カード考察 FLAMING ETERNITY

First update : 2004/11/25
Last update : 2004/12/24

効果やパラメータなどは面倒なので書きません。他のサイトを探してください。

スペースマンボウ

FET-JP001
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 4

魚魚魚
魚を食べると
頭頭頭
頭が良くなる

――らしいですが、正直この魚はあまり食べたくないです。

ちなみに、元ネタはコナミの同名シューティングゲームだとか。

神竜 ラグナロク

FET-JP002
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 4

竜魔人 キングドラグーンの融合素材。
ラグナロク自身は効果なし攻撃力1500のモンスターなので、思いっきり名前負けしているモンスターでもある。

竜魔人 キングドラグーン使う場合、ラグナロクが不可欠に思えるかもしれないが、突然変異からの特殊召喚を使えばラグナロクは不要。
それでも、仮面竜、融合呪印生物−闇などを駆使していけば、このカードを使って融合を狙っても大きく弱体化することはない。

格闘ねずみ チュー助

FET-JP003
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 1

燃える魂を持つ格闘家のねずみ。
夕焼けをバックにしたイラストが彼の情熱を表現している。

触れるとヤケドするらしいが、まだまだ地属性。
ねずみ界一への道のりはまだまだ遠いぜ!

甲虫装甲騎士

FET-JP004
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 7

昆虫族レベル4で攻撃力1900を持つモンスター。守備力も1500と高めで無視できない。
テキスト通り、優秀な昆虫族でムシムシ団だぞ。

一般的に、効果なし攻撃力1900モンスターは、最近ではあまり使われなくなってきている。
だが、甲虫装甲騎士の種族を無視してはいけない。代打バッターからの特殊召喚が可能な昆虫族なのだ。
甲虫装甲騎士は、昆虫族デッキを作る場合には無視できない1枚である。

ネフティスの鳳凰神

FET-JP005
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 8

このパックのメインとなるモンスター。ホルスと同じく元ネタはエジプト神話だ。
ネフティスは何度も蘇生する能力を持ち、自身が炎属性である点と合わせて、"FLAMING ETERNITY" を象徴しているぞ。

1.ネフティスを場に出す手段

ネフティスのレベルは8であり、召喚には生け贄が2体必要である。
生け贄を確保できないまま手札に溜まってしまうことも多いため、デッキには何らかの加工がほしいところだ。

例えば、名推理やモンスターゲートを用いた特殊召喚、炎を支配する者や墓守の偵察者を用いた生け贄召喚など、レベル8モンスターを場に出す手助けとなるカードはたくさんある。
だが、ネフティスを使う上で見逃せないのは、ネフティスの導き手からの特殊召喚だ。

ネフティスの導き手を使え!

ネフティスの導き手は、自分フィールド上の「ネフティスの導き手+もう1体のモンスター」を生け贄にネフティスを特殊召喚する能力を持つモンスター。
ネフティスの導き手を使うことによって、以下のメリットが得られるぞ。

以上のように、いいこと尽くめである。
もちろん、ネフティスの導き手は単体ではほとんど役に立てないというデメリットはあるが、メリットの方がはるかに大きい。

好みや戦術、デッキ構成によるものの、ネフティスの鳳凰神を使う際はできるだけネフティスの導き手とセットで使用したい。

2.復活効果とその挙動

ここでは、ネフティスが場に出たあとについての挙動について見ていこう。

まず、ネフティスの攻撃力は2400であるため、戦闘で勝つのは困難である。
そのため、カード効果で対処するのが一般的――だが、カード効果で破壊するとネフティスの効果によって次のターンに復活してしまうのだ。

したがって、ネフティスは戦闘にも効果にも強く、じわじわと確実に相手を追い詰めることができる。攻撃力の高いモンスターが場に残り続ける――これは脅威である。
まともにネフティスを倒せる手段は、高攻撃力モンスターの攻撃、除外効果、手札やデッキに戻す効果、コントロール奪取タイプの効果に限られ、一般的なデッキに5枚あるかどうかといったところだ。

しかも、ネフティスは自分のカード効果で破壊しても復活効果が適用されるのがさらに厄介。
蘇生に利用した早すぎた埋葬、リビングデッドの呼び声をサイクロンなどで破壊しても、ネフティスは復活してしまう。サイバーポッド、ブラック・ホール、激流葬などともコンボが成立してしまうのだ。

3.魔法・罠を焼き尽くす効果

ネフティスの復活効果が適用されると、場の魔法・罠を全て破壊する効果が適用される。
ここではその効果について、相手と自分の両方の視点から考察していこう。

相手の魔法・罠破壊

まず、相手の魔法・罠を破壊する点について。

ここで注目したいのは、ネフティスの魔法・罠破壊効果は自分のスタンバイフェイズに適用される点だ。
自分のスタンバイフェイズでネフティスが復活し、相手の魔法・罠を破壊すれば、その後の自分のバトルフェイズを有利に進めることができ、相手を戦闘面で追い詰めることができるのだ。

ただし、多くの場合においては、ネフティスの効果で魔法・罠が破壊されることを相手に把握されている。
破壊されることを知っていながら、わざわざ魔法・罠カードを伏せたりはしないもの。相手の魔法・罠を破壊できる機会はそれほど多くはないのだ。

それでも、前のターンから伏せてある魔法・罠は破壊できるし、ネフティス復活後に対処するための防御系カードのいくつかは手札に残ったままになるだろう。
つまり、相手を確実に追い詰める役割は果たすことができているのだ。

自分の魔法・罠破壊

ネフティスの魔法・罠破壊効果は強制的に適用される効果であるため、自分の魔法・罠が巻き添えになってしまう危険がある。
このため、ネフティスが出ている時には罠を伏せないようにしたり、伏せるとしてもチェーン発動できるものにしたりという配慮が必要だと思えるだろう。

だがよく考えてみると、この点はそれほど大きな問題ではない。
炸裂装甲を例に挙げてみると――

  1. 自分の場にはネフティスと、伏せ状態の炸裂装甲がある。
  2. ネフティスが効果で破壊される。
  3. 相手はネフティスがいなくなったので、相手は攻撃を仕掛けてくることが多い。
  4. 炸裂装甲を発動。攻撃を阻止。
  5. ネフティス復活時には炸裂装甲は使用済み。

このように、無駄なく使用できる場合が多いのだ。
もちろん相手が攻撃してこなかった場合は炸裂装甲は無駄になってしまうが、効果を使ってネフティスを倒したのにもかかわらず攻撃をしなかった時点で、すでに相手は損をしているのだ。大したデメリットではない。損をしたのはお互い様なのだ。

このため、ネフティスが場に出ていても、自分の罠系のカードは無理に控えなくても大丈夫なのだ。
むしろ、ネフティスの戦闘面でのフォローや、ネフティスが効果が除去された後の攻撃を防ぐために、罠系カードを伏せていった方が自分にプラスになる場合も多い。

4.デッキ構築とコンボカード

以上より分かるように、ネフティスは、レベル8モンスターの割には場に出しやすく、何度も復活して高い攻撃力で確実に相手を追い詰めることができる強力なモンスターである。
だが、ネフティスはあくまでレベル8の上級モンスター。デッキ構築が悪いと手札にかさばったりして活躍ができないことも多い。ここでは、ネフティスを使ったデッキ構築について紹介していこう。

ネフティスを使ったデッキには、ネフティスを出しやすくする要素と、場に出た後でネフティスをフォローする要素を盛り込んでいきたい。
そのためのカードを以下に紹介していこう。

以上のコンボカードのいくつかをうまく組み合わせていくと良い。
これらのカードは、カード同士の相性も良い場合が多く、多少意識すれば結構簡単に強力なデッキができるのだ。

5.依存すればするほど

――このように、ネフティスの鳳凰神を使ったデッキは強力であり、実戦クラスでも十分に活躍できるだろう。
そして、ネフティスはデッキに2枚、3枚と採用していった方がコンボが決まりやすくなり、強力になるだろう。

ただ、注意すべきは相手の戦術によって勝率が左右されやすいことだ。
一般的にネフティスを倒す手段は少ないとは言え、相手のデッキ次第では簡単に崩されることも多い。

このため、マッチ2戦目以降は、ネフティスに対処可能なカードがグッと増え、戦いが厳しくなることが予想される。
特にネフティスに依存したデッキでは、それは顕著に現れるだろう。注意したい。

逆に、ネフティスを使わない人は、サイドデッキを含む自分のデッキを見直してみて、ネフティスに対抗できる手段を頭の中でシミュレートしてみよう。
ネフティスに対抗できるカードが少ないと感じたら、サイドデッキを中心にカードを入れ替えてみるのもいいだろう。

いずれにせよ、ネフティスは結構な数のデュエリストに使われるカードになることは確かである。

ネフティスの導き手

FET-JP006
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 7

ネフティスを導くことのできる使い手。
このカードの考察は、上のネフティスの項に含めてあるので、ここでは導き手の容姿についての考察を――
……ごめんなさい、やめます。

アルティメット・インセクト LV5

FET-JP007
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 7

チマチマと登場しているアルティメット・インセクト第3弾。

1.場に出しやすい昆虫族のホープ

LV5になり、攻撃力は2300までアップ。
さらに、LV3から特殊召喚すれば相手モンスターの攻撃力を500ポイント下げることができる。

このため、レベルアップ後のLV5は、モンスターとの戦闘時における実質的な攻撃力が2800となり、戦闘ではほぼ負けない。
一般的にLV5は、LV3からの特殊召喚によって場に出されるため、攻撃力ダウン効果が適用されやすいのもポイントだ。

そして、共鳴虫、ドラゴンフライ、代打バッターなどからLV3を相手ターンで特殊召喚すれば、直後の自分のスタンバイフェイズでLV5にレベルアップし、一気に実質攻撃力2800のモンスターとなる。
このため、以下の例のような活躍が見込まれる。

  1. 自分の場に共鳴虫、相手の場にサイコ・ショッカーが存在
  2. サイコ・ショッカーが共鳴虫を破壊 → LV3特殊召喚
  3. 直後の自分のスタンバイフェイズでLV3はLV5にレベルアップ
  4. LV5がサイコ・ショッカーを戦闘で撃破

2.意外な安定性

これだけでも活躍が見込まれるLV5だが、忘れてはいけないのがLV7へのレベルアップ。
LV7へのレベルアップは単純に1ターン待てばいいだけなので、レベルアップは比較的容易。さらに、LV5自体が戦闘ではなかなか手が出ないため、必然的にLV5は生き残りやすくなり、一層レベルアップが容易になっているのだ。

そして、LV5は代打バッターからの特殊召喚や生け贄召喚も狙えるのもポイント。この場合は攻撃力ダウン効果は適用されないものの、デッキの安定性は上がる。
特に相手ターンでLV5を特殊召喚すると、次の自分ターンでいきなりLV7が出せてしまう。これは魅力的だ。
このような利点を生かすためにも、アルティメット・インセクトを使う場合は、昆虫族デッキにしたい。

3.欠点と期待

ただし、LV5を含むアルティメット・インセクトの欠点としては、戦闘面以外での効果をほとんど持たないこと。
つまり、サイレント・ソードマン LV5のように魔法耐性があったりはしないのだ。

だが、それを差し引いても、LV3からのレベルアップの容易さ、LV7へのレベルアップの容易さ、戦闘面での強力さ、共鳴虫や代打バッターによる安定性増大――――これだけのメリットを兼ね備えている。
さすがに最強クラスの実力は持たないものの、昆虫族デッキの戦力を大きく底上げする一枚とはなるだろう。

LV7がない現時点でも、アルティメット・インセクト込みの昆虫族デッキを作る価値はあるかもしれない。

サイレント・ソードマン LV5

FET-JP008
原作登場カード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 6

サイレント・ソードマン LV3がレベルアップした姿。
原作とは違い、僅か1ターンでここまでの力を得ることができる上、更なる特殊能力を兼ね備えているぞ。

サイレント・ソードマン LV5の攻守や効果はホルスの黒炎竜 LV6に類似しているため、その動きもホルスの黒炎竜に近いところがある。
そこで、ホルスの黒炎竜 LV6と比較しながら、サイレント・ソードマン LV5を見ていくことにしよう。

1.LV3からのレベルアップ

LV3やLV4からのレベルアップにより特殊召喚される場合を比較すると――

ホルスの黒炎竜は攻撃宣言を介さないといけないため、相手の場に都合よく一方的に倒せる低攻撃力モンスターが出ており、さらに相手が罠を仕掛けていない必要がある。
これに対し、サイレント・ソードマンは攻撃力は低いものの、相手の攻撃をしのげさえすれば自動的にレベルアップする。

特にシャインエンジェルからの特殊召喚に成功すれば、即座にレベルアップできる。これは魅力的だ。
さらに、増援や戦士の生還でのサーチを用いても、手札に加えることが可能である点も見逃せない。

