カード考察 ファラオの遺産
First update : 2004/2/26
Last update : 2004/4/16
効果やパラメータなどは面倒なので書きません。他のサイトを探してください。

4/16 神殿を守る者、深淵の暗殺者を更新

309-001 ギゴバイト *---------
ガガギゴの幼少時代。
元気いっぱいわんぱくなイラストに反して、テキストが悲しい。

さて、「ギゴバイト」の「ギゴ」は、「ガガギゴ」の「ギゴ」だろうが、「バイト」は一体何の意味があるのだろうか……?
「ガガギゴのアルバイト」を略して「ギゴバイト」なのか――
または、「ゴギガ・ガガギゴ」の「ゴギガ」つまり「5ギガ」から最もイメージされやすい、情報量を表す "byte" を連想したのだろうか。

いずれにせよ、レベル1モンスターの最高攻撃力基準(だとコナミが思っている)400から50だけ低いパラメータは譲らない。
309-002 もけもけ *---------
もけもけ。

下手なマスコットキャラより、ずっと素晴らしい出来だ。
版権を買い取るほどの価値があるかもしれないぞ。
――というより、イラストレーターのラクガキから採用された可能性も無きにしも非ず、という感じもするけど。
ちなみに、これの元ネタはない……ハズだよな……。

まあ、実戦で活躍させるのは相当厳しいけど、下手に強いカードよりは記憶に残ることだろう。

ちなみに、頭の「?」は真ん中で折れ曲がっている。
309-003 コザッキー *---------
ついに登場! レベル1最強の通常モンスター!
その強さゆえノーマルレアに!
これはちょー強力だね、モーレツだね、今すぐ手に入れるしかないね!

……などと、思っている人はあんまりいないだろう。

攻撃力500のヘルバウンドや、守備力2000の異次元トレーナー&弾圧される民のお陰で、レベル1最強の席すら既に取られているし――
そして何より、後ろから名前を読むとザコになります。
309-004 デビルスコーピオン *--------- そして私が一番存在感がないのね。
今回の通常モンスターはこのパックのサポートのために収録。こいつもその一員。
もっとも、レベル2通常モンスターの中で最高の攻撃力を持つのは、マーダーサーカス・ゾンビなんだけど。
309-005 ファラオのしもべ *---------
第2期パックと同名のカード。さすが「遺産」というだけのパックではある。
――が、このカード自体はスピリッツ・オブ・ファラオなどのお膳立て用であるため、適当に使うのなら戦力外通告は確実だ。
そして何より、勝手にアンデット族にされたファラオのしもべがなんだか哀れである。
309-006 王家の守護者 *---------
第2期パックと同名のカード。
こちらもファラオのしもべに同じく単体では役に立たないであろう。
ついでに、同じレベル2で攻撃力1350であるマーダーサーカス・ゾンビの存在が、既にこのカードの行く末を暗示している気もする。そして、そのマーダーサーカス・ゾンビの方が強いという事実が、ジャンプ本誌で即刻バラされていたのもある意味問題だ。
309-007 スピリッツ・オブ・ファラオ ***-------
ファラオの魂。今回の目玉となるモンスターカード。
ファラオのシンボルとなるものを体中に装着している。それがかえって怪しい気もするが……。


 1.棺を揃える
まず、場に出すのだけでも一苦労。
ここでは、第一の棺から第三の棺までを場に出すことについてを考察しよう。

3つの棺はウィジャ盤のように場に出していくがその数は3つ。
ここで、第一の棺はセットした次の相手ターンに発動することになるだろう。
――ということは、第一の棺を発動したターンのエンドフェイズに第二の棺を場に出せる。
つまり、第一の棺をセットした次のターンの時点で、特殊召喚にリーチがかかった状態になるのだ。特殊召喚までにはあまり時間はかからないだろう。
直接的なコスト&リスクはなく、さらに特殊召喚扱いで、攻撃力2500のモンスターが出せる。――この点は魅力だろう。

――とは言え、やはり相手にとって見れば、棺を破壊するチャンスはしっかりあるわけで、一度でも目を付けられたら即オシマイである。
しかし場に出すべき棺は3つで、ウィジャ盤のように魔法・罠ゾーンが埋まってしまう心配はほとんどない。このため、王宮の勅命やアヌビスの裁きなどで守ることもできる。
もちろん、無理して守ろうとすればデッキ自体の戦力が落ちてしまうのでうまく調整したい。


 2.特殊能力について
特殊召喚後は攻撃力2500のモンスターとして使えるが、特殊能力もある。
それはアンデットモンスターの復活。蘇生できるモンスターは限定されているが、一気に自分の場を埋め尽くせるのは何となくうれしいぞ。
だが問題は、これでは闇の大神官の死霊軍と同じではないかと言う点。ファラオの面目が潰れていくよ……。
……いや、まあ、そんなことは気にしなければいいわけで、戦術的に問題なのは、蘇生可能なモンスターの軟弱さだ。

蘇生可能なのはレベル2以下の通常アンデット族モンスター。……いわゆるザコモンスターである。
確かにスピリッツ・オブ・ファラオを特殊召喚できれば、これらのアンデットモンスターはコストもなく場に出せるわけではある。その面から見ればたとえザコでも十分に役に立ってくれている。
だが、スピリッツ・オブ・ファラオが場に出せない時には、これらのモンスターはただのザコカードである。
さらにアンデットモンスターは蘇生でのみ場に出せる。つまり、デッキから直接場に出せるわけではなく、天使の施しなどでいったん墓地に送らなければならないのだ。
以上の理由から、蘇生可能なモンスター達は通常のデュエル時において多大に足を引っ張る恐れがあることが分かるだろう。

このため、ちょっと物足りなく感じるかもしれないが、この蘇生能力を使わないようにすればデッキ自体は安定するだろう。勝率も上がるかもしれない。
蘇生用アンデットモンスターを採用したい場合は、第六感、手札抹殺、凡骨の意地などでカード周りや墓地肥やしをサポート、スピリッツ・オブ・ファラオ自体も場に出しやすいようにデッキを構築する必要があるだろう。
ちなみに蘇生用アンデットモンスターの候補として、このパックのファラオのしもべ、王家の守護者もあるが、攻撃力1350のマーダーサーカス・ゾンビがもっとも強い。だがマーダーサーカス・ゾンビはとうに絶版なのが問題。


 3.全体的には……
場に出すのもやや大変で特殊能力も冴えないため、全体的に見ればやはり力不足なカードであることは否定できない。
場合によっては、場に出された棺は放っといても後で何とでもなる――と思われてしまうことも多いため、なんだかムナシイ思いをしそうでもある。そんなせつなさがこのカードの醍醐味なのだろうか。ファラオの、遺産……。

デッキ構築は、蘇生用アンデットモンスターを採用するかどうかが大きな分かれ道になりそうだ。
使わないなら、スピリッツ・オブ・ファラオ1〜2枚、第一の棺2枚、第二、第三の棺1枚あたりが最も安定するだろう。
また、スピリッツ・オブ・ファラオは一切の蘇生もできないことも注意したい。もう死んでるしね(そういう問題なのか)

と言うことで、ガンバレ!
309-008 ナイトメアテーベ *****-----
テーベは古代エジプトの首都。現ルクソール――王家の谷のある町である。
まあ、つまり、このカードは「テーベの悪夢」と言うことに……。

効果はなかなかインパクトが大きい。
自分の手札、魔法・罠がなければ、攻撃力が自力で3000までハネ上がる。

いわゆるピンチの時に活躍するというわけだが、攻撃力だけのモンスターでは不安要素が多すぎる。
罠にはポンポン引っかかる、裏守備モンスターには免疫なしで、召喚したターンのうちにやられてしまうことも多いだろう。
そういう意味で頼りになる存在ではないため、ピンチ時に活躍させるには少し不向きなところがある。

だが、この効果のポイントは自分の手札などを操作する事で自発的に攻撃力を上げられること。
つまり、ブラック・ホールでモンスターを蹴散らし、大嵐で魔法・罠を蹴散らし、死者蘇生で強力なモンスターを復活させ、最後にナイトメアテーベを召喚――
と言うように、相手に総攻撃をかける時、自分の手札・魔法・罠を尽きさせてから、このカードの効果を適用させることができるのだ。

