遊戯王アニメオリジナルストーリーに登場した「乃亜」
海馬剛三郎の実の息子であり、海馬コーポレーションの後継ぎになるはずだった存在。
そして、剛三郎が乃亜の当て馬として施設から引き取った少年こそ、海馬瀬戸なのである。
話の中では、父を自殺に追い込んだ海馬瀬戸をひどく憎んでおり、
彼を完全に上回る事で、亡き父の思いに答えたかった・・・それが話の全てでした。
そんな乃亜は、海馬と遊戯のデュエルで、２種類のデッキを使っていますが、
今回は乃亜のデッキメカニズムについてお話させていただきます。

１、天地創造のデッキ

海馬とのデュエルで乃亜が始めに使用したデッキ。
遊戯は「基本はより強力なモンスターを呼び出すパワーデッキ」と言っていますが、
僕はこのデッキの「テーマ」をこう解釈しました。

そもそも「乃亜」とは何なのか？
これは、旧約聖書に記された「ノアの方舟」をモチーフにしています。
神が洪水で人間たちを滅ぼそうとした時、ノアは自分が生き延びる為の方舟を作る事を髪に許され、
家族や動物達を方舟に乗せて、洪水から守ったのです。
「奇跡の方舟」のカードも、「乃亜」同様に、これがモチーフとなっています。

http://babu.jp/~uqmk/bunko/noa.html#hakobune
ここに、ノアの方舟について詳しく載っています。

更に、乃亜と瀬戸のデュエルを大まかに説明すると、

悪魔・アンデット族を召喚して戦う瀬戸に対し、
乃亜は「賢者ケイローン」「聖神アレス」等で戦っています。
「ケイローン」は、ギリシャ神話に登場し、星座でもあります。
この星座は半人半馬の種族ケンタウロスの賢人ケイローンをかたどったものとされています。

http://tt.sakura.ne.jp/~hiropon/sky/sagittarius.html
ここに、ケイローンについて詳しく載っています。

そして、「大洪水」のカードでモンスターを全滅させ、
「奇跡の方舟」がそのモンスターを方舟に収容（しゅうよう）した。

その後は、植物が茂っていき、原始時代になりました。
ここでは、「ジャイアント・レックス」「スピア・ドラゴン」と、
まさに恐竜の時代をデュエルで再現していました。

ここで乃亜は「ディーペスト・インパクト」を発動。
地上に隕石が降り注ぎ、恐竜は全滅。
氷河期を迎えると、その時代に合わせて「ラスオブタスクマンモス」を召喚。

続いて、時は現代に追いつき、近代文明が誕生した。
すると乃亜は、海馬コーポレーションの軍事力を見せつけようと、
バーチャルの海馬コーポレーションから「超時空戦闘機ビッグ・バイパー」を召喚。

このように乃亜は、地球の誕生から歴史まで、デュエルで再現していたのです。
「僕の予言が外れた事は１度も無い」と乃亜が言うように、
乃亜は瀬戸とのデュエルの全てを本当に予言していたのでしょうか？

２、スピリットモンスターデッキ

次に遊戯とのデュエルに使用したデッキを紹介します。
遊戯が海馬のデッキを引き継ぎ、自分のカードを混ぜてデッキを作ると、
乃亜も自分のデッキを改良しました。それがスピリットモンスターデッキです。
ここは、単純にスピリットモンスターデッキと解釈してしまった人がほとんどだと思われますが、
実はここにも、とある秘密があります。

乃亜が使用したスピリットモンスターの「阿修羅（アスラ）」
これは、インド神話に登場する鬼神で、「あしゅら」とも言います。
http://www.asahi-net.or.jp/~QI3M-OONK/tosyokan/fantasy/w-asura.htm

次に「火之迦具土（ヒノカグツチ）」これは日本神話に登場しています。
世界がまだ混沌としていた頃、７代目の神「伊邪那岐（イザナギ）」と「伊邪那美（イザナミ）」は、
日本を作り、様々な神を生みました。そして、３５番目に生んだのが「火之迦具土」です。
http://www.linkclub.or.jp/~pip/ututu/kami/furukotobumi/naginami4.html

「八俣大蛇（ヤマタノドラゴン）」も日本神話に登場します。
娘達を食べたため、須佐之男命によって退治された、八頭八尾の大蛇（おろち）。
http://www7.ocn.ne.jp/~iwakuni/kagura-enmoku-oroti.htm

「八汰烏（ヤタガラス）」も神話に出てきます。このサイトでは「八咫烏」となっています。
http://www.abetaya.com/hp/kitaoka/yatagarasu.html

このように乃亜は、地球の歴史から神話・聖書と、名前をモチーフにしているのです。
「乃亜」という人物は神秘的な存在であるようになっていたんですね。

これが、僕が調べ上げた乃亜のデッキメカニズムの全てです。