッキの強さである。
(2)サポートの豊富さ
剣闘獣デッキの強さは、サポートの豊富さにもある。
デッキから剣闘獣をサーチする「剣闘訓練所」、剣闘獣に様々な効果を付ける「闘器」シリーズ、ノーコストの「天罰」である「剣闘獣の戦車」、手札交換カードである「休息する剣闘獣」など……。
剣闘獣専用だけでも多くのサポートカードが存在するのも剣闘獣デッキの強さである。
(3)切り札の強力さ
剣闘獣デッキの強さは、切り札が強力であることにある。
「剣闘獣ガイザレス」は、「剣闘獣ベストロウリィ」と剣闘獣1体をデッキに戻し特殊召喚される攻撃力2400の融合モンスター。
フィールド上のカードを2枚まで破壊する強力な効果を持っている。
「剣闘獣ヘラクレイノス」は、「剣闘獣ラクエル」と剣闘獣2体をデッキに戻し特殊召喚される攻撃力3000の融合モンスター。
手札を1枚捨てることで魔法・罠の発動を無効にし破壊する強力な効果を持っている。
いずれも強力な切り札であり剣闘獣デッキの強みである。
2.剣闘獣シリーズの役割と強さ
剣闘獣シリーズを単体で見た場合の強さを考察します。
(1)下級モンスター
- 剣闘獣ムルミロ
攻撃力800。剣闘獣により特殊召喚されるとフィールド上の表側表示モンスターを破壊する(必ず破壊)効果を持つ。
また、戦闘したバトルフェイズ終了時デッキに戻すことで同名カード以外の剣闘獣をデッキから特殊召喚する『剣闘獣共通の効果』も持つ。
強力な効果を持った剣闘獣。ただ攻守が低いため後続の剣闘獣につなげにくいのが欠点。
加えて、剣闘獣デッキは「収縮」や「突進」で戦闘へのフォローがされていることが多く、表側表示モンスターを破壊する効果が思ったほど役立たないケースも多い。
以上のことから剣闘獣デッキには「魂を削る死霊」などの対策のために1枚あればよい。
- 剣闘獣ベストロウリィ
攻撃力1500。剣闘獣により特殊召喚されるとフィールド上の魔法・罠を破壊する(必ず破壊)効果と『剣闘獣の共通効果』を持つ。
自分のターンで効果発動を狙っても相手の魔法・罠にはばまれることが多いので、相手ターンで戦闘を行なえるような工夫が欲しい。そうすれば魔法・罠除去効果で自分のターンで安全に攻撃が行えるようになる。
ベストロウリィは、安全に攻撃を通す役目だけでなく、強力な剣闘獣ガイザレスの融合素材となる。そのため剣闘獣デッキには2〜3枚は欲しいカードである。
- 剣闘獣ラクエル
攻撃力1800。剣闘獣の効果で特殊召喚されると元々の攻撃力が2100になる効果と『剣闘獣の共通効果』を持つ。
高い攻撃力で安定した活躍が望める剣闘獣。派手さはないものの堅実に後続の剣闘獣につなげることができる。
「剣闘獣ヘラクレイノス」の融合素材でもあるのでそれを狙うなら剣闘獣デッキには2〜3枚欲しい。
- 剣闘獣ホプロムス
守備力2100。剣闘獣の効果で特殊召喚されると元々の守備力が2400になる効果と『剣闘獣の共通効果』を持つ。
いわゆる壁モンスター。裏守備でセットし相手の攻撃を受ければ、相手が上級モンスターでない限り次の剣闘獣につなげることができる。
しかし、相手の攻撃を待たなければならない、いわゆる受動的なのが欠点。相手が攻撃をあまりしかけないと活用が難しくなる。
デッキに「剣闘獣スパルティクス」を投入するなら2〜3枚必要になるが、そうでないなら剣闘獣デッキに1枚あれば十分であろう。
- 剣闘獣ディカエリィ
攻撃力1600。剣闘獣の効果で特殊召喚されると2回攻撃ができるようになる効果と『剣闘獣の共通効果』を持つ。
攻撃力は悪くなく2回攻撃ができるようになるのも魅力である。しかし、「剣闘獣ダリウス」でも2回攻撃に近い行動ができてしまう。