それでも、永続系や発動条件のある魔法・罠カード、手札にかさばっているモンスターカード、これらが邪魔をして攻撃力3000を生かせないことも多い。
だからといって、デッキを無理に改造するとデッキ全体の戦力が悪くなる。攻撃力+1500には高すぎる代償だ。
効果に関しては全体的にまだまだ不安定なので、強いと言い切れるものではなさそうだ。効果が適用されない時でも、攻撃力が1500あるのは十分評価できるのだが。
309-009 アスワンの亡霊 ***-------
アスワンはエジプトの都市。
地理を勉強している人間にとっては、「アスワン = ダム」が成立してしまう……。

効果は罠カード回収。
回収とは言っても、効果の発動条件を満たすのはやや難しい上、回収した罠カードを直接手札に加えられるわけではない。
制限カードでも使いまわせるとは言え、直接手札に加えることのできる闇の仮面の方がよい。
同じ発動条件を持つカードでも、仮面魔道士でカードを1枚直接ドローした方が何かと役に立つ。
効率の面から見れば、明らかに闇の仮面や仮面魔道士の方が上なのだ。

ただでさえ攻撃力も低いので、使いにくいカードであることは否定できない。
309-010 神殿を守る者 ******----
神殿への侵入を守る者。
この神殿には石版があるのだろう。そう、魔物たちを封じ込めた石版が……。


 1.ドロー妨害効果
相手のドロー行為を妨害するカード。
具体的には強欲な壺、天使の施し、悪夢の蜃気楼、第六感などを防ぐことができる。

だが、表側表示で場に出すとなると攻撃表示でなければならないため、低めの攻撃力でこのカードを場に出す必要が出てくる。
さらにこのカードは表側表示で存在し続けるため、相手にこのカードの存在がバレてしまっているのも痛手。
ドロー行為を防ぐためにこのカードを無理に投入しても、簡単に除去されてしまうことが多い。相手を追い詰めている状況でないと効果が薄くなることが多いだろう。

それでも素で守備力が1900もある点は十分に評価できるのだが、それを差し引いても普通のデッキにポンと入れて活躍できるレベルではない。対象が少なすぎる。
ドロー効果を多用するデッキに対抗するために投入するといいだろう。


 2.ドロー妨害コンボ
神殿を守る役目を逆利用する戦術がある。
相手の石版を破壊する力。
本来は相手の石版を破壊した後で相手の石版を補充する筈だった。
しかしその補充を妨害することで相手の石版を枯らす……。

そう。神殿を守る者がフィールド上に存在する時、メタモルポットを使用する事で相手の手札だけ捨てさせることができるのだ。
このコンボが成立すれば、自分の手札は5枚、相手の手札は0枚となり、大きく優位に立てるのだ。

しかし、あくまでこのコンボが成立するのはメタモルポットだけ。
このカードは、「相手がドローする効果」を含んでいる効果そのものが発動できなくなってしまうのだ。

つまり、撹乱作戦、墓穴の道連れ、手札抹殺(既に相手の手札が0枚の時は例外)、とはコンボにならない。
メタモルポットだけコンボが成立するのはリバース効果の性質上、「発動自体」が強制されるからである。

メタモルポットと神殿を守る者とのコンボ成功率はそう高くない。
強制転移などを上手く使ってコンボを成立させるのもアリだが、デッキを特殊化しすぎるとコンボが成功してもデュエルでは負けてしまうのでそのサジ加減が大事である。
309-011 ヌビアガード **--------
ヌビアは、エジプト南部からスーダン北部に当たる地域。

ヌビア「ガード」と言うことだが、効果の発動トリガーが戦闘ダメージを与えた時であるのがなんだか少しおかしいかも?
効果自体はアスワンの亡霊に同じく強いものとは言えない。聖なる魔術師や仮面魔導士の方がずっと使いやすいため、とてもオススメできるカードではない。
309-012 レガシーハンター ****------
遺跡ハンター。要は盗掘に近いことをしているのだろう。
カード名やカードイラスト、その効果から見ても分かるように、レガシーハンターは首領・ザルーグの祖先を表すカードであろう。
立場だけ見れば盗賊バクラに似ているかもしれない。

効果も首領・ザルーグに類似。
ランダムに選ばれた手札は、墓地ではなくデッキに戻される。
ここで、一般的に手札をデッキに戻すのは墓地に送るより強力である。なぜなら、キラー・スネークや蘇生効果などでそれらのカードがすぐに再利用されないからだ。

ただ、元々の攻撃力が1000のモンスターでは裏側守備表示モンスターを葬れないことが多いのが問題。
まともに倒せるのはリバースモンスターやクリッター、キラー・スネーク程度。数が少なすぎる。
しかもこれらのカードは戦闘で破壊された時に自身の効果を発揮してしまうため、レガシーハンターの効果が働いても総合的に相手が得してしまうこともしばしば。
このため、一刀両断侍のようなカードの方が何かと便利な面がが多くなってしまうのだ。

全体的には首領・ザルーグより、一回り、二回り劣ったカードであろう。
309-013 砂バク ***-------
砂漠とバクを掛けた駄洒落カード。
バクは夢を喰うとされる空想上の動物である。
そのため、効果もそれをイメージしたものになっているが、肝心のバクが眠りこけていていいのだろうか。

モンスターを裏側守備表示に変更できる効果を持つが、人喰い虫のようなモンスターを直接破壊する効果や、召喚しただけで効果を適用できる月読命の方が便利である。
攻守も低いため、ギャグカードの域からは抜け出せないだろう。
309-014 サンド・ギャンブラー ****------
時の魔術師に類似した効果を持つ キザなギャンブラー。
相手モンスターを全滅させる可能性を秘めているぞ。

ただ、問題なのはその成功率。
成功率を計算すると1/8。小さすぎるのだ。
自滅する可能性も1/8と少ないのが救いかもしれないが、サンド・ギャンブラーの攻撃力が300しかないことを考慮すれば、相手モンスターを全滅できない7/8は損と考えていい。

やはり効果成功率の高い時の魔術師の方が優秀だろう。
一応、守備力が1600と高めなのが救い。シャインエンジェルなどでサンド・ギャンブラーを相手ターンに特殊召喚すれば、守備表示のまま効果を使用できるぞ。
まあ、この面を考慮しても、時の魔術師の方が魅力的なのではあるが……。

それにしても「サンド・ギャンブラー」は、やはり「三度ギャンブラー」なのだろうか?
クールに決めているイラストがなんだか滑稽に見えてしまう……。
309-015 みつこぶラクーダ ***-------
自身のこぶが自分を苦しめてるラクーダ。
3つあるこぶを2つ取ることで効果を使用できるようだ(?)

モンスター2体生け贄に3枚ドローはトクである。
ただ、それは成功すればの話。みつこぶラクーダの効果を使用するのために満たす条件は難しいのだ。
それに、サポートカードを何枚も使用して、みつこぶラクーダを揃えられたとしても、その報酬がドロー3枚では本末転倒である。
必然的に、みつこぶラクーダは効果なしモンスターほとんど同じ扱いになってしまうだろう。
同じラクーダでも、デス・ラクーダの方が圧倒的に使いやすい。
309-016 ジャッカルの霊騎士 *****-----
霊を操り、倒した敵を味方に付けることのできるカッコイイ騎士。
味方に付けても、最初は守備表示なのですぐには攻撃に参加できない点はマイナスだが、モンスター1体をタダで頂いたのはプラスになるぞ。

――とは言っても、まともに蘇生できるカードを数えると少ないのが大きな欠点
以下、攻撃力1700未満のモンスターでよく使われるカードを例に挙げて見てみよう。

ブレイドナイト:攻撃力がアップしてると倒せない
魔導戦士 ブレイカー:攻撃力がアップしてると倒せない&効果使用不可
同族感染ウィルス:既にバトルフェイズなので効果使用のチャンス薄
異次元の女戦士/異次元の戦士:除外されて効果発動できず
キラー・トマト系:相手に2回目の効果を使わせることになる
黒き森のウィッチ/クリッター:相手に2回目の効果を使わせることになるので、蘇生効果は使用しない方がいいかも
その他リバースモンスター:効果使用不可&攻守も低め
お注射天使リリー:大抵返り討ち
キラー・スネーク:効果妨害が可能だが、また破壊されれば同じこと
魔導サイエンティスト:既にバトルフェイズになので効果使用のチャンス薄
魂を削る死霊/マシュマロン:倒せないし