サイレント・ソードマンは単体での戦力は乏しいものの、レベルアップの成功率においてはホルスの黒炎竜を上回るといえるだろう。

2.場にでている時

さて、サイレント・ソードマン LV5と、ホルスの黒炎竜 LV6は、両者とも魔法効果を受け付けない能力が備わっている。

しかし、サイレント・ソードマンは、相手の魔法にしか対応していない点に注意したい。
このため、強化装備系カードを使える代わりに、自分のブラック・ホールや早すぎた埋葬などとのコンボが成立しないのだ。

ちなみに魔法を受けない効果は、ターンジャンプしたから光の護封剣は受け付けないぜ、という意味を暗に誇示している気もする……。

3.LV7へのレベルアップ

さらなるレベルアップについて比較してみると――

どちらが楽かと言えば、ホルスの黒炎竜の方だろう。
サイレント・ソードマンの直接攻撃もそれほど難しいわけではないが、以下のような相性の悪さを引き継いでしまっている。

このため、サイレント・ソードマンは無理にLV7を使わない方がいい。
しかも、LV7の効果で最初に魔法が使えなくなるのは自分からなので、ホルスの黒炎竜 LV8よりも不便な点も目立つのだ。
LV7を入れるとしてもデッキに1枚がちょうどいいだろう。

4.まとめ

全体的には、僅かではあるがサイレント・ソードマンよりもホルスの黒炎竜の方が便利であると考えられる。

サイレント・ソードマンを使うなら、LV3からの特殊召喚のしやすさ、属性、種族を利用して、サイレント・ソードマンとしての魅力を引き出したい。
増援によるデッキサーチ、シャインエンジェルを利用したレベルアップ、カオス・ソルジャー −開闢の使者−の採用など、サイレント・ソードマンは戦士族専用、光属性専用の強力カードとの相性が良いのだ。

また、防御系カードを多めに採用して、サイレント・ソードマン LV3を守れるような構成にしたい。これは、サイレント・ソードマン LV5を生け贄召喚するためにも役に立つぞ。

デッキ構成を工夫すれば、LV3とLV5をそれぞれ3枚、LV7を0〜1枚ほどデッキに投入して、サイレント・ソードマンの活躍の機会を増大させることができるだろう。

地帝グランマーグ

FET-JP009
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 7

「帝」シリーズ第4弾。
「帝」シリーズのモンスターは、生け贄召喚に成功した時点でほぼ確実に相手に何らかの損害を与える効果を持つため、かなり使いやすいシリーズである。その便利さについては、天空の聖域パックの雷帝ザボルグ(308-023)を参考にして欲しい。

1.セットカード破壊の意味

地帝グランマーグはセットされたカード1枚を破壊する効果を持つ。
「セットされたカード」というのは、裏側守備表示のモンスターと裏側表示の魔法・罠を指す。

さて、相手がカードをセットしたということは、相手は守りに入っているということである。
このため、グランマーグでセットされたカードを破壊すれば、相手の守りを崩していると言えるだろう。

グランマーグでポイントなのは、守りを崩した直後に攻撃力2400の攻撃を叩き込める点だ。効果と高攻撃力との相性が高いのだ。
さらに、生け贄用モンスターを確保できた時点で相手は守りに入っていることも多いため、生け贄召喚とセットカード破壊効果との相性も良い点も見逃せない。

このように、セットカード破壊効果は高レベル・高攻撃力との相性が良く、効率の良い活躍に期待が出来るのだ。

2.弱点とそれをフォローするデッキ構築

それでも、相手や自分の戦術によっては、グランマーグを生け贄召喚しても相手の場にセットされたカードが存在せず、効果不発になってしまうことも少なくはない。
セット魔法・罠はチェーン発動されることも考慮すれば、普通にデッキに放り込む分には、雷帝ザボルグや氷帝メビウスの方が使いやすいことは否定できない。

ただし、自分のデッキ構成を工夫することによって、この弱点はフォローすることができる。
それは、自分のデッキを攻撃的なデッキにすること。
デッキを攻撃的にすることによって、相手の裏守備セットを誘うのだ。

特に、グランマーグと同じ地属性のモンスターには、怒れる類人猿、D.D.アサイラント、お注射天使リリーなどの高攻撃力モンスターが多数存在し、さらに地属性デッキで活躍可能な高攻撃力のギガンテスも存在する。
地属性中心でデッキを組んでいけば自然と攻撃的なデッキとなり、グランマーグの効果を生かしやすくなるのだ。

グランマーグを使う場合は、高攻撃力の地属性モンスターを多数投入した地属性デッキがオススメだ。

3.プレイング

最後にプレイングに関して簡単に書こう。

グランマーグの効果を使う際には、できるだけモンスターの方を優先して破壊していきたい。魔法・罠カードだと効果にチェーン発動され、せっかくの効果が役に立たなくなってしまう可能性があるからだ。
相手の伏せカードがある程度見当がついている場合か、相手の場に破壊可能なモンスターがいない場合にだけ、魔法・罠の方を破壊していこう。

エレメント・ヴァルキリー

FET-JP010
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 4

前回、前々回のパックから引き続いてのエレメントシリーズ。
エレメント・ヴァルキリーは、炎と水モンスターによって強化される。

だが、どちらも魅力的な効果とは言えず、怒れる類人猿や盲信するゴブリンなどを使用していった方が強いことは否定できない。

それでも、イラストだけは人気が出そうなので、パックにこのカードが入っていても不思議とあまりヘコまない。

エレメント・デビル

FET-JP011
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 5

またまたエレメントシリーズ。
エレメント・デビルは、地と風モンスターによって特殊能力を得る。

地属性確保はスケープ・ゴートを使うと便利。
うまくいけば、モンスターの攻撃を無効にしつつ複数回攻撃ができるので相手を一気に追い詰めることができる。

だが、相手モンスターの攻守が1500未満でなくてはどちらの効果も生かせないため、実際に効果を生かせる機会は少ない。
専用デッキを組むのもいいが、無理に地・風属性モンスターを並べる戦術を取るよりも、単体で強いカードを優先して採用していった方がデッキ全体の戦力は上がる。

そして、既にいくつもエレメントシリーズが登場している上、イラストも人気がなさそうなので、パックにこのカードが入っていると結構ヘコむ。

本気ギレパンダ

FET-JP012
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 2

ちゃぶ台をひっくり返すオヤジの図。
でもそれは仲間の死を悼んでのことだから彼を責めないで欲しい――と主張してあげようかと思ったが、イラストを見る限りそんな気は全然してこない。

本気ギレパンダは獣族モンスターが破壊される度に攻撃力を上げる。
相手の羊トークンに攻撃を仕掛けていけば、トントン拍子で攻撃力を上げることができる。

それでも元々の攻撃力が低い上に、攻撃力アップ以外の効果は持たない。
攻撃力アップも「破壊される度」に適用されるので、羊トークンをトークン収穫祭で大量に破壊しても上昇する攻撃力は500だ。

一応、巨大ネズミ、ハイエナ、素早いモモンガを使用して、連続自滅攻撃を仕掛けていけば攻撃力3000くらいにはなるだろうが、それまでに受けた戦闘ダメージやデッキ全体のバランスを考えると効率は良いとはいえない。

またたびキャット

FET-JP013
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 2

明らかに来るところを間違えている猫。
ここにいても、速攻で倒されちゃうだけなので誰か引き取ってやってください。

またたびキャットは、相手モンスターの守備力を0にする効果を持つが、

――と、使いにくい効果である。
しかも、またたびキャット自身の攻守も相当貧弱であるため、次の相手ターンの反撃の方が怖い。(獣族に守られる効果を使ったとしても)

効果もそれほど強くないし攻守も貧弱なので、激昂のミノタウルスなどの貫通モンスターを利用したり、スケープ・ゴートとのコンボも意識した獣族デッキであっても、それほど勝利には貢献してくれないだろう。
普通に忍者マスター SASUKEを利用した方が強いことは否定できない。

……やっぱり誰か引き取ってやってください。

百獣王 ベヒーモス

FET-JP014
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 5

獣族最強クラスのモンスター。
レベル7だが生け贄1体で召喚する能力を持ち、さらに生け贄召喚時に生け贄に捧げた数だけ獣族モンスターを墓地から手札に回収することもできる(生け贄に捧げたモンスターでも回収可能)

1.長所

ベヒーモスを場に出すには、生け贄1体での召喚、生け贄2体での召喚、特殊召喚の3つの方法があるが――

以上のように、いずれの方法にも無駄が少ないのがポイント。
生け贄召喚しても、自分のカードの数が変わらないことは魅力的だ。

2.短所

このように、ベヒーモスには利点はあるが、それでもあくまで生け贄が必要な上級モンスター。
生け贄が確保できない状態で手札にあると単なるお荷物になってしまう。

さらに、獣族モンスター回収効果により生け贄召喚時の「カードの損失」をほぼ0にできるとは言え、「フィールド上のモンスターの数」という観点から見れば――

――と、軒並みマイナスになっている。
生け贄召喚が出来ない状況や、墓地に獣族モンスターがない状況も考慮すれば、ベヒーモスを生け贄召喚するよりも怒れる類人猿をもう1体召喚した方が便利な場合が多いのだ。

このため、無理にベヒーモスを利用するならば、高い攻撃力と復活効果を持つ暗黒のマンティコアを使用していった方が、獣戦士族にも対応できる分だけ便利な点は多いだろう。
ベヒーモスはいろいろ出来そうなカードではあるものの、効果によって得られる利益はあまり大きくないのだ。

3.コンボ?

おまけだが、2枚のベヒーモスと血の代償を使うと、

以上のように、ベヒーモスを無限に召喚し続けることができるのだ。(自分メインフェイズまたは相手バトルフェイズのみ)
もちろん無限に召喚しても、常に場に存在するベヒーモスの数が変わるわけではないので、このままでは血の代償のコストを無駄に払い続けるだけになるが、他のカードと組み合わせることで1ターンキルコンボが成立する可能性がある。

例えば、DNA改造手術と精気を吸う骨の塔を組み合わせれば、相手のデッキを1ターンで尽きさせることが可能である。
また、謎の傀儡子を2体以上場に出しておけば無限回復コンボを狙うことが可能だし、冥界の宝札を使えば(生け贄は2体にして同様の処理を行う)ライフがある限りドローすることも可能。

ただ、いずれの方法もそれほど強くはないのだが……。
……まだまだ探せば脅威となりうる無限コンボが見つかるかもしれない。

ビッグホーン・マンモス

FET-JP015
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難(要生け贄) / 中間型
総合評価 : 3

巨大な牙で相手の攻撃を遅らせる能力を持つマンモス。

だが、攻撃力2000のビッグホーン・マンモスが場にいる時点で、相手は戦闘を積極的に行わなくなるだろう。
さらにビッグホーン・マンモスは効果で除去されることも多く、当然ながら除去後はビッグホーン・マンモスの効果は適用されない。
つまり、ビッグホーン・マンモスの効果を生かせる機会は少ないのだ。

もちろん、相手がさらに攻撃力の高いモンスターを出すこともあるだろうし、自分の場に守りたい低攻守モンスターがいることもある。
それでも効果を生かせる機会はそれほど多くならないだろうし、何しろ効果を生かせてもそれほど強力でもない。

このように、レベル5攻撃力2000の割にはその効果が物足りないため、イマイチ活躍ができないのだ。
ビッグホーン・マンモスを使うなら、普通に攻めるスタンダードタイプデッキの戦力とするよりも、攻撃ロック系デッキの保険用モンスターとして使ってみよう。

カンガルー・チャンプ

FET-JP016
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 3

戦闘を行ったモンスターの表示形式を強制的に守備表示に変更させる効果を持つカンガルー。
戦闘を介しさえすれば、こちらから攻撃しても相手から攻撃されても効果は適用される。

基本はカンガルー・チャンプを守備表示にして相手の攻撃を待ち、攻撃してきた高攻撃力モンスターを次のターンで倒すことだ。
それでも、自分の場に別のモンスターがいれば、カンガルー・チャンプから仕掛けていくことも有効ではある。

だが、表示形式の変更はそれほど強力ではない上、カンガルー・チャンプ自身の攻守も1000に届いていない。というか、本当にチャンプなのか……?
異次元の女戦士やハイパーハンマーヘッドなどを使用していった方が明らかに強い。
獣族にこだわるとしても、使いやすいカードではないだろう。

ハイエナ

FET-JP017
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 5

戦闘で倒されると、別のハイエナを特殊召喚することができる効果を持つ。
だが、効果適用の場面を想像すると――

 ハイエナが倒される → ハイエナの死体に別のハイエナが群がってくる

――なんだか吐き気を催してきそうである。
とは言っても、そんなことを想像する方が悪い。自業自得。ああ、むしろ不特定多数の人が見るインターネット上に書いた私の方が悪いのか。ごめんなさい。でも、面白いので消す気はありません。

……まあ、元々ハイエナは群れを成して行動する動物なのだから、群れを成しているから倒されても次のハイエナが出てくる、と解釈するのが普通なんだけどね……。

さて、まともな考察に入ろう。

ハイエナは素早いモモンガと同じく一度倒されれば複数体の特殊召喚が可能であるが、総合的に見ればやはり素早いモモンガや巨大ネズミを使った方が強い。ハイエナとしての利点は、特殊召喚時の表示形式が自由な点くらいである。
ハイエナはそれほど弱いカードではないものの、同じ役割を素早いモモンガや巨大ネズミに食われてしまっているため、実際にはほとんど使われなさそうだ。