ディカエリィを投入するならやはり「剣闘獣アレクサンデル」の特殊召喚につなげるために投入したい。それを狙わないないなら剣闘獣デッキに1枚あれば十分であろう。
- 剣闘獣セクトル
攻撃力400。剣闘獣の効果で特殊召喚された場合、戦闘を行なったバトルフェイズ終了時に、同名カード以外の剣闘獣をデッキ2体特殊召喚できる。
自身は弱小モンスターで、その上剣闘獣の効果で特殊召喚されている必要があるが効果は強力。自身をデッキに戻さず2体の剣闘獣を特殊召喚できるので、ノーコストでカード2枚分増やすことができる。
特に、「剣闘獣ヘラクレイノス」の特殊召喚のサポートとして優秀。「剣闘獣ヘラクレイノス」の特殊召喚前に、「剣闘獣ベストロウリィ」や「剣闘獣ムルミロ」で相手の場を除去できればなお良い。
ただし、手札に来るとほとんど役に立たないため、剣闘獣デッキに1枚で十分であろう。
- スレイブ・エイプ
攻撃力700。戦闘によって破壊されるとレベル4以下の剣闘獣をデッキから特殊召喚できる。
効果は得られないもののレベル4以下の剣闘獣を特殊召喚できる。「剣闘獣ラクエル」を特殊召喚し後続につなげるのも良い。「剣闘獣ベストロウリィ」を特殊召喚し「剣闘獣ガイザレス」の特殊召喚につなげるのも良いだろう。デッキの安定に一役買ってくれる。
デッキの空きがあれば1〜2枚投入しても良いだろう。類似効果を持つ「剣闘訓練所」とどちらが良いかは個人の判断によるだろう。
- 剣闘獣アンダル
攻撃力1900の剣闘獣の通常モンスター。
効果を持たない通常モンスターであるため剣闘獣デッキではあまり役には立たない。獣戦士族の通常モンスターとみれば強力なのでそちらのデッキで生かすことになるだろう。
- 剣闘獣ダリウス
攻撃力1700。剣闘獣により特殊召喚されると墓地の剣闘獣を特殊召喚する効果と『剣闘獣共通の効果』を持つ。
この効果で特殊召喚されたモンスターは効果が無効になりさらにこのカードが場を離れるとデッキに戻ってしまう。
攻撃力がなかなか高く効果も優秀。「剣闘獣ガイザレス」、「剣闘獣ヘラクレイノス」の特殊召喚に一役買ってくれる。
剣闘獣デッキなら2〜3枚投入が見込まれる優良モンスターである。
- 剣闘獣エクイテ
攻撃力1600。剣闘獣により特殊召喚された時に墓地の剣闘獣と名のつくカードを1枚手札に加える効果と『剣闘獣共通の効果』を持つ。
手札に加えることのできるカードはモンスター・魔法・罠問わないのでなかなか優秀な剣闘獣と言える。
「剣闘獣の戦車」の使いまわしや、「休息する剣闘獣」発動の補助など、使い方は様々。剣闘獣デッキなら2〜3枚投入が見込まれる優良モンスターである。
- 剣闘獣トラケス
攻撃力1400。剣闘獣により特殊召喚され戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、トラケス自身をデッキに戻すことでデッキからカードを1枚ドローする効果を持つ。なお、同名カード以外をデッキから特殊召喚する効果は持たない。
剣闘獣の効果により特殊召喚されていなければ効果は使えない上、自身をデッキに戻して1枚ドローなので損失は±0である。
「剣闘獣セクトル」に比べ、見返りが苦労に見合っておらず、攻撃力も「キラー・トマト」と相打ちになるほどで頼りない。
以上のことから通常の剣闘獣デッキには入りえないだろう。
- スレイブタイガー
攻撃力600。自分フィールド上に剣闘獣が存在する時手札から特殊召喚できる。
さらに自身をリリースすることで剣闘獣1体をデッキに戻し、デッキから剣闘獣1体を特殊召喚できる(同名カードでも良い)。