――と言うように、蘇生させる価値の薄いものが多すぎる。
まだマシなのはブレイドナイト、魔導戦士 ブレイカー、同族感染ウィルス、キラー・スネーク程度。

全体的には、レベルの割に攻撃力も低いこともあって、やはり強いカードの仲間入りはできそうにないだろう。
使いたいなら、最終突撃命令を併用すると面白いかも。……面白いだけで、そんなに強いわけじゃないけど。
309-017 吸収天児 ****------
「九州男児」を掛けたカード名。
そしていろんな意味で濃いイラスト。
……間違いなく、ギャグカードだ。

効果はライフ回復効果。イメージ通りの効果であろう。
ただ、その回復量が少なすぎる。
ダメージタイプのKA−2デス・シザースよりも回復量が少ないのは物足りなすぎる。
ただ、攻撃力が1300と少し高めなのは評価できなくもないが、攻撃力1000と攻撃力1300とが倒せるモンスターの数の差は平均2枚程度なのであまり変わらない。
全体的にはまだまだ力不足だろう。
309-018 恵みの像 ****------
手札破壊&混沌帝龍 −終焉の使者−対策カード。
象の像と言うなんとも安直なイラストになってしまっている。このパックは洒落だらけである。

このカードについて詳しくは、下の災いの像で考察。
少なくとも、一般的には回復効果よりダメージ効果の方が便利であるため、恵みの像が使われることは滅多にないだろう。
309-019 災いの像 *****-----
手札破壊と混沌帝龍 −終焉の使者−の対策に作られたと思われるカード。
――とは言え、手札破壊でまともに効果を発動できるのはいたずら好きな双子悪魔くらいであることが多いため、なんだかムナシイ。

ライフを消費して発動するいたずら好きな双子悪魔、混沌帝龍 −終焉の使者−に対して致命傷を与えられる可能性はあるが、成功率は低いので、対策カードとしてデッキに突っ込んでもかえって勝率が下がる可能性が高い。
よって、対策にはならない。

……。

まあ、実戦級で使うならメタモルポット、手札抹殺、ラストバトル! あたりに対して使うことになるのかな。アンチ1ターンキルだ。
または自分のメタモルポットや首領・ザルーグを強制転移などで相手に送ってみるのも面白いかもしれない。……成功率には期待できないけど。
309-020 魂を呼ぶ者 ****------
低レベル通常モンスターサポートカード。
イラストのようにワイトを蘇生させるのはもったいないが、冥界の使者などを使用したデッキには投入する価値があるぞ。

――だが、墓守の偵察者の方が優れている面が多いため、低レベル通常モンスターデッキでもあまり使われるカードにはならないだろう。
使うなら、大革命や生還の宝札などを併用すると良いだろう。
309-021 冥界の使者 ******----
ピラミッドに棲む冥界からの使者。通常モンスター版の遺言効果を持つ。
黒き森のウィッチと同じくフィールド上から墓地に送られれば、戦闘でも効果でも発動条件を満たす。


 1.遺言効果+攻撃力1600は伊達じゃない
対象が限定されているが、かなり使いやすいモンスター。
まず、この効果は相手にも及ぶが、レベル3以下の通常モンスターは普通相手のデッキには入らないため、実質的に自分だけ効果が使えることが多い。
さらに嬉しいのが攻撃力の高さ。攻撃力1600は戦闘面で活躍できるレベルである。攻撃力が高いと効果で葬られることも多いが、その時に遺言効果を使えるので効率がいい。

そしてレベル3以下の通常モンスターとしては――
攻撃力1700・守備力700の音速ダック
攻撃力1300・守備力2000の岩石の巨兵
この2枚がオススメだ。

これらのモンスターはレベル3の割にパラメータは高いので、戦闘面では活躍できることだろう。
それでも当然ながら、効果モンスターに比べたら発展性はない。
一発逆転を狙ったり、一気に致命傷を与えたり、相手の手を封じ込めたりということにはほとんど期待できないぞ。

冥界の使者は、手札の差では明らかに得できる。
しかしその手札自体がやや頼りないモンスターカード。しかもモンスターカードは1ターンに1回しか召喚できない。
これでは、手札1枚分の活躍ができないことだってあるだろう。手札のモンスターが切れなくとも勝敗は着くのだ。
さらに、冥界の使者より早くこれらの通常モンスターをドローしてしまうと、貴重なドローカードとしては物足りないものとなってしまう。

――と言うように長所短所は色々あるが、全体的にはなかなか優秀なカードだと言える。
冥界の使者自身の攻撃力が高いことと、手札破壊や混沌帝龍 −終焉の使者−の対策にもなること。
個人的にはこの2つが大きな魅力だと思われる。
冥界の使者デッキもなかなか良い位置付けになるだろうな。


 2.3パターンのデッキ構築
さて、冥界の使者を使う場合は、通常モンスターを重視としたデッキにするか、通常モンスターはおまけ程度にするかでデッキ構築が変わってくる。

前者の場合、蘇りし魂などのサポートカードを併用していくことになるだろう。
だが、これらのサポートカードがレベル3以下モンスター対象では力不足であることも多い。冥界の使者のためとは言え、レベル3以下の通常モンスターの数は2〜3枚程度がちょうどいい。

後者の場合、スタンダートタイプのデッキに冥界の使者とレベル3以下通常モンスターを織り交ぜた程度の形になるだろう。つまり、他に通常モンスターのサポートがない型だ。
冥界の使者の効果はデッキ全体に及ぶため、通常モンスターをムダにドローしないためにも、通常モンスターの数は少なめの方がいいだろう。
冥界の使者と通常モンスターの比率は、2:1または、3:2程度が最も効率がいいと思われる。
これだと、効果の使用できない冥界の使者が手札に来る事も結構あるだろうが、これは通常モンスターが手札に来たのと同じようなものなので、必要以上に恐れることはない。素でも攻撃力は1600もあるのだから。
……まあ、スーパーレアで簡単に手に入らないという難関もあるわけだが、これは各自なんとかしたまえ。

そして最後に冥界の使者は、エクゾディア、大革命などといったコンボカードを揃えるためにも使用が考えられる。
特に、エクゾディアは、もう……。
309-022 グレイヴ・キーパー *****-----
墓地の番人。
効果はデッキ帰還型の光の追放者と言えるだろう。光の追放者と攻守が同じであるのも意図的だと思われる。

グレイヴ・キーパーは光の追放者に同じくキラー・トマトなどの効果を妨害することができる。
だが、その対象が戦闘で破壊されたモンスターのみなので、光の追放者より使いづらく応用性が少ない。

残念ながらあまり使われることはなさそうだ。
それでもデッキに戻ることを利用した有用なコンボを発見できれば、日の目を浴びることができるだろう。
それまでは使われないカードの入ったケース(≒墓地)の番人をしてもらうとしよう。
309-023 ダブルコストン *****-----
カイザー・シーホースの闇属性版。
なんともまあイラストとネーミングが分かりやすいことで。

闇属性モンスターでは混沌の黒魔術師という強力カードはあるもの、上手く生け贄にできる状況は少ないため強いとは言い難い。
墓守の偵察者といったカードの方が生け贄以外で活躍できることが多いので、そちらの方が便利だと思われる。

ダブルコストンはアンデット族なので、アンデットデッキに入れると面白いだろう。
ピラミッド・タートルによるデッキサーチや、闇より出でし絶望の生け贄で使用すると役に立つぞ。
デッキサーチができる分、ダブルコストン自体はデッキには1枚程度でいいかな。
309-024 再生ミイラ ******----
手札破壊&混沌帝龍 −終焉の使者−対策カード。
似た効果を持つ闇よりの恐怖より攻撃力が100高くなっているぞ。


 再生ミイラ vs 闇よりの恐怖
再生ミイラと闇よりの恐怖を比較して考察していこう。

まず、闇よりの恐怖はデッキからでも特殊召喚可能。だが、闇よりの恐怖の項を参照にしてみれば分かるが、これは大した利点ではない。
次に、攻撃力1700と1800の差。攻撃力1700と1800では倒せるモンスターに多少の違いはあるが、デッキに0〜2枚程度。よく使われるモンスターならば、霊滅術師 カイクウ、魔鏡導士リフレクト・バウンダーくらいだろう。
このため、これら2つはあまり大きな相違点とは言い難い。

