カード考察 ENEMY OF JUSTICE

First update : 2006/2/16
Last update : 2006/3/13

効果やパラメータなどは面倒なので書きません。他のサイトを探してください。

D−HERO デビルガイ

EOJ-JP001
アニメオリジナルカード
特殊型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 6

エド・フェニックスが使用したデステニーヒーロー。
「ディスティニー」じゃなくて「デステニー」なので、何だか妙に格好悪く見えてしまうのは気のせいだろうか。

1.効果は一時しのぎ?

さて、デビルガイは、攻守は低いものの相手モンスターを2ターンだけ消す能力を持っている。
この効果は、特に条件を満たすことも特にコストを支払うこともなく、相手モンスターを問答無用に消し去ることができるため、なかなか魅力的である。

とは言え、このモンスターを除外する効果は、使いやすい効果であるとは言いがたい。
除外するモンスターは2ターン後に戻ってくること、及び、モンスター除外効果を使ったターンには攻撃ができなくなってしまうことがその大きな原因だ。

そのため、デビルガイのモンスター除外効果は、相手の強力なモンスターに対する一時しのぎ役がメインになってしまうだろう。
一応、一時しのぎ役以外の戦術もいくつかある。以下に挙げる。

だが、以上の戦術は、特定の状況下でしか活躍できなかったり、それほど強力でなかったり、実用性はそれほど高くない。

デビルガイの効果は、発動条件も発動コストも不要である。
だが、攻撃力600のモンスターの効果としては、それに見合うだけ強いとは言えないのだ。ならず者傭兵部隊などと比較すれば明らかだろう。
普通に戦闘を行うタイプのデッキにおいては、D−HEROである点を生かすつもりがない限り、デビルガイは使われないだろう。

2.デビルガイの魅力を生かしきるには?

デビルガイは、普通に戦闘を行うタイプのデッキでは多少心許ないが、それ以外のデッキにおいてはそれなりに活躍の場はある。
はじめから攻撃を仕掛けない戦術を取る行動ロック系のデッキがその代表だ。

行動ロック系デッキは自分から攻撃を仕掛けないため、攻撃ができなくなるデビルガイのデメリットはあってないようなもの。
デビルガイが戦闘面で弱くとも、グラヴィティ・バインド−超重力の網−などが守ってくれる。

そして、行動ロック系デッキでのデビルガイの活躍は、相手モンスターを除外した後にある。
デビルガイのモンスター除外効果を使用した隙に、モンスターカードゾーンをおジャマトリオや地盤沈下でふさいでしうのだ。
戻ってくるモンスターカードゾーンがなければ、デビルガイで除外したモンスターは墓地送り。うまくいけば、相手のモンスターカードゾーンを使用不能にすることができるぞ。
しかも、デビルガイのモンスター除外効果は、相手モンスターが表だろうが裏だろうが使えるため、かなり便利になると言えるだろう。

デビルガイの魅力は、一時的ではあれ、発動条件なし&コスト0で、相手モンスターを表裏関わらず場から完全に消してしまうことにある。
この魅力を生かせば、既存のカードでは実現が難しかったコンボが容易になる可能性がある。
今後登場するカードや戦術次第では、大きく化ける可能性のある注目カードだ。……逆に捉えれば、問題児とも言えるのだけれども。

D−HERO ダイハードガイ

EOJ-JP002
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 3

デステニーヒーローの一枚。
特殊召喚効果を使って、実質的に他のD−HEROを守ることができる。

D−HEROを守るとは言え、真っ先に攻撃されるのはダイハードガイ本体であろう。ダイハードガイの攻守はそれぞれ800しかないのだ。
そのため、ダイハードガイの効果を生かそうと思ったら、明鏡止水の心やD−シールドなどのカードを使ってダイハードガイ本体を守る必要がある。

だが、明鏡止水の心やD−シールドなどでダイハードガイを守るくらいなら、最初から守りたいモンスターに対してそれらのカードを使えばいい。わざわざダイハードガイを経由して守る必要などないのだ。
一応、ダイハードガイを使えば、カード効果による破壊に対応できたり、生還の宝札とコンボになったりするが、手間がかかった割にはその見返りは小さい。

ダイハードガイは、D−HEROの数合わせ以上の役割はなさそうだ。
効果が使えればラッキーと言う認識でいたい。

D−HERO ダイヤモンドガイ

EOJ-JP003
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 5

デステニーヒーローその3。
デッキの一番上にあるカードが通常魔法ならば、時間差で発動させることができるぞ。

1.ルール解釈

ダイヤモンドガイの効果は、かなり特殊であるため、ルールの解釈が厄介である。
そこで、迷いやすい点を補足しながらダイヤモンドガイの効果使用の流れを以下に記そう。(一部未完成)

  1. ダイヤモンドガイを表側表示で場に出しておく。
  2. 自分のメインフェイズでダイヤモンドガイの効果発動を宣言。いわゆる起動効果。
  3. デッキの一番上のカードを見て、通常魔法(装備魔法や速攻魔法などはダメ)ならば墓地へ送り、それ以外ならデッキの一番下へ戻す。
    ―――これ以降の流れは、通常魔法を引いた場合のみ適用される―――
  4. 次の自分のターンへ。
  5. 自分のメインフェイズの好きなタイミング(他の効果にチェーンはできない)で、1つ前の自分ターンで墓地へ送った通常魔法の効果を発動することができる。ただし、以下の点に注意。

2.一見魅力的な効果だけど

それでは、ダイヤモンドガイの考察に入っていこう。

ダイヤモンドガイは、毎ターンコストなしで通常魔法を発動する可能性を持っている。
つまり、カード1枚から複数枚分のカードの役割を果たす可能性があるということだ。

運が良ければ毎ターンカード1枚を生み出せる強力な効果だと感じるかもしれない。
だが、実際にはそんなことはない。その理由を説明していこう。

まず、通常魔法カードは、多くのデッキにおいては10枚以下であること。
つまり、4回に3回以上はダイヤモンドガイの効果は不発。
ダイヤモンドガイの効果は、1ターンに1/4枚以下のカードを補充すると考えてもいい。

次に、ダイヤモンドガイによる通常魔法の発動タイミングが適切とは限らないこと。
半ば無理やり発動された魔法カードは、本来のパワーが発揮できているとは限らないのだ。
発動できない貪欲な壺や抹殺の使徒、ほとんど意味のない状況での強制転移やライトニング・ボルテックスなど、これではカード1枚分の役割を果たしたとはいえない。
このことを考慮すると、ダイヤモンドガイの効果は、1ターンに1/4枚以下どころか、1/8枚以下のカードを補充する程度に過ぎないかもしれない。

最後は、デッキ改造による恩恵があまり大きくないこと。
デッキを通常魔法だらけにするデッキ構築や、デッキの一番上に通常魔法を持ってくるカードの採用など、これらの戦術を施しても、デッキ全体のバランスが大幅に落ちる割には、その見返りはそれほど大きくないのだ。

以上より、ダイヤモンドガイの効果はそれほど強くはないと言える。
ダイヤモンドガイと似たような効果を求めるなら、デス・ラクーダの方が便利だ。
ダイヤモンドガイを使うならば、デッキバランスが崩れない程度に通常魔法カードを増やし、効果を使えたらラッキー程度の認識でいた方がいい。

結局のところは、ダイヤモンドガイはあまり使われないカードとなるだろう。
それでも、D−HEROデッキならば、D−HEROにしてはダイヤモンドガイは高めの攻撃力を持っていることもあり、必須クラスのカードだと言えるだろう。

D−HERO ドレッドガイ

EOJ-JP004
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 1

D−HERO上級モンスター。
ドレッドガイの攻守は場に存在するD−HEROの攻撃力の合計値で決まるため、ドレッドガイを使うならばデッキにD−HEROを十分に用意する必要がある。

1.場に出すまで

ドレッドガイは、幽獄の時計塔の効果から特殊召喚できる。
だが、条件召喚モンスターではないため、通常の生け贄召喚も可能である。蘇生などの制限もない。

とは言え、よほどのことがない限り、幽獄の時計塔の効果によって特殊召喚すべきだろう。
幽獄の時計塔を使わないと、召喚に生け贄や他のカード効果が必要になるばかりか、ドレッドガイの攻撃力が0になってしまうことも少なくない。

しかし、幽獄の時計塔の効果でドレッドガイを特殊召喚することは、それほど簡単ではない。
確かに、理想通りに行けばコスト0でドレッドガイを場に出せる。運良く行けばなかなか強力である。

だが、実際は、幽獄の時計塔が破壊されずに4ターン待つのは簡単ではない。
ウィジャ盤や波動キャノンと比較すれば、その厳しさが直感的に分かることだろう。成否が相手に大きく依存してしまうのだ。

ドレッドガイは、幽獄の時計塔を使って場に出すのは難しく、幽獄の時計塔を使わずに場に出してもあまり役立たない。
正直言ってかなり扱いづらいカードである。

2.場に出した後は

幽獄の時計塔を使って、なんとかドレッドガイを場に出したとしよう。
だが、苦労して場に出した割には、その見返りは大きくない。

ドレッドガイの攻守は、D−HEROの攻撃力の合計値で決定する。D−HEROは全体的に攻守が低いため、ドレッドガイの攻撃力も必然的に低くなる。
ドレッドガイのD−HERO特殊召喚効果を使用しても、攻撃力が3000を越えることすら難しいのだ。

一応、ドレッドガイの特殊召喚効果やD−HERO防御効果がそれなりに役立ってくれるが、全体的には使いにくい部類のカードであることは否定できない。
こだわりが無ければ、使う必要は全くないだろう……。

余談だが、場にドレッドガイ以外のD−HEROがいる状態でドレッドガイを2体場に並べると、お互いに攻撃力を参照しあってドレッドガイの攻撃力が無限大になる…………ということは無い(と思う)

3.それでもドレッドガイ

それでもドレッドガイを使いたいならば、以下のアイディアを参考にして欲しい。

当然、負けが多くなることは覚悟しておこう。

サイバー・チュチュ

EOJ-JP005
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 3

明日香のカード。
条件を満たした時のみ、相手モンスターを無視して相手プレイヤーに直接攻撃することができる。

直接攻撃の条件を満たすのは比較的簡単で、相手モンスターの攻撃力がサイバー・チュチュよりも高ければいいだけだ。
しかし、裏側表示モンスターが混ざっていると直接攻撃できなくなるので注意しよう。

直接攻撃の条件がそれなりに緩いためか、サイバー・チュチュの攻撃力は1000と高くない。
だからといって、直接攻撃のダメージ量を上げるためにサイバー・チュチュの攻撃力を上げようと考えてはいけない。直接攻撃の条件が満たせなくなってしまうのだ。

そのため、サイバー・チュチュは、人造人間7号などとは違い、強化してダメージ量を増やすのには向いていない。応用が難しく地味なカードであると言える。
しかも、総合的な戦力もあまり高くはないため、サイバー・チュチュがトップレベルのデュエリストに使われることは少ないだろう。

だが、イラストの魅力だけは高そうであるため、ファンデッキを中心として、ひっそりと活躍しそうではある。
戦士系のデッキに1枚だけ投入し、増援や戦士の生還などのカードを使って、隙を突いて攻撃させてみよう。

サイバー・ジムナティクス

EOJ-JP006
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 7

攻撃力は800と低いものの、手札を捨てる事で相手の表側攻撃表示モンスター1体を破壊する効果を持つ。
どれだけ攻撃力が高いモンスターでも破壊できるため、なかなか頼りになる効果だ。

1.効果の有効性

サイバー・ジムナティクスの効果は、同族感染ウィルスを一回り弱くした効果である。
禁止カードクラスの同族感染ウィルスの効果に比べれば、以下のように制約が追加されている。

とは言え、元々同族感染ウィルスは、相手の場にいる厄介な攻撃型モンスターを手札1枚で破壊する目的で使うことが多かった。
サイバー・ジムナティクスも、その点では同族感染ウィルスと全く同じ使い方ができる。

したがって、サイバー・ジムナティクスの効果は、同族感染ウィルスの効果ほどではないが、かなり頼りになる効果であると言えるだろう。

2.実際の強さは

効果だけを見れば、サイバー・ジムナティクスはかなり使いやすい。
だが、サイバー・ジムナティクスには致命的に使いにくい点がある。それは攻撃力の低さだ。

同族感染ウィルスが強い理由のひとつとしてその攻撃力の高さがあった。
攻撃力1600は、効果未使用時の攻撃要員、効果使用後の攻撃要員、次の相手ターンの反撃への備え――これらに大いに貢献した。

対して、サイバー・ジムナティクスの攻撃力は800。
効果未使用時の攻撃要員、効果使用後の攻撃要員、次の相手ターンの反撃への備え――いずれも力不足である。

一応、サイバー・ジムナティクスは守備力が1800と高い。
守備表示にしてしまえば攻撃要員としては使えなくとも、次の相手ターンでの反撃への備えには役立つかもしれない。
だが、守備表示で通常召喚すると裏側表示になってしまうため、すぐには効果が使用できなくなってしまう。もちろん、攻撃表示で召喚すると貧弱な攻撃力を晒すことになる。