――まともな考察、3文で終了しちゃったよ。

ブレードラビット

FET-JP018
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 3

相手モンスターを破壊する効果を持つウサギ。
だが、同じ効果を持ち攻守も高いドリーム・ピエロを使っていった方が明らかに便利である。

一応、ブレードラビットはレスキューキャットから特殊召喚できるものの、特殊召喚ターンには表示形式を変更できない上、ターン終了時に破壊されてしまう。
このため、レスキューキャットの意味はほとんどない。

巨大ネズミやキャトルミューティレーションを使ってブレードラビットの属性や種族を生かせたとしても、攻守の絶望的な低さが災いして使いにくいカードであることは否定できない。

機械犬マロン

FET-JP019
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 3

ついに改造されたかマロンよ――と思ったら、なにやらおもちゃっぽくなっている……?
改造というよりは、単にマロンをモデルにして作られた機械仕掛けの犬なのだろう。多分、今年の売れ筋ナンバーワンだ。

――とか思ったりもしてみたが、その効果は危険である。破壊されるとダメージを発生してしまうのだ。
ううむ、これじゃあ玩具としては通らない。むしろ兵器なのか……。

さて、機械犬マロンは、効果で破壊されれば相手だけに1000ダメージ、戦闘で破壊されればお互いに1000ダメージを与える。
少なくとも、機械犬マロンが場に出た時点で、相手への1000ダメージはほぼ確実なので、相手のライフがわずかな時に使えば相手を確実に追い詰めることができるぞ。

ただし、相手を追い詰めている時以外においては、機械犬マロンの戦力は乏しすぎる。
こちらが追い詰められている時は、相手は1000程度のダメージは平気だろうし、戦闘で破壊されてしまうと自分の首を絞めることにもなる。
さらに、機械犬マロン自身も攻撃力は1000しかなく、戦闘要員としても心細い。

機械犬マロンを使うなら、シャインエンジェル、地獄の扉越し銃やリミッター解除あたりのいくつかは採用していきたいところ。
ただ、それらのコンボカードを使用してもそれほど強力ではないので、実際にはほとんど使われることはなさそうだが……。

ブラッド・マジシャン −煉獄の魔術師−

FET-JP020
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 6

久しぶりに登場した魔力カウンターを乗せることのできる魔術師。

余談だが、第4期のパックには第3期で登場したシステムを積んだカードが再登場している。
例えば、第4期2番目のパックには第3期2番目のパックに封入されていたユニオンモンスターが再登場し、
この第4期3番目のパックには第3期3番目のパックに封入されていた魔力カウンター関連のカード(ブラッド・マジシャン)が再登場している。

すなわち、次の第4期4番目のパックには、第3期4番目のパックに登場していたガーディアンモンスターが採用される可能性が高いということだ。
そして、第4期になってから採用されているのはアニメオリジナルカード軍。
……後は察してくれたまえ。
(言いたかったことが分からない人は、気にしないでください)

1.実際に破壊できるのは

さて、ブラッド・マジシャンの考察に入っていこう。
ブラッド・マジシャンは、自分の魔力カウンターを取り除くことで相手モンスターを破壊することができる効果を持つ。
魔力カウンターは自分の損失なく溜まるものなので、魔法カードとのタイミングさえ合えば実質的にノーコストで相手モンスターを葬れるのだ。

ただ、破壊するモンスターは「取り除いた魔力カウンター×700」以下の攻撃力でなければいけない。
そして、実際にデュエルをしていて魔力カウンターが乗る機会はそう多くない。
ブラッド・マジシャン自身の攻撃力があまり高くなく戦闘で倒されやすいこともあるだろうし、魔法の中に地砕きや強奪などモンスターに対処できるものが多いのも原因だ。

このため、実際にブラッド・マジシャンに乗る魔力カウンターは0〜2つ程度。
したがって、攻撃力700以下や1400以下のモンスターを破壊する機会が最も多くなるだろう。

2.低攻撃力モンスターを破壊する意義

前節より、ブラッド・マジシャンは低攻撃力モンスターを破壊する機会が多くなることが分かった。
ここでは、一番破壊する機会が多い攻撃力700以下のモンスターについて簡単に見ていこう。

攻撃力700のモンスターは、魔導サイエンティスト、聖なる魔術師、キラー・スネーク、魂を削る死霊、マシュマロン、羊トークンなど、その数はなかなか多い。
ただ、これらのほとんどは守備型のモンスターで、裏側守備表示であることが多い。
裏側表示モンスターにはブラッド・マジシャンの効果は使えないため、破壊したいのに破壊できない状況が多くなってしまう。しかも使用済みリバースモンスターなど、破壊する価値の薄いモンスターであることも多い。

つまり、ブラッド・マジシャンの効果は低攻撃力モンスターを主な対象にしているのに、破壊できる機会やその価値が小さいのだ。
このため、ブラッド・マジシャンは思ったよりも使いにくくなってしまっているのだ。

3.ブラッド・マジシャンを生かす

ブラッド・マジシャンは効果を思ったより生かしにくく、攻撃力もほどほどであるため、使いにくいところはある。
それでも、魂を削る死霊をはじめ厄介なモンスターを実質ノーコストで葬り去れるため、うまく生かせば実戦クラスで活躍できるだけの力はあるだろう。
もちろん、魔力カウンターが3つ以上乗れば高攻撃力モンスターにも対処できる点も見逃してはいけない。

ブラッド・マジシャンを生かす上で重要なのは、ブラッド・マジシャンに魔力カウンターを乗りやすくすることだ。
ただし、無理をしてまでデッキに魔法カードを採用したり、無理にトゥーンのもくじや漆黒のパワーストーンなどを使っても、当然ながらデッキ全体の戦力は低下してしまうことも多い。
強引な番兵、苦渋の選択、悪夢の蜃気楼、増援、光の護封剣など、単体でも十分強力でドロー補助やモンスターや罠の役割に近い魔法カードを多めに採用することをオススメするぞ。

そして、相手のデッキのモンスターの傾向を見ながら、必要に応じてサイドデッキで調節できたならばなおさら良い。

また、ブラッド・マジシャンが炎属性である点を生かすのもオススメ。
UFOタートルからの特殊召喚や、バーニングブラッドの攻撃力アップ&魔力カウンター充填は魅力的だ。

賢者ケイローン

FET-JP021
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 9

相手の魔法・罠を破壊することができる効果を持つモンスター。
効果発動時には手札の魔法カードを捨てなくてはいけないが、起動効果なのですぐに効果を適用させることができ、さらに1800という高い攻撃力まで持っている。

1.魔法カードを捨てるということ

ケイローンの効果を使用する際には、そのコストとして手札の魔法カードを捨てなければならない。
モンスターカードとは違い魔法カードは1ターンに何枚でも使えるものであり、それを失うのは純粋にマイナスであるためケイローンの手札コストはやや大きいと言える。

それでも、相手の場に表側表示モンスターがいない時の地砕きや強奪、デュエル中盤や終盤における押収や強引な番兵、手札にモンスターが溜まっている時の増援などなど、魔法カードを1ターンに何回使えようがそれを生かせない機会は意外と多い。
特に禁止カード制定により、強力な魔法カードが軒並み消えてしまったため、その傾向は大きくなっている。

魔法カード1枚は、今ではそれほど大きなコストではないのかもしれない。

2.すばらしき安定性

さて、ケイローンの効果は、相手の魔法・罠カード1枚を破壊すること。
発動コストのカード消費1枚分に対する見返りとしては、相手のカード1枚破壊なので、1対1で対等である。
ただ、相手の裏側魔法・罠はチェーン発動されることもあるため、この場合はカード消費の面では損をしてしまう。

――と、このように淡々とカード消費だけを比べていくだけでは、ケイローンの真髄には辿り着けない。

真に重要なのは、実際のデュエルで起こりうる状況を想定し、それにケイローンがどれほどの貢献をしてくれるかである。
例えば、以下のような状況は良くあることだろう。

――挙げればキリがない。
賢者ケイローンは、運の要素が絡むデュエルでは避けようのない「負の循環」のいくつかを「正の循環」に置き換えることができるのだ。

さらに、効果を使わなくてもレベル4攻撃力1800を持つため、効果を使用しない場合でも十分に活躍することができる。
魔導戦士 ブレイカーとは違い、早すぎた埋葬などからの特殊召喚でも効果が使用できる点も見逃せない。

以上より、ケイローンはデッキ全体の安定性をグッと高めることができるのだ。
汎用性も高く基本能力も高い――ここ1年くらいで登場したカードの中でトップだといってもいいほど強いぞ。

3.使用タイミング

この節では、ケイローンを使う際に意識しておきたいプレイングを3つ挙げよう。

(a) 破壊する魔法・罠は表側を中心に

まず、魔法・罠を破壊する場合はできるだけ表側表示のものを狙うこと。
裏側表示の魔法・罠はチェーン発動されてしまう可能性が高いからだ。チェーン発動されると、自分だけ損をしてしまう可能性が高い。

もちろん、相手を確実に追い詰めたい場合や、利用価値の薄い魔法カードが手札にある場合など、状況によっては裏側の魔法・罠を破壊していくことも大事になる。
状況を見極めて自分が優勢になれるような判断ができるようにしたい。

(b) カード消費を忘れずに

次に、コストのカード消費を意識すること。
魔導戦士 ブレイカーとは違い、ケイローンの効果は自分の手札を失って発動するもの。便利だからといって、効果をホイホイ使用してしまうと、捨てた魔法カードの損失を後々で被ることになるぞ。
特に裏側表示の魔法・罠カードを破壊する場合にこの点を注意したい。

そして、手札の魔法カードを温存するか、ケイローンの効果で魔法・罠を破壊するか――この判断がケイローンを使う際に重要な点である。
手札の魔法カードが今後どのように役立つかを、場や他の手札の状況を含めながら予測できるようになれば、ケイローンをさらに活躍させられるだろう。

(c) ケイローンの役割

最後は、ケイローンの役割を意識すること。
すでに説明したとおり、ケイローンの大きな長所は、利用価値の薄くなってしまった魔法カードを捨てて発動できる点にある。
このような状況に追い込まれるのは、手札やライフが尽きてくる中盤や終盤が多い。
序盤では、その時点ではあまり活躍できない魔法カードでも、数ターン後には活躍できる場合も多いのだ。ホイホイ捨ててしまっては、後で困る可能性も高い。

このため、序盤の様子見でケイローンの効果を使用すると、失った魔法カードの損失が後になって響いてくることが多い。
ケイローンは、ここぞという時に使うようにするのが理想的だ。やや温存傾向でいくといいだろう。
もちろん、温存しすぎて「ここぞという時」を通り過ぎてもいけないので、ケイローンを使用するタイミングは非常に重要である。

4.デッキ構築

サイクロンが制限カードであり、禁止カード制定により魔法カードが軒並み弱体化している現環境において、ケイローンは活躍の機会が多い強力なカードである。
このため、ケイローンは相当多くのデッキに採用されるだろう。

しかもケイローンは汎用性にも優れているため、ほとんどのデッキにおいては大きな調整をすることなくそのまま投入することができる。
現環境では活躍できる状況も多いため、デッキに1枚は入れておくと安定性が増しデッキは強化されるだろう。必須系のモンスターになると言っても過言ではない。

また、ケイローンをさらに活躍させたい場合や、ケイローンを複数枚デッキに投入したい場合は、当然ながらデッキの魔法カードの数は多いほうがいいだろう。
もちろん、デッキ全体のバランスは無視しないように。魔法カードを入れすぎて、デッキ全体の戦力が低下しないようにしよう。

そして、特にケイローンをオススメしたいのは、コンボ系魔法カードを多用するデッキだ。いわゆるファンデッキと呼ばれるデッキが該当するだろう。

融合カード、儀式カード、フィールドカード、その他専用魔法カード――これらの魔法カードは状況によってはほとんど役に立てなくなってしまうことが多く、デッキ全体の安定性を下げてしまうカードでもある。
そこにケイローンを使えば、その「役に立たなくなってしまう状況」を減らし、安定性を増加、勝率をグッと上げることができるのだ! 勝利してこそのファンデッキには、ケイローンを強くオススメするぞ。

5.まとめ

ここまで、いろいろごちゃごちゃ述べてきたが、以下にまとめてみよう。

ケイローンは、汎用性が非常に高くほとんどのデッキに合う強力なモンスターカードである。
何かと不安定な状況に陥りやすい現環境では、ケイローンの汎用性の高さが非常に役に立つ。
コスト面を特に注意して、的確なプレイングでもってケイローンを活躍させるようにしたい。

剣聖−ネイキッド・ギア・フリード

FET-JP022
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 4

ギア・フリードの拘束を解いた姿。真の姿と言うヤツである。
アニメでのみ登場したモンスターだ。

1.場には出しやすいけど……

さて、ネイキッド・ギア・フリードは、ギア・フリードから特殊召喚される特殊召喚モンスターである。
キーカードを2枚揃えれば特殊召喚できるため、場に出すのはそれほど難しくない。

しかし、場に出せても、装備カードがないとネイキッド・ギア・フリードは効果なしモンスターと同等である。
だからと言って効果を使うために装備カードをセットで揃えるとなると、キーカードが3枚以上必要となってしまう。
ネイキッド・ギア・フリードは、場に出すのはそれほど難しくなくとも、活躍させるとなると意外と難しいのだ。

2.ギア・フリードとの連動

ネイキッド・ギア・フリードの活躍の機会を増やすために、ギア・フリードとの連動を考えるといい。
つまり、ギア・フリードとコンボになる盗人の煙玉や鎖付き爆弾などの装備カードを、ネイキッド・ギア・フリード用の装備カードとしても利用する、ということだ。

この場合は、装備カードとしての役割は薄くなってしまうが、デッキ全体の安定性は上がるので、総合的にはこのタイプが最も勝率が高くなると思われる。
デッキ構築に関しては、ギア・フリードのテーマデッキに組み込んだので、そちらを参照して欲しい。

テーマデッキ4

重装武者−ベン・ケイ

FET-JP023
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 6

装備カードを装備した数だけ攻撃回数が増える凶悪な効果を持つカード。
装備カードで攻撃力を上げつつ攻撃回数が増えるので、爆発力は相当なものがある。

例えば、「攻撃力+1000」の強化装備魔法を考えると――

と、装備カード2枚の時点で一撃必殺を狙えるほどだ。
装備カードは一気に何枚でも装備ができるため、一撃必殺との相性もいいぞ。

爆発力に賭けろ!