一番大きな相違点は、特殊召喚 or 手札帰還 だろう。
召喚は1ターンに1回までなので、特殊召喚のできる闇よりの恐怖の方が良さそうではある。
まあ実際良いのだろうが、どんな状況でも優位に立つ訳ではない。
例えば、元より相手が 手札破壊→モンスター除去 を狙っている場合では、手札帰還の方が良い。その他、手札に加えた方がいい状況はいくつも挙げられる。
このため、特殊召喚の方が大きく有利になることはないと思われる。

――と言うことで全体的には、闇よりの恐怖の方が少し上だろうな。
いずれにせよアンデッドデッキでなければちょっと力不足だとは思うが……。
309-025 深淵の暗殺者 *******---
墓守の暗殺者の成れの果て。
執念深き老魔術師と同様の効果に加え、手札帰還効果を持っているぞ。

普通にモンスターを破壊するだけでもなかなか強いのに、手札帰還効果が付いてさらに強力に。
墓地に送られた自分自身を直接手札に戻すことはできないが、既に墓地に深淵の暗殺者があれば、お互いを戻しあうことにより実質的に手札から墓地へ送られることはなくなる。
さらに、この手札帰還は自分から仕掛けることもできるため、さらに使いやすい。

相手の手札破壊対策、自分の天使の施し、同族感染ウィルスなどとのコンボに役立つ。
このカードを使用する際には、手札コストの必要なカードをいくつか採用しよう。
深淵の暗殺者が墓地と手札にあれば、実質手札コストは0になるぞ。

深淵の暗殺者を使うならば、
 同族感染ウィルス、魔法石の採掘、死者への手向け、マジック・ジャマー
といったカードが使われることが多そうではあるが、
 超魔導剣士−ブラック・パラディン、XYZ−ドラゴン・キャノン
あたりも面白いだろう。

また、手札に戻すリバースモンスターは深淵の暗殺者である必要はないため、ニュートや墓守の偵察者などタイプの違うリバースモンスターを持ってくるのもオススメだ。
これを主軸としたリバースモンスターデッキも面白いだろう。

いずれの戦術を使うにせよ、無理してコンボカードを採用しても、コンボにならない時には力不足になるので、デッキのバランス調整が大事であろう。
309-026 人投げトロール ***-------
投げられるおジャマイエロー。
投げたくなるトロールの気持ちはよく分かるぞ。

さておき、人投げトロールはキャノン・ソルジャーの通常モンスター限定版。
ダメージ量は800と高いが、生け贄にできるモンスターが限定されている点が非常にマイナス。
キャノン・ソルジャーは、黒き森のウィッチや羊トークン、奪った相手モンスター、そして自分自身を生け贄にできたからこそ強いのである。
ただでさえ力不足な通常モンスターを使用しなければならない上、キャノン・ソルジャーのメリットが潰されている人投げトロールは使えるカードとはいえないだろう。
攻守が低いのも大きなマイナスポイントだ。

まあ、いらないからといってこのカードを投げるのだけは止めておこう。
いつか、自分自身が投げられるかもしれないよ……。
309-027 沼地の魔神王 ******----
沼地の魔獣王のパワーアップバージョン。
額にある目の力で、融合魔法カードを手札に加える事ができるぞ。(テキストに枚数指定はないが1枚だけだろう)

沼地の魔神王は、沼地の魔獣王より攻撃力が落ち、さらにマイナーな水属性である。
だが、融合魔法カードのサーチ能力はそれを十分補っているため、沼地の魔神王は融合デッキの星になると言えるだろう。


 デッキ構築
デッキ構築の際には、まずデッキ全体に占める融合の重要性を決めよう。
それから融合魔法カード、融合素材モンスターの数を慎重に調整しよう。これが大事だ。

沼地の魔神王を使うからといって、融合魔法カードをデッキに1枚にしたり、他の融合素材代用モンスターを使わなくていいと決め付けるのはいけない。
沼地の魔神王の登場で融合がしやすくなった以上、2度3度融合させる機会も珍しくなくなる。
融合の成功率を高め、更なる融合を狙うためにも、融合用カードを気持ち多めに投入していっても損はしないだろう。

融合モンスターを活躍させるにはデッキ構築に神経を使っていこう。
融合解除、物資調達員、サルベージなどのサポートカードも忘れずに吟味しておこう。
309-028 オアシスの使者 **--------
レベル3以下の通常モンスターを守り、通常モンスターに守られる(ような)効果を持つ。
だが、ただでさえ力不足なレベル3以下通常モンスターよりもオアシスの使者の方が力不足なのが大問題。

この効果が適用される状況を生み出すことが容易ではない。
攻撃回避効果もそれを上手い具合に生かせる状況が少ない。
通常モンスターの超過ダメージを防ぐことは大したメリットではない。

デメリットの方がメリットをはるかに上回ってしまっているため、効果を生かせることはほとんどない。
単純に魂を削る死霊を置いておいた方が便利であろう。
309-029 スペシャルハリケーン *****-----
カード名が少し安っぽく感じるカード。
ただ、「スペシャル」なだけに "Special Summon" 。つまり、「特殊召喚」に対応しているとは言えるのだが。

特殊召喚したモンスターを全滅させる効果を持つ。
何体でも倒すことができるのは魅力だが、基本的に特殊召喚されたモンスターはそのターンのうちに相手に大きな損害を与えることが多い。つまり、蘇生カードやらカオス・ソルジャー −開闢の使者−やらで特殊召喚してきたならば、そのターンのうちにこちらはボコボコにされることが多いと言うことだ。
もちろんボコボコにされる前に手を打った方が良いため、通常魔法であるこのカードでは少し遅いところがある。

それでもキラー・トマト、スケープ・ゴートなどによる特殊召喚も多いため、役に立つといえる状況は少なくない。
ただ、自分のモンスターも対象であることや、手札コストの面、複数体の特殊召喚モンスターが存在する機会など、まだまだ問題点も多く、総合的に考慮すれば使いやすいと言えるカードではなさそうだ。
309-030 突撃指令 ******----
モンスターを突撃させ、敵モンスターと相打ちにするカード。
通常モンスター1体を生け贄に相手モンスター1体を破壊するぞ。


 1.カラ突撃はしません
このカードは今までのタイプのカード違って、生け贄がコストではない。無効化されても生け贄に選択したモンスターは失われない。
そしておそらく破壊する相手モンスターは効果処理時に選ぶことになる。破壊するモンスターは最初に知らせる必要がないため、僅かだが相手は対処がしにくくなる。
その代わり、生け贄用に選択したモンスターが破壊輪などで効果処理前に場から消えてしまうとこの効果は不発になってしまう。
細かいところだがいつも違うので覚えておこう。


 2.突撃指令を生かす使い方
このカードと通常モンスターの計2枚のカードを失って、相手モンスター1体破壊なので、この効果はやや物足りないところはある。
だが、大きく異なるのはこのカードが速攻魔法であること。
つまり、相手の攻撃宣言時に発動したり、除去カードにチェーンして発動することができるのだ。これは十分大きなメリットと言える。

それでも、相手モンスターが存在しない時に除去カードが使われてしまう状況が多いことや、そして何より通常モンスターを使用しなければいけない点が大きなデメリット。
このカードのためだけに通常モンスターを何枚も使用するのは効率が悪い。

通常モンスターを使うなら、他のサポートカードを用意することが大事。
汎用性が高く、相性も良い「蘇りし魂」は欲しいところ。
絶対魔法禁止区域も面白い。効果処理時に自分モンスターが生け贄になるため、それを無効化してしまえばタダで破壊効果が使えることになるぞ。(今までの範例からの推測)
その他、デッキ次第では冥界の使者や堕落も採用が考えられるぞ。
309-031 魂喰らいの魔刀 *---------
魂を喰らうことで最大4000まで攻撃力を上げる刀。
――とは言え、その4000を上げるのは非常に難しい。

ただでさえ力不足なレベル3以下の通常モンスターにしか装備できない上に、他の通常モンスターを大量に生け贄にしないとまともに役立ってくれないのはどう見てもダメ。
団結の力を無理やりに使い回していく方が強いだろう。
309-032 砂塵の結界 ***-------
通常モンスターを魔法から守るカード。
だが、絶対魔法禁止区域の方が明らかに使いやすい。

絶対魔法禁止区域は、対象が効果なしの融合&儀式モンスターにまで及び、途中で勝手に破壊されることもない。
また、絶対魔法禁止区域は自分の魔法まで無効化してしまうが、早すぎた埋葬、ブラック・ホールなどそれがかえって好都合になることが多いため、これは砂塵の結界に劣っている点とは言えない。むしろ優れている点であろう。