サイバー・ジムナティクスは、効果は強力だが、攻撃力の低さがかなり足を引っ張っている。
同族感染ウィルスは、自身の高い攻撃力があるからその効果が映えていたが、サイバー・ジムナティクスはそうでないのだ。

3.それなりの準備を

サイバー・ジムナティクスは、攻撃力の低さが足を引っ張ってしまい、同族感染ウィルスのように使いやすいカードではない。
何の工夫もせずにデッキに放り込んでも、思ったよりも活躍できないことも少なくない。

しかし、工夫をすれば話は別だ。

巨大ネズミや増援などを採用し、デッキからのサーチを行うだけでもかなり違ってくる。サイバー・ジムナティクスの性質上、適切なタイミングで使えるようにする意義は大きい。
特に、巨大ネズミは、次の自分ターンでサイバー・ジムナティクスを守備表示にできるため、反撃への備えにもなりオススメだ。

同族感染ウィルスは、何の考えもなくデッキに放り込んでも活躍する強力カードだった。
それに対し、サイバー・ジムナティクスは、ある程度の工夫を施すことで活躍するカード。サイバー・ジムナティクスを使う際には、デッキ構築の時点で相性のいいカードを併用していく必要があるぞ。

サイバー・プリマ

EOJ-JP007
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 5

レベル6攻撃力2300の上級モンスター。
生け贄召喚時に魔法カードを全て破壊する効果を持つ。

破壊できる代表的な魔法カードとして、強奪、早すぎた埋葬、光の護封剣がある。
これらの魔法カードは使用頻度が高いので、サイバー・プリマの効果を生かせる機会はそれなりに多くなるだろう。

とは言え、魔法・罠問わず破壊できる氷帝メビウスの方が圧倒的に使いやすい。
それなりにしか活躍できないサイバー・プリマが使われることは、ほとんどなさそうである。

サイバー・ジラフ

EOJ-JP008
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 3

サイバー・ジラフ自身を生け贄に捧げることで、自分への効果ダメージを0にする効果を持つ。
この効果は起動効果であるため、自分のターンにしか使うことはできない。

「自分のターンに効果によるダメージを0にする」――あまり意味のない効果に見えるかもしれないが、アニメを見ていた人ならその使い道は分かっているだろう。
パワーボンドなど、自分の発動したカード効果によるダメージを0にするために使うのだ。

しかし、サイバー・ジラフと類似した効果を持つデス・ウォンバットを使った方が便利である。
デス・ウォンバットならば、生け贄に捧げる必要もなく永続的にダメージ効果を0にすることができるからだ。しかも攻撃力も高い。

そもそも、パワーボンドのダメージを0にするコンボは狙ってはいけない。ただでさえ多いコンボカードがさらに多くなってしまうからだ。
パワーボンドは、発動したターンに確実に相手にトドメを刺すように使うべきなのだ。

サイバー・フェニックス

EOJ-JP009
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 7

機械族のサポートカード。機械族モンスター1体を対象とする魔法・罠を無効にすることができる。
しかも、戦闘で破壊された時にデッキからカードを1枚ドローする効果まで持つぞ。

1.単体の有効性

サイバー・フェニックスは、基本的には機械族モンスターをサポートするカード。
一般的に、この手のカードはサポートができないと活躍できないことが多いが、サイバー・フェニックスは、サポートできなくても単体で活躍することができる。

その理由を、サイバー・フェニックスの2つの効果から説明していくことにしよう。

(a) 魔法・罠無効化効果

まずは、機械族モンスター1体を対象とする魔法・罠を無効にする効果だ。

サイバー・フェニックスは機械族であるため、魔法・罠無効化の恩恵をサイバー・フェニックス自身が受けることができる。
つまり、サイバー・フェニックスには、サイバー・フェニックス1体を対象とした魔法・罠は効かないのだ。

少々話はそれるが、魔法・罠の無効化は、自分の早すぎた埋葬やリビングデッドの呼び声にも適用される点も見逃せない。
サイバー・フェニックスなどを蘇生させれば、蘇生直後にテキスト後半の自壊効果が無効になり、破壊のデメリット効果を打ち消すことができるのだ。
また、裏側のリビングデッドの呼び声が破壊されそうになった時、それをチェーン発動すれば蘇生モンスターが破壊されずに場に残る点も見逃せない。

(b) ドロー効果

次は、戦闘で破壊された時にデッキからカードを1枚ドローする効果である。
サイバー・フェニックス1枚からカード1枚を生み出すため、戦闘破壊によるカード損失を補えるのだ。

このドロー効果は、サイバー・フェニックスの低めの攻撃力をフォローするだけでなく、機械族モンスター1体への魔法・罠を無効化する効果との相性も抜群である。
サイバー・フェニックスは、フェニックスの名を冠しているようにやられ損になってしまうことが少ないのだ。

2.単体使用の欠点

サイバー・フェニックスは、単体でも十分に活躍することができる優良カード。
とは言っても、機械族モンスターが1枚も入っていないデッキにそのまま放り込めるほど強力ではない。

サイバー・フェニックスは、そのドロー効果のおかげで無駄がなく活躍できるように見える。
それでも、激流葬や聖なるバリア−ミラーフォース−の巻き添えになったり、モンスター効果で破壊や除外されてしまったりすることも少なくない。

加えて、たとえドロー効果が使えても、超過戦闘ダメージや総攻撃による大ダメージが無視できないことも多い。
サイバー・フェニックスは、キラー・トマトや異次元の女戦士などとは違い、そのターン限りの戦闘にはめっぽう弱いのだ。

したがって、サイバー・フェニックスを使うなら、基本は機械族モンスターのサポート役として使うべきである。

3.サポートのためのアドバイス

サイバー・フェニックスは、単体でもそれなりに活躍できるが、基本は機械族モンスターのサポートカード。
攻撃力の高い機械族モンスターを効果から守ることで、高い攻撃力をさらに生かすのだ。

だが、サポートが成功するのはそれほど簡単ではない。
なぜなら、1ターンに通常召喚できるモンスターは1体だけだからだ。サポートする機械族モンスターとサイバー・フェニックスを同時に場に出すのはそれほど簡単ではない。

それでも、優秀な機械族モンスターとしてサイバー・ドラゴンがいる。
サイバー・ドラゴンは、特殊召喚扱いで出せる上に攻撃力も高く、サイバー・フェニックスとの相性は抜群。2枚とも同一キャラの使うカードなだけはある。

サイバー・ドラゴンを使うだけで、サイバー・フェニックスを活躍させることができる。
サイバー・フェニックスが単体でも活躍できることを考慮すれば、サイバー・フェニックスは、サイバー・ドラゴンが入ったデッキに放り込むだけで活躍できると言ってもいい。

そして、サイバー・フェニックスをさらに活躍させたければ、特殊召喚を利用した上級機械族モンスターの使用をオススメする。
具体的には、名推理やモンスターゲートの利用だ。
これらを使えば、生け贄が必要な上級機械族モンスターを生け贄なしで出せる。しかも、特殊召喚扱いで出せるため、同一ターンにサイバー・フェニックスも召喚可能となるのだ。

以上のように、自分の戦術に合わせてサイバー・フェニックスを活躍させていこう。

サーチライトメン

EOJ-JP010
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 4

発動ターンの間、相手のセットを妨害するリバース効果を持つ。
モンスターの裏守備セットと、魔法・罠の裏側セットの両方を封じられるぞ。

一般的に、カードのセットはターンの終了間際に行われるのが定石である。そのため、自分ターンで発動しない限り、サーチライトメンの効果が空回りすることは少ないだろう。
効果が成功すれば、相手の防御を崩せる確率が上がり、次の自分ターンで相手に与えるダメージもいくらか増えるかもしれない。

とは言え、相手の手札やカードに直接損害を与えるわけではない上、与えるダメージを大幅に増やせる保証もない。それほど強力な効果とは言えない。
そのため、執念深き老魔術師などでモンスターなどを直接破壊していった方が活躍する機会は多いだろう。

ビクトリー・バイパーXX03

EOJ-JP011
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 6

超時空戦闘機ビック・バイパーのパワーアップ版カード。
相手モンスターを戦闘で破壊する度に、3つの効果のうち1つを発動することができるぞ。

1.効果を発動させるために

ビクトリー・バイパーの効果を発動するためには、ビクトリー・バイパーが相手モンスターを戦闘で破壊しなければならない。

しかし、ビクトリー・バイパーの攻撃力はわずか1200。戦闘面ではめっぽう不利で、効果を発動させる機会は少ない。
相手のデッキ構成によっては倒せるモンスターはそれなりに多くなるだろうが、全体的にはやはり心許ない。

やはり、他のカードの力を借りて、ビクトリー・バイパーの効果を発動しやすくする必要があるだろう。
そこでオススメなのは、強化装備魔法だ。団結の力やデーモンの斧などを使いビクトリー・バイパーの攻撃力を上げるのだ。攻撃力を上げることで、ビクトリー・バイパー3つ目の効果との相性が良くなる点もポイントだ。

2.3つの効果

それでは、ビクトリー・バイパーの3つの効果について、それぞれ考察していこう。

攻撃力アップ効果

まずは、ビクトリー・バイパー自身の攻撃力を400ポイントアップする効果。

攻撃力上昇とは言っても、400ポイント程度では物足りない。特に、強化装備魔法を使ってすでに強化されている場合は、相対的に攻撃力アップの価値はますます薄くなる。
攻撃力アップ効果を使うとするなら、攻撃力をアップしないと次のターンで破壊されてしまう時だけにしよう。

表側の魔法・罠破壊効果

2つ目は、表側表示になっている魔法・罠カード1枚を破壊する効果。

これは積極的に発動していきたい効果だろう。早すぎた埋葬、強奪など、破壊する意義の大きいカードは少なくない。
とは言っても、ビクトリー・バイパーを無理に手札に温存してまでこの効果を発動する必要はない。

オプショントークン生成効果

最後は、オプショントークンを生み出す効果。

オプショントークンの攻守などは常にビクトリー・バイパーと同じになる。ビクトリー・バイパーの攻撃力が上がると、オプショントークンの攻撃力も同じだけ上がるのだ。
しかし、ビクトリー・バイパーが場から離れると、オプショントークンは消滅してしまう。この点には注意しよう。

ビクトリー・バイパーの効果を使うなら、基本はこのトークン生成効果がオススメだ。
オプショントークンは特殊召喚したバトルフェイズにすぐに攻撃が可能であるため、ビクトリー・バイパーは、相手モンスターを倒せば実質的には2回攻撃ができることになる。
この時、ビクトリー・バイパーを装備カードなどで強化してあればトークンも強化される。2回攻撃がさらに強力になるぞ。

3.有効性とまとめ

ビクトリー・バイパーはなかなか強力な効果を持ったカードである。
しかし、主力となるトークン生成効果に注目すると、ビクトリー・バイパーよりもハイドロゲドンの方が使いやすい。ビクトリー・バイパーが3つの効果を持つことを考慮しても、総合的にはハイドロゲドンの方が強いことは否定できないだろう。

それでも、ビクトリー・バイパーにはハイドロゲドンにはない魅力も多く、決して弱いカードではない。
シャインエンジェル、団結の力、デーモンの斧、リミッター解除などの補助カードを用い、ビクトリー・バイパーだけの魅力を引き出していこう。

疾風鳥人ジョー

EOJ-JP012
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 4

レベル6攻撃力2300の風属性モンスター。
生け贄召喚時に風属性モンスターを生け贄に捧げると、場の魔法・罠を手札に戻す効果を持つぞ。

場の魔法・罠を手札に戻せば、そのターンだけでも相手の場から魔法・罠カードは消える。
罠カードを恐れずに攻撃を仕掛けていけるのだ。疾風鳥人ジョーの高い攻撃力も生かしやすくなる。

それでも、生け贄に指定がなく破壊ができる氷帝メビウスの方が使いやすい。
風属性デッキであったとしても、氷帝メビウスの方が便利だろう。

疾風鳥人ジョーを使いたいならば、光の護封剣や埋蔵金の地図など、自分の魔法・罠カードともコンボになるようにしたいところだ。

ハーピィズペット仔竜

EOJ-JP013
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 6

舞のハーピィズペット竜を小型化し、実用レベルをアップさせたカード。
場のハーピィ系モンスターの数に応じて、効果が追加されていくぞ。

ハーピィズペット仔竜の効果追加対象となるハーピィ系モンスターは、以下の4種類。

基本的には、ハーピィ・レディやハーピィ・レディ三姉妹を使っていくことになるだろう。
これらを踏まえ、ハーピィズペット仔竜の効果ごとに考察を進めていこう。

1.ハーピィ1体:ハーピィ防御効果

ハーピィ系モンスターが1体以上に存在する場合、ハーピィズペット仔竜は他のハーピィ系モンスターを戦闘から守ることができる。

とは言っても、ハーピィズペット仔竜の攻撃力は1200。
ハーピィ系モンスターを守るメリットはそれほど大きくないため、ハーピィ系モンスターが1体だけの場合、ハーピィ防御効果の意味はほとんどない。
それでも、ハーピィ系モンスターが2体以上になれば、ハーピィズペット仔竜の攻撃力が2400になるため、ハーピィ防御効果の意義が出てくるだろう。