ただし、ベン・ケイは、装備カードがない場合はほとんど役に立たず、装備カード1枚の状態でも不意打ち又左並みの役割しか果たさない。
装備カードが2枚以上装備されてこそ、ベン・ケイとして活躍できるのだ。

このため、装備カードが多めの戦士族デッキだからなんとなく採用――では、活躍の機会は少ない。これなら、不意打ち又左の方が便利だ。
ベン・ケイを使う場合は普通に攻めたり守ったりするデッキより、デッキの全てをベン・ケイに注ぎ込んだ特殊タイプのデッキの方が強くなる。

このくらいまで力を入れてこそ、ベン・ケイの脅威を知らしめることができるだろう。
いわゆる1ターンキルタイプのデッキではあるのだが……。

闇の住人 シャドウキラー

FET-JP024
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 5

相手モンスターが守備表示モンスターのみの場合、闇に紛れて相手に直接攻撃できる能力を持つ。
ロケット・ジャンパーなどとは違い、相手の魔法・罠カードの有無は問われないため、直接攻撃効果を適用できる機会は比較的多い。
例えば――

主に以上のような場面でシャドウキラーを活躍させることができる。
特に相手のライフが少なくなっている場合は、相手を追い込むことができるぞ。

ダメージだけの効果

ただし、シャドウキラーの効果は戦闘でモンスターを破壊するわけではないので、相手のライフを減らしたところで場の状況は変わらない。
このため――

しかも、相手の場に強力な攻撃表示モンスターがいる場合は、効果なし攻撃力1400モンスターとほぼ同等の役割しか果たさない。
戦闘面である程度優勢でないとあまり活躍できないのだ。

以上より、なんとなくシャドウキラーを使うくらいなら、戦闘で相手モンスターを破壊しながらも守備モンスターに対してダメージを増やすことのできる貫通モンスターを使用していった方が便利だろう。
特に、激昂のミノタウルスやイグザリオン・ユニバースは、攻守が高く戦闘面でも頼れる。

番兵ゴーレム

FET-JP025
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 7

守護者スフィンクスの低レベルバージョン。
戻すモンスターが1体だけに限定されている代わりに、召喚に生け贄がいらず手軽に効果を使用できる。
しかも守備力が1800もあるため、守護者スフィンクスと同様に壁としても頼りになるぞ。

1.番兵ゴーレムの基本的な使い方

場に出た後の番兵ゴーレムの使い方は、守護者スフィンクスとある程度同じ。

  1. 番兵ゴーレムを裏守備にして相手ターンに備える。
  2. 次の自分ターンに、反転召喚して効果を適用。相手モンスターを戻す。
  3. 攻撃する意味があれば攻撃を仕掛ける。
  4. 番兵ゴーレムの効果で自分自身を裏守備にして相手ターンに備える。

以上の流れを繰り返すことによって、毎ターン相手モンスターを戻すことができる。

2.実際の挙動と対策

ただし、上で挙げた流れは、あくまでも「理想の流れ」だ。

相手ターンに、裏守備の番兵ゴーレムが攻撃される可能性は少なくない。
番兵ゴーレムの守備力は1800と高いので戦闘で倒されずに済むことも多いが、攻撃を受けた際に番兵ゴーレムは表側表示となってしまう。
表側表示になってしまえば、次のターンでそのまま反転召喚することができなくなってしまうのだ。

一応、いったん裏守備表示にしてから反転召喚すれば、モンスターを手札に戻す効果は使うことはできる。
だがその場合、番兵ゴーレムは攻撃表示のまま自分のターンを終了してしまう。
番兵ゴーレムの攻撃力は800しかないため、次の相手ターンに一方的に倒されてしまう危険が高いのだ。

このため、番兵ゴーレムを攻撃表示にしてまで相手モンスターを手札に戻すのは、マイナスだと感じてしまうかもしれない。
それでも、例えば以下のような状況ならば、攻撃表示にしてしまうデメリットを緩和することができる。

むしろ、下手に裏守備に戻して相手ターンをしのごうとすると、番兵ゴーレムが相手にバレてしまっているため、再び攻撃されたり効果で除去されてしまうことも多く、かえって危険である。
相手の場にモンスターが増える分だけ、さらに危険も増える。

以上のように、番兵ゴーレムの性格を捉えて的確なプレイングができるようにすれば、番兵ゴーレムは実戦レベルで役立つ優秀なカードとなりうるだろう。
それでも、高攻撃力モンスターで攻撃された場合には一方的に倒されることや、相手のカードを直接減らせないことなども考慮すれば、制限カードになるほど強いカードというわけではない。

3.デッキ構築の少しの工夫

番兵ゴーレムは、デッキ構築にも多少の気を使うとさらに活躍の場面が増える。

光の護封剣や魔法の筒をはじめとする防御系カードを気持ち多めにデッキに入れておくと、番兵ゴーレムが攻撃を受ける機会が減り効果を生かす機会が増えるのだ。
また、巨大ネズミからの特殊召喚を使えば、その次の自分ターンで相手モンスターを手札に戻させることが可能になるぞ。

暴れ牛鬼

FET-JP026
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 2

自分のターン毎にコイントスをして、成功すれば相手に1000ダメージを与える効果を持つ。
この効果は召喚ターンに即時に適用できるため、相手に有無を言わさず一気にトドメを狙うことが可能。

コイントスによるダメージは完全にお互い様なので、自分を有利にするために使うのは厳しそうに見えるかもしれない。
それでも、自分ライフが高く相手ライフが1000以下の状態ならば、不意を打ってトドメを狙える分だけ、自分に有利になる。

しかし、暴れ牛鬼の攻守は1200と低めであり、戦闘面では貧弱。
これなら同じ獣系のモンスターでも、怒れる類人猿、イグザリオン・ユニバース、巨大ネズミなどを使用していった方が、様々な面で活躍できる分だけかえって相手に与えるダメージは多くなる。
セカンド・チャンスを使用するにしても、一撃必殺侍や時の魔術師を使用していった方が強い。

また「効果ダメージ」という面にこだわる場合でも、ステルスバードや波動キャノンなどを使用していった方が効率は良い。
――結局、ほとんど使われないカードとなりそうだ。

融合呪印生物−光

FET-JP027
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 4

新しい融合素材代用モンスター。
攻守が高めの数値になっているだけでなく、フィールド上に融合素材が揃っていれば光属性の融合モンスターを融合魔法カードなしで特殊召喚できる能力を持つ。

1.ルール上の注意

テキスト後半の融合モンスターの特殊召喚効果は、テキストが多少曖昧だが――

聖女ジャンヌを特殊召喚したければ、自分フィールド上に「融合呪印生物−光+堕天使マリー」または「融合呪印生物−光+慈悲深き修道女」が揃えば、それらを生け贄にすることで特殊召喚が可能。
青眼の究極竜の場合は、「融合呪印生物−光+青眼の白龍+青眼の白龍」の3体が場に揃っている必要がある。

そして、素材と違う融合モンスターは出せない。
例えば、自分フィールド上に「融合呪印生物−光+慈悲深き修道女」を揃えても青眼の究極竜は特殊召喚できないぞ。
当たり前のことに思えるかもしれないが、テキストの捉え方によってはそう解釈してしまう可能性もあったので補足しておいた。

また、テキスト後半の効果は融合召喚扱いではなく特殊召喚扱い。
このため、融合召喚専用のモンスターは特殊召喚できないし、特殊召喚されたモンスターは正規の手段で場に出された扱いにはならないので一切の蘇生もできない。
注意が必要だ。

2.融合呪印生物−光を使う

さて、融合呪印生物−光を使うならば、テキスト後半の特殊召喚効果を生かしたいところ。
それを使わないのであれば、沼地の魔神王の方が融合は早くなる。
それでも融合呪印生物−光は、高めの攻守を持ち、メジャーなシャインエンジェルから特殊召喚できるので、特殊召喚効果を使わない場合においてもどちらが強いのかは一概には決められないのではあるが……。

テキスト後半の特殊召喚効果を使う場合、もう片方の融合素材モンスターも場に出さなければならないことから、融合素材モンスターは生け贄のいらない低レベルモンスターを採用すると良い。
ただし、現時点では、ある程度実用性のある融合モンスターが以下の2体しかいないため、融合呪印生物−光はあまり使われないだろう……。

融合呪印生物−闇

FET-JP028
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 6

融合呪印生物の闇属性バージョン。
基本的なところは光属性と同じなので割愛して、効果で特殊召喚可能な融合モンスターをいくつか挙げてみると――

禁止カード云々がなければ、上の4枚がある程度効率よく使えるカード。
キングドラグーンを中心に、クリッチー、ナイトメアを駆る死霊、ブラック・フレア・ナイトを補助的な役割として使うのが一般的だろう。

それでも、テキストの後半の効果は、クリッチー、ナイトメアを駆る死霊、ブラック・フレア・ナイトとの補助的だけにとどめ、通常の融合素材代用モンスターとして活躍させるのも悪くはない。
キラー・トマトから特殊召喚できる点などを踏まえると、マスター・オブ・OZを特殊召喚するデッキに1枚だけ採用すると案外安定するかも?

融合呪印生物−地

FET-JP029
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 5

融合呪印生物の地属性バージョン。
こちらもテキスト後半の効果で特殊召喚可能なモンスターのうち、ある程度使いやすいものを挙げていくと――

攻撃力4200のマスター・オブ・OZを狙うのが一般的だろう。
「融合呪印生物−地+デス・カンガルー」で特殊召喚が狙えるので、魅力は十分だ。

暴風小僧

FET-JP030
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 3

風属性版カイザー・シーホース。1枚で2体分の生け贄となる。
攻撃力が少し低めな代わりに、ドラゴンフライから特殊召喚できるため、必要な状況になってから狙って場に出すことが可能。

――と言うことで、生け贄召喚可能なレベル7以上の風属性モンスターを全て挙げてみると、

炎を支配する者

FET-JP031
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 4

炎属性版カイザー・シーホース。
レベル7以上の炎属性モンスターの生け贄確保に役立つぞ。

さすがパワーを象徴した炎なだけあって、レベル7以上の炎属性モンスターはバリエーションが豊富だ。
ある程度実用的な範囲に、タイラント・ドラゴン、火之迦具土、八俣大蛇、ネフティスの鳳凰神の4体がある。
いずれも専用デッキを作りたくなるほど魅力的なカードだ。

炎を前面に押し出したデッキならば、UFOタートルからの特殊召喚でタイミングよく生け贄召喚を狙おう!
ただ、炎属性にこだわらないのであれば、墓守の偵察者や罠モンスター系カードなど他の生け贄補助系カードを使っていった方が便利かもしれない。

火炎鳥

FET-JP032
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 1

仲間の鳥獣族モンスターが倒される度に攻撃力を上げる炎の鳥。
本気ギレパンダの鳥獣族版だ。

だが、こちらも元々の攻撃力が低い上に、獣族より使われない鳥獣族が対象。しかも自分フィールド上のみ。
さらに、有効なコンボカードも見当たらないため、攻撃力を1500まで上げるのでさえ難しい。

やはり、使われないカードとなりそうだ。
フェニックスっぽい見た目(?)にだけ期待をして、いつか復活してくれる日をカードケースの中で待とう!