――以上より、絶対魔法禁止区域の方がほとんどの面で上回ってしまっているため、砂塵の結界が使われることはなさそうだ。
309-033 リバースソウル ****------
リバースモンスターを再利用するカード。
速攻魔法なので相手の魔法・罠除去にチェーンして使いたい。

が、デッキの一番上に戻すので直接的にはカードの差では損、そして戻したリバースモンスターが相手にばれてしまっているのが欠点。
もちろん、リバースモンスターが都合よく墓地にあるとも限らない。

全体的に何かと使いにくいところが目立つカード。
墓地のリバースモンスターなら、浅すぎた墓穴を使用した方が効率も良さそうだ。
墓守の偵察者や深淵の暗殺者やニュートなどは、直接的にリバース効果を使用しないことも多くデッキに戻した方が活躍できるかもしれないが、それでもカード1枚の損出はやや割高。
その他、画期的な使用法が見つかれば話は別だが、現時点ではほとんど使用されずに終わりそうだ。
309-034 魔力倹約術 *****-----
魔法カードの発動ライフコストを0にする画期的カード。
でも「倹約」と言うことは、今までは無駄遣いだったのか……。
家計簿程度(?)で倹約できるんだから、やっぱり今まで無駄遣いだったんだ……。


 "ライフ倹約" が "カード無駄使い" を超えられるか?
早すぎた埋葬や押収、いたずら好きな双子悪魔。
これらの魔法カードが一般的なデッキではよく使われるカードだ。
だが、これらのカードだけのために魔力倹約術を使うのは効率が悪すぎる。回復カードを使用した方がマシである。

使うなら、高いライフコストのせいで敬遠されていたようなカードのために使うのが良い。
特に、黒魔術のカーテン、自律行動ユニット、次元融合、わが身を盾に。
――これらのカードを使用する場合に、このカードの投入を検討するといいだろう。

それでも、魔力倹約術はあくまで単体では何の役にも立たないカード。
ライフ差で得しても、カード差で損をしていてはデュエルに負けてしまうことも多い。
本当に採用するかどうかは、ライフ消費魔法のライフコストの量やその採用数を見て、デッキにおける魔力倹約術の重要性を検討する必要があるだろう。
個人的には、1000ライフ払う魔法カードを5枚以上採用して初めて、このカード1枚採用程度だと考えている。

見た目のインパクトが大きいので強いと思われてしまうが、感性だけで物事を捉えないようにしよう。
309-035 ナイルの恵み ****------
太陽の沈むナイル川とそれに臨むピラミッド。
美しい光景なのかもしれないが、不自然なところが多い。

まず、ナイル川の方角に太陽が沈んでいること、それ自体が不自然だ。
もしかしたら太陽は昇っているのかもしれないが、いずれにせよ太陽のある方角は東か西。
それに対して、ナイル川は南から北に流れる川。
イラストでの太陽の位置が多少曖昧ではあるものの、これはおかしい。

……まあ、ナイル川も少しくらいは東西に曲がっているので、これは一応認めるとしよう。
だが、決定的におかしいのは川辺にあるピラミッド。
何故ピラミッドが川沿いに建つのだろうか。時期によって川幅が数倍にもなるナイル川の川辺では侵食されるのがオチだ。

――と、おかしい点を指摘してみたものの、これで実際に存在する風景だったら恥ずかしいわ……。

さてさて、くだらない考察はともかくカード効果について解説していこう。

効果は手札破壊対策――
だが、このカード自身で既にカードを1枚失っていること、効果を適用できるカードの数があまり多くないこと、失われた手札が戻る事もなく効果成功時の見返りが少ないこと――
以上より、カード1枚としての力は高評価できるものではないので、根本的な手札破壊対策になっているとは言い難い。
また、墓地に送られた「機会」を対象にしているので、一度に何枚も墓地に送られても回復するライフは1000だぞ。
309-036 **--------
スロットの「7」。
それにしても、ウジャト眼のセブンスロットとはいろんな意味で凄い。王様専用だろうか? 7の上下の絵柄も気になる……。

効果はそれこそスリーセブンを揃えなければならないため非常に困難。
魔法カードのサーチが困難なのが、スリーセブンの難しさに拍車をかけている。その点では、現実味を帯びているともいえるだろう。

だが、せっかく7を揃えてもその見返りは少ないのが大きな問題。
カード3枚消費して3枚ドローではカード差では同じであるため、このカード破壊によるライフ計2100回復が実質的な報酬。

ライフ2100がタダでいただけるとは言え、揃わない時の無駄っぷりを考えれば力不足と言わざるを得ないだろう。
一応、スリーセブンが揃わなくともライフ回復効果は適用できるので、サイクロンなどのおとりなどとして少しだけ活躍できる。

ただ、このドロー効果が、自分のメインフェイズに起動的に発動するものではなく、場に揃った時点で誘発的に発動するものなら、マジカルシルクハット+停戦協定などのコンボで比較的容易に効果を適用することができる。それでも、割に合っているとは言えないが……。
309-037 レベル制限B地区 ******----
グラヴィティ・バインドの魔法版のようなカード。
対象は多少異なるものの、同じ魔法カードである平和の使者に近いところがあるだろう。

このカード1枚で相手の攻撃をほとんど制限できるだろう。
自分の攻撃も届かなくなってしまうので、デッキ構築時にレベル3以下のモンスターを中心に構築するか、攻撃しないタイプの戦術を用いるかする必要があるだろう。


 攻撃してこそのレベル制限
レベル制限B地区は攻撃防御と言う面だけでは、マジック・キャンセラーともコンボになるグラヴィティ・バインドや、好きな時に破壊できる平和の使者の方が便利であるため、攻撃妨害(ロック)だけを目的とするのは少し役不足。
このカードを使うなら、相手モンスターを守備表示にできるという点を生かした戦術を使いたいところだ。

基本的に攻撃力の高いモンスターは守備力が低めなので、戦闘面で優位に立てるだろう。(超過戦闘ダメージがなくなるのが欠点だが)
シールドクラッシュなど、守備表示モンスターを対象にしたカードとの相性も良い。
永続効果を持つレベル4以上のモンスターをすぐに表側守備表示で場に出せる。
相手フィールド上に怒れる類人猿が存在する時に使えば即破壊可能。

――などなど、守備表示にするメリットがいくつも考えられる。
だが、これらのほとんどは戦闘を行うデッキでこそ活躍するので、レベル制限B地区はレベル3以下のモンスターを多く採用したデッキに使用したいところ。
個人的には、冥界の使者を使用した通常モンスターデッキで使うと面白そうだ。

それにしても、やっぱり、このカードのことは「B地区」と略される運命にあるのだろうか。
書いてる分にはまだいいとしても、実際に「B地区発動」などと叫んだら、誤解を招きかねないぞ。ナニヲ ハツドウ シタンダヨ?
あ、何言っているのか分からない人は気にしない方がいいですよ、ホントに。
309-038 魔の試着部屋 ****------
おジャマ・ブラックの試着部屋。
覗く気にもならん。(←誰なら覗くんだ?)

効果は低レベル通常モンスターデッキ用。
デッキ構築と運次第では3体4体と特殊召喚することのできるインパクトの大きいカードだ。

ただ、いくらモンスターを出したところで、それらは所詮通常モンスターであることには変わりがない。
相手の場に戦闘で勝てないモンスターがいたり、罠カードが仕掛けてあったりすれば、役に立たずで終わることも多い。

もちろん他のカードで除去すればいいのだが、デッキに通常モンスターが多ければ、その「他のカード」自体が手札に来ないことが多くなる。
だからと言って通常モンスターを減らしてしまうと、魔の試着部屋で特殊召喚できるモンスターの数が減ってしまう。
このように、通常モンスターとその他の実用カードでジレンマに陥ってしまっている。

魔の試着部屋を生かすためには、平均2体は特殊召喚したいところだが、平均2体となれば通常モンスターがデッキに半分ないといけないため、全体的にかなり苦しくなってしまう。
効果の結果は運も絡むため、このカードをコンスタントに活躍させるのは困難であろう。
低レベル通常モンスターデッキのアクセントとして採用するのは面白いのかもしれないが……。
309-039 弱肉一色 ****------
弱肉強食のパロディカード。
焼肉定食よりバカにした響きがGOOD。
なんだか、負け犬の遠吠えのような感じだ。

イラストのモンスターは左から順に、もけもけ、きのこマン、ギゴバイト、はにわ、プチリュウ。
いずれも立派なザコモンスターだぜ!