つまり、ハーピィズペット仔竜を活躍させたければ、ハーピィ系モンスターを場に2体以上出す必要があるということだ。

2.ハーピィ2体以上:攻守アップ効果

ハーピィ系モンスターが2体以上に存在する場合、ハーピィズペット仔竜の攻守がアップし、攻撃力は一気に2400まで上昇する。
この効果を適用させることができれば、ハーピィズペット仔竜は活躍できると言えるだろう。

ただし、効果を発動させるためには、ハーピィズペット仔竜に加え、ハーピィ系モンスター2体を場に揃えなければならない。
場に揃えるのは決して簡単ではない。工夫が必要だろう。

そのために、ドラゴンフライと万華鏡−華麗なる分身−を使うことをオススメする。
まずは、ドラゴンフライの効果と通常召喚によって、ハーピィズペット仔竜とハーピィ・レディを場に出す。それから、万華鏡−華麗なる分身−によってハーピィ・レディ三姉妹を特殊召喚するのだ。
このコンボを使えば、無駄が少なく高速でハーピィズペット仔竜とハーピィ系モンスター2体を揃えることができるぞ。

3.ハーピィ3体以上:カード破壊効果

ハーピィ系モンスターが3体以上に存在すれば、1ターンに1枚相手のカードを破壊することができる。
ノーコストでどんなカードでも破壊できるため、かなり強力な効果だ。

強力な効果だが、使用するためには、ハーピィズペット仔竜と、ハーピィ系モンスター3体を揃えなければならない。厳しい条件だ。
だが、場に揃えれば、相手のカードを破壊して、4体以上のモンスターで相手に総攻撃を仕掛けられる。相手カードを破壊する意義も大きく、勝利に貢献することだろう。

ハーピィ達を場に揃えるための戦術としては、ドラゴンフライ、万華鏡−華麗なる分身−、早すぎた埋葬などによる特殊召喚を組み合わせて、防御系カードを使ってモンスターを守っていく戦術が一般的だろう。
だが、この方法では、安定性はあるもののハーピィ達を場に揃えるのが難しい。

そこでオススメなのは、ヒステリックパーティー(3月発売予定)でのハーピィ・レディ特殊召喚だ。
デュエル後半にならないと墓地にハーピィ・レディが揃わないが、コンボに成功すればデュエルの決定打になる可能性があるぞ。

その他、同姓同名同盟によるハーピィ・ガール特殊召喚や、地獄の暴走召喚などによるハーピィ・レディ特殊召喚によって、一気にハーピィ系モンスターを場に出すことはできる。
ただし、これらの戦術は、ハーピィズペット仔竜とのコンボ以外での戦力が大幅に低下するため、あまりオススメできない。

いずれの方法を使うにせよ、ハーピィズペット仔竜とハーピィ系モンスター3体を場に揃えるのは簡単ではない。
カード破壊効果は魅力だが、それに目を奪われて、デッキ全体のバランスをおろそかにすることがないようにしよう。

光神機−閃空

EOJ-JP014
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 追い詰め型
総合評価 : 2

「光神機」は「ライトニングギア」と読む。
光神機−閃空は、相手に直接攻撃することによってカードをドローすることができる効果を持つが、召喚・反転召喚・特殊召喚されたターン終了時に墓地に送られてしまうデメリット効果も持っている。

墓地に送られてしまうデメリット効果のせいで、光神機−閃空はかなり使いにくい。
ドロー効果だけを持つ仮面魔道士の方が明らかに使いやすいため、光神機−閃空が使われることはまずないだろう。

光神機−桜火

EOJ-JP015
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 6

レベル6攻撃力2400だが、生け贄なしで召喚することができる効果を持つ。
ただし、生け贄なしで召喚すると、召喚ターンの終了時に墓地へ送られてしまう。

光神機−桜火の有効性を検証するため、レベル4攻撃力2300で攻撃後に守備表示になるゴブリン突撃部隊と比較してみよう。
以下に、光神機−桜火が勝る点、ゴブリン突撃部隊が勝る点をそれぞれ書き出す。

光神機−桜火が勝る点

ゴブリン突撃部隊が勝る点

勝る点の数だけを比較すれば、光神機−桜火の方が強く見えるかもしれない。
しかし、ゴブリン突撃部隊の一つ目の勝る点――これは、他の勝る点の2〜3倍程度の価値があるものである。1回分の攻撃を防げるメリットは決して小さくない。
大した考えなしで使うならば、光神機−桜火よりもゴブリン突撃部隊の方が使いやすいのだ。

光神機−桜火を使うならば、工夫を施す必要がある。
光神機−桜火の利点を生かせるように、特殊召喚の効果を持つカードをデッキに投入などしよう。天使族を生かせるようなカードを採用してもいい。
また、相手が氷帝メビウスなど攻撃力2400のモンスターを多用する場合に、サイドデッキから投入するのも良い戦術だ。

光神機−桜火を使う場合には、「ゴブリン突撃部隊で十分」というような状況を作らない工夫が重要。
生け贄なし攻撃力2400のインパクトに当てられて、何の考えもなくデッキに投入することだけはやめよう。

光神機−轟龍

EOJ-JP016
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 5

レベル8攻撃力2900貫通攻撃つきの天使族モンスター。
召喚ターンの終了時に墓地へ送られてしまうリスクを負えば、生け贄1体で召喚することもできるぞ。

生け贄1体召喚は強力なのか?

光神機−轟龍は、生け贄1体で生け贄召喚した場合でも、攻撃力2900貫通効果付きの能力を得ることができる。このインパクトは小さなものではないだろう。
しかし、実用性を検討していくと、この特性はそれほど強力ではないことが分かる。

そこで、実用性の検討のために、暗黒ドリケラトプス(貫通効果を持つレベル6攻撃力2400のモンスター)と比較してみよう。
暗黒ドリケラトプスと、生け贄1体で生け贄召喚した光神機−轟龍とを比べると、その主な違いは以下の2点である。

この2点を比べれば、使いやすいのはやはり暗黒ドリケラトプスだろう。
攻撃力500の差よりも、生け贄召喚してターン終了時に破壊されるデメリットはかなり大きなものである。

光神機−轟龍を生け贄1体で出した場合、生け贄に捧げたモンスターと破壊される光神機−轟龍とで、カードを2枚分消費してしまう。
さて、生け贄1体で生け贄召喚された光神機−轟龍は、カード2枚分の仕事をしてくれるのだろうか?

光神機−轟龍は、生け贄1体で生け贄召喚できる効果を持つが、よっぽどのことがない限りこの効果は使うべきではない。
それよりも、召喚条件に制限がないことや、天使族である点を生かした方がいい。

つまり、名推理やモンスターゲートから特殊召喚できるレベル8モンスターとして活躍させるということだ。
ただでさえ強力な攻撃力2900貫通攻撃が、特殊召喚による奇襲でさらに強力になるぞ。
加えて、天使族である点を生かしてダグラの剣などを装備させれば、相手とのライフ差はとんでもないことになる。

もちろん、光神機−轟龍はレベル8モンスターであるため、デッキは不安定になってしまうだろう。
それでも、攻撃力2900貫通攻撃の奇襲の魅力は小さくない。専用デッキを組んで活躍させていこう。

ロイヤルナイツ

EOJ-JP017
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 4

破壊したモンスターの守備力分のライフを回復する能力を持つモンスター。
名前と見た目はカッコイイが、結局は吸収天児とどっこいどっこいのカード。実戦で使われることはほとんどなさそうだ。

緑光の宣告者

EOJ-JP018
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 5

手札から魔法カードを無効化する能力を持ったモンスター。
手札にありながら罠カードのように使うことができる。完全に相手の不意を打って効果を使うことができる点が魅力だぞ。

ただし、発動するためには、手札の緑光の宣告者を墓地に送るだけでなく、他の天使族モンスター1体も墓地に送らなければならない。
天使族デッキでなければ発動できず、さらにカード消費も2枚と少なくない。

捨てる手札の指定とカード消費2枚の制約が足を引っ張り、緑光の宣告者は、天使族デッキであっても使いづらいところがある。
普通に戦う分には、天使族デッキであっても神の宣告やマジック・ドレインを使った方が強いと言わざるを得ない。

緑光の宣告者を使うならば、相手がキーカードに頼るデッキである時に、それを潰すために使うのがいい。相手のデッキタイプを見て、サイドデッキから投入するのだ。
とは言っても、自分の元々のデッキが天使族デッキでないと、サイドデッキに「緑光の宣告者+大量の天使族モンスター」を入れなければならず、サイドデッキの選択肢が大幅に狭まってしまう。

そのため、緑光の宣告者は、天使族デッキ専用のサイドデッキで使うようにしよう。
天使族デッキの隠れヒーローとして活躍させるのだ。

紫光の宣告者

EOJ-JP019
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 3

緑光の宣告者の罠版。
手札から罠カードを無効化する能力を持つぞ。ただし、スペルスピードの関係上、カウンター罠は無効化できない。

紫光の宣告者は、緑光の宣告者と共通する性質を持つ。
だが、基本的に罠カードは魔法カードより数が少ない。紫光の宣告者は無理に使う必要はなさそうである。

豊穣のアルテミス

EOJ-JP020
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 7

カウンター罠が発動する度に、カードをドローする効果を持つ天使族モンスター。
この効果は、冥王竜ヴァンダルギオンとは違って、相手のカード効果を無効化する必要はなく、相手のカウンター罠の発動でも適用されるぞ。

1.魅力溢れる効果

カウンター罠を使うだけでカードをドローできる――これはかなり魅力的な効果である。
しかも、豊穣のアルテミスのレベルは4であるため召喚が容易。必然的にドロー効果も使いやすくなる。
さらには、攻撃力1600守備力1700と、効果を使えなくともそれなりに戦える攻守を持つ点も見逃せない。

これだけ魅力があれば、豊穣のアルテミスを中心としたカウンター罠デッキを作る価値はあるといえるだろう。
自分から発動したカウンター罠によって、相手の行動を制限しつつ、カードをドローしていくのだ。

2.カウンター罠デッキ構築:モンスター編

それでは、豊穣のアルテミスを使ったカウンター罠デッキを作ることを考えていこう。

まず、主役である豊穣のアルテミスはデッキに3枚入れたい。
豊穣のアルテミスは、レベルも低く単体でも活躍できる優秀カード。無駄に手札にくすぶっていることが少ないので、カウンター罠とのコンボを成立させやすくするために、3枚フル投入をオススメするぞ。

また、冥王竜ヴァンダルギオンや裁きを下す者−ボルテニスなど、カウンター罠をトリガーとしたモンスターカードを併用すると、さらにカウンター罠を生かせるようになる。
ただし、やりすぎると、弱小のカウンター罠までデッキに入れなくてはいけなくなり、デッキ全体の戦力が落ちてしまう可能性がある。バランスを考慮しよう。

オススメの組み合わせは、「豊穣のアルテミス+冥王竜ヴァンダルギオン」、または「豊穣のアルテミス+救済のレイヤード+裁きを下す者−ボルテニス」の2パターンだ。
前者は、比較的安定した戦力を得ることができる。後者は、前者より多少戦力は劣るかもしれないが、天使族カウンター罠デッキとして活躍でき、その人気も高めとなるだろう。

3.カウンター罠デッキ構築:カウンター罠編

カウンター罠デッキを構築するにおいて重要なのは、カウンター罠の選択である。

一般的に、カウンター罠は、ここぞと言う時まで温存するタイプのカードが多い。
だが、豊穣のアルテミスは、単体でもそれなりに活躍でき、ドロー効果の条件も満たしやすい。気軽に使える効果であると言えるのだ。
そのため、豊穣のアルテミスの気軽さを生かせるように、比較的軽いカウンター罠を中心にデッキを組んでいくのがオススメだ。

以上の点を踏まえ、豊穣のアルテミスとコンボになるカウンター罠のうち、ある程度有効なものを以下に挙げて説明していこう。

デッキに入れるカウンター罠は、役割の重複がないように注意しよう。
魔法を防ぐマジック・ドレインを3枚入れているのに、魔法を防ぐマジック・ジャマーを3枚入れる――このような構築をすると、カウンター罠の発動機会が少なくなってしまうぞ。