この効果の特殊召喚は剣闘獣の効果による特殊召喚扱いなので剣闘獣の効果が発揮される。
戦闘を介さなくても剣闘獣の効果が使える便利な剣闘獣のサポートカード。
単体では役に立たず効果を使えば自身がリリースされるものの、剣闘獣の効果を使えばすぐ損失を取り戻せる。
ロックデッキに対して「剣闘獣ベストロウリィ」を特殊召喚しロックパーツを破壊するなど、多彩な活躍ができる。剣闘獣デッキなら2〜3枚投入が見込まれる優良モンスターである。
- 剣闘獣サムニテ
攻撃力1600。剣闘獣により特殊召喚され戦闘でモンスターを墓地に送った場合デッキから「剣闘獣」と名のつくカードをデッキから1枚手札に加える効果と『剣闘獣共通の効果』を持つ。
剣闘獣の効果により特殊召喚されて且つ戦闘でモンスターを破壊する必要があるが、効果は強力。
デッキから手札に加えることができるカードは魔法・罠でも良いので、「剣闘獣の戦車」や「休息する剣闘獣」を手札に加えることができる。
なかなか強力だが剣闘獣の効果で特殊召喚されないと効果が使えないので剣闘獣デッキには1枚で良いだろう。
レベル3の獣族であることを生かし、「レスキューキャット」で「スレイブタイガー」と共に特殊召喚し剣闘獣をデッキから特殊召喚するコンボを狙うなら2枚あっても良いだろう。
(2)上級モンスター
- 剣闘獣アレクサンデル
攻撃力2400。「剣闘獣ディカエリィ」以外の効果で特殊召喚する事はできない。
特殊召喚されると魔法の効果を受けなくなる効果と『剣闘獣共通の効果』を持つ。アドバンス召喚は可能だがそれだと効果なしモンスターになってしまうの極力避けたい。
特殊召喚できれば魔法の効果を受けなくなるので、高い攻撃力との相乗効果で相手を追い詰めることができる。
ただ、積極的に攻撃を行う剣闘獣デッキにとって脅威になるのは罠カードであるため、事前に相手の罠を消費させる工夫が欲しい。
また、アレクサンデルは上級モンスターで特殊召喚方法も限定されているため、「剣闘獣ディカエリィ」が入っているデッキでも、1枚投入すれば十分である。
- 剣闘獣スパルティクス
攻撃力2200。「剣闘獣ホプロムス」以外の効果で特殊召喚する事はできない。
特殊召喚されるとデッキから「闘器」を手札に加える効果と『剣闘獣共通の効果』を持つ。
「剣闘獣ホプロムス」が高守備力を持つので、相手ターンの戦闘によってこのスパルティクスを特殊召喚する流れが理想的。
スパルティクスは、攻撃力が上級モンスターにしてはやや低めなので、デッキの「闘器」の重要度によってデッキに投入するか検討すると良い。
スパルティクスは「剣闘獣ゲオルディアス」の融合素材であるが、「剣闘獣ホプロムス」が2〜3枚を入っているデッキでも、1枚投入すれば十分であろう。
- 剣闘獣オクタビウス
攻撃力2500。剣闘獣により特殊召喚されるとセットされた魔法・罠を1枚破壊する効果と、戦闘を行った自分のバトルフェイズ終了時手札を1枚捨てるか自身をデッキに戻す必要がある。『剣闘獣共通の効果』の効果は持たない。
デッキから特殊召喚するのに必要な剣闘獣の指定なくセットされた魔法・罠を除去できる。攻撃力も「帝」などを破壊できるのは頼もしい。
しかし、自分から攻撃した場合手札を1枚捨てるかデッキに戻す必要がある。また手札に来てしまうと最上級モンスターなのでお荷物になってしまう。
以上のことから剣闘獣デッキには1枚で良いだろう。
なお、手札を捨てるデメリットは効果なので、暗黒界モンスターの効果を発動できるが剣闘獣デッキと混合させる意味はあまりない。
(3)融合モンスター
- 剣闘獣ゲオルディアス