レスキューキャット

FET-JP033
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 4

可愛らしいと言うか、むしろ戦場をナメている猫。

レスキューキャット1体からレベル3以下の獣族モンスター2体を、しかもデッキからサーチして特殊召喚できる。
ただし、特殊召喚した獣族モンスターはそのターン限りで破壊されてしまう。

そして「1ターン限り」に劣らぬ欠点として、獣族モンスターで強力なモンスターはレベル4に集中していることが挙げられる。
つまり、レベル3以下の獣族モンスターを採用するだけで、デッキ全体の戦力が落ちてしまうのだ。
レスキューキャットの効果でサーチ可能なモンスターを増やすためとは言え、レベル3以下の獣族モンスターはデッキに4枚以下が望ましいだろう。

また、レスキューキャット自身はデッキに2、3枚採用し、できるだけレベル3以下の獣族モンスターが手札に来ないようにしたい。
さらに巨大ネズミも採用すれば、より無駄が少なくなり、レスキューキャットから特殊召喚した獣族モンスターを生け贄にして上級モンスターの召喚も狙えるぞ。

レベル3以下の獣族モンスター

以上のことを踏まえて、特殊召喚できるレベル3以下の獣族モンスターの中で、ある程度強力なものを以下に挙げていこう。
上の4枚が一般的なデッキに使われるカードとなりそうだ。

ブレイン・ジャッカー

FET-JP034
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 4

相手モンスターの脳を乗っ取る悪魔。
強奪とほぼ同等のリバース効果を持つ。

相手モンスターの攻撃によってブレイン・ジャッカーの効果が発動すれば、相手の最高攻撃力を持つモンスターを奪うことで、その相手ターンの攻撃を防ぎつつ、次のターン以降での反撃に大きな期待がかかる。
――という流れで使えそうではあるが、実はこれはルール的に狙うのが難しいのだ。

なぜなら、ブレイン・ジャッカーは寄生虫パラサイドと同じく、相手に攻撃されて破壊が確定してしまうとリバース効果は不発になるからだ。
つまり、光の護封剣、和睦の使者などの防御カードを駆使してブレイン・ジャッカーを戦闘から守らなくては、このリバース効果を使用するのは困難になってしまうのだ。

1.浮き出るマイナス面

上で説明したルール的なマイナス面を考慮したとしても――

相手が必ずブレイン・ジャッカーを攻撃してくるわけではないだろうし、
ブレイン・ジャッカーとのコンボに使う防御カードは単体でも強力だし、
なにしろ相手モンスターを奪えるため、相手を損させつつも自分は得できる。

――と、まだまだ強力なカードに思えるかもしれない。
だが、実際に起こりうる状況などを考えると、以下のようなマイナス面が浮かび上がってくる。

このように、効果成功の確率、効果成功時に得る利益、デッキ全体のバランスなどでマイナス面が目立つ。
このため、総合的には番兵ゴーレムなどを使用していった方が強いことは否定できない。

2.徹底カウンターデッキ

それでも、相手モンスターを奪えることは魅力的だろうし、そこまで使いにくいわけでもない。
ブレイン・ジャッカーを3枚採用して、徹底的なカウンターデッキを作ってみたくなる魅力はあるぞ。

デッキ構築の際には、威嚇する咆哮、和睦の使者、魔法の筒などの「相手モンスターを破壊しない罠カード」を投入してコンボ成功率を上げよう。
デュエルの腕に自信のある人は、羊トークンや他の自分モンスターと組み合わせて、ブレイン・ジャッカー以外が攻撃対象になるように心理的な誘導を狙うのもオススメだ。
さらに手札破壊カードなども使用して、ブレイン・ジャッカーを妨害するようなカードをあらかじめ消しておくのも有効だ。

勝率はそれほどでもないが、なかなか面白いデッキが出来上がるだろう!

――――こうでも書いておかないと、15パック買って6パックもブレイン・ジャッカーが出た私が浮かばれません。(4連続で出た時はさすがにヘコみました)

ガトリング・ドラゴン

FET-JP035
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要融合) / 追い詰め型
総合評価 : 4

リボルバー・ドラゴンと、ブローバック・ドラゴンの融合体。
3つのガトリングは伸びたい放題であり、まともに制御できるのかが疑われる構造だ。

危険なコイントス

ガトリング・ドラゴンは、コイントスで表が出た数だけモンスターを破壊できるため、一見強そうに見える効果である。
だが、その破壊対象はお互いのモンスターである上、表が出た数だけ必ず破壊しなければならない。
つまり、相手の場にモンスターが2体存在する時に、コイントスで表が3回出ると――――必ずモンスターを3体破壊しなければならないので、相手モンスター2体と自分モンスター1体を破壊するハメになるのだ。

このため、制御困難な効果だと言える。
ガトリング・ドラゴンは、イラスト通りに制御が困難なのだ。

しかも、効果で破壊できるモンスターの数が不安定な上、出すのに手間がかかる融合モンスターである。
まともに融合召喚するくらいなら、地砕きやシールドクラッシュなどを使用していった方が効率が高いことは否定できない。

ガトリング・ドラゴンを使うなら、まともな融合を狙うよりも、デビル・フランケンや幻想召喚師からの特殊召喚が良い。相手の場の様子を見ながら、ガトリング・ドラゴンを出すかどうかを決めるのだ。
これによって、モンスター破壊効果で一撃必殺コンボの成功率を高めたり、自壊の損失を抑えたりすることができるぞ。

竜魔人 キングドラグーン

FET-JP036
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要融合) / 追い詰め型
総合評価 : 7

ロード・オブ・ドラゴンとドラゴンの融合体。
ドラゴンの攻撃力に加えて、ロード・オブ・ドラゴンとドラゴンを呼ぶ笛の能力を兼ね備えた強力なモンスターだぞ。

1.場に出すまでの道のり

キングドラグーンを場に出す手段は、融合召喚に限定されていない。
このため、融合呪印生物−闇や突然変異を使う方法が有効だ。

突然変異からの特殊召喚

最もオススメなのは、「可変機獣 ガンナードラゴン+突然変異」を使ったコンボ。
カード2枚の消費だけで、キングドラグーンを簡単に場に出すことができるぞ。

ただし、キングドラグーン特殊召喚の手段がこのコンボだけだと、キングドラグーンを出せる機会はそう多くならない。
このため、キングドラグーン特殊召喚後のための戦術(ドラゴン族モンスターの用意など)は、下手に用意しない方がいい。キングドラグーンデッキではなく突然変異デッキを狙っていくのだ。

正規の融合召喚+α

また、正規の融合を用いる場合は、融合呪印生物−闇とロード・オブ・ドラゴンを使って融合するのがオススメ。
これらは、どちらもキラー・トマトから出せるため、比較的簡単に場に揃えることができるからだ。しかも、融合呪印生物−闇の効果による特殊召喚も狙いやすくなるので、一石二鳥である。

もう片方の素材であるラグナロクの方は、属性面などの問題から融合成功までの戦力が多少落ちてしまう。
だが、ラグナロク自身はドラゴン族であるため、仮面竜からの特殊召喚や、キングドラグーンからの特殊召喚を狙える。
それでも、不安定なところが目立つ分だけ心配ではあるのだが……。

以上のように、キングドラグーンを場に出す手段として、比較的便利なものがいくつも用意されている。
どの方法をどのように組み合わせるかは、自分の戦術スタイルやデッキ全体の戦力を考慮しつつ決めていきたい。

2.高い攻撃力と高い効果耐性

キングドラグーンには、ロード・オブ・ドラゴンと同じくドラゴン族モンスターを対象にとる効果からを防ぐ能力がある。
ここでポイントなのは、キングドラグーン自身にもこの能力が適用される点だ。相手のデッキにある平均5〜8枚のカード効果を防ぐことができるぞ。

しかも、キングドラグーンの攻撃力は2400。
戦闘面でも強いモンスターだ。

したがって、キングドラグーンは戦闘にも効果にも強い――――すなわち、非常に除去されにくい強力モンスターであることが分かる。
キングドラグーンが場に出るだけで、確実に相手を追い込むことができるのだ。

より活躍させる戦術

キングドラグーンの攻撃力と効果耐性の高さは魅力的であり、この一枚を軸にして展開できるほどカリスマ性を持っているとも言えるだろう。
キングドラグーンをさらに活躍させるために、抹殺の使徒(シールドクラッシュ)と神の宣告を使うことをオススメする。

抹殺の使徒などを使って相手の裏守備系モンスターを除去すれば、高い攻撃力を生かす機会が増えると同時に、キングドラグーンを倒してしまう可能性のあるリバースモンスターや異次元の女戦士などの効果を防げるぞ。

また、神の宣告を使えば、キングドラグーンを倒しうるカードをほとんど封じることが可能。
ここでポイントなのは、自分の場にキングドラグーンが生き残っている限り直接攻撃を受けないので、戦闘ダメージを受ける心配が小さくなる、ということだ。
このため、神の宣告を3枚採用してでもキングドラグーンを守る価値はあると言えるだろう。

3.ドラゴン族特殊召喚効果

さらに、キングドラグーンには、ドラゴン族モンスターを1ターンに1体手札から特殊召喚する効果も持っている。
この時、効果とは別にモンスターを通常召喚できるので、キングドラグーンが特殊召喚されたターンには3体ものモンスターを場に出すことが可能である。
しかも、キングドラグーンの効果で特殊召喚できるドラゴン族モンスターはそのレベルを問われないため、上級モンスターでも生け贄なしで場に出せる。

なんて強い効果なのだろう、そう思うかもしれない。

――だが実際のところ、それほど強い効果ではない。
なぜなら、キングドラグーン特殊召喚までの手札消費が大きすぎるからだ。

あくまでキングドラグーンは出しにくく、手札消費も激しい融合モンスター。
キングドラグーンを特殊召喚した時に、手札のモンスターが尽きていることも珍しくないのだ。

しかも、無理をしてドラゴン族モンスターをデッキに採用すると、キングドラグーンを出せるまでの戦力が激減してしまう。
サファイアドラゴン、スピア・ドラゴン、ドル・ドラ、仮面竜、ホルスの黒炎竜など、戦力をあまり落とさない範囲でドラゴン族モンスターを採用するのが賢い使い方だ。
デッキのドラゴン族モンスターは、0〜5枚程度がちょうど良いだろう。

もちろん――
青眼の白龍やタイラント・ドラゴンなどの最上級ドラゴン族モンスターを使いたいこだわり派は、臆せずそれらのカードを採用していきたいところ。
デッキ全体の安定性はある程度落ちるが、コンボがキマった時の爽快感は格別だぜ!

鳳凰神の羽根

FET-JP037
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 1

鳳凰神の羽根。
墓地のカードを復活させる力を持つ。

どんな種類のカードでも1ターン待てば手札に加えられるため、こりゃ強いぜ制限だぜバカヤロー。
――と思う人もいるかもしれない。

だが、喜ぶ前に消費した自分の手札を見てみるべきである。
次のターンのドロー機会を使っているため、鳳凰神の羽根を発動することで損する自分の手札は実質2枚。
強欲な壺を回収しても損をしている始末だ。

これなら、モンスターや魔法に限定されるものの、死者転生や魔法石の採掘の方がマシである。
こちらの方がコストの面やタイムラグの面で鳳凰神の羽根を上回る。

一応、鳳凰神の羽根も状況によっては、まれに役に立つこともあるだろう。
だが、総合的には他の汎用性の高いカードを使っていった方が圧倒的に強いことは明白。
何でもできそうな見た目に騙されないようにしよう。

ポイズン・ファング

FET-JP038
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 2

獣族のキバに毒の力を与え、相手に与えるダメージを増加させる永続魔法。

永続効果ではあるものの、それほど強いカードの多くない獣族限定の上、ダメージのタイミングも限定、さらにそのダメージ量もあまり多くない。
獣族デッキであっても、このカード1枚で相手に与えられるダメージの平均量は1000ダメージを越えるかどうかといったところだろう。

このため、強化装備魔法やガイアパワーなどを使っていった方がダメージだけでなく、戦闘面でも強くなれるため便利である。

ポイズン・ファングにこだわるなら、最終突撃命令などと組み合わせてダメージを与える機会を増やし、攻撃力の高い獣族モンスター(怒れる類人猿、暗黒の狂犬、魂を喰らう者バズー、王虎ワンフーなど)を中心に使用していくといいだろう。

魔法吸収

FET-JP039
原作登場カード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 6

魔法をライフに変換して吸収する効果を持つカード。
自分の魔法でも相手の魔法でも吸収可能なので、回復する機会は多いぞ。

1.戦力低下を上回る回復量?