デッキ構築は少々難しいが、適切なデッキを組めれば、勝率もそれなりに高くなるハズだ。

救済のレイヤード

EOJ-JP021
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 6

豊穣のアルテミスと同じく、カウンター罠の発動を効果発動のトリガーとする天使族モンスター。
救済のレイヤードの効果が発動すると、除外されている天使族モンスター2体を手札に加えることができるぞ。

1.アルテミスとレイヤード

豊穣のアルテミスは、カウンター罠が発動すると、カードを1枚得ることができる。
救済のレイヤードは、カウンター罠が発動すると、カードを2枚得ることができる。

この点だけを単純に比較すると、救済のレイヤードの方が強いように見えるかもしれない。
だが、救済のレイヤードで手札に加えるカードには大きな制約があるため、単純に比較はできない。

救済のレイヤードの効果で手札に加えられるカードは、ゲームから除外された天使族モンスター2体。
手札に戻す天使族モンスターは必ず2体でなければならないため、除外されている天使族モンスターが1体の場合はレイヤードの効果は不発である。

さらに、条件を満たしてレイヤードの効果を使い「カード2枚」を得たとしても、その2枚は天使族モンスターである。
天使族モンスターだけの「カード2枚」は、普通にカードを2枚ドローした場合の「カード2枚」には及ばない。手札に加える天使族モンスターを選べるメリットを考慮してもだ。

まとめると、「救済のレイヤードは、カードを2枚得る効果を持っているが、効果使用の条件がやや厳しく、手札に加えたカードの価値もそれほど高くない」ということになる。
天使族にこだわらない人や冥王竜ヴァンダルギオンを併用したい人は、豊穣のアルテミスを優先した方が無難だろう。

2.レイヤードを使うなら

とは言っても、救済のレイヤードは弱いカードではない。カード2枚分を得る魅力は小さなものではないし、効果使用条件の難しさもデッキの工夫によって改善することができる。
そこで、ここからは、救済のレイヤードを用いたデッキ構築について考察していくことにしよう。

救済のレイヤードを用いたデッキ構築には、主に以下の3点が必要となる。

それぞれについて簡単に説明していこう。

(a) 天使族モンスター

救済のレイヤードを使うためには、デッキのモンスターの多くを天使族にしなければならない。
天使族モンスターのバリエーションは比較的豊富で、強力カードとも呼ばれているマシュマロンや天空騎士パーシアスも存在するため、比較的高い戦力を得ることができる。

また、救済のレイヤードと同じ発動トリガーを持つ豊穣のアルテミス、裁きを下す者−ボルテニスもオススメだ。
カウンター罠1回で複数の効果を発動できる状況が増えるので、救済のレイヤードとの相性は高い。

そして、シャインエンジェルも救済のレイヤードとの相性が高くオススメだ。
救済のレイヤードをデッキからサーチするだけでなく、場に複数枚の救済のレイヤードや豊穣のアルテミスが出やすくなり、カウンター罠1回あたりの見返りがアップするのだ。

(b) 自分のカードを除外するためのカード

救済のレイヤードを使うためには、自分の天使族モンスターをゲームから除外する必要がある。
当然ながら、相手のカード効果による除外だけを期待しても、効果が使用できる可能性は低い。除外のためのカードを自分で用意する必要がある。

天使族モンスターを除外するためには、常にモンスターを除外し続ける効果を持つ次元の裂け目やマクロコスモスを使うのが簡単。
しかし、これらのカードは除外だけは簡単でも、コンボ未成立時にはやや力不足であり、レイヤードと相性がいいシャインエンジェルが使えなくなってしまう。
だからと言って異次元の生還者などをコンボカードとして組み合わせると、デッキが膨れ上がり肝心のレイヤードがジャマだと感じてきてしまうだろう。

そこでオススメしたいのは、魂を喰らう者バズー、放浪の勇者 フリード、神聖なる魂、カオス・ソーサラーなど、墓地のモンスターを除外することで効果などが使えるモンスターだ。
これらのモンスターを使えば、モンスター除外の機会は減ってしまうが、コストのはずのモンスター除外がプラスに転じるようになる。墓地に溜まりやすいシャインエンジェルとの相性も良いぞ。

(c) カウンター罠

救済のレイヤードの効果を発動させるためには、自分でカウンター罠を用意すべきである。
カウンター罠の候補としては、豊穣のアルテミスで紹介したカウンター罠とおおよそ同じなので、そちらを参考にして欲しい。

ただ、救済のレイヤードは攻撃力1400と戦闘面で弱い。
戦闘面を支援する攻撃の無力化やキックバックを優先的に採用するといいだろう。

また、カウンター罠からは多少離れるが、天罰やライトニング・ボルテックスなど手札コストを要するカードも優先するといいかもしれない。
なぜなら、救済のレイヤードの効果を使うと、手札にモンスターカードが溜まりやすくなるからだ。さらには、手札コストとして墓地に送ったモンスターが、魂を喰らう者バズーなどの発動コストにもなる点もポイントだ。

ライトニング・ボルテックス、サンダー・ブレイク、天罰など、天使族に相応しい魔法・罠カードを搭載して、一層天使らしいデッキで戦っていこう。

閃光の追放者

EOJ-JP022
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 追い詰め型
総合評価 : 8

場に表側表示で存在し続ける限り、墓地へ送られる全てのカードがゲームから除外されるようになる効果を持つモンスター。
名前が類似している「光の追放者」と全く同じ効果を持つぞ。

1.光の追放者と閃光の追放者の決定的な違い

閃光の追放者は、光の追放者と同じ効果を持つ。
だが、その攻守は大きく異なっており、そのせいで閃光の追放者と光の追放者の性質も大きく変わってきている。

光の追放者は、攻撃力100守備力2000の守備型モンスター。
効果適用時は表側守備表示にしなければ危険であるが、表側守備表示にするためには、いったん表側攻撃表示か裏側守備表示で出す必要がある。効果適用までが長いのだ。

対して、閃光の追放者は、攻撃力1600守備力0の攻撃型モンスター。
効果を適用するためには、そのまま表側攻撃表示で召喚すればよい。効果が使いやすいのだ。

また、光の追放者は、表側守備表示になっても、除外効果がすぐに役立つとは限らない。
相手モンスターを破壊して除外したり、除外コンボを狙ったりするためには、さらに他のカードを用意しなければならないからだ。

対して、閃光の追放者なら、表側攻撃表示で召喚してすぐに除外効果が役に立つ。
なぜなら、閃光の追放者自身が攻撃力1600である点を利用して、キラー・トマト、クリッター、黄泉ガエル、ダンディライオンのようなモンスターを攻撃するだけでいいのだから。

閃光の追放者は、カード単体で除外効果が役立つのだ。この点は小さくない。
攻守の単純な比較では光の追放者の方が強いと感じるかもしれないが、使いやすさでは閃光の追放者に軍配が上がるのだ。

2.閃光の追放者が活躍する状況

閃光の追放者は光の追放者よりも使いやすい。
とは言っても、全てにおいて使いやすいと断言できるわけではない。

その代表的なものが、除外を利用したコンボである。
除外カードを墓地に貯めて異次元からの帰還や紅蓮魔獣 ダ・イーザなどを使うコンボや、異次元の生還者などの特殊召喚コンボなどがそれに該当する。

これらのコンボを実現するためには、閃光の追放者はそれほど向いてはいない。
閃光の追放者は比較的除去されやすいため、場に残りにくいからだ。
加えて、自分のモンスターを除外するコンボを狙う場合、閃光の追放者の通常召喚によって1ターンに1回の通常召喚の権利を使ってしまうため、コンボが狙いにくくなってしまっているのだ。

除外コンボを利用するなら、閃光の追放者を使うより、次元の裂け目やマクロコスモスを使った方がいい。
閃光の追放者は、既に説明したように単体で相手のモンスターを除外するために使うのがベストなのだ。除外効果が使えなくとも、普通に攻撃力1600のモンスターとして使える点も魅力である。

そして、閃光の追放者は、メインデッキにそのまま投入するよりも、サイドデッキから投入するのがオススメだ。
相手がキラー・トマトなど墓地送りを利用するデッキなら、なお効果抜群である。

逆に、キラー・トマトなどを使用する側にとっては、閃光の追放者やマクロコスモスなどの登場により、戦術が大幅に狂わされてしまう危険が大きくなった。
もし、キラー・トマト系カードを使うならば、相手が除外系のカードを使ってなくとも、マッチ戦2戦目ではそのキラー・トマト系カードをサイドデッキに引っ込めた方がいいかもしれない。

裁きを下す者−ボルテニス

EOJ-JP023
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可(要生け贄召喚/特殊召喚) / 逆転型
総合評価 : 5

レベル8のモンスターだが、自分のカウンター罠の発動によって、手札から特殊召喚する効果を持つ。
この時、モンスターを全て生け贄に捧げなければならないが、その際に天使族モンスターを生け贄に捧げれば、その数まで相手のカードを破壊することができるぞ。

1.vs冥王竜ヴァンダルギオン

裁きを下す者−ボルテニスと類似したカードとして冥王竜ヴァンダルギオンがある。どちらもカウンター罠をトリガーとして特殊召喚され、何らかの効果を使用することができる。
それならばどちらの方が使いやすいのだろうか。簡単に比較してみよう。

ボルテニスの特徴

ヴァンダルギオンの特徴

純粋にプラスとマイナスの数だけを比べた場合、どちらも同じ強さだと感じるかもしれない。
だが、ボルテニスの「モンスターを生け贄にしなければならない点」――これはかなりのマイナスだといえることは想像に難くない。
そのため、総合的な戦力はヴァンダルギオンに軍配が上がると言っていいだろう。

2.デッキ構築

裁きを下す者−ボルテニスと冥王竜ヴァンダルギオンとでは、冥王竜ヴァンダルギオンの方が強い。
だが、ボルテニスは弱いカードではない。豊穣のアルテミスをはじめとする天使族を中心としたデッキを構築すれば、活躍することは十分にできる。魅力も小さくない。

デッキ構築については、豊穣のアルテミスや救済のレイヤードの考察で述べているものとかなり重複するため、基本的にはそちらを参照して欲しい。
もちろん、豊穣のアルテミスや救済のレイヤードとの併用をオススメするぞ。

また、アルテミスやレイヤードの考察以外で注目すべき点を以下に記す。参考にして欲しい。

ガード・ドッグ

EOJ-JP024
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 4

どこかの民家(?)の番犬。
1ターン限り相手の特殊召喚を防ぐリバース効果を持つ。

とは言え、このリバース効果は使いやすい効果とはいえない。
「相手ターンに発動する場合」と「自分ターンに発動する場合」とで、挙動などを見ていけば明らかだ。以下で簡単に見ていこう。

相手ターンで発動する場合

戦闘による攻撃でリバースすることがほとんど。
しかし、相手ターンによる特殊召喚の多くは戦闘前に集中するため、リバース効果の意味がほとんどない。

自分ターンで発動する場合

リビングデッドの呼び声やスケープ・ゴートはチェーン発動されてしまうものの、キラー・トマトなどの効果を防ぐことができる。
それでも、1ターン攻撃されずにしのがなければならないことを考慮すると、閃光の追放者を使った方が効果的である。

――ガード・ドッグは、リバース効果を使わずに、レスキューキャットなどを使って獣族レベル3攻撃力1500モンスターとして活躍させた方がいいかもしれない。

真空イタチ

EOJ-JP025
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 4

発動ターンの間だけ相手の魔法・罠の効果を無効化するリバースを効果を持つ。
しかし、ガード・ドッグと同じように使いにくい面が目立つ。詳細は以下を参照。

相手ターンで発動する場合

戦闘による攻撃でリバースすることがほとんど。
それに対し、魔法・罠を戦闘後に発動することはほとんどないため、真空イタチのリバース効果の意味はほとんどない。

自分ターンで発動する場合

チェーン発動される場合も少なくないが、聖なるバリア−ミラーフォース−や炸裂装甲など、発動タイミングを持つ罠カードを防ぐことができる。
ただし、それだけのために1ターンの間攻撃されないようする必要があるため無駄が多い。
しかも、真空イタチの攻撃力は500しかないため、反転召喚後に真空イタチがお荷物になってしまう可能性がある。

荒ぶるアウス

EOJ-JP026
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 3

お馴染みの四霊使いカード。
荒ぶるアウスは、手札の地属性モンスターを特殊召喚する効果を持っている。特殊召喚すれば、生け贄が必要な上級モンスターでも生け贄なしで場に出すことができる。

とは言え、そのためには自分の場に「荒ぶるアウス+地属性モンスター」が揃っていなければならない。
しかも、効果使用時に地属性モンスターを生け贄に捧げなくてはならない上、攻守が低めの荒ぶるアウスが破壊されると特殊召喚したモンスターも破壊されてしまう。