「剣闘獣スパルティクス」と剣闘獣1体をデッキに戻してエクストラデッキから特殊召喚される融合モンスター。
攻撃力2600。戦闘によってモンスターを墓地に送るとその守備力分のダメージを相手に与える効果と、戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に融合デッキに戻すことで「剣闘獣スパルティクス」以外の剣闘獣2体をデッキから特殊召喚する効果を持つ。
ほとんどの面で「剣闘獣ガイザレス」に劣ってしまっている。
特殊召喚条件がきびしめで、ダメージ効果もそれほど多くない(融合前の2体で戦闘した方がダメージが多いことも少なくない)。
そのため、選択肢を増やすために「剣闘獣スパルティクス」を使用する剣闘獣デッキのエクストラデッキにあっても良い、という程度である。
- 剣闘獣ヘラクレイノス
「剣闘獣ラクエル」と剣闘獣2体をデッキに戻してエクストラデッキから特殊召喚される融合モンスター。
攻撃力3000。手札を1枚捨てることで魔法・罠の発動を無効にして破壊することができる。
デッキから剣闘獣を特殊召喚する効果は持たないが、高い攻撃力と魔法・罠封じで相手を圧倒できる剣闘獣デッキの切り札。モンスター効果は「剣闘獣の戦車」で防ごう。
ヘラクレイノスの特殊召喚には「剣闘獣セクトル」や「剣闘獣ダリウス」の効果を活用したい。
融合素材も扱いやすい「剣闘獣ラクエル」であることもあり、剣闘獣デッキのエクストラデッキには是非欲しい切り札である。
- 剣闘獣ガイザレス
「剣闘獣ベストロウリィ」と剣闘獣1体をデッキに戻してエクストラデッキから特殊召喚される融合モンスター。
攻撃力2400。特殊召喚に成功した時フィールド上のカードを2枚まで破壊する事ができる効果と、戦闘を行ったバトルフェイズ終了時融合デッキに戻すことで「剣闘獣ベストロウリィ」以外の剣闘獣2体をデッキから特殊召喚できる効果を持つ。
邪帝ガイウスなどの帝モンスターを超える強力な効果を持った剣闘獣。
融合素材である「剣闘獣ベストロウリィ」は各種サーチ効果や、剣闘獣の効果により場に出すことが簡単。「剣闘獣ダリウス」を使えば即特殊召喚も可能である。
フィールド上のカードを2枚まで破壊できる効果も強力。相手に大損害をあたえることができる。その上戦闘を行うことも容易になりデッキから特殊召喚する効果も使いやすくなる。
破壊効果などで相手の場のカードを減らしてから、「剣闘獣ヘラクレイノス」につなげるというのが理想的。相手を徹底的に追い詰めることが可能となる。
ガイザレスは非常に強力なので、剣闘獣デッキのエクストラデッキに3枚投入は必須である。
(4)魔法・罠カード
- 剣闘獣の檻−コロッセウム
フィールド魔法。デッキからモンスターが特殊召喚される度に(剣闘獣以外や相手モンスターでも可)カウンターを乗せ、そのカウンターの数×100ポイントだけ剣闘獣の攻守がアップする。
また、手札から同名カードを捨てることで破壊を無効にできる。
長期戦に持ち込めばかなりの攻守アップが望めるものの、速攻性がないのですぐに役に立たないのは困りもの。
剣闘獣デッキに無理に入れるほどではない。入れるなら剣闘獣と名のつく点を生かしたい。
- 剣闘獣の闘器ハルバード
剣闘獣専用装備魔法その1。装備モンスターが戦闘を行ったダメージステップ終了時魔法・罠を1枚破壊する(必ず破壊)効果を持つ。
また、装備モンスターがデッキに戻ることで墓地へ送られた場合手札に戻る『闘器共通の効果』も持つ。
どうにも使いづらい装備魔法。その理由としては攻撃宣言時に発動される「炸裂装甲」などには無力であること、そして相手に魔法・罠が存在しない場合、自分の魔法・罠を破壊しなければならないからだ。