一般的に、回復効果だけを持つカードは、回復以外の能力が貧弱であることが多い。
このため戦闘面で不利になり、ライフを回復するはずだったのに、逆にライフを減らす原因になってしまうことも多い。

魔法吸収も回復以外の能力持たないため、その例外ではない。
だが、回復量そのものが多いため、一概にライフを減らす原因とはならない。
しかも、回復するために特別なデッキ構築を施す必要がないため、戦力低下を抑えつつ回復を狙えるのだ。

それでも、デュエル後半にドローしてしまった場合などはほとんど役に立たないので、多少の不確実性は持ってしまっているのだが……。

2.回復機会を増やせ

魔法吸収は魔法カード発動を回復のトリガーとするため、デッキの魔法カードの数を増やせばより多くのライフ回復を狙える。

ただし、魔法カードを増やすにしても、デッキ全体の戦力が落ちないように注意したい。
無理をして魔法カードを大量に投入しても、戦闘面がおろそかになる分だけ逆にライフが奪われる原因になってしまうのだ。
魔法カードを増やすなら、増援、スケープ・ゴート、光の護封剣、苦渋の選択のように、汎用性が高くモンスターカードや罠カードの代わりを務められるものが望ましい。

ちなみに、魔法吸収を最初に発動した際、その魔法吸収の効果でライフが回復することはないので注意。
魔法吸収の次の魔法からライフ回復の対象となる。

3.ダメージ変換コンボ

魔法吸収は裁きの代行者 サターンとのコンボにも使用できる。
トゥーンのもくじ、テラ・フォーミングなどで魔法発動の機会を飛躍的に増やしつつ、サターンの効果が使用できるようにすれば、1ターンキルを狙えるぞ。

4.無限ライフコンボ

さらに、魔法吸収は「鉄の騎士 ギア・フリード+蝶の短剣−エルマ」のコンボに組み込むことができる。
これによって、

  1. ギア・フリードに短剣を装備
  2. 魔法吸収でライフ500回復
  3. ギア・フリードの効果で短剣破壊
  4. 短剣が手札に戻る
  5. 再びギア・フリードに短剣を装備
  6. 魔法吸収でライフ500回復
  7. ……以下繰り返し……

以上の流れを延々と繰り返すことにより、自分のライフを無尽蔵に増やすことができる。
コンボに成功すれば実質的に自分のライフは無限。ほぼデュエルには負けることはない。
コンボの成功率もそれなりに高めだ。

だが、それでも負ける可能性がゼロになったわけではない。デッキが尽きれば負けてしまうのだ。
特にこのコンボを成功させるためにデッキを特殊化してしまうと、戦闘面で弱体化し相手のライフを0にできなくなってしまうことも多いだろうし、コンボのためにドロー機会を増やしたことでデッキの枚数も少なくなってしまう。
このため、相手に粘られると負けてしまう危険があるのだ。

――だからと言って、コンボの手順をいやらしく繰り返し時間切れで勝利を狙おうとしても、「不必要に時間をかけたプレイ」としてペナルティを受ける可能性もある。
とりあえず公式見解の出ていない今は、時間稼ぎをするイヤミなデュエリストのために、お茶の一式を持って行きお茶をたててやろう。

ライトニング・ボルテックス

FET-JP040
原作登場カード
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 8

洗脳城之内の使った禁止カード。
元々、原作ではOCGのサンダー・ボルトを意識して作られたカードだが、それが逆輸入される形でOCGに登場。
もちろん、OCGにおいては禁止カードではない。

ライトニング・ボルテックスは、相手の表側表示モンスター全てを破壊する効果を持つインパクトの強いカードである。

「全てを破壊する」というテキストから、ライトニング・ボルテックスはサンダー・ボルトの再来のような印象を受けてしまうかもしれない。
だが、実際に使ってみると、サンダー・ボルトのように使えるどころか、手札コストがある分だけ地砕きやシールドクラッシュよりも不便であるケースも少なくない。

そこで、地砕きと比較しながら、ライトニング・ボルテックスのもたらす損益について検討していってみよう。

1.ライトニング・ボルテックスの活躍

ということで、以下の表に、相手モンスターの数に応じたライトニング・ボルテックスの貢献についてまとめた。

表の一番左端の列は「相手モンスターの状況」を表しており、例えば「表表裏」なら、相手の場に表側表示モンスターが2体、裏側表示モンスターが1体存在していることを示す。

相手
モンスター
カード
損益
オススメ度 解説
−1枚 ★★☆☆☆ カード消費では損をするが直接攻撃が仕掛けられる。コストがない分地砕きの方が有利。相手に大きな戦闘ダメージを与えられそうな場合だけにしよう。
表裏 −1枚 ☆☆☆☆ カード消費も損。直接攻撃も仕掛けにくく地砕きの方が便利。
表表 ±0枚 ★★★☆☆ カード消費も対等な上に戦闘面で有利になっているので役に立ったと言える。状況によって優劣はあるが地砕きよりも便利。
表裏裏 −1枚 ☆☆☆☆☆ カード消費も損。直接攻撃も仕掛けにくく地砕きの方が便利。
表表裏 ±0枚 ★★☆☆☆ すぐに直接攻撃が仕掛けられない分、地砕きで厄介なモンスター1体だけ破壊した方がやや便利。
表表表 +1枚 ★★★★★ 限りなく理想の状態。相手モンスターが全て羊トークンであっても役に立てたと言える。ただ、それだけの数の相手モンスターが表側表示だと、前のターンで大きな戦闘ダメージを受けていることも多い。
表裏裏裏 −1枚 ☆☆☆☆☆ 「表表裏」を余計に悪くした状況。
表表裏裏 ±0枚 ★★☆☆☆ 直接攻撃が仕掛けにくい分、「表表裏裏」よりは悪い。
表表表裏 +1枚 ★★★☆☆ 直接攻撃はできないがカード差で優位に立てる。
表表表表 +2枚 ★★★★★ 「表表表」よりもさらに強力な成果が得られるが、羊トークン抜きでこのような状況になると、戦闘面がかなり厳しいため無理に狙うのはお勧めできない。
5体の場合 モンスター4体の場合を引き伸ばした形なので省略。

以上の表において、「ライトニング・ボルテックス > 地砕き」となる状況はオススメ度が3以上の場合である。
もちろん、相手モンスターの数はそうそう多くはならないため、表の上の方になるケースが多い。

このため、ライトニング・ボルテックスを有効に使おうと思ったら、その機会がそれなりに限定されてしまうことが分かる。
少なくとも、「ライトニング・ボルテックス > 地砕き」となる状況より、「ライトニング・ボルテックス < 地砕き」となる状況の方が多いのは確かだ。

――だからと言って、地砕きの方がライトニング・ボルテックスより強いと決まったわけではない。
そのためのプレイングを次節で説明しよう。

2.プレイング

プレイングに際して最も重要なことは、カード消費も考慮して「ライトニング・ボルテックスが役に立てる状況」まで手札に温存しておくこと。(目安は上の表におけるオススメ度が3以上。もちろんあくまで目安なので注意)

相手モンスターが複数破壊できる時に使えれば、地砕きより大きなパワーを発揮する。
特に相手モンスターを複数体破壊してプレイヤーに直接攻撃ができる状況であれば、相手が罠を用意していないことも多いため、「不意打ち」という意味でも役に立てるぞ。

ただし、ライトニング・ボルテックスはあくまで発動までが厳しい魔法。
必要以上に温存しておくと、ライトニング・ボルテックスを使う前に自分ライフが0になったり、「ライトニング・ボルテックスが役に立てる状況」が今後訪れなくなる可能性がある。
ライトニング・ボルテックスは、「ライトニング・ボルテックスが役に立てる状況」になったら、早めに発動していった方が良いだろう。

3.デッキ構築

ライトニング・ボルテックスを生かせるかどうかは、デッキ構築にも依存する。

炸裂装甲やならず者傭兵部隊などを使用して、相手モンスターをチマチマと除去していくのなら、ライトニング・ボルテックスを有効に使える機会は減ってしまうだろう。
このような戦術を取るなら、ライトニング・ボルテックスは不要だ。

ライトニング・ボルテックスを使用するなら、細かい除去カードの数は少し減らし、相手のモンスターから身を守るための防御系カードを少し増やせばよい。
スケープ・ゴート、和睦の使者、魔法の筒など、相手モンスターを表側表示で残しつつも防御のできるカードが望ましいぞ。
これらのカードによって、比較的簡単で安全にライトニング・ボルテックスの活躍できる状況を作り出せるのだ。

また、モンスターを表にする効果を持つ光の護封剣もオススメ。
だからと言って、停戦協定や聖なる輝きなどまで無理に採用しても、デッキ全体としては弱くなってしまう可能性もあるので注意。

以上のことを意識して、ライトニング・ボルテックスをデッキに加えていきたい。

もちろん、デッキ全体のバランスには細心の注意を払いたい。
手札コストがかさんでしまうので、特別なデッキを組まない限りはライトニング・ボルテックスは、デッキに1枚かせいぜい2枚が限度。
防御系カードなどの補助カードを無理にたくさん入れたりしても、ライトニング・ボルテックスが手札に来る保証はないぞ。

闇の護封剣

FET-JP041
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 7

光の護封剣を模したカード。
光の護封剣とは逆で、モンスターを裏守備にする効果を持つ。

1.護封剣としての役割

闇の護封剣のテキストを見ても、相手モンスターの攻撃を封じる効果は書かれていない。

だが、テキストの裏守備にして表示形式の変更を封じる効果――少し考えれば分かるが、これは攻撃を封じているのと同義。
つまり、「護封剣」の肩書きは嘘ではないのだ。

それでも、闇の護封剣の攻撃を封じる力は、光の護封剣のそれに比べて弱い。
封じるターン数が光の護封剣より1ターン少ないだけではなく、闇の護封剣発動後に召喚されたモンスターには対応できないからだ。

このため、防御面では闇の護封剣は光の護封剣に劣ると言える。

2.攻撃的な役割

しかし、闇の護封剣には光の護封剣にはできないことがある。
それは、発動時の相手モンスター裏守備変更効果だ。

これにより、相手の攻撃力の高いモンスターが裏守備表示となり、戦闘で倒しやすくなる。
抹殺の使徒やシールドクラッシュを使えばピンポイントで倒せるようになるし、ミスティック・ソードマンや激昂のミノタウルスなどの効果も生かしやすくなる。

以上のように、闇の護封剣は攻撃的な役割でも使えるのだ。
守ること以外の性能が乏しかった光の護封剣に比べると、これは利点だと言える。

3.総合的には

以上のように、闇の護封剣は防御面でも攻撃面でも役立つため、光の護封剣より強い印象を持つかもしれない。
だが、総合的に考えると、そうとは言い切れないのだ。

その原因としてもっとも大きいものは、「攻撃面と防御面の両方の目的で使うのが困難」な点にある。

例えば、攻撃的に使うと攻撃を封じた相手モンスターを破壊してしまうため、防御的に使えなくなる。
逆に、防御的に使うと相手モンスターが場に残るので、攻撃を簡単に仕掛けられず攻撃的に使えなくなる。

このように、闇の護封剣は攻撃目的か防御目的のどちらか一方しか使えないのだ。
しかも、防御面としては少し頼りないし、攻撃面も他の効果やモンスターの戦闘を介さないといけないため、それほど効率は良くない。
要は、パワー不足なのだ。

それでも、ある程度の活躍には期待できるくらいのパワーは持っているし、攻撃面でも防御面でも使えるので多くの状況で役に立つことができる。
優良カードには違いないだろう。
デッキ全体の戦力を考慮しながらコンボカードを採用して、闇の護封剣を活躍させていこう。

デス・メテオ

FET-JP042
原作登場カード
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 2

洗脳城之内戦、城之内最後の禁止カード。
だが、原作のような悲劇を生まぬため(?)、OCGではトドメには使えない。
どうしてもトドメに使いたければ、ダメージ効果をもつ罠カードをチェーンしてデス・メテオの効果適用前に何とか相手ライフを1000以下にするしかない。

さて、現在の環境では、昼夜の大火事をはじめとするダメージだけの魔法カードを使う人はほとんどいない。
なぜなら、これらのカードはダメージ以外の面を一切サポートしないため、カード1枚分のパワーとしては力不足なのだ。
このため、1000ダメージだけを与える通常魔法は力不足と言わざるを得ない。

しかも、デス・メテオは不意打ちのトドメの一発として使えないので、ご隠居の猛毒薬など、他のダメージカードの方が使いやすい。

螺旋槍殺

FET-JP043
原作技カード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 2

スパイラル・シェイバーと読む。
暗黒騎士ガイアの扱う技の名前だ。以降は螺旋槍殺はスパイラル・シェイバーと記述する。

質より量で勝負

スパイラル・シェイバーは、暗黒騎士ガイアをはじめ、疾風の暗黒騎士ガイアや竜騎士ガイアにまでその効果が及ぶ。
――とは言え、これらのガイア系モンスターは、基本は上級モンスターであり、そんなに簡単に場に出せる代物ではない。
しかも、スパイラル・シェイバーの効果はそれほど強力ではないため、1回だけ効果を適用させても元が取れないことが多い。

このため、疾風の暗黒騎士ガイアを1、2枚デッキに入れるから、なんとなくスパイラル・シェイバーを使っただけではかえって足を引っ張ることになりかねない。
この程度なら、メテオ・ストライクの方があらゆるモンスターに適用できる分強い。

スパイラル・シェイバーを使うなら、ガイア系のモンスターを大量に採用し、スパイラル・シェイバーの効果を使える機会を増やすべきだ。
例えば――

以上のような戦術を用いてガイア系のモンスターを活用し、スパイラル・シェイバーの活躍できる機会を増やしていこう。
それでも、強力なキーカードになるパワーはないので、スパイラル・シェイバーはデッキに1、2枚がちょうどよいと思われる。

拘束解除

FET-JP044
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 4

ギア・フリードの拘束を解きネイキッド・ギア・フリードを出現させるカード。
デッキからでも特殊召喚可能なため、

がちょうどいいだろう。

ネイキッド・ギア・フリードを3枚入れると、手札などに来て邪魔になるケースの方が多いため、あまりオススメはできない。
ネイキッド・ギア・フリードに依存したデッキでも、戦士の生還を使った方がギア・フリードも墓地からサーチできるため効率はいいのだ。

遠心分離フィールド

FET-JP045
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 3

融合モンスターが効果で破壊されても、融合素材モンスター1体を場に残せるようになるフィールドカード。
一般的に融合モンスターの攻撃力は高く、戦闘で倒されることは滅多にないため、遠心分離フィールドを生かせる機会はそれなりに多い。

融合しなくても?