これだけの使いにくさを備えているため、特殊召喚するモンスターはレベル7以上のモンスターでなければ元は取れない。
しかも、レベル7以上の地属性モンスターを使うにしても、生け贄の条件や場に残る条件が厳しいため、活躍するのは簡単ではないだろう。名推理やモンスターゲートなどの方がはるかに活躍しやすい。

どうしても荒ぶるアウスを使いたいならば、巨大ネズミから特殊召喚したり、羊トークンを生け贄にしたり、レベル7以上の暗黒恐獣、メカニカル・ハウンド、パーフェクト機械王などを特殊召喚したり、様々な工夫を施す必要がある。さもなければ、荒ぶるアウスは単なるお荷物になってしまうだろう。

逆巻くエリア

EOJ-JP027
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 3

四霊使いその2。荒ぶるアウスの水属性版の効果を持つ。
考察の基本は、荒ぶるアウスと同じなので省略する。

水属性の代表的なレベル7以上モンスターとして、海竜−ダイダロス、メタル化寄生生物−ルナタイトがある。だが、これらのモンスターは、伝説の都 アトランティスやグリズリーマザーによって、生け贄2体で召喚する必要がない。
逆巻くエリアを使う価値はほとんどないと言っていいだろう。

燃え盛るヒータ

EOJ-JP028
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 3

同様に、荒ぶるアウスの炎属性版。

レベル7以上の代表的な炎属性モンスターとして、ネフティスの鳳凰神、タイラント・ドラゴン、火之迦具土がある。
だが、ネフティスの鳳凰神はネフティスの導き手で特殊召喚した方が良く、火之迦具土は特殊召喚ができない。結局のところ、タイラント・ドラゴンだけが残ることになる。

まともに活躍できるレベル7以上の炎属性モンスターが少ないため、燃え盛るヒータを使う価値はかなり低くなっている。
それでも、レベル7以上の強力なモンスターが存在しない風属性よりはマシなのかもしれないが……。

ついでだから、上の一文をもってして、風属性の吹き荒れるウィンの考察も終了と言うことで。

吹き荒れるウィン

EOJ-JP029
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 2

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ 
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 
          |i i|    }! }} //| 
         |l、{   j} /,,ィ//|       『風霊使いウィンはかわいい女の子だと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにかおれを越えていた』 
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ | 
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが 
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった… 
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉 
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった… 
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ 
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか超スピード成長だとか 
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ 
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  } 
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ… 

電池メン−単一型

EOJ-JP030
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 4

電池メンシリーズ。ついに単一型電池の登場だ。
巨体だからだろうか、守備力が1900と高く、他の雷族モンスターの盾となる効果を持っているぞ。

とは言え、単一型の効果が役立つためには、単一型が表側守備表示になった上で、他の雷族モンスターが場に出ていなければならない。
効果自体も大して強くないため、魅力はあまり大きくない。

それでも、雷族モンスターや電池メンモンスターとしては、それなりに安定した壁となるため、専用デッキでは地味に活躍するだろう。

超電磁稼動ボルテック・ドラゴン

EOJ-JP031
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能(要生け贄) / 追い詰め型
総合評価 : 5

電池メンの力を吸収してパワーアップするレベル5電気ドラゴン。
生け贄召喚時に生け贄にした電池メンの種類に応じた効果を得ることができる。

しかし、ボルテック・ドラゴンの効果はそれほど強力ではなく、以下のように他の上級モンスターで代用ができてしまう。

電池メンの不安定さやパワー不足を考慮すれば、ボルテック・ドラゴンはそれほど強力なカードとは言えないだろう。

それでも、ボルテック・ドラゴンは弱いカードではない。電池メンデッキならば、十分に活躍できる素質を持っている。
ボルテック・ドラゴンは電池メンなしでもレベル5攻撃力2400モンスターとしても活躍し、効果を得ればさらに効果を得ることができるのだ。

ボルテック・ドラゴンを使うのならば、比較的使いやすい単一型と単三型を利用すると良いだろう。
単一型はインパクト不足だが堅実に壁役や生け贄役として役立ち、単三型は不安定だが3枚場に揃った時の総攻撃力は並大抵のものではない。
そして、専用魔法の充電器も忘れてはいけない。単三型を場に揃えるだけでなく、ボルテック・ドラゴンの生け贄確保にも貢献してくれるのだ。

E・HERO フェニックスガイ

EOJ-JP032
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要融合) / 中間型
総合評価 : 3

エド・フェニックスが使ったエレメンタルヒーロー。
フレイム・ウィングマンと同じ融合素材で融合召喚されるぞ。

フレイム・ウィングマンと同じ融合素材であるからか、フェニックスガイは、効果の一部以外はフレイム・ウィングマンとほぼ同じである。
フェニックスガイは、フレイム・ウィングマンとは違って戦闘で破壊されない効果を持っている。

とは言え、攻撃力2100のフェニックスガイが戦闘で負けることはまれ。ほとんどの状況では、ダメージ効果を持つフレイム・ウィングマンの方が活躍してしまうのだ。
フェニックスガイは、フレイム・ウィングマンでは対処できない状況のために、融合デッキに1枚用意しておけば十分だ。

E・HERO シャイニング・フェニックスガイ

EOJ-JP033
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能(要融合) / 中間型
総合評価 : 4

シャイニング・フレア・ウィングマンと同等の融合モンスター。
効果の一部以外は、シャイニング・フレア・ウィングマンとほぼ同じステータスを持つぞ。

シャイニング・フェニックスガイは、シャイニング・フレア・ウィングマンのダメージ効果の代わりに戦闘で破壊されない効果を持つ。
だが、ただでさえ攻撃力が2500以上あるのに、戦闘で破壊されない効果が適用されることはまずない。

よほどのことがない限り、シャイニング・フェニックスガイよりもシャイニング・フレア・ウィングマンを使うべきだろう。
融合モンスターの選択肢を増やすと言う意味で、融合デッキには入れても構わないが……。

……エド・フェニックスってすごいですね。

E・HERO セイラーマン

EOJ-JP034
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難(要融合) / 追い詰め型
総合評価 : 4

バブルマンとフェザーマンの融合体。
セイラーマンの登場で、使いにくいと言われてきたフェザーマンやバブルマンが多少は使いやすくなった。

セイラーマンは、自分の場に魔法・罠がセットされている時に、相手モンスターを無視してプレイヤーに直接攻撃する能力を持つ。
ただし、魔法・罠は「セット」されていなければならないため、表側表示の魔法・罠だけがある場合には直接攻撃能力は使えない。注意しよう。

さて、セイラーマンが直接攻撃できる条件――これは比較的緩いものであるため、条件を満たせる状況は少なくないだろう。
しかも自分から能動的に条件を満たせるため、相手に依存することがない。

しかし、条件が満たしやすい代わりに、セイラーマンの攻撃力は1400と心許ない。
直接攻撃が成功した次のターンに破壊される危険が大きいのだ。

そのため、セイラーマンは、相手にトドメをさせる場合や、防御系カードが用意できる場合にのみ使うようにしたい。
それ以外の状況では、せっかくの融合が生かしきれない場合が多い。

セイラーマンは、活躍できる状況は選ぶものの、その状況によっては十分に活躍できるエレメンタルヒーロー。
フェザーマンやバブルマンを採用しているエレメンタルヒーローデッキならば、セイラーマンを融合デッキに用意しておこう。

E・HERO ワイルド・ウィングマン

EOJ-JP035
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難(要融合) / 追い詰め型
総合評価 : 6

ワイルドマンとフェザーマンの融合形態。
攻撃力は1900とあまり高くないが、手札を捨てる度に魔法・罠を破壊する効果を持っている。手札を捨てさえすれば魔法・罠を何枚でも破壊できるぞ。

とは言っても、手札を捨てるコストは小さなものではないので、それほど気軽に使ってはいけない。
基本的には、表側表示の魔法・罠を破壊するために使いたい。大した考えもなく裏側表示の魔法・罠を破壊しようとすると、スケープ・ゴートやサイクロンなどをチェーン発動されてしまう可能性があるぞ。

ワイルド・ウィングマンの登場により、単体で強力なワイルドマンからの融合の可能性が広がった。
しかも、魔法・罠破壊効果は特殊なタイプのデッキへの対策になることが多く、エレメンタルヒーローデッキは広いデッキタイプにも対抗できるようになったと言えるだろう。
ワイルド・ウィングマンは、エレメンタルヒーローデッキには是非投入しておきたい一枚だと言える。

ワイルドマンを用いた融合

さて、ワイルド・ウィングマンを、「ワイルドマン+融合素材代用モンスター」とミラクル・フュージョンで融合召喚する場合について、少々の補足をする。

この場合、同じく「ワイルドマン+融合素材代用モンスター」で融合召喚できるワイルドジャギーマンやネクロイド・シャーマンとの兼ね合いが重要だ。
貴重な融合機会を使うのだから、基本的には単体で強力なワイルドジャギーマンを優先するといいだろう。

ワイルド・ウィングマンは、攻撃力が低く手札を消耗する可能性があるため、気軽に使うべきカードではない。
相手に確実にトドメをさせる場合や、厄介な魔法・罠カードをどうしても破壊したい場合など、比較的重要な場面でワイルド・ウィングマンを使うようにしよう。

E・HERO ネクロイド・シャーマン

EOJ-JP036
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不要(要融合) / 中間型
総合評価 : 6

ネクロダークマンが融合素材となっている融合体エレメンタルヒーロー。
相手モンスター1体を破壊し、相手モンスター1体を相手の場に蘇生する効果を持っている。

融合素材にネクロダークマンがあるが、ネクロダークマンは単体では使いにくいため、もう片方の融合素材であるワイルドマンだけを使いたい。
すなわち、融合召喚は「ワイルドマン+融合素材代用モンスター」で行おうということだ。ファンは多少物足りなく感じてしまうかもしれないが、デッキ全体の戦力は上昇するぞ。

1.効果の活用法

それでは、ネクロイド・シャーマンの効果について見ていこう。
ネクロイド・シャーマンの効果は、相手モンスター1体を破壊した後、相手の墓地からモンスターを相手の場に特殊召喚する効果。相手モンスターを入れ替えるような役割を果たしている。

相手モンスターを入れ替えるとは言え、何の考えもなく入れ替えたのではほとんど意味はない。
強力な高攻撃力モンスターや厄介な裏守備モンスターを破壊して、墓地から弱小モンスターを攻撃表示で特殊召喚するのが基本だ。

こうすれば、相手モンスター1体を破壊したのとほぼ同等の結果を得ることができるだろう。
状況によっては、相手の場に他の強力なモンスターが残っていても、弱小モンスターを破壊した超過ダメージで相手を追い詰めることができるぞ。

2.融合モンスターの選択

さて、「ワイルドマン+融合素材代用モンスター」とミラクル・フュージョンによってネクロイド・シャーマンを使う場合を考える。
この場合、同じ「ワイルドマン+融合素材代用モンスター」で融合召喚できるワイルドジャギーマンやワイルド・ウィングマンとの選択が重要だ。

そこで、採用基準を用意した。以下の点を満たせば満たすほどネクロイド・シャーマンを使う価値があると言えるだろう。
(目安として、4つのうち2つは満たしておきたい)

全体的には、ネクロイド・シャーマンが活躍できる機会はそれほど多くならない。ワイルドジャギーマンを使うことが多くなりそうだ。
もちろん、ネクロイド・シャーマンは、機会こそは少なくともチャンスが来ればしっかり活躍してくれる優良カード。融合召喚可能なデッキ構成ならば、融合デッキに用意しておこう。

ミスフォーチュン

EOJ-JP037
アニメオリジナルカード
特殊型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 4

相手フィールド上モンスターの攻撃力の半分のダメージを与える通常魔法。

ミスフォーチュンは、ダメージだけの効果でありダメージ量もそれほど大きくならず、しかも発動ターンは戦闘が行えなくなってしまう。
そのため、普通に戦闘を行うタイプのデッキに入れるなら、地砕きなどの場に干渉するカードを使った方が活躍すると言える。

ミスフォーチュンを使うならば、戦闘を行わないタイプのデッキが良い。特に、溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを使うダメージデッキとの相性は高い。
ただし、ラヴァ・ゴーレムを使っても、カード1枚消費して1500ダメージ程度。コンボが成功したからといって、大きな見返りが得られるわけではない。注意しよう。

H−ヒートハート

EOJ-JP038
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 5

自分のモンスター1体に対して、1ターンの間だけ「攻撃力500アップ&貫通効果」を持たせる通常魔法カード。
アニメではエレメンタルヒーローデッキで使われたカードだが、エレメンタルヒーロー以外のモンスターに対しても使うことができるぞ。

使いやすそうに見えるが……

攻撃力500アップと貫通効果。
これによって、少し攻撃力・守備力の高いモンスターを倒せるようになるかもしれない。低守備力モンスターに大ダメージを与えられるようになるかもしれない。
役に立つ機会は、決して少なくないだろう。

だが、ヒートハートは役に立つ機会は多くとも、カードを1枚分消費してしまう通常魔法。
「攻撃力500アップ&貫通効果」が、カードを1枚分の役目を果たさなければ、戦力としては心許ないことになる。

そして、「ヒートハートはどのくらい役に立つのだろうか?」と考えた時、地砕きや抹殺の使徒などの通常魔法を引き合いに出すと分かりやすい。
様々な要素を考慮すると、やはり、ヒートハートよりも地砕きや抹殺の使徒の方が上だと言えるのだ。

その理由のひとつとして、罠カードによる戦闘の妨害が挙げられる。
ヒートハートの効果を受けたモンスターの攻撃が失敗すると、ヒートハート1枚が完全に無駄になってしまう。
それに対し、地砕きや抹殺の使徒ならば、戦闘誘発型の効果を発動させずにほぼ確実にモンスターを破壊することができるため、カード1枚分が無駄になることが少なくなる。

ヒートハートは役に立つ機会は多いものの、それほど大きなパワーを秘めているカードではない。
弱い部類のカードではないものの、エレメンタルヒーローにこだわらない限りは使われることはなさそうだ。

もし、ヒートハートを使うならば、ヒートハートを生かせるようにしっかりと考えてから使いたい。
特に、ヒートハートを使用したターンのバトルフェイズで相手に罠カードを使われると、ヒートハート1枚分が完全に無駄になってしまう可能性がある。相手の伏せ魔法・罠には、細心の注意を払う必要があるぞ。

最後に重要な点を一つ。
ヒートハートは使用モンスターの種類を選ばないが、戦士 ダイ・グレファーだけには使用させてはいけない。しかも使用させた上、裏側守備表示の異次元の女戦士を攻撃するなどもってのほか!