闘器の中でもあまり強くはないカード。剣闘獣デッキにはあまり入る要素はないであろう。
- 剣闘獣の闘器グラディウス
剣闘獣専用装備魔法その2。装備モンスターの攻撃力が300ポイントアップする効果と『闘器共通の効果』を持つ。
攻撃力上昇値が少なすぎるのが問題。この上昇値では倒せるモンスターはあまり変わらないであろう。
この300の差が重要である場合のみ、サイドデッキから投入する程度で良いだろう。
- 剣闘獣の闘器マニカ
剣闘獣専用装備魔法その3。装備モンスターが戦闘によっては破壊されなくなる効果と闘器共通の効果を持つ。
剣闘獣セクトルなど低攻撃力の剣闘獣を使用する場合には役立つ。また相手が高攻撃力で押すデッキの場合も役立つであろう。
剣闘獣デッキに投入するかは自分と相手との戦闘能力の差で決めたい。「剣闘獣の闘器デーモンズシールド」とどちらにするかも相談したい。
- 休息する剣闘獣
手札の剣闘獣と名のつくカード(魔法・罠でも良い)2枚をデッキに戻して3枚ドローする手札交換カード。
手札に来た剣闘獣をデッキに戻す重要な手段。手札交換でデッキの安定性を底上げしてくれる優良な通常魔法。
自身も剣闘獣と名の付くカードであるため剣闘獣デッキには2〜3枚欲しい。
- グラディアル・リターン
墓地の剣闘獣と名のつくカード(魔法・罠でも良い)を3枚墓地に戻して1枚ドローする通常魔法。
墓地のカードを利用する「剣闘獣ダリウス」、「剣闘獣エクイテ」との相性が良くない。また、墓地にモンスターが溜まりやすいなら「貪欲な壺」の方が効率が良い。
総合的な戦力を考えれば、グラディアル・リターンは無理に使用するほどのカードではない。
- ディザーム
手札にある剣闘獣と名のつくカード(魔法・罠でも良い)をデッキに戻して、魔法の発動を無効にし破壊するカウンター罠。
剣闘獣をデッキに戻すなら「休息する剣闘獣」の方が強力である。
また、墓地を利用する「剣闘獣ダリウス」、「剣闘獣エクイテ」が主力なら、手札を墓地に送る「マジック・ジャマー」の方が良い。
墓地利用に頼らず相手の行動を封じたい剣闘獣デッキなら、採用候補に挙がるといった程度。
- パリィ
手札にある剣闘獣と名のつくカード(魔法・罠でも良い)をデッキに戻して、罠の発動を無効にし破壊するカウンター罠。
ディザームと同じく剣闘獣をデッキに戻すなら「休息する剣闘獣」の方が強力である。
加えて、罠は魔法よりカウンターの機会は少ない上に全体的には「盗賊の七つ道具」の方が強力。
相手の行動を封じたい剣闘獣デッキでも採用するかどうかは微妙な所である。
- 剣闘獣の闘器デーモンズシールド
剣闘獣専用装備魔法その4。装備モンスターが破壊される時(戦闘・効果問わず)代わりに破壊されるのと『闘器共通の効果』を持つ。
1度きりとは言え戦闘、効果両方の破壊耐性も付くので剣闘獣にとってはありがたい。
『闘器共通の効果』で再利用しにくい点では「剣闘獣の闘器マニカ」に劣るが、「剣闘獣エクイテ」で再利用可能である点を考慮すると、デーモンズシールドの方が総合的には使いやすいかも知れない。
- 剣闘訓練所
デッキからレベル4以下の剣闘獣を1枚手札に加える通常魔法。剣闘獣版の「増援」である。
状況に応じて剣闘獣を手札に加えられる。主に高攻撃力の「剣闘獣ラクエル」と、「剣闘獣ガイザレス」の融合素材である「剣闘獣ベストロウリィ」に使うことになるだろう。
「スレイブ・エイプ」と比較して戦闘を介さない点、手札にきたらすぐ使える点で優れる。総合的にはこちらの方が使いやすいと思われる。
- ハンディキャップマッチ!