遠心分離フィールドのテキストをよく見れば分かるが、特殊召喚される融合素材モンスターは実際に融合していたかどうかは関係なく、単にテキストに書かれているものが採用される。
つまり、魔導サイエンティストや突然変異などのカードにも対応ができるのだ。

むしろ、正規の融合は成功率が低いため、実際に効果を適用できる機会は1回か2回が関の山。
再融合のカードを使っていった方が軒並み便利である。

このため、魔導サイエンティスト、突然変異、幻想召喚師、融合呪印生物などを使っていきたい――
――と思うかもしれないが、これらのカードとコンボを成立させるためには墓地に融合素材モンスターを用意しなければならないのが問題。
融合素材モンスターには、汎用性のある高攻撃力カードがあまり揃っていない上に――

――と、何かと使いにくい面が目立つ。
結局のところ、真面目に融合して使うのと効率はあまり変わらないのだ。

遠心分離フィールドを使うとしたら、同名の融合モンスターを様々な手段から特殊召喚できるデッキがいいだろう。
この場合だと融合素材モンスターを一旦墓地に送れば、どの手段で融合モンスターを特殊召喚しても遠心分離フィールドの効果が生かせるのだ。

契約の履行

FET-JP046
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 4

儀式モンスター専用の早すぎた埋葬。
儀式モンスターなら何でも蘇りそうなカードテキストに感じるかもしれないが、1回も場に降臨していない儀式モンスターは蘇生できないので注意しよう。

全てを儀式モンスターに捧げる覚悟を

契約の履行を使えば、強力な儀式モンスターを再利用する機会が増える。しかも低コスト。
このため、契約の履行は儀式デッキには必須カード――に見えるかもしれない。

確かに、便利になりうるカードであることは確かである。
ただし、契約の履行を発動させるには、儀式カードや生け贄を揃えて儀式モンスターを降臨させなければならないことを忘れてはいけない。儀式モンスターを降臨させるのはそんなに簡単ではないのだ。
出しにくい儀式モンスターが降臨するまでの間は、契約の履行は単なるお荷物なのだ。

このため、契約の履行を使うなら、デッキが儀式モンスターに大きく依存している場合か、サクリファイスや白竜の聖騎士のように比較的簡単に場に出せる儀式モンスターを使う場合がいい。
それ以外では、契約の履行が逆に足を引っ張ることになりかねないぞ。
契約の履行の採用枚数も、汎用性と相談しつつ緻密に調整していきたい。

再融合

FET-JP047
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 3

契約の履行の融合モンスター版。融合モンスター版の早すぎた埋葬だ。
こちらももちろん、正規の方法で融合した融合モンスターでないと再融合は使えないぞ。デビル・フランケン、魔導サイエンティスト、突然変異など――いずれもNGだ。そして、超魔導剣士−ブラック・パラディンのように融合召喚でしか特殊召喚できないカードも蘇生不可能だ。注意しよう。

さて、再融合も契約の履行と同じく、発動できない状況が多大にあることを考慮してから採用すべきだろう。
個人的なオススメは、マスター・オブ・OZを使用するデッキ。
OZの高攻撃力の割に融合が比較的容易なので、再融合を使用する機会や価値が高いからだ。

百獣大行進

FET-JP048
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 4

獣の数だけ攻撃力を上げるカード。イラストは壮観だ。
攻撃力の増加分は「獣の数×200」なので、弱く感じるかもしれない。

だが、自分の場に獣族モンスターが5体並べば、全ての獣族モンスターの攻撃力は+1000。
相手の場にモンスターがいなければ、相手に与えるダメージ量が5000増えるのだ。

獣族モンスターを並べる秘策

――と、理想を語っても、獣族モンスターを5体も並べるなんて至難の業だと感じるかもしれない。
しかし、幸いにもこの戦術に都合のよいコンボカードがあるのだ。
お気づきの人も多いだろう、それはスケープ・ゴートだ。

相手エンドフェイズにスケープ・ゴートを発動し、次の自分のターンに獣族モンスターを召喚すれば、簡単に獣族を場に5体揃えることができる。うまくいけば、1ターンで6000以上のダメージを狙えるぞ。
それでも、羊トークンを攻撃表示にしなければならない点もあり、一気に勝負を付けられないと次のターンの反撃が怖いところはマイナスポイントだ。

また、百獣大行進は速攻魔法なので、相手の攻撃宣言時に使って返り討ちを狙うことも可能。
上昇数値が小さめなのであまり成功はしないが、それでもこの用途に使えるだけで、汎用性が増していると言える。

全体的にはそれほど強いカードではないが、獣族デッキには入れてみたくなるカードではある。

クロスカウンター

FET-JP049
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 4

カウンターパンチの強化版。
カウンターパンチの効果に加え、反射戦闘ダメージを増加させることができる。

――とは言っても、攻撃力の低いモンスターは滅多に攻撃を仕掛けては来ないので、戦闘ダメージの増加分はせいぜい+500〜1000くらいだと思われる。
しかも、裏守備モンスターは効果で除去されることが多いので、このカードの発動機会もそう多くない。

一応、結束−UNITY−や収縮、モンスターBOXなどのカードを使えば、反射ダメージを増やせる。
しかし、デッキ構築時に無理に守備系モンスターやコンボの用カードを使用しているため、キーカードが揃わない場合やコンボ未成立時の戦力は落ちてしまう。

このため、カウンターにこだわりがない限り、無難に炸裂装甲などを使用していった方が強いだろう。

ちなみに、クロスカウンターって重ね掛けしたり、アステカの石像と組み合わせたりしてダメージ4倍――とかできるのかな? 無理っぽいけど……。

ポールポジション

FET-JP050
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 4

場の最強モンスターに魔法耐性を持たせ、さらに有利にさせる永続罠。
一般的に、攻撃力の高いモンスターはカードの効果で倒されることが多いため、その一端を担う魔法カードに耐性ができるのは嬉しい。

使い方次第で

ただし、ポールポジションには、ポールポジションが場から離れると場の最強モンスターを破壊してしまうマイナス効果がある。
つまり、サイクロンなどのカードでモンスターが破壊されてしまうのだ。

そして一般的に、地砕きや強制転移などの「モンスターに対抗する魔法カード」よりも「魔法・罠を破壊する効果」の方が、デッキに占める数が多い傾向にある。
しかも、自分の最強モンスターより攻撃力の高いモンスターが相手の場に出てしまうと、ポールポジションの効果が相手に移ってしまう。

このため、ポールポジションを何も考えずに使うと、総合的にカード1枚分消費するだけマイナスになってしまうことが多い。
以下のような戦術やコンボを組み込んでいってこそ、活躍できたと言えるだろう。

使用機会が限定される分だけ使いにくいものの、デッキ構築や戦術次第では、相手をあっと言わせることができるかもしれない。

罰ゲーム!

FET-JP051
特殊型デッキ / 専用デッキ / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 3

マインドクラッシュなどをはじめ、原作の罰ゲームを再現したカードはいくつか存在している。
この罰ゲーム!のカードはそれらの集大成みたいな名前をしている。
――が、その割にはしょぼいイメージのカードである。イラストの男並みのしょぼさだ。

1.意味不明な発動条件

罰ゲーム!は、なぜだか知らないが相手の手札が4枚ちょうどの時しか使えない。

それでも、伏せればいつでも発動できる罠カードなので、罰ゲーム!の発動機会はそれほど少なくはない。
発動条件を満たした時に必ず発動するようにすれば、5〜7割くらいは発動できそうである。もちろんマイナスポイントであることには変わりないわけだが……。

2.意味不明な効果

罰ゲーム!の効果は、2つの効果の中から1つ選択する。
一方はドロー封じ、もう一方は魔法・罠封じ。

もちろん、いかなる理由でこんな効果を持っているのかは永久の謎だ。さすがETERNITY(永遠)のパックなだけはある。

(a) ドロー封じ効果

ドロー封じを使えば、お互いにカード1枚分消耗するので、お互いにほぼ同等の効果を得る。

時の刻印と同じく、相手が戦闘面で不利、且つ相手の手札が少ない時に使えば、相手をより追い込むことができる。
だが、罰ゲーム!の発動条件は相手の手札が4枚の時。相手が取れる戦術はまだまだ豊富。
ドロー封じ効果で自分だけが有利になるのは少し難しいのだ。

(b) 魔法・罠封じ効果

もうひとつの効果である魔法・罠封じは、発動ターンのみ相手の魔法・罠の発動を無効化する。
何かと便利そうだが、かなり使いにくい効果である。
なぜなら――

このため、魔法・罠を封じることで確実に自分が有利になれる時以外は、無難にドロー封じ効果を使っていった方が強い。

3.まとめ

総合的に見ると、罰ゲーム!は、発動機会もある程度限定され効果も中途半端である。
意味の分からない効果付けと相まって、思わずこのカード自身に罰ゲームを与えたくなってくる。
むしろ、このカードをデッキに入れること自体が罰ゲームなのだろうか?

裏道への案内

それでも。
罰ゲーム!には、ひとつだけ強力なコンボが隠されている。

それは、「ファイバーポッドorメタモルポット+硫酸のたまった落とし穴」を併用して、相手の手札を0枚にするコンボだ。
以下のような流れでコンボを実行するぞ。

  1. 罰ゲーム!で相手のドローを封じる。
  2. ドローが封じられた相手のドローフェイズに硫酸のたまった落とし穴を発動。ファイバーポッドまたはメタモルポットの効果発動。
  3. 相手だけドローができず、手札が0枚になる。

成功率はそれほど高くないし、マッチ2戦目以降は警戒されてしまうが、罰ゲーム!を最大限に生かしたいのならこのコンボしかないのかもしれない。特にファイバーポッドとのコンボが決まれば相手はほぼ壊滅だ。
ただしルール的に出来ない可能性もあるので注意。

威嚇する咆哮

FET-JP052
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 8

相手を威嚇し攻撃を妨害する罠カード。
1ターンの間、相手の攻撃を完全に防ぐことができるぞ。

1.基礎知識

ただし、威嚇する咆哮が防げるのは「攻撃宣言」。
相手モンスターの攻撃宣言時に威嚇する咆哮を使っても、既に攻撃宣言は済ませているためその攻撃を止めることはできない。

――とは言え、威嚇する咆哮を相手バトルフェイズのスタートステップに発動すれば、メインフェイズ1を終了させた状態で相手の攻撃を全て防ぐことが可能である。
使い方にさえ気をつければ、この点はデメリットではないのだ。

また、威嚇する咆哮は発動条件のない通常罠であり、その効果は1ターンの間及ぶ。
つまり、相手のサイクロンなどにチェーン発動が可能であり――
あらかじめ発動しておけば、後からサイコ・ショッカーが出てきてもその攻撃を防げるのだ。

2.和睦の使者と同等?