E−エマージェンシーコール

EOJ-JP039
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 6

エレメンタルヒーローをデッキからサーチするカード。
コストなしで魔法カード1枚から好きなエレメンタルヒーローモンスター1枚を手札に加えられるため、使いやすいカードだと断言していいだろう。

だが、エレメンタルヒーローは全て戦士族モンスターであるため、増援でもその代わりができてしまう。
一応、エマージェンシーコールは、レベル5以上のエレメンタルヒーローでも手札に加えることができる。その点を考慮しても、異次元の女戦士などの強力な戦士族でも手札に加えられる増援の方が役立つことが多いだろう。

そのため、高レベルのエレメンタルヒーローやヒーローフラッシュ!!にこだわらない限り、増援を優先して投入していった方が良さそうだ。

R−ライトジャスティス

EOJ-JP040
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 6

自分の場にいるエレメンタルヒーローの数だけ、フィールド上の魔法・罠を破壊することができる効果を持つ。
場の状況によっては、2枚、3枚と破壊することができるぞ。

1.魔法・罠を2枚以上破壊するためには?

エレメンタルヒーローデッキにとって、ライトジャスティスは、ハーピィの羽根帚や大嵐のように使える可能性があるカード。
しかし、ハーピィの羽根帚や大嵐のように使えるのは、あくまで理想である。実際は、理想通りに使えないことも多い。

もちろん、魔法・罠1枚だけを破壊するなら、エレメンタルヒーローを召喚してそのままライトジャスティスを発動するだけと容易だ。
だが、1枚だけの破壊ではライトジャスティスの効果の価値は低くなってしまうため、できるだけ2枚以上を破壊できるように使いたい。

だが、魔法・罠を2枚以上破壊するためには、以下の問題をクリアしなければならない。

したがって、ライトジャスティスで魔法・罠を2枚以上破壊するのはそれほど簡単ではないと言える。

2.使い方次第で

ライトジャスティスは、魔法・罠を2枚以上破壊できる可能性を持っているが、実際にそれが役立つ機会は多くない。

だが、魔法・罠を1枚破壊する場合でもライトジャスティスを使うことはできる。そして、工夫を施すことによって魔法・罠を2枚以上破壊しやすくすることもできる。
ライトジャスティスは決して弱いカードではない。エレメンタルヒーローデッキならば十分に投入の価値はある。

そこで、最後に、ライトジャスティスを使う上での注意点や工夫点を以下に挙げよう。

O−オーバーソウル

EOJ-JP041
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用可能 / 中間型
総合評価 : 5

効果を持たないエレメンタルヒーローを蘇生させることができる魔法カード。
具体的に蘇生できるヒーローを挙げると、フェザーマン、バーストレディ、スパークマン、クレイマン、ネオスの5種類がある。

効果を持たないエレメンタルヒーローを多用するデッキならば、オーバーソウルを発動できる機会も増えるだろう。
しかし、効果を持たないエレメンタルヒーローを蘇生させても、そのほとんどが攻撃力が心許ない上に効果もない通常モンスターであることを忘れてはいけない。

蘇生させても1ターン限りの壁になって破壊されることが多いならば、オーバーソウルを使わずに別のカードを用いなくてはならないだろう。
蘇生は一見魅力的に見えるかもしれないが、蘇生されるモンスターが心許ないため、蘇生の価値は高くないのだ。

そのため、上級モンスターであるネオスを使ったり、R−ライトジャスティスなどを併用したり、奇襲攻撃を仕掛けたりなど、オーバーソウルを生かせる工夫が必要不可欠である。

ヒーローフラッシュ!!

EOJ-JP042
アニメオリジナルカード
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 1

「H−ヒートハート」「E−エマージェンシーコール」「R−ライトジャスティス」「O−オーバーソウル」を揃えた時に発動できるカード。
4種類のカードを揃えるとは言え、エクゾディアのそれとは違う。墓地に揃えればいいため、ヒートハートなどを使ってデュエルをしていけば自然と墓地に溜まっていくのだ。

デッキに、H、E、R、Oの4種類を2〜3枚ずつ投入したエレメンタルヒーローデッキを作れば、デュエル終盤ではヒーローフラッシュを発動できるようになるだろう。
H、E、R、Oのカードは、そのどれもがそれなりの力を持ってるカードであるため、デッキ全体の戦力もそれほど低下はしない。

とは言え、H、E、R、Oのカードを無理に使うことによる戦力低下が0ということは決してない。
それに加えて、H、E、R、O4種類がそれほど簡単には揃わない、揃わない時にはヒーローフラッシュは何の役にも立たないなど、使いにくい要素は少なくない。

そして、致命的なことは、苦労してヒーローフラッシュを使ったところで、それほど強い効果が得られないことだ。
「なんとなく」でデッキでに入れたのでは、発動できずにジャマになったり、発動してもそれほど活躍できなかったりと、悲しい結果となってしまうぞ。

それでもヒーローフラッシュを使いたいならば、以下の2パターンのどちらかを試してみよう。

上の2タイプを使うにせよその中間を使うにせよ、ヒーローフラッシュが活躍するのは難しいだろう。

パワーカプセル

EOJ-JP043
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 4

このパックに封入されている「ビクトリー・バイパー XX03」専用カード。
ビクトリー・バイパーの3つの効果を発動させることができる。

相手モンスターを倒さなくても3つの効果が使えるとは言え、魔法カード1枚を消費する割にはその見返りは小さい。
ビクトリー・バイパーがいないと効果が使えないことも考慮すれば、ビクトリー・バイパーを使う場合でも、地砕きなどの汎用性の高い強力魔法カードを使っていった方がデッキ全体の戦力は上がるだろう。

それでも、1ターンで相手に大ダメージを与える戦術を取るのならば、パワーカプセルを十分に生かせるかもしれない。
攻撃力を上げたビクトリー・バイパーのオプショントークンを精製し、一気に攻め込み大ダメージを与えるのだ。

光神化

EOJ-JP044
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 追い詰め型
総合評価 : 4

手札の天使族モンスター1体を特殊召喚する速攻魔法。
特殊召喚する天使族モンスターのレベルは問わないため、レベル8の天使族モンスターでも特殊召喚することができる。しかも速攻魔法であるため、相手ターンでも使用ができる。

しかし、その代償として、特殊召喚した天使族モンスターの攻撃力は半減した上、その天使族モンスターはターン終了時に破壊されてしまう。
この代償は決して小さいものではない。

強力なパワーを持つ守護天使ジャンヌ、光神機−轟龍、天空騎士パーシアスを蘇生させても、攻撃力が1500以下になってしまうため、大した戦力ではなくなってしまう。
速攻魔法である点を生かしてシャインエンジェルやハネクリボーを相手バトルフェイズで特殊召喚しても、カード消費が大きいため実用性は低め。しかもシャインエンジェルを特殊召喚した場合、相手は攻撃を中断してしまいシャインエンジェルの効果は使えなくなってしまう。

光神化は、レベル8モンスターを特殊召喚扱いで出せたり、相手ターンでも使えたりと、単体で見れば魅力的な要素は多い。
だが、実際には、代償の大きさやカード消費の大きさが足を引っ張ることになってしまうことが多いのだ。

もし、光神化を使うならば、相性のいいカードとの強力なコンボが必要だろう。
しかも、光神化の代償やカード消費を吹き飛ばすほどの強力なコンボでなければ、光神化が役に立ったとはいえない。

ある程度有力なコンボの候補としては、以下の2つがある。

以上の2つのコンボは成功すれば強力かもしれないが、キーカードが簡単には揃わない上に、コンボが決まらない状態では戦力がかなり低下してしまう。
光神化を使いこなすのは難しそうである。

ガードペナルティ

EOJ-JP045
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 3

指定モンスターが守備表示になるとカードを1枚ドローできる効果を持つ。
アニメでは表示形式を変える効果をもつカードを使って、カードを2枚ドローした。

だが、OCGのガードペナルティは、合計で1枚しかカードをドローできない。カード効果を使って表示形式を複数回変えても無駄なのだ。
つまり、ガードペナルティ自身でカードを1枚消費しているのに、高々カード1枚の報酬しかないことになる。

条件付き「強欲な瓶」のような効果。条件が付いている分だけガードペナルティの方が使いづらいといっていいだろう。
一応、速攻魔法である点を利用して、同一ターンでのドローや魔力カウンターの補充などはできるが、「モンスターを守備表示にする条件」が足を引っ張って実用性は高くないだろう。

グランドクロス

EOJ-JP046
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 9

マクロコスモスがある時のみ使える速攻魔法カード。
相手に300ダメージを与え、フィールド上モンスターを全て破壊してしまう強力な効果を持つ。

マクロコスモスがない場合は何の役にも立たないとは言え、グランドクロスは決して弱いカードではない。
マクロコスモスがある時の強さが尋常ではない上、マクロコスモスには発動・維持の条件やコストがないのだ。

しかも、マクロコスモスはグランドクロスがなくとも十分に強いカード。
マクロコスモスとグランドクロスを使ったデッキは、異次元の偵察機や異次元の帰還者などとのコンボも相まって、非常に強力なものとなっている。

次元の裂け目

EOJ-JP047
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 7

墓地に送られるモンスターが全てゲームから除外されるようになる効果を持つ永続魔法。
相手のクリッターやキラー・トマトや蘇生カードの効果を潰したり、自分の異次元の偵察機や異次元の生還者などとのコンボを狙うことができる。

とは言え、相手の戦術を潰すためなら、単体で相手モンスターに攻撃できる閃光の追放者の方が使いやすい。
また、自分のカードとのコンボを狙うためなら、強力なグランドクロスが使えるマクロコスモスの方が使いやすい。

次元の裂け目は、閃光の追放者とマクロコスモスを中途半端に合成したような役目を果たすカード。
多くの場合では、閃光の追放者やマクロコスモスを優先して使っていった方がいい。考察もそちらのカードの項目に委ねる。

もちろん、次元の裂け目は強力なカードであることには変わりない。
異次元の偵察機や異次元の生還者とのコンボの成功率を上げるために、マクロコスモスとセットでデッキに投入してみよう。十分に活躍してくれるはずだ。

幽獄の時計塔

EOJ-JP048
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 2

D−HERO ドレッドガイの特殊召喚に使うことができるフィールド魔法。
ドレッドガイを特殊召喚する場合の考察は、ドレッドガイの項目で行っているので、そちらを参考にして欲しい。

ここでは、ドレッドガイを使わない場合について考える。
幽獄の時計塔は、発動後4ターン経過すると「プレイヤーへの戦闘ダメージを受けなくなる効果」を得ることができる。

この効果が適用されている限り、自分はほとんどの場合で負けはなくなる。
だが、サイクロンなどのカードで崩されればそれまでだし、効果適用まで4ターンも待たなければならない。

すぐに効果が適用されるグラヴィティ・バインド、レベル制限B地区、平和の使者などに劣っていると言わざるを得ないだろう。
第一、波動キャノンを4ターンためて撃てば4000ダメージ。4ターン待って戦闘ダメージを防ぐ程度では、魅力的とはいえないだろう。