自分が剣闘獣の特殊召喚に成功した時、手札またはデッキからレベル4以下の剣闘獣を特殊召喚できる通常罠。
「剣闘獣ヘラクレイノス」、「剣闘獣ガイザレス」の召喚に役立つ。
罠カードであるため1ターン待たないといけないのが大きな欠点。相手ターンで特殊召喚しても対処される恐れがある。
その上、「剣闘獣セクトル」の方が条件が厳しいものの爆発力では大きく勝る。
とは言え、弱いカードではないので、採用しても戦力はそれほど落ちないだろう。
- グラディアル・チェンジ
自分の剣闘獣が特殊召喚された時、相手に手札を1枚選択して捨てさせる通常罠。
発動条件がある割りにたいして強くない。
自分はグラディアル・チェンジ1枚消費して、相手は手札を選択して捨てるため、総合的にはこちらが損をしているとすら言える。
以上のことから剣闘獣デッキには入りえないだろう。
- 剣闘獣の戦車
自分フィールド上に剣闘獣が表側表示で存在する時、効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊するカウンター罠。
剣闘獣デッキにおいてはノーコストの「天罰」である。
「裁きの龍」、「ダーク・アームド・ドラゴン」等凶悪な効果モンスターが横行する現在で投入しない手はない。
剣闘獣デッキには3枚必須の強力カードである。
- ディフェンシブ・タクティクス
自分のフィールド上に剣闘獣が表側表示で存在する時発動できる通常罠。
発動ターン自分へのダメージは0になり、自分モンスターは戦闘では破壊されず、発動後このカードをデッキの1番下に戻す効果を持つ。
剣闘獣デッキ専用の「和睦の使者」と言ったところ。発動条件が付いた代わりにデッキに戻るので再利用が可能である。
デッキの1番下に戻るが剣闘獣デッキはデッキシャッフルする機会が多いのであまり問題にはならない。しかし、またこのカードを引けると言う保証はどこにもない。
総合すると発動条件のない「和睦の使者」の方が使いやすいと言える。4枚目以降の「和睦の使者」として使うか、代わりとして使うことになるだろう。
- 剣闘獣の底力
自分フィールド上の表側表示剣闘獣1体の攻撃力を500ポイントアップさせる効果と、墓地の剣闘獣と名のつくカード(魔法・罠でも良い)を2枚デッキに戻すことで自身を手札に戻すことができる速攻魔法。
剣闘獣デッキ専用の「突進」と言ったところ。剣闘獣にしか使えず上昇値も劣る代わりに再利用効果が付いた。
再利用効果に必要なコストが墓地利用をする「剣闘獣エクイテ」や「剣闘獣ダリウス」と相性が悪いのが問題。
自身の効果を使用しなくてもこのカードは剣闘獣と名のつくカードなので「剣闘獣エクイテ」で再利用ができる。
剣闘獣デッキはそもそも墓地にカードが溜まりにくいデッキなので2〜3回自身の効果で再利用できるかも微妙なところ。
相手のデッキにもよるが上昇値の高い「突進」の方が総合的には勝るであろう。4枚目以降の「突進」として使うか「突進」の代わりに使うのが良いだろう。
- トロイの剣闘獣
手札から相手フィールド上に剣闘獣を1体特殊召喚し、デッキからカードを1枚ドローする通常罠。
このカードと剣闘獣を1体消費して1枚ドローでは割にあっていない。
低攻撃力の剣闘獣を送りつけ戦闘する使い方もできるがあまりに回りくどい。ドローなら「強欲な瓶」、相手にモンスターを送り付けたいなら「強制転移」の方が強力。
以上のことから通常の剣闘獣デッキには入りえないであろう。
3.剣闘獣デッキと高相性なカード郡
剣闘獣シリーズ以外で剣闘獣デッキと高相性なカードをまとめてみました。
(1)モンスター編
- E・HERO プリズマー:「剣闘獣ガイザレス」、「剣闘獣ヘラクレイノス」の召喚を補助してくれるヒーロー。
- E・HERO エアーマン:上記のカードをサーチするのに使う。攻撃力も高い。
- レスキューキャット:「スレイブタイガー」と「剣闘獣サムニテ」を特殊召喚すれば特殊召喚効果が即使用可能。
- 冥王竜ヴァンダルギオン:「剣闘獣の戦車」や「神の宣告」を中心にカウンター罠が豊富ならこのカードの出番。