このパックに収録されているフィールド上の通常モンスターを指定しているカードのほとんどに「トークンは除く」と言う表記がある。
だが、このカードにはそれがない。
そう、トークンを5体揃えてもこのカードを発動することができるのだ。

一般的に使われているスケープ・ゴートだと4体と数も中途半端なため、増殖や迷える子羊も併用していきたい。
上手くデッキを回せば、比較的簡単に弱肉一色を発動させることができるぞ。

ただ問題なのは、弱肉一色の発動後はホントに弱肉一色になってしまう点だ。
攻撃力が悲惨なトークンだけが残り、攻撃もままならない。
既に場が埋まっているので、黒き森のウィッチなどとのコンボも不可能である。

つまり、このカード発動後は運任せになってしまうことが多いのだ。
自分のデッキ全体の戦力や、最初にドローできるのが相手であることを考慮すれば、有利になるのは相手の方になってしまうかも。
下手にトークンを使わずに、ホンモノの通常モンスター+トライアングルパワーにしておくべきなのだろうか?
309-040 黒・魔・導
【原作登場】
**--------
ブラック・マジシャンの技カード。
イラストはブラック・マジシャン誕生のあのシーンから!
そして、このカードも相手の場の魔法・罠を全て破壊する強力な効果を持っているゥゥ!

――のだが、どう見ても、サイクロン3枚の方が便利であることは否定できない。
ブラック・マジシャン召喚時に、激流葬は当然使用されてしまうし、黒・魔・導発動に和睦の使者、破壊輪をチェーンされることも多い。
それに、相手の場に複数枚の魔法・罠カードがあることはあまり多くない。
そして何より、ブラック・マジシャンがいる時に黒・魔・導が手札に来ている状況より、ブラック・マジシャンや黒・魔・導が手札でくすぶっている状況の方が多くなってしまうことが一番の問題だ。

やはり既存の汎用性の高い除去カードの方が強いだろう……。
309-041 デルタ・アタッカー *****-----
よってたかって相手プレイヤーをボコボコにするカード。
いや、イジメじゃないですよ。結束の力です。

通常モンスターならばレベルを問わないため、デッキ構築次第では青眼の白龍3体1ターンキルをお見舞いできるぞ。
とは言え、やはり場に出す時点で困難なので、実用的なところではデーモンモンスターを使用するといいだろう。
デーモンの召喚、デーモン・ソルジャーあたりを主軸に、蘇りし魂、デーモンの雄叫びなども用いて特殊召喚していけば、あまり時間をかけずに3体揃えることもできるだろう。
「マジック・ランプ+ランプの魔精・ラ・ジーン」も面白いかもしれない。

相手プレイヤーに直接攻撃できるとは言え、罠カードには無力であることには変わりない。
デルタ・アタッカーを発動できた上、直接攻撃が成功することはやはり滅多にないだろう。

ただ、このカードで無理に直接攻撃を狙わなくとも、相手モンスターを効果で除去すれば直接攻撃はできる。
無理にこのカードを使うより、モンスター除去を優先していった方が効率はいいだろう。
309-042 サウザンドエナジー *---------
その名の通り攻守を1000ポイントアップさせるが、その対象はレベル2の通常モンスターのみ。しかもターン終了時に破壊。
マイナス面が大きすぎる。
攻撃力を上げる対象に制限なし&ターン終了時破壊なし――だとしても評価は5〜6程度だというのに、これではどう見ても力不足だ。
リミッター解除の方が数段優れているのは誰の目からも明らかだろう。
スピリッツ・オブ・ファラオなどとセットで使いたくなるかもしれないが、デッキが相当不安定になってしまうのでオススメできない。
トライアングルパワーの前座に過ぎないのだろうか?
309-043 トライアングルパワー ***-------
サウザンドエナジーのレベル1バージョン。
さらに貧弱なレベル1通常モンスターを使わなくてはいけない代わりに攻守は2000ポイントアップする。
2000ポイントとは言っても、攻撃力500のヘルバウンドに使用しても攻撃力2500程度なので、やはり物足りない。
リミッター解除でメカ・ハンターの攻撃力を上げた方がやはり強い。

トライアングルパワーを使うなら、光学迷彩アーマーや蘇りし魂、冥界の使者など、低レベル通常モンスターとしての利点を生かせるようなデッキ構築を行っていきたいところ。
また、伝説の都 アトランティスや降格処分を上手い具合に使うと、上昇した攻守を維持できる。特に強いわけではないが、なんとなくやってみたいコンボではある。
309-044 第三の棺 **--------
ファラオのミイラの納められている最内の棺。黄金でできており装飾も一番豪華である。
3つの棺はOCG上だけの設定ではなく、現実でもこの3つの棺に王のミイラが納められていたのだ。
興味のある人は、ツタンカーメンの棺について調べてみるといいだろう。

このカードの扱い方については、スピリッツ・オブ・ファラオの項にまとめたのでそちらを参照にして欲しい。
309-045 第二の棺 **--------
ファラオのミイラの納められている棺。この中に第三の棺を納める。
棺は見た目は金色だが、実は木製である。(木製なのは第二の棺のみ)

また、カードナンバー的には「魔法 → 罠」の順にしたいため、第三、第二、第一の順に番号が振られている。ウィジャ盤とは逆だ。

このカードの扱い方については、スピリッツ・オブ・ファラオの項にまとめたのでそちらを参照にして欲しい。
309-046 第一の棺 **--------
ファラオのミイラの納められている最外の棺。
イラスト的にはスーパーレアは第三の棺の方がかっこよかったかも。

実戦的なことは、スピリッツ・オブ・ファラオの項にまとめたのでそちらを参照にして欲しい。
309-047 運命のドラ ******----
打楽器のドラと、麻雀のボーナスであるドラとを掛けたカード。
麻雀でのドラは特定の牌の、次の牌を加えた状態で上がればボーナスになる。

このカードの効果もそれを意識したものになっている。
ただ、プラス1ではなく、マイナス1なのではあるが。……実戦で使えるようにするにはマイナスにせざるを得なかったのだろう。

運命のドラは、まず最初にレベル4の相手モンスターを指定し――
次の自分ターンでレベル3のモンスターを召喚すれば、相手に2000点のダメージを与えることができる。
時間差の効果だが、モンスター指定からダメージまでの間にこのカードが場に残ることはないため、サイクロンで無効化される心配はないぞ。


 1.レベル4で2000点
ダメージを与えるには「召喚」しないといけないため、下手に高いレベルのモンスターを指定すると、まともに召喚できないことも多くなってしまう。
さらに、高レベルモンスターは相手のデッキ構築に依存するので、期待するレベルのモンスターを相手が持っていないこともしばしば。

やはり、最も使われているレベル4モンスターを指定するつもりでいくのが確実。
自分はレベル3のモンスターを中心にデッキを組んでいこう。


 2.連続ドラ鳴らし
運命のドラを複数枚発動したり、血の代償を使用して複数枚召喚すれば、更なるダメージに期待できる。
1回効果が適用されれば2000点ダメージなので、うまいことやっちゃえば1ターンキルも可能。
デッキ構築次第では脅威になるかもしれないカードだ。

……対策は簡単だけど。(召喚しなければいいだけ)
309-048 砂漠の裁き **--------
基本的に表側表示モンスターが表示形式を変えることはほとんどない。
罠カードなので相手の不意を打てるとは言っても、相手の表示形式の変更にチェーンなどをすることはできないため、あらかじめ発動しておく必要がありさらに効率が悪い。
効率が悪く発展性にも乏しいため、使われることはないだろう。
309-049 人海戦術 ****------
人海戦術とは、数の力でもってして敵を圧倒させる戦術。
イラストからもよく分かることで。
それにしてもこの もけもけ軍団、色々な表情が見られるよな……。

効果はその名の通り数で責めるものとなっている。
倒しても倒しても湧いて出てくるぞ。

ただ、ターン終了時までは出てこない上、効果適用のトリガーは戦闘だけなので万能ではない。
効果で除去されればそれまでなので、安心して壁役を任せられるというわけにはいかない。
そして何より、力不足なレベル2以下の通常モンスターを使用しなければならないのが辛い。人海戦術以外ではほとんど役に立たないのは大きなデメリットだ。