幽獄の時計塔は、ドレッドガイを使わないのであれば、使う価値はほとんどないと言っても良いだろう。
ドレッドガイを使っても、厳しいけど……。

ライフチェンジャー

EOJ-JP049
特殊型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 中間型
総合評価 : 4

お互いのライフに8000以上の差がついた時に、お互いのライフを3000にしてしまう効果を持つ。

普通にデュエルをしていたのでは8000ライフの差が開くことはまずないため、普通のデッキに放り込んでは活躍しない。
回復デッキへの対策としてサイドデッキに用意するか、ダメージ系デッキのダメージ源として投入する、このいずれかが良いだろう。

ここでは、後者のダメージ源について考察していくこととする。

ダメージ源としての利用

ライフチェンジャーをダメージ源として利用する場合を考える。
この場合、成金ゴブリン、燃える藻、真実の眼などで相手のライフを回復、光の護封壁や相手の攻撃などで自分のライフを減らし、その後でライフチェンジャーを発動――という流れになる。
成功すれば、実質的に5000ダメージを与えるコンボが成立するぞ。

しかし、問題なのは、残りの3000ライフ。これを削りきらないと勝つことはできない。
自分のデッキのカードは、燃える藻、真実の眼など相手のライフを削るのには役に立たないカードが多い。まともに戦闘をして3000ライフを減らそうと思っても、自分の方が先にやられてしまうだろう。

そこで、残りの3000ライフを削るために、戦闘を回避して効果ダメージによって相手ライフを削っていくカード(拷問車輪、ステルスバードなど)を使うと良い。
光の護封壁などで防御面は比較的固まっているため、効果ダメージ系カードとの相性はなかなか良いぞ。

だが、これで「残りの3000ライフ」の問題が解決したかというと、そうとは言えないだろう。
同一デッキの中に「相手を回復させるカード」(燃える藻、真実の眼など)と「相手にダメージを与えるカード」(拷問車輪、ステルスバードなど)が混在している事実は変わらないからだ。

燃える藻や真実の眼など、ライフチェンジャーを発動させるためのカードの多くは、残りの3000ライフを削る時には足を引っ張っている。
拷問車輪やステルスバードなど、残りの3000ライフを削るためのカードの多くは、ライフチェンジャーを発動させる時には足を引っ張っている。

光の護封壁やシモッチの副作用などで相性の悪さをある程度緩和しても、全体的には、デッキ内でのカード同士の相性は低いといっていい。
ライフチェンジャーを使ったダメージデッキはそれほど弱いわけではないが、大会レベルで勝ち残るのは難しいだろう。

エレメンタル・チャージ

EOJ-JP050
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 4

自分の場に出ているエレメンタルヒーローの数×1000ライフを回復する効果をもつカード。
場にエレメンタルヒーローが3体いれば、3000ライフ回復することができる。

3000ライフ回復――そう聞くと、エレメンタル・チャージは、かなり強いカードのように思えるかもしれない。
だが、エレメンタル・チャージで3000ライフ回復したものの、その後、相手モンスターの攻撃に耐えられず結局ライフが0になってしまうという事態は少なくない。
エレメンタル・チャージのためにカードを1枚分消費するより、相手モンスターなどへの対応をするためにカードで1枚分消費した方が、長い目で見た場合得をしていることは多いのだ。

つまり、エレメンタル・チャージで3000ライフ回復するよりも、相手の強力なモンスターを炸裂装甲で破壊した方が強いということだ。
炸裂装甲で相手モンスターを破壊すれば、相手モンスターの攻撃による「自分が受けるダメージ」が減り、その後、相手に攻め込みやすくなったことによる「相手に与えるダメージ」が増えるのだ。

勝率を上げたいのならば、エレメンタル・チャージよりも炸裂装甲などを優先していた方が強いだろう。
とは言っても、エレメンタル・チャージは貧弱なカードではない。エレメンタルヒーローが場に揃いやすい構成であるならば、デッキに入れても大きな戦力ダウンにはならないだろう。入れるかどうかは自分の目的で決めよう。

デステニー・デストロイ

EOJ-JP051
アニメオリジナルカード
特殊型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 2

デッキのカードを墓地に送る効果を持つ。
禁止カードになっている苦渋の選択のような危険なコンボを回避させるため、OCGではアニメの効果と比べるとかなり厳しい制約が付けられている。
墓地に送れるカードを選べない上、墓地に送れるカードは3枚だけ、しかもダメージを受けてしまう危険まである。

墓地にカードを溜めるためにデステニー・デストロイを使っても、「デッキの上から3枚墓地に送る」効果はカード1枚分の役割としては小さいことが多い。もちろん、ダメージ効果もバカにならない。
しかも、このダメージ効果は、地獄の扉越し銃で相手に移すことはできない(ダメージを受けるかどうかが発動時に不確定であるため)。たとえ移せたとしてもダメージ量としては心許ない。

したがって、墓地にカードを貯めたいのなら、デステニー・デストロイを使うより、名推理、モンスターゲート、魔導雑貨商人、おろかな埋葬など、他のカードを利用した方が良さそうだ。

それでも、デステニー・デストロイは、確実にデッキの上から3枚のカードを墓地に送ることができる新しいタイプのカード。
現世と冥界の逆転とのコンボ(今では不可能だが)など、特殊な戦術を取るデッキならば注目しておいて損はないかもしれない。新しく発見される戦術や新しく登場するカード次第では化ける可能性は残されている。

デステニー・シグナル

EOJ-JP052
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 4

ヒーロー・シグナルのデステニーヒーロー版。
使いやすさはヒーロー・シグナルのそれとほとんど変わらないだろう。

しかし、デステニーヒーローは闇属性で占められているため、キラー・トマトを優先して使っていった方がカード消費は抑えられる。
その他のデッキサーチも増援やクリッター程度で間に合うため、デステニー・シグナルは無理に使う必要はないだろう。

D−タイム

EOJ-JP053
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 2

エレメンタルヒーローが場から離れた時、デッキから手札にデステニーヒーロー1枚を加えることができるカード。

すぐに気付くと思うが、D−タイムよりも増援を使った方が強い。
特に、このカードのためにエレメンタルヒーローとデステニーヒーローを同一デッキ内で共存させてはいけない。サポートカードがどっちつかずになって、力押しされて負ける危険が大きくなるからだ。

D−シールド

EOJ-JP054
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 4

攻撃対象となったデステニーヒーローを完全に戦闘から守るカード。

罠カードなので相手の不意を打てる上、守備表示になることで超過戦闘ダメージを抑えることができる。
デステニーヒーローに対しては、装備モンスターを戦闘から守るミストボディ以上の貢献をするだろう。

それでも、グラヴィティ・バインドや炸裂装甲など、汎用性の高い防御カードを優先した方が強いだろう。
これらは、デステニーヒーロー以外のモンスターでも守ることができるため、デッキ全体の戦力を上げてくれるのだ。

ゴッドバードアタック

EOJ-JP055
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 6

鳥獣族モンスター1体を生け贄にして、フィールド上のカードを2枚破壊する効果を持つ。
フィールド上のカードならばモンスターでも魔法・罠でも破壊できるぞ。

だが、破壊するカードは必ず2枚でなければならないので、状況によっては自分のカードを破壊する羽目になったり、発動できなかったりしてしまう。
それでも、「相手の場にはモンスター1体だけで魔法・罠がない」「相手の場には魔法・罠1枚だけでモンスターがいない」という状況はそれほど多くはない。破壊するカードが必ず2枚でなければならない制約は、それほど大きなデメリットにはならないと言えるだろう。

また、ゴッドバードアタックは、カード2枚の消費でフィールドのカード2枚を破壊する。カード消費だけを単純に比較すれば、お互い同じである。
だが、相手が破壊系効果や攻撃を仕掛けた時、相手が厄介なカードを出してきた時など、適切なタイミングでゴッドバードアタックを使用すれば、こちらが有利になることは十分にできるだろう。

以上のことより、ゴッドバードアタックは、鳥獣族デッキならば十分に入れる価値のあるカードであると言える。

だからと言って、考えなしに鳥獣族モンスターやゴッドバードアタックをデッキに大量投入してはいけない。
鳥獣族モンスターにはそれほど強力なモンスターはいないため、デッキを鳥獣族モンスターで固めると戦力はかなり落ちてしまうのだ。

そのため、鳥獣族モンスターを中心としたデッキを作る場合は、「ハーピィ・レディデッキ」などコンセプトをしっかり持つことが重要。そして、デッキの鳥獣族モンスターの数などに応じてゴッドバードアタックの数も調整していく必要があるだろう。
「ゴッドバードアタックを使うから鳥獣族モンスターを使う」のではなく、「鳥獣族モンスターを使うからゴッドバードアタックを使う」ようにしたい。

エレメンタル・アブソーバー

EOJ-JP056
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用不可 / 逆転型
総合評価 : 3

発動時に手札のモンスター1体を除外することで、除外したモンスターと同じ属性を持つモンスターの攻撃を完全にシャットアウトすることができる。
ただし、除外できるモンスターは発動時の1体のみ。モンスターを複数枚除外して、複数の属性に対抗することはできないので注意しよう。

永続的に攻撃を封じるとは言え、カード消費は2枚と多く、さらに手札から除外するカードの種類まで指定されている。使いやすいとは言えないだろう。
もちろん、サイクロンなどで破壊されれば、効果はその時点で終了だ。脆い。

単体で発動できるグラヴィティ・バインドやレベル制限B地区などを使用していった方が便利だといえるだろう。

マクロコスモス

EOJ-JP057
アニメオリジナルカード
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 8

大徳寺先生が使ったカード。
アニメでは発動条件があったが、OCGでは発動条件なく使うことができる強力なカードとなっている。

マクロコスモスは2つの効果を持っている。
一つは、手札・デッキから「原始太陽ヘリオス」を特殊召喚する効果。
もう一つは、マクロコスモスのカードが場に存在し続ける限り、墓地に送られるカード全てをゲームから除外させる永続効果だ。

まずはそれぞれの効果ごとに考察を行い、その後でマクロコスモスを使ったデッキの性質や対策について考察を行うこととしよう。

1.ヘリオス特殊召喚効果

最初は、マクロコスモスの1つ目の効果。発動してすぐに適用される手札・デッキから原始太陽ヘリオスを特殊召喚する効果だ。

この効果は任意効果であるため、原始太陽ヘリオスが手札やデッキにない状態でもマクロコスモス自体は発動できる。つまり、マクロコスモスの2つ目の効果である永続除外効果だけを使うことができるということだ。
2つ目の効果である永続除外効果は、コンボによって非常に強力なパワーを得ることができる効果。1つ目の効果であるヘリオス特殊召喚効果を一切使用せず、2つ目の効果である永続除外効果だけを利用しても戦術上の問題はない。

さて、原始太陽ヘリオスは、ゲームから除外されたモンスターカードが増えるほど攻守をアップさせる効果を持つ。
マクロコスモスの2つ目の効果である永続除外効果などによって、原始太陽ヘリオスをパワーアップさせていきたいところ。
だが、マクロコスモスの永続除外効果は、原始太陽ヘリオスを特殊召喚した後に適用される効果。状況によっては攻守0の原始太陽ヘリオスを特殊召喚する羽目になることがある。

それでも、ヘリオス特殊召喚効果はデッキからの特殊召喚が可能であるため、カード消費が一切ないという点を見逃してはいけない。攻守が0でも壁役や生け贄役として十分に役立ってくれる。
原始太陽ヘリオスをデッキに入れているならば、ヘリオスの攻守が低い状態であっても特殊召喚させるべきだろう。

ヘリオス特殊召喚効果は、多くの状況でカード消費が発生しない効果。しかも、ヘリオスの攻守が低くとも十分に役に立つ。
そのため、ヘリオス・デュオ・メギストスなどを一切使わないデッキであっても、原始太陽ヘリオスをデッキに入れる価値はあるといっていい。生け贄召喚を頻繁に行うデッキとの相性が高いぞ。

そして、原始太陽ヘリオスを生け贄要員とする場合、デッキに投入する原始太陽ヘリオスの数は1枚、多くとも2枚が妥当だろう。
原始太陽ヘリオスは手札に来てしまうと戦力としてはイマイチであることがその理由だ。手札に来る機会を減らすため、デッキに投入する原始太陽ヘリオスの数を抑えるのだ。

ちなみに、原始太陽ヘリオスのカードは、ゲーム「遊戯王デュエルモンスターズ エキスパート2006」に封入されているぞ。

2.永続除外効果

マクロコスモスの二つ目の効果、墓地に送られるカード全てをゲームから除外させる永続効果だ。ここでは、「永続除外効果」と呼ぶこととするぞ。

この永続除外効果は、閃光の追放者などと同じく相手のクリッターやキラー・トマト、蘇生カードなどの効果を潰すことができる。
しかし、この目的のためだけにマクロコスモスを使うなら閃光の追放者の方が便利となることが多い。閃光の追放者ならば、単体で相手のクリッターなどを破壊・除外できるからだ。