以上のことを踏まえると、威嚇する咆哮は和睦の使者に極めて近い働きをする。
違うところと言えば、実際に戦闘を介するかどうかという点のみである。

和睦の使者と威嚇する咆哮との相違点を比較すると――

和睦の使者が有利な点

威嚇する咆哮が有利な点

以上のように、有利な点はほぼ同等。
自分の好みや戦術に合わせて使っていって構わないだろう。

ただ、禁止カードの登場によりデッキのモンスター除去手段が減少し、炸裂装甲など相手モンスターを破壊できる罠の方が使われる傾向にある。
このため、威嚇する咆哮は強いカードではあるものの、それほど多くのデュエリストに使われる罠カードにはならないだろう。

鳳翼の爆風

FET-JP053
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 6

サンダー・ブレイクのデッキ送還型。

鳳翼の爆風はデッキの一番上に戻すので、場からカードを消し去るだけではなく、相手の次のドローカードを固定して相手の戦術を間接的に制限することができる。
デッキの一番上に戻すメリットに関しては、RDSのカード考察の「振り出し」のカード(RDS-JP044)を参考にして欲しい。

1.デッキに戻すメリットの意味

デッキに戻すメリットを見ていくと、鳳翼の爆風はサンダー・ブレイクや振り出しよりも強いカードに感じるかもしれない。
しかし、実際はそうとは言い切れない。

なぜなら、デッキに戻すことで得られるメリットの多くは、「相手を追い詰める際」に役立つからだ。

振り出しは魔法カードだ。
魔法カードで、自分のターンに手札からすぐに発動できたからこそ、確実なタイミングで相手を追い込めたのだ。

だが鳳翼の爆風は罠カードだ。
罠カードは、いつでも破壊できる代わりに発動までのタイムラグがある。
つまり、逆転のチカラを高めた代わりに、追い詰めるチカラを失っているのだ。

しかも、この逆転と追い詰めのチカラはどちらも中途半端。
それを以下で説明する。

(a) 逆転目的のデメリット

逆転目的で鳳翼の爆風が使用されたとすると――

(b) 追い詰める目的でのデメリット

追い詰める目的で鳳翼の爆風が使用されたとすると――

2.デッキに戻すよりも

以上より、鳳翼の爆風はデッキに戻すデメリットが目立ってしまっていることが分かる。

このため、鳳翼の爆風はサンダー・ブレイクや振り出しよりも強いとは言えない。
下手にデッキに戻す分、サンダー・ブレイクよりも弱いのかもしれない……。

それでも、鳳翼の爆風は元々汎用性が高く、平均以上の力を持つカードであることには変わりない。デッキに戻させるメリットもちゃんとある。
プレイングに細心の注意を払いつつ、深淵の暗殺者や悪夢の蜃気楼などと組み合わせいけば、十分に活躍できる力はあるぞ。

ゴブリンのやりくり上手

FET-JP054
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 6

ドロー補助カード。
自分の墓地にある「ゴブリンのやりくり上手」の数だけドロー枚数が増えるので、やりくり上手を使う場合はデッキに3枚フル投入が基本だ。

1.基本的なやりくり

小細工をしなければ、ゴブリンのやりくり上手は、

以上のようになる。
(カード消費には、発動されたやりくり上手自身の1枚も含まれる点に注意)

これより、単純なカード消費を計算してみると、やりくり上手は3枚目まで使用して損得の合計枚数が0になる。
カード消費の合計が0でも、手札にある価値の薄いカードを入れ替えている分だけ、3枚目まで使用すれば実質的には得しているだろう。
だが、普通にデュエルをしている限り、3枚目を発動できる機会が少ないのが大問題。

このため、ゴブリンのやりくり上手は、普通にデッキに投入しても、1枚目、2枚目までの使用止まりがほとんどで、損をしてしまう可能性が高い。
何も工夫を施さないならば、デッキに入れる価値はほとんどないのだ。
まさに、やりくり上手を名乗るだけのことはある。

2.やりくり上手になれるか?

――ということで、やりくり上手を目指すための使用法を以下に挙げてみよう。

もちろん、やりくり上手に依存したデッキを作っても、それで得られるのは数枚の手札のみ。
その手札自身が弱くては、デュエルには負けてしまう。

ゴブリンのやりくり上手とデッキ全体の戦力――この2つの要素を両立させれば、真のやりくり上手となれるだろう。

キャトルミューティレーション

FET-JP055
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 6

獣族モンスター専用罠。
場の獣族モンスター1体を手札に回収したあと、それと同じレベルの獣族モンスターを手札から特殊召喚する。

モンスターレリーフと同じく、手札に戻したモンスターをそのまま特殊召喚することも可能であり、しかも発動タイミングが限定されていない。
このため、単純にモンスターを入れ替えて相手の攻撃に備えたりするだけではなく、もっと強力な使い方に期待できる。
その使い方として、強力なもの2つを以下で紹介しよう。

1.対象効果の不発

獣族モンスターを対象に取る相手の効果にチェーンしてキャトルミューティレーションを使えば、その対象は失われる。この時、手札に戻した獣族モンスターと同じモンスターが特殊召喚されたとしても、相手の効果は不発である。
このため、キャトルミューティレーションは、実質的に獣族モンスターを対象とする効果を不発にすることができるのだ。

また、早すぎた埋葬などで蘇生された獣族モンスターがサイクロンなどで倒されそうになっても、キャトルミューティレーションで守ることが可能。

以上より、キャトルミューティレーションは効果に対する耐性を高めてくれることが分かる。
キャトルミューティレーションを使えば、攻撃力の高い獣族モンスターが倒されにくくなり、活躍の機会が増大するのだ。

2.脅威の2回攻撃

キャトルミューティレーションは、一見防御的に使用するカードに見えるが、攻撃的に使用できる強力な使い方がある。
それは、自分のバトルフェイズに発動させることによって実現する。その流れを以下に示そう。

  1. 前のターンにあらかじめキャトルミューティレーションをセットしておく。
  2. 自分のバトルフェイズで、自分の獣族モンスターが攻撃する。
  3. キャトルミューティレーションを発動、攻撃済みの獣族モンスターを手札に戻して獣族モンスターを特殊召喚。
  4. 特殊召喚された獣族モンスターは、まだ攻撃宣言していない扱いを受けるため、攻撃することができる。(手札に戻したモンスターをそのまま特殊召喚した場合もOK)

つまり、自分のバトルフェイズにキャトルミューティレーションを使うことにって、獣族モンスターは2回攻撃が可能となるのだ。
獣族モンスターには攻撃力の高い怒れる類人猿や暗黒の狂犬があるため、相手の場が空の場合に2回攻撃が成立すると相手に相当なダメージを与えられる。

しかも、さらにコンボとなるカードを使えば、爆発的なパワーを生む。

3.まとめ

効果に対する耐性の付加、爆発的な攻撃目的の使用――――キャトルミューティレーションは攻防ともに使える強力なカードである。
もし、キャトルミューティレーションが獣族限定カードでなければ、制限カードの候補にも挙がる――それほどまでに強い。

このため、キャトルミューティレーションは獣族デッキにはぜひ投入していきたい欲しいカードである。
特に、怒れる類人猿、暗黒の狂犬、巨大ネズミなど、戦闘面で強い獣族モンスターを使用すると、効果耐性面でも攻撃面でもキャトルミューティレーションとの相性が良くなるぞ。

使用する獣族モンスターの種類や数、野性開放などの他のサポート系カードを考慮して、キャトルミューティレーションを上手にデッキに加えていきたいところだ。

本陣強襲

FET-JP056
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 2

命懸けでデッキこと本陣に攻め込む切り込み隊長。カッコイイ。
そしてまたいじめられるのはゴブリン突撃部隊。カッコワルイ。

効果を見れば分かるが、本陣強襲はデッキ破壊カードである。
使用済みメタモルポットやニードルワームなどをこのカードで破壊しつつ相手のデッキを破壊、そしてそれらのリバースモンスターを浅すぎた墓穴で再利用する――このような使い方が理想だろう。

ただ、本陣強襲は罠カードなので、伏せてから1ターン待たねばならない。
王家の神殿などのカードとコンボで使うとしても、キーカード類が揃わなかった場合を考えると、全体的にはスピードが落ちることは否定できない。

このため、本陣強襲は1ターンキル系のデッキ破壊よりも、行動ロック系のデッキ破壊の方が向いていると言える。
行動ロック系にすれば、相手のモンスター除去効果にチェーンして本陣強襲を発動――ということも狙えるぞ。

しかし、本陣強襲の持つ最も大きな問題点は、自分モンスターを犠牲にした割には墓地に送れるカードが僅か2枚であること。
これでは、デッキ破壊目的でも使われないカードとなりそうだ……。

D.D.ダイナマイト

FET-JP057
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 3

相手の除外したカードの分だけ相手にダメージを与えるダイナマイト。
異次元を彷彿させるような気がする形状をしているぞ。

だが、普通にデュエルをする分には、相手の除外カードはせいぜい2枚程度なので、相手に与えるダメージは僅か。
抹殺の使徒、異次元の女戦士、霊滅術師カイクウなどで相手カードを除外していっても、1000ダメージを越えるかどうかといったところ。

だからと言って、相手の墓地を肥やして魂の解放や光の追放者などを使用しても、デッキの戦力は当然落ちるだろう。
しかも苦労した割には相手の除外カードはたまらず、ダメージもそう大きくならない。――割に合わないのだ。

結局のところ、相手が紅蓮魔獣 ダ・イーザなどを使う場合の嫌がらせ程度にしか使われないカードとなりそうだ。

魔のデッキ破壊ウイルス

FET-JP058
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 6

死のデッキ破壊ウイルスの低攻撃力対象版。
魔のデッキ破壊ウイルスの破壊対象は攻撃力1500以下のモンスターだ。

死のデッキ破壊ウイルス(以下、死ウイルス)と比較しながら、魔のデッキ破壊ウイルス(以下、魔ウイルス)について考察していこう。

1.破壊対象

まずは、魔ウイルスが破壊できるモンスターについて考える。

当然ながらモンスターカードに大事なのは攻撃力だけではない。
一般的なデッキには攻撃力1500以下のモンスターはたくさん含まれている。魔ウイルスの対象モンスターの数は少なくない。

だが、死ウイルスの対象である攻撃力1500以上のモンスターに比べれば、(デッキによるけれども)その数は少なめ。
しかも、高攻撃力モンスターには上級モンスターも含まれるため、攻撃力1500以上のモンスターの方が破壊する価値の高いモンスターが多いと言える。

また、死ウイルスも魔ウイルスも罠カード。伏せて1ターン待つ代わりに、相手ターンにいつでも発動ができ、相手の攻撃に柔軟に対処できる。
このため、相手の高攻撃力モンスターに対処できる方が罠として望ましいと言える。
だが魔ウイルスは攻撃力の低い防御系モンスターが破壊対象。
だから、その面で「罠カード」としての相性があまり良くないのだ。

2.生け贄コスト

死ウイルスのコストは攻撃力1000以下の闇モンスター。
魔ウイルスのコストは攻撃力2000以上の闇モンスター。

パッと見れば見当はつくだろうが、楽に準備できるのは攻撃力1000以下の闇モンスターだ。
バリエーションが豊富な上、何より召喚に生け贄がいらない。しかも、効果使用済みモンスターなど、生け贄にしても損失が低く抑えられることも多い。

これに対して、魔ウイルスの攻撃力2000以上の闇モンスターは、生け贄召喚が必要なものが多く、生け贄にするのがもったいないことが多い。
一応、ジャイアント・オークやダーク・ヒーロー ゾンパイア、ダーク・エルフ、ついでに女邪神ヌヴィアなど、低レベルでも攻撃力が2000を超えているモンスターは確かにいる。ただし、そのどれもが戦闘以外の面では非力であり、バリエーションが乏しいのだ。

3.まとめ

様々な状況を想定すると、魔ウイルスは使いにくい面が目立つ。

まず、魔ウイルスは死ウイルスとは違い、逆転の目的で使うのが少し難しい。
つまり、魔ウイルスは相手を追い詰めるカードと言えるだろう。
だが、相手を追い詰めるためならば、罠カードより魔法カードの方が都合がいいだろうし、相手を追い詰める一員でもある高攻撃力モンスターを生け贄に捧げてしまうのは都合が悪い。

もちろん、魔ウイルスはカード2枚分消費で相手カードを確認しつつ、モンスターを何枚も破壊できるので、弱いカードではない。
が、制限カードになっている死ウィルスのような活躍はあまり期待できないだろう。

相手が低攻撃力モンスターを多く使う場合に、ジャイアント・オーク、ダーク・ヒーロー ゾンパイア、魔導サイエンティスト、ピラミッド・タートルなどとともに、サイドデッキから投入するのが賢い使い方だ。
相手のデッキ次第では相手を一気に壊滅に追い込めるぞ。

エレメンタルバースト

FET-JP059
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 0

風林火山に類似したカード。
風林火山では、相手の「モンスター」か「魔法・罠」のいずれか一方しか破壊できなかったが、このカードはどちらも破壊できる。

しかし。
発動条件も超厳しい上、場に揃えた自分のモンスターを生け贄に捧げなくてはいけない。
これは相当大きなマイナスポイントである。

超厳しい発動条件を満たせたと仮定しても、エレメンタルバースト発動時のコストが大きすぎて、相手フィールドカードを全て破壊する利益をほぼ完全に食ってしまっているのだ。
超発動しにくい上、利益が損失を上回ることも多い――これではとてもじゃないが使えるカードとはいえない。

風林火山の方が明らかに強い。
相手フィールド全てにこだわるとしても、風林火山を2枚発動させた方が効率は上だし、大革命やおジャマ・デルタハリケーン!!の方が発動もしやすく強い。

強引な安全協定

FET-JP060
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 2

強引に罠を使えなくさせる効果を持つ罠カードだが、このカードイラストの方が数倍強引だ。

相手を追い詰めるためにあるカードだが、強引に結ばせた安全協定だけあって、

と、穴が目立つ。
これなら砂塵の大竜巻でも使って、破壊を狙っていった方が魔法にも対処できるしコストもない分効率は良い。

変なところまでしゃしゃり出たのが間違いだぞ、番兵のオッサンよ。




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