ただ、破壊される方の通常モンスターはトークンでも構わないため、羊トークンを使用していくのもいい。
特殊召喚された通常モンスターにトライアングルパワーなどを使用したり、大革命発動要員にしたりすれば、大きく化ける可能性があるぞ。
これを狙うなら自滅攻撃も有効だろう。
ただ、あくまで特殊召喚は時間差なので注意が必要ではあるが。

コンボがあるとは言え成功率も低めなので、全体的には人海戦術は使いやすいというカードではなさそうだ。
309-050 アヌビスの呪い ******----
第2期パックと同名カード。
元ネタが同じなので、イラストは「アヌビスの裁き」のアヌビス像と同じである。
ただ、「アヌビスの呪い」の方のイラストはファラオの棺の上に乗っかっている。これはギャグではなく、実際にツタンカーメンの棺の上にはアヌビス像が乗って守っていたのだ。


 1.2パターンの使用法
効果は表示形式の変更。ただし守備表示のみであり、表示形式変更不可&守備力0も付いてくる。
相手ターンに使った場合と自分ターンに使った場合では使い方が大分異なってくるので、分けて考察していこう。


 2.相手ターンに使う場合
アヌビスの呪いは罠カードなので、相手ターンの使用が中心になるだろう。

相手の攻撃宣言時に使えば、そのターンの相手の攻撃を防ぐことができるぞ。
この時、重力解除などとは違い、表側守備表示モンスターが残っていても攻撃表示にならない点がポイント。
加えて、攻撃せずに守備表示に変更されたモンスターが守備表示のまま残るのもプラスだろう。

ただし、通常モンスターには無力なので注意が必要。
通常モンスターがいると、守備力0の守備表示モンスターを相手に晒す事になる場合がある。
――とは言っても、通常モンスターは大抵攻撃力が高いので、アヌビスの呪いに関係なく倒されることも多いのではあるが。
まあ、いずれにせよ通常モンスターには無力のままだ。

また、相手ターンの使用でも魔法・罠除去効果にチェーンすることもできる。
チェーンした場合、その時点で場にいる攻撃表示モンスターを守備表示にする事ができるぞ。
守備表示になったモンスターはこのターンの間表示形式が変更できないため、攻撃できないに等しくなる。そして、次の自分ターンの戦闘でも倒しやすくなることが多いため、一石二鳥であろう。

だが、アヌビスの呪い使用後にモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚されることも多く、これらのモンスターには対処できないのが欠点。
さらに自分のモンスターの守備力が0になり、かえって危険になることもある。
このように、魔法・罠除去効果にチェーンしてもマイナスになってしまうこともあるので、扱いが難しいところがある。


 3.自分ターンに使う場合
発動まで1ターン待つ必要があるが、自分ターンに使うことで相手モンスターを全て守備表示にした上、守備力を0にする事ができる。
相手ターンの使用では「守備力0」がマイナスになってしまっていたが今回は逆だ。

その代わり、相手ターンの使用でプラス要因だった「表示形式の変更不可」が今度はマイナスになってしまっている。
つまり、相手モンスターを守備力0の守備表示にしても、自分が守備表示になってしまっては意味がないということ。
新しく召喚したモンスターには影響がないものの、1ターンに召喚できるモンスターは1体のみなので、相手モンスターを何体も倒すということが多少難しい。
さらに、異次元の女戦士のようなただではやられないモンスターの存在がそれに拍車をかけている。

このため、通常モンスターを利用するか、ドリーム・ピエロ、阿修羅、激昂のミノタウルスなどを使用してコンボ的に活躍させるのがよい。
「激昂のミノタウルス+ブラッド・ヴォルス」コンボが最大限に生かせるので、海馬ファンデッキにはうれしい話である。
まあ、激昂のミノタウルス+魔導サイエンティスト(紅陽鳥)の方が強いのではあるが……。


 4.まとめ
アヌビスの呪いは、使いやすい面と使いにくい面が入り混じったカード。
全体的には弱くはないが、最前線で活躍できるほどでもない。
アヌビスの呪いを活用させるには、通常モンスターをはじめとしたコンボ可能なカードなど相性の良いカードを何枚か採用していくべきだろう。
309-051 砂漠の光 *****-----
相手モンスターの戦闘ダメージ軽減などに役立つカード。
攻撃表示のままの魔導サイエンティストなどに使用することができるぞ。

だが、このためだけに使うのは力不足。和睦の使者で十分だろう。
このカードの目玉は、このカードは裏守備モンスターにも対応している点。
光の追放者など表側守備表示でこそ役に立つモンスター、そしてリバースモンスターの効果を発動させることができる。
砂漠の光を使う場合は、これらのコンボカードを中心にデッキを組んでいこう。

また、処刑人−マキュラなどを使えば、1ターンキル系統のデッキにも使用できるかもしれない。
一度に何体ものリバースモンスターの効果を発動できる点がポイントだ。
309-052 デスカウンター ****------
門前払いの破壊バージョン。
手札に戻すよりは破壊の方が強いものの、直接攻撃にしか対応していないため、結局のところはあまり実用レベルは変わっていない。
デスカウンターも自分モンスターにも適用されてしまうので、この点でも使いにくい。

そしてもっとも問題なのは、ダメージ計算後に破壊効果が適用されるため、肝心の直接攻撃の大ダメージが防げないこと。
やはり、1回限りでも炸裂装甲を使った方が強いだろう。
309-053 悪夢の迷宮 *****-----
第2期パック名と同名のカード。
エンドフェイズ時に表示形式がコロコロ変わる面白い効果を持つぞ。


 1.基本的な動き
表示形式が変わると言っても、エンドフェイズまでにモンスターを逆の表示形式にすることで、表示形式変更による被害を免れることができる。
しかし、攻撃済みのモンスターの表示形式は変更できないため、この効果は実質的に「攻撃したモンスターを守備表示に変える」という効果に近いものなるだろう。
基本的に守備表示モンスターは戦闘で倒しやすいため、攻撃力だけのモンスター相手に有効だぞ。

さて、このカードは基本的にお互い同条件を受けるカードだが、最初の1回だけは例外。
つまり、このカードを相手エンドフェイズで発動すれば、相手は不意を打たれた形で表示形式の変更を喰らってしまう。
この時、相手の場に魂を削る死霊や羊トークンがいれば、大ダメージにも期待できるぞ。

それでも、その1回のために使うには力不足。
永続という点を効果を生かしてこその悪夢の迷宮であろう。
こちらのデッキを上手く組んで、自分は有利に、相手は不利になるようにしたいところ。


 2.デッキ構築&まとめ
デッキ構築の際には相性の良いカードを採用していこう。
魔導サイエンティストや魂を削る死霊、リバースモンスターなどは、攻撃表示のまま場に残っても悪夢の迷宮によって低い攻撃力をフォローすることができる。
同様に、墓守モンスター、ステルスバード、伝説の柔術家、守護者スフィンクス、イクザリオン・ユニバースなどなど相性のいいモンスターはたくさんある。
ドリーム・ピエロ、マーダーサーカスとのコンボも面白い。

以上のカードを用いて専用デッキを作ると、個性が出て面白いデッキが構築できるだろう。
だが、コンボカードが揃わない場合、途中でサイクロンで破壊された場合などを考えると、カード1枚の力としては強力といえるものではなさそうだ。
309-054 蘇りし魂 ******----
通常モンスター版リビングデッドの呼び声。
第2期パック名と同名だが、蘇りし魂パックのメインであったスピリットとは何の関係もないところがちょっと悲しい。関係ありそうなのはイラストの背景だけ……。
確かに効果はスピリットとは関係ないが、カードの強さとしては純粋に評価できるぞ。

リビングデッドの呼び声と比較しながらその魅力について解説していこう。


 1.守備表示の蘇生でも
対象限定されている点以外で、リビングデッドの呼び声と蘇りし魂の違いはただ1つ。
蘇りし魂は、守備表示でしか特殊召喚できないこと。

これは多くの場合でデメリットになることであることは想像に難くない。
だが、そのデメリットは大きなものではない。

攻撃要員として通常モンスターを蘇生させるのなら、守備表示の特殊召喚は不利。
なぜなら、特殊召喚したターンには表示形式を変更できないからだ。
守備表示で特殊召喚された場合、そのターンは守備表示でいなければならない。