- 激昂のミノタウルス:剣闘獣は獣族、獣戦士族、鳥獣族が多いのでそのサポートとして。
(2)魔法・罠編
- 突進、収縮:戦闘を補助してくれる速攻魔法。「和睦の使者」に比べ相手を破壊できるのでより攻撃的。
- 月の書、エネミーコントローラー:表示形式変更の速攻魔法。低守備力モンスターが多い環境なら戦闘補助として活躍する。
- 和睦の使者:戦闘することが効果発動のトリガーである剣闘獣にうってつけの罠カード。
- 神の宣告:万能カウンター罠。魔法、罠から剣闘獣を守る。やっかいな効果モンスターの召喚を妨害するなど使い方は様々。
- 魔宮の賄賂:4枚目以降の神の宣告として。
- ゴッドバードアタック:鳥獣族モンスターが多い剣闘獣デッキなら強力な除去カードになる。
これ以外にも相性のいいカードは存在するかもしれません。
4.剣闘獣デッキの構築
実際に剣闘獣デッキを構築する時のアドバイスです。
(1)採用する剣闘獣
剣闘獣デッキの中心になるのは、高攻撃力の「剣闘獣ラクエル」、「剣闘獣ガイザレス」の融合素材である「剣闘獣ベストロウリィ」、蘇生効果を持った「剣闘獣ダリウス」、剣闘獣と名の付くカードを再利用できる「剣闘獣エクイテ」、戦闘を介さず剣闘獣の特殊召喚効果をしようできる「スレイブタイガー」。
これらのカードは2〜3枚投入するべきであろう。
他はモンスター破壊効果を持った「剣闘獣ムルミロ」、強力な特殊召喚効果「剣闘獣セクトル」、壁になる「剣闘獣ホプロムス」、攻撃力2500の「剣闘獣オクタビウス」、デッキからサーチ効果を持つ「剣闘獣サムニテ」などを1〜2枚採用すれば良い。
あとは好みで。
上級モンスターの剣闘獣を使うなら、それらを特殊召喚できる剣闘獣を投入すれば良い。
(2)その他の補助カード
剣闘獣関連カードでは、手札交換カードの「休息する剣闘獣」と、ノーコストの「天罰」である「剣闘獣の戦車」、状況に応じて剣闘獣をサーチしてくれる「剣闘訓練所」が2〜3枚欲しい。
あとは「ハンディキャップマッチ!」、「剣闘獣の闘器デーモンズシールド」、「剣闘獣の闘器マニカ」、「ディフェンシブ・タクティクス」、「剣闘獣の底力」等を好みに応じて投入すればよい。
剣闘獣関連カード以外では、戦闘補助は「突進」、「収縮」、「月の書」、「エネミーコントローラー」、「和睦の使者」どれかを好み応じて2〜3枚投入すると良い。
「剣闘獣ベストロウリィ」、「剣闘獣エクイテ」等が多いなら「ゴッドバードアタック」が強力な除去カードになる。
あとは、様々な状況に対応できる万能カウンターの「神の宣告」と、4枚目以降の「神の宣告」になる「魔宮の賄賂」を採用したい。
剣闘獣以外のモンスターでは、剣闘獣の融合モンスターを出しやすくなる「E・HERO プリズマー」、それをサーチする「E・HERO エアーマン」がおすすめ。
「レスキューキャット」は「スレイブタイガー」と「剣闘獣サムニテ」を特殊召喚し剣闘獣の特殊召喚効果を損失なく使用できる。
デッキのカウンター罠が多いなら、「冥王竜ヴァンダルギオン」が切り札として働くだろう。
(3)このデッキの弱点&対策
剣闘獣デッキはデッキからの特殊召喚がメインとなる
そのため弱点としては特殊召喚を封じる「王宮の弾圧」、「虚無魔人」、「フォッシル・ダイナ パキケファ」がある。
またモンスター効果封じにも弱いため「スキルドレイン」を中心のデッキには苦戦を強いられるであろう。
以上のことからメインデッキから「神の宣告」、「魔宮の賄賂」を採用する価値がある。また「砂塵の大竜巻」も有効である。
「虚無魔人」は得意の戦闘補助カードで破壊すればよい。対策はそれほど難しくない。
5.まとめ
剣闘獣デッキはその柔軟性と補助カードの豊富さ、切り札の強力さなどで第一線で通用する強力なデッキである。
特殊召喚封じなど弱点もあるが、対策の対策もそれほど難しくない。
エクストラパック登場などによってさらに強化されたと言える。
今後に期待がかかる剣闘獣デッキを是非構築してみましょう。