マクロコスモスを使うなら、自分のカードとのコンボを狙うべきだ。永続除外効果は、非常に強力なコンボを実現するからだ。
そこで、マクロコスモスの永続除外効果とコンボとなるカードやその使い方などを以下に挙げることとしよう。

以上のように、強力なコンボが数多く存在する。
デッキのコンボカードの数が多くなる場合は、似たような効果を持つ次元の裂け目を併用するといいだろう。目安として、異次元の生還者と異次元の偵察機が3枚ずつ入ったデッキならば、次元の裂け目は必要になると言っていい。

3.マクロコスモスを使ったデッキの性質

マクロコスモスを中心としたデッキは、強力なコンボの存在により非常に強力なものになっている。
コンボに加え、相手のクリッターや蘇生カードなども潰すことができるため、さらに強力である。

一応、マクロコスモスは単体ではそれほど強力ではないカード。コンボ前提で使用する以上、コンボが成功しない状態では間違いなく戦力ダウンしてしまうだろう。
だが、コンボ自体は成功しやすいものが多く、そして、成功しやすい割にはコンボパワーが大きすぎる。
運悪くキーカードが揃わない場合は負けてしまうかもしれないが、多くの場合はコンボが成立し、その強力なパワーを見せ付けることとなるだろう。

マクロコスモスは、トップレベルの「デュエル」で十分に活躍できるほどのカードだと言っていい。
しかし、トップレベルの「マッチ戦」で十分に活躍できるかと言ったら、そうとは言い切れない。

マクロコスモスを使ったデッキは、行動ロックデッキのようにサイドデッキでの対策に極端に弱いのだ。
マクロコスモスを破壊・無効化されてしまうと、デッキ自体が壊滅させられてしまうと言えるほど弱い。

マクロコスモスが使えないと、前節で挙げたコンボカードのほとんどは大幅に戦力ダウンしてしまう。
異次元の生還者や異次元の偵察機を生け贄要員として使うデッキの場合、召喚できない上級モンスターが手札に溜まりやすくなるため、これも戦力ダウンに繋がるだろう。
グランドクロス、異次元の偵察機、おろかな埋葬、魂吸収、過剰な上級モンスターなど――マクロコスモスなしでは、貧弱なカードは少なくないのだ。

マクロコスモスは脅威となり得るコンボを持っているが、サイドデッキでの対策には弱い。
マクロコスモスを使う気がない人でも、マクロコスモスへの対策はしっかりと準備しておこう。

4.マクロコスモスを使ったデッキへの対策

ということで、マクロコスモスへの対策を具体的に考察していこう。
いずれの対策カードを使うにしても、対策以外におけるデッキ全体の戦力をあまり落とさないように注意したい。

魔法・罠を破壊するカード

マクロコスモスの対策の基本は、マクロコスモス本体(次元の裂け目を含む)の破壊。
ほとんどのデッキに使われているサイクロン、大嵐、魔導戦士 ブレイカーに加え、氷帝メビウス、砂塵の大竜巻を用意するといいだろう。

氷帝メビウスは、マクロコスモスの破壊に加えて、2枚目の魔法・罠を破壊できる機会が増える点でも有利になれるだろう。
砂塵の大竜巻は、マクロコスモスが発動した直後に破壊することができるため、ほとんどのコンボを成立させないようにすることができる。

そして、氷帝メビウスや砂塵の大竜巻は、対策目的以外でも十分に役に立つカード。サイドデッキからの投入でなくても、いきなりメインデッキに採用して遜色のないレベルである。
自分の戦術や環境に応じてある程度はメインデッキから投入しても構わないだろう。相手のデッキタイプに応じて、サイドデッキを使って調整すればなお良い。

さて、マクロコスモスの対策として魔法・罠破壊カードを用意したが、用意するだけで満足してはいけない。プレイングも重要である。
サイクロン、大嵐、魔導戦士 ブレイカー、砂塵の大竜巻は、手札や場に余っていない限り、相手がマクロコスモスを使うまで温存しておきたい。コンボのキーカードを相手の手札で腐らせるためにも、一瞬でもコンボを成立させないようにしたいところだ。

ただし、グランドクロスだけは、魔法・罠破壊効果へのチェーン発動によって使用されてしまうことがある。
そこで、被害を最小限に食い止めるため、場に出すモンスターを控えめ目にするといいだろう。プレイング次第では、サイクロンや砂塵の大竜巻で発動させずに破壊することもできる。

罠を無効化するカード

罠を無効化するカードとして、人造人間−サイコ・ショッカーや王宮のお触れがある。
ただし、罠の効果を無効化しただけでは、グランドクロスや次元の裂け目を使用されてしまう。サイコ・ショッカーや王宮のお触れは、最初からデッキに入っていなければ無理に使う必要はないだろう。

また、罠を無効化するカードには、盗賊の七つ道具や神の宣告などと言ったカードもある。
これらのカードは、砂塵の大竜巻とは違ってグランドクロスをチェーン発動されない点が強みだが、対策以外の面ではやや使いにくい。使うなら、総合的な戦力を落とさない程度にしよう。

特殊召喚コンボを無効化するカード

マクロコスモスのコンボの肝である「異次元の生還者」と「異次元の偵察機」を使った特殊召喚コンボを妨害。
冥界の魔王 ハ・デス、魔人 ダーク・バルターなどの攻撃での破壊や、王宮の弾圧の効果によって特殊召喚コンボを妨害するぞ。

これらのカードを使うと効果自体や特殊召喚自体が無効化されるため、その後、自力で特殊召喚できなくなり、半永続的に除外されたままになるのだ。
ただし、異次元からの帰還などで除外ゾーンを離れてしまうと、再び特殊召喚効果が適用される。この点はあきらめよう。

また、趣向を変えた対策としては、洗脳−ブレインコントロールなど、モンスターのコントロールを奪うカードが面白い。
異次元の生還者は除外直前のコントローラーのフィールドに特殊召喚される性質を持っているため、コントロールを奪った後で生け贄などにすると、異次元の生還者のコンボを自分が頂いてしまうのだ。
洗脳−ブレインコントロールは、氷帝メビウスとの相性がいい点もポイントだ。

さらに、特別なカードを用意しなくても特殊召喚コンボを無効化することもできる。
例えば、相手のグランドクロスに魔法・罠破壊効果をチェーンしてマクロコスモスを破壊するという方法。もし、相手がグランドクロスで異次元の生還者を除外させようとしても、それを妨害することができるのだ。

「対策の対策」への対策

ここまで対策をいくつか挙げてきたが、上級プレイヤーともなれば、マクロコスモスへの対策をされることくらいは分かっている。
つまり、上級プレイヤーは「対策の対策」をしてくるのだ。ならば、こちらは「対策の対策への対策」をしてやることで迎え撃ってやろう。

「対策の対策」の代表的なものとして、コンボを妨害されないように更なるコンボカードやカウンター罠を使ってくることや、マクロコスモスとのコンボをスケールダウンさせてコンボ以外の戦力を強化させることが考えられる。

「更なるコンボカードやカウンター罠を使ってくること」に対する対策としては、より多くのマクロコスモス対策カードを用意する物量作戦が有効である場合が多い。
「コンボ以外の戦力を強化させること」に対する対策としては、マクロコスモス対策カードを大量に投入しないようにすることが有効である場合が多い。マクロコスモス対策カードは、対策以外ではそこまでは強くはない。(強い部類であることには変わりないが)

相手がどのような対策を打ってくるかによって、こちらの取る対策も変わってくる。
相手の戦術などからマッチ戦2戦目、3戦目で使用するカードを的確に決める洞察力などが重要となるだろう。

また、相手はマクロコスモスなどを破壊されにくくするプレイングや、こちらの対策カードを意識したプレイングを取ってくると考えられる。
カードを用意するだけの対策で満足しないように。常に頭を使うことを意識すべきだ。

対策のまとめ

マクロコスモスは強力なカード。
だが、的確な対策さえすれば、マッチ戦2戦目、3戦目はこちらが有利になることは十分に可能である。

そう言いきれるのも、対策カードの多くがマクロコスモスへの対策以外でも強い部類に入るカードであるからだ。
考察で挙げた対策カードを確認して欲しい。汎用性が高く対策の面以外でも十分に役に立つ――そのようなカードが多いはずだ。
相手は対策カードでコンボを潰され、コンボを諦めてもカード本来の強さによって力押しされてしまうのだ。

的確な対策ができるデュエリストが増えるにしたがって、マクロコスモスを使ったデッキもある程度は減少すると思われる。
もちろん、マクロコスモス潰しに気を取られてデッキ全体の戦力を軽視しては、「的確な対策」とは言えない。しっかり考えて対策をしよう。

奇跡の降臨

EOJ-JP058
一般型デッキ / 専用デッキ必要 / 単体使用やや難 / 中間型
総合評価 : 6

除外した天使族モンスターを特殊召喚するトラップカード。
除外ゾーンからの特殊召喚に限られるが、特別な条件やコストもなく簡単に復活させることができる。光神機−轟龍、守護天使ジャンヌ、天空騎士パーシアスの特殊召喚は強力だ。

それでも、墓地からの特殊召喚とは違って、除外させると言うステップを踏む必要がある。
このステップが必要なせいで、奇跡の降臨は多少使いにくくなってしまっている。天使族デッキであるからと言って無理に採用する必要はない。

奇跡の降臨を使うためには、除外を意識した戦術が必要不可欠である。
だからと言って、マクロコスモスなどを使用するなどして天使族モンスターを片っ端から除外する必要はない。

奇跡の降臨が発動しても、リビングデッドの呼び声と同程度の見返りをもたらすだけだ。特殊召喚は確かに強力だが、「圧倒的に有利になる」と言えるほど強くはないのだ。
特殊召喚したい天使族モンスターだけを適宜除外させていく、という程度で十分なのだ。

そのためには、魂を喰らう者バズー、放浪の勇者 フリード、神聖なる魂、カオス・ソーサラーなど、墓地のモンスターを除外することで効果などが使えるモンスターを使おう。
これらのカードを使えば、奇跡の降臨が使えるようになることに加え、コストのはずのモンスター除外がプラスに転じるようになるぞ。奇襲攻撃をかけられる状況も増えるだろう。

そして、できるだけ上級天使族モンスターを特殊召喚させるために、手札コストを持つカードを多めに採用すると良い。
手札コストで上級天使族モンスターを捨て、そのモンスターを魂を喰らう者バズーなどで除外し、奇跡の降臨を使う――という流れで特殊召喚するのだ。

また、シャインエンジェルなどにあまり頼らないのであれば、閃光の追放者を使って天使族モンスターを除外していくのも悪くない。
この場合も手札コストを持つカードを使えば、上級天使族モンスターを除外ゾーンに置きやすくなる。

いずれの戦術を取るにせよ、デッキ全体の戦力を落とさないように注意しよう。
奇跡の降臨に頼りすぎても、その見返りはリビングデッドの呼び声と同程度なのだから。

罅割れゆく斧

EOJ-JP059
原作登場カード
一般型デッキ / 専用デッキ不要 / 単体使用可能 / 逆転型
総合評価 : 2

原作に登場した攻撃力を下げるトラップカード。
発動後に経過した自分ターンの数だけ相手モンスターの攻撃力を下げることができる。

しかし、発動直後に相手モンスターの攻撃力を下げることができない。
そのため、不意を打って発動するというトラップカード本来の魅力を発揮することができないのだ。

攻撃力の下げ幅もそれほど大きくないため、使いにくいカードであろう。

キックバック

EOJ-JP060
一般型デッキ / 専用デッキ推奨 / 単体使用やや難 / 逆転型
総合評価 : 6

召喚・反転召喚しようとしたモンスターを手札に戻すカウンター罠。
どんなモンスターでも手札に戻せるとは言え、基本的には、破壊か除外ができる落とし穴や奈落の落とし穴、または、いつでも手札に戻すことのできる強制脱出装置の方が強いだろう。

それでも、キックバックは召喚自体を無効にすることができる。
つまり、人造人間−サイコ・ショッカーに対しても使用可能であり、氷帝メビウスなどの効果を発動させずに手札に戻させることができるのだ。

だが、その点を考慮しても、総合的には、奈落の落とし穴や強制脱出装置の方が便利だと言えるだろう。
いつもいつもサイコ・ショッカーや氷帝メビウスに使えるわけではない。

キックバックを使いたいならば、カウンター罠である点を生かして、豊穣のアルテミスなどとのコンボを狙うべきだろう。
キックバックは比較的簡単に発動できるカウンタートラップなので、コンボも成立しやすくオススメだ。
しかも、カウンター罠デッキの天敵とも言える人造人間−サイコ・ショッカー、氷帝メビウスに対処できる点は魅力的だと言えるだろう。




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