だが、蘇りし魂もリビングデッドの呼び声も罠カードである。
発動するには伏せてから1ターン待つ必要がある。

ここでポイントなのは、伏せた次の自分ターンの前に相手ターンが存在すること。
そして、特殊召喚したターンには表示形式を変更できない……。
そう、蘇りし魂は相手ターンに発動すればいいのだ。
相手ターンに発動して自分ターンで表示形式変更。こうすればすぐに攻撃要員として活躍ができるぞ。

あと、相手ターンに発動する場合でも、エンドフェイズに発動するといいだろう。
理由は簡単。相手はこれ以上カードを発動・セットできないからだ。


 2.リビングデッドの呼び声は遥か遠く
攻撃要員として活躍させる場合なら蘇りし魂も使いやすいことは分かっていただけただろう。だが、その他の状況を考えるとリビングデッドの呼び声に劣っている点は目立ってしまう。
例えば、リビングデッドの呼び声にしかできない使い方を挙げてみると――

・黒き森のウィッチ、クリッター、人造人間−サイコ・ショッカー蘇生による保険的使用
・相手の罠の出方を見ながら自分バトルフェイズに攻撃要員として蘇生
・相手モンスター攻撃宣言時に合わせて厄介な効果モンスター蘇生

これらの使い方ができないのはやはり物足りない。
攻撃要員として使えるからといっても、リビングデッドの呼び声には及ばないところが多い。このことは忘れてはいけない。


 3.デッキ構築
自分のデッキに通常モンスターがあるからといって、無理に蘇りし魂を使用するのは考え物。
発動できない機会も多いだろうし、前節であげたようなこともある。

蘇りし魂を使うなら、やはり通常モンスターを3枚以上は採用したいところ。蘇りし魂を3枚フル投入するなら、通常モンスターは5〜7枚程度用意したい。
それでも、冥界の使者や増援といったカードを上手い具合に使えれば、通常モンスターの数は抑えられるだろう。
バランス調整は難しいかもしれないが、シュミレートやテストを繰り返し、最善のデッキ構築を試みよう!
309-055 玉砕指令 **--------
ハ・デスの命で玉砕させられる部下。
しかもモンスターに玉砕するのではなく魔法・罠に玉砕。なんだかかわいそうだ。

まあいずれにせよ、このカードはカード2枚使って魔法・罠2枚破壊。
ザコモンスターを使用しなければならない点を考えれば、通常モンスターサポートカードをよほど上手く用意しない限り、砂塵の大竜巻を2枚使った方が効率は良いだろう。
309-056 エンド・オブ・アヌビス ********--
アヌビス神パワーアップバージョン。
アヌビス神は犬の姿をしているので、カードイラストにもその面影がある。
また、アヌビス神の装束は壁画などに描かれていたものと同じだ。

それにしても、どういう意図で「エンド・オブ・アヌビス」となったのだろうか。
アヌビスの終わり――うーん、神話とは関係あるのかな?
まさか、宣伝じゃないよなぁ……。

効果は墓地の守護者らしく、それに準じたものになっている。
無効化の対象となるカードは多いので、効果が役立つことは多い。
その上、自身の攻撃力も2500と最高クラスである。


 1.無効化できるカード
まず、エンド・オブ・アヌビスが無効化できるカードのうち、よく使われるものを挙げてみよう。

墓地のカードを対象にする効果
死者蘇生、早すぎた埋葬、リビングデッドの呼び声、生者の書−禁断の呪術−、聖なる魔術師、霊滅術師 カイクウ

墓地で効果が発動する効果
キラー・スネーク、ヴァンパイア・ロード、ドル・ドラ、黒き森のウィッチ、クリッター、キラー・トマト、巨大ネズミ、素早いモモンガ、ニュート

ただし、戦闘で破壊したリバースモンスターが効果を発動するのは墓地に送られる前であり、
墓地のカードを除外して特殊召喚されるモンスターは、墓地のカードを対象とする効果ではない。
これらに該当するカードを無効化することはできないので、気をつけるようにしよう。

一般的なデッキには、これらの無効化可能なカードは大体5〜8枚程度採用されていることが分かるだろう。
このため、無効化できるカードの数はサイコ・ショッカー並と言える。


 2.不器用な効果
エンド・オブ・アヌビスはサイコ・ショッカーとほぼ同数のカード効果を打ち消し、攻撃力はサイコ・ショッカーよりも高い。
ならば、エンド・オブ・アヌビスはサイコ・ショッカー並、またはそれ以上の実力を持つのではないか……? そう思えるかもしれない。

だが、世の中そんな単純にはいかない。

以下の節で、エンド・オブ・アヌビスとサイコ・ショッカーを比較・検討してみることにする。


 3.蘇生カード無効化の落とし穴
ほとんどのデッキに採用されている蘇生カード――死者蘇生、早すぎた埋葬、リビングデッドの呼び声――について考えてみよう。
一般的に相手の場にモンスターが残っている時には、それより攻撃力の高いモンスターを蘇生させることで解決する場合が多い。
しかし、エンド・オブ・アヌビスは元々攻撃力2500。戦闘面ではほとんど太刀打ちできない。
蘇生したとしても、壁役止まりになってしまう状況も多いため、それを無効化しても多少弱いところがあるのだ。
逆に、こちらが奇襲攻撃を仕掛けたい時には、蘇生無効化が自分の首を絞めてしまうこともある。


 4.モンスター効果無効化の意義
黒き森のウィッチ、クリッターなどのモンスターカードの効果を無効化すれば、それは通常モンスターと同じ扱いになってしまう。
だが裏を返せば、それでも通常モンスター1体分の活躍はしている。プレイヤーへの直接攻撃の機会はしっかり減らしてくれているのだ。
モンスターの無効化は、無効化されればほとんど役に立たなくなる魔法・罠カードとは違うことは覚えておこう。


 5.直接的か間接的か
以上のように、無効化できるカードにはサイコ・ショッカーと比べると、不利な面がいくらか見受けられる。
だが、エンド・オブ・アヌビスとサイコ・ショッカーとの決定的な違いは、「直接的か間接的か」である。

サイコ・ショッカーが無効化できる罠カードは、戦闘面で直接フォローするものが非常に多い。
このため、攻撃力2400と戦闘面で強いサイコ・ショッカーが場に出ている時に罠を無効化することに大きな意味を成す。
トドメ用にも最適。

エンド・オブ・アヌビスが無効化できるカードには、手札補充や次のターンでの特殊召喚や蘇生魔法カードなど、そのターンでは直接影響しないカードが多く、間接的である。
サイコ・ショッカーのように、戦闘面で直接フォローするカードをあまり無効化できないため、高い攻撃力との相性があまり良くない。
このため、総攻撃要員として場に出しても、無効化効果の意味がない場合も多い。
つまり、1ターンでケリを着けたい場合、ウィッチ、クリッター、キラー・スネーク、死者蘇生、早すぎた埋葬――いずれも無効化する意味がほとんどないのだ。

以上より、サイコ・ショッカーの方が使いやすいだろう。


 6.エンド・オブ・アヌビスを生かす使い方
エンド・オブ・アヌビスはサイコ・ショッカーには劣るものの、それでも十分強い。
ただ、効果を無効化する意義が薄い状況を考えると、デッキ構築やプレイングが大事であろう。

間接的な無効化のため、やはりオススメは手札破壊デッキ。
モンスター除去カードを中心に捨てさせていけば、相手はエンド・オブ・アヌビスの無効化効果が大きく響いてくる。
見えないところでじわじわ効いてくるので、相手に通用しているかは不安かもしれないけど……。

エンド・オブ・アヌビスとの高攻撃力との相性を考え、王宮のお触れを使って相手の罠を封殺するのもいいだろう。
ただ、カオス・ソルジャー −開闢の使者−を出されると、逆にこちらがピンチになってしまう点に注意。

また、エンド・オブ・アヌビスは相手のデッキとの相性も結構大きいので、サイドデッキに投入する手も考えられる。
ピラミッド・タートルやキラー・トマトを使用するデッキに出くわした時にメインデッキに投入してみよう。
309-057 竜騎士ガイア
【原作カード】
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第2期9番目のパック・王家の守護者 との対照のためか、ガイアつながりで竜騎士ガイア参上である。
だが、お呼びでないという人が多すぎるのが現状。
原作でもOCGでも最後まで扱いが悲しいカードになってしまった。



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